(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022175258
(43)【公開日】2022-11-25
(54)【発明の名称】情報処理装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
H04W 76/10 20180101AFI20221117BHJP
【FI】
H04W76/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021081506
(22)【出願日】2021-05-13
(71)【出願人】
【識別番号】518133201
【氏名又は名称】富士通クライアントコンピューティング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002918
【氏名又は名称】弁理士法人扶桑国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】嶋崎 由恵
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA34
5K067BB04
5K067DD11
5K067EE02
5K067EE10
5K067GG01
(57)【要約】
【課題】利便性および操作性の向上を図る。
【解決手段】情報処理装置1は、通信部1aと運用部1bを備え、通信部1aは制御部1a1(第1の制御部)を含み、運用部1bは制御部1b1(第2の制御部)を含む。制御部1a1は、設定情報にもとづいて他装置と通信を行い、書き換え指示信号を受信した場合は、設定情報に含まれる情報であって保守用の管理画面にアクセス可とするアクセス情報の書き換えを行って、設定情報を書き換え状態にする。制御部1b1は、ユーザ操作にもとづいて書き換え指示信号を通信部1aに送信し、かつ書き換え後のアクセス情報を表示する。情報処理装置1に保守用の管理画面を表示させて設定情報の管理を行う場合、管理画面を表示させるためのアクセス情報をユーザが失念した場合であっても、ユーザ操作によって、情報処理装置1がアクセス情報を書き換え、また書き換え後の新たなアクセス情報を表示させることができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
設定情報にもとづいて他装置と通信を行い、書き換え指示信号を受信した場合は、前記設定情報に含まれる情報であって保守用の管理画面にアクセス可とするアクセス情報の書き換えを行って、前記設定情報を書き換え状態にする第1の制御部を含む通信部と、
ユーザ操作にもとづいて前記書き換え指示信号を前記通信部に送信し、かつ書き換え後の前記アクセス情報を表示する第2の制御部を含む運用部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記第2の制御部は、
前記ユーザ操作にもとづき前記設定情報の変更指示を検出した場合、前記設定情報を前記書き換え状態またはリセット状態に選択するかの選択肢を表示し、
前記書き換え状態が選択された場合、前記書き換え指示信号を前記通信部に送信し、かつ書き換え後の前記アクセス情報を表示し、
前記リセット状態が選択された場合、リセット指示信号を前記通信部に送信し、
前記第1の制御部は、
前記書き換え指示信号を受信した場合は、前記アクセス情報を書き換えて前記設定情報を前記書き換え状態にし、
前記リセット指示信号を受信した場合は、前記設定情報のリセットを行って前記設定情報を前記リセット状態にする、
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第1の制御部は、前記設定情報を前記書き換え状態にする場合は、前記設定情報のうちの前記アクセス情報のみを書き換え、前記設定情報のうちの前記アクセス情報以外の情報は前記変更指示が検出される前の状態に維持し、前記設定情報を前記リセット状態にする場合は、前記設定情報を工場出荷時の状態にする請求項2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記アクセス情報は、前記通信部のネットワークアドレスであり、
前記第2の制御部は、前記書き換え状態が選択された場合、前記通信部の物理アドレスに対応する新ネットワークアドレスを外部装置から取得して、前記新ネットワークアドレスを表示し、
前記第1の制御部は、前記書き換え指示信号を受信した場合、前記変更指示が行われる前の旧ネットワークアドレスを、前記外部装置から取得した前記新ネットワークアドレスに書き換える、
請求項2記載の情報処理装置。
【請求項5】
第1のコンピュータに対して、
