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特開2022-174983スイッチシステム、制御装置、およびコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022174983
(43)【公開日】2022-11-25
(54)【発明の名称】スイッチシステム、制御装置、およびコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   B60R 16/02 20060101AFI20221117BHJP
   B60Q 1/00 20060101ALI20221117BHJP
   H01H 9/54 20060101ALI20221117BHJP
【FI】
B60R16/02 630B
B60Q1/00 A
H01H9/54 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021081071
(22)【出願日】2021-05-12
(71)【出願人】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】長倉 寿典
【テーマコード(参考)】
3K339
5G034
【Fターム(参考)】
3K339AA02
3K339AA32
3K339BA26
3K339CA01
3K339CA22
3K339CA24
3K339GB01
3K339HA21
3K339HA22
3K339JA21
3K339JA22
3K339MC77
5G034AC20
(57)【要約】
【課題】スイッチシステムに係る部品コストや管理コストの増大を抑制する。
【解決手段】ライトレバースイッチ31は、ユーザの所定の操作に対応する第三操作信号OS21を出力する。ワイパレバースイッチ32は、ユーザの所定の操作に対応する第四操作信号OS22を出力する。接続装置2は、ライトレバースイッチ31とワイパレバースイッチ32のいずれかが接続可能である右コネクタ21を有している。処理部222は、第三操作信号OS21に基づいて右コネクタ21に接続されているスイッチ3がライトレバースイッチ31であると判断し、第四操作信号OS22に基づいて右コネクタ21に接続されているスイッチ3がワイパレバースイッチ32であると判断する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載されるスイッチシステムであって、
車両に搭載された被制御装置の動作を実行させる第一機能を有し、ユーザの所定の操作に対応する第一信号を出力する第一スイッチと、
前記第一機能とは異なる第二機能を有し、前記ユーザの所定の操作に対応する第二信号を出力する第二スイッチと、
前記第一スイッチと前記第二スイッチのいずれかが接続可能なコネクタを有する接続装置と、
前記第一信号に基づいて前記コネクタに接続されているスイッチが前記第一スイッチであると判断し、前記第二信号に基づいて前記コネクタに接続されているスイッチが前記第二スイッチであると判断する処理部と、
を備えている、スイッチシステム。
【請求項2】
前記第一スイッチに対する前記ユーザの所定の操作は、前記第一機能を実行させるための操作とは異なり、
前記第二スイッチに対する前記ユーザの所定の操作は、前記第二機能を実行させるための操作とは異なる、請求項1に記載のスイッチシステム。
【請求項3】
前記第一スイッチは、前記ユーザの所定の操作を受けてモーメンタリ動作を行うように構成されており、
前記第二スイッチは、前記ユーザの所定の操作を受けてモーメンタリ動作を行うように構成されている、請求項1または請求項2に記載のスイッチシステム。
【請求項4】
前記接続装置は、前記車両のステアリングコラムモジュールの一部を構成している、
請求項1から3のいずれか一項に記載のスイッチシステム。
【請求項5】
車両に搭載される制御装置であって、
前記車両に搭載された被制御装置の動作を実行させる第一機能を有し、ユーザの所定の操作に対応する第一信号を出力する第一スイッチ、または前記第一機能とは異なる第二機能を有し、前記ユーザの所定の操作に対応する第二信号を出力する第二スイッチが接続されたコネクタを通じて前記第一信号または前記第二信号を受け付ける受付部と、
前記第一信号または前記第二信号に基づいて、前記第一スイッチと前記第二スイッチのいずれが前記コネクタに接続されているかを判断する処理部と、
を備えている、
制御装置。
【請求項6】
車両に搭載される制御装置の処理部により実行可能なコンピュータプログラムであって、
実行されることにより、前記制御装置は、
前記車両に搭載された被制御装置の動作を実行させる第一機能を有し、ユーザの所定の操作に対応する第一信号を出力する第一スイッチ、または前記第一機能とは異なる第二機能を有し、前記ユーザの所定の操作に対応する第二信号を出力する第二スイッチが接続されたコネクタを通じて前記第一信号または前記第二信号を受け付け、
