(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022175169
(43)【公開日】2022-11-25
(54)【発明の名称】串刺食品製造装置
(51)【国際特許分類】
A21C 11/00 20060101AFI20221117BHJP
【FI】
A21C11/00 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021081378
(22)【出願日】2021-05-13
(71)【出願人】
【識別番号】591047394
【氏名又は名称】株式会社飯田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100069431
【弁理士】
【氏名又は名称】和田 成則
(74)【代理人】
【識別番号】100102761
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 元也
(72)【発明者】
【氏名】飯田 一
(72)【発明者】
【氏名】飯田 博
【テーマコード(参考)】
4B031
【Fターム(参考)】
4B031CA20
4B031CF11
4B031CG29
4B031CJ15
4B031CM08
(57)【要約】
【課題】成形ロールの任意の周期の間欠駆動を可能し、これにより自由度をもって成形食品の単位重量を変更できるようにした万能串刺食品製造装置を提供する。
【解決手段】成形ロール321a, 321bを駆動する第1のステッピングモータ611と、串ロール342を駆動する第2のステッピングモータ612と、串押出装置344を駆動する第3のステッピングモータ613と、を具備し、第1のステッピングモータ612を間欠駆動するとともに、第1のステッピングモータ612の間欠駆動に同期して第2のステッピングモータ612及び第3のステッピングモータ613を間欠駆動する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
周面に一定の間隔で形成された複数の第1の溝部を有する第1の成形ロールと前記第1の成形ロールの前記第1の溝部に対向する複数の第2の溝部を有し前記第1の成形ロールの下方側に接する第2の成形ロールとを有し前記第1の溝部と前記第2の溝部とで串刺し対象食品の成形を行う一対の成形ロールと、複数の串を搬送する串ロールと、前記串ロールで搬送された串を前記一対の成形ロールで成形された成形食品に対して順次押し出して前記成形食品の串差しを行う串押出装置と、を具備する串刺食品製造装置であって、
前記成形ロールを駆動する第1のモータと、
前記串ロールを駆動する第2のモータと、
前記串押出装置を駆動する第3のモータと、
前記第1のモータを間欠駆動するとともに、前記第1のモータの間欠駆動に同期して前記第2のモータ及び前記第3のモータを間欠駆動する制御手段と、
を具備することを特徴とする串刺食品製造装置。
【請求項2】
前記第1のモータ、前記第2のモータ、前記第3のモータは、
それぞれステッピングモータから構成されることを特徴とする請求項1に記載の串刺食品製造装置。
【請求項3】
所定時間内に製造する串刺食品の本数を設定する本数設定手段
を具備し、
前記制御手段は、
前記本数設定手段で設定した本数に対応して前記間欠駆動の周期を計算し、該計算した周期で前記第1のモータ、前記第2のモータ、前記第3のモータを間欠駆動することを特徴とする請求項1又は2に記載の串刺食品製造装置。
【請求項4】
前記制御手段は、
前記間欠駆動の周期内での前記第1のモータが回転開始するまでの第1の回転待ち時間を設定する第1の待ち時間設定手段と、
前記間欠駆動の周期内での前記第2のモータが回転開始するまでの第2の回転待ち時間を設定する第2の待ち時間設定手段と、
前記間欠駆動の周期内での前記第3のモータが回転開始するまでの第3の待ち時間設定手段と、
を具備し、
前記第1のモータ、第2のモータ、第3のモータを前記間欠駆動の周期内でそれぞれ前記第1の待ち時間、前記第2の待ち時間、前記第3の待ち時間を待った後駆動制御することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の串刺食品製造装置。
【請求項5】
前記第1の待ち時間、前記第2の待ち時間、前記第3の待ち時間は、前記本数設定手段で設定された本数に応じてそれぞれ設定されることを特徴とする請求項4に記載の串刺食品製造装置。
【請求項6】
前記制御手段は、
前記成形ロールの間欠駆動の等分数を設定する等分数設定手段と、
