(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022175153
(43)【公開日】2022-11-25
(54)【発明の名称】着脱式シャンプー台
(51)【国際特許分類】
A61H 33/00 20060101AFI20221117BHJP
A47K 3/12 20060101ALI20221117BHJP
A47K 4/00 20060101ALI20221117BHJP
A47K 3/20 20060101ALI20221117BHJP
E03C 1/06 20060101ALI20221117BHJP
A47K 3/28 20060101ALI20221117BHJP
A45D 19/04 20060101ALI20221117BHJP
【FI】
A61H33/00 310Z
A47K3/12
A47K4/00
A47K3/20
E03C1/06
A47K3/28
A45D19/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021081358
(22)【出願日】2021-05-13
(71)【出願人】
【識別番号】521205685
【氏名又は名称】山本 美恵
(71)【出願人】
【識別番号】521205696
【氏名又は名称】山本 雄次
(74)【代理人】
【識別番号】100154184
【弁理士】
【氏名又は名称】生富 成一
(72)【発明者】
【氏名】山本 美恵
(72)【発明者】
【氏名】山本 雄次
【テーマコード(参考)】
2D060
2D132
4C094
【Fターム(参考)】
2D060BA01
2D060BC00
2D060BF07
2D132DA00
2D132FA02
2D132FB02
2D132FC06
2D132FD04
2D132GA04
4C094AA10
4C094BC30
4C094GG07
(57)【要約】
【課題】浴槽本体の改修工事等を行うことなく、仰向け姿勢での洗髪を好適に行うことを可能にする。
【解決手段】着脱式シャンプー台1は、浴槽の縁部に着脱可能に装着される装着部2と、装着部2を介して浴槽の縁部に支持され、使用者の後頸部を支持可能な後頸支持部3と、装着部2を介して浴槽の縁部に支持され、シャワーヘッドを支持可能なシャワーヘッド支持部4とを備え、後頸支持部3が、浴槽内のお湯につかりながら仰向けとなり、かつ頭部が浴槽外に位置する姿勢となった使用者の後頸部を支持可能である。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴槽の縁部に着脱可能に装着される装着部と、
前記装着部を介して前記浴槽の縁部に支持され、使用者の後頸部を支持可能な後頸支持部と、
前記装着部を介して前記浴槽の縁部に支持され、シャワーヘッドを支持可能なシャワーヘッド支持部と、を備え、
前記後頸支持部が、前記浴槽内のお湯につかりながら仰向けとなり、かつ頭部が前記浴槽外に位置する姿勢となった使用者の後頸部を支持可能である
ことを特徴とする着脱式シャンプー台。
【請求項2】
前記シャワーヘッド支持部が、後頸部が前記後頸支持部に支持された使用者の頭部に向けてお湯を噴射させるように前記シャワーヘッドを支持し、かつ、支持する前記シャワーヘッドの高さ及び向きを調整可能に構成されることを特徴とする請求項1に記載の着脱式シャンプー台。
【請求項3】
前記後頸支持部が、使用者の後頸部に沿って窪む凹部を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の着脱式シャンプー台。
【請求項4】
頭部を洗い流したお湯が前記浴槽内に流入することを抑止する流入抑止部をさらに備えることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の着脱式シャンプー台。
【請求項5】
シャンプー容器及びコンディショナー容器を設置可能な容器設置部をさらに備えることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の着脱式シャンプー台。
【請求項6】
物品を出し入れ可能な防水ケースをさらに備えることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の着脱式シャンプー台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仰向け姿勢での洗髪を可能にする着脱式シャンプー台に関する。
【背景技術】
【0002】
浴室で洗髪を行う場合、一般的には、シャンプーなどを用いて髪や頭皮を洗浄した後、うつむき姿勢になり、シャワーにより髪を洗い流すことが行われている。
ところが、うつむき姿勢になることが困難な人にとっては、このようにして洗髪を行うことができないため、洗髪に大変な労力や苦痛が伴うという問題があった。