前記第一信号または前記第二信号に基づいて、前記第一スイッチと前記第二スイッチのいずれが前記コネクタに接続されているかを判断する、
コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載されるスイッチシステムに関連する。本発明は、当該スイッチシステムの一部を構成する制御装置、および当該制御装置の処理部により実行可能なコンピュータプログラムにも関連する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、車両のステアリングホイールに取り付けられたレバースイッチを開示している。レバースイッチは、車両の進路変更を車両の周囲に報知するランプを点灯させるための運転者の操作入力を受け付けるスイッチとして構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-105674号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、スイッチシステムに係る部品コストや管理コストの増大を抑制することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するための一態様は、車両に搭載されるスイッチシステムであって、
車両に搭載された被制御装置の動作を実行させる第一機能を有し、ユーザの所定の操作に対応する第一信号を出力する第一スイッチと、
前記第一機能とは異なる第二機能を有し、前記ユーザの所定の操作に対応する第二信号を出力する第二スイッチと、
前記第一スイッチと前記第二スイッチのいずれかが接続可能なコネクタを有する接続装置と、
前記第一信号に基づいて前記コネクタに接続されているスイッチが前記第一スイッチであると判断し、前記第二信号に基づいて前記コネクタに接続されているスイッチが前記第二スイッチであると判断する処理部と、
を備えている。
【0006】
上記の目的を達成するための一態様は、車両に搭載される制御装置であって、
前記車両に搭載された被制御装置の動作を実行させる第一機能を有し、ユーザの所定の操作に対応する第一信号を出力する第一スイッチ、または前記第一機能とは異なる第二機能を有し、前記ユーザの所定の操作に対応する第二信号を出力する第二スイッチが接続されたコネクタを通じて前記第一信号または前記第二信号を受け付ける受付部と、
前記第一信号または前記第二信号に基づいて、前記第一スイッチと前記第二スイッチのいずれが前記コネクタに接続されているかを判断する処理部と、
を備えている。
【0007】
上記の目的を達成するための一態様は、車両に搭載される制御装置の処理部により実行可能なコンピュータプログラムであって、
前記車両に搭載された被制御装置の動作を実行させる第一機能を有し、ユーザの所定の操作に対応する第一信号を出力する第一スイッチ、または前記第一機能とは異なる第二機能を有し、前記ユーザの所定の操作に対応する第二信号を出力する第二スイッチが接続されたコネクタを通じて前記第一信号または前記第二信号を受け付け、
前記第一信号または前記第二信号に基づいて、前記第一スイッチと前記第二スイッチのいずれが前記コネクタに接続されているかを判断する。
【0008】
第一スイッチと第二スイッチは、接続装置のコネクタに接続される接続部の構成が異なることが一般的である。この場合、第一スイッチと第二スイッチごとに専用の接続装置が用意される必要があり、スイッチシステムに係る部品コストや管理コストの増大に繋がりうる。他方、上記の各態様に係る構成によれば、選択的に使用される第一スイッチと第二スイッチに対してなされる操作に応じて出力される信号に基づいていずれのスイッチが接続されたのかを判別できるので、少なくとも接続装置のコネクタと、選択的に使用される第一スイッチと第二スイッチの各々に対して専用の接続装置を用意する必要がない。少なくとも接続装置の側の品目数を減らすことができるので、スイッチシステムに係る部品コストや管理コストの増大を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施形態に係るスイッチシステムの構成を示している。
図2】スイッチシステムの機能的構成を示している。
図3】スイッチのモーメンタリ動作例を示している。
図4】スイッチのモーメンタリ動作例を示している。
【発明を実施するための形態】
【0010】
添付の図面を参照しつつ、実施形態例について以下詳細に説明する。以下の説明に用いられる各図面においては、各要素を認識可能な大きさとするために縮尺が適宜変更されている。
【0011】
