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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022175100
(43)【公開日】2022-11-25
(54)【発明の名称】ねぎ切断装置
(51)【国際特許分類】
   B26D 3/26 20060101AFI20221117BHJP
   B26D 3/28 20060101ALI20221117BHJP
   B26D 7/18 20060101ALI20221117BHJP
   B26D 7/26 20060101ALI20221117BHJP
   B26D 7/06 20060101ALI20221117BHJP
   A47J 43/20 20060101ALI20221117BHJP
【FI】
B26D3/26 603D
B26D3/28 610T
B26D7/18 D
B26D7/26
B26D7/06 D
B26D3/26 603C
B26D3/26 603B
A47J43/20
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021081246
(22)【出願日】2021-05-12
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-09-08
(71)【出願人】
【識別番号】521199580
【氏名又は名称】川島 るみ子
(74)【代理人】
【識別番号】110003096
【氏名又は名称】弁理士法人第一テクニカル国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川島 広衛
【テーマコード(参考)】
3C021
4B053
【Fターム(参考)】
3C021JA01
3C021JA09
4B053AA03
4B053CA30
(57)【要約】
【課題】従来技術のスライサーでのねぎ材の切断作業においては、ねぎ材は柔らかいものであるが繊維質が多く、更に、粘性の汁分も多く含まれていることから、切断することが困難である。
【解決手段】ねぎ切断装置1は、ねぎ材Nを開口部3aに挿入して人力で回転させることにより、ねぎ材Nは相対的に固定刃2に対して回転しながら接触することになる。これにより、ねぎ材Nを切れ味よく切断することができ、またスライサーを用いて切断する場合よりも簡単な操作で迅速に切断することができる。また、固定刃2を周方向に複数個所設けることで、さらに速く切断することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長ねぎ又は万能ねぎからなるねぎ材を切断するねぎ切断装置であって、
水平方向に延設された固定刃と、
前記固定刃の上部に、鉛直方向の軸心まわりに回転可能に設けられた回転台と、を有し、
前記回転台に設けた開口部に対し前記ねぎ材を鉛直方向に挿入し、当該ねぎ材を介した手動操作により前記回転台を回転させることで、挿入した前記ねぎ材の下端部を順次小口切りにする
ことを特徴とするねぎ切断装置。
【請求項2】
請求項1記載のねぎ切断装置において、
前記開口部は、
当該開口部の中心位置が前記回転台の軸心から水平方向に偏心した位置となるように設けられている
ことを特徴とするねぎ切断装置。
【請求項3】
請求項2記載のねぎ切断装置において、
前記回転台の前記開口部に対し自転可能に設けられ、前記ねぎ材を収容して当該開口部へ導くねぎ受け部材をさらに有する
ことを特徴とするねぎ切断装置。
【請求項4】
請求項3記載のねぎ切断装置において、
前記回転台は、
中心位置が前記開口部の中心位置と一致するように設けられた円筒部を備え、
前記ねぎ受け部材は、
前記円筒部に対し自転可能に装着される
ことを特徴とするねぎ切断装置。
【請求項5】
請求項4記載のねぎ切断装置において、
前記円筒部は、
太さが異なるねぎ部材にそれぞれ対応した複数種類のねぎ受け部材を交換しつつ着脱可能に構成されていることを特徴とするねぎ切断装置。
【請求項6】
請求項4又は請求項5記載のねぎ切断装置において、
前記円筒部と前記固定刃との間の距離を可変に調節可能な調節部材をさらに有することを特徴とするねぎ切断装置。
【請求項7】
請求項3至請求項6のいずれか1項記載のねぎ切断装置において、
前記回転台を回転可能に支持する支持部材をさらに有する
ことを特徴とするねぎ切断装置。