設定情報にもとづいて他装置と通信を行い、書き換え指示信号を受信した場合は、前記設定情報に含まれる情報であって保守用の管理画面にアクセス可とするアクセス情報の書き換えを行って、前記設定情報を書き換え状態にする処理を実行させ、
第2のコンピュータに対して、
ユーザ操作にもとづいて前記書き換え指示信号を前記第1のコンピュータに送信し、かつ書き換え後の前記アクセス情報を表示する処理を実行させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
エッジコンピューティングシステムは、各フィールド(学校、社会インフラ等)に位置する無線端末から取得したデータをエッジ拠点に配置されたエッジサーバで処理し、処理結果をクラウドやサービス利用者側のフィールド等に提供するシステムである。
【0003】
エッジサーバでデータを処理することで、ネットワークを経由したクラウドへのデータ転送を節約できるので、データ処理のリアルタイム性を確保でき、また通信量削減によるコスト低減等が可能になる。
【0004】
一方、エッジサーバをネットワーク環境に導入する場合、エッジサーバの各種設定やソフトウェアのインストール等を行って、導入すべきネットワーク環境に対して最適な業務状態で使用可能にするためのセットアップ作業(キッティング:kitting)が行われる。
【0005】
関連技術としては、例えば、ネットワークに接続されたプリンタを検出し、コピー元プリンタの引き継ぎ可能な設定値を、コピー先プリンタに書き込む技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
エッジサーバをネットワーク環境に導入する際に、セットアップ作業によって設定した各種の設定情報は、エッジサーバの保守用の管理画面を表示させて管理することができる。しかし、管理画面を表示させるためのアクセス情報をユーザが失念してしまうと管理画面を表示させることができない。この場合、従前では、エッジサーバのリセットボタンを押下して設定情報をリセットし、設定情報を再度設定し直すといったことが行われており、利便性および操作性が低いという問題がある。
1つの側面では、本発明は、利便性および操作性の向上を図った情報処理装置およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、情報処理装置が提供される。情報処理装置は、設定情報にもとづいて他装置と通信を行い、書き換え指示信号を受信した場合は、設定情報に含まれる情報であって保守用の管理画面にアクセス可とするアクセス情報の書き換えを行って、設定情報を書き換え状態にする第1の制御部を含む通信部と、ユーザ操作にもとづいて書き換え指示信号を通信部に送信し、かつ書き換え後のアクセス情報を表示する第2の制御部を含む運用部と、を有する。
また、上記課題を解決するために、コンピュータに上記情報処理装置と同様の制御を実行させるプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0009】
1側面によれば、利便性および操作性の向上が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】情報処理装置の一例を説明するための図である。
【
図2】情報処理システムの構成の一例を示す図である。
【
図3】エッジサーバの機能ブロックの一例を示す図である。
【
図4】エッジサーバのハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図5】エッジサーバの全体動作の一例を示すシーケンス図である。
【
図6】エッジサーバに対して半リセット状態が選択された場合の動作の一例を示すシーケンス図である。
【
図7】エッジサーバに対して工場リセット状態が選択された場合の動作の一例を示すシーケンス図である。
【
図9】半リセット状態が選択された場合のAP部設定情報の一例を示す図である。
【
図10】工場リセット状態が選択された場合のAP部設定情報の一例を示す図である。
【
図11】DHCPサーバのアドレス管理DBの構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本実施の形態について図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
図1は情報処理装置の一例を説明するための図である。情報処理装置1は、通信部1aと運用部1bを備え、通信部1aは制御部1a1(第1の制御部)を含み、運用部1bは制御部1b1(第2の制御部)を含む。
【0012】
制御部1a1は、設定情報にもとづいて他装置(無線端末等)と通信を行い、書き換え指示信号を受信した場合は、設定情報に含まれる情報であって保守用の管理画面にアクセス可とするアクセス情報の書き換えを行って、設定情報を書き換え状態にする。
