(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022175126
(43)【公開日】2022-11-25
(54)【発明の名称】情報処理装置、プログラム及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/06 20120101AFI20221117BHJP
G16Y 20/40 20200101ALI20221117BHJP
G16Y 40/20 20200101ALI20221117BHJP
【FI】
G06Q10/06
G16Y20/40
G16Y40/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021081301
(22)【出願日】2021-05-12
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.THUNDERBOLT
(71)【出願人】
【識別番号】515114289
【氏名又は名称】株式会社ラフール
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】結城 啓太
(72)【発明者】
【氏名】三浦 康司
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA06
5L049AA10
(57)【要約】
【課題】組織の垣根を超えて自分と類似の傾向を有する人とコミュニティを形成可能とする技術を提供すること。
【解決手段】本発明の一態様によれば、情報処理装置が提供される。この情報処理装置は、第1の取得ステップと、選択ステップと、第1の表示制御ステップとを実行するように構成される。第1の取得ステップでは、第1のユーザの分析結果を取得する。選択ステップでは、分析結果に基づき、第1のユーザの加入を推奨するグループを選択する。第1の表示制御ステップでは、グループへの招待情報を表示するように制御する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置であって、
第1の取得ステップと、選択ステップと、第1の表示制御ステップとを実行するように構成され、
前記第1の取得ステップでは、第1のユーザの分析結果を取得し、
前記選択ステップでは、前記分析結果に基づき、前記第1のユーザの加入を推奨するグループを選択し、
前記第1の表示制御ステップでは、前記グループへの招待情報を表示するように制御する、
もの。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置において、
前記分析結果は、前記第1のユーザが所属する組織で実施された診断の結果であり、
前記グループは、前記組織に所属しない者を含む、
もの。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の情報処理装置であって、
生成ステップをさらに実行するように構成され、
前記生成ステップでは、前記分析結果の類似性に基づき、グループを生成する、
もの。
【請求項4】
請求項1~請求項3の何れか1つに記載の情報処理装置において、
第2の取得ステップと、分析ステップとをさらに実行するように構成され、
前記第2の取得ステップでは、第1のユーザ端末から、アンケートの回答情報を取得し、
前記分析ステップでは、前記回答情報に基づき、前記第1のユーザが抱える課題を分析する、
もの。
【請求項5】
請求項1~請求項4の何れか1つに記載の情報処理装置において、
第3の取得ステップと、第1の管理ステップとをさらに実行するように構成され、
前記第3の取得ステップでは、第1のユーザ端末から、前記招待情報に対する承認情報を取得し、
前記第1の管理ステップでは、前記承認情報に基づき、前記第1のユーザを前記グループと関連付けて管理する、
もの。
【請求項6】
請求項1~請求項5の何れか1つに記載の情報処理装置において、
第2の管理ステップと、抽出ステップと、第3の管理ステップでは、をさらに実行するように構成され、
前記第2の管理ステップでは、第2のユーザと、前記第2のユーザの専門分野とを紐づけて管理し、
前記抽出ステップでは、前記グループにおける前記メンタルヘルスの状態の傾向と、前記第2のユーザの前記専門分野に基づき、前記第2のユーザを抽出し、
前記第3の管理ステップでは、前記第2のユーザを前記グループと紐づけて管理する、
もの。
【請求項7】
請求項1~請求項6の何れか1つに記載の情報処理装置において、
抽出ステップと、第3の表示制御ステップとをさらに実行するように構成され、
前記抽出ステップでは、前記分析結果の類似性に基づき、質問情報を抽出し、
