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特開2022-17502肝臓の治療および肝臓の健康維持のための組成物、方法および医薬組成物
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  • 特開-肝臓の治療および肝臓の健康維持のための組成物、方法および医薬組成物 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022017502
(43)【公開日】2022-01-25
(54)【発明の名称】肝臓の治療および肝臓の健康維持のための組成物、方法および医薬組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 36/282 20060101AFI20220118BHJP
   A61K 36/79 20060101ALI20220118BHJP
   A61K 9/14 20060101ALI20220118BHJP
   A61K 9/16 20060101ALI20220118BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20220118BHJP
   A61K 9/48 20060101ALI20220118BHJP
   A61K 31/194 20060101ALI20220118BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20220118BHJP
   A61P 3/04 20060101ALI20220118BHJP
   A61P 3/06 20060101ALI20220118BHJP
   A61P 39/00 20060101ALI20220118BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20220118BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20220118BHJP
   A61K 36/886 20060101ALI20220118BHJP
   A61K 9/08 20060101ALI20220118BHJP
   A61K 31/352 20060101ALI20220118BHJP
【FI】
A61K36/282
A61K36/79
A61K9/14
A61K9/16
A61K9/20
A61K9/48
A61K31/194
A61P1/16
A61P3/04
A61P3/06
A61P39/00
A61K45/00
A61P35/00
A61K36/886
A61K9/08
A61K31/352
【審査請求】有
【請求項の数】38
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021180864
(22)【出願日】2021-11-05
(62)【分割の表示】P 2020032768の分割
【原出願日】2016-07-12
(31)【優先権主張番号】62/192,711
(32)【優先日】2015-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/208,075
(32)【優先日】2016-07-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】504000568
【氏名又は名称】ユニゲン・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チイ・ジア
(72)【発明者】
【氏名】メスフィン・イマム
(72)【発明者】
【氏名】ピン・ジャオ
(72)【発明者】
【氏名】メイ・フェン・ホン
(72)【発明者】
【氏名】ブレアナ・ムーア
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4C086
4C088
4C206
【Fターム(参考)】
4C076AA11
4C076AA14
4C076AA29
4C076AA31
4C076AA36
4C076AA54
4C076AA56
4C076BB01
4C076CC16
4C076CC21
4C076CC40
4C076CC50
4C084AA19
4C084MA02
4C084MA17
4C084MA35
4C084MA37
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4C084MA43
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4C084ZC37
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4C086AA02
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4C086MA03
4C086MA04
4C086MA17
4C086MA35
4C086MA37
4C086MA41
4C086MA43
4C086MA52
4C086NA14
4C086ZA70
4C086ZA75
4C086ZC33
4C086ZC37
4C088AB12
4C088AB29
4C088AB86
4C088MA07
4C088MA08
4C088MA17
4C088MA35
4C088MA37
4C088MA41
4C088MA43
4C088MA52
4C088NA14
4C088ZA70
4C088ZA75
4C088ZC33
4C088ZC37
4C206AA01
4C206AA02
4C206CA34
4C206DA13
4C206DA34
4C206DA35
4C206KA18
4C206MA03
4C206MA04
4C206MA37
4C206MA55
4C206MA57
4C206MA61
4C206MA63
4C206MA72
4C206NA14
4C206ZA70
4C206ZA75
4C206ZC33
4C206ZC37
(57)【要約】      (修正有)
【課題】肝臓の治療および肝臓の健康維持のための組成物および方法を提供する。
【解決手段】植物抽出物の混合物を含み、この植物抽出物が、少なくとも1種のアルテミシア抽出物、少なくとも1種のアロエゲル粉末および少なくとも1種のシザンドラ抽出物を含む、肝臓の治療および肝臓の健康維持のための組成物および方法が開示される。植物抽出物の混合物を含み、この植物抽出物が、少なくとも1種のポリマーまたはバイオポリマーを豊富に含む少なくとも1種のアルテミシア抽出物、少なくとも1種のクロモンを豊富に含む少なくとも1種のアロエゲル粉末および少なくとも1種のリグナンおよび有機酸を豊富に含む少なくとも1種のシザンドラ抽出物を含む、肝臓の治療および肝臓の健康維持のための組成物および方法が開示される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物抽出物の混合物を含み、この植物抽出物が、少なくとも1種のアルテミシア抽出物、少なくとも1種のアロエゲル粉末および少なくとも1種のシザンドラ抽出物を含む、肝臓の治療および肝臓の健康維持のための組成物。
【請求項2】
少なくとも1種のポリマーまたはバイオポリマーを豊富に含むアルテミシア抽出物、少なくとも1種のクロモンを豊富に含むアロエゲル粉末および少なくとも1種のリグナンおよび有機酸を豊富に含むシザンドラ抽出物に由来する植物抽出物の混合物を含む、肝臓の治療および肝臓の健康維持のための組成物。
【請求項3】
アルテミシア抽出物とシザンドラ抽出物が、4:1から1:4の重量比でブレンドされる、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
アロエゲル粉末が、アルテミシア抽出物とシザンドラ抽出物の混合物と約5%から約50%の重量百分率でさらにブレンドされる、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
アルテミシア、シザンドラおよびアロエ葉ゲル粉末の混合物が8:4:3の比率である、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
アルテミシア抽出物が、分子量が500より大きいバイオポリマーを0.01%から99.9%含む、請求項2に記載の組成物。
【請求項7】
アルテミシア抽出物が、アルテミシア・アブシティウム(Artemisia absinthium)、アルテミシア・アブロタニウム L.(Artemisia abrotanum L.)、アルテミシア・アフラ(Artemisia afra)、アルテミシア・アヌア L(Artemisia annua L)、アルテミシア・アーボレーゼンス(Artemisia arborescens)、アルテミシア・アジアチカ(Artemisia asiatica)、アルテミシア・カンペストリス(Artemisia campestris)、アルテミシア・デザーティ(Artemisia deserti)、アルテミシア・イワヨモギ(Artemisia iwayomogi)、アルテミシア・ルドビシアーナ(Artemisia ludoviciana)、アルテミシア・ブルガリス(Artemisia vulgaris)、アルテミシア・オランドディカ(Artemisia oelandica)、アルテミシア・プリンシプス・パンプ(Artemisia princeps Pamp)、アルテミシア・サクラウム(Artemisia sacrorum)、アルテミシア・スコパリア(Artemisia scoparia)、アルテミシア・ステラリアナ(Artemisia stelleriana)、アルテミシア・フリジダ・ウィルド(Artemisia frigida Willd)、アルテミシア・アンテオイデス・マセフ(Artemisia anethoides Mattf.)、アルテミシア・アンティフォリア・ウェーバー(Artemisia anethifolia Weber.)、アルテミシア・フォリエ・ナカイ(Artemisia faurier Nakai)、オリガヌム・ブルガレ(Origanum vulgare、)シポノスタジア・チネンシス(Siphenostegia chinensis)、またはこれらの任意の組み合わせを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
アルテミシア抽出物が、アルテミシア・アブシティウム(Artemisia absinthium)、アルテミシア・アブロタニウム L.(Artemisia abrotanum L.)、アルテミシア・アフラ(Artemisia afra)、アルテミシア・アヌア L(Artemisia annua L)、アルテミシア・アーボレーゼンス(Artemisia arborescens)、アルテミシア・アジアチカ(Artemisia asiatica)、アルテミシア・カンペストリス(Artemisia campestris)、アルテミシア・デザーティ(Artemisia deserti)、アルテミシア・イワヨモギ(Artemisia iwayomogi)、アルテミシア・ルドビシアーナ(Artemisia ludoviciana)、アルテミシア・ブルガリス(Artemisia vulgaris)、アルテミシア・オランドディカ(Artemisia oelandica)、アルテミシア・プリンシプス・パンプ(Artemisia princeps Pamp)、アルテミシア・サクラウム(Artemisia sacrorum)、アルテミシア・スコパリア(Artemisia scoparia)、アルテミシア・ステラリアナ(Artemisia stelleriana)、アルテミシア・フリジダ・ウィルド(Artemisia frigida Willd)、アルテミシア・アンテオイデス・マセフ(Artemisia anethoides Mattf.)、アルテミシア・アンティフォリア・ウェーバー(Artemisia anethifolia Weber.)、アルテミシア・フォリエ・ナカイ(Artemisia faurier Nakai)、オリガヌム・ブルガレ(Origanum vulgare)、シポノスタジア・チネンシス(Siphenostegia chinensis)、またはこれらの任意の組み合わせから選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
1種以上のバイオポリマーが、水、メタノール、エタノール、アルコール、水混合溶媒またはこれらの組み合わせを用いてアルテミシア植物から抽出される、請求項2に記載の組成物。
【請求項10】
アロエゲル粉末が、アロエ・アルボレッセンス(Aloe arborescens)、アロエ・バーバデンシス(Aloe barbadensis)、アロエ・クレモノフィラ(Aloe cremnophila)、アロエ・フェロックス(Aloe ferox)、アロエ・サポナリア(Aloe saponaria)、アロエ(Aloe vera)、アロエベラ・ヴァン・キネンシス(Aloe vera var.chinensis)またはこれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
少なくとも1種のクロモン組成物が、約0.01%から約100%の1種以上のクロモンを含む、請求項2に記載の組成物。
【請求項12】
少なくとも1種のクロモンが、アロエシン、アロエシノール、アロエレシンA、アロエレシンB、アロエレシンC、アロエレシンD、アロエレシンEまたはこれらの任意の組み合わせから選択される、請求項2に記載の組成物。
【請求項13】
クロモン組成物が、約1%から約4%のアロエシンを含み、組成物が本質的にアントロキノンを含まず、アロエゲルが、Aloe barbadensisまたはAloe veraから選択される植物から単離され、少なくとも1種のクロモンが、Aloe veraまたはAloe ferox、またはこれらの任意の組み合わせから単離される、請求項2に記載の組成物。
【請求項14】
シザンドラが、チョウセンゴミシ(Schisandra chinensis)、シザンドラ・エロンゲイ(Schisandra elongate)、シザンドラ・グラブラ(Schisandra glabra)、シザンドラ・グラウケスケンス(Schisandra glaucescens)、シザンドラ・ヘンリー(Schisandra henryi)、シザンドラ・インカーネイト(Schisandra incarnate)、シザンドラ・ランシフォリア(Schisandra lancifolia)、シザンドラ・ネグレクタ(Schisandra neglecta)、シザンドラ・ニグラ(Schisandra nigra)、シザンドラ・プロピンクファ(Schisandra propinqua)、シザンドラ・プベスケンス(Schisandra pubescens)、シザンドラ・レパンダ(Schisandra repanda)、シザンドラ・ルブリフロラ(Schisandra rubriflora)、シザンドラ・ルブリフォリア(Schisandra rubrifolia)、シザンドラ・チネンシス(Schisandra sinensis)、シザンドラ・スファエランドラ(Schisandra sphaerandra)、シザンドラ・スフェエナンセラ(Schisandra sphenanthera)、シザンドラ・トメテリア(Schisandra tomentella)、シザンドラ・ツバーキュレイト(Schisandra tuberculata)、シザンドラ・ベスティタ(Schisandra vestita)、シザンドラ・ビリジス(Schisandra viridis)、シザンドラ・ウイルソニアナ(Schisandra wilsoniana)、またはこれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項15】
シサンドレン抽出物から単離される少なくとも1種のリグナンが、シサンドリン(Schisandrin)、デオキシシザンドリン(Deoxyschizandrin)、γ-シザンドリン(ganma-Schizandrin)、偽γ-シザンドリン(Pseudo-ganma-schizandrin)、ウウェイジスB(Wuweizisu B)、ウウェイジスC(Wuweizisu C)、イソシザンドリン(Isoschizandrin)、プレゴミシン(Pregomisin)、エオシザンドリン(eoschizandrin)、シザンドロール(Schizandrol)、シザンドロールA(Schizandrol A)、シザンドロールB(Schizandrol B)、シサンテリンA、B、C、D、E(Schisantherin A, B, C, D, E)、ルブシサンテリン(Rubschisantherin)、シサンヘノールアセテート(Schisanhenol acetdte)、シサンヘノールB(Schisanhenol B)、シサンヘノール(Schisanhenol)、ゴミシンA、B、C、D、E、F、G、H、J、N、O、R、S、T、U(Gomisin A, B, C, D, E, F, G, H, J, N, O, R, S, T, U,)、エピゴミシンO(Epigomisin O)、アンゲロイルゴミシンH、O、Q、T(Angeloylgomisin)H、O、Q、T、イグロイルゴミシン(igloylgomisin)H、P、アンゲロイイソゴミシンO(Angeloyisogomisin O)、ベンゾイル-ゴミシンH、O、P、Q、(Benzoyl- gomisin H, O, P, Q,)ベンゾイル-イソゴミシン(Benzoyl- isogomisin)、またはこれらの組み合わせである、請求項2に記載の組成物。
