(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022175213
(43)【公開日】2022-11-25
(54)【発明の名称】プロテクタ、ワイヤハーネス、および、ワイヤハーネスの組付方法
(51)【国際特許分類】
H02G 3/04 20060101AFI20221117BHJP
H02G 3/30 20060101ALI20221117BHJP
H01B 7/00 20060101ALI20221117BHJP
F16L 57/00 20060101ALI20221117BHJP
【FI】
H02G3/04 087
H02G3/04 037
H02G3/30
H01B7/00 301
F16L57/00 A
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021081443
(22)【出願日】2021-05-13
(71)【出願人】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000005463
【氏名又は名称】日野自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】豊田 竜平
(72)【発明者】
【氏名】ジャン ヨンホ
(72)【発明者】
【氏名】浜田 秀敏
(72)【発明者】
【氏名】松林 亮
【テーマコード(参考)】
3H024
5G309
5G357
5G363
【Fターム(参考)】
3H024AA01
3H024AB07
3H024AC03
5G309AA09
5G357DA06
5G357DB03
5G357DC12
5G357DD02
5G357DE03
5G357DE08
5G357DF10
5G357DG01
5G357DG06
5G363AA16
5G363BA02
5G363DA11
5G363DC02
(57)【要約】
【課題】ベース部材にカバー部材を取り付ける際の組付作業を容易にすることができるプロテクタを提供する。
【解決手段】プロテクタ1は、ベース部材2とカバー部材3とを備える。ベース部材2は、ベース部材2に対してカバー部材3を組み付ける組付方向X1に沿って延在し、かつ、組付方向X1と直交する幅方向Yの両側にそれぞれ配置された一対の案内溝部22a、23aと、組付方向X1において、案内突出部37、38の組付方向側端部37a、38aに対向する壁部22b、23bと、取外方向X2において、案内突出部37、38の取外方向側端部37b、38bに対向するロック部26、27と、を備える。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース部材と、
前記ベース部材に組み付けられるカバー部材と、
を備え、
前記ベース部材は、
前記ベース部材に対して前記カバー部材を組み付ける組付方向に沿って延在し、かつ、前記組付方向と直交する幅方向の両側にそれぞれ配置された一対の案内溝部と、
前記組付方向において、前記案内溝部の組付方向側端部に対向する壁部と、
前記組付方向の反対方向である取外方向において、前記案内溝部の取外方向側端部に対向するロック部と、
を備え、
一対の前記案内溝部は、前記幅方向において対向する一対の溝挿通開口部を有し、
前記カバー部材は、カバー開口部を有するカバー本体部と、前記カバー本体部の外面から突出して形成され、各前記溝挿通開口部を介して各前記案内溝部に挿通される一対の案内突出部を備え、各前記案内溝部に各前記案内突出部が挿通された状態において、前記ベース部材に対して前記組付方向へ沿って移動可能であり、前記組付方向において前記壁部と前記ロック部との間に設定された組付位置に移動した場合には前記カバー開口部が前記ベース部材で閉塞され、
前記壁部は、前記組付位置に前記カバー部材が移動した場合には、前記組付方向において前記案内突出部の前記組付方向側端部に対向して前記カバー部材が前記組付方向に移動することを規制し、
前記ロック部は、
弾性変形可能に形成され、前記案内溝部に前記案内突出部が挿通されて前記カバー部材が前記組付方向に沿って移動している間は、上下方向において前記案内突出部に接触することで退行状態となる一方、前記組付位置へ前記カバー部材が移動した状態では、前記上下方向において前記案内突出部に対して非接触となることで進出状態となり、
前記組付位置に前記カバー部材が移動した場合には、進出状態となり、前記取外方向において前記案内突出部の前記取外方向側端部に対向して前記カバー部材が前記取外方向に移動することを規制する、
ことを特徴とするプロテクタ。
【請求項2】
前記ロック部は、前記カバー部材が前記組付位置に移動した状態では、前記取外方向における前記カバー部材の外側に位置し、上方から視た場合には前記カバー部材から露出する、
請求項1に記載のプロテクタ。
【請求項3】
導電性の第1芯材を有する第1配索材と、
導電性の第2芯材を有する第2配索材と、
前記第1配索材の端末が挿入される第1コネクタと、
前記第2配索材の端末が挿入され、前記第1コネクタと嵌合可能に構成される第2コネクタと、
請求項1または2に記載のプロテクタと、
を備え、
前記第1コネクタおよび前記第2コネクタは、嵌合状態において、前記第1芯材と前記第2芯材とを電気的に接続し、