【0003】
例えば、甲状線の病気を持っている場合や体調不良時などにおいては、うつむき姿勢になると呼吸が困難になることがある。また、胃腸炎になっている場合には、下を向くとむかむかしたり、胸焼けを生じたりすることがある。
さらに、怪我をしているためにうつ向き姿勢になれない場合や、何らかの障害を抱えているためにうつ向き姿勢になることが難しい場合などもある。
これらのような場合、入浴者は、浴槽内に入って浴槽の縁に仰向けにもたれかけた状態でなければ、洗髪を行えないことがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭60-128591号公報
【特許文献2】特開2004-173969号公報
【特許文献3】特許第6126286号公報
【特許文献4】特開2008-110181号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような状態で洗髪を行う場合、背中や首が固い浴槽の縁に当たって痛くなり、またシャワーを行うことが容易ではないという問題があった。さらに、シャンプー容器などが取りづらいという問題もあった。
一方、このような問題を解消可能な用具を探しても、どこにも見当たらず、仰向け姿勢での洗髪を可能とするシャンプー台などの登場が望まれていた。
【0006】
そこで、本発明者らは鋭意検討し、これらの問題を解消可能な着脱式シャンプー台を発明した。
具体的には、浴槽の縁部に着脱可能に装着される装着部と、使用者の後頸部を支持可能な後頸支持部と、シャワーヘッドを支持可能なシャワーヘッド支持部等を備えた着脱式シャンプー台を案出し、本発明を完成させた。
【0007】
ここで、特許文献1~3には、仰向け姿勢で洗髪を行うことが可能な入浴装置などが開示されている
具体的には、特許文献1には、浴槽の縁の部分にシャンプー用のネーブ台が取り付けられたシャンプー用ネーブ台付き浴槽が記載されている。また、特許文献2には、浴室内での髪の乾燥を可能とした入浴・洗髪装置が記載されている。さらに、特許文献3には、介護が必要な人の入浴を補助するための介護用入浴装置が記載されている。
【0008】
しかし、特許文献1及び特許文献2に記載の浴槽は、仰向けとなった入浴者の後頸部を支持する後頸支持部が浴槽と一体に形成されているため、新築の住宅に設置する場合などを除いて、大規模な浴槽入れ替え工事をしなければ使用できないものであった。
【0009】
また、特許文献3に記載の介護用入浴装置は一般的な家庭の浴槽として好適に使用可能なものではなかった。
さらに、特許文献4には、仰向けでの洗髪を可能にする移動式の洗髪台が記載されている。しかし、この洗髪台は、浴室で使用することを想定したものではなく、浴槽内における仰向け姿勢での洗髪を可能にするものではなかった。
【0010】
これに対して、本発明の着脱式シャンプー台によれば、着脱式シャンプー台を浴槽の縁部に取り付けることで、下を向いて洗髪できない場合であっても、仰向け姿勢で好適に洗髪を行うことが可能になる。また、シャワーによって髪を洗い流すことも容易に行うことが可能である。
【0011】
さらに、本発明の着脱式シャンプー台に、シャンプー容器及びコンディショナー容器を設置可能な容器設置部や、物品を出し入れ可能な防水ケースを備えることも好ましい。
本発明の着脱式シャンプー台をこのような構成にすれば、使用者は、シャンプー容器などを容易に取り出すことが可能となる。また、防水ケースにスマートフォンや飲み物などを入れておくことで、洗髪後、湯船に浸かりながらスマートフォンを使用したり、飲み物を飲んだりすることができ、お風呂で過ごす時間を快適に楽しむことが可能となる。
【0012】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、浴槽本体の改修工事等を行うことなく、仰向け姿勢での洗髪を好適に行うことを可能にする着脱式シャンプー台の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するため、本発明の着脱式シャンプー台は、浴槽の縁部に着脱可能に装着される装着部と、前記装着部を介して前記浴槽の縁部に支持され、使用者の後頸部を支持可能な後頸支持部と、前記装着部を介して前記浴槽の縁部に支持され、シャワーヘッドを支持可能なシャワーヘッド支持部とを備え、前記後頸支持部が、前記浴槽内のお湯につかりながら仰向けとなり、かつ頭部が前記浴槽外に位置する姿勢となった使用者の後頸部を支持可能である構成としてある。
【0014】
また、本発明の着脱式シャンプー台は、前記シャワーヘッド支持部が、後頸部が前記後頸支持部に支持された使用者の頭部に向けてお湯を噴射させるように前記シャワーヘッドを支持し、かつ、支持する前記シャワーヘッドの高さ及び向きを調整可能に構成されることが好ましい。