【0013】
制御部1b1は、ユーザ操作にもとづいて書き換え指示信号を通信部1aに送信し、かつ書き換え後のアクセス情報を表示する。なお、制御部1a1、1b1の機能は、例えば、情報処理装置1が備える図示しないプロセッサが、所定のプログラムを実行することによって実現する。
【0014】
動作の流れについて説明する。
〔ステップS1〕制御部1b1は、通信部1aの設定情報を書き換えるためのユーザ操作を検出する。
〔ステップS2〕制御部1b1は、アクセス情報の書き換え指示を認識した場合、書き換え指示信号を通信部1aに送信する。
【0015】
〔ステップS3〕制御部1a1は、書き換え指示信号を受信すると、アクセス情報の書き換えを行って、アクセス情報を書き換え状態にする。
なお、アクセス情報は、管理画面にアクセスして表示することができる情報であり、また、アクセス情報自身が設定情報に含まれるものである。アクセス情報としては例えば、通信部1aのネットワークアドレス(例えば、IP(Internet Protocol)アドレス)を使用することができる。
【0016】
例えば、“http://アクセス情報”によって管理画面にアクセスして表示することができる。したがって、通信部1aのIPアドレスを192.168.100.20とした場合、http://192.168.100.20で管理画面にアクセスできる。
〔ステップS4〕制御部1b1は、書き換え後のアクセス情報を表示する。
【0017】
このように、情報処理装置1では、ユーザ操作にもとづき、設定情報に含まれて保守用の管理画面にアクセス可とするアクセス情報の書き換えを行って、設定情報を書き換え状態にし、書き換えが行われた後のアクセス情報を表示する構成とした。
【0018】
これにより、情報処理装置1に保守用の管理画面を表示させて設定情報の管理を行う場合、管理画面を表示させるためのアクセス情報をユーザが失念した場合であっても、ユーザ操作によって、情報処理装置1がアクセス情報を書き換え、また書き換え後の新たなアクセス情報を表示させることができる。
【0019】
したがって、ユーザは、新たなアクセス情報によって管理画面を表示させて設定情報を確認することができるので、従前のような設定情報の再設定を行う等の作業が不要となり、利便性および操作性の向上を図ることが可能になる。
[第2の実施の形態]
次に本発明の機能をエッジコンピューティングに適用した場合の第2の実施の形態について以降詳しく説明する。
【0020】
<システム構成>
図2は情報処理システムの構成の一例を示す図である。情報処理システム1-1は、エッジサーバ10、無線端末20、WSUS(Windows Server Update Services)サーバ30およびDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)サーバ40を備える。
【0021】
エッジサーバ10、WSUSサーバ30およびDHCPサーバ40は、LAN(Local Area Network)を介して接続される。エッジサーバ10と無線端末20は、無線を介して接続される。
【0022】
エッジサーバ10は、
図1の情報処理装置1の機能を有し、システムの運用管理を行うサーバ型のエッジコンピュータである。無線端末20は、例えば、業務で使われるブラウザを搭載したタブレット端末である。
【0023】
WSUSサーバ30は、Windows(登録商標)のOS(Operating System)の更新プログラムを配布するサーバであり、エッジサーバ10を介して、更新プログラムを無線端末20に配布する。DHCPサーバ40は、IPアドレスを発行するサーバであり、IPアドレスをエッジサーバ10や無線端末20に発行する。
【0024】
<機能ブロック>
図3はエッジサーバの機能ブロックの一例を示す図である。エッジサーバ10は、AP(Access Point)部11およびPC(Personal Computer)部12を有する。AP部11は、制御部11aと記憶部11bを有し、制御部11aは、設定情報変更部11a1およびアクセス情報変更要求部11a2を含む。PC部12は、制御部12aと記憶部12bを有し、制御部12aは、変更指示検出部12a1、画面表示部12a2および設定情報変更指示部12a3を含む。
【0025】
なお、AP部11は
図1の通信部1aの機能を実現し、PC部12は
図1の運用部1bの機能を実現する。また、制御部11aは
図1の制御部1a1に対応し、制御部12aは
図1の制御部1b1に対応する。
【0026】
AP部11において、設定情報変更部11a1は、設定情報変更指示部12a3からの設定情報変更指示にもとづいて、AP部11の設定情報(アクセス情報)の変更を行う。アクセス情報変更要求部11a2は、アクセス情報の変更を行う場合にアクセス情報の変更要求を外部装置(DHCPサーバ40)に向けて送信する。記憶部11bは、AP部11の設定情報を記憶する。