前記ベース部材は、前記第1コネクタが設けられて前記幅方向の中央に位置するベース本体と、各前記案内溝部が設けられ、前記ベース本体に対して前記幅方向の両側に位置するベース両側部とを有し、
一対の前記案内突出部は、前記カバー部材における前記幅方向の両側に配置され、
前記カバー部材は、前記取外方向側端部に前記第1配索材を挿通させる第1挿通開口部を有する一方、前記組付方向側端部に前記第2配索材を挿通させる第2挿通開口部を有し、
前記第1配索材は、前記取外方向に沿って前記ベース本体に配置され、
前記第2配索材は、前記組付方向に沿って前記ベース本体に配置され、
前記第2コネクタが前記第1コネクタに嵌合された状態において、一対の前記案内溝部の間に前記第1配索材および前記第2配索材が配置される配索領域が形成される、
ことを特徴とするワイヤハーネス。
【請求項4】
カバー部材を組み付ける組付方向に沿って延在し、かつ、前記組付方向と直交する幅方向の両側にそれぞれ配置される一対の案内溝部、当該案内溝部における組付方向側端部に対して前記組付方向に対向する壁部、および、各前記案内溝部における取外方向側端部に対して、前記組付方向の反対方向である取外方向に対向するロック部を有するベース部材、ならびに、前記ベース部材に組み付けられ、カバー開口部が形成されたカバー本体部と、各前記案内溝部に挿通される案内突出部と、を有するカバー部材を備えるプロテクタと、
導電性の第1芯材を有する第1配索材と、
導電性の第2芯材を有する第2配索材と、
前記第1配索材の端末が挿入される第1コネクタと、
前記第2配索材の端末が挿入され、前記第1コネクタと嵌合可能に構成される第2コネクタと、
を備えるワイヤハーネスの組付方法であって、
前記第1配索材が前記取外方向に沿って配置され、かつ、前記ベース部材の前記幅方向において一対の前記案内溝部の間に第1コネクタを配置する工程と、
前記第2配索材が前記組付方向に沿って配置され、かつ、前記第2コネクタを第1コネクタに嵌合する工程と、
前記ベース部材を車体に取り付ける工程と、
前記幅方向に対向して配置される一対の溝挿通開口部を有する一対の前記案内溝部に一対の前記案内突出部をそれぞれ挿通し、かつ、上下方向において前記案内突出部をロック部に接触させて前記ロック部を退行状態とする工程と、
前記ベース部材に対して前記カバー部材を組み付ける組付方向に沿って移動する工程と、
前記組付方向において前記壁部と前記ロック部との間に設定された組付位置に前記カバー部材を移動させ、前記カバー開口部が前記ベース部材で閉塞され、前記組付方向において前記案内突出部における組付方向側端部に前記壁部が対向して前記カバー部材が前記組付方向に移動することを規制し、かつ、前記取外方向において前記案内突出部における取外方向側端部に前記ロック部が対向して前記カバー部材が前記取外方向に移動することを規制し、前記ベース部材に対して前記カバー部材が組み付けられる工程と、
を含むことを特徴とするワイヤハーネスの組付方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロテクタ、ワイヤハーネス、および、ワイヤハーネスの組付方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等の車両は、車内の各種機器を相互に接続するためのワイヤハーネスを有する。ワイヤハーネスの中には、ワイヤハーネスを構成する配索材を外部から保護するプロテクタを有するものがある。
【0003】
プロテクタは、配索材を収容する収容空間を有し、当該収容空間の内部に配索材を収容することで配索材を保護する。この種のプロテクタの中には、係合爪部を有するカバー部材と、当該係合爪部に係合する係合孔部を有するベース部材とを備えるものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
従来のプロテクタにおいて、係合爪部は、カバー部材に複数設けられ、かつ、係合孔部はベース部材に複数設けられる。各係合爪部は、弾性変形可能に形成される。そして、従来のプロテクタは、先ず、各係合孔部に各係合爪部をそれぞれ挿入する。その後、従来のプロテクタは、上下方向において、ベース部材にカバー部材を近接するよう移動することで、係合爪部を係合孔部に係止するとともに、ベース部材の開口部をカバー部材で閉塞し、ベース部材にカバー部材が組み付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のプロテクタは、係合孔部に係合爪部を挿入する作業と、ベース部材の開口部をカバー部材で閉塞する作業とを個別に行わなければならないため、組付作業が煩雑である問題があった。