また、本発明の着脱式シャンプー台は、前記後頸支持部が、使用者の後頸部に沿って窪む凹部を備える構成とすることが好ましい。
【0015】
また、本発明の着脱式シャンプー台は、頭部を洗い流したお湯が前記浴槽内に流入することを抑止する流入抑止部をさらに備える構成とすることが好ましい。
また、本発明の着脱式シャンプー台は、シャンプー容器及びコンディショナー容器を設置可能な容器設置部をさらに備える構成とすることが好ましい。
また、本発明の着脱式シャンプー台は、物品を出し入れ可能な防水ケースをさらに備える構成とすることが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、浴槽本体の改修工事等を行うことなく、仰向け姿勢での洗髪を好適に行うことを可能にする着脱式シャンプー台を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の第一実施形態に係る着脱式シャンプー台の斜視図である。
【
図2】本発明の第一実施形態に係る着脱式シャンプー台の正面図である。
【
図3】本発明の第一実施形態に係る着脱式シャンプー台の側面図である。
【
図4】本発明の第一実施形態に係る着脱式シャンプー台の背面図である。
【
図5】本発明の第一実施形態に係る着脱式シャンプー台の平面図である。
【
図6】本発明の第一実施形態に係る着脱式シャンプー台のシャワーヘッド支持部を示す斜視図である。
【
図7】本発明の第一実施形態に係る着脱式シャンプー台の容器設置部を示す斜視図である。
【
図8】本発明の第一実施形態に係る着脱式シャンプー台の防水ケースを示す斜視図である。
【
図9】本発明の第一実施形態に係る着脱式シャンプー台の設置状態を正面側から視た斜視図である。
【
図10】本発明の第一実施形態に係る着脱式シャンプー台の設置状態を背面側から視た斜視図である。
【
図11】本発明の第一実施形態に係る着脱式シャンプー台の使用例を示す斜視図である。
【
図12】本発明の第二実施形態に係る着脱式シャンプー台の使用例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の着脱式シャンプー台の実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。ただし、本発明は、以下の実施形態の具体的な内容に限定されるものではない。
【0019】
[第一実施形態]
第一実施形態の着脱式シャンプー台1は、
図1~
図5に示すように、装着部2、後頸支持部3、シャワーヘッド支持部4、容器設置部5、及び防水ケース6を備えている。
【0020】
(装着部)
装着部2は、本実施形態の着脱式シャンプー台1を浴槽の縁部に取り付けて固定する部分である。
すなわち、
図9及び
図10に示すように、装着部2は、浴槽Tの縁部に着脱可能に装着される。装着部2は、下方に開口する嵌合凹部21を有しており、該嵌合凹部21を浴槽Tの縁部に上方から嵌合させることで、浴槽Tの縁部に装着されるようになっている。
【0021】
また、本実施形態において、装着部2は、後頸支持部3と同一材料(例えば、樹脂)で一体に形成されているが、後頸支持部3と別体に構成してもよい。
さらに、本実施形態において、装着部2は、嵌合式に構成しているが、浴槽Tの縁部を内外から挟み込む挟持式や、吸盤を介して装着される吸着式であってもよい。
【0022】
このように、着脱式シャンプー台1を装着部2によって浴槽の縁部に取り付けて固定することで、使用者は、着脱式シャンプー台1を浴槽に容易に取り付けて使用することが可能である。
また、このような装着部2によれば、使用者が着脱式シャンプー台1に対して仰向けの状態で背中や首を押しつけた場合に、着脱式シャンプー台1が浴槽の縁から外れることを防止することが可能である。
【0023】
(後頸支持部)
後頸支持部3は、装着部2の上方に設けられ、装着部2を介して浴槽Tの縁部に支持される。後頸支持部3の形状は、浴槽T内のお湯につかりながら仰向けとなり、かつ頭部が浴槽T外に位置する姿勢となった使用者の後頸部を支持できるように設定される。
【0024】
本実施形態において、後頸支持部3は、使用者の後頸部に沿って窪む凹部31を備えており、使用者の後頸部を安定良く支持できるようになっている。
また、このような後頸支持部3によれば、使用者の後頸部を所定の位置に支持できるので、使用者のツボの位置に合わせてツボ押し用の凸部(図示せず)を設ければ、後頸支持部3にツボ押し機能を付加することができる。
【0025】
また、本実施形態において、後頸支持部3は、装着部2と同一材料(例えば、樹脂)で一体に形成されているが、装着部2と別体に構成してもよい。
さらに、後頸支持部3の材質や形態は、任意に変更することが可能であり、例えば、空気を充填して使用する空気枕(エアピロー)のような形態としてもよい。