前記等分数設定手段で設定された等分数から前記成形ロールの間欠駆動の単位回転角度を計算する単位回転角度計算手段と、
前記単位回転角度計算手段で計算した前記単位回転角度を駆動装置に記憶されている回転原点に従って割り振って前記第1のモータに対する回転角度を順次指示する回転角度指示手段と、
を具備することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の串刺食品製造装置。
【請求項7】
前記制御手段は、
前記成形ロールの間欠駆動の等分数を設定する等分数設定手段と、
前記等分数設定手段で設定された等分数から前記成形ロールの間欠駆動の単位回転角度を計算する単位回転角度計算手段と、
前記単位回転角度計算手段で計算した前記単位回転角度を予め設定されている記憶回転開始位置に従って割り振って前記第1のモータに対する指示回転角度を順次指示する回転角度指示手段と、
を具備することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の串刺食品製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、串刺食品製造装置に関し、詳しくは、形成ロールの駆動方式としてラチェット送り機構を採用せずに、自由度の高い方式で形成ロールの間欠起動を可能にした万能串刺食品製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の串刺食品製造装置としては、特許文献1に開示された「串刺食品製造装置」が知られている。
【0003】
この特許文献1に開示された「串刺食品製造装置」は、生地を間欠駆動される一対の成形ロールの間に導き、この一対の成形ロールで生地を団子状や棒状に成形してこの形成された成形食品を串押出装置から押し出された串により串刺して、排出するように構成されている。
【0004】
そして、この一対の成形ロールの間欠駆動は、ラチェット送り機構を採用している。しかしながら、この種の成形ロールの間欠駆動の間隔及び速度は、成形食品の単位重量に依存して決定されるが、このラチェット送り機構による成形ロールの間欠駆動では、内部に取り付けられるラチェットの歯数により、その間欠駆動の間隔及び速度が決定されるので、成形食品の単位重量を変更する毎に、歯数の異なるラチェットに交換する必要があり、このため、食品の単位重量の任意の変更に対応するのは非常に難しかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、ラチェット送り機構を採用せずに成形ロールの任意の周期の間欠駆動を可能し、これにより自由度をもって成形食品の単位重量を変更できるようにした万能串刺食品製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため、請求項1の発明は、周面に一定の間隔で形成された複数の第1の溝部を有する第1の成形ロールと前記第1の成形ロールの前記第1の溝部に対向する複数の第2の溝部を有し前記第1の成形ロールの下方側に接する第2の成形ロールとを有し前記第1の溝部と前記第2の溝部とで串刺し対象食品の成形を行う一対の成形ロールと、複数の串を搬送する串ロールと、前記串ロールで搬送された串を前記一対の成形ロールで成形された成形食品に対して順次押し出して前記成形食品の串差しを行う串押出装置と、を具備する串刺食品製造装置であって、前記成形ロールを駆動する第1のモータと、前記串ロールを駆動する第2のモータと、前記串押出装置を駆動する第3のモータと、前記第1のモータを間欠駆動するとともに、前記第1のモータの間欠駆動に同期して前記第2のモータ及び前記第3のモータを間欠駆動する制御手段と、を具備することを特徴とする。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載の発明において、前記第1のモータ、前記第2のモータ、前記第3のモータは、それぞれステッピングモータから構成されることを特徴とする。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、所定時間内に製造する串刺食品の本数を設定する本数設定手段を具備し、前記制御手段は、前記本数設定手段で設定した本数に対応して前記間欠駆動の周期を計算し、該計算した周期で前記第1のモータ、前記第2のモータ、前記第3のモータを間欠駆動することを特徴とする。
【0010】