【0007】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、ベース部材にカバー部材を取り付ける際の組付作業を容易にすることができるプロテクタ、ワイヤハーネス、および、ワイヤハーネスの組付方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、本発明に係るプロテクタは、ベース部材と、前記ベース部材に組み付けられるカバー部材と、を備え、前記ベース部材は、前記ベース部材に対して前記カバー部材を組み付ける組付方向に沿って延在し、かつ、前記組付方向と直交する幅方向の両側にそれぞれ配置された一対の案内溝部と、前記組付方向において、前記案内溝部の組付方向側端部に対向する壁部と、前記組付方向の反対方向である取外方向において、前記案内溝部の取外方向側端部に対向するロック部と、を備え、一対の前記案内溝部は、前記幅方向において対向する一対の溝挿通開口部を有し、前記カバー部材は、カバー開口部を有するカバー本体部と、前記カバー本体部の外面から突出して形成され、各前記溝挿通開口部を介して各前記案内溝部に挿通される一対の案内突出部を備え、各前記案内溝部に各前記案内突出部が挿通された状態において、前記ベース部材に対して前記組付方向へ沿って移動可能であり、前記組付方向において前記壁部と前記ロック部との間に設定された組付位置に移動した場合には前記カバー開口部が前記ベース部材で閉塞され、前記壁部は、前記組付位置に前記カバー部材が移動した場合には、前記組付方向において前記案内突出部の前記組付方向側端部に対向して前記カバー部材が前記組付方向に移動することを規制し、前記ロック部は、弾性変形可能に形成され、前記案内溝部に前記案内突出部が挿通されて前記カバー部材が前記組付方向に沿って移動している間は、前記上下方向において前記案内突出部に接触することで退行状態となる一方、前記組付位置へ前記カバー部材が移動した状態では、前記上下方向において前記案内突出部に対して非接触となることで進出状態となり、前記組付位置に前記カバー部材が移動した場合には、進出状態となり、前記取外方向において前記案内突出部の前記取外方向側端部に対向して前記カバー部材が前記取外方向に移動することを規制する、ことを特徴とする。
【0009】
上記の課題を解決するため、本発明に係るワイヤハーネスは、導電性の第1芯材を有する第1配索材と、導電性の第2芯材を有する第2配索材と、前記第1配索材の端末が挿入される第1コネクタと、前記第2配索材の端末が挿入され、前記第1コネクタと嵌合可能に構成される第2コネクタと、請求項1または2に記載のプロテクタと、を備え、前記第1コネクタおよび前記第2コネクタは、嵌合状態において、前記第1芯材と前記第2芯材とを電気的に接続し、前記ベース部材は、前記第1コネクタが設けられて前記幅方向の中央に位置するベース本体と、各前記案内溝部が設けられ、前記ベース本体に対して前記幅方向の両側に位置するベース両側部とを有し、一対の前記案内突出部は、前記カバー部材における前記幅方向の両側に配置され、前記カバー部材は、前記取外方向側端部に前記第1配索材を挿通させる第1挿通開口部を有する一方、前記組付方向側端部に前記第2配索材を挿通させる第2挿通開口部を有し、前記第1配索材は、前記取外方向に沿って前記ベース本体に配置され、前記第2配索材は、前記組付方向に沿って前記ベース本体に配置され、前記第2コネクタが前記第1コネクタに嵌合された状態において、一対の前記案内溝部の間に前記第1配索材および前記第2配索材が配置される配索領域が形成される、ことを特徴とする。
【0010】
上記の課題を解決するため、本発明に係るワイヤハーネスの組付方法は、カバー部材を組み付ける組付方向に沿って延在し、かつ、前記組付方向と直交する幅方向の両側にそれぞれ配置される一対の案内溝部、当該案内溝部における組付方向側端部に対して前記組付方向に対向する壁部、および、各前記案内溝部における取外方向側端部に対して、前記組付方向の反対方向である取外方向に対向するロック部を有するベース部材、ならびに、前記ベース部材に組み付けられ、カバー開口部が形成されたカバー本体部と、各前記案内溝部に挿通される案内突出部と、を有するカバー部材を備えるプロテクタと、導電性の第1芯材を有する第1配索材と、導電性の第2芯材を有する第2配索材と、前記第1配索材の端末が挿入される第1コネクタと、前記第2配索材の端末が挿入され、前記第1コネクタと嵌合可能に構成される第2コネクタと、を備えるワイヤハーネスの組付方法であって、前記第1配索材が前記取外方向に沿って配置され、かつ、前記ベース部材の前記幅方向において一対の前記案内溝部の間に第1コネクタを配置する工程と、前記第2配索材が前記組付方向に沿って配置され、かつ、前記第2コネクタを第1コネクタに嵌合する工程と、前記ベース部材を車体に取り付ける工程と、前記幅方向に対向して配置される一対の溝挿通開口部を有する一対の前記案内溝部に一対の前記案内突出部をそれぞれ挿通し、かつ、前記上下方向において前記案内突出部をロック部に接触させて前記ロック部を退行状態とする工程と、前記ベース部材に対して前記カバー部材を組み付ける組付方向に沿って移動する工程と、前記組付方向において前記壁部と前記ロック部との間に設定された組付位置に前記カバー部材を移動させ、前記カバー開口部が前記ベース部材で閉塞され、前記組付方向において前記案内突出部における組付方向側端部に前記壁部が対向して前記カバー部材が前記組付方向に移動することを規制し、かつ、前記取外方向において前記案内突出部における取外方向側端部に前記ロック部が対向して前記カバー部材が前記取外方向に移動することを規制し、前記ベース部材に対して前記カバー部材が組み付けられる工程と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本実施形態に係るプロテクタ、ワイヤハーネス、および、ワイヤハーネスの組付方法は、上記構成を有するため、ベース部材にカバー部材を取り付ける際の組付作業を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本実施形態に係るプロテクタを有するワイヤハーネスの斜視図である。
