(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022175048
(43)【公開日】2022-11-25
(54)【発明の名称】無線通信装置、参照信号割当方法及び参照信号割当プログラム
(51)【国際特許分類】
H04W 24/08 20090101AFI20221117BHJP
H04W 24/10 20090101ALI20221117BHJP
H04W 72/04 20090101ALI20221117BHJP
【FI】
H04W24/08
H04W24/10
H04W72/04 136
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021081172
(22)【出願日】2021-05-12
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)2020年度 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業/ポスト5G情報通信システムの開発/基地局無線部における低消費電力技術と超低遅延通信技術の研究開発」に関する研究開発、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】式田 潤
(72)【発明者】
【氏名】村岡 一志
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA13
5K067DD43
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE61
5K067LL11
(57)【要約】
【課題】無線端末に対して、適切に参照信号を割り当てることが可能な無線通信装置、参照信号割当方法及び参照信号割当プログラムを提供すること。
【解決手段】無線通信装置(1)は、歪み計算部(2)と、割当部(3)とを備える。歪み計算部(2)は、無線通信装置(1)と無線端末との間のチャネルの周波数応答の歪み度合いを計算する。また、割当部(3)は、歪み計算部(2)が計算した歪み度合いに基づいて、無線端末に参照信号を割り当てる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信装置であって、
前記無線通信装置と無線端末との間のチャネルの周波数応答の歪み度合いを計算する歪み計算部と、
前記歪み度合いに基づいて、前記無線端末に参照信号を割り当てる割当部と、
を備える、無線通信装置。
【請求項2】
前記歪み計算部は、前記チャネルの周波数応答の推定値を用いて、前記歪み度合いを計算する、
請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項3】
前記歪み計算部は、前記チャネルのインパルス応答の推定値を用いて、前記歪み度合いを計算する、
請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項4】
前記歪み計算部は、前記無線端末が報告したCQI(Channel Quality Indicator)を用いて、前記歪み度合いを計算する、
請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項5】
前記割当部は、前記歪み度合いに基づいて、前記参照信号の送信間隔及び送信帯域幅のうち少なくとも1つを設定することにより、前記無線端末に参照信号を割り当てる、
請求項1~4のいずれか1項に記載の無線通信装置。
【請求項6】
前記割当部は、前記歪み度合いが低いほど、前記送信間隔を長く設定する、
請求項5に記載の無線通信装置。
【請求項7】
前記割当部は、前記歪み度合いが低いほど、前記送信帯域幅を狭く設定する、
請求項5又は6に記載の無線通信装置。
【請求項8】
前記割当部は、前記無線端末の移動速度をさらに用いて、前記参照信号を割り当てる、
請求項1~7のいずれか1項に記載の無線通信装置。
【請求項9】
無線通信装置により実行される参照信号割当方法であって、
前記無線通信装置と無線端末との間のチャネルの周波数応答の歪み度合いを計算すること、及び
前記歪み度合いに基づいて、前記無線端末に参照信号を割り当てること、
を含む参照信号割当方法。
【請求項10】
無線通信装置に参照信号割当方法を実行させる参照信号割当プログラムであって、
前記参照信号割当方法は、
前記無線通信装置と無線端末との間のチャネルの周波数応答の歪み度合いを計算すること、及び
前記歪み度合いに基づいて、前記無線端末に参照信号を割り当てること、
を含む参照信号割当プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、無線通信装置、参照信号割当方法及び参照信号割当プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
LTE(Long Term Evolution)及びNR(New Radio)等の移動通信システムでは、端末は、サウンディング参照信号(SRS:Sounding Reference Signal)を基地局に送信する(例えば特許文献1)。SRSは、上りリンクのチャネルの品質を測定するために使用される。基地局は、端末が送信したSRSを用いて上りリンクのチャネルのインパルス応答又は周波数応答を推定し、その推定結果を、上りリンクの周波数リソースの割り当て、及び下りリンクのビームフォーミング伝送に用いる。
【0003】