【請求項8】
請求項7記載のねぎ切断装置において、
前記支持部材の下部に着脱可能に設けられた受け皿容器をさらに有する
ことを特徴とするねぎ切断装置。
【請求項9】
請求項3至請求項8のいずれか1項記載のねぎ切断装置において、
短尺のねぎ材先端部が2つ折りされて挿入され保持される保持部材を、前記受け部材に着脱可能に設けた
ことを特徴とするねぎ切断装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ねぎ材を小口切りにするために用いられるねぎ切断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、長ねぎ等のねぎ材を小口切りするために手動スライサーが用いられる。
【0003】
例えば、実用新案文献1には、スライサーの摺動面における中間部分に斜孔を形成し、所定間隔に刃体を並列に設けたものであり、ねぎ材を安全性を考慮した上で切断する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3208420号公報(図1参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来技術のスライサーでのねぎ材の切断作業においては、ねぎ材は柔らかいものであるが繊維質が多く含まれているため、更に、粘性の汁分も多く含まれていることから、切断することが困難である。更に、ねぎ材はその季節により水分や硬さが異なるから、安定して切断することが難しい。
【0006】
本発明の目的は、ねぎ材を開口部に挿入して人力で回転させることにより、ねぎ材は相対的に固定刃に対して回転しながら接触することになる。これにより、ねぎ材を切れ味よく切断することができ、またスライサーを用いて切断する場合よりも簡単な操作で迅速に切断することができることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本願発明は、長ねぎ又は万能ねぎからなるねぎ材を切断するねぎ切断装置であって、水平方向に延設された固定刃と、固定刃の上部に、鉛直方向の軸心まわりに回転可能に設けられた回転台とを有し、前記回転台に設けた開口部に対しねぎ材を鉛直方向に挿入し、ねぎ材を介した手動操作により前記回転台を回転させることで、挿入した前記ねぎ材の下端部を順次小口切りにすることを特徴とする。
【0008】
本願発明のねぎ切断装置においては、ねぎ材を開口部に挿入して人力で回転させることにより、ねぎ材は相対的に固定刃に対して回転しながら接触することになる。これにより、ねぎ材を切れ味よく切断することができ、またスライサーを用いて切断する場合よりも簡単な操作で迅速に切断することができる。また、固定刃を周方向に複数個所設けることで、さらに速く切断することも可能となる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ねぎ材を開口部に挿入して人力で回転させることにより、ねぎ材は相対的に固定刃に対して回転しながら接触することにより、ねぎ材を切れ味よく切断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態によるねぎ切断装置を表す、分解斜視図である。
図2図1に示すねぎ切断装置を示した断面図である。
図3図1に示すねぎ切断装置でねぎを切断している使用状態を示した参考図である。
図4図1に示すねぎ切断装置でねぎを切断している使用状態を示した他の参考図である。
図5】太ねぎ受け部材を示した斜視図である。
図6図1に示すねぎ切断装置に使用する開口部に、太ねぎ受け部材を嵌めこんだ状態を示す説明図である。
図7】中ねぎ受け部材を示した斜視図である。
図8図1に示すねぎ切断装置に使用する開口部に、中ねぎ受け部材を嵌めこんだ状態を示す説明図である。
図9】細ねぎ受け部材を示した斜視図である。
図10図1に示すねぎ切断装置に使用する開口部に、細ねぎ受け部材を嵌めこんだ状態を示す説明図である。
図11】保持部材を示した斜視図である。
図12図1に示すねぎ切断装置で使用する開口部に、保持部材を嵌めこんだ状態を示す説明図である。
図13図1に示すねぎ切断装置において、調節部材による第1の使用状態を示した説明図である。
図14図1に示すねぎ切断装置において、調節部材による第2の使用状態を示した説明図である。
図15図1に示すねぎ切断装置において、調節部材による第3の使用状態を示した説明図である。