【
図2】
図2は、プロテクタが備えるベース部材の平面図である。
【
図3】
図3は、本実施形態に係るワイヤハーネスの斜視図である。
【
図6】
図6は、ワイヤハーネスが備える第1コネクタの斜視図である。
【
図7】
図7は、組付方向において、案内溝部に案内突出部が対向した状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明に係るプロテクタ、ワイヤハーネス、および、ワイヤハーネスの製造方法の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるものあるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0014】
図1は、本実施形態に係るプロテクタ1を有するワイヤハーネスWH1の斜視図である。
図2は、プロテクタ1が備えるベース部材2の平面図である。
図3は、本実施形態に係るワイヤハーネスWH1の斜視図である。
図4は、
図1の矢視A-A線における断面図である。
図5は、
図1の矢視B-B線における断面図である。
図6は、ワイヤハーネスWH1が備える第1コネクタ11の斜視図である。
図7は、組付方向X1において、案内溝部22a、23aに案内突出部37、38が対向した状態を示す斜視図である。
【0015】
以下の説明において、X1は、本実施形態に係るプロテクタ1、ワイヤハーネスWH1、および、ワイヤハーネスWH1の製造方法の組付方向である。X2は、組付方向X1の反対方向である取外方向である。そして、Xは、組付方向X1および取外方向X2を含む着脱方向である。また、Yは、本実施形態に係るプロテクタ1、ワイヤハーネスWH1、および、ワイヤハーネスWH1の製造方法において、組付方向X1および取外方向X2に直交する幅方向Yである。さらに、Zは、本実施形態に係るプロテクタ1、ワイヤハーネスWH1、および、ワイヤハーネスWH1の製造方法において、着脱方向Xおよび幅方向Yに直交する上下方向である。加えて、Z1は、上下方向Zにおける上方向である。さらに、Z2は、上下方向Zにおける下方向である。本実施形態に係るプロテクタ1は、着脱方向Xと幅方向Yと上下方向Zとが相互に直交する。
【0016】
[実施形態]
図1に示す本実施形態に係るプロテクタ1は、自動車等の車両に搭載されるワイヤハーネスWH1に組み込まれ、配索材Wを保護するものである。ワイヤハーネスWH1は、例えば、車両に搭載される各機器間の接続のために、電源供給や信号通信に用いられる複数の配索材Wを束にして集合部品とし、コネクタ等で複数の配索材Wを各機器に接続するものである。
【0017】
本実施形態に係るワイヤハーネスWH1は、導電性の第1芯材Wa1を有する第1配索材W1と、導電性の第2芯材Wa2を有する第2配索材W2と、第1配索材W1の端末が挿入される第1コネクタ11と、第2配索材W2の端末が挿入される第2コネクタ12と、第1配索材W1および第2配索材W2を外部から保護するプロテクタ1とを備える。第1配索材W1および第2配索材W2は、例えば、電線によって構成される。電線は、例えば、複数の導電性を有する金属素線からなる導体部である芯材Wa1、Wa2の外側を、絶縁性を有する被覆部Wb1、Wb2によって覆ったものである(
図1参照)。なお、ワイヤハーネスWH1は、この他、さらに、電気接続箱、グロメット、固定具等を含んで構成されてもよい。以下、各図を参照してプロテクタ1の構成について詳細に説明する。
【0018】
第1コネクタ11は、例えば、絶縁性の合成樹脂によって形成され、
図3に示すように、上下方向Zにおける上部に複数の第1キャビティ11aが形成される。各第1キャビティ11aには、第1配索材W1の端末が挿入される。また、第1コネクタ11は、上下方向Zにおける下部に、コネクタ係合凹部11bを有する。さらに、第1コネクタ11は、組付方向X1側の端部に第2コネクタ12を挿入可能なコネクタ嵌合凹部11cが形成される。
【0019】
第2コネクタ12は、例えば、絶縁性の合成樹脂によって形成され、上下方向Zにおける上部に複数の第2キャビテビィが形成される。各第2キャビティには、第2配索材W2の端末が挿入される。また、第2コネクタ12は、取外方向X2側の端部に第1コネクタ11のコネクタ嵌合凹部11cに挿入されるコネクタ嵌合凸部12bが形成される。
【0020】
プロテクタ1は、絶縁性を有する合成樹脂材料によって形成され、例えば、車両の後部座席における搭乗者の足元の後方側に配置される。本実施形態に係るプロテクタ1は、ベース部材2と、当該ベース部材2に組み付けられるカバー部材3とを備える。
【0021】
ベース部材2は、上下方向Zから視た場合、
図2に示すように、幅方向Yの中央に位置するベース本体21と、幅方向Yの両側に位置する一対のベース両側部22、23と、ベース両側部22、23における取外方向X2の端部から、取外方向X2へ向けて突出する一対のベース凸部24、25と、を有する。
