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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022174989
(43)【公開日】2022-11-25
(54)【発明の名称】情報処理システム
(51)【国際特許分類】
   G16H 20/00 20180101AFI20221117BHJP
   G06Q 10/06 20120101ALI20221117BHJP
【FI】
G16H20/00
G06Q10/06 326
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021081077
(22)【出願日】2021-05-12
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】319004663
【氏名又は名称】株式会社Smart119
(74)【代理人】
【識別番号】100205084
【弁理士】
【氏名又は名称】吉浦 洋一
(72)【発明者】
【氏名】中田 孝明
(72)【発明者】
【氏名】山尾 恭生
【テーマコード(参考)】
5L049
5L099
【Fターム(参考)】
5L049AA06
5L099AA15
(57)【要約】      (修正有)
【課題】役職員などの健康を管理するための情報処理システム及び情報処理プログラムを提供する。
【解決手段】ユーザの健康管理を行う情報処理システム1であって、管理コンピュータ2は、登録処理部20と、情報記憶部21と、通知処理部22と、入力受付処理部23と、管理処理部24と、を有する。通知処理部22は、あらかじめ記憶しているユーザに対してメッセージを通知する。入力受付処理部23は、ユーザから体温、体調および/またはワクチン接種の副反応に関する情報の入力を受け付けて、情報記憶部21に記憶させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの健康管理を行う情報処理システムであって,
前記情報処理システムは,
あらかじめ記憶しているユーザに対してメッセージを通知する通知処理部と,
前記ユーザから体温,体調および/またはワクチン接種の副反応に関する情報の入力を受け付けて,情報記憶部に記憶させる入力受付処理部と,
を有することを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記通知処理部は,
前記ユーザに対してメッセージを通知してから所定のタイミングを経過するまでに,前記ユーザが前記メッセージを確認したことが検出できない場合には,そのユーザに対してリマインドのメッセージを通知する,
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記通知処理部は,
前記ユーザの勤務状況を示す情報を用いて,前記ユーザの勤務に応じたタイミングで前記メッセージを通知する,
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記通知処理部は,
前記メッセージに,前記ユーザまたは前記メッセージを一意に識別するアクセス先の情報を含めて通知をする,
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記通知処理部は,
前記ユーザまたは前記メッセージを一意に識別する情報を生成し,前記生成した情報を含むアクセス先の情報を含めて通知をする,
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記入力受付処理部は,
前記情報記憶部に,前記ユーザのワクチン接種に関する情報を記憶している場合には,前記ユーザの前記ワクチン接種に関する情報を同定し,前記ユーザの利用する通信端末に表示させる,
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記入力受付処理部は,
前記情報記憶部に,前記ユーザがワクチン接種をしている情報が記憶されている場合には,前記ユーザの前記ワクチンの副反応に関する情報を表示または入力可能とする,
ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記入力受付処理部は,
前記情報記憶部に記憶する前記ユーザのワクチンの接種日の情報に基づいて,前記接種日から所定期間,前記ワクチンの副反応に関する情報を表示または入力可能とする,
ことを特徴とする請求項7に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記情報処理システムは,さらに,