【請求項16】
少なくとも1種の有機酸が、シザンドラ抽出物から単離され、リンゴ酸、クエン酸、シキミ酸またはこれらの組み合わせを含む、請求項2に記載の組成物。
【請求項17】
植物抽出物が、茎、茎皮、幹、幹樹皮、小枝、塊茎、根、根皮、若芽、種子、根茎、花および他の生殖器官、葉、その他の空中部分、またはこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの植物部分に由来する、請求項1に記載の組成物。
【請求項18】
植物抽出物が、茎、茎皮、幹、幹樹皮、小枝、塊茎、根、根皮、若芽、種子、根茎、花および他の生殖器官、葉、その他の空中部分、またはこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの植物部分に由来する、請求項2に記載の組成物。
【請求項19】
組成物が、少なくとも1種の肝臓保護剤をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項20】
組成物が、少なくとも1種の肝臓保護剤をさらに含む、請求項2に記載の組成物。
【請求項21】
少なくとも1種の肝臓保護剤が、オオアザミ(milk thistle)、ウコン(curcuma)、ミシマサイコ(bupleurum)、リコリス(licorice)、サルビア(salvia)、クワ(morus)、ケンポナシ(hovenia)、キンミズヒキ(agrimony)、ハリグワ(cudrania)、ライセウム(lyceum)、ミカン(citrus)、サクラ(prunus)、イエローウメ(yellow mume)、韓国海苔(Korea gim)、タンポポ(dandelion)、ブドウ(vitis)、ブドウ種子(grape seed)、キイチゴ(rubus)、ツバキ(camellia)、緑茶(green tea)、オキアミ油(krili oil)、酵母(yeast)、大豆(soy bean)の植物粉末または植物抽出物;単離され濃縮されたシリマリン(silymarins)、フラボノイド(flavonoids)、リン脂質、チオ類、ピクノジェノール、ゼラチン、大豆レシチン、膵酵素;天然または合成のN-アセチル-システイン、タウリン、リボフラビン、ナイアシン、ピリドキシン、葉酸、カロテン、ビタミンA、ビタミンB2、B6、B16、ビタミンC、ビタミンE、グルタチオン、分枝鎖アミノ酸、セレン、銅、亜鉛、マンガン、コエンザイムQ10、L-アルギニン、L-グルタミン、ホスファチジルコリン、またはこれらの組み合わせを含む、請求項19に記載の組成物。
【請求項22】
少なくとも1種の肝臓保護剤が、オオアザミ(milk thistle)、ウコン(curcuma)、ミシマサイコ(bupleurum)、リコリス(licorice)、サルビア(salvia)、クワ(morus)、ケンポナシ(hovenia)、キンミズヒキ(agrimony)、ハリグワ(cudrania)、ライセウム(lyceum)、ミカン(citrus)、サクラ(prunus)、イエローウメ(yellow mume)、韓国海苔(Korea gim)、タンポポ(dandelion)、ブドウ(vitis)、ブドウ種子(grape seed)、キイチゴ(rubus)、ツバキ(camellia)、緑茶(green tea)、オキアミ油(krili oil)、酵母(yeast)、大豆(soy bean)の植物粉末または植物抽出物;単離され濃縮されたシリマリン(silymarins)、フラボノイド(flavonoids)、リン脂質、チオ類、ピクノジェノール、ゼラチン、大豆レシチン、膵酵素;天然または合成のN-アセチル-システイン、タウリン、リボフラビン、ナイアシン、ピリドキシン、葉酸、カロテン、ビタミンA、ビタミンB2、B6、B16、ビタミンC、ビタミンE、グルタチオン、分枝鎖アミノ酸、セレン、銅、亜鉛、マンガン、コエンザイムQ10、L-アルギニン、L-グルタミン、ホスファチジルコリン、またはこれらの組み合わせを含む、請求項20に記載の組成物。
【請求項23】
組成物が、医薬として許容されるか、または栄養補助食品として許容される担体、希釈剤または賦形剤をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項24】
組成物が、医薬として許容されるか、または栄養補助食品として許容される担体、希釈剤または賦形剤をさらに含む、請求項2に記載の組成物。
【請求項25】
組成物が、植物抽出物の混合物の約0.5重量パーセント(wt%)から約90wt%の活性成分を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項26】
組成物が、植物抽出物の混合物の約0.5重量パーセント(wt%)から約90wt%の活性成分を含む、請求項2に記載の組成物。
【請求項27】
組成物が、錠剤、硬質カプセル、軟質ゲルカプセル、粉末、顆粒、液体、チンキ剤、小袋、そのまま飲める液剤またはトローチ剤として配合されている、請求項25に記載の組成物。
【請求項28】
組成物が、錠剤、硬質カプセル、軟質ゲルカプセル、粉末、顆粒、液体、チンキ剤、小袋、そのまま飲める液剤またはトローチ剤として配合されている、請求項26に記載の組成物。
【請求項29】
組成物が、動物の体重1kg当たり0.01から500mgの用量で投与される、請求項1に記載の組成物。
【請求項30】
組成物が、動物の体重1kg当たり0.01から500mgの用量で投与される、請求項2に記載の組成物。
【請求項31】
医薬組成物であって、哺乳動物の肝機能を維持し、肝細胞の損傷を最小化し、健康な肝臓を促進し、肝臓の酸化防止の完全性を保護し、毒素を中和し、肝臓の健康に影響を及ぼすフリーラジカルの作用を減少させ、反応性酸素種を捕捉し、酸化ストレスを減らし、毒性代謝物の生成を防ぎ、肝臓の解毒能力および/または機能を改善し、肝臓を洗浄し、肝臓の構造を回復し、肝臓において肝細胞を毒素から保護し、肝臓の血流および循環を助け、肝機能を補助し、肝臓を強化し、鎮静し、肝臓を沈静化し、正常化し、肝臓の痛みを緩和し、有害な化学物質および有機体を追い出し、肝臓の代謝過程を補助し、肝臓の不快感を緩和し、脂肪肝を緩和し、肝臓の解毒能力を改善し、肝臓の酵素を低減し、天然酸化剤を与え、SODを増加させ、GSHを増加させ、肝細胞の過酸化を低減し、脂肪酸の蓄積を低減し、健康な抗炎症過程を維持し、肝臓の免疫機能を改善し、肝細胞の再生を促進し、肝臓再生機能を改善し、胆汁放出を刺激し、健康な胆汁の流れを促進し、肝臓を若返らせ、栄養過多、働き過ぎ、飲み過ぎ、加齢などから肝臓を保護するためのものであり、医薬組成物が、請求項1に記載の組成物を有効成分として含有する、医薬組成物。
【請求項32】
医薬組成物であって、哺乳動物の肝機能を維持し、肝細胞の損傷を最小化し、健康な肝臓を促進し、肝臓の酸化防止の完全性を保護し、毒素を中和し、肝臓の健康に影響を及ぼすフリーラジカルの作用を減少させ、反応性酸素種を捕捉し、酸化ストレスを減らし、毒性代謝物の生成を防ぎ、肝臓の解毒能力および/または機能を改善し、肝臓を洗浄し、肝臓の構造を回復し、肝臓において肝細胞を毒素から保護し、肝臓の血流および循環を助け、肝機能を補助し、肝臓を強化し、鎮静し、肝臓を沈静化し、正常化し、肝臓の痛みを緩和し、有害な化学物質および有機体を追い出し、肝臓の代謝過程を補助し、肝臓の不快感を緩和し、脂肪肝を緩和し、肝臓の解毒能力を改善し、肝臓の酵素を低減し、天然酸化剤を与え、SODを増加させ、GSHを増加させ、肝細胞の過酸化を低減し、脂肪酸の蓄積を低減し、健康な抗炎症過程を維持し、肝臓の免疫機能を改善し、肝細胞の再生を促進し、肝臓再生機能を改善し、胆汁放出を刺激し、健康な胆汁の流れを促進し、肝臓を若返らせ、栄養過多、働き過ぎ、飲み過ぎ、加齢などから肝臓を保護するためのものであり、医薬組成物が、請求項2に記載の組成物を有効成分として含有する、医薬組成物。
【請求項33】
肝障害または肝疾患が、ウイルス性肝炎、アルコール性肝炎、自己免疫性肝炎、アルコール性肝疾患、脂肪肝疾患、脂肪症、脂肪性肝炎、非アルコール性脂肪肝疾患、薬物誘発性肝疾患、肝硬変、線維症、肝不全、薬物誘発性肝不全、メタボリックシンドローム、肝細胞癌、胆管癌、原発性胆汁性肝硬変、毛細胆管、ジルベール症候群、黄疸、または他の肝毒性に関連する徴候であり、一般的に、患者に対して受け入れられる毒性または任意の他の肝臓に関連する徴候を伴うもの、またはこれらの任意の組み合わせである、請求項31に記載の医薬組成物。
【請求項34】
肝障害または肝疾患が、ウイルス性肝炎、アルコール性肝炎、自己免疫性肝炎、アルコール性肝疾患、脂肪肝疾患、脂肪症、脂肪性肝炎、非アルコール性脂肪肝疾患、薬物誘発性肝疾患、肝硬変、線維症、肝不全、薬物誘発性肝不全、メタボリックシンドローム、肝細胞癌、胆管癌、原発性胆汁性肝硬変、毛細胆管、ジルベール症候群、黄疸、または他の肝毒性に関連する徴候であり、一般的に、患者に対して受け入れられる毒性または任意の他の肝臓に関連する徴候を伴うもの、またはこれらの任意の組み合わせである、請求項32に記載の医薬組成物。
【請求項35】
請求項1に記載の組成物を有効量投与することを含む、哺乳動物の肝機能を維持し、肝細胞の損傷を最小化し、健康な肝臓を促進し、肝臓の酸化防止の完全性を保護し、毒素を中和し、肝臓の健康に影響を及ぼすフリーラジカルの作用を減少させ、反応性酸素種を捕捉し、酸化ストレスを減らし、毒性代謝物の生成を防ぎ、肝臓の解毒能力および/または機能を改善し、肝臓を洗浄し、肝臓の構造を回復し、肝臓において肝細胞を毒素から保護し、肝臓の血流および循環を助け、肝機能を補助し、肝臓を強化し、鎮静し、肝臓を沈静化し、正常化し、肝臓の痛みを緩和し、有害な化学物質および有機体を追い出し、肝臓の代謝過程を補助し、肝臓の不快感を緩和し、脂肪肝を緩和し、肝臓の解毒能力を改善し、肝臓の酵素を低減し、天然酸化剤を与え、SODを増加させ、GSHを増加させ、肝細胞の過酸化を低減し、脂肪酸の蓄積を低減し、健康な抗炎症過程を維持し、肝臓の免疫機能を改善し、肝細胞の再生を促進し、肝臓再生機能を改善し、胆汁放出を刺激し、健康な胆汁の流れを促進し、肝臓を若返らせ、栄養過多、働き過ぎ、飲み過ぎ、加齢などから肝臓を保護するための方法。
【請求項36】
請求項2に記載の組成物を有効量投与することを含む、哺乳動物の肝機能を維持し、肝細胞の損傷を最小化し、健康な肝臓を促進し、肝臓の酸化防止の完全性を保護し、毒素を中和し、肝臓の健康に影響を及ぼすフリーラジカルの作用を減少させ、反応性酸素種を捕捉し、酸化ストレスを減らし、毒性代謝物の生成を防ぎ、肝臓の解毒能力および/または機能を改善し、肝臓を洗浄し、肝臓の構造を回復し、肝臓において肝細胞を毒素から保護し、肝臓の血流および循環を助け、肝機能を補助し、肝臓を強化し、鎮静し、肝臓を沈静化し、正常化し、肝臓の痛みを緩和し、有害な化学物質および有機体を追い出し、肝臓の代謝過程を補助し、肝臓の不快感を緩和し、脂肪肝を緩和し、肝臓の解毒能力を改善し、肝臓の酵素を低減し、天然酸化剤を与え、SODを増加させ、GSHを増加させ、肝細胞の過酸化を低減し、脂肪酸の蓄積を低減し、健康な抗炎症過程を維持し、肝臓の免疫機能を改善し、肝細胞の再生を促進し、肝臓再生機能を改善し、胆汁放出を刺激し、健康な胆汁の流れを促進し、肝臓を若返らせ、栄養過多、働き過ぎ、飲み過ぎ、加齢などから肝臓を保護するための方法。
【請求項37】
肝障害または肝疾患が、ウイルス性肝炎、アルコール性肝炎、自己免疫性肝炎、アルコール性肝疾患、脂肪肝疾患、脂肪症、脂肪性肝炎、非アルコール性脂肪肝疾患、薬物誘発性肝疾患、肝硬変、線維症、肝不全、薬物誘発性肝不全、メタボリックシンドローム、肝細胞癌、胆管癌、原発性胆汁性肝硬変、毛細胆管、ジルベール症候群、黄疸、または他の肝毒性に関連する徴候であり、一般的に、患者に対して受け入れられる毒性または任意の他の肝臓に関連する徴候を伴うもの、またはこれらの任意の組み合わせである、請求項35に記載の方法。
【請求項38】
肝障害または肝疾患が、ウイルス性肝炎、アルコール性肝炎、自己免疫性肝炎、アルコール性肝疾患、脂肪肝疾患、脂肪症、脂肪性肝炎、非アルコール性脂肪肝疾患、薬物誘発性肝疾患、肝硬変、線維症、肝不全、薬物誘発性肝不全、メタボリックシンドローム、肝細胞癌、胆管癌、原発性胆汁性肝硬変、毛細胆管、ジルベール症候群、黄疸、または他の肝毒性に関連する徴候であり、一般的に、患者に対して受け入れられる毒性または任意の他の肝臓に関連する徴候を伴うもの、またはこれらの任意の組み合わせである、請求項36に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本米国特許出願は、「Compositions and Methods for Liver Health(肝臓の健康のための組成物および方法)」と題する2015年7月15日に出願された米国仮特許出願第62192711号、および「Compositions,Methods,and Medical Compositions for Treatment of and Maintaining the Health of the Liver(肝臓の治療および肝臓の健康維持のための組成物、方法および医薬組成物)」と題する2016年7月12日に出願された米国特許出願(Utility Application)第15208075号に対する優先権を主張し、これらは所有者が共通し、全体的に本明細書に参考として組み込まれる。
【0002】
本主題の分野は、肝臓の健康管理に有用な化合物および開示された化合物の立体異性体、医薬として許容される塩または栄養補助食品として許容される塩、互変異性体、グリコシドおよびプロドラッグを含む組成物、肝臓の健康を改善し、維持する組成物および関連する方法である。
【背景技術】
【0003】
肝臓は、さまざまな内因性および外因性の有害物質の代謝および解毒において中心的な役割を果たす重要な臓器である。500を超える化学反応が肝臓で起こると考えられている。さまざまな生体異物や外来化学物質が肝毒性を引き起こすことが知られているが、特に、アセトアミノフェン(n-アセチル-p-アミノフェノールまたはAPAP)と四塩化炭素(CCl)は、同様の作用機序を有し、ヒト型の肝臓毒性を模倣する動物モデルを開発するために一般的に利用されている。血清ホモジネートまたは肝臓ホモジネートに由来するバイオマーカーの部位は、肝臓の健康状態をレビューしおよび/または分析するために使用されており、正常範囲から外れた変化は、臓器に対する傷害の徴候と考えられる。これらのバイオマーカーの中で、最もよく用いられるのは、ALT(アラニンアミノトランスフェラーゼ)、AST(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ)、MDA(マロンジアルデヒド)、GSH(グルタチオン)、SOD(スーパーオキシドジスムターゼ)、c-Jun N末端キナーゼ(JNK)、GSH-Px(グルタチオンペルオキシダーゼ)、CAT(カタラーゼ)およびTNF-アルファ(腫瘍壊死因子-α)である。AST、ALT、総ビリルビン、コンジュゲートビリルビンおよび非コンジュゲートビリルビン、胆汁酸、総タンパク質、アルブミン、グロブリンおよびアルカリホスファターゼなどの肝パネルは、肝臓の健康のための標準的なスクリーニング方法として使用されてきた。ALTおよびASTは肝臓障害に対して非特異的であると認識されているが、ALTは肝臓に対して相対的特異性を示している。例えば、ASTは、肝臓(9000:1)対筋肉(5200:1)の由来比を有する。これに対し、ALTは、肝臓(7600:1)対筋肉(750:1)の由来比を有する。総ASTおよびALTの半減期は、それぞれ17±5時間および47±10時間である。ALTは、室温で3日間、冷蔵庫で3週間、全血中で24時間安定である。しかし、ALTは、凍結と解凍の繰り返しにより急速に劣化する。血清ALTは、我々の研究における植物抽出物の効力スクリーニングに用いられた。
【0004】
APAPは、治療量で非常に安全で効果的な鎮痛薬であり、解熱薬である。APAPは、米国において急性肝不全の最多原因である。APAPにより誘発される肝毒性は、臨床的に関連性が高く、よく研究されており、in vivoで単回投与により迅速に誘発させることができ、植物療法の潜在的な肝臓保護効果を評価する際の従来型モデルとなっている。
【0005】
APAPにより誘発される細胞死は、細胞の生存機能を停止させる1回の悲劇的事象によって引き起こされるのではなく、反応性代謝物形成およびミトコンドリア機能不全の開始から始まる一連の事象を誘発し、これがJNK経路によって増幅され、最終的に、ミトコンドリアの機能消失と、重大なDNA分解が起こり、細胞壊死を引き起こす。
【0006】