前記第3の表示制御ステップでは、チャットボットにより前記質問情報を表示するように制御する、
もの。
【請求項8】
請求項1~請求項7の何れか1つに記載の情報処理装置において、
前記課題は、前記第1ユーザのメンタル状態に関するものである、
もの。
【請求項9】
プログラムであって、
コンピュータに、請求項1~請求項8の何れか1つに記載の情報処理装置の各ステップを実行させる、
もの。
【請求項10】
情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
第1の取得ステップと、選択ステップと、第1の表示制御ステップとを備え、
前記第1の取得ステップでは、ユーザのメンタルヘルスに関する分析結果を取得し、
前記選択ステップでは、前記分析結果に基づき、前記ユーザの加入を推奨するグループを選択し、
前記第1の表示制御ステップでは、前記グループへの招待情報を表示するように制御する、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、プログラム及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
仕事や日常生活で悩みがある場合、自分と同じような境遇にある人同士で悩みを打ち明け合ったり、相談したりしたいというニーズがある。特許文献1には、趣味・娯楽マッチング方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、自分と同じ組織に属している人は、自分と境遇が似ていることが多い一方、様々な問題から、込み入った話をしにくいという心理的障壁があることも少なくない。
【0005】
本発明では上記事情を鑑み、組織の垣根を超えて自分と類似の傾向を有する人とコミュニティを形成可能とする技術を提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、情報処理装置が提供される。この情報処理装置は、第1の取得ステップと、選択ステップと、第1の表示制御ステップとを実行するように構成される。第1の取得ステップでは、第1のユーザの分析結果を取得する。選択ステップでは、分析結果に基づき、第1のユーザの加入を推奨するグループを選択する。第1の表示制御ステップでは、グループへの招待情報を表示するように制御する。
【0007】
これにより、自分と類似の傾向を有する人とコミュニティを形成可能とする技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態に係るシステム1の構成概要を示す図である。
【
図2】情報処理装置3のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】情報処理装置3の機能を示す機能ブロック図である。
【
図4】情報処理装置3による情報処理の一例を示すアクティビティ図である。
【
図6】第1のユーザ端末2に表示される画面の一例を示す図である。
【
図7】第1のユーザ端末2に表示される画面であって、招待情報6の一例を示す図である。
【
図8】情報処理装置3による情報処理の一例を示すアクティビティ図である。
【
図9】第1のユーザ端末2に表示される画面であって回答情報8の一例である。
【
図10】第2のユーザのユーザ情報の一例を示す図である。
【
図11】第1のユーザ端末2及び第2のユーザ端末4の表示部に表示される画面の一例である。
【
図13】第1のユーザ端末2に表示される画面の一例を示す図である。
【
図14】グループに所属するグループのメンバーを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0010】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0011】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0又は1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、又は量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0012】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、及びメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0013】
1.ハードウェア構成
本節では、本実施形態のハードウェア構成について説明する。
図1は、本実施形態に係るシステム1の構成概要を示す図である。