【0022】
ベース本体21は、矩形平板状に形成され、第1コネクタ11を取り付けるコネクタ取付部21aが上面側に設けられる(
図3参照)。コネクタ取付部21aは、ベース本体21の幅方向Yの中央に設けられる。そして、コネクタ取付部21aには、第1コネクタ11のコネクタ係合凹部11bに係合するコネクタ爪部211が設けられる。
【0023】
ベース部材2は、ベース両側部22、23に位置する一対の案内溝部22a、23aと、ベース両側部22、23の組付方向X1側の端部に位置する一対の第1壁部(壁部)22b、23bと、を有する。一対の案内溝部22a、23aは、組付方向X1に沿って延在し、かつ、幅方向Yの両側にそれぞれ配置される。つまり、ベース部材2は、組付方向X1に沿って延在し、かつ、幅方向Yの両側にそれぞれ位置する一対の案内溝部22a、23aを備える。本実施形態に係るプロテクタ1は、幅方向Yの中央に位置し、着脱方向Xに沿って延在する中央線に対して線対称に形成される。そこで、以下の説明において、幅方向Yにおける一方側の構成について説明し、幅方向Yにおける他方側の構成は、符号にカッコをつけて説明を省略する。
【0024】
各案内溝部22a(23a)、
図4に示すように、上下方向Zに延在する溝側壁22a1(23a1)と、溝側壁22a1(23a1)の上端から幅方向Yの内側へ向けて延在する溝天壁22a2(23a2)と、溝側壁22a1(23a1)の下端から幅方向Yの内側へ向けて延在する溝底壁22a3(23a3)と、を有する。そして、各案内溝部22a(23a)は、溝側壁22a1(23a1)と溝天壁22a2(23a2)と溝底壁22a3(23a3)とによって、溝空間(22s)23sが形成される。また、一対の案内溝部22a、23aは、幅方向Yにおいて対向する溝挿通開口部22o1、23o1をそれぞれ有するとともに、取外方向側端部22a4、23a4に、溝挿入開口部22o2、23o2をそれぞれ有する(
図3参照)。
【0025】
溝挿通開口部22o1(23o1)は、
図4に示すように、溝天壁22a2(23a2)における幅方向Yの内側に位置する端部と、当該端部に対して幅方向Yに対向する溝底壁22a3(23a3)とによって形成される。後述する組付位置41にカバー部材3が配置された状態では、カバー部材3の案内突出部37、38は、上下方向Zにおいて溝天壁22a2(23a2)と溝底壁22a3(23a3)とによって挟持される。そのため、組付位置41にカバー部材3が配置された状態では、一対の案内溝部22a、23aに一対の案内突出部37、38が嵌り、ベース部材2に対してカバー部材3が上下方向Zへ移動することが規制される。
【0026】
溝挿入開口部22o2(23o2)は、
図3に示すように、溝天壁22a2(23a2)における取外方向X2側の端部と、当該端部に対して上下方向Zに対向する溝底壁22a3(23a3)と、当該端部と溝底壁22a3(23a3)とを連結する溝側壁22a1(23a1)とによって形成される。
【0027】
第1壁部(壁部)22b(23b)は、組付方向X1において、案内溝部22a(23a)における組付方向側の端部(組付方向側端部)22a5(23a5)に対向する。つまり、ベース部材2は、組付方向X1において、案内溝部22a(23a)における組付方向側端部22a5(23a5)に対向する第1壁部(壁部)22b(23b)を備える。
【0028】
ベース部材2は、さらに、幅方向Yにおいて一対の第1壁部22b、23bを連結する第1連結壁部21bと、幅方向Yにおいて溝側壁22a1、23a1にそれぞれ対向する第2壁部22c、23cを有する。
【0029】
第1連結壁部21bは、ベース本体21の上面に設けられる。そして、第1連結壁部21b、および、一対の第1壁部22b、23bは、幅方向Yに沿って連続し、かつ、直線状に配置される。
【0030】
第2壁部22c(23c)は、着脱方向Xに沿って延在し、直線状に配置される。また、第2壁部22c(23c)は、溝側壁22a1(23a1)に対して平行に配置される。そして、ベース両側部22(23)は、後述する組付位置41にカバー部材3が配置された状態において、第2壁部22c(23c)と溝側壁22a1(23a1)との間に、カバー部材3における案内突出部37(38)が配置される。
【0031】
各ベース凸部24(25)は、ロック部26(27)をそれぞれ有する。ロック部26(27)は、取外方向X2において、案内溝部22a(23a)の取外方向側端部に対向する。各ロック部26(27)は、ロックベース部26a(27a)と、一対のロック対向壁26b1、26b2(27b1、27b2)と、ロック連結壁26c(27c)とを有する。
【0032】
ロックベース部26a(27a)は、矩形平板状に形成される。一対のロック対向壁26b1、26b2(27b1、27b2)は、ロックベース部26a(27a)の上面に設けられる。そして、一対のロック対向壁26b1、26b2(27b1、27b2、)のうち、一方の対向壁26b1(27b1)と、他方の対向壁26b2(27b2)とが幅方向Yに対して対向する。各ロック対向壁26b1、26b2(27b1、27b2)は、三角形状に形成され、組付方向X1側の高さが最も高く、取外方向X2側へ行くに従って高さが徐々に低くなる。各ロック連結壁26c(27c)は、ロック対向壁26b1、26b2(27b1、27b2)における組付方向X1側の端部を連結する。そして、ロック連結壁26c(27c)の上端部26u(27u)が、各ロック部26(27)において、最も上方に位置する。