APAPの毒性は、非常に複雑な作用機序の経路で起こる。既に確立されているように、APAPにより誘発される細胞死の細胞内シグナル伝達機構は、投与量のごく一部が、P450酵素によってCyp 2e1および1a2(Zaherら、1998)からn-アセチル-p-ベンゾキノンイミン(NAPQI)へと代謝されることによって開始される。通常の条件下では、この反応性の高い代謝物はGSHによって無毒化されるが、広範な肝GSH枯渇を引き起こし(Mitchellら、197)、このことは、過剰服用時に重要となる。同時に、量が増加したNAPQIがタンパク質のスルフヒドリル基と反応し、細胞タンパク質の共有結合による付加を引き起こす(Jollowら、1973)。興味深いことに、研究は、細胞内の全タンパク質結合がミトコンドリア内の付加物ほど重要ではないことを示している(TirmensteinおよびNelson、1989;Qiuら、2001)。ミトコンドリアのタンパク質結合は、ミトコンドリア酸化ストレスの引き金となり(Jaeschke、1990)、これにより、アポトーシスシグナル調節キナーゼ1(Nakagawaら、2008)およびc-Jun N末端キナーゼ(JNK)(Hanawaら、2008)の活性化、ミトコンドリアJNK転座によるミトコンドリア酸化ストレスの増幅とペルオキシ亜硝酸形成(Saitoら、2010a)が生じる。広範な酸化ストレスは、最終的に、膜電位の崩壊を伴うミトコンドリアにおける膜透過性遷移(MPT)孔の開口の引き金となり(Konら、2004;Masubuchiら、2005;Ramachandranら、2011a;LoguidiceおよびBoelsterli、2011)、その後、ミトコンドリアからのエンドヌクレアーゼGおよびアポトーシス誘発因子(AIF)といった膜間タンパク質の放出が続く(Konら、2004;Bajtら、2008)。エンドヌクレアーゼGおよびAIFの両方が核に移行し、DNA断片化を引き起こし(Coverら、2005;Bajtら、2006、2011)、最終的に細胞死が起こる。ATP枯渇および核分解を伴うミトコンドリア膜電位の崩壊は、細胞壊死につながる重要な事象である。従って、肝臓保護のための治療的介入を設計する際にこれらの機構を遮断することができる複数の干渉点が存在する。
【0007】
モデルの病理学的過程の時系列を知ることにより、治療的介入のための指針が得られる。酸化ストレスおよび無菌性炎症は、APAP毒性において重要な役割を果たすが、モデルの病態生理学は、APAP毒性の後、0から2時間までの間の代謝活性化、最初の30分以内のGSHの枯渇、2から12時間までの間の細胞死の細胞内機構、6から24時間の時間枠での炎症応答、24から72時間の時間枠での再生を含む一連の事象によって特徴づけられる(Jaeschkeら、2012a)。
【0008】
上述のように、APAPの過剰服用は、ヒトにおいて、タンパク質付加物の形成(Davernら、2006;Jamesら、2009)、細胞死を引き起こすミトコンドリア損傷および核DNA断片化(McGillら、2012a)によって特徴づけられる重篤な肝臓毒性を引き起こすことがある。従って、肝臓保護のために植物抽出物を試験する場合に、類似の病態生理学的特徴を共有することができる動物モデルを利用することが望ましい。従って、マウスが好ましいモデルである。in vivo実験において、その損傷が、機構と用量依存性の両方においてヒトの病態生理に最もよく似ているからである。実際、マウスとヒトの間のAPAP肝毒性の主な有意差は、ALTピークが曝露後6から12時間に存在するマウスと比較して、ヒトにおいて曝露後24から48時間にALTピークを示すという、ヒトの方が毒性が遅れてやってくることであることが示唆されている(Larson、2007)。この差は、マウスとヒト2種間の吸収の違いのためであると部分的には説明することができる。対照的に、ラットは、天然産物の試験では一般的であるが、ほとんどのラット株はAPAP毒性に対してほとんど感受性がないため、不十分なモデルである(Mitchellら、1973;McGillら、2012b)。1g/kg以上の高用量であっても、APAPはほとんどの場合、関連する肝障害を引き起こさない(Jaeschkeら、2013)。また、GSH枯渇とタンパク質付加物を測定することはできるものの、マウスと比較してラット肝臓ミトコンドリア中の付加物は少なく、十分なミトコンドリア機能不全およびその後の壊死細胞死を引き起こす増幅事象を開始させるには不十分なようである(McGillら、2012b)。マウスとラット2種間のこれらの基本的な違いは、植物療法の評価中に反映されてきた。例えば、ラットの研究では、3g/kgのAPAP投与量により、血漿ALTレベルがベースラインと比較して約3倍に上昇し、植物療法はこの中程度の肝臓損傷を33%軽減した(Ajithら、2007)。このラットモデルにおける組織学的変化はごくわずかであり、検出するのは困難であった。一方、マウスの研究では、300mg/kgのAPAP投与後のALT上昇は、ベースラインの60倍を超え、植物療法による低下は75%であった(Wanら、2012)。APAP毒性によって引き起こされる組織学的変化と、薬物の保護効果は、容易に観察された。
【0009】
使用法が制限されているハロゲン化アルカンCClは、よく知られた肝臓毒であり、広範囲の実験動物において急性毒性肝障害を誘発するために広く使用されている。人々は、職場環境や、汚染された飲料水などの環境汚染からCClに曝されている。それにも関わらず、この化学物質は、脂肪変性、線維症、肝細胞死および発癌性のような肝毒性作用の作用機序を解明するためのモデル化合物として今日も重要な役割を果たし続けている(Slater 1981;Renner H.1985;Reynolds 1963)。この化学物質は、主にフリーラジカルの形成および脂質過酸化に関連する、化学的に誘発される古典的な肝臓毒性動物モデルの1つと考えられている。
【0010】
APAPと同様に、CCl毒性は、主として(CYP)2E1、CYP2B1またはCYP2B2といったシトクロムP450によって開始し(NelsonおよびHarrison、1987)、反応性代謝物であるトリクロロメチルフリーラジカル(CCl-)を生成し、このラジカルが、脂質過酸化を開始させ、最終的に、反応性酸素種(ROS)の過剰産生および肝細胞傷害を引き起こすことがある(Poyerら、1980;Albanoら、1982)。その過程で、これらのラジカルは、細胞分子(核酸、タンパク質および脂質)に結合し、脂質代謝などの重要な細胞の処理過程を妨害し、脂肪変性(脂肪症)およびこれらの高分子への直接的損傷といった結末を引き起こす可能性がある(Weddleら、1976)。これらのラジカルは、酸素と反応して、高反応性種であるトリクロロメチルペルオキシラジカルCClOO-(反応性の高い種)を形成することもある。いったん生成されると、脂質化酸化の連鎖反応が開始し、多価不飽和脂肪酸、特に、リン脂質と関連する多価不飽和脂肪酸を攻撃し、破壊する。この反応は、ミトコンドリア、小胞体および原形質膜の透過性に影響を及ぼし、その結果細胞のカルシウム隔離および恒常性が失われ、その後の細胞損傷に大きく寄与し得る。この観点で、酸化防止剤およびラジカル捕捉剤は、脂質過酸化の連鎖反応を破壊することによって、CClにより誘発される損傷から肝細胞を保護するために、また、CCl毒性の機構を研究するために使用されてきた(Cheesemanら、1987)。分子レベルで、CClは、細胞において、TNF-α(Czajaら、1995)、一酸化窒素(NO)(Chamulitratら、1994,1995)および形質転換成長因子(TGF)を活性化し(Luckeyら、2001)、細胞を主に破壊または線維化の方向に向かわせるように見える過程が進む。これらのことは、抗炎症活性を有する植物抽出物が、肝臓保護において潜在的な用途を有する可能性があることを示唆している。大量のCClの急性投与は重篤な壊死を引き起こすが、低用量の慢性投与は肝線維症を誘発するために頻繁に使用される。
【0011】
酸化ストレスは、フリーラジカルの生成と、さまざまな還元性および捕捉性の内因性酸化防止剤による防御ネットワークとの相互作用によってフリーラジカルの有害な影響を打ち消すか、または中和する体内固有の能力との均衡が崩れることである。体内の酸化防止剤による防御システムによる適切な適応がない場合には、反応性酸化種の蓄積により、ストレスに敏感な細胞内シグナル伝達経路の活性化が起こり、ひいては、壊死を引き起こす細胞損傷を促進するだろう。酸化ストレスによる損傷は、システムとして体全体に影響を及ぼすが、アルコールなどの有害な毒素を除去して代謝させるための一次解毒が行われる肝臓など生命維持に関わる臓器が関与する場合には、その影響はさらに有害なものとなる。結果として、アルコールおよびその一次代謝物であるアセトアルデヒドが、肝臓の酸化防止剤による防御システムを変えてしまう反応性酸素種(ROS)およびヒドロキシルラジカル(OH)を生成するため、肝臓は、アルコールにより誘発される損傷を受けやすい。脂肪肝、肝炎、線維症および肝硬変のような最も一般的な病理学的状態は、アルコールに繰り返し曝露した結果、アルコールに関連する肝障害で観察される。これらの結果は、細胞脂質、タンパク質およびDNAの酸化を伴い、複数の実験動物で証明されている(WuおよびCederbaum、2003)。ここでは、APAPなどの臨床的な意味合いを持つ最も頻繁に使用される動物モデルを使用し、古典的なCClにより誘発される肝毒性モデルを用いた知見を確認した。肝毒性を誘発するために使用される化学物質に関わらず、APAPモデルとCClモデルは、両方とも、タンパク質酸化、脂質過酸化およびDNA損傷を引き起こす過剰な中間代謝物によって生成される反応性酸素種によって誘発される酸化ストレスにおいて、重要な過程を共有する。
【0012】
この目的のために、肝臓を治療し、肝臓の健康を維持するように設計された組成物、医薬組成物および関連する方法を開発し、製造し、利用することが望ましい。理想的な化合物、医薬組成物および組成物は、(1)哺乳動物の肝細胞の損傷を治療または予防すること;(2)肝臓の健康を促進すること;(3)哺乳動物における解毒および酸化防止の肝臓酵素を保存すること;(4)哺乳動物において肝臓解毒能力を増加させること;(5)哺乳動物における肝疾患を治療または予防すること;(6)哺乳動物における肝臓の炎症を改変すること;(7)肝臓再生機能を改善することのうち、任意の1つ以上を含む治療を行うのに十分であろう。理想的な化合物および組成物は、少なくとも1種の植物抽出物から誘導されてもよく、または少なくとも1種の植物抽出物を含んでいてもよく、植物抽出物は、ある成分を豊富に含んでいてもよく、または豊富に含んでいなくてもよい。この開発の一環として、検討対象の化合物および組成物を試験するために、頻繁に用いられる受け入れ可能なモデルを利用することが理想的であろう。また、肝臓分解の機構における幾つかの点を遮断し、これらの結果を研究することによって、肝臓の健康のための治療的介入を確実に設計することが望ましいであろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
植物抽出物の混合物を含み、この植物抽出物が、少なくとも1種のアルテミシア抽出物、少なくとも1種のアロエゲル粉末および少なくとも1種のシザンドラ抽出物を含む、肝臓の治療および肝臓の健康維持のための組成物および方法が開示される。
【0014】
植物抽出物の混合物を含み、この植物抽出物が、少なくとも1種のポリマーまたはバイオポリマーを豊富に含む少なくとも1種のアルテミシア抽出物、少なくとも1種のクロモンを豊富に含む少なくとも1種のアロエゲル粉末および少なくとも1種のリグナンおよび有機酸を豊富に含む少なくとも1種のシザンドラ抽出物を含む、肝臓の治療および肝臓の健康維持のための組成物および方法が開示される。
【課題を解決するための手段】
【0015】
哺乳動物の肝機能を維持し、肝細胞の損傷を最小化し、健康な肝臓を促進し、肝臓の酸化防止の完全性を保護し、毒素を中和し、肝臓の健康に影響を及ぼすフリーラジカルの作用を減少させ、反応性酸素種を捕捉し、酸化ストレスを減らし、毒性代謝物の生成を防ぎ、肝臓の解毒能力および/または機能を改善し、肝臓を洗浄し、肝臓の構造を回復し、肝臓において肝細胞を毒素から保護し、肝臓の血流および循環を助け、肝機能を補助し、肝臓を強化し、鎮静し、肝臓を沈静化し、正常化し、肝臓の痛みを緩和し、有害な化学物質および有機体を追い出し、肝臓の代謝過程を補助し、肝臓の不快感を緩和し、脂肪肝を緩和し、肝臓の解毒能力を改善し、肝臓の酵素を低減し、天然酸化剤を与え、SODを増加させ、GSHを増加させ、肝細胞の過酸化を低減し、脂肪酸の蓄積を低減し、健康な抗炎症過程を維持し、肝臓の免疫機能を改善し、肝細胞の再生を促進し、肝臓再生機能を改善し、胆汁放出を刺激し、健康な胆汁の流れを促進し、肝臓を若返らせるなどのための医薬組成物および方法も開示され、ここで、医薬組成物は、検討対象の組成物を有効成分として含有する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】Artemisia capillaris 70%エタノール抽出物のHPLCクロマトグラムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
簡潔には、本開示は、開示される化合物の立体異性体、医薬として許容される塩または栄養補助食品として許容される塩、互変異性体、グリコシドおよびプロドラッグを含む、肝臓の健康管理に有用な化合物および組成物、ならびに肝臓の健康を改善する関連する方法に関する。
【0018】
検討対象の化合物および組成物は、少なくとも1種の植物抽出物から誘導されるか、または少なくとも1種の植物抽出物を含み、植物抽出物は、ある成分を豊富に含んでいてもよく、または豊富に含んでいなくてもよい。この開発の一部として、検討対象の化合物および組成物を試験するために、頻繁に用いられる受け入れ可能なモデルを利用した。これに加え、肝臓の健康の治療的介入は、肝臓分解の機構における幾つかの点を遮断し、これらの結果を研究することによって設計された。検討対象の化合物、医薬組成物および組成物は、(1)哺乳動物の肝細胞の損傷を治療または予防すること;(2)肝臓の健康を促進すること;(3)哺乳動物における解毒および酸化防止の肝臓酵素を保存すること;(4)哺乳動物において肝臓解毒能力を増加させること;(5)哺乳動物における肝疾患を治療または予防すること;(6)哺乳動物における肝臓の炎症を改変すること;(7)肝臓再生機能を改善することのうち、任意の1つ以上を含む治療を行うのに十分である。
【0019】
具体的には、植物抽出物の混合物を含み、この植物抽出物が、少なくとも1種のアルテミシア抽出物、少なくとも1種のアロエゲル粉末および少なくとも1種のシザンドラ抽出物を含む、肝臓の治療および肝臓の健康維持のための組成物、化合物および方法が開示される。
【0020】
これに加え、植物抽出物の混合物を含み、この植物抽出物が、少なくとも1種のポリマーまたはバイオポリマーを豊富に含む少なくとも1種のアルテミシア抽出物、少なくとも1種のクロモンを豊富に含む少なくとも1種のアロエゲル粉末および少なくとも1種のリグナンおよび有機酸を豊富に含む少なくとも1種のシザンドラ抽出物を含む、肝臓の治療および肝臓の健康維持のための組成物、化合物および方法が開示される。
【0021】
哺乳動物の肝機能を維持し、肝細胞の損傷を最小化し、健康な肝臓を促進し、肝臓の酸化防止の完全性を保護し、毒素を中和し、肝臓の健康に影響を及ぼすフリーラジカルの作用を減少させ、反応性酸素種を捕捉し、酸化ストレスを減らし、毒性代謝物の生成を防ぎ、肝臓の解毒能力および/または機能を改善し、肝臓を洗浄し、肝臓の構造を回復し、肝臓において肝細胞を毒素から保護し、肝臓の血流および循環を助け、肝機能を補助し、肝臓を強化し、鎮静し、肝臓を沈静化し、正常化し、肝臓の痛みを緩和し、有害な化学物質および有機体を追い出し、肝臓の代謝過程を補助し、肝臓の不快感を緩和し、脂肪肝を緩和し、肝臓の解毒能力を改善し、肝臓の酵素を低減し、天然酸化剤を与え、SODを増加させ、GSHを増加させ、肝細胞の過酸化を低減し、脂肪酸の蓄積を低減し、健康な抗炎症過程を維持し、肝臓の免疫機能を改善し、肝細胞の再生を促進し、肝臓再生機能を改善し、胆汁放出を刺激し、健康な胆汁の流れを促進し、肝臓を若返らせるなどのための医薬組成物および方法も開示され、ここで、医薬組成物は、検討対象の組成物を有効成分として含有する。
【0022】
酸化ストレスに繰り返し曝露することから肝臓を保護するための効力が高められた化合物および抽出物の独特なブレンドを発見するという概念は、アルコールにより誘発される肝障害、全身疲労および極度の疲労を念頭に置いて開発された。歴史的に、フェノール化合物を豊富に含む幾つかの植物は、一重項酸素およびフリーラジカルの捕捉剤として作用する生体系における酸化防止作用と関連しており、ハーブ医薬品に使用されることが報告されている。効力および安全性データが判明しているこのような植物材料を組み合わせることは、肝臓全体の健康に有利であると考えられる。このように、APAPモデルおよびCClモデルを利用して、さまざまな植物抽出物をスクリーニングした。その結果、植物抽出物の中には、1つのモデルにおいてのみ血清ALTの減少を示すものがあったが、考慮すべきリード物質の基準は、両方のモデルにおいて効力を示すことであった。
【0023】