前記情報記憶部に記憶する前記ユーザから受け付けた体温,体調および/またはワクチン接種による副反応に対する回答を集計して表示させる管理処理部,
を有することを特徴とする請求項1から請求項8のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項10】
コンピュータを,
あらかじめ記憶しているユーザに対してメッセージを通知する通知処理部,
前記ユーザから体温,体調および/またはワクチン接種の副反応に関する情報の入力を受け付けて,所定の記憶装置に記憶させる入力受付処理部,
として機能させることを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,役職員などの健康を管理するための情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
会社,団体,医療機関などの組織が,そこで就労する役職員などの健康を管理することは重要である。とくにインフルエンザや新型コロナウィルス(COVID-19)などの感染症が流行している場合には,就業場所における感染症の拡大を抑止するためにも,役職員などの健康管理を行うことは重要である。
【0003】
そこで,従来,役職員の健康管理などのためのシステムとして,下記非特許文献1,非特許文献2に示すようなシステムがある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】株式会社ヘルステック研究所,”「健康日記」新型コロナ感染症(東日本高速道路株式会社COVID19対策PHR健康観察アプリ)”,[online],インターネット<URL:https://www.htech-lab.co.jp/covid19/>
【非特許文献2】株式会社アップリーチ,”新型コロナ感染症対策に役立つ検温や体調管理のアプリとWebシステム”,[online],インターネット<URL:https://www.appleach.co.jp/health/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の非特許文献1および非特許文献2に示すシステムの場合,単に役職員の体温,症状などを時系列的に記録し,健康管理が行えるだけである。
【0006】
就業場所が医療機関の場合,ワクチン接種などの情報の管理が重要となる。とくに,ワクチンの接種日のみならず,ワクチンの接種後の副反応などの管理も重要となるが,非特許文献1および非特許文献2に示すシステムの場合,そのようなことを行うことはできない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで本発明者らは,上記課題に鑑み,ワクチン接種などの情報の管理も行える役職員の健康管理を行える情報処理システムを発明した。
【0008】
第1の発明は,ユーザの健康管理を行う情報処理システムであって,前記情報処理システムは,あらかじめ記憶しているユーザに対してメッセージを通知する通知処理部と,前記ユーザから体温,体調および/またはワクチン接種の副反応に関する情報の入力を受け付けて,情報記憶部に記憶させる入力受付処理部と,を有する情報処理システムである。
【0009】
本発明によって,役職員の体調のほか,ワクチン接種などの情報の管理も行うことができる。
【0010】
上述の発明において,前記通知処理部は,前記ユーザに対してメッセージを通知してから所定のタイミングを経過するまでに,前記ユーザが前記メッセージを確認したことが検出できない場合には,そのユーザに対してリマインドのメッセージを通知する,情報処理システムのように構成することができる。
【0011】
役職員によってはメッセージに気づかない,あるいはメッセージに返信をしないことが考えられる。そこで,リマインドのメッセージを行うことで,かかる注意をユーザに促すことができる。
【0012】
上述の発明において,前記通知処理部は,前記ユーザの勤務状況を示す情報を用いて,前記ユーザの勤務に応じたタイミングで前記メッセージを通知する,情報処理システムのように構成することができる。
【0013】
医療機関などでは役職員がシフト制で勤務をしていることもある。その場合,一律に通知をするよりもその勤務シフトに合わせて通知を行う方が好ましい。たとえば夜勤明けで就寝中に通知がしつこく来るといったことを防止することができる。
【0014】
上述の発明において,前記通知処理部は,前記メッセージに,前記ユーザまたは前記メッセージを一意に識別するアクセス先の情報を含めて通知をする,情報処理システムのように構成することができる。
【0015】
上述の発明において,前記通知処理部は,前記ユーザまたは前記メッセージを一意に識別する情報を生成し,前記生成した情報を含むアクセス先の情報を含めて通知をする,情報処理システムのように構成することができる。