SRSの送信は、チャネルの時間的な変動に追従できる頻度で行われるのが望ましい。チャネルの時間的な変動度合いに比べてSRSの送信頻度が低い場合には、チャネルの状態に適した周波数リソースの割り当てやビーム形成が行えず、通信品質が劣化する。反対に、チャネルの時間的な変動度合いに比べてSRSの送信頻度が高い場合には、SRSに割り当てた分だけ上りリンクのデータ通信に利用できる周波数リソースが減ってしまい、上り通信のデータ通信量が減少する。
【0004】
SRSの送信の割り当てに関する技術が特許文献2に開示されている。特許文献2には、端末の移動速度に基づいてSRSの送信を割り当てる方法が記載されている。特許文献2には、移動速度の速い端末に対しては、全帯域に対するSRSの送信が短く完了するように、SRSの送信間隔及び送信帯域幅を割り当てる方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表2020-520585号公報
【特許文献2】特許第5325982号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、チャネルの時間的な変動度合いは端末の移動速度だけには依存しない。そのため、特許文献2に記載の方法では、移動速度の速い端末に対して過剰にSRSの送信を割り当てることになり、非効率なSRSの割り当てを行う可能性がある。
【0007】
本開示の目的の1つは、上述した課題を解決するためになされたものであり、無線端末に対して、適切に参照信号を割り当てることが可能な無線通信装置、参照信号割当方法及び参照信号割当プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示にかかる無線通信装置は、
無線通信装置であって、
前記無線通信装置と無線端末との間のチャネルの周波数応答の歪み度合いを計算する歪み計算部と、
前記歪み度合いに基づいて、前記無線端末に参照信号を割り当てる割当部と、
を備える。
【0009】
本開示にかかる参照信号割当方法は、
無線通信装置により実行される参照信号割当方法であって、
前記無線通信装置と無線端末との間のチャネルの周波数応答の歪み度合いを計算すること、及び
前記歪み度合いに基づいて、前記無線端末に参照信号を割り当てること、
を含む。
【0010】
本開示にかかる参照信号割当プログラムは、
無線通信装置に参照信号割当方法を実行させる参照信号割当プログラムであって、
前記参照信号割当方法は、
前記無線通信装置と無線端末との間のチャネルの周波数応答の歪み度合いを計算すること、及び
前記歪み度合いに基づいて、前記無線端末に参照信号を割り当てること、
を含む参照信号割当プログラムである。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、無線端末に対して、適切に参照信号を割り当てることが可能な無線通信装置、参照信号割当方法及び参照信号割当プログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】第1の実施形態にかかる無線通信装置の構成例を示す図である。
【
図2】第1の実施形態にかかる無線通信装置の動作例を示す図である。
【
図3】第2の実施形態にかかる無線通信システムの構成例を示す図である。
【
図4】第2の実施形態にかかる無線通信装置の構成例を示す図である。
【
図5】チャネル状態と、チャネルの周波数応答との関係を説明するための図である。
【
図6】チャネル状態と、チャネルの周波数応答との関係を説明するための図である。
【
図7】第2の実施形態にかかる無線通信装置の動作例を示すフローチャートである。
【
図8】本開示の各実施形態にかかる無線通信装置等を実現可能な、コンピュータ(情報処理装置)のハードウェア構成を例示するブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下の記載及び図面は、説明の明確化のため、適宜、省略及び簡略化がなされている。また、以下の各図面において、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。
【0014】
(第1の実施形態)
図1を用いて、第1の実施形態にかかる無線通信装置1の構成例について説明する。
図1は、第1の実施形態にかかる無線通信装置の構成例を示す図である。無線通信装置1は、少なくとも1つの無線端末(不図示)と無線通信を行う。無線通信装置1は、歪み計算部2と、割当部3とを備える。
【0015】
歪み計算部2は、無線通信装置1と無線端末との間のチャネルの周波数応答の歪み度合いを計算する。周波数応答の歪み度合いは、周波数応答の振幅の周波数変動度合いとして定義されてもよい。
【0016】
割当部3は、歪み計算部2が計算した歪み度合いに基づいて、無線端末に参照信号を割り当てる。参照信号は、上りリンクのチャネルの品質を測定するために使用される参照信号でもよい。参照信号は、SRSでもよく、SRSとは異なる他の参照信号でもよい。
【0017】
次に、
図2を用いて、第1の実施形態にかかる無線通信装置1の動作例について説明する。
図2は、第1の実施形態にかかる無線通信装置の動作例を示す図である。
歪み計算部2は、無線通信装置1と無線端末との間のチャネルの周波数応答の歪み度合いを計算する(ステップS1)。
割当部3は、歪み計算部2で計算された周波数応答の歪み度合いに基づいて、無線端末に参照信号を割り当てる(ステップS2)。
【0018】