【0026】
このような後頸支持部3によれば、仰向けで洗髪を行う際に、背中や首が固い浴槽の縁に当たって痛くなることを防止することができ、快適に洗髪を行うことが可能となる。
【0027】
(シャワーヘッド支持部)
シャワーヘッド支持部4は、装着部2の正面側(浴槽Tの外側)に設けられ、装着部2を介して浴槽Tの縁部に支持される。
また、シャワーヘッド支持部4は、後頸部が後頸支持部3に支持された使用者の頭部に向けて、お湯を噴射させるようにシャワーヘッドHを支持することができ、使用者はシャワーヘッドHを手で持つことなく、仰向け姿勢で洗髪を行うことが可能である。
さらに、止水ボタン付きのシャワーヘッドHを使用すれば、蛇口側の止水レバーを操作する場合に比べて、シャワーヘッドHの噴射/止水操作が容易になる。
【0028】
本実施形態において、シャワーヘッド支持部4は、
図6に示すように、シャワーヘッドHが着脱可能に装着されるシャワーヘッド装着部41と、シャワーヘッド装着部41から下方に延在するロッド部42と、装着部2の正面側に固定され、ロッド部42を軸心方向にスライド可能で、かつ軸回り方向に回転可能に支持するパイプ部43と、ロッド部42を任意のスライド位置及び回転位置で固定するロッド固定部(図示せず)とを備えている。
【0029】
このようなシャワーヘッド支持部4によれば、支持するシャワーヘッドHの高さ及び向きが調整可能となるので、適切な調整に基づいて、シャワーヘッドHから使用者の頭部に向けて正確にお湯を噴射させることができる。
また、シャワーヘッド装着部41とロッド部42との間に角度調整部(図示せず)を設ければ、シャワーヘッドHの向きをよりきめ細かく調整することが可能となる。
【0030】
(容器設置部)
容器設置部5は、装着部2の正面側(浴槽Tの外側)に設けられ、装着部2を介して浴槽Tの縁部に支持される。
本実施形態において、容器設置部5は、
図7に示すように、装着部2の正面側から浴槽Tの外側方に延在する底板部51と、底板部51の周縁部から立ち上がる壁部52とを有し、底板部51上に、シャンプー容器Sやコンディショナー容器Cを設置することができるようになっている。
また、壁部52は、網状に形成されており、シャンプー容器Sやコンディショナー容器Cの落下を抑止するだけでなく、底板部51上の水を排出する機能を備えている。
【0031】
このような容器設置部5によれば、使用者は、仰向けになったままでシャンプー容器Sやコンディショナー容器Cを容易に取り出すことができ、仰向け姿勢で洗髪を好適に行うことが可能となる。
【0032】
(防水ケース)
防水ケース6は、装着部2の正面側(浴槽Tの外側)に設けられ、装着部2を介して浴槽Tの縁部に支持される。
本実施形態において、防水ケース6は、
図8に示すように、装着部2の正面側に固定される固定ケース61と、固定ケース61の底部に形成される開口部62と、開口部62を開閉可能に覆う開閉カバー63と、開閉カバー63を閉位置に係止する係脱可能な係止部64と、固定ケース61と開閉カバー63との間をシールするシール部材(図示せず)とを備えている。
【0033】
また、このような防水ケース6を装着部2の正面側に対して着脱可能に設けることも好ましい。
例えば、装着部2の正面側において、防水ケース6に対応する面の上方と左右の3カ所に突起部を形成すると共に、この突起部に係合する3個のフックを防水ケース6に形成して、これらの突起部とフックを係合させ、又はこれらを取り外すことによって防水ケース6を着脱可能に設けることができる。
【0034】
また、防水ケース6と装着部2の正面側にそれぞれ面ファスナーを固定して備え、これらの面ファスナーによって防水ケース6を着脱可能に設けることもできる。さらに、装着部2の正面側に防水ケース6を差し込んで固定可能なコの字型等の嵌合部を形成し、この嵌合部によって防水ケース6を取り付けることもできる。
【0035】
このような防水ケース6によれば、スマートフォン、飲み物、食べ物などの物品を防水状態で収容できるため、スマートフォンで音楽を流しながら入浴や洗髪をしたり、洗髪後にスマートフォンを使用したり、飲み物や食べ物を取り出して飲食を行うことができ、お風呂で過ごす時間を快適に楽しむことが可能となる。
また、防水ケース6を使用しない場合のために、これを装着部2から容易に取り外し可能にすることもできる。
【0036】
(着脱式シャンプー台の使用者)
本実施形態の着脱式シャンプー台1の使用者としては、うつむき姿勢になることが困難な人が想定される。
具体的には、甲状線の病気や胃腸炎を患っている人、体調不良や怪我をしているためにうつむき姿勢になれない人、又は、何らかの障害を抱えているためにうつ向き姿勢になることが難しい人などにとっては、非常に有益である。