【0016】
これらの発明のような構成を用いることで,役職員は,メッセージで通知されたアクセス先にアクセスするだけで情報の入力を行うことができ,たとえば認証情報等の入力を省略することができる。
【0017】
上述の発明において,前記入力受付処理部は,前記情報記憶部に,前記ユーザのワクチン接種に関する情報を記憶している場合には,前記ユーザの前記ワクチン接種に関する情報を同定し,前記ユーザの利用する通信端末に表示させる,情報処理システムのように構成することができる。
【0018】
本発明のように構成することで,役職員はワクチン接種に関する情報を知ることができ,たとえば接種予定日時などを把握することができる。
【0019】
上述の発明において,前記入力受付処理部は,前記情報記憶部に,前記ユーザがワクチン接種をしている情報が記憶されている場合には,前記ユーザの前記ワクチンの副反応に関する情報を表示または入力可能とする,情報処理システムのように構成することができる。
【0020】
ワクチンの副反応の情報は,ワクチン接種をしている場合に必要となるものである。そのため,ワクチン接種をしているユーザにだけ副反応に関する情報の表示,入力可能とすることが好ましい。
【0021】
上述の発明において,前記入力受付処理部は,前記情報記憶部に記憶する前記ユーザのワクチンの接種日の情報に基づいて,前記接種日から所定期間,前記ワクチンの副反応に関する情報を表示または入力可能とする,情報処理システムのように構成することができる。
【0022】
ワクチンの副反応についてはワクチン接種日から所定期間内に入力が求められるものである。そこで,本発明のように構成することで,ワクチン接種日から必要な期間だけ副反応に関する情報の表示,入力可能とすることができる。
【0023】
上述の発明において,前記情報処理システムは,さらに,前記情報記憶部に記憶する前記ユーザから受け付けた体温,体調および/またはワクチン接種による副反応に対する回答を集計して表示させる管理処理部,を有する情報処理システムのように構成することができる。
【0024】
本発明のように構成することで,担当者は,ユーザの体温,体調,ワクチン接種による副反応に対する回答を把握することができる。
【0025】
第1の発明は,本発明のプログラムをコンピュータに読み込ませて実行することで実現できる。すなわち,コンピュータを,あらかじめ記憶しているユーザに対してメッセージを通知する通知処理部,前記ユーザから体温,体調および/またはワクチン接種の副反応に関する情報の入力を受け付けて,所定の記憶装置に記憶させる入力受付処理部,として機能させる情報処理プログラムのように構成することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明の情報処理システムを用いることによって,役職員の健康管理に加え,ワクチン接種などの情報の管理も行うことができる。とくに,ワクチン接種が重要な医療機関などでは,その実効性が高いシステムとなる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の情報処理システムの全体の構成の一例を模式的に示す概念図である。
図2】本発明の情報処理システムで用いるコンピュータのハードウェア構成の一例を模式的に示す図である。
図3】本発明の情報処理システムにおける登録処理の処理プロセスの一例を示すフローチャートである。
図4】本発明の情報処理システムにおける通知処理の処理プロセスの一例を示すフローチャートである。
図5】本発明の情報処理システムにおける入力受付処理の処理プロセスの一例を示すフローチャートである。
図6】情報記憶部に記憶するテーブルのうち,ユーザの属性情報,ユーザの概況などを示すテーブルの一例である。
図7】情報記憶部に記憶するテーブルのうち,ユーザの属性情報,感染症に関する情報を示すテーブルの一例である。
図8】情報記憶部に記憶するテーブルのうち,ユーザの属性情報,ワクチン接種に関する情報を示すテーブルの一例である。
図9】情報記憶部に記憶するテーブルのうち,ユーザの属性情報,ワクチン接種による副反応の情報を示すテーブルの一例である。
図10】通知処理部が通知するメッセージの一例である。
図11】入力画面のうち,体温,体調,勤務状況,欠勤理由などの入力を行う画面の一例である。
図12】入力画面のうち,所定の感染症の検査の状況,ワクチン接種に関する情報などの入力を行う画面の一例である。
図13】入力画面のうち,ワクチン接種による副反応の入力を行う画面の一例である。
図14】各ユーザの健康状態を表示する画面の一例である。
図15】所属部署毎のユーザの健康状態を表示する画面の一例である。
図16】各ユーザの感染症に関する状態を表示する画面の一例である。