以上説明したように、無線通信装置1は、無線端末との間のチャネルの周波数応答の歪み度合いを計算する。そして、無線通信装置1は、周波数応答の歪み度合いに基づいて、無線端末に参照信号を割り当てる。無線通信装置1は、チャネルの周波数応答の歪み度合いからチャネルの安定性を判断できる。無線通信装置1は、チャネルの安定性の判断結果に基づいてチャネルの時間的な変動度合いを見積もることができる。そのため、第1の実施形態にかかる無線通信装置1によれば、チャネルの時間的な変動度合いを考慮して、チャネルの時間的な変動に追従しつつ、過剰な割当を回避するように、無線端末に参照信号を割り当てることができる。したがって、第1の実施形態にかかる無線通信装置1によれば、無線端末に対して、適切に参照信号を割り当てることができる。
【0019】
(第2の実施形態)
続いて、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、第1の実施形態を具体的にした実施形態である。
<無線通信システムの構成例>
図3を用いて、第2の実施形態にかかる無線通信システム100の構成例について説明する。
図3は、第2の実施形態にかかる無線通信システムの構成例を示す図である。無線通信システム100は、第5世代移動通信システム(5G system)であるNRシステムでもよい。もしくは、無線通信システム100は、LTEシステムでもよい。もしくは、無線通信システム100は、LTE-Advancedシステムでもよい。もしくは、無線通信システム100は、第6世代移動通信システムでもよい。
【0020】
無線通信システム100は、無線通信装置10と、無線端末20とを備える。なお、
図3では、無線通信システム100は、1台の無線通信装置10及び1台の無線端末20を備える構成として図示されるが、複数台の無線通信装置、及び複数台の無線端末を備える構成でもよい。
【0021】
無線通信装置10は、例えば、基地局又はアクセスポイントでもよい。無線通信装置10は、NR NodeB(NR NB)でもよく、gNodeB(gNB)でもよく、ng-eNBでもよい。もしくは、無線通信装置10は、eNodeB(evolved Node B又はeNB)でもよい。無線通信装置10は、アンテナ11を備える。無線通信装置10は、アンテナ11を介して、無線端末20と接続及び通信を行う。なお、無線通信装置10は、1本のアンテナ11を備える構成として記載しているが、複数本のアンテナを備える構成であってもよい。
【0022】
無線端末20は、例えば、移動局、UE(User Equipment)、WTRU(Wireless Transmit/Receive Unit)又は中継機能を有する中継装置でもよい。無線端末20は、アンテナ21を備える。無線端末20は、アンテナ21を介して、無線通信装置10と接続及び通信を行う。なお、無線端末20は、1本のアンテナ21を備える構成として記載しているが、複数本のアンテナを備える構成であってもよい。
【0023】
<無線通信装置の構成例>
次に、
図4を用いて、無線通信装置10の構成例について説明する。
図4は、第2の実施形態にかかる無線通信装置の構成例を示す図である。無線通信装置10は、アンテナ11と、送受信部12と、チャネル情報取得部13と、周波数応答歪み計算部14と、参照信号割当部15と、送信信号生成部16とを備える。
【0024】
アンテナ11は、無線端末20が送信した無線信号を受信し、受信した無線信号を送受信部12に出力する。また、アンテナ11は、送受信部12から入力された無線信号を無線端末20に送信する。
【0025】
送受信部12は、アンテナ11から入力された無線信号をベースバンド信号に変換し、チャネル情報取得部13に出力する。また、送受信部12は、送信信号生成部16から入力されたベースバンド信号を無線信号に変換し、アンテナ11に出力する。
【0026】
なお、無線通信システム100において使用される無線通信方式によっては、送受信部12とチャネル情報取得部13との間で、CP(Cyclic Prefix)の除去、及びFFT(Fast Fourier Transform)等が必要となる。そのため、
図4では図示を省略するが、送受信部12とチャネル情報取得部13との間に、上記を行うモジュールを設けてもよい。
【0027】
チャネル情報取得部13は、送受信部12から入力されたベースバンド信号を用いてチャネル情報を取得し、取得したチャネル情報を周波数応答歪み計算部14に出力する。チャネル情報取得部13が取得するチャネル情報は、チャネルの周波数応答の推定値を含んでもよく、チャネルのインパルス応答の推定値を含んでもよく、下りリンクのチャネルの受信品質を示すCQI(Channel Quality Indicator)を含んでもよい。チャネル情報取得部13は、無線端末20が送信する参照信号であって、無線通信装置10で既知の参照信号と、当該参照信号が含まれるベースバンド信号とを用いてチャネルの周波数応答の推定値を計算してもよい。チャネル情報取得部13は、チャネルの周波数応答を逆フーリエ変換することにより、チャネルのインパルス応答の推定値を計算してもよい。チャネル情報取得部13は、無線端末20が測定したCQIであって、無線端末20が送信したCQIが含まれるベースバンド信号を、復調し、復号することによりCQIを取得してもよい。
【0028】
周波数応答歪み計算部14は、第1の実施形態における歪み計算部2に対応する。周波数応答歪み計算部14は、無線通信装置10と、無線端末20との間のチャネルの周波数応答の歪み度合いを計算する。具体的には、周波数応答歪み計算部14は、チャネル情報取得部13から入力されたチャネル情報を用いて、チャネルの周波数応答の歪み度合いを計算する。周波数応答歪み計算部14は、計算したチャネルの周波数応答の歪み度合いを参照信号割当部15に出力する。周波数応答歪み計算部14は、チャネル情報取得部13から入力されたチャネル情報の種類に応じて、チャネルの周波数応答の歪み度合いを計算してもよい。また、周波数応答歪み計算部14は、複数の時刻において、周波数応答の歪み度合いを計算し、異なる時刻において計算した、周波数応答の歪み度合いの平均値を参照信号割当部15に出力してもよい。