請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の発明において、前記制御手段は、前記間欠駆動の周期内での前記第1のモータが回転開始するまでの第1の回転待ち時間を設定する第1の待ち時間設定手段と、前記間欠駆動の周期内での前記第2のモータが回転開始するまでの第2の回転待ち時間を設定する第2の待ち時間設定手段と、前記間欠駆動の周期内での前記第3のモータが回転開始するまでの第3の待ち時間設定手段と、を具備し、前記第1のモータ、第2のモータ、第3のモータを前記間欠駆動の周期内でそれぞれ前記第1の待ち時間、前記第2の待ち時間、前記第3の待ち時間を待った後駆動制御することを特徴とする。
【0011】
請求項5の発明は、請求項4に記載の前記第1の待ち時間、前記第2の待ち時間、前記第3の待ち時間は、前記本数設定手段で設定された本数に応じてそれぞれ設定されることを特徴とする。
【0012】
請求項6の発明は、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の発明において、前記制御手段は、前記成形ロールの間欠駆動の等分数を設定する等分数設定手段と、前記等分数設定手段で設定された等分数から前記成形ロールの間欠駆動の単位回転角度を計算する単位回転角度計算手段と、前記単位回転角度計算手段で計算した前記単位回転角度を駆動装置に記憶されている回転原点に従って割り振って前記第1のモータに対する回転角度を順次指示する回転角度指示手段と、を具備することを特徴とする。
【0013】
請求項7の発明は、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の発明において、前記制御手段は、前記成形ロールの間欠駆動の等分数を設定する等分数設定手段と、前記等分数設定手段で設定された等分数から前記成形ロールの間欠駆動の単位回転角度を計算する単位回転角度計算手段と、前記単位回転角度計算手段で計算した前記単位回転角度を予め設定されている記憶回転開始位置に従って割り振って前記第1のモータに対する指示回転角度を順次指示する回転角度指示手段と、を具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、周面に一定の間隔で形成された複数の第1の溝部を有する第1の成形ロールと前記第1の成形ロールの前記第1の溝部に対向する複数の第2の溝部を有し前記第1の成形ロールの下方側に接する第2の成形ロールとを有し前記第1の溝部と前記第2の溝部とで串刺し対象食品の成形を行う一対の成形ロールと、複数の串を搬送する串ロールと、前記串ロールで搬送された串を前記一対の成形ロールで成形された成形食品に対して順次押し出して前記成形食品の串差しを行う串押出装置と、を具備する串刺食品製造装置であって、前記成形ロールを駆動する第1のモータと、前記串ロールを駆動する第2のモータと、前記串押出装置を駆動する第3のモータと、前記第1のモータを間欠駆動するとともに、前記第1のモータの間欠駆動に同期して前記第2のモータ及び前記第3のモータを間欠駆動する制御手段と、を具備して構成したので、ラチェット送り機構を採用せずに成形ロールの任意の周期の間欠駆動を可能し、これにより自由度をもって成形食品の単位重量を変更できるようにした万能串刺食品製造装置を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、本発明に係る串刺食品製造装置の一実施例を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1に示した串刺食品製造装置の側面の内部概略機構を示す内部機構図である。
【
図3】
図3は、
図1に示した串刺食品製造装置の内部の要部を説明する内部説明図である。
【
図4】
図4は、
図3に示した串ロールの串搬送動作を説明する説明図である。
【
図5】
図5は、
図3に示した串押出装置の串押出動作を説明する説明図である。
【
図6】
図6は、
図1に示した串刺食品製造装置の制御装置の概略を示すブロック図である。
【
図7】
図7は、
図6に示した制御装置の動作を説明するフローチャートである。
【
図8】
図8は、
図6に示した制御装置の動作を説明するタイミングチャートである。
【
図9】
図9は、
図1に示した串刺食品製造装置の成形ロール等分計算の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための実施例について、願書に添付した図面を参照しながら詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明に係る串刺食品製造装置の一実施例を示す斜視図であり、