試験した合計38種の植物材料から、シサンドラ、アルテミシアおよびN931だけが、両方のモデルにおいてその効力を実証された材料であった。N931は、1から4%のアロエシンと、96から99%の200:1のAloe veraの落ちた内葉の粉末多糖類との独特な組み合わせを含む組成物である。本明細書に開示されるように、検討対象の組成物は、一般に、1種以上のバイオポリマーを豊富に含むアルテミシア抽出物、1種以上のクロモンを豊富に含むアロエゲル粉末および1種以上のリグナンおよび有機酸を豊富に含むシザンドラ抽出物に由来する植物抽出物の混合物を含む。
【0024】
これらの物質について観察された阻害の程度は、モデル間で等しくなかった。例えば、シザンドラ由来の抽出物は、APAPによる肝障害のより高い保護(500mg/kgの用量で48.9%まで)を示すようであったが、同じ用量で、この抽出物は、CClにより誘発される肝毒性モデルにおいてわずか22.8%の阻害しか示さなかった。一方、Artemisia capillarisのようなアルテミシア抽出物は、CClにより誘発される肝毒性モデルにおいて、400mg/kgの用量で血清ALTレベルの48.0%の低下を示した。対照的に、APAPにより誘発される肝損傷モデルで観察された阻害は、ビヒクル対照と比較した場合、この用量レベルでわずか24.0%であった。各植物の別々のモデルで観察されたこれらの強い個々の性能を考慮すると、これらの植物抽出物を組み合わせて、両方のモデルにおいてより良い結果を得るという考えが強化された。N931は、両方のモデルにおいて中程度の肝臓保護活性を示した。上に開示されているように、多数の研究が、さまざまな程度の肝臓保護能力を有するシザンドラ、アルテミシアおよびN931の酸化防止剤活性を実証した。しかしながら、これらの研究は、シザンドラ、アルテミシアおよびN931の独特な組み合わせとして一般に理解されているSALを含め、検討され、開示される組成物を得るために、以前に特定の比率で組み合わされることがなかった。
【0025】
興味深い発見は、400mg/kgの用量で、シザンドラをArtemisia capillarisと4:1、2:1、1:1、1:2および1:4の比率でブレンドした場合、傷害に対するビヒクル対照と比較して、APAPモデルにおいて2:1(シザンドラがArtemisia capillarisの2倍)、CClモデルにおいて1:2(Artemisia capillarisがシザンドラの2倍)のみが、血清ALTレベルをそれぞれ48.0%および40.6%低下させたことであった。これらは、両方のモデルにおいて、単一の比率で期待される効力を示すには不十分であり、このことは、組成物を完成させるのに第三成分を必要とすることを示唆している。N931は、両方のモデルにおいて中等度の阻害を示したので、その成分であると考えられた。これらの2つのリードブレンドにN931を添加すると、両方のモデルにおいて同様の大きさ、即ち、両方のモデルにおいてそれぞれ52.5%および46.3%の肝臓保護活性を示し、これは、組成物または化合物の第三成分の結果としての付加価値であると考えられた。これらの3種の植物材料を配合する利点を試験したとき、これらの3種の植物材料の組み合わせから、予想されない相乗効果が観察され、400mg/kgの用量で、所与の比率で各構成要素について観察される効果の単純な足し合わせに基づく予想される結果を超えていた。
【0026】
実際に、構成成分のいずれも、シザンドラ、アルテミシアおよびN931を含む検討対象の化合物または組成物について示された肝臓保護活性と同等の大きさの肝臓保護活性を示さなかった。さらに、AST、ALT、胆汁酸、総タンパク質、総ビリルビン、結合ビリルビン、アルブミンおよび総タンパク質を含む肝パネルからのデータは、検討対象の組成物が、損傷を有する動物をビヒクルで治療したコントロール動物と比較して、肝臓保護活性を含むことを示した。肝ホモジネートからのデータとして、SALを含む検討対象の組成物は、肝臓スーパーオキシドジスムターゼにおける活性の増加と関連して、枯渇した肝臓グルタチオンも補充した。4S:8A:3Lの検討対象の独特の比率は、複数の動物モデルにおいて、幾つかの酸化ストレスに特異的なバイオマーカーの調節と関連して、肝臓保護活性を示した。
【0027】
本明細書に開示されるように、アルテミシア抽出物とシザンドラ抽出物は、4:1から1:4の重量比でブレンドすることができる。検討対象の幾つかの実施形態では、アロエゲル粉末は、アルテミシア抽出物とシザンドラ抽出物の混合物と約5%から約50%の重量百分率でさらにブレンドすることができる。他の検討される実施形態では、アルテミシア、シザンドラおよびアロエ葉ゲル粉末の混合物は、それぞれ8:4:3の比で提供されてもよい。
【0028】
シザンドラ抽出物は、標的化合物または組成物の一部として利用することができる、検討対象の成分または構成成分である。シザンドラ抽出物は、チョウセンゴミシ(Schisandra chinensis)、シザンドラ・エロンゲイ(Schisandra elongate)、シザンドラ・グラブラ(Schisandra glabra)、シザンドラ・グラウケスケンス(Schisandra glaucescens)、シザンドラ・ヘンリー(Schisandra henryi)、シザンドラ・インカーネイト(Schisandra incarnate)、シザンドラ・ランシフォリア(Schisandra lancifolia)、シザンドラ・ネグレクタ(Schisandra neglecta)、シザンドラ・ニグラ(Schisandra nigra)、シザンドラ・プロピンクファ(Schisandra propinqua)、シザンドラ・プベスケンス(Schisandra pubescens)、シザンドラ・レパンダ(Schisandra repanda)、シザンドラ・ルブリフロラ(Schisandra rubriflora)、シザンドラ・ルブリフォリア(Schisandra rubrifolia)、シザンドラ・チネンシス(Schisandra sinensis)、シザンドラ・スファエランドラ(Schisandra sphaerandra)、シザンドラ・スフェエナンセラ(Schisandra sphenanthera)、シザンドラ・トメテリア(Schisandra tomentella)、シザンドラ・ツバーキュレイト(Schisandra tuberculata)、シザンドラ・ベスティタ(Schisandra vestita)、シザンドラ・ビリジス(Schisandra viridis)、シザンドラ・ウイルソニアナ(Schisandra wilsoniana)またはこれらの組み合わせを含む、任意の適切な供給源から得られてもよい。
【0029】
シザンドラ抽出物は、本明細書で検討されるように、1種以上のリグナンおよび有機酸を豊富に含んでいてもよい。シザンドラ抽出物から単離される検討対象のリグナンは、シサンドリン(Schisandrin)、デオキシシザンドリン(Deoxyschizandrin)、γ-シザンドリン(ganma-Schizandrin)、偽γ-シザンドリン(Pseudo-ganma-schizandrin)、ウウェイジスB(Wuweizisu B)、ウウェイジスC(Wuweizisu C)、イソシザンドリン(Isoschizandrin)、プレゴミシン(Pregomisin)、エオシザンドリン(eoschizandrin)、シザンドロール(Schizandrol)、シザンドロールA(Schizandrol A)、シザンドロールB(Schizandrol B)、シサンテリンA、B、C、D、E(Schisantherin A, B, C, D, E)、ルブシサンテリン(Rubschisantherin)、シサンヘノールアセテート(Schisanhenol acetdte)、シサンヘノールB(Schisanhenol B)、シサンヘノール(Schisanhenol)、ゴミシンA、B、C、D、E、F、G、H、J、N、O、R、S、T、U(Gomisin A, B, C, D, E, F, G, H, J, N, O, R, S, T, U,)、エピゴミシンO(Epigomisin O)、アンゲロイルゴミシンH、O、Q、T(Angeloylgomisin)H、O、Q、T、イグロイルゴミシン(igloylgomisin)H、P、アンゲロイイソゴミシンO(Angeloyisogomisin O)、ベンゾイル-ゴミシンH、O、P、Q、(Benzoyl- gomisin H, O, P, Q,)ベンゾイル-イソゴミシン(Benzoyl- isogomisin)、またはこれらの組み合わせである。シザンドラ抽出物から単離される検討対象の有機酸には、リンゴ酸、クエン酸、シキミ酸またはそれらの組み合わせが挙げられる。
【0030】
アルテミシア抽出物は、標的化合物または組成物の一部として利用することができる、検討対象の成分または構成成分である。アルテミシア抽出物は、アルテミシア・アブシティウム(Artemisia absinthium)、アルテミシア・アブロタニウム L.(Artemisia abrotanum L.)、アルテミシア・アフラ(Artemisia afra)、アルテミシア・アヌアL(Artemisia annua L)、アルテミシア・アーボレーゼンス(Artemisia arborescens)、アルテミシア・アジアチカ(Artemisia asiatica)、アルテミシア・カンペストリス(Artemisia campestris)、アルテミシア・デザーティ(Artemisia deserti)、アルテミシア・イワヨモギ(Artemisia iwayomogi)、アルテミシア・ルドビシアーナ(Artemisia ludoviciana)、アルテミシア・ブルガリス(Artemisia vulgaris)、アルテミシア・オランドディカ(Artemisia oelandica)、アルテミシア・プリンシプス・パンプ(Artemisia princeps Pamp)、アルテミシア・サクラウム(Artemisia sacrorum)、アルテミシア・スコパリア(Artemisia scoparia)、アルテミシア・ステラリアナ(Artemisia stelleriana)、アルテミシア・フリジダ・ウィルド(Artemisia frigida Willd)、アルテミシア・アンテオイデス・マセフ(Artemisia anethoides Mattf.)、アルテミシア・アンティフォリア・ウェーバー(Artemisia anethifolia Weber.)、アルテミシア・フォリエ・ナカイ(Artemisia faurier Nakai)、オリガヌム・ブルガレ(Origanum vulgare)、シポノスタジア・チネンシス(Siphenostegia chinensis)またはこれらの任意の組み合わせを含む、任意の適切な供給源から得られてもよい。
【0031】
アルテミシア抽出物は、本明細書で検討されるように、1種以上のバイオポリマーを豊富に含んでいてもよい。アルテミシア抽出物から単離された、検討対象のポリマーおよびバイオポリマーは、水、メタノール、エタノール、アルコール、水混合溶媒またはそれらの組み合わせを含む任意の適切な溶媒で抽出される。検討される実施形態では、アルテミシア抽出物は、個々の分子量または分子量の中央値が約500g/molより大きいバイオポリマーを約0.01%から約99.9%含む。検討される実施形態では、アルテミシア抽出物は、個々の分子量または分子量の中央値が約750g/molより大きいバイオポリマーを約0.01%から約99.9%含む。検討される実施形態では、アルテミシア抽出物は、個々の分子量または分子量の中央値が約1000g/molより大きいバイオポリマーを約0.01%から約99.9%含む。
【0032】
アロエゲル粉末は、別の検討対象の成分または構成成分であり、アロエ・アルボレッセンス(Aloe arborescens)、アロエ・バーバデンシス(Aloe barbadensis)、アロエ・クレモノフィラ(Aloe cremnophila)、アロエ・フェロックス(Aloe ferox)、アロエ・サポナリア(Aloe saponaria)、アロエ(Aloe vera)、アロエベラ・ヴァン・キネンシス(Aloe vera var.chinensis)またはこれらの組み合わせを含め、任意の適切な供給源によって提供されてもよい。
【0033】
アロエゲル粉末は、本明細書で検討されるように、1種以上のクロモンを豊富に含んでいてもよい。検討対象のクロモンは、アロエシン、アロエシノール、アロエレシンA、アロエレシンB、アロエレシンC、アロエレシンD、アロエレシンEまたはこれらの任意の組み合わせを含むか、またはこれらから選択される。検討される実施形態では、少なくとも1種のクロモン組成物は、約0.01%から約100%の1種以上のクロモンを含んでいてもよい。幾つかの検討される実施形態では、クロモン組成物は、約1%から約4%のアロエシンを含み、この組成物は本質的にアントロキノンを含まず、アロエゲルが、Aloe barbadensisまたはAloe veraから選択される植物から単離され、少なくとも1種のクロモンが、Aloe veraまたはAloe ferox、またはこれらの任意の組み合わせから単離される。
【0034】
検討対象の化合物、医薬組成物および組成物は、少なくとも1種の肝臓保護剤を含んでいてもよく、または追加的に含んでいてもよく、またはこれらからなっていてもよい。幾つかの実施形態では、少なくとも1種の肝臓保護剤は、オオアザミ(milk thistle)、ウコン(curcuma)、ミシマサイコ(bupleurum)、リコリス(licorice)、サルビア(salvia)、クワ(morus)、ケンポナシ(hovenia)、キンミズヒキ(agrimony)、ハリグワ(cudrania)、ライセウム(lyceum)、ミカン(citrus)、サクラ(prunus)、イエローウメ(yellow mume)、韓国海苔(Korea gim)、タンポポ(dandelion)、ブドウ(vitis)、ブドウ種子(grape seed)、キイチゴ(rubus)、ツバキ(camellia)、緑茶(green tea)、オキアミ油(krili oil)、酵母(yeast)、大豆(soy bean)の植物粉末または植物抽出物;単離され濃縮されたシリマリン(silymarins)、フラボノイド(flavonoids)、リン脂質、チオ類、ピクノジェノール、ゼラチン、大豆レシチン、膵酵素;天然または合成のN-アセチル-システイン、タウリン、リボフラビン、ナイアシン、ピリドキシン、葉酸、カロテン、ビタミンA、ビタミンB2、B6、B16、ビタミンC、ビタミンE、グルタチオン、分枝鎖アミノ酸、セレン、銅、亜鉛、マンガン、コエンザイムQ10、L-アルギニン、L-グルタミン、ホスファチジルコリンなどおよび/またはこれらの組み合わせを含んでいてもよく、またはこれらからなっていてもよい。
【0035】
また、開示された化合物のin vivo代謝産物も、本明細書で検討される。このような産物は、主に酵素法に起因して、例えば、投与された化合物の酸化、還元、加水分解、アミド化、エステル化などから生じてもよい。従って、検討対象の化合物は、検討対象の化合物または組成物を、その代謝物を産生するのに十分な期間、哺乳動物に投与することを含む方法によって産生される化合物である。このような産物は、典型的には、ラット、マウス、モルモット、イヌ、ネコ、ブタ、ヒツジ、ウマ、サルまたはヒトなどの動物に検出可能な用量で本開示の放射性標識された化合物を投与し、代謝が起こるのに十分な時間放置し、次いで、その変換産物を尿、血液または他の生体サンプルから単離することによって同定される。
【0036】
本明細書で使用される場合、「安定な化合物」および「安定な構造」という句は、相互に置き換え可能に使用され、反応混合物から有用な程度の純度までの単離に耐え、配合して有効な治療薬剤とするのに耐えるほど十分に丈夫な化合物を示すために用いられる。
【0037】
本明細書で使用される場合、「哺乳動物」という用語は、ヒト、家畜動物(例えば、実験動物または家庭用ペット(例えば、ラット、マウス、モルモット、ネコ、イヌ、ブタ、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ウサギ、霊長類))、非家畜動物(例えば、野生動物など)を含む。
【0038】
本明細書で使用される場合、「任意要素の」または「場合により」という用語は、相互に置き換え可能に使用されてもよく、その後に記載される要素、構成要素、事象または状況が発生しても発生しなくてもよいことを意味し、その要素、構成要素、事象または状況が起こる場合と、その要素、構成要素、事象または状況が起こらない場合を含む。例えば、「場合により置換されたアリール」は、アリール基が置換されていてもされていなくてもよいことを意味する。言い換えれば、この記載は、置換アリール基および置換基をもたないアリール基の両方を含む。
【0039】
検討対象の化合物、医薬組成物および組成物は、少なくとも1種の医薬として許容される担体か、または栄養補助食品として許容される担体、希釈剤または賦形剤を含むか、追加的に含むか、またはこれらからなっていてもよい。本明細書で使用される場合、「医薬として許容される担体か、または栄養補助食品として許容される担体、希釈剤または賦形剤」という句は、ヒトまたは家畜に使用するために許容されるものとして米国食品医薬品局によって承認されている任意のアジュバント、担体、賦形剤、流動促進剤、甘味剤、希釈剤、防腐剤、色素/着色剤、風味増強剤、界面活性剤、湿潤剤、分散剤、懸濁剤、安定化剤、等張剤、溶媒、または乳化剤を含む。