図1は、一実施形態に係るスイッチシステム1を示している。スイッチシステム1は、車両に搭載されるステアリングコラムモジュールの一部を構成している。以下の説明において用いられる「左」、「右」、「上」、「下」、「手前」および「奥」という表現は、車両の運転者または車両の作業者から見た方向を意味している。
【0012】
スイッチシステム1は、接続装置2を含んでいる。接続装置2は、車両のステアリングシャフト(不図示)に装着される。接続装置2は、右コネクタ21を備えている。右コネクタ21は、コネクタの一例である。
【0013】
スイッチシステム1は、スイッチ3を含んでいる。スイッチ3は、接続装置2の右コネクタ21に取り付けられる。スイッチ3は、車両に設けられた被制御装置の動作を制御するための運転者の操作を受け付ける。被制御装置の例としては、トランスミッション、ワイパ、各種ランプなどが挙げられる。
【0014】
スイッチ3は、ライトレバースイッチ31を含んでいる。ライトレバースイッチ31は、操作部311と接続部312を備えている。操作部311は、車両の前照灯の点灯状態を変化させるために運転者によって操作される部分である。ライトレバースイッチ31は、接続部312を右コネクタ21に接続することにより、接続装置2と結合可能である。ライトレバースイッチ31は、第一スイッチの一例である。
【0015】
スイッチ3は、ワイパレバースイッチ32を含んでいる。ワイパレバースイッチ32は、操作部321と接続部322を備えている。操作部321は、フロントウインドウワイパとリアウインドウワイパの少なくとも一方を動作させるために運転者によって操作される部分である。ワイパレバースイッチ32は、接続部322を右コネクタ21に接続することにより、接続装置2と結合可能である。ワイパレバースイッチ32は、第ニスイッチの一例である。
【0016】
すなわち、接続装置2の右コネクタ21には、ライトレバースイッチ31とワイパレバースイッチ32のいずれかが接続可能である。
【0017】
図2に例示されるように、接続装置2は、制御装置22を備えている。制御装置22は、受付部221、処理部222、および出力部223を含んでいる。右コネクタ21に接続されたスイッチ3は、車両に設けられた被制御装置の動作を制御するための運転者の操作を受け付けると、操作信号OS1を出力する。
【0018】
受付部221は、スイッチ3から出力された操作信号OS1を受け付け可能なインターフェースとして構成されている。操作信号OS1がアナログデータの形態である場合、受付部221は、A/Dコンバータを含む適宜の変換回路を備える。処理部222は、デジタルデータの形態である操作信号OS1を処理の対象とする。
【0019】
処理部222は、受付部221により受け付けた操作信号OS1に基づいて、スイッチ3に入力された運転者の操作に応じた制御信号CSを出力部223から出力するように構成されている。車両に設けられた被制御装置は、制御信号CSに基づいて所定の動作を実行する。すなわち、出力部223は制御信号CSを出力するインターフェースとして構成されている。制御信号CSは、アナログ信号であってもよいし、デジタル信号であってもよい。制御信号CSがアナログ信号である場合、出力部223は、D/Aコンバータを含む適宜の変換回路を備える。
【0020】
例えば、右コネクタ21にライトレバースイッチ31が接続されている場合、ライトレバースイッチ31は、車両の前照灯の点灯状態を変化させるための運転者の操作を受け付けると、第一操作信号OS11を出力する。処理部222は、受付部221により受け付けた第一操作信号OS11に基づいて、第一制御信号CS1を出力部223から出力する。第一制御信号CS1により、車両の前照灯の点灯状態が制御される。例えば、右コネクタ21にワイパレバースイッチ32が接続されている場合、ワイパレバースイッチ32は、フロントウインドウワイパとリアウインドウワイパの少なくとも一方を動作させるための運転者の操作を受け付けると、第二操作信号OS12を出力する。処理部222は、受付部221により受け付けた第二操作信号OS12に基づいて、第二制御信号CS2を出力部223から出力する。第二制御信号CS2により、ワイパレバースイッチ32に対応するフロントウインドウワイパとリアウインドウワイパの少なくとも一方の動作が制御される。
【0021】
処理部222は、受付部221により受け付けたスイッチ3に対するユーザの所定の操作に対応する操作信号OS2に基づいて、右コネクタ21に接続されているスイッチ3が、ライトレバースイッチ31とワイパレバースイッチ32のいずれであるかを判断するように構成されている。ユーザの例としては、接続装置2にスイッチ3を取り付ける作業者、接続装置2を車両に取り付ける作業者などが挙げられる。例えば、接続装置2にスイッチ3を取り付けた後や接続装置2を車両に取り付けた後に、作業者は、接続装置2または車両に、右コネクタ21に接続されているスイッチ3の機能を判断させるために、スイッチ3に対して所定の操作を行う。操作信号OS2は、ユーザの所定の操作に対応する信号の一例である。