1.1 システム1
システム1は、第1のユーザ端末2と、情報処理装置3と、第2のユーザ端末4とを備え、これらが電気通信回線を通じて通信可能に構成される。
【0014】
1.2 第1のユーザ端末2
第1のユーザ端末2は、第1のユーザが操作するものであり、スマートフォン、タブレット端末、コンピュータ、その他電気通信回線を通じて情報処理装置3にアクセス可能なものであれば、その形態は問わない。第1のユーザは、例えば、特定の組織に属する者であり、かかる組織で実施されたメンタルヘルスに関する診断を定期的又は不定期のタイミングで受け得る。なお、上述した診断を受ける者であれば、何らかの組織に属していなくてもよい。
【0015】
第1のユーザ端末2は、表示部と、入力部と、通信部と、記憶部と、制御部とを有し、これらの構成要素が第1のユーザ端末2の内部において通信バスを介して電気的に接続されている。
【0016】
表示部は、例えば、第1のユーザ端末2の筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。表示部は、ユーザが操作可能なグラフィカルユーザインターフェース(Graphical User Interface:GUI)の画面を表示する。このような表示部は、例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイおよびプラズマディスプレイ等の表示デバイスを、第1のユーザ端末2の種類に応じて使い分けて実施されることが好ましい。ここでは、表示部は、第1のユーザ端末2の筐体に含まれるものとして説明する。
【0017】
入力部は、第1のユーザ端末2の筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。例えば、入力部は、表示部と一体となってタッチパネルとして実施されてもよい。タッチパネルであれば、ユーザは、タップ操作、スワイプ操作等を入力することができる。もちろん、タッチパネルに代えて、スイッチボタン、マウス、QWERTYキーボード等を採用してもよい。すなわち、入力部が、ユーザによってなされた操作入力を受け付ける。当該入力が、命令信号として、通信バスを介して制御部に転送され、制御部が、必要に応じて、所定の制御や演算を実行し得る。
【0018】
通信部、記憶部及び制御部の具体的な説明については、次に説明する情報処理装置3における通信部31、記憶部32及び制御部33の記載を参照されたい。
【0019】
1.3 情報処理装置3
図2は、情報処理装置3のハードウェア構成を示すブロック図である。情報処理装置3は、通信部31と、記憶部32と、制御部33とを有し、これらの構成要素が情報処理装置3の内部において通信バス30を介して電気的に接続されている。各構成要素についてさらに説明する。
【0020】
(通信部31)
通信部31は、USB、IEEE1394、Thunderbolt、有線LANネットワーク通信等といった有線型の通信手段が好ましいものの、無線LANネットワーク通信、LTE/3G等のモバイル通信、Bluetooth(登録商標)通信等を必要に応じて含めてもよい。すなわち、これら複数の通信手段の集合として実施することがより好ましい。すなわち、情報処理装置3は、通信部31を介して、第1のユーザ端末2及び第2のユーザ端末4とネットワークを介して、種々の情報を通信する。
【0021】
(記憶部32)
記憶部32は、前述の記載により定義される様々な情報を記憶する。これは、例えば、制御部33によって実行される情報処理装置3に係る種々のプログラム等を記憶するソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)等のストレージデバイスとして、あるいは、プログラムの演算に係る一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶するランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)等のメモリとして実施されうる。また、これらの組合せであってもよい。
【0022】
特に、記憶部32は、分析結果5、招待情報6、承認情報7、回答情報8、グループ、参照情報または、これらを生成するためのプログラム等を記憶する。
【0023】
(制御部33)
制御部33は、情報処理装置3に関連する全体動作の処理・制御を行う。制御部33は、例えば不図示の中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)である。制御部33は、記憶部32に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、情報処理装置3に係る種々の機能を実現する。すなわち、ソフトウェア(記憶部32に記憶されている)による情報処理がハードウェア(制御部33)によって具体的に実現されることで、制御部33に含まれる各機能部(