【0040】
検討対象の化合物、医薬組成物および組成物は、少なくとも1種の医薬として許容される塩または栄養補助食品として許容される塩を含んでいてもよく、または追加的に含んでいてもよく、またはこれらからなっていてもよい。本明細書で使用される場合、「医薬として許容される塩または栄養補助食品として許容される塩」という句は、酸付加塩および塩基付加塩の両方を含む。
【0041】
本明細書で使用される場合、「医薬として許容されるか、または栄養補助食品として許容される酸付加塩」という句は、遊離塩基の生物学的有効性および特性を保持し、生物学的に、またはその他の点で望ましくないものではなく、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸、酢酸、2,2-ジクロロ酢酸、アジピン酸、アルギン酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、4-アセトアミド安息香酸、カンファー酸、カンファー-10-スルホン酸、カプリン酸、カプロン酸、カプリル酸、炭酸、桂皮酸、クエン酸、シクラミン酸、ドデシル硫酸、エタン-1,2-ジスルホン酸、エタンスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、ガラクタル酸、ゲンチシン酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルクロン酸、グルタミン酸、グルタル酸、2-オキソ-グルタル酸、グリセロリン酸、グリコール酸、馬尿酸、イソ酪酸、乳酸、ラクトビオン酸、ラウリン酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ムチン酸、ナフタレン-1,5-ジスルホン酸、ナフタレン-2-スルホン酸、1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、ニコチン酸、オレイン酸、オロチン酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモ酸、プロピオン酸、ピログルタミン酸、ピルビン酸、サリチル酸、4-アミノサリチル酸、セバシン酸、ステアリン酸、コハク酸、酒石酸、チオシアン酸、p-トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、ウンデシレン酸などの有機酸を用いて作られる酸付加塩を指す。
【0042】
本明細書で使用される場合、「医薬として許容されるか、または栄養補助食品として許容される塩基付加塩」という句は、遊離酸の生物学的有効性および特性を保持し、生物学的に、またはその他の点で望ましくないものではない塩基付加塩を指す。これらの塩は、遊離酸に無機塩基または有機塩基を添加することによって調製される。無機塩基から誘導される塩には、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、アルミニウムの塩などが含まれる。特定の実施形態では、無機塩は、アンモニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩またはマグネシウム塩である。有機塩基から誘導される塩には、一級、二級および三級のアミン、天然に存在する置換アミンを含む置換アミン、環状アミンおよび塩基性イオン交換樹脂、例えば、アンモニア、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、ジエタノールアミン、エタノールアミン、デアノール、2-ジメチルアミノエタノール、2-ジエチルアミノエタノール、ジシクロヘキシルアミン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、プロカイン、ヒドラバミン、コリン、ベタイン、ベネタミン、ベンザチン、エチレンジアミン、グルコサミン、メチルグルカミン、テオブロミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、プリン、ピペラジン、ピペリジン、N-エチルピペリジン、ポリアミン樹脂の塩などが含まれる。特に有用な有機塩基としては、イソプロピルアミン、ジエチルアミン、エタノールアミン、トリメチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、コリンまたはカフェインが挙げられる。
【0043】
多くは、結晶化によって、検討対象の化合物の溶媒和物を生成するか、または検討対象の化合物の溶媒和物を含む。本明細書で使用される場合、「溶媒和物」という用語は、検討対象の化合物、医薬組成物または組成物の1つ以上の分子と、溶媒の1つ以上の分子とを含む凝集物を指す。溶媒は水であってもよく、この場合、溶媒和物は水和物であってもよい。または、溶媒は有機溶媒であってもよい。従って、検討対象の化合物、医薬組成物または組成物は、一水和物、二水和物、ヘミ水和物、セスキ水和物、三水和物、四水和物などおよび対応する溶媒和形態を含む水和物として存在してもよい。検討対象の化合物、医薬組成物または組成物は、真の溶媒和物であってもよいが、他の場合において、検討対象の化合物、医薬組成物または組成物は、単に偶発的に水を保持していてもよく、または水と幾つかの偶発的に付加する溶媒の混合物であってもよい。
【0044】
「医薬組成物」または「栄養補助食品組成物」は、検討対象の化合物、医薬組成物または組成物と、哺乳動物(例えば、ヒト)に対して生物学的に活性な化合物を送達するために当該技術分野で受け入れられている媒体との製剤を指す。例えば、検討対象の医薬化合物、医薬組成物または組成物は、独立した組成物として、または処方薬、店頭(OTC)薬、植物薬、ハーブ医薬品、ホメオパシー薬、または政府機関によって審査され、承認された他の形態の医療製品の一成分として配合されるか、または使用されてもよい。例示的な検討対象の栄養補助食品組成物は、独立した組成物として、または食品、新規食品、機能性食品、飲料、バー、食品フレーバー、食品添加物、医療食品、栄養補助サプリメントまたはハーブ製品における栄養成分または生理活性成分として配合されるか、または使用されてもよい。当該技術分野で一般的に受け入れられている媒体には、医薬的として許容されるか、または栄養補助食品として許容される担体、希釈剤または賦形剤の全てが含まれる。
【0045】
本明細書中で使用される場合、「~を豊富に含む」という句は、抽出または他の調製の前に植物材料または他の供給源の重量中に見出される1種以上の活性化合物の量または活性と比較して、1種以上の活性化合物の量または活性が少なくとも約2倍から約1000倍の植物抽出物または他の調製物を指す。特定の実施形態では、抽出または他の調製の前の植物材料または他の供給源の重量は、乾燥重量、湿った状態での重量、またはそれらの組み合わせであってもよい。
【0046】
本明細書で使用される場合、「主要活性成分」または「主要活性要素」は、少なくとも1つの生体活性を可能にする、植物抽出物または他の調製物中に見出されるか、または植物抽出物または他の調製物中に豊富に含まれる1種以上の活性な検討対象の化合物を指す。特定の実施形態では、豊富に含む抽出物の主要活性成分は、その抽出物中に豊富に含まれた1種以上の活性化合物であろう。一般に、1種以上の主要活性成分は、抽出物の他の成分と比較して、1つ以上の測定可能な生体活性または生体効果の大部分(即ち、50%を超える。)を直接的または間接的に与えるだろう。特定の実施形態では、主要活性成分は、抽出物の中で重量パーセントでは少量成分である(例えば、抽出物に含まれる構成要素の約50%、25%、20%、15%、10%、5%、または1%より少ない。)が、それでも望ましい生体活性のほとんどを与えるものであってもよい。主要活性成分を含有する任意の検討対象の組成物は、豊富に含まれる組成物の医薬または栄養補助食品としての活性に寄与してもよく、または寄与しなくてもよいが、主要活性成分のレベルには寄与しない少量の活性成分も含有していてもよく、主要活性成分が存在しない状態では、少量の活性成分は有効ではなくてもよい。
【0047】
本明細書で使用される場合、「有効量」または「治療有効量」という句は、哺乳動物(例えば、ヒト)に投与されると、(1)哺乳動物の肝細胞の損傷を治療または予防すること;(2)肝臓の健康を促進すること;(3)哺乳動物における解毒および酸化防止の肝臓酵素を保存すること;(4)哺乳動物において肝臓解毒能力を増加させること;(5)哺乳動物における肝疾患を治療または予防すること;(6)哺乳動物における肝臓の炎症を改変すること;(7)肝臓再生機能を改善することのうち、任意の1つ以上を含む治療を行うのに十分な、検討対象の化合物、医薬組成物および組成物の量を指す。「治療有効量」を構成する、検討対象の化合物、医薬組成物または組成物の量は、化合物、治療される状態およびその重篤度、投与様式、治療期間、または治療される被験体の体重および年齢に依存して変わるが、当業者であれば、自身の知識およびこの開示を考慮して決定することができる。
【0048】
「サプリメント」は、本明細書で使用される場合、天然の状態または生物学的過程に関連する特定の状態、構造または機能を改善し、促進し、補助し、増加させ、調節し、管理し、制御し、維持し、最適化し、改変し、減らし、阻害するか、または予防する生成物、化合物および/または組成物を指す(即ち、疾患を診断し、治療し、緩和し、治癒し、または予防するためには用いられない。)。特定の実施形態では、サプリメントは、栄養補助サプリメントである。例えば、肝臓の健康に関連する状態に関し、栄養補助サプリメントは、哺乳動物の肝機能を維持し、肝細胞の損傷を最小化し、健康な肝臓を促進し、肝臓の酸化防止の完全性を保護し、毒素を中和し、肝臓の健康に影響を及ぼすフリーラジカルの作用を減少させ、反応性酸素種を捕捉し、酸化ストレスを減らし、毒性代謝物の生成を防ぎ、肝臓の解毒能力および/または機能を改善し、肝臓を洗浄し、肝臓の構造を回復し、肝臓において肝細胞を毒素から保護し、肝臓の血流および循環を助け、肝機能を補助し、肝臓を強化し、鎮静し、肝臓を沈静化し、正常化し、肝臓の痛みを緩和し、有害な化学物質および有機体を追い出し、肝臓の代謝過程を補助し、肝臓の不快感を緩和し、脂肪肝を緩和し、肝臓の解毒能力を改善し、肝臓の酵素を低減し、天然酸化剤を与え、SODを増加させ、GSHを増加させ、肝細胞の過酸化を低減し、脂肪酸の蓄積を低減し、健康な抗炎症過程を維持し、肝臓の免疫機能を改善し、肝細胞の再生を促進し、肝臓再生機能を改善し、胆汁放出を刺激し、健康な胆汁の流れを促進し、肝臓を若返らせるなどのために使用される。特定の実施形態では、栄養補助サプリメントは、食事、食物またはその両方の特別なカテゴリーであり、薬物ではない。
【0049】
「治療する」または「治療」または「軽減する」という用語は、相互に置き換え可能に用いられてもよく、目的とする疾患または状態を有するか、または有する疑いがある哺乳動物(例えば、ヒト)における目的とする疾患または状態の治療としての処置または予防/防止的な処置のいずれかを指し、(i)特に、このような哺乳動物が、その状態になりやすいと診断されているが、まだその状態を有するとは診断されていないときに、疾患または状態が哺乳動物において発生することを防ぐこと;(ii)疾患または状態を阻害すること、即ちその発症を阻止すること;(iii)疾患または状態を緩和すること、即ち疾患または状態を退行させること;または(iv)基礎となる疾患または状態に対処することなく、疾患または状態から生じる症状を緩和する(例えば、痛みを和らげ、炎症を軽減し、解毒能力を低下させる。)ことを含む。
【0050】
本明細書で使用される場合、「疾患」および「状態」という用語は、相互に置き換え可能に用いられてもよく、または特定の病状または状態が既知の原因物質を有していなくてもよく(病因がまだ解明されていない。)、従って、疾患として認識されていないが、望ましくない状態または症候群としてのみ認識されており、多かれ少なかれ特異的な一連の症状が医師によって特定されている点で異なっていてもよい。特定の実施形態では、検討対象の化合物、医薬組成物、組成物および方法は、例えば、肝炎、アルコール肝疾患、肝硬変または両方とも治療するために使用される。
【0051】
本明細書で使用される場合、「統計的有意性」とは、スチューデントt検定を用いて計算したp値が0.050以下であることを指し、測定される特定の事象または結果が偶然に生じたとは考えにくいことを示す。
【0052】
本明細書で使用される化学命名プロトコルおよび任意の構造図は、ACD/Name Version 9.07ソフトウェアプログラムまたはChemDraw Ultra Version 11.0ソフトウェア命名プログラム(CambridgeSoft)を使用する、I.U.P.A.C.命名システムの改変された形態であり、本開示の化合物は、中心のコア構造(例えば、イミダゾピリジン構造)の誘導体として本明細書で命名される。本明細書において利用される複雑な化学名の場合、置換基は、それが結合する基の前に命名される。例えば、シクロプロピルエチルは、シクロプロピル置換基を有するエチル骨格を含む。
【0053】
特定の実施形態では、検討対象の化合物および組成物(例えば、医薬品、栄養補助食品)は、肝臓の健康を促進し、肝臓の健康を改善し、肝臓の健康を維持し、肝臓の健康を治療または管理し、肝臓の健康を補助し、肝臓のデトックス機能の正常かつ快適な範囲を補助し、肝臓のフリーラジカル排泄能力を改善し、化学物質、薬物、代謝物および生体毒素に由来する有害なフリーラジカルの損傷を減少させ、肝臓の健康に影響を及ぼす酵素を保存し、B/C型肝炎ウイルス感染、アルコール摂取、代謝障害、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、アルコール性肝疾患、肝性脳症、肝線維増殖性疾患(肝線維症)、低酸素/再酸素化中の肝細胞傷害、またはこれらの任意の組み合わせ、または本明細書に記載される任意の他の関連する徴候、一般的に、患者に対する許容される毒性を伴うものに起因する、慢性酸化ストレスによって引き起こされる肝臓の損傷から保護するのに十分な量で投与されてもよい。
【0054】
特定の他の実施形態では、検討対象の化合物および組成物(例えば、医薬品、栄養補助食品)は、ウイルス性肝炎、アルコール性肝炎、自己免疫性肝炎、アルコール性肝疾患、脂肪肝疾患、脂肪症、脂肪性肝炎、非アルコール性脂肪肝疾患、薬物誘発性肝疾患、肝硬変、線維症、肝不全、薬物誘発性肝不全、メタボリックシンドローム、肝細胞癌、胆管癌、原発性胆汁性肝硬変、毛細胆管、ジルベール症候群、黄疸、または他の肝毒性に関連する徴候、またはこれらの組み合わせであり、一般的に、患者に対して受け入れられる毒性を伴うものを含む肝臓の障害または疾患を治療するのに十分な量で投与されてもよい。
【0055】
検討対象の化合物、薬学的組成物または組成物、またはこれらの医薬として許容される塩または栄養補助食品として許容される塩を、純粋な形態または適切な薬学的組成物または栄養補助組成物の状態で投与することは、同様の用途に役立つような薬剤の許容される投与形態のいずれかによって行われてもよい。検討対象の化合物を、適切な医薬として許容されるか、または栄養補助食品として許容される担体、希釈剤または賦形剤と組み合わせることによって、検討対象の医薬組成物または栄養補助食品組成物を調製することができ、固体、半固体、液体または気体形態の調製物、例えば錠剤、カプセル、粉末、顆粒、軟膏、液剤、坐剤、注射剤、吸入剤、ゲル、微小球およびエアロゾルへと製剤化されてもよい。このような医薬組成物または栄養補助食品組成物を投与する典型的な経路としては、経口、局所、経皮、吸入、非経口、舌下、頬側、直腸、膣または鼻腔内が挙げられる。
【0056】
「非経口」という用語は、本明細書で使用される場合、皮下注射、静脈内、筋肉内、胸骨内への注射または注入技術を含む。検討対象の医薬組成物または栄養補助食品組成物は、組成物を患者に投与する際または投与直後に、そこに含有される活性成分が生物学的に利用可能となるように製剤化される。幾つかの実施形態では、検討対象の組成物および化合物は、投与後に持続放出され得るように設計されてもよく、または製剤化されてもよい。
【0057】
特定の実施形態では、検討対象の組成物は、1つ以上の投薬単位の形態で被験体または患者に投与され、例えば、錠剤が単一投薬単位であってもよく、エアロゾル形態の検討対象の化合物の容器が、複数の投薬単位を保持していてもよい。このような投薬形態を調製する実際の方法は、当業者には公知であるか、または明らかであろう。例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy、第20版(Philadelphia College of Pharmacy and Science、2000)を参照。投与されるべき検討対象の組成物は、いずれにしても、本開示の教示に従って、目的とする疾患または状態を治療するために、治療有効量の検討対象の化合物、または医薬として許容される塩または栄養補助食品として許容される塩を含有するだろう。