図16図1に示すねぎ切断装置において、調節部材による第4の使用状態を示した説明図である。
図17図1に示すねぎ切断装置において、受け皿容器を外した使用状態を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。
【0012】
本実施形態によるねぎ切断装置1について、図1及び図2を用いて説明する。なお、便宜上同一の機能を奏する部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0013】
図1に示すように、ねぎ切断装置1は略円筒形状である。つまり、その形状は平面視及び底面視すると、真円を有する。
【0014】
中板2にねぎ材Nを切断するための固定刃2が周方向に複数枚設置されている。この固定刃2は中板2aに螺子2b等の取付部材により固定されており、固定刃2は水平方向に延設された状態で備えられる。
【0015】
また、中板2aは、周方向において対向する位置に固定部2cを設けており、この固定部2cを支持部材(後述する)に嵌挿することで、中板2aが妄動することなく固定された状態を維持する。なお、固定部2cの位置は2か所に限らず、3か所でも4か所でもよい。
【0016】
固定刃2の近傍には複数の孔2dを設けられる。詳細は後述するが、固定刃2により切断されたねぎ材Nを下方へ落下させるための孔である。この孔の形状は半月形であり、ねぎ材Nが滑らかに下方へ落ちるように大きさは大きく設けられる。なお、その形状は半月形に限らず、ねぎ材Nが下方へ落下しやすい形状であれば、その形状は限定されない。
【0017】
固定刃2の上部に、鉛直方向の軸心まわりに回転可能に設けられた回転台3が設置される。更に、回転台3にはねぎ材Nを挿入するための開口部3aが設けられる。この開口部3aにねぎ材Nを挿入してねぎ材Nを介した人力による手動操作を行うことより、回転台3がねぎ材Nを挿入された状態で回転を行う。この回転により、回転台3の下部に設けられた固定刃2にねぎ材Nが当たり、切断される。つまり、回転台3の回転動作により、ねぎ材Nはその下端側から固定刃2により切断されることになり、順次小口切りを行うことができる。
【0018】
<実施形態の効果>
以上説明したように、本実施形態のねぎ切断装置1においては、ねぎ材Nを開口部3aに挿入して人力で回転させることにより、ねぎ材Nは相対的に固定刃2に対して回転しながら接触することになる。これにより、ねぎ材Nを切れ味よく切断することができ、またスライサーを用いて切断する場合よりも簡単な操作で迅速に切断することができる。また、固定刃2を周方向に複数個所設けることで、さらに速く切断することも可能となる。
【0019】
さらに、開口部3aは、開口部3aの中心位置が回転台3の軸心から水平方向に偏心した位置となるように設けられている。
【0020】
また、本実施形態では特に、開口部3aが偏心配置されることで、ねぎ材Nを開口部3aに挿入して回転させることで確実に回転台3aを回転させることができる。また、その際、ねぎ材Nは公転しつつ逆向きに自転することになり、確実に切れ味が向上することで、ねぎ材Nを効率よく切断することが可能となる。
【0021】
図3及び図4は使用状態を示した説明図である。図3に示すように、開口部3aにねぎ材Nを挿入する。図4に示すように、周方向に人力で回転させることにより、ねぎ材Nは固定刃2(図示せず)により切断される。具体的には、ねぎ材Nに保持した状態で手のひらや中指等で開口部を抑えながら、親指と人差し指の内側でねぎ材Nを下方へ押し込み、時計回りの向きに対しての回転動作を行う。この動作を行うことで、前述した通り、ねぎ材Nは公転しながら、逆向き(半時計周り)に自転することで、確実に切れ味が向上し、ねぎ材Nを効率よく切断することが可能となる。
【0022】
図5乃至図10に示すように、回転台3の開口部3aに対して自転可能に設置され、ねぎ材Nを開口部3aへ導くねぎ受け部材4を備える。ねぎ受け部材4は、ねぎの太さや長さに応じて変更することが好ましく、例えば、太ねぎ受け部材4aと中ねぎ受け部材4bと細ねぎ受け部材4cの3種類から構成される。なお、3種類に限らず、ねぎ材Nの太さや長さに応じて種類を増加させてもよい。
【0023】