【0033】
各ロック部26(27)は、上下方向Zから視た場合、四方のうちの三方に切欠き26d(27d)が配置され、かつ、残りの一方にベース凸部24(25)に連結されるロック連結部26e(27e)が設けられる。より具体的に説明すると、上下方向Zから視た場合、取外方向X2側に、ベース凸部24(25)に対して連結されるロック連結部26e(27e)が設けられる。一方、上下方向Zから視た場合、組付方向X1側と、幅方向Y両側とに切欠き26d(27d)が設けられる。上記のようにロック部26(27)がベース凸部24(25)に設けられることで、ロック連結部26e(27e)が弾性変形し、ロック部26(27)は、上端部26u(27u)が上方へ向けて進出する進出状態(
図5において実線で示す)と、上端部26u(27u)が進出状態から下方へ向けて退行する退行状態(
図5において仮想線で示す)とに変形する。
【0034】
進出状態にあるロック部26(27)は、
図5に示すように、取外方向X2において、案内溝部22a(23a)における取外方向側の端部(取外方向側端部)22a4(23a4)に対向する。つまり、ベース部材2は、取外方向X2において、各案内溝部22a(23a)における取外方向側の端部(取外方向側端部)22a4(23a4)に対向する一対のロック部26、27を備える。
【0035】
図2に示す各ベース凸部24(25)は、さらに、幅方向Yにおいて対向する一対のベース対向壁24a1、24a2(25a1、25a2)と、幅方向Yにおいて一対のベース対向壁24a1、24a2(25a1、25a2)を連結するベース連結壁24b(25b)とを有する。
【0036】
一対のベース対向壁24a1、24a2(25a1、25a2)のうち、幅方向Yの外側に位置する外側ベース対向壁24a1(25a1)は、上述した溝側部22a1(23a)に連続して形成され、取外方向X2に延在する。そして、外側ベース対向壁24a1(25a1)および溝側部22a1(23a)は、着脱方向Xに沿って直線状に配置される。
【0037】
一対のベース対向壁24a1、24a2(25a1、25a2)のうち、幅方向Yの内側に位置する内側ベース対向壁24a2(25a2)は、上述した第2壁部22c(23c)に連続して形成され、取外方向X2に延在する。そして、内側ベース対向壁24a2(25a2)および第2壁部22c(23c)は、着脱方向Xに沿って直線状に配置される。
【0038】
その上、幅方向Yにおける一対のベース対向壁24a1、24a2(25a1、25a2)の幅は、カバー部材3におけるカバー両側部32、33の幅よりも広い。この構成により、ベース部材2は、一対のベース対向壁24a1、24a2(25a1、25a2)の間におけるベース連結壁24b、25bの上面に、カバー両側部32(33)の下端部を載置することが可能である。そして、
図2に示すように、一対のベース対向壁24a1、24a2(25a1、25a2)と、ベース連結壁24b(25b)とによって、幅方向Yにおいて、ベース部材2に対するカバー部材3の載置位置42を決定する位置決め部28が構成される。載置位置42は、幅方向Yにおいて、組付位置41に対して隣接して設けられる。
【0039】
カバー部材3は、
図1に示すように、着脱方向Xの両端部、及び、上下方向Zの一方の端部(上下方向Zの下端部)が開口した樋形状に形成され、収容空間3sを有する。本実施形態に係るプロテクタ1は、カバー部材3が組付位置41に配置された状態では、カバー部材3の収容空間3sに、第1コネクタ11、第2コネクタ12、第1配索材W1、および、第2配索材W2が収容される。つまり、プロテクタ1は、カバー部材3の収容空間3sに、第1コネクタ11、第2コネクタ12、第1配索材W1、および、第2配索材W2が収容される。
【0040】
カバー部材3は、
図4に示すように、カバー本体部30と、カバー本体部30の外面30oから突出する一対の案内突出部37、38とを有する。カバー本体部30は、幅方向Yの両側に位置、かつ、対向する一対のカバー両側部32、33と、一対のカバー両側部32、33の間に位置するカバー中央部31とを有する。
【0041】
カバー部材3は、着脱方向Xの両端にカバー挿通開口部34を有し(
図1参照)、上下方向Zの一方の端部(より具体的には、上下方向Zにおける下端部)にカバー開閉開口部(カバー開口部)36を有する(
図7、
図8参照)。
【0042】
カバー挿通開口部34は、第1配索材W1および第2配索材W2を外部から収容空間3sに挿通させる開口部である。カバー挿通開口部34は、カバー部材3の取外方向側端部において第1配索材W1を挿通させる第1カバー挿通開口部34aと、カバー部材3の組付方向側端部において第2配索材W2を挿通させる第2カバー挿通開口部34bとを含む。つまり、カバー部材3は、取外方向側端部に第1配索材W1を挿通させる第1カバー挿通開口部34aを有し、組付方向側端部に第2配索材W2を挿通させる第2カバー挿通開口部34bを有する。第1カバー挿通開口部34aおよび第2カバー挿通開口部34bは、幅方向Y、及び、上下方向Zに沿って開口する。