図17】各ユーザのワクチン接種に関する情報を表示する画面の一例である。
図18】各ユーザのワクチンの副反応に関する情報を表示する画面の一例である。
図19】ワクチンの副反応の項目毎に集計した情報を表示する画面の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の情報処理システム1の全体の構成の一例を図1に示す。また,本発明の情報処理システム1で用いるコンピュータのハードウェア構成の一例を図2に示す。なお,以下の説明では,新型コロナウィルス(COVID-19)のワクチンの予防接種を一例として説明するが,ほかの感染症や疾病などであっても同様である。
【0029】
情報処理システム1は,管理コンピュータ2を用いる。管理コンピュータ2は,サーバやパーソナルコンピュータ,可搬型通信端末などのコンピュータによって実現される。コンピュータは,プログラムの演算処理を実行するCPUなどの演算装置70と,情報を記憶するRAMやROM,ハードディスク,SSDなどの記憶装置71と,ディスプレイなどの表示装置72と,情報の入力を行う入力装置73と,演算装置70の処理結果や記憶装置71に記憶する情報の通信を行う通信装置74とを有している。なお,コンピュータがタッチパネルディスプレイを備えている場合には,入力装置73と表示装置72とが一体的に構成されていてもよい。タッチパネルディスプレイは,タブレット型コンピュータやスマートフォンなどの可搬型通信端末などで利用されることが多いが,それに限定するものではない。
【0030】
タッチパネルディスプレイは,そのディスプレイ上で,直接,所定の入力デバイス(タッチパネル用のペンなど)や指などによって入力が行える点で,表示装置72と入力装置73の機能が一体化した装置である。
【0031】
各コンピュータは一台でその機能が実現されていてもよいし,その機能が複数台によって実現されていてもよい。その場合のコンピュータとして,たとえばクラウドサーバであってもよい。
【0032】
さらに,本発明の情報処理システム1における各手段は,その機能が論理的に区別されているのみであって,物理上あるいは事実上は同一の領域を為していてもよい。
【0033】
情報処理システム1は,登録処理部20と情報記憶部21と通知処理部22と入力受付処理部23と管理処理部24とを有する。
【0034】
登録処理部20は,本発明の情報処理システム1を用いて管理するユーザの情報の登録処理を行う。ユーザとしては,会社,団体などの組織で就労する役職員などが該当するが,とくに病院などの医療機関における,医師,看護師などの医療従事者を含む役職員が一例としてあげられる。
【0035】
情報記憶部21は,登録処理部20で受け付けたユーザの属性情報のほか,体調情報,ワクチン接種などの情報を記憶する。図6から図9に情報記憶部21に記憶する情報の各テーブルの一例を模式的に示す。図6はユーザの属性情報,ワクチンの接種日,体温,現在の体調,勤務状況,欠勤理由,メッセージの送信状態(ステータス),送信状態更新日時など,ユーザの概況を示すテーブルである。図7は,ユーザの属性情報,現状,感染症の発症日,濃厚接触者判定日,就業制限解除日,検査受診日,体温など感染症に関する情報を示すテーブルである。図8は,ユーザの属性情報,ワクチンの予防接種の予定日(日時)および接種日(日時)の情報を示すテーブルである。図9は,ユーザの属性情報,ワクチン接種による副反応の情報を示すテーブルである。なお,図6乃至図9の各テーブルは一例であり,必要な情報のテーブルが設けられていればよい。また,それぞれのテーブルの構成は任意であり,一または複数のテーブルがまとめられていてもよいし,逆に複数のテーブルに分けられていてもよい。
【0036】
通知処理部22は,あらかじめ定められたタイミング,たとえば毎日7時などの時刻が到来すると,通知の対象となるユーザに対して,体調等の情報を入力することを促すメッセージを送る。当該メッセージは,SNSのメッセージであってもよいし,電子メールなどであってもよい。ユーザは,スマートフォン,パーソナルコンピュータなどの通信端末を利用し,通知処理部22から通知されたメッセージを受け付け,各種の情報の入力などを行う。
【0037】
通知処理部22がユーザに対して送るメッセージには,本発明の情報処理システム1へのアクセス先となる情報が記載されている。たとえば当該ユーザや当該メッセージを一意に識別するURLなどを生成し,そのURLなどを当該メッセージに含めてユーザに通知する。そして,メッセージを受け付けたユーザがこのURLなどをクリックするなどによって,後述する体温や体調の情報,ワクチンの情報など所定の入力が行えるウェブページにアクセスすることで,後述の入力受付処理部23における情報の入力が行える。
【0038】