図5は、太ねぎ受け部材4aであり、中ねぎ受け部材4bや細ねぎ受け部材4cと比較すると、ねぎ材Nを挿入する径が大きい。更に、太ねぎ受け部材4aの内側には、スリット4eが下方に行くにつれ細くなるよう設けられており、スリット4eが弾性変形することにより、太ねぎから中ねぎの間のサイズの太さに対しても確実にねぎ材Nを保持することができるため切断面が綺麗な状態で切断することができる。
【0024】
図6は、太ねぎ受け部材4aを開口部3に設置した状態を示しており、太ねぎ受け部材4aにねぎ材N(図示せず)を挿入することでねぎ材Nの切断作業を実施できる。具体的には、太ねぎ受け部材4aとねぎ材Nが固定されて、太ねぎ受け部材4aが開口部3において、周方向へ摺動可能と動作することで、ねぎ材Nの固定刃2による切断が行われる。
【0025】
図7は、中ねぎ受け部材4bであり、太ねぎ受け部材4bと比較すると、ねぎ材Nを挿入する径は小さく、細ねぎ受け部材4cと比較すると、ねぎ材Nを挿入する径が大きい。更に、中ねぎ受け部材4bの内側には、スリット4eが下方に行くにつれ細くなるよう設けられており、スリット4eが弾性変形することにより、中ねぎから細ねぎの間のサイズの太さに対しても確実にねぎ材Nを保持することができるため切断面が綺麗な状態で切断することができる。
【0026】
図8は、中ねぎ受け部材4bを開口部3に設置した状態を示しており、中ねぎ受け部材4bにねぎ材N(図示せず)を挿入することでねぎ材Nの切断作業を実施できる。具体的には、太ねぎ受け部材4aよりも径の小さい中ねぎ受け部材4bとねぎ材Nが固定されて、中ねぎ受け部材4bが開口部3において、周方向へ摺動可能と動作することで、ねぎ材Nの固定刃2による切断が行われる。
【0027】
図9は、細ねぎ受け部材4cであり、太ねぎ受け部材4a及び中ねぎ受け部材4bと比較すると、ねぎ材Nを挿入する径は小さい。更に、太ねぎ受け部材4a及び中ねぎ受け部材4bと同様に、細ねぎ受け部材4cの内側には、下方に行くにつれ細くなるようスリット4eが設けられており、スリット4eにより、細ねぎから更に細いねぎの間のサイズの太さに対しても確実にねぎ材Nを保持することができるため切断面が綺麗な状態で切断することができる。
【0028】
図10は、細ねぎ受け部材4cを開口部3に設置した状態を示しており、細ねぎ受け部材4cにねぎ材N(図示せず)を挿入することでねぎ材Nの切断作業を実施できる。具体的には、中ねぎ受け部材4bよりも径の小さい細ねぎ受け部材4cとねぎ材Nが固定されて、細ねぎ受け部材4cが開口部3において、周方向へ摺動可能と動作することで、ねぎ材Nの固定刃2による切断が行われる。
【0029】
また、本実施形態では特に、ねぎ材Nの太さや長さに応じてねぎ受け部材4を開口部3に設けることでねぎ材が開口部3で妄動することを抑え、安定した切断が可能となる。
【0030】
回転台3は、その中心位置が開口部3aの中心位置と一致するように設けられた円筒部3bを備える。そして、円筒部3bの外周面とねぎ受け部材4の内周面が接するように配置されることで、ねぎ受け部材4は、ねぎ材Nを保持した状態で、回転台3による回転を確実に行う。
【0031】
また、本実施形態では特に、ねぎ受け部材4は、円筒部3bに対し自転可能に装着されることで、ねぎ材Nは相対的に固定されている固定刃2に対して回転しながら接触することになる。これにより、ねぎ材Nを切れ味よく切断することができ、またスライサーを用いて切断する場合よりも簡単な操作で迅速に切断することができる。
【0032】
円筒部3bは、太さや長さが異なるねぎ材Nにそれぞれ対応した複数種類のねぎ受け部材を交換して着脱可能に構成される。複数種類のねぎ受け部材4とは、太ねぎ受け部材4a・中ねぎ受け部材4b・細ねぎ受け部材4cで説明したが、この種類に限定されない。例えば、ねぎ受け部材4の穴の下部に縦方向の細い穴を複数設けて、万能ねぎのような細いねぎでも綺麗に切断することも可能である。
【0033】
また、本実施形態では特に、ねぎ材Nの太さや長さに応じてねぎ受け部材4を開口部3に設けることでねぎ材Nが開口部3aで妄動することを抑え、安定した切断が可能となる。
【0034】
さらに、底板5と固定刃2との間の距離を可変に調節可能な調節部材7を備える。調節部材7は、固定刃2を有する中板2aの下方に配置される底板5と底板5の下部に配置され、底板5を支持する大調節部材7a及び小調節部材7bにより構成される。つまり、大調節部材7a及び小調節部材7bを介在させて、固定刃2と底板5の距離を可変にすることで、ねぎ材Nの厚みを可変とすることができる。なお、大調節部材7a及び小調節部材7bは、後述する支持部材8の内面に円周方向に設けられた突起の上に載置する。