図3参照)として実行されうる。これらについては、次節においてさらに詳述する。なお、制御部33は単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部33を有するように実施してもよい。またそれらの組合せであってもよい。
【0024】
1.4 第2のユーザ端末4
第2のユーザ端末4は、第2のユーザが操作するものであり、スマートフォン、タブレット端末、コンピュータ、その他電気通信回線を通じて情報処理装置3にアクセス可能なものであれば、その形態は問わない。第2のユーザは、第1のユーザが抱える課題・悩みに対する知見を有し、第1のユーザに対してアドバイスを行う者である。第2のユーザは、資格を有する者(例えば、医者、臨床心理士、税理士、弁護士、ファイナンシャルプランナー等)であってもよいが、なくてもよい。
【0025】
第2のユーザ端末4は、表示部と、入力部と、通信部と、記憶部と、制御部とを有し、これらの構成要素が外部の第2のユーザ端末4の内部において通信バスを介して電気的に接続されている。各構成要素の説明は第1のユーザ端末2及び情報処理装置3の記載を参照されたい。
【0026】
2.機能構成
本節では、本実施形態の機能構成について説明する。
図3は、情報処理装置3の機能を示す機能ブロック図である。前述の通り、ソフトウェア(記憶部32に記憶されている)による情報処理がハードウェア(制御部33)によって具体的に実現されることで、制御部33に含まれる各機能部として実行されうる。
【0027】
具体的には、情報処理装置3(制御部33)は、各機能部として、取得部331と、選択部332と、表示制御部333と、生成部334と、分析部335と、管理部336と、抽出部337と、送信部338とを備える。
【0028】
(取得部331)
取得部331は、通信部31又は記憶部32を介して情報を取得し、これを作業メモリに読出可能に構成される。特に、取得部331は、第1のユーザ端末2及び/又は第2のユーザ端末4からネットワーク及び通信部31を介して種々の情報を取得するように構成される。本実施形態では、取得部331が取得した種々の情報は、記憶部32に記憶されるものとして説明する。また、取得部331は、第1の取得ステップと、第2の取得ステップと、第3の取得ステップとを実行する。具体的な例については、次節でさらに詳述する。
【0029】
(選択部332)
選択部332は、選択ステップを実行する。選択ステップにおいて、選択部332は、分析結果5に基づき、第1のユーザの加入を推奨するグループを選択する。詳細については、後述する。
【0030】
(表示制御部333)
表示制御部333は、記憶部32に記憶された種々の情報又はこれらを含む画面等を、第1のユーザ端末2で視認可能な態様で表示させる。具体的には、表示制御部333は、画面、画像、アイコン、メッセージ等の視覚情報を、第1のユーザ端末2の表示部に表示させるように制御する。表示制御部333は、視覚情報を第1のユーザ端末2に表示させるためのレンダリング情報だけを生成してもよい。これにより、表示制御部333は、分析結果5、招待情報6等を第1のユーザ端末2に表示させることができる。
【0031】
特に、表示制御部333は、第1の表示制御ステップと、第2の表示制御ステップと、第3の表示制御ステップとを実行する。詳細については、後述する。
【0032】
(生成部334)
生成部334は、生成ステップを実行する。生成部334は、分析結果5の類似性に基づき、グループを生成する。詳細については、後述する。
【0033】
(分析部335)
分析部335は、分析ステップを実行する。具体的には、分析部335は、回答情報8に基づき、第1のユーザが抱える課題を分析する。ここで、前記課題は、メンタル、フィジカル、エンゲージメント等に関するものであるが、本実施形態では、第1のユーザが抱える課題が、メンタルヘルスの状態に関するものである場合を例に説明する。
【0034】
(管理部336)
管理部336は、第1の管理ステップと、第2の管理ステップと、第3の管理ステップとを実行する。管理部336は、種々の情報を所定の設定に基づき紐付けて管理する。管理部336に管理される情報は、記憶部32に記憶されるものとして説明する。具体的な例については、次節でさらに詳述する。
【0035】
(抽出部337)