図2は、
図1に示した串刺食品製造装置の側面の内部概略機構を示す内部機構図であり、
図3は、
図1に示した串刺食品製造装置の内部の要部を説明する内部説明図である。
【0018】
また、
図4は、
図3に示した串ロールの串搬送動作を説明する説明図であり、
図5は、
図3に示した串押出装置の串押出動作を説明する説明図である。
【0019】
図1乃至
図5において、本実施例の串刺食品製造装置100は、基台10と、上部制御部20と、串刺食品製造機構部30とから構成される。
【0020】
串刺食品製造機構部30は、生地供給装置310、成形部320、丸目部330、串刺装置340から構成される。
【0021】
生地供給装置310は、
図2及び
図3に示すように、ホッパー311、一対の生地ロール312a,312bを具備して構成され、ホッパー311には、糯米素材、おはぎ素材、道明寺素材、わらび餅素材、葛素材から選択された生地の素材が投入され、一対の生地ロール312a,312bは、ホッパー311内の生地の素材をシート状に成形して成形部320に供給する。
【0022】
成形部320は、
図2及び
図3に示すように、一対の第1の成形ロール321a及び第2の形成ロール321bを具備し、生地供給装置310から供給されたシート状の生地から成形食品を成形する。
【0023】
ここで、第1の成形ロール321aは、その周面に一定の間隔で複数の第1の溝部322aが形成されており、第2の形成ロール321bは、その周面に第1の溝部322aに対応する第2の溝部322bが形成されており、第1の成形ロール321aの下方側に接して配置され、生地供給装置310から供給されたシート状の生地は、第1の成形ロール321aと第2の形成ロール321bとの間に供給され、第1の成形ロール321aと第2の形成ロール321bとが互いに逆方向に回転して、シート状の生地を第1の溝部322aと第2の溝部322bとで挟むことにより球状の成形食品が形成される。
【0024】
この成形食品は、第1の成形ロール321aと第2の形成ロール321bの軸方向において例えば3個並んで形成され、この3個の成形食品が次に説明する串刺装置340から押し出され串Sにより串刺しが行われる。
【0025】
串刺装置340は、上部制御部20内に設けられ、
図2及び
図3に示すように、串投入口341、串整列ロール342、串押出装置343を具備して構成される。
【0026】
なお、上部制御部20には、この串刺食品製造装置100を制御する各種操作ボタン及び表示部を含む操作表示装置210が設けられており、更に、この上部制御部20の内部には、生地供給装置310、第1の成形ロール321a及び第2の形成ロール321b、串整列ロール、串押出装置343を駆動制御するモータ類及びその制御装置が設けられている。
【0027】
串刺装置340の串投入口341には、多数の串Sが投入され、串投入口341に投入された串Sは、
図4に示すように、一本ずつ串ロール342の串溝342aに収容され、串ロール342の回転により、第1の成形ロール321aと第2の形成ロール321bとの接合部に運ばれ、ここで、串溝342aに収容された串Sは、串レール343上に落下する。この串Sは串押出装置344の図示しないスラーダーにより第1の成形ロール321a及び第2の形成ロール321b方向に押し出されて、
図5に示すようにして成形食品の串刺しが行われる。
【0028】
ここで、串ロール342及び串押出装置344は、第1の成形ロール321a及び第2の形成ロール321bの間欠駆動に同期して間欠駆動しており、第1の成形ロール321a及び第2の形成ロール321bの回転により、
図5に示すように第1の溝部322a及び第2の溝部322bが串レール343の配設位置に達し、成形食品の成形が完了すると、第1の成形ロール321a及び第2の形成ロール321bは回転を停止し、このとき、串ロール343上の串Sは、串押出装置344のスライダにより第1の溝部322a及び第2の溝部322bにより成形された成形食品方向に押し出されて、成形食品の串刺しが行われる。
【0029】
串刺装置340により串刺しが行われた串刺食品は、第1の成形ロール321aの第1の溝部322a及び第2の形成ロール321bの第2の溝部322bから離脱して丸目ロール331の下部に設けられている丸目ロール案内部材332内に落下する。丸目ロール331は、表面に串刺団子の仕上げ成形を行うための図示しない成形型が形成されており、串刺食品の仕上げ成形を行って、コンベヤ400上に排出される。