【0022】
具体的には、ユーザは、右コネクタ21に接続されているスイッチ3がライトレバースイッチ31であることを認識させるために操作部311に対して所定の操作を行う。例えば、所定の操作は、操作部311に対する操作時間、操作回数や操作方法などに基づいて適宜設定されうる。ライトレバースイッチ31は、ユーザの所定の操作を受け付けると、第三操作信号OS21を出力する。処理部222は、受付部221により受け付けた第三操作信号OS21に基づいて、右コネクタ21に接続されているスイッチ3がライトレバースイッチ31であると判断する。第三操作信号OS21は、第一信号の一例である。
【0023】
同様に、ユーザは、右コネクタ21に接続されているスイッチ3がワイパレバースイッチ32であることを認識させるために操作部321に対して所定の操作を行う。例えば、所定の操作は、操作部321に対する操作時間、操作回数や操作方法などに基づいて適宜設定されうる。ワイパレバースイッチ32は、ユーザの所定の操作を受け付けると、第四操作信号OS22を出力する。処理部222は、受付部221により受け付けた第四操作信号OS22に基づいて、右コネクタ21に接続されているスイッチ3がワイパレバースイッチ32であると判断する。第四操作信号OS22は、第二信号の一例である。
【0024】
例えば、図2に例示されるように、接続装置2は、メモリ23を備えうる。メモリ23には、第三操作信号OS21と第四操作信号OS22が予め格納されている。より具体的には、メモリ23は、第三操作信号OS21とライトレバースイッチ31を関連付ける情報を格納している。同様に、メモリ23は、第四操作信号OS22とワイパレバースイッチ32を関連付ける情報を格納している。処理部222は、受付部221を介して操作信号OS2を受け取ると、メモリ23に記憶されている操作信号に関する情報と比較することにより、右コネクタ21に接続されているスイッチ3がライトレバースイッチ31とワイパレバースイッチ32のいずれであるかを判断する。
【0025】
ライトレバースイッチ31とワイパレバースイッチ32は、接続装置2の右コネクタ21に接続される接続部の構成が異なることが一般的である。この場合、ライトレバースイッチ31とワイパレバースイッチ32ごとに専用の接続装置2が用意される必要があり、スイッチシステム1に係る部品コストや管理コストの増大に繋がりうる。
【0026】
他方、本実施形態に係る構成によれば、選択的に使用されるライトレバースイッチ31とワイパレバースイッチ32に対してなされる操作に応じて出力される信号に基づいていずれのスイッチが接続されたのかを判別できるので、少なくとも接続装置2の右コネクタ21と、右コネクタ21に接続される各スイッチの接続部の形状を共通にできる。換言すると、選択的に使用されるライトレバースイッチ31とワイパレバースイッチ32の各々に対して専用の接続装置2を用意する必要がない。少なくとも接続装置2の側の品目数を減らすことができるので、スイッチシステム1に係る部品コストや管理コストの増大を抑制できる。
【0027】
右コネクタ21に接続されているスイッチ3の機能を判断させるためのユーザの所定の操作は、車両に設けられた被制御装置の動作を制御するための運転者の操作とは異なるように設定されうる。すなわち、ユーザの所定の操作に対する操作信号OS2は、車両に設けられた被制御装置の動作を制御するための運転者の操作に対する操作信号OS1とは異なるように設定されうる。
【0028】
このような構成によれば、処理部222は、スイッチ3から出力される操作信号のみに基づいて、スイッチ3に対する操作が、右コネクタ21に接続されているスイッチ3を判断するための操作であるのか、車両に設けられた被制御装置の動作を制御するための操作であるのか判断できる。
【0029】
ライトレバースイッチ31は、車両の運転者や車両の作業者の操作を受けてモーメンタリ動作を行うように構成されうる。同様に、ワイパレバースイッチ32は、車両の運転者や車両の作業者の操作を受けてモーメンタリ動作を行うように構成されうる。
【0030】
具体的には、スイッチ3の操作部は、車両の運転者や車両の作業者の操作を受け付けると、基準位置から変位し、当該車両の運転者や車両の作業者の操作から解放されると基準位置に戻るモーメンタリ動作を行う可動部を有しうる。モーメンタリ動作は、バネ機構などによって実現されうる。
【0031】
例えば、図3に示されるように、ライトレバースイッチ31の操作部311は、可動部311Aと固定部311Bを備えている。操作部311は、可動部311Aが固定部311Bに対して回転軸A1を中心として回転可能に構成されたロータリスイッチとして機能する。
【0032】