【0035】
図13乃至図16に示すように、調節部材7によって、ねぎ材Nを好みの厚さに切断する例を記載する。
【0036】
図13の例では、上方から固定刃2の下に底板5が配置され、その底板5の下方に小調節部材7bが配置され、その小調節部材7bの下方に大調節部材7aが配置される。固定刃2から底板までの距離が0.5mmである場合、この距離はねぎ材Nが切断される厚みとなる。
【0037】
図14の例では、上方から固定刃2の下に小調節部材7bが配置され、その小調節部材7bの下方に底板5が配置され、その底板5の下方に大調節部材7aが配置される。固定刃2から小調節部材7bまでの距離が0.5mmであり、小調整部材7bの厚みが0.5mmである場合、固定刃2から底板5までの距離は合計1.0mmとなるため、この距離はねぎ材Nが切断される厚みとなる。
【0038】
図15の例では、上方から固定刃2の下に大調節部材7aが配置され、その大調節部材7aの下方に底板5が配置され、その底板5の下方に小調節部材7bが配置される。固定刃2から大調節部材7aまでの距離が0.5mmであり、大調整部材7bの厚みが1.0mmである場合、固定刃2から底板5までの距離は合計1.5mmとなるため、この距離はねぎ材Nが切断される厚みとなる。
【0039】
図16の例では、上方から固定刃2の下に大調節部材7aが配置され、その大調節部材7aの下方に小調節部材7bが配置され、その小調節部材7bの下方に底板5が配置される。固定刃2から大調節部材7aまでの距離が0.5mmであり、大調節部材7aの厚みが1.0mm及び小調節部材7bの厚みが0.5mmである場合、固定刃2から底板5までの距離は合計2.0mmとなるため、この距離が、ねぎ材Nは切断される厚みとなる。
【0040】
また、本実施形態では特に、ねぎ材Nの小口切りにおいて好みの厚さに切断することができる。
【0041】
図1及び図2に示すように、回転台3を回転可能に支持する支持部材8が設けられる。支持部材8は、上蓋8aと本体8bから構成される。具体的には、回転台3の上方に上蓋8aが設置される。上蓋8aには回転台3を支持する本体8bに対して嵌め込む構造であるが、上蓋8a及び本体8bは回転台3に固着することなく、回転可能な間隙が設けられる。そのため、回転台3は上蓋8aや本体8bに当接することなく、人力操作で回転することが可能である。なお、本体8bの内周面には、前述した固定部2cを挿入して固定することができる溝が設けられており、固定刃2の妄動を抑止することができる。
【0042】
また、本実施形態では特に、回転台3を回転可能に設けることで、固定刃2との接触により、ねぎ材Nは公転しながら、逆向き(半時計周り)に自転することで、確実に切れ味が向上し、ねぎ材Nを効率よく切断することが可能となる。
【0043】
本体8bの下部に着脱可能に設けられた受け皿容器9を備える。
【0044】
また、本実施形態では特に、小口切りされたねぎ材Nを順次受け皿容器9に溜めておき、本体8bから取り外すことで、図17に示すように、ねぎ材Nを料理に直接振りかけることができる。あるいは、本体8bから受け皿容器9を取り外した状態でねぎ材Nの切断を行うことで、ねぎ材Nを切断しながら料理に直接振りかけることができる。また、受け皿容器9を取り付けた状態であると、ねぎ材Nを受け皿容器9内に滞留させることができ、他物への臭い付着防止と臭いの拡散防止を行うことができる。
【0045】
図11及び図12に示すように、ねぎ材Nが短尺になっていくと、青い葉の部分の腰が無くなり、固定刃2が設けられている下方向に人力で押しにくくなり、切断作業が困難になる。その際に、短尺のねぎ材Nの先端部を2つ折りにして、挿入され保持される保持部材10をねぎ受け部材4に着脱可能に設ける。保持部材の形状は、円柱形状であり、その下端側には逆V字型のスリットが設けられる。この逆V字型のスリットを設けることで、腰が無い状態のねぎ材Nを保持部材10へ挿入することが簡易になる。そして、ねぎ材Nを保持部材10を挟み込み、この保持部材10を手で握りながら、下方向へ押しこむことで切断作業を実施する。
【0046】
また、本実施形態では特に、ねぎ材Nが短尺であっても、その切断作業を容易に行うことができる。さらに、ねぎ受け部材4を介して、保持部材10によるねぎ材Nの妄動を抑止できることから、人力操作時に力を入れやすく、安定した切断作業を行うことができる。
【0047】