抽出部337は、抽出ステップを実行する。抽出部337は、所定の条件に基づき、記憶部32に記憶された複数の情報から、所定の情報を抽出する。そして、表示制御部333が抽出された情報を、第1のユーザ端末2に表示させるとよい。具体的な例については、次節でさらに詳述する。
【0036】
(送信部338)
送信部338は、送信ステップを実行する。具体的には、送信部338は、ネットワーク及び通信部31を介して第1のユーザ端末2又は第2のユーザ端末4に種々の情報を送信する。詳細については、後述する。
【0037】
3.第1の実施形態における情報処理
本節では、アクティビティ図を参照しながら、前述した情報処理装置3の情報処理について説明する。
【0038】
3.1 第1のユーザとグループの紐付処理
図4は、情報処理装置3による情報処理の一例を示すアクティビティ図である。
【0039】
まず、第1のユーザは、第1のユーザ端末2の通信部を介して第1のユーザのメンタルヘルスに関する分析結果5を情報処理装置3に送信する(A101)。続いて、情報処理装置3では、第1の取得ステップが実行され、取得部331は、第1のユーザ端末2から送信された分析結果5を取得する。(A102)。
【0040】
ここで、分析結果5は、第1のユーザが所属する組織で実施された診断の結果である。本説では、複数の組織で共通する内容の診断が実施されたものとして、説明を進める。
図5は、分析結果5の一例を示す図である。
図5に示されるように、分析結果5は、メンタルヘルスのストレス要因を複数の項目から評価したものであることが好ましい。
【0041】
その後、選択ステップが実行され、選択部332は、分析結果5に基づき、第1のユーザの加入を推奨するグループを選択する(A103)。具体的には、選択部332は、第1のユーザの分析結果5と類似する分析結果5を有する第1のユーザから構成されるグループを選択する。グループは、予め記憶部32に記憶されていることが好ましいが、生成ステップが実行されてもよい。生成部334は、複数の第1のユーザ端末2からそれぞれ同様の傾向を示す分析結果5を取得した場合、かかる第1のユーザで構成されるグループを生成してもよい。すなわち、生成部334が、分析結果5の類似性に基づき、グループを生成し、選択部332が、生成されたグループを第1のユーザの加入を推奨するグループとして選択してもよい。また、グループは、組織に所属しない者を含む。これにより、診断が第1のユーザが所属する組織で実施されたものであっても、組織に関わらず類似の分析結果5を有する第1のユーザで構成されるグループに加入することが可能となる。
【0042】
図6は、第1のユーザ端末2に表示される画面の一例を示す図である。
図6に示されるように、選択部332は、分析結果5に関する複数の項目の値がそれぞれ類似するグループを、第1のユーザの加入を推奨するグループとして選択し、表示制御部333は、選択されたグループを表示するように制御する(A104)。また、表示制御部333は、第1のユーザ端末2の表示部にグループへの招待情報6を表示するように制御する。
【0043】
図7は、第1のユーザ端末2に表示される画面であって、招待情報6の一例を示す図である。第1のユーザがグループへの加入を希望する場合、第1のユーザ端末2は、通信部を介して招待情報6を情報処理装置3に送信する。具体的には、第1のユーザは、第1のユーザ端末2に表示された招待情報6に含まれるアイコンやURLを押下することで、グループに所属する意思を示す承認情報7を情報処理装置3に送信する(A105)。
【0044】
その後、取得部331は、取得部331は、第1のユーザ端末2から、招待情報6に対する承認情報7を取得する(A106)。承認情報7を取得すると、第1の管理ステップが実行され、管理部336は、承認情報7に基づき、第1のユーザをグループと関連付けて管理する(A107)。これにより、第1のユーザは、加入したグループ内で活動することが可能となる。
【0045】
なお、分析結果5又は承認情報7の取得は、上述した態様に限られない。取得部331は、外部のAPI(Application Programming Interface)を用いて分析結果5又は承認情報7を取得したり、ユーザのチャットツール等のアカウントを預かって分析結果5又は承認情報7を取得してもよく、取得部331は、メールを介して分析結果5又は承認情報7を取得してもよい。
【0046】
3.2 第1のユーザの分析処理
上述の実施形態では、予め第1のユーザ端末2に記憶されている第1のユーザの分析結果5を取得する場合を例に説明したが、情報処理装置3における分析部335が第1のユーザのメンタルヘルスを分析してもよい。
図8は、情報処理装置3による情報処理の一例を示すアクティビティ図である。