また,通知処理部22は,後述するように,その日における通知のタイミングから所定時間が経過しても当該メッセージを確認したことが検出できない場合には,リマインドのメッセージを通知する。リマインドのメッセージとしては,最初の通知におけるメッセージと同じであってもよいし,異なるメッセージであってもよい。さらに,通知処理部22は,所定回数のリマインドによっても,メッセージを確認したことが検出できない場合には,所定の担当者,上長などの管理者に対してメッセージの確認が検出できないことを通知してもよい。リマインドの回数,リマインド通知からつぎのリマインド通知までの間隔は,管理者が設定できるようにしてもよいし,あらかじめ設定されていてもよい。
【0039】
入力受付処理部23は,通知処理部22がユーザに対して通知したメッセージにおけるURLなどが選択されることで,当該ユーザを特定し,そのユーザの情報,たとえばワクチンの接種予定日などの情報を情報記憶部21から同定する。そして,同定したユーザの情報を入力画面に含めて入力画面をユーザの通信端末に表示させる。
【0040】
入力受付処理部23は,ユーザの通信端末に表示された入力画面で入力された情報,たとえば体温や体調の情報,ワクチンの情報,副反応の情報などの入力を受け付け,当該ユーザに対応づけて情報記憶部21に記憶させる。
【0041】
管理処理部24は,会社,団体などの組織,特に医療機関の担当者が,所定の操作をコンピュータで行うことで,ユーザに関する情報の追加入力を受け付け,情報記憶部21に当該ユーザに対応づけて記憶させる。たとえばユーザのワクチンの接種予定日(もしくは予定日時),感染症に罹患したなどにより就業制限があった場合の就業制限解除日,感染症に罹患したか否か等を検査するための検査結果など,必要な情報の入力を受け付ける。
【0042】
また,管理処理部24は,担当者が所定の操作をコンピュータで行うことで,情報記憶部21に記憶した情報に基づいて各種の情報を画面に表示し,役職員の健康管理,ワクチン接種などの情報を閲覧することができる。
【実施例0043】
つぎに本発明の情報処理システム1の処理プロセスの一例を図3乃至図5のフローチャートを用いて説明をする。以下の説明では,情報処理システム1を医療機関で利用する場合の一例を示すが,会社,団体などのほかの組織であっても同様に適用できる。またユーザは,医療機関の役職員の場合である。
【0044】
医療機関の担当者は,本発明の情報処理システム1で管理する役職員の属性情報,たとえば名前,所属,職種,役職,性別,メールアドレスやSNSのメッセージの通知先となるアカウントなどの情報を所定のコンピュータから入力する。そして登録処理部20は,その情報の入力を受け付け(S100),情報記憶部21の各テーブルに記憶させる(S110)。なお,属性情報は上述に限られず,例えば職員を識別する識別情報などを含んでいても良い。
【0045】
つぎに,所定のタイミング,たとえば毎日午前7時が到来すると(S200),メッセージを通知する対象となるユーザ(役職員)が体調等の入力を行うための入力画面にアクセスするためのURLなどのアクセス先を生成,発行する(S210)。この際に,アクセス先となるURLは役職員毎,通知毎に異なるものとすることが好ましく,たとえば役職員を識別する識別情報,日時情報など,あるいは役職員の識別情報,日時情報などに基づく情報(たとえばハッシュ化した情報)などを生成する。そして,生成した情報に,情報管理システムへアクセスするための情報を付して,アクセス先となるURLを生成し,発行する。そして,このURLを含むメッセージを,役職員に通知する(S220)。このメッセージの一例を図10に示す。図10(a)はSNSでのメッセージの一例であり,図10(b)は電子メールによるメッセージの一例である。
【0046】
S220でメッセージをユーザに通知をすると,通知処理部22は,情報記憶部21におけるユーザの概況を示すテーブルにおいて,メッセージの送信状態(ステータス)を「通知済」に変更するとともに,その送信状態の更新日時を記憶させる(S230)。各ユーザが利用する通信端末において,メッセージが開封(閲覧)されたことを検出すると(S240),通知処理部22は,情報記憶部21におけるユーザの概況を示すテーブルにおいて,メッセージの送信状態(ステータス)を「開封済」に変更する(S250)。なお,開封されたことの検出は,SNSのメッセージであれば当該メッセージの表示によって検出可能であり,電子メールのメッセージであれば開封確認の受信,あるいはメッセージにおけるURLなどのアクセス先へのアクセスによって検出をしても良い。
【0047】