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を順を追って説明する。
【0048】
以上述べたねぎ切断装置は、ねぎ材Nを例として説明したが、ねぎ材Nに限らず、繊維質の多い食材等で利用してもよい。
【0049】
また、以上の説明において、外観上の寸法や大きさが「同一」「等しい」「異なる」等の記載がある場合は、当該記載は厳密な意味ではない。すなわち、それら「同一」「等しい」「異なる」とは、設計上、製造上の公差、誤差が許容され、「実質的に同一」「実質的に等しい」「実質的に異なる」という意味である。
【0050】
その他、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用してもよい。一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【符号の説明】
【0051】
1 ねぎ切断装置
2 固定刃
2a 中板
2b 螺子
2c 固定部
2d 孔
3 回転台
3a 開口部
3b 円筒部
4 ねぎ受け部材
4a 太ねぎ受け部材
4b 中ねぎ受け部材
4c 細ねぎ受け部材
4d スリット
7 調節部材
7a 大調節部材
7b 小調節部材
8 支持部材
8a 上蓋
8b 本体
9 受け皿容器
10 保持部材
N ねぎ材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
【手続補正書】
【提出日】2021-07-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長ねぎ又は万能ねぎからなるねぎ材を切断するねぎ切断装置であって、
水平方向に延設された固定刃と、
前記固定刃の上部に、鉛直方向の軸心まわりに回転可能に設けられた回転台と、
を有し、
前記回転台に設けた開口部に対し前記ねぎ材を鉛直方向に挿入し、当該ねぎ材を介した手動操作により前記回転台を回転させることで、挿入した前記ねぎ材の下端部を順次小口切りにし、
前記開口部は、当該開口部の中心位置が前記回転台の軸心から水平方向に偏心した位置となるように設けられており、
かつ、前記ねぎ切断装置は、
前記回転台の前記開口部に対し自転可能に設けられ、前記ねぎ材を収容して当該開口部へ導くねぎ受け部材を、さらに有する
ことを特徴とするねぎ切断装置。
【請求項2】
請求項1記載のねぎ切断装置において、
前記回転台は、
中心位置が前記開口部の中心位置と一致するように設けられた円筒部を備え、
前記ねぎ受け部材は、
前記円筒部に対し自転可能に装着される
ことを特徴とするねぎ切断装置。
【請求項3】
請求項2記載のねぎ切断装置において、
前記円筒部は、
太さが異なるねぎ部材にそれぞれ対応した複数種類のねぎ受け部材を交換しつつ着脱可能に構成されていることを特徴とするねぎ切断装置。
【請求項4】
請求項2又は請求項3記載のねぎ切断装置において、
前記円筒部と前記固定刃との間の距離を可変に調節可能な調節部材をさらに有することを特徴とするねぎ切断装置。
【請求項5】
請求項1至請求項4のいずれか1項記載のねぎ切断装置において、
前記回転台を回転可能に支持する支持部材をさらに有する
ことを特徴とするねぎ切断装置。
【請求項6】
請求項5記載のねぎ切断装置において、
前記支持部材の下部に着脱可能に設けられた受け皿容器をさらに有する
ことを特徴とするねぎ切断装置。
【請求項7】
請求項1至請求項6のいずれか1項記載のねぎ切断装置において、
短尺のねぎ材先端部が2つ折りされて挿入され保持される保持部材を、前記受け部材に着脱可能に設けた
ことを特徴とするねぎ切断装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
上記目的を達成するために、本願発明は、長ねぎ又は万能ねぎからなるねぎ材を切断するねぎ切断装置であって、水平方向に延設された固定刃と、固定刃の上部に、鉛直方向の軸心まわりに回転可能に設けられた回転台とを有し、前記回転台に設けた開口部に対しねぎ材を鉛直方向に挿入し、ねぎ材を介した手動操作により前記回転台を回転させることで、挿入した前記ねぎ材の下端部を順次小口切りにし、前記開口部は、当該開口部の中心位置が前記回転台の軸心から水平方向に偏心した位置となるように設けられており、かつ、前記ねぎ切断装置は、前記回転台の前記開口部に対し自転可能に設けられ、前記ねぎ材を収容して当該開口部へ導くねぎ受け部材を、さらに有することを特徴とする。