【0058】
検討対象の医薬組成物または栄養補助食品組成物は、固体または液体の形態であってもよい。一態様では、担体は粒子状であるため、組成物は例えば錠剤または粉末の形態である。担体は、液体であってもよく、組成物は、例えば吸入投与に有用な経口シロップ、注射液またはエアロゾルである。
【0059】
経口投与を意図する場合、医薬組成物または栄養補助食品組成物は、固体形態または液体形態のいずれかであり、半固体、半液体、懸濁物およびゲルの形態は、固体または液体のいずれかと本明細書で考えられる形態の中に含まれる。
【0060】
経口投与のための固体組成物として、医薬組成物または栄養補助食品組成物は、粉末、顆粒、圧縮錠剤、丸剤、カプセル、チューインガム、ウェーハ、バーなどの形態に製剤化することができる。このような固体組成物は、典型的には、1種以上の不活性希釈剤または食用担体を含む。これに加え、カルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、シクロデキストリン、微結晶性セルロース、トラガカントガムまたはゼラチンなどの結合剤;デンプン、ラクトースまたはデキストリンなどの賦形剤、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、Primojel(R)、コーンスターチなどのような崩壊剤;ステアリン酸マグネシウムまたはSterotex(R)のような滑沢剤;コロイド状二酸化ケイ素のような流動促進剤;スクロースまたはサッカリンのような甘味剤;ペパーミント、サリチル酸メチルまたはオレンジフレーバーのような香味剤;着色剤のうち、1つ以上が存在していてもよい。
【0061】
医薬組成物または栄養補助食品組成物がカプセル、例えばゼラチンカプセルの形態である場合、上述の種類の材料に加えて、ポリエチレングリコールまたは油のような液体担体を含有していてもよい。
【0062】
検討対象の医薬組成物または栄養補助食品組成物は、液体、例えば、エリキシル、シロップ、ゲル、溶液、エマルションまたは懸濁物の形態であってもよい。液体は、2つの例として、経口投与または注射による送達のためのものであってもよい。経口投与が意図される場合、有用な組成物は、本発明の化合物に加えて、甘味料、防腐剤、色素/着色料および風味増強剤の1つ以上を含有する。注射によって投与されることが意図された組成物において、界面活性剤、防腐剤、湿潤剤、分散剤、懸濁剤、バッファー、安定化剤および等張剤の1つ以上が含まれてもよい。
【0063】
検討対象の液体の医薬組成物または栄養補助食品組成物は、それらが溶液、懸濁物または他の同様の形態であるかどうかに関わらず、以下のアジュバントの1つ以上を含んでいてもよい:滅菌希釈剤、例えば、注射用水、食塩水溶液、例えば、生理食塩水、リンガー溶液、等張性塩化ナトリウム、不揮発性油、例えば、溶媒または懸濁媒体として役立ち得る合成モノグリセリドまたはジグリセリド、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコールまたは他の溶媒;ベンジルアルコールまたはメチルパラベンのような抗菌剤;アスコルビン酸または重亜硫酸ナトリウムのような酸化防止剤;エチレンジアミン四酢酸などのキレート剤;酢酸塩、クエン酸塩またはリン酸塩のようなバッファー、塩化ナトリウムまたはデキストロースのような張度調整剤。非経口製剤は、ガラス製またはプラスチック製のアンプル、使い捨て注射器または複数回投与バイアルに封入することができる。生理食塩水は、一般に有用なアジュバントである。注射用医薬品または栄養補助食品組成物は、無菌である。
【0064】
非経口投与または経口投与のいずれかを目的とする、検討対象の液体医薬組成物または栄養補助食品組成物は、適切な投与量が得られるような量の検討対象の化合物、医薬組成物または組成物を含有すべきである。
【0065】
検討対象の医薬組成物または栄養補助食品組成物は、局所投与を意図していてもよく、その場合、担体は、溶液、エマルション、クリーム、ローション、軟膏、またはゲル基剤を適切に含んでいてもよい。基剤は、例えば、ワセリン、ラノリン、ポリエチレングリコール、ミツロウ、鉱油、水およびアルコールのような希釈剤、乳化剤および安定剤のうちの1種以上を含んでいてもよい。増粘剤は、局所投与のための医薬組成物または栄養補助食品組成物中に存在していてもよい。経皮投与が意図される場合、組成物は、経皮パッチまたはイオントフォレシス装置を含んでいてもよい。
【0066】
検討対象の医薬組成物または栄養補助食品組成物は、直腸内で融解し薬物を放出する、例えば坐剤の形態の直腸投与を意図していてもよい。直腸投与のための組成物は、適切な非刺激性賦形剤として油性基剤を含有してもよい。このような基剤としては、ラノリン、カカオバターおよびポリエチレングリコールが挙げられる。
【0067】
検討対象の医薬組成物または栄養補助食品組成物は、固体または液体の投薬単位の物理的形態を改変するさまざまな材料を含んでいてもよい。例えば、組成物は、活性成分の周囲にコーティングシェルを形成する材料を含んでいてもよい。コーティングシェルを形成する材料は、典型的には不活性であり、例えば、糖、シェラックおよび他の腸溶性コーティング剤から選択することができる。または、活性成分をゼラチンカプセルに入れてもよい。
【0068】
検討対象の固体または液体の形態の医薬組成物または栄養補助食品組成物は、検討対象の化合物に結合し、それによって化合物の送達を助ける薬剤を含んでいてもよい。この能力において作用し得る適切な薬剤には、モノクローナル抗体またはポリクローナル抗体、タンパク質またはリポソームが含まれる。
【0069】
検討対象の固体または液体の形態の医薬組成物または栄養補助食品組成物は、例えばバイオアベイラビリティを改善するために粒径を小さくすることを含んでいてもよい。賦形剤の有無に関わらず、組成物中の粉末、顆粒、粒子、微小球などの大きさは、マクロ(例えば目に見える、または少なくとも100μmの大きさ)、マイクロ(例えば、約100μmから約100nmの大きさ)、ナノ(例えば、100nm以下の大きさであってもよい。)であってもよく、大きさとバルク密度を改善するために、それらの間の任意の大きさまたはそれらの任意の組み合わせを含んでいてもよい。
【0070】
検討対象の医薬組成物または栄養補助組成物は、エアロゾルとして投与することができる投薬単位を含んでいてもよく、またはこのような投薬単位からなっていてもよい。エアロゾルとの用語は、コロイドの性質をもつものから、加圧パッケージからなる系までの範囲のさまざまな系を示すのに使用される。送達は、液化ガスまたは圧縮ガスによって、または活性成分を分配する適切なポンプシステムによって行われてもよい。本開示の化合物のエアロゾルは、活性成分を送達するために、単相系、二相系、または三相系で送達することができる。エアロゾルの送達には、一緒にキットを形成することができる必要な容器、アクチベータ、バルブ、サブコンテナなどが含まれる。当業者は、過度の実験をすることなく、最も適したエアロゾルを決定することができる。
【0071】
検討対象の医薬組成物または栄養補助食品組成物は、医薬分野または栄養補助食品分野で周知の方法論によって調製されてもよい。例えば、注射によって投与されることが意図される医薬組成物または栄養補助食品組成物は、検討対象の化合物と滅菌蒸留水とを、溶液を生成するように組み合わせることによって調製することができる。均質な溶液または懸濁物の生成を容易にするために、界面活性剤を添加してもよい。界面活性剤は、水性送達系における化合物の溶解または均一な懸濁を促進するために、検討対象の化合物と非共有結合的に相互作用する化合物である。
【0072】
検討対象の化合物、組成物および医薬組成物、またはその医薬として許容される塩または栄養補助食品として許容される塩は、治療有効量で投与され、治療有効量は、使用される特定の化合物の活性;化合物の代謝安定性および作用の長さ;患者の年齢、体重、全身の健康状態、性別および食事;投与の様式および時間;排泄率;薬物の組み合わせ;特定の障害または状態の重篤度;治療を受ける被験体を含むさまざまな因子に依存して変わるだろう。
【0073】
検討対象の化合物、組成物および医薬組成物、またはそれらの医薬として許容されるか、または栄養補助食品として許容される誘導体はまた、1種以上の他の治療薬の投与と同時、投与前または投与後に投与されてもよい。このような併用療法は、検討対象の化合物および1種以上のさらなる活性薬剤を含む単一の医薬製剤または栄養補助食品の投与製剤を投与すること、および検討対象の化合物およびそれぞれの活性薬剤をそれぞれ別個の医薬製剤または栄養補助食品製剤で投与することを含む。例えば、検討対象の化合物および別の活性薬剤は、錠剤またはカプセルのような単一の経口投与組成物中で一緒に患者に投与することができ、または各薬剤を別々の経口投与製剤で投与することができる。別個の投与製剤が使用される場合、検討対象の化合物および1種以上のさらなる活性薬剤は、本質的に同じ時期に、即ち同時に、または別々に時間差で、即ち逐次的に投与されてもよい。併用療法は、これら全ての投与計画を含むと理解される。
【0074】
本明細書では、示された式の置換基または変数の組み合わせは、そのような寄与が安定な化合物をもたらす場合にのみ許容されることが理解される。
【0075】
本明細書に記載の方法において、中間体化合物の官能基を適切な保護基で保護する必要があり得ることも、当業者には理解されるであろう。このような官能基には、ヒドロキシ、アミノ、メルカプトおよびカルボン酸が含まれる。ヒドロキシに適した保護基には、トリアルキルシリルまたはジアリールアルキルシリル(例えば、t-ブチルジメチルシリル、t-ブチルジフェニルシリルまたはトリメチルシリル)、テトラヒドロピラニル、ベンジルなどが含まれる。アミノ、アミジノおよびグアニジノに適した保護基には、t-ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニルなどが含まれる。メルカプトに適した保護基には、C(O)R”(R”は、アルキル、アリールまたはアリールアルキルである。)、p-メトキシベンジル、トリチルなどが含まれる。カルボン酸に適した保護基には、アルキル、アリールまたはアリールアルキルエステルが含まれる。保護基は、当業者に知られており、本明細書に記載の標準的な技術に従って付加または除去することができる。保護基の使用は、Green,T.W.およびP.G.M.Wutz、Protective Groups in Organic Synthesis(1999)、第3版、Wiley編集に詳細に記載されており、その全体が参考として本明細書に組み込まれる。当業者には理解されるように、保護基は、Wang樹脂、Rink樹脂または2-クロロトリチルクロライド樹脂などのポリマー樹脂であってもよい。
【0076】
検討対象の化合物のこのような保護された誘導体は、それ自体が薬理活性を有していなくてもよいが、哺乳動物に投与され、その後に体内で代謝され、薬理学的に活性な化合物を形成してもよいことも当業者には理解されるだろう。従って、このような誘導体は、「プロドラッグ」と記載されてもよい。検討対象の化合物の全てのプロドラッグは、本開示の範囲内に含まれる。
【0077】
さらに、遊離塩基または遊離酸の形態で存在する検討対象の化合物は、当業者に知られている方法によって適切な無機または有機の塩基または酸で処理することによって、その医薬として許容されるか、または栄養補助食品として許容される塩に変換することができる。検討対象の化合物の塩は、標準的な技術によってその遊離塩基または酸の形態に変換することができる。
【0078】
幾つかの実施形態では、検討対象の化合物、組成物および/または医薬組成物は、植物源、例えば実施例および本出願全体のどこかに含まれる植物から単離することができる。検討対象の抽出物および化合物を単離するのに適した植物の部位としては、葉、樹皮、幹、幹樹皮、茎、茎樹皮、小枝、塊茎、根、根皮、樹皮表面(例えば、周皮または樹皮、コルク組織、コルク形成層、コルク皮層、またはこれらの任意の組み合わせを含んでいてもよい。)、若芽、地下茎、種子、果実、雄しべ、雌しべ、がく、雄ずい、花弁、がく片、心皮(雌ずい)、花、またはこれらの組み合わせが挙げられる。検討対象の植物抽出物は、茎、茎皮、幹、幹樹皮、小枝、塊茎、根、根皮、若芽、種子、根茎、花および他の生殖器官、葉、他の空中部分またはそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの植物の部位から誘導される。関連する幾つかの実施形態では、検討対象の化合物は、植物供給源から単離され、列挙された置換基のいずれかを含むように合成的に修飾される。これに関して、植物から単離された検討対象の化合物の合成的な修飾は、当該分野で公知であり、当業者の知識の範囲内にある任意の数の技術を用いて達成することができる。
【実施例0079】
実施例1:動物
体重25から30gの7から8週齢のパーパスブレッドマウスをCharles River Laboratories(ウィルミントン、MA)から購入した。到着してから1週間、動物を環境に慣れさせた後に体重を計測し、それぞれの群に無作為に割り当てた。ICRマウス(5匹/ケージ)をポリプロピレンケージに入れ、尾部に数字を書き、個体を識別した。各ケージを、ワイヤーバーの蓋とフィルター付きトップ(アレンタウン、NJ)で覆った。個々のそれぞれのケージは、プロジェクト番号、試験品、投与量レベル、群および動物数を示すケージカードで識別された。柔らかいトウモロコシ穂軸の寝藁Harlan T7087を使用し、週に少なくとも2回交換した。動物に、淡水とげっ歯類飼料T2018番(Harlan Teklad、370W、ケント、WA)を不断給餌し、12時間の明暗サイクルで恒温室(22.2℃)に入れた。全ての動物実験は、実験動物のケアおよび使用に関するガイドラインと合致する施設ガイドラインに従って実施した。
【0080】
実施例2:アセトアミノフェン(APAP)または四塩化炭素(CCL4)により誘発される肝損傷動物モデル
バランスのとれた治療計画を作成し、予防および介入に取り組むために以下のように最適化した。APAPにより誘発される肝毒性モデルについて、APAP(Lot番号MKBQ8028V、Sigma製)を用量400mg/kgで、温かい生理食塩水(G-Biosciences製のLot番号132908、Quality Biological製のLot番号720729)(60℃まで加熱し、周囲温度まで冷却した。)に溶解し、一晩絶食させたICR/CD-1マウスに経口投与し、毒性を誘発させた。CCl誘発肝毒性モデルについて、CCl(Lot番号SHBD5351V、Sigma製)を用量25μg/kgでトウモロコシ油に溶解し、一晩絶食させたICR/CD-1マウスに腹腔内投与し、毒性を誘発させた。両モデルについて、APAPまたはCCl投与の48時間前、24時間前、2時間前、投与して6時間後に、材料を投与した。合計で、マウスは、化学物質による誘発の前に3回の投薬を受け、化学物質による誘発の後に1回の投薬を受けた。10%のTween-20(Amresco製のLot番号0134C141)、1%CMC(Spectra製のLot番号NH0454)または1%MC(Lot番号SLBK4357V)を全ての材料の担体ビヒクルとして使用した。APAPまたはCClを用いないコントロールマウスは、担体ビヒクルのみを投与された。血清ALTをT24(Phoenix Laboratories、エバレット、WA)で測定した。
【0081】
実施例3:植物抽出物の調製
植物を収集し、それらの活性化合物の性質に基づいて異なる溶媒で調製し、マウスの肝毒性動物モデルでスクリーニングした。16種の異なる部位を含む以下の表1の19種の植物は、マウスのアセトアミノフェン誘発モデルまたはCCl誘発モデルのいずれかで、異なるレベルで血清ALT阻害を示した。両モデルにおいて効力を有する植物のみが、さらなる研究のために選択される。
【0082】
オオアザミ抽出物は、Silybum marianum種子の80%エタノール/20%水抽出物として、抽出比40から50:1で製造された。粉砕した種子を80%エタノール/20%水で抽出し、次いでケーキを濾過により上澄みから分離した。高減圧下で溶媒を除去して、軟らかい抽出物を得て、これをマルトデキストリンと混合し、スプレードライヤーでさらに乾燥させた。オオアザミ抽出物は、総シリマリンが50%以上、シリビニンが30%以上の規格に適合するように標準化された。シリマリンは、フラボノリグナン類であるシリビニン、シリジアニンおよびシリクリスチンの混合物で構成される。シリビニンは、シリマリンの主要活性成分である。オオアザミ種子の標準化された抽出物は市販されている。
【0083】
先に開示したように、N931は、従来の方法によりブレンドされた、1から4%のアロエシンと、96から99%の200:1のAloe vera内葉ゲル粉末多糖類との独特な組み合わせを含む組成物である。Aloe vera内葉ゲル粉末多糖類は、Aloecorpによって凍結乾燥物の形態で供給された。Aloe barbadensis植物の新鮮な洗浄した葉から皮を手で取り除き、次いで、アロエ汁を回収し、セルラーゼで処理して酵素を失活させた。酵素失活の間、活性炭を用いて色を除去した。脱色した濾液を、さらに凍結乾燥トラップに移し、Aloe vera内葉のゲル粉末を得て、これを1から4%のアロエシンと混合し、N931を作製した。