【0029】
チャネル情報がチャネルの周波数応答の推定値を含む場合、周波数応答歪み計算部14は、チャネルの周波数応答の推定値の大きさの分散を、チャネルの周波数応答の歪み度合いとして計算してもよい。具体的には、サブキャリア数をN、第nサブキャリア(nは1以上N以下の整数)におけるチャネルの周波数応答の推定値をH
nとすると、周波数応答歪み計算部14は、チャネルの周波数応答の歪み度合いηを、式(1)及び式(2)により計算してもよい。
【数1】
【0030】
チャネル情報がチャネルのインパルス応答の推定値を含む場合、周波数応答歪み計算部14は、チャネルのインパルス応答の推定値の遅延広がりを、チャネルの周波数応答の歪み度合いとして計算してもよい。具体的には、インパルス応答のタップ数をD、第dタップ(dは1以上D以下の整数)のインパルス応答の推定値をh
dとすると、周波数応答歪み計算部14は、チャネルの周波数応答の歪み度合いηを、式(3)、(4)及び(5)により計算してもよい。
【数2】
【0031】
チャネル情報がCQIを含む場合、周波数応答歪み計算部14は、CQIの分散を、チャネルの周波数応答の歪み度合いとして計算してもよい。なお、CQIは、複数サブキャリア分を束ねたサブバンドごとに得られてもよい。具体的には、サブバンド数をM、第mサブバンド(mは1以上M以下の整数)のCQIをq
mとすると、周波数応答歪み計算部14は、チャネルの周波数応答の歪み度合いηを、以下に示す式(6)及び式(7)により計算してもよい。
【数3】
【0032】
参照信号割当部15は、第1の実施形態における割当部3に対応する。参照信号割当部15は、周波数応答歪み計算部14からチャネルの周波数応答の歪み度合いを入力する。周波数応答歪み計算部14から入力されたチャネルの周波数応答の歪み度合いに基づいて、無線端末20に対する参照信号の割り当てを行い、参照信号の割当に関する割当情報を生成する。具体的には、参照信号割当部15は、チャネルの周波数応答の歪み度合いに基づいて、参照信号の送信間隔、及び送信帯域幅のうち、少なくとも1つを決定することにより、無線端末20に対する参照信号の割り当てを行う。参照信号割当部15は、決定した、参照信号の送信間隔、及び送信帯域幅のうち、少なくとも1つに関する割当情報を生成し、割当情報を送信信号生成部16に出力する。参照信号は、上りリンクのチャネルの品質を測定するために使用される参照信号でもよい。参照信号は、SRSでもよく、SRSとは異なる他の参照信号でもよい。
【0033】
ここで、
図5及び
図6を用いて、チャネル状態と、チャネルの周波数応答との関係を説明する。
図5及び
図6は、チャネル状態と、チャネルの周波数応答との関係を説明するための図である。
図5及び
図6のうち、上図は、無線通信装置10と、無線端末20との間のチャネルの状態を表している。具体的には、
図5及び
図6のうち、上図は、複数のパスを介して、無線通信装置10から無線端末20に送信される電波の状況を表している。
図5及び
図6のうち、下図は、上図が示すチャネル状態における、チャネル周波数応答の振幅と、周波数との関係を表している。言い換えると、
図5及び
図6のうち、下図は、上図が示すチャネル状態における、チャネルの周波数応答の歪み度合いを表している。
【0034】
まず、
図5について説明する。
図5は、例えば、無線通信装置10と、無線端末20との間に見通しがない環境における、無線通信装置10と、無線端末20との間のチャネル状態を表している。
図5の上図に示すように、無線通信装置10から出力される電波は、例えば、周辺の建物及び地面等により反射し、複数の経路(パス)を経由して無線端末20に到達する。一般的に、各パスを通る電波の受信電力及び伝搬遅延はパス毎に異なる。この場合、
図5の下図に示すように、チャネルの周波数応答の振幅は、周波数により変動する。特に、複数のパスの受信電力差が小さく、かつ伝搬遅延差が大きい場合には、チャネルの周波数応答の歪み度合いが高くなる。
【0035】
図6は、例えば、無線通信装置10と、無線端末20との間に見通しがある状況下での無線通信装置10と、無線端末20との間のチャネル状態を表している。例えば、無線通信装置10と、無線端末20との間に見通しがある場合、無線通信装置10から出力される電波は、無線通信装置10から無線端末20に、反射なしに到達する直接波を含む。また、無線通信装置10と、無線端末20との間に見通しがある場合、無線通信装置10から出力される電波は、例えば、周辺の建物及び地面等により反射されて無線端末20に到達する反射波を含む。
図6の上図に示す太い矢印は、無線通信装置10から無線端末20への直接波を表しており、細い矢印は反射波を表している。一般的に、電波は、反射する毎に、電力が低下してしまうため、無線通信装置10から無線端末20への直接波は、最も電力が大きい電波となる。直接波の電力が反射波に比べて十分に大きい場合、
図6の下図に示すように、チャネルの周波数応答の振幅は、周波数による変動が小さくなる。つまり、例えば、無線通信装置10と、無線端末20との間に見通しがある状況下では、チャネルの状態が安定しており、チャネルの周波数応答の振幅の変動量は小さく、歪み度合いが低い状態となる。
【0036】
そこで、参照信号割当部15は、計算された歪み度合いからチャネル状態及びチャネルの周波数応答の歪み度合いからチャネルの時間的な変動度合いを見積もり、チャネルの時間的な変動度合いに基づいて、参照信号を無線端末20に割り当てる。具体的には、参照信号割当部15は、チャネルの周波数応答の歪み度合いからチャネルの時間的な変動度合いを見積もり、参照信号の送信間隔及び送信帯域幅のうち、少なくとも1つを決定する。