可動部311Aが運転者の操作により図3に例示される基準位置から回転軸A1を中心として所定の角度だけ時計回りに回転されると、図4に例示されるように可動部311Aは、固定部311Bの外周面に設けられた標識Iに対応する位置に変位される。可動部311Aは、運転者の操作から解放されると、図4に例示される位置から所定の角度だけ下方に自動的に回動されて図3に例示される基準位置に戻る。
【0033】
例えば、可動部311Aが基準位置から回転軸A1を中心として回転されて固定部311Bの標識Iに対応する位置に変位される度に、車両の前照灯の点灯状態が異なる動作モードに変化するように構成されうる。具体的には、可動部311Aが固定部311Bの標識Iに対応する位置に変位される度に、消灯、自動点灯モード、スモールランプ点灯モード、ヘッドランプ点灯モードの順に動作モードが切り替わる。あるいは、可動部311Aが固定部311Bの標識Iに対応する位置に変位される回数や可動部311Aが固定部311Bの標識Iに対応する位置に維持される時間により、異なる動作モードに変化するように構成されうる。
【0034】
このような構成によれば、スイッチ3の操作部は、操作される度に自動的に基準位置に戻るので、例えば、スイッチ3の操作部に対して同じ操作を複数回繰り返す場合、車両の運転者や車両の作業者の負担を軽減できる。
【0035】
図1に示されるように、接続装置2は、左コネクタ24を備えうる。スイッチシステム1は、左コネクタ24に取り付けられるスイッチ4を含みうる。スイッチ4は、シフトレバースイッチ41とターンレバースイッチ42を含んでいる。図2に例示されるように、左コネクタ24は、受付部224を介して処理部222と接続されている。
【0036】
シフトレバースイッチ41は、操作部411と接続部412を備えている。操作部411は、車両のトランスミッションのシフト位置を変更させるために運転者によって操作される部分である。シフト位置の例としては、リバース位置、ニュートラル位置、ドライブ位置などが挙げられる。シフトレバースイッチ41は、接続部412を左コネクタ24に接続することにより、接続装置2と結合可能である。シフトレバースイッチ41の操作部411は、モーメンタリ動作を行うように構成されてもよい。
【0037】
ターンレバースイッチ42は、操作部421と接続部422を備えている。操作部421は、車両の進路変更を車両の周囲に報知するランプを点灯させるために運転者によって操作される部分である。ターンレバースイッチ42は、接続部422を左コネクタ24に接続することにより、接続装置2と結合可能である。ターンレバースイッチ42の操作部421は、モーメンタリ動作を行うように構成されてもよい。
【0038】
すなわち、接続装置2の左コネクタ24には、シフトレバースイッチ41とターンレバースイッチ42のいずれかが接続されるように構成されている。
【0039】
処理部222は、スイッチ3と同様に、スイッチ4の操作部に対するユーザの操作によりスイッチ4から出力される操作信号OS3に基づいて、左コネクタ24に接続されたスイッチ4がシフトレバースイッチ41とターンレバースイッチ42のいずれであるかを判断しうる。
【0040】
このような構成においても、スイッチシステム1に係る部品コストや管理コストの増大を抑制できる。加えて、スイッチ4から入力される操作によって所望の被制御装置の動作の制御を実現できる。
【0041】
これまで説明した各機能を有する処理部222は、汎用メモリと協働して動作する汎用マイクロプロセッサにより実現されうる。汎用マイクロプロセッサとしては、CPU、MPU、GPUが例示されうる。汎用メモリとしては、ROMやRAMが例示されうる。この場合、ROMには、上述した処理を実行するコンピュータプログラムが記憶されうる。ROMは、コンピュータプログラムが記憶している非一時的なコンピュータ可読媒体の一例である。汎用マイクロプロセッサは、ROM上に記憶されたコンピュータプログラムの少なくとも一部を指定してRAM上に展開し、RAMと協働して上述した処理を実行する。上記のコンピュータプログラムは、汎用メモリにプリインストールされてもよいし、無線通信ネットワークを介して外部サーバ装置からダウンロードされた後、汎用メモリにインストールされてもよい。この場合、外部サーバ装置は、コンピュータプログラムを記憶している非一時的なコンピュータ可読媒体の一例である。
【0042】
処理部222は、上記のコンピュータプログラムを実行可能な専用集積回路によって実現されてもよい。専用集積回路としては、マイクロコントローラ、ASIC、FPGAなどが例示されうる。この場合、当該専用集積回路に含まれる記憶素子に上記のコンピュータプログラムがプリインストールされる。当該記憶素子は、コンピュータプログラムを記憶している非一時的なコンピュータ可読媒体の一例である。処理部222は、汎用マイクロプロセッサと専用集積回路の組合せによっても実現されうる。
【0043】