さらに、本実施形態の着脱式シャンプー台1は、これらの使用者以外であっても、仰向けになってリラックスして洗髪を行うことを望む使用者などにとってもまた有益なものであり、その使用者が特に限定されないことは言うまでもない。
【0037】
(着脱式シャンプー台の使用例)
次に、本実施形態の着脱式シャンプー台1の使用例について説明する。
着脱式シャンプー台1を用いて洗髪を行う場合、
図9及び
図10に示すように、装着部2を浴槽Tの縁部に嵌合させることで、浴槽Tの縁部に着脱式シャンプー台1を装着する。
次に、シャワーヘッド支持部4にシャワーヘッドHを装着し、シャワーヘッドHの高さ及び向きを調整する。シャワーヘッドHが止水ボタン付きの場合は、蛇口側の止水レバーを開き、シャワーヘッドH側の止水ボタンでお湯の噴射を停止させた状態とする。
【0038】
そして、
図11に示すように、使用者は、浴槽T内のお湯につかりながら仰向けとなり、かつ頭部が浴槽T外に位置するように後頸部を後頸支持部3の凹部31に載せる。次いで、シャワーヘッドHの止水ボタンを操作し、シャワーヘッドHからお湯を噴射させながら洗髪を行う。洗髪は、
図11に示すように浴槽T内の使用者自身が行ってもよいし、浴槽Tの外にいる介助者によって行うこともできる。
【0039】
以上のように、本実施形態によれば、着脱式シャンプー台1は、浴槽Tの縁部に着脱可能に装着される装着部2と、装着部2を介して浴槽Tの縁部に支持され、使用者の後頸部を支持可能な後頸支持部3と、装着部2を介して浴槽Tの縁部に支持され、シャワーヘッドHを支持可能なシャワーヘッド支持部4とを備え、後頸支持部3は、浴槽T内のお湯につかりながら仰向けとなり、かつ頭部が浴槽T外に位置する姿勢となった使用者の後頸部を支持可能である。また、シャワーヘッド支持部4は、後頸部が後頸支持部3に支持された使用者の頭部に向けてお湯を噴射させるようにシャワーヘッドHを支持し、かつ、支持する前記シャワーヘッドの高さ及び向きを調整可能に構成される。
【0040】
このため、浴槽T本体の改修工事等を行わなくても、仰向け姿勢での洗髪を好適に行うことが可能となる。
また、本実施形態において、容器設置部5を用いれば、使用者は、仰向けになったままでシャンプー容器Sやコンディショナー容器Cを容易に取り出すことができ、仰向け姿勢で洗髪を好適に行うことが可能となる。
さらに、本実施形態において、防水ケース6を用いれば、スマートフォン、飲み物、食べ物などの物品を防水状態で収容できるため、お風呂で過ごす時間を快適に楽しむことが可能となる。
【0041】
[第二実施形態]
次に、第二実施形態に係る着脱式シャンプー台1Bについて、
図12を参照して説明する。本実施形態の着脱式シャンプー台1Bは、頭部を洗い流したお湯が浴槽T内に流入することを抑止できる点で、第一実施形態と相違する。その他の点は、第一実施形態と同様であり、第一実施形態と共通の構成については、第一実施形態と同じ符号を用いて説明する。
【0042】
本実施形態の着脱式シャンプー台1Bは、
図12に示すように、頭部を洗い流したお湯が浴槽T内に流入することを抑止する流入抑止部7を備えている。
流入抑止部7は、後頸支持部3の上面部から頭部の両側部に沿って立ち上がり、浴槽Tの内側と外側との間に仕切壁を形成する。
【0043】
本実施形態において、流入抑止部7は、後頸支持部3と一体であってもよいし、後頸支持部3と別体とし、後頸支持部3に着脱可能に装着するようにしてもよい。
また、流入抑止部7は、折畳み可能とし(例えば、蛇腹構造)、使用しないときは、後頸支持部3の上面に沿って収納するようにしてもよい。
【0044】
このような本実施形態によれば、頭部を洗い流したお湯が浴槽T内に流入することを抑止できるため、仰向け姿勢での洗髪を一層好適に行うことが可能となる。
【0045】
本発明は、以上の実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内において、種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。例えば、装着部2を浴槽の縁の形状に合わせて湾曲させた形状のものとするなど適宜変更することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は、うつむき姿勢になることが困難な人等が、仰向け姿勢での洗髪を行う場合などにおいて、好適に利用することが可能である。
【符号の説明】
【0047】
1,1B 着脱式シャンプー台
2 装着部
21 嵌合凹部
3 後頸支持部
31 凹部
4 シャワーヘッド支持部
41 シャワーヘッド装着部
42 ロッド部
43 パイプ部
5 容器設置部
51 底板部
52 壁部
6 防水ケース
61 固定ケース
62 開口部
63 開閉カバー
64 係止部
7 流入抑止部
T 浴槽
H シャワーヘッド
S シャンプー容器
C コンディショナー容器