【0037】
図4に戻り説明を続ける。チャネルの周波数応答の歪み度合いが高い場合、伝搬遅延差の大きい複数のパスが同程度の電力で存在するなどの複雑なチャネルの状態であるとみなせるので、参照信号割当部15は、チャネルの時間的な変動は大きくなりやすいと判断する。つまり、チャネルの周波数応答の歪み度合いが高い場合、参照信号割当部15は、チャネルの状態が、
図5に示す状態であると判断する。一方、チャネルの周波数応答の歪み度合いが低い場合、直接波のような支配的な1つのパスが存在し、チャネルの状態が安定しているとみなせるので、参照信号割当部15は、チャネルの時間的な変動は小さいと判断する。つまり、チャネルの周波数応答の歪み度合いが低い場合、参照信号割当部15は、チャネルの状態が、
図6に示す状態であると判断する。
【0038】
参照信号割当部15は、チャネルの時間的な変動が大きいと判断した場合には、変動に追従するために、参照信号の送信間隔が短くなるように参照信号を割り当てる。また、参照信号割当部15は、チャネルの時間的な変動が大きいと判断した場合には、変動に追従するために、参照信号の1回の送信当たりの帯域幅が広くなるように、参照信号を割り当てる。逆に、参照信号割当部15は、チャネルの時間的な変動が小さいと判断した場合には、参照信号の送信間隔が長くなるように、参照信号を割り当てる。また、参照信号割当部15は、チャネルの時間的な変動が小さいと判断した場合には、参照信号の1回の送信当たりの帯域幅が狭くなるように、参照信号を割り当てる。つまり、参照信号割当部15は、周波数応答歪み計算部14が計算した歪み度合いが低いほど、無線端末20に割り当てる参照信号の送信間隔を長く設定する。また、参照信号割当部15は、周波数応答歪み計算部14が計算した歪み度合いが低いほど、無線端末20に割り当てる参照信号の送信帯域幅を狭く設定する。
【0039】
参照信号割当部15は、チャネルの周波数応答の歪み度合いが高いか低いかを、事前に定めた閾値と比較して判定してもよい。閾値は、計算機シミュレーションに基づいて設定されてもよい。もしくは、閾値は、実運用時に計算した周波数応答の歪み度合いとチャネルの時間的な変動度合いとの相関関係に基づき、チャネルの時間的な変動度合いが高い場合と低い場合とを分類できるような値を設定してもよい。なお、閾値は、計算機シミュレーション、及び実運用において取得されたデータに基づいて、機械学習等を用いて自動化して設定されてもよい。また、使用される閾値が複数であってもよく、チャネルの時間的な変動度合いの高さに応じた複数の閾値が用いられてもよい。例えば、チャネルの時間的な変動度合いの高さに応じて、3つ以上の閾値が用いられてもよい。
【0040】
参照信号割当部15は、チャネルの周波数応答の歪み度合いから参照信号の送信間隔及び送信帯域幅を割り当てる場合、歪み度合い毎に予め用意された、設定可能な送信間隔及び送信帯域幅の候補の中から設定値を選択して割り当ててもよい。設定可能な参照信号の送信間隔及び送信帯域幅は、参照信号の割当対象となる無線端末の数に依存する。そのため、参照信号割当部15は、無線端末の数に応じて設定可能な送信間隔及び送信帯域幅の候補を変更してもよい。設定可能な送信間隔及び送信帯域幅の候補は、参照信号の割当対象の端末数に応じて、用意されてもよい。
【0041】
また、参照信号割当部15は、無線端末20の移動速度に関する情報が得られる場合、無線端末20の移動速度を、参照信号の割当に使用してもよい。参照信号割当部15は、チャネルの周波数応答の歪み度合いに基づいて、無線端末20に割り当てる参照信号の送信間隔及び送信帯域幅を設定し、さらに、無線端末20の移動速度に基づいて、設定した、送信間隔及び送信帯域幅を調整してもよい。移動速度が速いほど、チャネルの時間的な変動が大きくなり易い。そのため、参照信号割当部15は、設定した、無線端末20に割り当てる参照信号の送信間隔及び送信帯域幅に対して、無線端末20の移動速度が速いほど、短い送信間隔及び広い送信帯域幅が割り当てられるように調整してもよい。
【0042】
送信信号生成部16は、参照信号割当部15から入力された、参照信号の送信間隔及び送信帯域幅についての割当情報を無線端末20に通知するためのベースバンド信号を生成し、生成したベースバンド信号を送受信部12に出力する。
【0043】
<無線通信装置の動作例>
図7を用いて、無線通信装置10の動作例について説明する。
図7は、第2の実施形態にかかる無線通信装置の動作例を示すフローチャートである。
アンテナ11は、無線端末20が送信した無線信号を受信する(ステップS11)。送受信部12は、アンテナ11から入力された無線信号をベースバンド信号に変換する。送受信部12は、ベースバンド信号をチャネル情報取得部13に出力する。
【0044】
チャネル情報取得部13は、ベースバンド信号からチャネル情報を取得する(ステップS12)。チャネル情報取得部13は、チャネル情報を、周波数応答歪み計算部14に出力する。
【0045】
周波数応答歪み計算部14は、チャネル情報を用いて、チャネルの周波数応答の歪み度合いを計算する(ステップS13)。チャネル情報がチャネルの周波数応答の推定値を含む場合、周波数応答歪み計算部14は、チャネルの周波数応答の推定値の大きさの分散を、チャネルの周波数応答の歪み度合いとして計算してもよい。チャネル情報がチャネルのインパルス応答の推定値を含む場合、周波数応答歪み計算部14は、チャネルのインパルス応答の推定値の遅延広がりを、チャネルの周波数応答の歪み度合いとして計算してもよい。チャネル情報がCQIを含む場合、周波数応答歪み計算部14は、CQIの分散を、チャネルの周波数応答の歪み度合いとして計算してもよい。