【0047】
送信部338は、ユーザのメンタルヘルスに関するアンケートを、アンケート情報として、通信部31およびネットワークを介して第1のユーザ端末2に送信する(A201)。第1のユーザ端末2は、情報処理装置3から送信されたアンケート情報を受信し、第1のユーザ端末2の記憶部32に記憶されるとともに、第1のユーザ端末2の表示部に表示される(A202)。
【0048】
ユーザは、第1のユーザ端末2を用いて、アンケートに対する回答を入力する(A203)。ユーザが回答を終了すると、アンケートに対する回答内容は、回答情報8として、第1のユーザ端末2からネットワークを介して情報処理装置3に送信される。
【0049】
その後、情報処理装置3における取得部331は、ネットワークおよび通信部31を介して第1のユーザ端末2から、アンケートの回答情報8を取得する(A203)。取得した回答情報8は、記憶部32に一時的に記憶される。
【0050】
図9は、第1のユーザ端末2に表示される画面であって回答情報8の一例である。アンケートは、第1のユーザのメンタルヘルスに関する質問を含み、仕事、人間関係、健康問題、恋愛問題等、多岐にわたるものであることが好ましいが、それぞれの質問及び回答情報8は、分野ごとに関連付けて記憶されることが好ましい。
【0051】
なお、回答情報8の取得は、上述した態様に限られない。取得部331は、外部のAPI(Application Programming Interface)を用いて回答情報8を取得したり、ユーザのチャットツール等のアカウントを預かって回答情報8を取得してもよく、取得部331は、メールを介して回答情報8を取得してもよい。
【0052】
回答情報8を取得すると、分析部335は、回答情報8に基づき、第1のユーザのメンタル状態を分析する(A205)。具体的には、分析部335は、予め設定された指標に基づき、分野ごとに第1のユーザのメンタルヘルスを数値化する。また、分析部335は、過去の回答情報8との比較に基づき、各項目における評価を重み付けしてもよい。
【0053】
3.3 第2のユーザとグループの紐付処理
取得部331は、第2のユーザ端末4から、ネットワークおよび通信部31を介して第2のユーザの専門分野を含むユーザ情報を取得してもよい。かかる場合、第2の管理ステップとして、管理部336は、第2のユーザと、第2のユーザの専門分野とを紐づけて管理する。
図10は、第2のユーザのユーザ情報の一例を示す図である。同図に示されるように、第2のユーザのそれぞれは、得意分野ごとにカテゴライズされて管理される。
【0054】
また、第3の管理ステップとして、管理部336は、第2のユーザを、分析結果5に基づき、生成部334によって生成されたグループと紐づけて管理してもよい。具体的には、抽出部337は、グループにおけるメンタル状態の傾向と、第2のユーザの専門分野に基づき、第2のユーザを抽出し、抽出された第2のユーザを、管理部336がグループと紐付けて管理する。これにより、対象のグループに属する第1のユーザの多くが抱える課題に関して、解決に適した第2のユーザが選出され、第2のユーザが第1のユーザに適切なアドバイスをすることが可能となる。
図11は、第1のユーザ端末2及び第2のユーザ端末4の表示部に表示される画面の一例である。同図に示されるように、第2のユーザ(医者e)は、グループの参加者に、アドバイスをすることが可能となる。
【0055】
3.4 チャットボット機能
また、抽出部337は、分析結果5の類似性に基づき、質問情報9を特定し、表示制御部333は、チャットボットにより質問情報9を表示するように制御してもよい。質問情報9の例は、
図12に示される。
図12は、質問情報9の一例を示す図である。同図に示されるように、管理部336は、質問情報9を、分野ごとに分類して管理するとともに、抽出部337は、グループに所属する第1のユーザが抱える問題や課題に関連した質問情報9を特定する。これにより、各第1のユーザが興味や関心のある話題が選出され、グループ内での交流を促すことが可能となる。
【0056】
このように、本実施形態によれば、第1のユーザのメンタルヘルスの状態と類似の傾向を示す他の第1のユーザとのグループを形成し、交流することが可能となり、第1のユーザのそれぞれは、自身の抱える悩みや相談事を共有し、適切な専門家(第2のユーザ)からのアドバイスを求めることが可能となる。
【0057】
4.第2の実施形態における情報処理
本節では、前述した情報処理装置3の第2の実施形態における情報処理について説明する。なお、第1の実施形態と同様の処理については、記載を省略する。
【0058】