【0084】
【表1】
【0085】
実施例4:APAPおよびCCL4により誘発される肝毒性モデルに対する植物抽出物の肝臓保護活性
肝臓保護および再生に関する歴史的使用法に基づいて収集された古来の採掘から得た植物材料を、70%エタノールを用いて抽出し、APAPおよびCClにより誘発される肝毒性の両方において、その効力をスクリーニングした。材料を、表2から3に明記した用量で動物に経口投与した。大部分の植物抽出物は1つのモデルにおいて血清ALTの阻害を示したが、幾つかの植物は両方のモデルにおいて効力を示した。これらの中で、Schizandra chinensis、Artemisia capillaris、オオアザミおよびロエシンが、さらなる研究のために選択された。
【0086】
【表2】
【0087】
【表3】
【0088】
実施例5:APAPモデルにおける選択された植物抽出物の用量応答効果
上述の方法と同様に、APAPにより誘発される肝毒性モデルにおいて、トウグワ(morus)の葉(E1375)、トウグワの果実(E1374)、トウグワの茎(E1377)、Artemisia capillaris(R0594)およびSchizandra chinensis(2%)(L0498)を、100、200、300mg/kgの用量で試験した。10%Tween 20を全ての材料のための担体ビヒクルとして使用した。APAPを含まないコントロールマウスにはビヒクル(10%Tween 20)のみが与えられた。血清ALTは、T24で決定された。以下の表4に示されるように、Schizandra chinensis(2%)(L0498)およびArtemisia capillaris(R0594)といった2種の植物材料は、300mg/kgの用量でそれぞれ36.8%および32.2%の血清ALTレベルの阻害を示した。これらの減少は、統計的に有意であった。L0498は、300mg/kgの用量で100%の生存率を示したが、R0594は、90%の生存率を有していた。最低用量(100mg/kg)では、L0498は30%の生存率しか示さなかった。一方、R0594は、この用量で70%の生存率を示した。用量に関わらず、全てのトウグワ抽出物での生存率は40と低かった。これらの高い死亡率は、血清ALTレベルの不確定な低下率をもたらした。従って、Schizandra chinensis(2%)(L0498)およびArtemisia capillaris(R0594)は、約300mg/kgで最適な効力を有し、このモデルでの真の成功であるとみなすことができた。
【0089】
【表4】
【0090】
実施例6:CCl モデルにおける選択された植物抽出物の用量応答効果
上述のように、CClにより誘発される肝毒性モデルについて、Agrimonia eupatoria(E1399)およびロエシン(QMA2)を400mg/kg、300mg/kgおよび200mg/kgの用量で、Artemisia capillaris(R0594)およびSchizandra chinensis(2%)(L0498)を400mg/kgおよび300mg/kgの用量で試験した。10%Tween-20を全ての材料のための担体ビヒクルとして使用した。CClを含まないコントロールマウスにはビヒクル(10%Tween-20)のみが与えられた。血清ALTは、T24で決定された。
【0091】
以下の表5に示すように、血清ALTレベルの用量に相関する減少は、全ての抽出物についてほとんど観察された。400mg/kgのArtemisia capillaris(R0594)(48.0%)で治療し、その後、300mg/kgの同じ植物材料(29.9%)で治療したマウスで、血清ALTレベルの最大の減少が観察された。これらの減少は、統計的に有意であった。400mg/kgでは、Agrimoniaおよびロエシンの両方とも、ALTレベルの非常によく似た減少を示し(即ち、28%)、それぞれ0.07および0.04のP値を有していた。ビヒクル治療したCCl4コントロールを含む全ての群について、生存率は100%であった。このバッチにおいて少なくとも、Artemisia capillaris(R0594)は、試験した他のものよりも血清ALTレベルの阻害において優位性を示した。
【0092】
【表5】
【0093】
実施例7:Artemisia Capillarisの有機抽出物の調製
乾燥させ、粉砕したArtemisia Capillarisの空中部分(2.5kg)を切断し、砕き、次いで、約15倍の容積(37.5L)の70%エチルアルコール水溶液(v/v)で抽出した。抽出は85℃で3時間行った。濾過後、ロータリーエバポレーターにより、40℃、高減圧下でエタノール溶液を濃縮した。この抽出と濃縮の手順を、10倍容積(25L)の70%エチルアルコール水溶液(v/v)を用いて2時間、2回繰り返した。濃縮した抽出溶液を、高減圧乾燥オーブンによって蒸発乾固させ、Artemisia Capillaris 70%EtOH抽出物粉末(ロット番号RN367-3-60M)480gを抽出収率19.2%で得た。
【0094】
乾燥させ、粉砕したArtemisia Capillarisハーブ(180.4g)を、それぞれ1時間環流させることによって、70%エタノール水溶液で3回抽出した。有機溶液を合わせ、高減圧下で蒸発させ、70%エタノール抽出物(R594-70EE)37.7gを収率20.9%で得た。同じ手順を用いて同様の結果を得たが、有機溶媒をメタノールまたはエタノールで置換し、メタノール抽出物(ME)またはエタノール抽出物(EE)、エタノール:HO(7:3)抽出物、エタノール:HO(1:1)抽出物、エタノール:HO(3:7)抽出物および水抽出物をそれぞれ得た。溶媒抽出工程を表6にまとめている。
【0095】
【表6】
【0096】
実施例8:Artemisia Capillaris抽出物のバイオアッセイ誘導分画法
Artemisia capillaris70%エタノール抽出物(RN425-7-70EE、20g)を、ヘキサン(200mL)と水(250mL)とに3回分配した。合わせたヘキサン溶液から溶媒を高減圧除去し、ヘキサン抽出物(HE)1.43gを得た。水層を酢酸エチル(200mL)で3回抽出した。合わせた酢酸エチル層を真空中で乾燥させ、酢酸エチル抽出物(EA)2.29gを得た。水層をさらにブタノール(200mL)で3回抽出し、ブタノール抽出物(BU)3.70gを得た。残りの水層を凍結乾燥し、水性抽出物(WA)15.3gを得た。マウスのCClにより誘発される肝毒性モデルにおいて、70%EEおよびHE、EA、BUおよびWAを試験した。HE、EA、BUは不活性であったが、70%EEは400mg/kgで25.27%のALT阻害を示し、WA画分はP≦0.05で、300mg/kgレベルで37.49%の阻害を示した。
【0097】
活性画分WAをHP20SSクロマトグラフィーによりさらに分画した。WA(4.4g)を20%EtOH水溶液に溶解し、20%EtOH水溶液を通してあらかじめ平衡状態にしておいた1本のHP20SS(Diaion、Mitsubishi Chemical Corporation、日本、160g)カラムに投入した。カラムを、800mLの20%EtOH水溶液、600mLの40%EtOH水溶液、400mLの60%EtOH、200mLの80%EtOHで溶出させ、最後に、200mLのEtOHと200mLのアセトンで洗浄した。2つの主要な画分HP-01(3.67g、83.4%)およびHP-02(305.7mg、6.95%)を収集し、CCl4により誘発される肝毒性マウスモデルで試験した。HP-01の主成分は、オリゴ糖および多糖類である。HP-02は、主にポリフェノールを含む。HP-01は、WAと比較して同様のALT阻害を示し、300mg/kgで32.86%の阻害を示した。HP-02は、同じモデルで不活性であり、ポリフェノールがこの植物の活性に寄与していないことを示している。
【0098】
活性画分HP-01をさらにLH-20オープンカラムで分画した。HP-01(1.06g)を水に溶解し、水を用いてあらかじめ平衡状態にしておいた1本のLH-20カラムに投入し、MeOH/H2Oによるグラジエント溶出を用い、4つの画分LH-01(43.4mg、4.26%)、LH-02(799.6mg、78.5%)、クロロゲン酸(LH-03、45.4mg、4.5%)およびLH-04(23.1mg、2.27%)を得た。サンプル限界に起因して、in vivo試験では、主要画分LH-02のみを試験した。LH-02は、HP-01の78.5%であり、CClにより誘発される動物モデルでは、300mg/kgレベルで効力を示さなかった。クロロゲン酸(C3878、Sigma-Aldrich、USA)は、HP-01の構成要素であり、比率は約4.5%であるが、200mg/kgレベルで試験したとき、何ら阻害を示さなかった。本試験のin vivoデータは、クロロゲン酸とポリフェノール以外の水溶性成分がアルテミシア抽出物の肝臓保護活性の原因であることを明確に示した。活性多糖類の含有量は、WA画分の10%未満である。この情報を表7にまとめている。
【0099】
【表7】
【0100】
実施例9:膜透析による活性HP-1サンプルの分画分離
Artemisia capillaris由来の実施例8および表7に示される肝臓保護画分HP-01を適切な容積の蒸留水に溶解し、蒸留水に対し、透析膜管でそれぞれ3時間ずつ3回透析した(カットオフMW2000)。保持した透析溶液と合わせた透析溶液の両方を凍結乾燥し、2つのサンプルDA-1(MW>2000、13.79%)およびDA-2(MW<2000、84.54%)を得た。DA-2を、上の透析と同じ手順に従って、分子量カットオフ500でさらに透析した。DA-3(500<MW<2000、16.7%)およびDA-4(MW<500、79.7%)を収集した。DA-1、DA-3およびDA-4を、CCl4により誘発されるマウスモデルで試験した。2000を超える分子量を有するDA-1は、DA-3およびDA-4と比較して、統計的有意性を有する状態で、血清ALTレベルにおいて最も高い阻害を示した。500未満の分子量のものは、このin vivoモデルでは効力を示さなかった。この情報を表8にまとめている。
【0101】
【表8】
【0102】
実施例10:Artemisia Capillaris抽出物のHPLC分析および定量
Artemisia capillaris抽出物中のマーカー化合物であるクロロゲン酸(1、C3878、Sigma-Aldrich、USA)およびジカフェオイル酸(2-3)をLCMS分析および文献報告に基づいて同定し、Hitachi HPLCシステムのC18逆相カラム(Phenomenex、Luna C18,10μm、250mm×4.6mm)を用い、UV波長320nmで定量した。カラムを、0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)水溶液とアセトニトリルの二成分勾配で、流速1mL/分で溶出した。化合物1から3をリファレンス化合物であるクロロゲン酸に基づいて定量した。異なる供給源から収集したArtemisia capillarisの70%EEにおけるクロロゲン酸含有量は、ピーク面積の計算に基づいて1.5から4.8%(w/w)の範囲で変化した。この情報を表9から10にまとめている。
【0103】
【表9】
【0104】
【表10】
【0105】
実施例11:Artemisia Capillaris抽出物におけるカテキン定量
Artemisia Capillaris抽出物の水画分(WA)中のカテキン類をHPLC法により定量した。C18逆相カラム(Phenomenex、USA、Luna 5um、250mm×4.6mm)を備えたHitachi HPLC/PDAシステムを、流速1.0mL/分、カラム温度35℃、275nmのUV波長でカテキンの検出および定量に使用した。全てのアルテミシアサンプルではEpicatechin(E1753、Sigma-Aldrich、USA)は検出されず、カテキン標準(C1251、Sigma-Aldrich、USA)に基づき、ごく低い含有量のカテキンが検出され、定量された。Artemisia capillaris抽出物のWA画分中のカテキン含有量は、0.02から0.32%の範囲であり、in vivo試験結果に基づくアルテミシア抽出物の肝臓保護特性とは無関係である。この情報を表11から12にまとめている。
【0106】
【表11】
【0107】
【表12】
【0108】
実施例12:膜透析による多糖類の分離
Artemisia capillaris由来のHP-01の未処理の多糖類を適切な容積の蒸留水に溶解し、蒸留水に対し、透析膜管でそれぞれ3時間ずつ3回透析した(カットオフMW2000)。保持した透析溶液と合わせた透析溶液の両方を凍結乾燥し、2つのサンプルDA-1(MW>2000、13.79%)およびDA-2(MW<2000、84.54%)を得た。両サンプルを、CClにより誘発されるマウスモデルで試験した。
【0109】
実施例13:ゲル浸透クロマトグラフィーによる多糖の分析および定量
Artemisia capillaris抽出物の活性画分WAも、多糖類の分子量分布を評価するための十分に確立された方法であるゲル浸透クロマトグラフィーによって分析した。Artemisia capillarisの多糖類を、屈折率検出器を取り付けたHitachi HPLCシステムによるPolySep-SEC-P5000カラム(Phenomenex、OOH-3145KOカラム、300mm×7.8mm)を用いて分析した。移動相は0.1M NaClであり、流速0.7mL/分で25分間であった。各サンプルについて、濃度10mg/mLで20μLを注入した。多糖類は、6つのデキストラン分子量標準(American polymer Standards)に基づき、>2000、2000-1000、100-500、500-200、200-50、50-10、10kDaに分けられた7つの範囲で定量した。異なる抽出物の水分画サンプルの分子量分布は、さまざまであった。肝臓(live)保護活性は、大きな分子量分布と関係がある。Artemisia capillarisサンプル間で、総多糖類含有量は類似しているが、重量分布は全く異なる。多糖類含有量が大きいほど、Artemisia capillarisについて、より良い効果が観察された。分子量分布を表13に示す。
【0110】
【表13】
【0111】
実施例14:CCl モデルに対するArtemisia capillaris画分の肝臓保護活性
ヘキサン(HE)、酢酸エチル(EA)、ブタノール(BU)および水中のArtemisia capillaris画分の肝臓保護活性を評価するために、CClにより誘発される肝毒性モデルを利用した。コントロールマウスには10%Tween-20のみを与えた。血清ALTは、T24で決定された。アルテミシア画分を300mg/kgの用量で投与し、一方、出発物質を400mg/kgの用量で投与した。
【0112】
表14に見られるように、アルテミシアの水画分を用いて300mg/kgの用量で治療したマウスでは、血清ALTの最も高い阻害が観察され、このことは、この画分に活性マーカーが存在する可能性を示している。しかし、これは、他の画分に他の活性マーカーが存在することを除外するものではない。元の材料(R684)は、400mg/kgの用量でその効力を維持した。このモデルでは、全ての群の生存率は100%であった。
【0113】
【表14】
【0114】
実施例15:Schisandra Chinensis果実からの有機抽出物の調製
Schisandra chinensisの乾燥した果実合計20gを2本の100mlステンレス鋼管に入れ、ASE300自動抽出器を用い、80℃、圧力1500psiで、有機70%EtOH水溶液を用いて2回抽出した。抽出溶液を自動的に濾過し、回収した。合わせた溶液をロータリーエバポレーターで蒸発乾固させ、未精製の70%EtOH抽出物(9.65g、49.5%)を得た。
【0115】
同じ手順を用いて同様の結果を得たが、有機溶媒をメタノールまたはエタノールで置換し、メタノール抽出物(ME)またはエタノール抽出物(EE)、エタノール:HO(7:3)抽出物、エタノール:HO(1:1)抽出物、エタノール:HO(3:7)抽出物および水抽出物をそれぞれ得た。
【0116】
Schisandra chinensis抽出物は、70%エタノール/30%水(v/v)によって乾燥果実を抽出して製造された。この抽出物をさらに処理し、シサンドリン、シザンテリンA、シサンドリンA(デオキシシサンドリン)およびシサンドリンBを含む総シサンドリンが2%以上の粉末形態(ロット番号)での抽出物を得た。
【0117】
実施例16:Schisandra Chinensis抽出物のHPLC分析および定量