入力処理部は,通知処理部22が通知したメッセージにおけるURLなどのアクセス先へのアクセスを受け付けると(S300),URLなどのアクセス先の情報に含まれる役職員を識別する識別情報,日時情報,あるいはそれらをハッシュ化した情報に基づいて,アクセスをしたユーザを特定し(S310),対応するユーザの情報を情報記憶部21から同定する(S320)。ユーザの特定は,たとえばS210でURLなどのアクセス先としたURLに含まれる,役職員を識別する識別情報,日時情報など,あるいは役職員の識別情報,日時情報などに基づいて生成した情報(たとえばハッシュ化した情報)を,当該ユーザに対応づけて記憶しておき,その情報に基づいて特定することができる。
【0048】
そして入力受付処理部23は,S320で同定した情報の一部または全部を含めた入力画面をユーザが利用する通信端末に表示させる(S330)。入力画面の一例を図11乃至図13に示す。図11は,入力画面のうち,体温,体調,勤務状況,欠勤理由などの入力を行う画面の一例である。図12は,入力画面のうち,所定の感染症の検査の状況,ワクチン接種に関する情報などの入力を行う画面の一例である。図13は,入力画面のうち,ワクチン接種による副反応の入力を行う画面の一例である。図11乃至図13は,一つの画面として表示されても良いし,複数の画面として表示されても良い。
【0049】
入力受付処理部23は,S320で同定した情報を入力画面に含めて表示を行う。まず,入力画面ではユーザの体温や体調の情報を行う画面を表示させる。体調としては,たとえば「良好」,「花粉症等・アレルギー反応」,「咽頭痛・咳・呼吸困難感」,「味覚・嗅覚障害」,「嘔吐・下痢(消化器異常)」,「頭痛」,「鼻汁,鼻閉」,「その他(備考欄に記入)」などがその一例として選択可能とする。また,当該ユーザのその日の勤務状況,欠勤の場合の欠勤の理由を受け付けても良い。勤務状況としては,「出勤」,「欠勤(休み)」,「夜勤明け」,「在宅勤務」,「夜勤前」などがその一例として選択可能とする。欠勤の理由としては,「自己都合による休み」,「非番」,「体調不良による休み(COVID-19以外)」,「COVID-19陽性」,「濃厚接触者」,「濃厚接触者の介護」,「その他(備考欄に記入)」などがその一例として選択可能とする。これらの情報については,入力受付処理部23が入力を受け付けると,情報記憶部21に記憶するユーザの概況を示すテーブル(図6)に記憶される。体調,勤務状況,欠勤の理由の選択肢は,管理者が任意に設定することができる。
【0050】
また,入力受付処理部23では所定の感染症,たとえば新型コロナウィルス(COVID-19)の検査およびワクチンの副反応の状況の入力を受け付ける。たとえばCOVID-19の検査を受けた場合の検査状況としては,「検査中」,「抗原検査陽性(定量・定性),「PCR検査陽性」,「抗原検査陰性(定量・定性)」,「PCR検査検査陰性」などがその一例として選択可能とする。また,当該ユーザの新型コロナウィルスのワクチンの接種予定日や接種日の情報が,情報記憶部21のワクチンの接種予定日,接種日時のテーブル(図8)に記憶されている場合には,それを抽出して当該入力画面に表示させる。当該ユーザの接種予定日,接種日時については,医療機関の担当者が適宜,入力を行っていることが好ましいが,ユーザ自らが入力をしても良い。なお,接種予定日,接種日時の情報に誤りがある場合には,ユーザがその情報の修正を行えても良い。さらに,接種日当日の症状,たとえば体調不良,発疹などの副反応について入力を受け付けても良い。この場合,「なし」,「関節痛」,「疲労感」,「寒気」,「頭痛」,「筋肉痛」,「吐き気」,「発疹」,「硬結/腫膿」,「注射部位の痛み」など,副反応の種別の有無の入力を受け付けるなどがその一例として選択可能となっていても良い。これらの情報については,入力受付処理部23が入力を受け付けると,情報記憶部21に記憶するユーザの感染症に関する情報のテーブル(図7)に記憶される。
【0051】
そして,入力受付処理部23では,ワクチンの副反応の状況として,「関節痛」,「疲労感」,「寒気」,「頭痛」,「筋肉痛」,「吐き気」,「紅斑/発赤の範囲」,「硬結/腫膿の範囲」,「注射部位の痛み」,「副反応のために医療機関を受診したか」,「その他の症状」などの項目について入力を受け付けても良い。
【0052】