【0043】
図4に示すカバー開閉開口部36は、収容空間3sを外部に対して開放させる開口部であり、ベース部材2によって閉塞される開口部である。本実施形態に係るカバー開閉開口部36は、ベース部材2に第1コネクタ11を取り付け、かつ、当該第1コネクタ11に第2コネクタ12を嵌合させた後にベース部材2によって閉塞される。カバー開閉開口部36は、ベース部材2における上下方向Zの一方の端部(上下方向Zの下端部)に位置し、上下方向Zにおいて、カバー中央部31が形成される側とは反対側に形成される。
【0044】
カバー部材3は、カバー本体部30の外面30oから突出して形成され、各案内溝部22a、23aに挿入される一対の案内突出部37,38を備える。つまり、カバー部材3は、カバー本体部30の外面30oから突出して形成され、各案内溝部22a、23aに挿入される一対の案内突出部37,38を備える。そして、カバー部材3は、各案内溝部22a、23aに各案内突出部37,38が挿入された状態では、ベース部材2に対して組付方向X1へ沿ってスライド移動可能である。
【0045】
一対の案内突出部37,38は、カバー本体部30の外面30oから幅方向Yにおいて互いに離隔し、かつ、着脱方向Xへ延在するように形成される。本実施形態に係る各案内突出部37,38は、カバー両側部32、33における着脱方向Xの全域に設けられる。各案内突出部37、38は、組付方向X1側に、組付方向側端部37a、38aを有し、取外方向X2側に、取外方向側端部37b、38bを有する。本実施形態に係る一対の案内突出部37,38は、カバー部材3の外面30oから突出して形成されるため、本実施形態に係るプロテクタ1は、案内突出部37,38がリブとして機能し、案内突出部37,38によってカバー部材3の強度を向上することができる。また、カバー部材3は、
図4に示すように、当該カバー部材3の内面30iから収容空間3sへ向けて突出する複数のリブ39が設けられる。
【0046】
次に、本実施形態に係るワイヤハーネスWH1の組付方法について説明する。作業員は、先ず、第1配索材W1を取外方向X2に沿って配置し、かつ、ベース部材2のコネクタ取付部21aに第1コネクタ11を取り付ける。つまり、作業員は、第1配索材W1を取外方向X2に沿って配置し、かつ、ベース部材2の幅方向Yにおいて一対の案内溝部22a、23aの間に第1コネクタ11を配置する。
【0047】
次に、作業員は、第2配索材W2を組付方向X1に沿って配置し、かつ、第2コネクタ12を第1コネクタ11に嵌合する。つまり、作業員は、第2配索材W2を組付方向X1に沿って配置し、かつ、第2コネクタ12を第1コネクタ11に嵌合する。第2コネクタ12が第1コネクタ11に嵌合された状態では、ベース部材2は、当該ベース部材2の上面に、一対の案内溝部22a、23aの間に第1配索材W1および第2配索材W2が配置される配索領域40が形成される。
【0048】
次いで、作業員は、ベース部材2を車体に取り付ける。
【0049】
次に、作業員は、幅方向Yに対向して配置される一対の溝挿通開口部22o1、23o1を有する一対の案内溝部22a、23aに一対の案内突出部37、38をそれぞれ挿通する。これにより、上下方向Zにおいて案内突出部37、38がロック部26、27と接触し、ロック部26、27が退行状態となる。
【0050】
次いで、作業員は、ベース部材2に対してカバー部材3を組み付ける組付方向X1に沿って移動する。このとき、ロック部26、27は、上下方向Zにおいて案内突出部37、38が接触したままであり、退行状態が維持される。
【0051】
次に、作業員は、組付位置41にカバー部材3を移動させる。すると、カバー開閉開口部(カバー開口部)36がベース部材2で閉塞される。このとき、ロック部26、27は、上下方向Zにおいて案内突出部37、38に対して非接触となり、退行状態から進出状態となる。また、同時に、組付方向X1において案内突出部37、38における組付方向側端部37a、38aに第1壁部22b、23bが対向してカバー部材3が組付方向X1に移動することが規制される。さらに同時に、取外方向X2おいて案内突出部37、38における取外方向側端部37b、38bにロック部26、27が対向してカバー部材3が取外方向X2に移動することが規制され、ベース部材2に対してカバー部材3を組み付けられる。
【0052】
本実施形態に係るプロテクタ1は、以下の構成を有する。プロテクタ1は、ベース部材2とカバー部材3とを備える。ベース部材2は、ベース部材2に対してカバー部材3を組み付ける組付方向X1に沿って延在し、かつ、組付方向X1と直交する幅方向Yの両側にそれぞれ配置された一対の案内溝部22a、23aと、組付方向X1において、案内溝部22a、23aの組付方向側端部22a5、23a5に対向する壁部22b、23bと、組付方向X1の反対方向である取外方向X2において、案内溝部22a、23aの取外方向側端部22a4、23a4に対向するロック部26、27と、を備える。そのため、本実施形態に係るプロテクタ1によれば、ベース部材2に対してカバー部材3を組付方向X1へスライド移動させることで、ベース部材2に対するカバー部材3の係止作業と、カバー部材3のカバー開閉開口部(カバー開口部)36を閉塞する作業とを同時に行うことができる。