シサンドリン(ロット番号110857、National Institute for Food and Control、中国)、シサンテリンA(ロット番号11529-200503、National Institute for Food and Control、中国)、シサンドリンA(デオキシシサンドリン、ロット番号110764-200107、National Institute for Food and Control、中国)、シサンドリンB(ロット番号110765-200508、National Institute for Food and Control、中国)の4種類の活性マーカー化合物を、Schisandra chinensis抽出物において同定し、Schisandra chinensisリファレンス標準物質(ロット番号140217、National Institute for Food and Control、中国)を用いて確認した。
【0118】
活性マーカー化合物を、リファレンス標準物質と比較することにより、UV波長250nmを用い、Hitachi HPLCシステムのC18逆相カラム(Phenomenex、Luna C18、10μm、250mm×4.6mm)を用いたHPLCにより定量した。カラムを、流速1mL/分で、水およびアセトニトリルを用いて溶出させた。この実施例の勾配表を表15に示す。個々のピークを同定し、積分した後、RSMに基づき、シサンドリン、シサンテリンA、シサンドリンAおよびシサンドリンBを含む4種類の化合物の合計含有量を計算し、その情報を表16に示す。
【0119】
【表15】
【0120】
【表16】
【0121】
実施例17:シサンドラ果実抽出物中の有機酸のHPLC定量
異なる収集物から社内で生成した70%EtOH抽出物中のリンゴ酸、シキミ酸およびクエン酸の存在が確認され、表17に記載されている。有機酸は、Hypersil GOLD aQカラム(4.6×250mm、5μm)を使用し、移動相として50mMリン酸二水素カリウム(HPOでpHを2.8に調整)を用い、定組成条件下、5℃で20分間、流速0.7ml/分で、HPLCにより定量分析した。有機酸は、205nmのUV検出器を用いて検出され、有機酸標準と比較することによって、保持時間に基づいて同定された。
【0122】
【表17】
【0123】
実施例18:APAPモデルおよびCCl モデルにおける肝臓保護のための異なる組み合わせのアルテミシア抽出物およびシサンドラ抽出物
Artemisia capillariesおよびSchisandra chinensisのようなリード植物を選択したら、APAPおよびCClにより誘発される肝毒性モデルにおいて、肝臓保護におけるその効力を、4:1、2:1、1:1、1:2および1:4の異なる組み合わせ比率で評価した。2つの植物の組み合わせは、それぞれの植物の最初の文字、即ちSchisandra chinensisについては「S」を、Artemisia capillariesについては「A」を用い、「SA」としてコード化された。以下の表18に示されるように、全てのブレンドが何らかの種類の肝臓保護を示したが、血清ALTレベルで測定した場合に、マウスを、シザンドラとアルテミシアの比率2:1のブレンドで、合計容量400mg/kgで治療したとき、統計的に有意な最も高い保護である48.0%の減少が観察された。同様に、CClモデルでは、血清ALTレベルで測定した場合に、マウスを、シザンドラとアルテミシアの比率1:2のブレンドで、合計容量400mg/kgで治療したとき、統計的に有意な最も高い肝臓保護である40.6%の減少が観察された。両方のモデルにおいて、この特定の比率で生存率は100%であった。
【0124】
【表18】
【0125】
実施例19:組み合わせSAL組成物の調製
320gのSchisandra抽出物(ロット番号E1458)、263gのArtemisia抽出物(ロット番号RN425-13)、377gのArtemisia抽出物(ロット番号RN425-14)および240gのN931(E1459 2% アロエシン)をRibbonブレンダー(Hankook P.M.EMG、韓国)を用いて30rpmで1時間ブレンドすることによって、検討対象のSAL組み合わせ組成物(ロット番号RN425-1501)を製造し、シサンドラ:アルテミシア:N931=4:8:3の重量比で、1.17kgのSAL組み合わせ(ロット番号RN425-1501)を得た。
【0126】
実施例20:APAP/CCl モデルにおけるSchisandra Chinensis、Artemisia CapillarisおよびN931のブレンドの肝臓保護活性の評価
さらなる肝臓保護活性のために、第三リード成分(ロエシン)を添加してSALと命名することにより、2S:1A(APAPモデル)および1S:2A(CClモデル)でのSchisandra chinensisとArtemisia capillariesのリードブレンド比のうちの2つを選択した。「L」は、ロエシンを表す。N931を2S:1Aの組み合わせに対して10、20および30重量%の比率で、1S:2Aの組み合わせに対して10、20および25重量%の比率で添加した。この組成物をAPAP/CClにより誘導される肝毒性モデルで試験した。マウスを、組成物SALを用い、400mg/kgの用量で治療した。表19に見られるように、異なる比の全ての組成物がある程度の肝臓保護を示したが、マウスを、SALを用い、それぞれ106.7/213.3/80の比率で、400mg/kgの用量で治療した場合、血清ALTで最大の減少(51.9%、P=0.01)、従って、最大の保護が観察された。このモデルでは、この特定の比率で生存率は100%であった。
【0127】
同様に、表19に見られるように、異なる比の全ての組成物がある程度の肝臓保護を示したが、マウスを、SALを用い、それぞれ106.7/213.3/80の比率で、400mg/kgの用量で治療した場合、血清ALTで最大の減少(42.3%、P=0.01)が観察された。このモデルでは、この特定の比率で生存率は100%であった。
【0128】
【表19】
【0129】
複数の組成物が肝臓を保護する効力を示したが、組成物SALについて最終的な4S:8A:3L比を生ずる両方のモデルにおいて、20重量%のロエシンを1S:2A比で添加した場合に最高の保護が観察された。その結果、この比4S:8A:3Lをリード組成物と考えた。
【0130】
実施例21:APAPおよびCCl により誘発される肝毒性モデルにおけるSchisandra Chinensis、Artemisia CapillarisおよびN931を含む組成物の用量応答効果
有意な肝臓保護をもたらすであろう組成物SALの最適用量を、APAPおよびCClにより誘発される両モデルで評価した。マウスに、10%Tween-20中に懸濁した400mg/kg、325mg/kgおよび250mg/kgの用量で組成物SALを経口投与した。ビヒクルコントロール群には担体溶液のみを与えた。表20に見られるように、APAP群では、組成物について血清ALTの用量に相関する阻害が観察された。それぞれ400mg/kg、325mg/kgおよび250mg/kgの用量のSALを用いて治療したマウスについて、52.5%(p=0.001)、48.5%(p=0.012)および34.6%(p=0.079)の阻害が観察された。同様に、CCl群では、組成物について血清ALTの用量に相関する阻害が観察された。それぞれ400mg/kg、325mg/kgおよび250mg/kgの用量のSALを用いて治療したマウスについて、46.3%(p=0.003)、39.5%(p=0.007)および29.9%(p=0.036)の阻害が観察された。両方のモデルにおいて、全ての群について生存率は100%であった。組成物SALは、20%のLを含む1S:2Aで、250mg/kgという低い用量レベルで、肝臓損傷において統計的に有意な(CCL4)保護を与えた。
【0131】
ここで、試験した最高用量(400mg/kg)で、4S:8A:3Lにおいてみられるように、シサンドラ、アルテミシアおよびロエシンなどの個々の植物の効力を、同情SAL中の各植物の比率に相当する用量で試験した。表20に見られるように、70から80%の生存率での平均20%の阻害が、これらの植物について所与の用量で観察された。
【0132】
【表20】
【0133】
実施例22:組成物SALの相乗効果の評価
Colbyの式(Colby、1967)を利用して、Schizandra chinensis、Artemisia capillarisおよびN931をAPAPモデルおよびCCL4モデルの両方で組み合わせる利点を評価した。以下の表21からわかるように、観察された値は、両方のモデルにおいて予想される仮想値(A+B-C)よりも大きく、このことは、この三成分を特定の比率で配合してSALを得るときに相乗効果が存在することを示している。シザンドラ、アルテミシアおよびN931をブレンドする利点は、APAPおよびCClに起因する肝臓損傷の相乗的保護によって確認された。
【0134】
【表21】
【0135】
実施例23:300mg/kgの用量でのその個々の成分に対するSAL組成物の肝臓保護活性
APAPおよびCClにより誘発される両肝毒性モデルを使用し、組成物SALの個々の成分に対する肝臓保護活性を300mg/kgの用量で、効力の尺度として減少した血清ALTレベルを用いて比較した。10%Tween-20を全ての材料のための担体ビヒクルとして使用した。コントロールマウスにはTween-20のみを与えた。血清ALTの他に、T.タンパク質、T.ビリルビン、アルブミン、ASTおよび胆汁酸などの肝パネルを、コントロール、APAP/CCl、SALについてT24で測定した。
【0136】
【表22】
【0137】
表23および24の効力の尺度としてのASTに見られるように、組成物(SAL)は、APAPモデルにおけるビヒクル(即ち、60.6%)よりも強化された肝臓損傷保護を示した。SAL、S(シサンドラ)、A(アルテミシア)およびL(N931)で処理したマウスでは、ビヒクル群と比較して、それぞれ、血清ALTの統計的に有意な47.1%、42.2%、42.0%および16.6%の減少が観察された。アルテミシアで治療したマウスで最も低い生存率(50%)が観察された。
【0138】
APAPモデルを確認すると、組成物SALは、効力の尺度として血清ALTを使用したCClモデルにおける300mg/kgの用量での各個々の成分よりも大きな肝臓保護を示した。さらに、効力の尺度としてASTを使用すると、組成物(SAL)は、ビヒクル(即ち、32.5%)よりも高い損傷防御を示した。このモデルでは、全ての群の生存率は100%であった。
【0139】
【表23】
【0140】
表24に示すように、組成物SALは、ビヒクルで治療されたAPAP陽性マウスと比較すると、APAPモデルにおいて、胆汁酸、T.ビリルビンおよびT.タンパク質などの肝臓関連バイオマーカーの改善を示した。同様に、ビヒクル群と比較した場合、CClモデルにおいて組成物SALで治療したマウスについて統計的に有意な胆汁酸クリアランスが観察された。
【0141】
【表24】
【0142】
実施例24:APAPおよびCCL4により誘発される肝毒性モデルにおける組成物SALの効力確認試験
組成物SALの肝臓保護活性の優位性を証明するために、APAPおよびCClにより誘発される両肝毒性モデルを用いて確認研究を行った。マウスを、組成物SALを用い、400mg/kgで経口投与した。10%Tween-20を全ての材料のための担体ビヒクルとして使用した。コントロールマウスにはTween-20のみを与えた。血清ALTの他に、T.タンパク質、総ビリルビン、直接および間接のビリルビン、アルブミン、グロブリン、AST、胆汁酸およびALPなどの肝パネルを、コントロール、APAP/CCl、SALについてT24で測定した。
【0143】
以下の表25および26に見られるように、組成物SALで治療したマウスについて、血清ALT、AST、結合ビリルビンおよび胆汁酸における統計学的に有意な阻害が観察された。これらの阻害は、ビヒクル処置群から34.0%、44.5%、60.0%および26.7%の減少であった。同様に、組成物SALは、ビヒクル治療マウスと比較して、血清ALTレベルの顕著な統計的に有意な減少(44.0%減少)およびASTの強い減少傾向(35.9%減少)を示した。全体的に、組成物SALは、複数の頻繁に使用される動物モデルにおける肝臓損傷に対するより大きな保護を与え、これを表27に示す。
【0144】
【表25】
【0145】
【表26】
【0146】
【表27】
【0147】
実施例25:CCl 誘発性肝毒性モデルから採取した肝ホモジネート中の酸化ストレスバイオマーカーに対する組成物SALの効果
CClにより誘発される肝毒性モデルを用いて肝臓を保護することにおける組成物SALの効果を評価するために、追加の確認アッセイを実施した。マウスを、組成物SALを用い、400mg/kgで経口投与した。10%Tween 20を担体ビヒクルとして使用した。コントロールマウスにはTween 20のみを与えた。肝組織を剖検直後に収集し、-80℃に移すまでドライアイス中で保存した。その後、材料を、最終検体処理およびバイオマーカー分析のためにドライアイスに入れて契約研究室(Brunswick Laboratories、200 Turnpike Rd、MA 01772、USA)に運んだ。肝臓グルタチオン(GSH)とスーパーオキシドジスムターゼ(SOD)を評価した。
【0148】
グルタチオン(GSH)は、脂質ヒドロペルオキシドの還元に相当する還元剤を提供することによって細胞をフリーラジカルによる損傷から保護するのに役立つ重要な細胞内トリペプチドチオールである。この工程の間に、酸化グルタチオン(GSSG)が反応生成物として生成する。GSHレベルは、細胞および組織におけるin vivoでの酸化剤および酸化ストレスレベルの指標となるバイオマーカーとして使用されている。この分析において、GSHのスルフヒドリル基は、DTNB(5,5’-ジチオ-ビス-2-ニトロ安息香酸)と反応し、黄色の5-チオ-2-ニトロ安息香酸(TNB)生成物を生成する。生体サンプル中のGSHの量は、410nmでのTNBの吸光度の測定を介して決定される。
【0149】
スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)は、スーパーオキシドアニオンから分子酸素および過酸化水素への不均化を触媒する金属酵素である。SODは、in vivoで最も重要な酸化防止酵素の1つであると考えられている。SODアッセイは、テトラゾリウム塩を利用し、キサンチンオキシダーゼおよびキサンチンによって誘発されるスーパーオキシドラジカルの不均化を測定する比色アッセイであり、所与のサンプル中のSODの活性は、SOD標準を用いて生成された標準曲線によって定量化される。SODの1単位は、スーパーオキシドラジカルの50%の不均化を示すのに必要な酵素の量として定義される。
【0150】
以下の表28に見られるように、試験される各バイオマーカーのタンパク質レベル1グラム当たりで考えると、組成物SALは、肝臓スーパーオキシドジスムターゼの増加と関連して、枯渇した肝臓グルタチオンを補充した。これらの知見は、以前に開示された肝パネルデータと併せて、組成物SALが、CCL4により誘発される肝臓損傷によって惹起される酸化ストレスからの肝臓保護活性を有することを強く示唆する。
【0151】
【表28】
【0152】
実施例26:CCl により誘発される肝毒性モデルにおける特定の比率でのAstragalus Membranous、Schisandra ChinensisおよびArtemisia Capillarisのブレンドの肝臓保護活性の評価
2種類のさらなるリード植物抽出物で構成される組み合わせの肝臓保護活性も、マウスのCClにより誘発される肝毒性モデルで評価した。Astragalus membranousを、Schisandra chinensisまたはArtemisia capillarisと1:1、1:2、2:1、1:4および4:1の比で合わせた。表29に示すように、アストラガルスをシサンドラとブレンドした場合、1つの比率のみ(即ち、1:4)、ビヒクルで治療した損傷マウスと比較して、血清ALTの統計的に有意ではない減少を示した(34.1%)。対照的に、アストラガルスとアルテミシアを組み合わせた場合、より大きな肝臓保護が観察された。アストラガルス:アルテミシアの比率2:1および4:1について、血清ALTの統計的に有意な46.3%および57.7%の阻害がそれぞれ観察された。このモデルで試験した全ての比率について、生存率は100%であった。
【0153】
【表29】
【0154】
従って、肝臓の健康を改善し、維持する関連する方法と共に、開示された化合物の立体異性体、医薬として許容される塩または栄養補助食品として許容される塩、互変異性体、グリコシドおよびプロドラッグを含む、肝臓の健康管理に有用な化合物および組成物の具体的な実施形態および方法が開示された。しかし、本明細書の発明の概念から逸脱することなく、既に説明した以外の多くの変更が可能であることは、当業者には明らかなはずである。従って、本発明の主題は、本明細書の開示の精神を除き、限定されるものではない。さらに、明細書および特許請求の範囲を解釈する際には、全ての用語は、文脈と一致する最も広い可能な様式で解釈されるべきである。特に、用語「含む(comprises)」および「含む(comprising)」は、要素、構成要素または工程を非排他的な様式で参照するものと解釈されるべきであり、参照された要素、構成要素または工程が存在していてもよく、または利用してもよく、または、明示的に言及されていない他の要素、構成要素または工程と組み合わせてもよいことを示している。
【0155】
【表30】
図1