たとえば,「関節痛」,「疲労感」,「寒気」,「筋肉痛」の各項目については,「なし」,「軽度」(生活に支障なし),「中等度」(生活に多少支障あり),「重度」(生活に非常に支障あり)などをその一例として選択を受け付ける。また,「頭痛」の項目については「なし」,「軽度」(生活に支障なし),「中等度」(24時間以上にわたり繰り返し非麻薬性鎮痛剤の使用あり,または生活に多少支障あり),「重度」(何らかの麻薬系鎮痛剤の使用,または生活に非常に支障あり)などをその一例として選択を受け付ける。「吐き気」の項目については「なし」,「軽度」(生活に支障なし,または24時間以内に1から2回起こる),「中等度」(生活に多少支障あり,または24時間以内に3回以上起こる),「重度」(生活に非常に支障あり,または外来にて輸液投与の必要あり)などをその一例として選択を受け付ける。「紅斑/発赤の範囲」,「硬結/腫膿の範囲」の各項目については「なし」,「軽度」(直径2.5cm以上5cm未満」,「中等度」(直径5cm以上10cm未満),「重度」(直径10cm以上)などをその一例として選択を受け付ける。「注射部位の痛み」の項目については「なし」,「軽度」(生活に支障なし),「中等度」(24時間以上にわたり繰り返し非麻薬性鎮痛剤の使用あり,または生活に多少支障あり),「重度」(何らかの麻薬系鎮痛剤の使用,または生活に非常に支障あり)などをその一例として選択を受け付ける。「副反応のために医療機関を受診したか」の項目は「なし」,「あり」などをその一例として選択を受け付ける。これらの情報については,入力受付処理部23が入力を受け付けると,情報記憶部21に記憶するユーザのワクチン接種による副反応に関する情報のテーブル(図9)に記憶される。
【0053】
以上のように,入力受付処理部23は,体温,体調,勤務,欠勤理由,感染症(COVID-19)の検査状況,ワクチンの接種状況,ワクチン接種による副反応の状況などの情報の入力を入力画面から受け付け(S350),情報記憶部21に記憶する各テーブルにそれらの情報を記憶させる(S360)。
【0054】
以上のような処理を行うことで,医療機関の担当者は,所定のタイミングで,情報記憶部21に記憶した各テーブルの情報に基づいて,ユーザの体調管理のほか,ワクチンの接種,副反応などの情報の管理が行えることとなる。
【0055】
すなわち,医療機関の担当者は,コンピュータで所定の操作を行うことで,その操作を受け付けた管理処理部24が,情報処理システム1の情報記憶部21の各テーブルに記憶する情報を参照して表示することで,医療機関のユーザである役職員の健康管理を把握することができる。たとえば,ユーザ(役職員)のそれぞれの健康状態を確認したい場合には,コンピュータで所定の操作を行うことで,その操作を受け付けた管理処理部24が,情報記憶部21に記憶するユーザの概況などを示すテーブル(図6)を参照し,図14に示すように,各ユーザの健康状態を当該コンピュータに表示させることができる。また所属ごとの健康状態を確認したい場合には,コンピュータで所定の操作を行うことで,その操作を受け付けた管理処理部24が,情報記憶部21に記憶するユーザの概況などを示すテーブル(図6)を参照し,所属部署ごとにユーザの体温,出勤状況,欠勤理由などを集計することで,図15に示すように,所属部署ごとのユーザの健康状態を当該コンピュータに表示させることができる。
【0056】
またユーザの感染症に関する情報を確認したい場合には,コンピュータで所定の操作を行うことで,その操作を受け付けた管理処理部24が,情報記憶部21に記憶するユーザの感染症に関する情報のテーブル(図7)を参照し,図16に示すように,各ユーザの感染症に関する状態を当該コンピュータに表示させることができる。
【0057】
また,ユーザのワクチン接種に関する情報を確認したい場合には,コンピュータで所定の操作を行うことで,その操作を受け付けた管理処理部24が,情報記憶部21に記憶するユーザのワクチン接種に関する情報のテーブル(図8)を参照し,図17に示すように,各ユーザのワクチン接種に関する情報を当該コンピュータに表示させることができる。
【0058】
また,ユーザごとのワクチン接種による副反応に関する情報を確認したい場合には,コンピュータで所定の操作を行うことで,その操作を受け付けた管理処理部24が,情報記憶部21に記憶するユーザのワクチン接種による副反応に関する情報のテーブル(図9)を参照し,図18に示すように,各ユーザのワクチンの副反応に関する情報を当該コンピュータに表示させることができる。さらに,ワクチン接種による副反応の全体(集計)を確認したい場合には,コンピュータで所定の操作を行うことで,その操作を受け付けた管理処理部24が,情報記憶部21に記憶するユーザのワクチン接種による副反応に関する情報のテーブル(図9)を参照し,ユーザごとの副反応の「なし」,「軽度」,「中等度」,「重度」の情報を合計することで,図19に示すように,ワクチン接種による副反応の項目毎を集計した情報を当該コンピュータに表示させることができる。また,「重度」が入力された場合や,特定の副反応が入力されてテーブル(図9)に記憶された場合,上長などのあらかじめ定められた者に対してメッセージが通知されるようにしてもよい。
【0059】