第1の実施形態において、取得部331は、第1のユーザの個人的な問題を主とした分析結果5を取得したが、第1のユーザが所属する組織の課題を主とした分析結果5を取得してもよい。このとき、分析結果5は、複数の観点(項目)から第1のユーザが、第1のユーザが所属する企業に対する評価に関するものである。また、分析結果5は、第1の実施形態における分析結果5に含まれる内容のうち、組織の課題に関連する内容の回答情報8が分析部335によって抽出され、回答情報8に基づき、第1のユーザが所属する組織の課題を分析したものであることが好ましい。
【0059】
図13は、第1のユーザ端末2に表示される画面の一例を示す図である。
図13に示されるように、選択部332は、分析結果5に関する複数の項目の値がそれぞれ類似するグループを、第1のユーザの加入を推奨するグループとして選択する。
【0060】
この場合における項目とは、例えば、第1のユーザが所属する部署の組織体制、人材確保、人材育成、生産性、業務フロー、職場の人間関係、残業時間、社員の士気、風通しの良さ、成長環境、法令遵守意識、人事評価の適正感、待遇の満足度、女性の働きやすさ、ワークライフバランス等、第1のユーザによる組織(例えば、会社)への評価に関するものであってもよい。また、これらの項目は、働きやすさ、待遇、スキルアップの機会等の分野ごとに分類され、記憶部32に記憶されてもよい。
【0061】
さらに、分析結果5は、企業の課題や成長阻害要因を主としたものであってもよい。具体的には、人材確保、人材育成、生産性、業務フロー、社員の士気、新規顧客開拓、キャッシュフロー等、企業が直面する課題に関するものであってもよい。このとき、分析結果5は、同一の組織又は前記組織の部署ごとに集計され、平均値、中央値、最頻値等の指標に換算されていることが好ましい。なお、分析結果5が集計される単位は、世代、性別、前記組織の入社年次、出身地域、分析結果の類似性等、ユーザ同士に共通する属性ごとでもよい。
【0062】
また、第2の実施形態において、選択部332は、分析結果5に基づき、第1のユーザが属する組織又は前記組織の部署ごとに、第1のユーザの加入を推奨するグループを選択してもよい。具体的には、選択部332は、第1のユーザが属する組織(部署を含む)と類似の分析結果5を有する他の組織群から構成されたグループを選択する。
【0063】
さらに、選択部332は、第1のユーザが属する組織との相違が大きい組織群から構成されたグループを、加入を推奨するグループとして選択してもよい。この場合、類似の分析結果5を有する組織から構成されたグループに、一定の割合で、グループに属する他の組織群と少なくとも一つの項目が相違する分析結果5からなる組織が含まれることとなる。一定の割合とは、例えば、50%以下である。具体的には例えば、50,45,40,35,30,25,20,15,10,5%であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
【0064】
図14は、グループに所属するグループのメンバーを示す図である。
図14に示されるように、類似の分析結果5を有する第1のユーザと、相違する分析結果5を有する第1のユーザとが同一のグループに所属することが好ましい。なお、第1の実施形態における場合と同様、組織ごとにグループに加入することは必須ではなく、異なる分析結果5が示された第1のユーザが、グループに加入するように、選択部332はグループを選択してもよい。なお、グループに属するメンバーの氏名は、実名でも仮名でもよい。
【0065】
また、グループに属する他の組織群と相違する分析結果5からなる組織は、一定期間前に実施された分析結果5において、グループに属する他の組織群と1以上の項目が類似する分析結果5を有していた組織であることが好ましい。かかる組織は、過去に他の組織群と少なくとも一つの項目が類似する課題を抱えており、現在はその課題の解決に成功したグループと認められる。一定期間前とは、例えば、5年以内であり、具体的には例えば、5,4,3,2,1年である。また一定期間前は、数ヶ月以内であってもよい。具体的には例えば、12,11,10,9,8,7,6,5,4,3,2,1ヶ月であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
【0066】
つまり、第1のユーザが属する組織が加入可能なグループは、かかる組織と類似の分析結果5を有する組織からなるグループであってもよいし、類似の分析結果5だけでなく、分析結果5が相違する組織をも一定の割合で含んでもよい。そして、分析結果5が相違する組織に属する第1のユーザは、既に課題や問題の解決に成功した立場といて、グループ内で未だ課題の解決に取り組む組織に対してアドバイスをすることができる。すなわち、分析結果5が相違する組織に属する第1のユーザは、第1の実施形態における第2のユーザが行うように、課題解決のための助言をすることができる。