メモリ23は、汎用マイクロプロセッサと協働して動作する汎用メモリにより実現されうる。メモリ23には、右コネクタ21に接続可能なスイッチ3の全ての種類および左コネクタ24に接続可能なスイッチ4の全ての種類に対応するコンピュータプログラムが記憶されうる。この場合、処理部222は、メモリ23に記憶された複数のコンピュータプログラムの中から特定されたスイッチ3またはスイッチ4に対応するコンピュータプログラムを指定して実行する。あるいは、メモリ23に記憶されたコンピュータプログラムは、右コネクタ21に接続されるスイッチ3または左コネクタ24に接続されるスイッチ4に応じて適宜書き換えられてもよい。この場合、接続されるスイッチ3またはスイッチ4に対応するコンピュータプログラムは、スイッチ3またはスイッチ4がコネクタに接続される前または後に、無線通信ネットワークを介して外部サーバ装置からダウンロードされて、メモリ23にインストールされてもよい。あるいは、スイッチ3またはスイッチ4は各々対応するコンピュータプログラムを記憶するメモリを有しており、スイッチ3またはスイッチ4がコネクタに接続されると、スイッチ3またはスイッチ4からコンピュータプログラムがダウンロードされて、メモリ23にインストールされてもよい。
【0044】
上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするための例示にすぎない。上記の各実施形態に係る構成は、本発明の趣旨を逸脱しなければ、適宜に変更・改良されうる。
【0045】
スイッチ3やスイッチ4の操作部の形状や構成は、接続装置2が搭載される車両の仕様や仕向地に応じて、適宜変更可能である。
【0046】
上記の実施形態において、スイッチ3は、ライトレバースイッチ31とワイパレバースイッチ32を有している。同様に、スイッチ4は、シフトレバースイッチ41とターンレバースイッチ42を有している。しかしながら、スイッチ3およびスイッチ4の機能は、接続装置2が搭載される車両の仕様や仕向地に応じて、適宜変更可能である。
【0047】
上記の実施形態において、ライトレバースイッチ31の操作部311は、可動部311Aが固定部311Bに対して回転するロータリスイッチとして機能している。しかしながら、操作部311は、可動部311Aが固定部311Bに対して所定の方向に変位するプッシュスイッチなど他のスイッチとして機能してもよい。あるいは、ライトレバースイッチ31の操作部311全体が、上下方向に変位可能に構成されてもよく、手前または奥の方向に変位可能に構成されてもよい。
【0048】
上記の実施形態において、接続装置2における特定のコネクタへ選択的に接続されるレバースイッチの数が二つである場合を例示している。しかしながら、特定のコネクタへ選択的に接続可能なレバースイッチの数は三つ以上であってもよい。この場合、接続装置2のメモリ23には、当該コネクタへ選択的に接続可能な三つ以上のレバースイッチの機能を判断させるための操作信号に関する情報が格納されうる。
【0049】
上記の実施形態において、スイッチの一例としてレバースイッチが挙げられている。しかしながら、スイッチは、ボタンスイッチやダイヤルスイッチなどの他のタイプのスイッチでもよい。
【0050】
上記の実施形態において、接続装置2が制御装置22を備えている。しかしながら、制御装置22は、接続装置2とは独立して車両における適宜の位置に配置されうる。
【0051】
上記の実施形態において、右コネクタ21に接続されているスイッチ3の機能を判断させるためのユーザの所定の操作は、車両に設けられた被制御装置の動作を制御するための運転者の操作とは異なるように設定されている。しかしながら、右コネクタ21に接続されているスイッチ3の機能を判断させるためのユーザの所定の操作は車両に設けられた被制御装置の動作を制御するための運転者の操作と同じに設定されうる。すなわち、ユーザの所定の操作に対する操作信号OS2は、車両に設けられた被制御装置の動作を制御するための運転者の操作に対する操作信号OS1と同じに設定されうる。この場合、スイッチ3に対する操作が右コネクタ21に接続されているスイッチ3を判断するための操作であることを示すための所定の動作または操作がスイッチ3または接続装置2に対して行われてもよい。
【0052】
上記の実施形態は、スイッチシステム1がステアリングコラムモジュールを構成する場合を例示している。しかしながら、本発明は、共通の接続装置が備えるコネクタに対して構成が相違する複数のスイッチのいずれかが選択的に接続可能である適宜の車両用スイッチシステムに適用可能である。
【符号の説明】
【0053】
1:スイッチシステム、2:接続装置、3:スイッチ、21:右コネクタ、22:制御装置、31:ライトレバースイッチ、32:ワイパレバースイッチ、221:受付部、222:処理部、OS2:操作信号、OS21:第三操作信号、OS22:第四操作信号
図1
図2
図3
図4