【0030】
図6は、
図1に示した串刺食品製造装置100の制御装置の概略を示すブロック図である。
【0031】
さて、本発明の串刺食品製造装置100においては、ラチェット送り機構を採用せずに成形ロール322a,321bを間欠駆動するため、成形ロール322a,321bを駆動するモータとして第1のステッピングモータ611を用い、串刺装置340の串刺串ロール342を駆動するモータとして第2のステッピングモータ612を用い、串押出装置344の串刺スライダを駆動するモータとして第3のステッピングモータを用いる。
【0032】
すなわち、串刺食品製造装置100の制御装置は、制御部610を中心に構成され、この制御部610は、成形ロール322a,321bを駆動する第1のステッピングモータ611、串刺串ロール342を駆動する第2のステッピングモータ612、串刺スライダを駆動する第3のステッピングモータ613を間欠駆動するとともに、生地送りロール(312a,312b)駆動部614、丸目ロール(331)駆動部615を駆動制御する。また、この串刺食品製造装置100の制御部610には、運転ボタン621、停止ボタン622、非常停止ボタン623、異常検出装置624、表示部630が接続されており、これら運転ボタン621、停止ボタン622、非常停止ボタン623、異常検出装置624、表示部630は、上部制御部20の操作表示装置210に設けられている。
【0033】
図7は、
図6に示した制御装置の動作を説明するフローチャートであり、
図8は、
図6に示した制御装置の動作を説明するタイミングチャートである。
【0034】
図6に示したこの串刺食品製造装置100の制御装置の運転ボタン621が押されて、運転が開始されると、まず、この串刺食品製造装置100により所定の単位時間、例えば1分間に製造される串刺食品の本数(ショット数)S1[/min]が設定される(ステップ701)。
図8(A)に示すショットタイミングは、周期T0のサイクルタイムを形成している。
【0035】
次に、第1のステッピングモータ611、第2のステッピングモータ612、第3のステッピングモータ613が原点復帰しているかの確認が行われ(ステップ702)、原点に復帰していることが確認されると(ステップ702でYES)、運転開始(ステップ703)となり、生地ロール614(312a,312b)の運転を開始する(ステップ704)。ここで、生地ロール614(312a,312b)は、
図8(B)に示すように、この串刺食品製造装置100の運転開始から運転終了まで、連続運転となる。
【0036】
同様に、丸目ロール615(331)の運転を開始する(ステップ705)。この丸目ロール615(331)も、
図8(C)に示すように、この串刺食品製造装置100の運転開始から運転終了まで、連続運転となる。
【0037】
生地ロール614及び丸目ロール615の回転が開始されると、次に、第1のステッピングモータ611、第2のステッピングモータ612、第3のステッピングモータ613の駆動を開始するために、周期T0のサイクルタイマのカウントを開始する(ステップ706)。
【0038】
そして、周期T0のサイクルタイマのカウント値T0が60s/S1になると(ステップ707でYES)、第1のステッピングモータ611の1サイクル運転を開始し(ステップ708)、同時に第2のステッピングモータ612お1サイクル運転を開始し(ステップ709)、第3のステッピングモータ613の1サイクル運転を開始する(ステップ710)。
【0039】
第1のステッピングモータ611(成形ロール)の1サイクル運転は、
図8(D)に示すように、T1の待ち時間、Td1の動作時間、Ts1の停止時間からなり、このサイクルタイムT0毎に、上記待ち時間T1、動作時間Td1、停止時間Ts1を串刺食品製造装置100の運転が終了するまで繰り返す。
【0040】
第2のステッピングモータ612(串ロール)の1サイクル運転も、
図8(E)に示すように、T2の待ち時間、Td2の動作時間、Ts2の停止時間からなり、このサイクルタイムT0毎に、上記待ち時間T2、動作時間Td2、停止時間Ts2を串刺食品製造装置100の運転が終了するまで繰り返す。
【0041】
第3のステッピングモータ613(串刺スライダー)の1サイクル運転も、
図8(F)に示すように、T3の待ち時間、Td3の動作時間、Ts3の停止時間からなり、このサイクルタイムT0毎に、上記待ち時間T3、動作時間Td3、停止時間Ts3を串刺食品製造装置100の運転が終了するまで繰り返す。
【0042】