その結果、本実施形態に係るプロテクタ1は、ベース部材2にカバー部材3を取り付ける際の組付作業を容易にすることができる。さらに、本実施形態に係るプロテクタ1は、カバー部材3が組付位置41に配置された状態では、幅方向Yにおいて対向する一対の溝挿通開口部22o1、23o1に案内突出部37、38が挿通されるため、ベース部材2に対してカバー部材3が上下方向Zへ移動することが規制される。その上、本実施形態に係る一対の案内突出部37、38は、カバー部材3の外面30oから突出して形成される。そのため、本実施形態に係るプロテクタ1は、案内突出部37、38がリブとして機能し、案内突出部37、38によってカバー部材3の強度を向上することができる。
【0053】
本実施形態に係るプロテクタ1は、以下の構成を有する。ロック部26、27は、カバー部材3が組付位置41に移動した状態では、取外方向X2におけるカバー部材3の外側に位置し、上方から視た場合にはカバー部材3から露出する。そのため、本実施形態に係るプロテクタ1によれば、ロック部26、27が進出状態にあるか、退行状態にあるかを作業者が容易に確認することができる。その結果、本実施形態に係るプロテクタ1は、ベース部材2に対してカバー部材3が確実に組み付けられているか否かの確認を容易に行うことができる。
【0054】
本実施形態に係るワイヤハーネスWH1は、以下の構成を有する。ベース部材2は、第1コネクタ11が設けられて幅方向Yの中央に位置するベース本体21と、各案内溝部22a、23aが設けられ、ベース本体21に対して幅方向Yの両側に位置するベース両側部22、23とを有し、第2コネクタ12が第1コネクタ11に嵌合された状態において、一対の案内溝部22a、23aの間に第1配索材W1および第2配索材W2が配置される配索領域40が形成される。そのため、本実施形態に係るワイヤハーネスWH1によれば、ベース部材2に第1コネクタ11が設けられ、かつ、第2コネクタ12が第1コネクタ11に嵌合されて第1芯材Wa1と第2芯材Wa2とが電気的に接続された状態であっても、ベース部材2に対してカバー部材3を組付方向X1へ移動させれば、ベース部材2にカバー部材3を組み付けることができる。
【0055】
本実施形態に係るワイヤハーネスWH1の組付方法は、以下の工程を含む。幅方向Yに対向して配置される一対の溝挿通開口部22o1、23o1を有する一対の案内溝部22a、23aに一対の案内突出部37、38をそれぞれ挿通し、かつ、案内突出部37、38をロック部26、27に接触させてロック部26、27を退行状態とする工程。ベース部材2に対してカバー部材3を組み付ける組付方向X1に沿って移動する工程。組付方向X1において壁部22b、23bとロック部26、27との間に設定された組付位置41にカバー部材3を移動させ、組付方向X1において案内突出部37、38における組付方向側端部37a、38aに対して壁部22b、23bが対向してカバー部材3が組付方向X1に移動することを規制し、かつ、取外方向X2において案内突出部37、38における取外方向側端部37b、38bに対してロック部26、27が対向してカバー部材3が取外方向X2に移動することを規制し、ベース部材2に対してカバー部材3が組み付けられる工程。そのため、本実施形態に係るワイヤハーネスWH1の組付方法によれば、ベース部材2に対してカバー部材3を組付方向X1へスライド移動させることで、ベース部材2に対するカバー部材3の係止作業と、カバー部材3のカバー開閉開口部(カバー開口部)36を閉塞する作業とを同時に行うことができる。その結果、本実施形態に係るワイヤハーネスWH1の組付方法によれば、ベース部材2にカバー部材3を取り付ける際の組付作業を容易にすることができる。その上、本実施形態に係るワイヤハーネスWH1の組付方法によれば、ベース部材2に第1コネクタ11が設けられ、かつ、第1コネクタ11に第2コネクタ12が嵌合されて、第1芯材Wa1と第2芯材Wa2とが電気的に接続された状態であっても、ベース部材2に対してカバー部材3を組付方向X1へ移動させれば、ベース部材2にカバー部材3を組み付けることができる。
【0056】
なお、上述した実施形態のプロテクタ1、ワイヤハーネスWH1は、幅方向Yにおいて第1壁部22bと第1壁部23bとの間に、第1連結壁部21bを設けるものを説明した。しかし、本実施形態に係るプロテクタ1、ワイヤハーネスWH1は、それに限られず、幅方向Yにおいて第1壁部22bと第1壁部23bとの間に、第1連結壁部21bを必ず設ける必要はない。
【符号の説明】
【0057】
1 プロテクタ
11 第1コネクタ
12 第2コネクタ
2 ベース部材
21 ベース本体
22、23 ベース両側部
22a、23a 案内溝部
22b、23b 第1壁部(壁部)
22o1、23o1 溝挿通開口部
26、27 ロック部
3 カバー部材
34a 第1カバー挿通開口部
34b 第2カバー挿通開口部
37、38 案内突出部
37a、38a 組付方向側端部
37b、38b 取外方向側端部
3s 収容空間
40 配索領域
41 組付位置
W1 第1配索材
Wa1 第1芯材
W2 第2配索材
Wa2 第1芯材
WH1 ワイヤハーネス
X1 組付方向
X2 取外方向
Y 幅方向