【0046】
参照信号割当部15は、チャネルの周波数応答の歪み度合いに基づいて、無線端末20に設定する、参照信号の送信周波数及び周波数帯域幅を決定する(ステップS14)。参照信号割当部15は、周波数応答歪み計算部14が計算した歪み度合いが低いほど、無線端末20に割り当てる参照信号の送信間隔が長く設定する。また、参照信号割当部15は、周波数応答歪み計算部14が計算した歪み度合いが低いほど、無線端末20に割り当てる参照信号の送信帯域幅を狭く設定する。
【0047】
送信信号生成部16は、参照信号の送信間隔及び送信帯域幅等の割当情報を無線端末20に通知するためのベースバンド信号を生成する(ステップS15)。送受信部12は、送信信号生成部16から入力されたベースバンド信号を無線信号に変換し、アンテナ11に出力する。アンテナ11は、無線信号を無線端末20に送信する。
【0048】
以上説明したように、周波数応答歪み計算部14は、無線通信装置10と無線端末20との間のチャネルの周波数応答の歪み度合いを計算する。参照信号割当部15は、チャネルの周波数応答の歪み度合いに基づいて、無線端末20に対して参照信号の送信間隔や送信帯域幅を割り当てる。参照信号割当部15は、チャネルの周波数応答の歪み度合いからチャネルの安定性を判断できる。そして、参照信号割当部15は、チャネルの安定性の判断結果に基づいてチャネルの時間的な変動度合いを見積もることができる。つまり、参照信号割当部15は、チャネルの時間的な変動度合いを考慮して、無線端末20に参照信号を割り当てることができる。そのため、第2の実施形態にかかる無線通信装置10によれば、チャネルの時間的な変動に追従しつつ、過剰な割当を回避するように、無線端末20のチャネルの状態に応じて適切に参照信号を割り当てることができる。したがって、第2の実施形態にかかる無線通信装置10によれば、無線端末20に対して、適切に参照信号を割り当てることができる。
【0049】
(他の実施形態)
上述した実施形態にかかる無線通信装置1、10及び無線端末20(以下、無線通信装置1等と称する)は次のようなハードウェア構成を有していてもよい。
図8は、本開示の各実施形態にかかる無線通信装置等を実現可能な、コンピュータ(情報処理装置)のハードウェア構成を例示するブロック図である。
【0050】
図8を参照すると、無線通信装置1等は、ネットワーク・インターフェース1201、プロセッサ1202、及びメモリ1203を含む。ネットワーク・インターフェース1201は、無線通信システムに含まれる他の通信装置と通信するために使用される。
【0051】
プロセッサ1202は、メモリ1203からソフトウェア(コンピュータプログラム)を読み出して実行することで、上述した実施形態においてフローチャートを用いて説明された無線通信装置1等の処理を実行する。プロセッサ1202は、例えば、マイクロプロセッサ、MPU(Micro Processing Unit)、又はCPU(Central Processing Unit)であってもよい。プロセッサ1202は、複数のプロセッサを含んでもよい。
【0052】
メモリ1203は、揮発性メモリ及び不揮発性メモリの組み合わせによって構成される。メモリ1203は、プロセッサ1202から離れて配置されたストレージを含んでもよい。この場合、プロセッサ1202は、図示されていないI/O(Input/Output)インターフェースを介してメモリ1203にアクセスしてもよい。
【0053】
図8の例では、メモリ1203は、ソフトウェアモジュール群を格納するために使用される。プロセッサ1202は、これらのソフトウェアモジュール群をメモリ1203から読み出して、当該ソフトウェアモジュール群による指示に応じた処理を実行することで、上述した実施形態において説明された無線通信装置1等の動作を実現できる。
【0054】
図8を用いて説明したように、無線通信装置1等が有するプロセッサの各々は、図面を用いて説明されたアルゴリズムをコンピュータに行わせるための命令群を含む1または複数のプログラムを実行する。
【0055】
上述の例において、プログラムは、コンピュータに読み込まれた場合に、実施形態で説明された1又はそれ以上の機能をコンピュータに行わせるための命令群(又はソフトウェアコード)を含む。プログラムは、非一時的なコンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体に格納されてもよい。限定ではなく例として、コンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体は、random-access memory(RAM)、read-only memory(ROM)、フラッシュメモリ、solid-state drive(SSD)又はその他のメモリ技術、CD-ROM、digital versatile disc(DVD)、Blu-ray(登録商標)ディスク又はその他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ又はその他の磁気ストレージデバイスを含む。プログラムは、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体上で送信されてもよい。限定ではなく例として、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体は、電気的、光学的、音響的、またはその他の形式の伝搬信号を含む。
【0056】