【0067】
5.その他
本実施形態に係るシステム1に関して、以下のような態様を採用してもよい。
【0068】
(1)本実施形態の態様は、プログラムであってもよい。プログラムは、コンピュータに、情報処理装置3の各ステップを実行させる。
(2)本実施形態の態様は、情報処理方法であってもよい。情報処理装置3が実行する情報処理方法は、第1の取得ステップと、選択ステップと、第1の表示制御ステップとを備える。第1の取得ステップでは、第1のユーザのメンタルヘルスに関する分析結果5を取得する。選択ステップでは、分析結果5に基づき、第1のユーザの加入を推奨するグループを選択する。第1の表示制御ステップでは、グループへの招待情報6を表示するように制御する。
(3)本実施形態では、質問情報9がルックアップテーブル等のデータベースであるものとし、それに含まれる詳細な項目を説明したが、あくまでも一例でありこの限りではない。さらに、質問情報9は、そもそもルックアップテーブル等のデータベースに限定されず、複数の情報を数学的に関係づけた数理モデルでもよいし、さらに好ましくは、複数の情報の相関性を予め機械学習させた学習済みモデルであってもよい。
(4)情報処理装置3は、SaaS(Software as a Service)形態により、第1のユーザ端末2または第2のユーザ端末4に種々の機能を提供してもよい。
【0069】
さらに、次に記載の各態様で提供されてもよい。
前記情報処理装置において、前記分析結果は、前記第1のユーザが所属する組織で実施された診断の結果であり、前記グループは、前記組織に所属しない者を含む、もの。
前記情報処理装置であって、生成ステップをさらに実行するように構成され、前記生成ステップでは、前記分析結果の類似性に基づき、グループを生成する、もの。
前記情報処理装置において、第2の取得ステップと、分析ステップとをさらに実行するように構成され、前記第2の取得ステップでは、第1のユーザ端末から、アンケートの回答情報を取得し、前記分析ステップでは、前記回答情報に基づき、前記第1のユーザが抱える課題を分析する、もの。
前記情報処理装置において、第3の取得ステップと、第1の管理ステップとをさらに実行するように構成され、前記第3の取得ステップでは、第1のユーザ端末から、前記招待情報に対する承認情報を取得し、前記第1の管理ステップでは、前記承認情報に基づき、前記第1のユーザを前記グループと関連付けて管理する、もの。
前記情報処理装置において、第2の管理ステップと、抽出ステップと、第3の管理ステップでは、をさらに実行するように構成され、前記第2の管理ステップでは、第2のユーザと、前記第2のユーザの専門分野とを紐づけて管理し、前記抽出ステップでは、前記グループにおける前記メンタルヘルスの状態の傾向と、前記第2のユーザの前記専門分野に基づき、前記第2のユーザを抽出し、前記第3の管理ステップでは、前記第2のユーザを前記グループと紐づけて管理する、もの。
前記情報処理装置において、抽出ステップと、第3の表示制御ステップとをさらに実行するように構成され、前記抽出ステップでは、前記分析結果の類似性に基づき、質問情報を抽出し、前記第3の表示制御ステップでは、チャットボットにより前記質問情報を表示するように制御する、もの。
前記情報処理装置において、前記課題は、前記第1ユーザのメンタル状態に関するものである、もの。
プログラムであって、コンピュータに、前記情報処理装置の各ステップを実行させる、もの。
情報処理装置が実行する情報処理方法であって、第1の取得ステップと、選択ステップと、第1の表示制御ステップとを備え、前記第1の取得ステップでは、ユーザのメンタルヘルスに関する分析結果を取得し、前記選択ステップでは、前記分析結果に基づき、前記ユーザの加入を推奨するグループを選択し、前記第1の表示制御ステップでは、前記グループへの招待情報を表示するように制御する、方法。
もちろん、この限りではない。
【0070】
最後に、本発明に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0071】
1 :システム
2 :第1のユーザ端末
3 :情報処理装置
30 :通信バス
31 :通信部
32 :記憶部
33 :制御部
331 :取得部
332 :選択部
333 :表示制御部
334 :生成部
335 :分析部
336 :管理部
337 :抽出部
338 :送信部
4 :第2のユーザ端末
5 :分析結果
6 :招待情報
7 :承認情報
8 :回答情報
9 :質問情報