ここで、 第1のステッピングモータ611、第2のステッピングモータ612、第3のステッピングモータ613は、
図8(A)に示すショットタイミングに同期して制御されるので、成形ロール322a,321bは、
図8(A)に示すショットタイミングに同期して間欠駆動され、串刺装置340の串刺串ロール342及び串押出装置344の串刺スライダもこの成形ロール322a,321bの間欠駆動に同期して制御される。これにより、串刺装置340の成形ロール322a,321bにより形成された串刺し対象食品に対して高速かつ高精度で串刺しを行うことができる。
【0043】
ステップ711では、停止ボタン622が押されたかが調べられ、停止ボタン622が押されたと判断された場合は(ステップ711でYES)、この串刺食品製造装置100の運転を終了する。
【0044】
ステップ711で、停止ボタン622が押されていないと判断されると(ステップ711でNO)、次に、非常停止ボタン623が押されたかが調べられる(ステップ712)。ここで、非常停止ボタン623が押されたと判断された場合は(ステップ712でYES)、この串刺食品製造装置100の運転を終了する。
【0045】
ステップ712で、非常停止ボタン623が押されていないと判断されると(ステップ712でNO)、次に、異常が発生したか、すなわち、異常検出装置624で異常が検出されたかが調べられる(ステップ713)。ここで、異常が発生したと判断された場合は(ステップ713でYES)、この串刺食品製造装置100の運転を終了する。
【0046】
ステップ713で異常が発生してないと判断された場合は(ステップ713でNO)、ステップ711に戻る。
【0047】
図9は、
図1に示した串刺食品製造装置100の成形ロール322a,321bに対する等分計算の一例を示すフローチャートである。
【0048】
成形ロール322a,321bは第1のステッピングモータ611により駆動されるので、成形ロール322a,321bの単位回転角は、串刺食品の本数(ショット数)S1[/min]に対応して設定される等分数に応じて計算される。
【0049】
ここで、この等分数は、例えば、2~99の任意の数が設定可能であるが、ステップ901ではこの等分数D1を設定する。
【0050】
次に、D2=360/D1の計算により、第1のステッピングモータ611の単位回転角度D2を計算する(ステップ902)。そして、計算ループI(I≧D1)を0と設定し(ステップ903)、次に、等分を原点に対して割り振るか記憶回転位置に対して割り振るかの処理の選択を行う(ステップ904).
ステップ904で、等分を原点に対して割り振ると判断された場合は、
D3=D2×Iの計算をして、等分D3を割り振る(ステップ905)。
【0051】
ステップ904で、等分を記憶位置に対して割り振ると判断された場合は、
D3=D2×I+(原点座標)の計算をして、等分D3を割り振る(ステップ905)。 そして、計算したD3をドライバの運転NO.[I]へ書き込み(ステップ907)、ドライバから運転NO.[I]のデータD4を読み出す(ステップ908)。
【0052】
次に、D3=D4かを判別し(ステップ909)、D3=D4でないと(ステップ909でNO)、ステップ907に戻るが、D3=D4であると(ステップ909でYES)、計算ループI(I≧D1)を1インクリメントし(ステップ910)、この形成ロール等分計算を終了する。
【0053】
以上が本発明の一実施例を示したものであるが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内であれば、当業者の通常の創作能力によって多くの変形が可能である。
【符号の説明】
【0054】
10…基台
20…上部制御部
30…串刺食品製造機構部
100…串刺食品製造装置
210…操作表示部
310…生地供給装置
311…ホッパー
312a…生地ロール
312b…生地ロール
320…成形部
321a…第1の形成ロール
321b...第2の形成ロール
322a…第1の溝部
322a…第2の溝部
330…丸目部
331…丸目ロール
332…丸目ロール案内部材
340…串押出装置
341…串投入口
342…整列ロール
343…串レール
344…串押出装置
400…コンベヤ
610…制御部
611…第1のステッピングモータ
612…第2のステッピングモータ
613…第3のステッピングモータ
614…生地送りロール駆動部
615…丸目ロール駆動部
621…運転ボタン
622…停止ボタン
623…非常停止ボタン
624…異常検出装置
630…表示部