本明細書における、ユーザ端末(User Equipment、UE)(もしくは移動局(mobile station)、移動端末(mobile terminal)、モバイルデバイス(mobile device)、または無線端末(wireless device)などを含む)は、無線インターフェースを介して、ネットワークに接続されたエンティティである。
【0057】
本明細書は、専用の通信装置に限定されるものではなく、次のような通信機能を有する任意の機器に適用することが可能である。
【0058】
用語として「(3GPPで使われる単語としての)ユーザ端末(User Equipment、UE)」、「移動局」、「移動端末」、「モバイルデバイス」、「無線端末」のそれぞれは、一般的に互いに同義であることを意図しており、ターミナル、携帯電話、スマートフォン、タブレット、セルラIoT端末、IoTデバイス、などのスタンドアローン移動局であってもよい。用語として「移動局」「移動端末」「モバイルデバイス」は、長期間にわたって備え付けられている装置も包含することが理解されよう。
【0059】
またUEは、例えば、生産設備・製造設備および/またはエネルギー関連機械のアイテム(一例として、ボイラー、機関、タービン、ソーラーパネル、風力発電機、水力発電機、火力発電機、原子力発電機、蓄電池、原子力システム、原子力関連機器、重電機器、真空ポンプなどを含むポンプ、圧縮機、ファン、送風機、油圧機器、空気圧機器、金属加工機械、マニピュレータ、ロボット、ロボット応用システム、工具、金型、ロール、搬送装置、昇降装置、貨物取扱装置、繊維機械、縫製機械、印刷機、印刷関連機械、紙工機械、化学機械、鉱山機械、鉱山関連機械、建設機械、建設関連機械、農業用機械および/または器具、林業用機械および/または器具、漁業用機械および/または器具、安全および/または環境保全器具、トラクター、軸受、精密ベアリング、チェーン、歯車(ギアー)、動力伝動装置、潤滑装置、弁、管継手、および/または上記で述べた任意の機器又は機械のアプリケーションシステムなど)であっても良い。
【0060】
またUEは、例えば、輸送用装置のアイテム(一例として、車両、自動車、二輪自動車、自転車、列車、バス、リヤカー、人力車、船舶(ship and other watercraft)、飛行機、ロケット、人工衛星、ドローン、気球など)であっても良い。
【0061】
またUEは、例えば、情報通信用装置のアイテム(一例として、電子計算機及び関連装置、通信装置及び関連装置、電子部品など)であっても良い。
【0062】
またUEは、例えば、冷凍機、冷凍機応用製品および装置、商業およびサービス用機器、自動販売機、自動サービス機、事務用機械及び装置、民生用電気・電子機械器具(一例として音声機器、スピーカー、ラジオ、映像機器、テレビ、オーブンレンジ、炊飯器、コーヒーメーカー、食洗機、洗濯機、乾燥機、扇風機、換気扇及び関連製品、掃除機など)であっても良い。
【0063】
またUEは、例えば、電子応用システムまたは電子応用装置(一例として、X線装置、粒子加速装置、放射性物質応用装置、音波応用装置、電磁応用装置、電力応用装置など)であっても良い。
【0064】
またUEは、例えば、電球、照明、計量機、分析機器、試験機及び計測機械(一例として、煙報知器、対人警報センサ、動きセンサ、無線タグなど)、時計(watchまたはclock)、理化学機械、光学機械、医療用機器および/または医療用システム、武器、利器工匠具、または手道具などであってもよい。
【0065】
またUEは、例えば、無線通信機能を備えたパーソナルデジタルアシスタントまたは装置(一例として、無線カードや無線モジュールなどを取り付けられる、もしくは挿入するよう構成された電子装置(例えば、パーソナルコンピュータや電子計測器など))であっても良い。
【0066】
またUEは、例えば、有線や無線通信技術を使用した「あらゆるモノのインターネット(IoT:Internet of Things)」において、以下のアプリケーション、サービス、ソリューションを提供する装置またはその一部であっても良い。
【0067】
IoTデバイス(もしくはモノ)は、デバイスが互いに、および他の通信デバイスとの間で、データ収集およびデータ交換することを可能にする適切な電子機器、ソフトウェア、センサ、ネットワーク接続、などを備える。
【0068】
またIoTデバイスは、内部メモリの格納されたソフトウェア指令に従う自動化された機器であっても良い。
【0069】
またIoTデバイスは、人間による監督または対応を必要とすることなく動作しても良い。
またIoTデバイスは、長期間にわたって備え付けられている装置および/または、長期間に渡って非活性状態(inactive)状態のままであっても良い。
【0070】
またIoTデバイスは、据え置き型な装置の一部として実装され得る。IoTデバイスは、非据え置き型の装置(例えば車両など)に埋め込まれ得る、または監視される/追跡される動物や人に取り付けられ得る。
【0071】
人間の入力による制御またはメモリに格納されるソフトウェア命令、に関係なくデータを送受信する通信ネットワークに接続することができる、任意の通信デバイス上に、IoT技術が実装できることは理解されよう。
【0072】
IoTデバイスが、機械型通信(Machine Type Communication、MTC)デバイス、またはマシンツーマシン(Machine to Machine、M2M)通信デバイス、と呼ばれることもあるのは理解されよう。
【0073】
またUEが、1つまたは複数のIoTまたはMTCアプリケーションをサポートすることができることが理解されよう。
【0074】
MTCアプリケーションのいくつかの例は、以下の表(出典:3GPP TS22.368 V13.2.0(2017-01-13) Annex B、その内容は参照により本明細書に組み込まれる)に列挙されている。このリストは、網羅的ではなく、一例としてのMTCアプリケーションを示すものである。