なお,ユーザのワクチン接種の予定日時等が定まった場合には,医療機関の担当者がコンピュータで所定の操作を行うことで,その操作を受け付けた管理処理部24が,情報処理システム1の情報記憶部21に記憶するワクチン接種に関するテーブル(図8)において,ユーザに対応づけてその接種予定日時の情報を登録するようにしてもよい。これによって,ユーザには,S200での通知の際にワクチン接種の予定日時を知らせることができる。
【実施例0060】
上述の情報処理システム1の変形例として,入力受付処理部23がユーザの通信端末で表示させる入力画面として,ワクチンの副反応に関する情報は,情報記憶部21において,当該ユーザがすでにワクチン接種をしている場合,たとえば図8に示すワクチン接種に関する情報を示すテーブルに,当該ユーザが1回目または2回目の接種日時の情報が記憶されている場合に,入力画面で表示または入力可能としてもよい。
【0061】
また,ワクチンの副反応に関する情報は,情報記憶部21において,当該ユーザがすでにワクチン接種をしている場合,たとえば図8に示すワクチン接種に関する情報を示すテーブルに記憶する,当該ユーザの1回目または2回目の接種日時の情報を用いて,その接種日から所定期間,たとえば2週間だけ,入力画面で表示または入力可能としてもよい。
【実施例0062】
上述の情報処理システム1の変形例として,通知処理部22がユーザに対して通知処理を行う場合に,一斉に通知するのではなく,ユーザに応じて,あるいは勤務形態に応じて通知を行うようにしてもよい。
【0063】
たとえば本発明の情報処理システム1は,医療機関の勤務シフトを管理する労務管理システムと情報の送受信を可能とする。そして当該労務管理システムでは,ユーザごとの勤務シフト(日勤,準夜勤,夜勤,当直)などを記憶している。すなわち,ユーザの名前,職員識別情報等のユーザの識別情報と,勤務シフトの情報が記憶されている。
【0064】
本発明の情報処理システム1は,所定のタイミングで,ユーザごとの勤務シフトの情報を労務管理システムに問い合わせをする。この問い合わせでは,たとえばユーザの名前,職員識別情報等のユーザの識別情報などに基づいて問い合わせを行う。この問い合わせを受け付けた労務管理システムでは,情報処理システム1から受け取ったユーザの名前やユーザの識別情報に基づいて,当該ユーザの勤務シフトの情報を同定し,情報処理システム1に返す。
【0065】
情報処理システム1では,労務管理システムから受け付けた当該ユーザの勤務シフトの情報に基づいて,通知処理を行う日時情報を設定する。たとえば勤務シフトが日勤や当直のユーザは午前7時,準夜勤のユーザは午後3時,夜勤のユーザは午後11時など,勤務シフトごとに設定した時刻に通知処理を行う日時情報を設定する。なお勤務シフトに基づく通知処理を行う日時は,当該勤務シフトにおける勤務開始より少し前の時刻,たとえば1時間や2時間前の時刻で設定しているとよいが任意に設定することができる。
【0066】
このように設定した通知日時の情報は,たとえば情報記憶部21のユーザの概況を示すテーブル(図6)に記憶させる。そして,通知処理部22は,当該テーブルに記憶した通知日時の情報を参照してS200の通知タイミングを判定し,当該通知タイミングが到来したユーザに対して,S200以降の処理を実行する。
【0067】
なお情報処理システム1は労務管理システムから勤務シフトの情報ではなく,勤務時間の情報を取得してもよい。
【0068】
このように,情報処理システム1が労務管理システムから勤務シフトや勤務時間などの勤務状況を示す情報を取得することで,ユーザの勤務に応じた通知処理を行うことができ,たとえばユーザが夜勤明けで就寝しているときなどの通知を抑止することができる。また勤務開始より少し前に通知処理を行うので,勤務開始前のユーザの体温や体調の情報などの入力を促すことができる。なお,本発明の情報処理システム1と労務管理システムが一体的に構成されていても良い。
【0069】
本発明は,本発明の趣旨を逸脱しない範囲において,適宜,設計変更が可能である。また処理は一例であり,その処理を異なる順番で実行することも可能である。さらに,画面の表示についても適宜,変更可能である。また,すべての機能を備えずとも,一部の機能のみを備えるのであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明の情報処理システム1を用いることによって,役職員の健康管理に加え,ワクチン接種などの情報の管理も行うことができる。とくに,ワクチン接種が重要な医療機関などでは,その実効性が高いシステムとなる。
【符号の説明】
【0071】
1:情報処理システム
2:管理コンピュータ
20:登録処理部
21:情報記憶部
22:通知処理部
23:入力受付処理部
24:管理処理部
70:演算装置
71:記憶装置
72:表示装置
73:入力装置
74:通信装置
図1
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