【表1】
【0075】
アプリケーション、サービス、ソリューションは、一例として、MVNO(Mobile Virtual Network Operator:仮想移動体通信事業者)サービス/システム、防災無線サービス/システム、構内無線電話(PBX(Private Branch eXchange:構内交換機))サービス/システム、PHS/デジタルコードレス電話サービス/システム、POS(Point of sale)システム、広告発信サービス/システム、マルチキャスト(MBMS(Multimedia Broadcast and Multicast Service))サービス/システム、V2X(Vehicle to Everything:車車間通信および路車間・歩車間通信)サービス/システム、列車内移動無線サービス/システム、位置情報関連サービス/システム、災害/緊急時無線通信サービス/システム、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)サービス/システム、コミュニティーサービス/システム、映像配信サービス/システム、Femtoセル応用サービス/システム、VoLTE(Voice over LTE)サービス/システム、無線TAGサービス/システム、課金サービス/システム、ラジオオンデマンドサービス/システム、ローミングサービス/システム、ユーザ行動監視サービス/システム、通信キャリア/通信NW選択サービス/システム、機能制限サービス/システム、PoC(Proof of Concept)サービス/システム、端末向け個人情報管理サービス/システム、端末向け表示・映像サービス/システム、端末向け非通信サービス/システム、アドホックNW/DTN(Delay Tolerant Networking)サービス/システムなどであっても良い。
【0076】
なお、上述したUEのカテゴリは、本明細書に記載された技術思想及び実施形態の応用例に過ぎない。これらの例に限定されるものではなく、当業者は種々の変更が可能であることは勿論である。
【0077】
また、本開示は上述した実施形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。また、本開示は、それぞれの実施形態を適宜組み合わせて実施されてもよい。
【0078】
さらに、上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
無線通信装置であって、
前記無線通信装置と無線端末との間のチャネルの周波数応答の歪み度合いを計算する歪み計算部と、
前記歪み度合いに基づいて、前記無線端末に参照信号を割り当てる割当部と、
を備える、無線通信装置。
(付記2)
前記歪み計算部は、前記チャネルの周波数応答の推定値を用いて、前記歪み度合いを計算する、
付記1に記載の無線通信装置。
(付記3)
前記歪み計算部は、前記推定値の大きさの分散を、前記歪み度合いとして計算する、
付記2に記載の無線通信装置。
(付記4)
前記歪み計算部は、前記チャネルのインパルス応答の推定値を用いて、前記歪み度合いを計算する、
付記1に記載の無線通信装置。
(付記5)
前記歪み計算部は、前記チャネルのインパルス応答の推定値の遅延広がりを、前記歪み度合いとして計算する、
付記4に記載の無線通信装置。
(付記6)
前記歪み計算部は、前記無線端末が報告したCQI(Channel Quality Indicator)を用いて、前記歪み度合いを計算する、
付記1に記載の無線通信装置。
(付記7)
前記歪み計算部は、前記CQIの分散を、前記歪み度合いとして計算する、
付記6に記載の無線通信装置。
(付記8)
前記割当部は、前記歪み度合いに基づいて、前記参照信号の送信間隔及び送信帯域幅のうち少なくとも1つを設定することにより、前記無線端末に参照信号を割り当てる、
付記1~7のいずれか1項に記載の無線通信装置。
(付記9)
前記割当部は、前記歪み度合いが低いほど、前記送信間隔を長く設定する、
付記8に記載の無線通信装置。
(付記10)
前記割当部は、前記歪み度合いが低いほど、前記送信帯域幅を狭く設定する、
付記8又は9に記載の無線通信装置。
(付記11)
前記割当部は、前記無線端末の移動速度をさらに用いて、前記参照信号を割り当てる、
付記1~10のいずれか1項に記載の無線通信装置。
(付記12)
前記割当部は、前記移動速度が速いほど、前記参照信号の送信間隔が短くなるように、前記参照信号を割り当てる、
付記11に記載の無線通信装置。
(付記13)
前記割当部は、前記移動速度が速いほど、前記参照信号の送信帯域幅が広くなるように、前記参照信号を割り当てる、
付記11又は12に記載の無線通信装置。
(付記14)
無線通信装置により実行される参照信号割当方法であって、
前記無線通信装置と無線端末との間のチャネルの周波数応答の歪み度合いを計算すること、及び
前記歪み度合いに基づいて、前記無線端末に参照信号を割り当てること、
を含む参照信号割当方法。
(付記15)
無線通信装置に参照信号割当方法を実行させる参照信号割当プログラムであって、
前記参照信号割当方法は、
前記無線通信装置と無線端末との間のチャネルの周波数応答の歪み度合いを計算すること、及び
前記歪み度合いに基づいて、前記無線端末に参照信号を割り当てること、
を含む参照信号割当プログラム。
【符号の説明】
【0079】
1 無線通信装置
2 歪み計算部
3 割当部
10 無線通信装置
11、21 アンテナ
12 送受信部
13 チャネル情報取得部
14 周波数応答歪み計算部
15 参照信号割当部
16 送信信号生成部
20 無線端末
100 無線通信システム