【0027】
PC部12において、変更指示検出部12a1は、ユーザ操作にもとづく設定情報の変更指示(例えば、リセットボタンの押下)を検出する。画面表示部12a2は、設定情報を書き換え状態またはリセット状態に選択するかの選択肢の表示、設定情報の管理画面の表示および新たに取得したアクセス情報の表示等を行う。
【0028】
設定情報変更指示部12a3は、設定情報の変更指示をAP部11に送信し、アクセス情報の書き換え時はアクセス情報の照会指示を外部装置に送信する。記憶部12bは、PC部12の設定情報を記憶する。
【0029】
<ハードウェア構成>
図4はエッジサーバのハードウェア構成の一例を示す図である。エッジサーバ10は、プロセッサ(コンピュータ)100a、100bによって全体制御されている。プロセッサ100a、100bはそれぞれ、制御部11a、12aの機能を有する。
【0030】
プロセッサ100a、100bには、バス103を介して、メモリ101a、101b、入出力インタフェース102およびネットワークインタフェース104が接続されている。プロセッサ100a、100bは、マルチプロセッサであってもよい。プロセッサ100a、100bは、例えば、CPU(Central Processing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、またはPLD(Programmable Logic Device)である。またプロセッサ100a、100bは、CPU、FPGA、MPU、DSP、ASIC、PLDのうちの2以上の要素の組み合わせであってもよい。
【0031】
メモリ101a、101bそれぞれは、記憶部11b、12bの機能を有し、エッジサーバ10の主記憶装置として使用される。メモリ101a、101bには、プロセッサ100a、100bに実行させるOSのプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、メモリ101a、101bには、プロセッサ100a、100bによる処理に要する各種データが格納される。
【0032】
メモリ101a、101bは、エッジサーバ10の補助記憶装置としても使用され、OSのプログラム、アプリケーションプログラム、および各種データが格納される。メモリ101a、101bは、補助記憶装置として、フラッシュメモリやSSD(Solid State Drive)等の半導体記憶装置やHDD(Hard Disk Drive)等の磁気記録媒体を含んでもよい。
【0033】
バス103に接続されている周辺機器としては、入出力インタフェース102およびネットワークインタフェース104がある。入出力インタフェース102は、キーボードやマウス等の情報入力装置を接続可能であって、情報入力装置から送られてくる信号をプロセッサ100a、100bに送信する。また、入出力インタフェース102には、ディスプレイやスピーカが接続されて画像/音声情報を出力する。
【0034】
さらに、入出力インタフェース102は、周辺機器を接続するための通信インタフェースとしても機能する。例えば、入出力インタフェース102は、レーザ光等を利用して、光ディスクに記録されたデータの読み取りを行う光学ドライブ装置を接続することができる。光ディスクには、Blu-rayDisc(登録商標)、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD-R(Recordable)/RW(Rewritable)等がある。
【0035】
また、入出力インタフェース102は、メモリ装置やメモリリーダライタを接続することができる。メモリ装置は、入出力インタフェース102との通信機能を搭載した記録媒体である。メモリリーダライタは、メモリカードへのデータの書き込み、またはメモリカードからのデータの読み出しを行う装置である。メモリカードは、カード型の記録媒体である。
【0036】
ネットワークインタフェース104は、ネットワークに接続してネットワークインタフェース制御を行う。ネットワークインタフェース104は、例えば、NIC(Network Interface Card)、無線LAN(Local Area Network)カード等を使用することもできる。ネットワークインタフェース104で受信されたデータは、メモリ101a、101bやプロセッサ100a、100bに出力される。
【0037】
以上のようなハードウェア構成によって、エッジサーバ10の処理機能を実現することができる。例えば、エッジサーバ10は、プロセッサ100a、100bがそれぞれ所定のプログラムを実行することで本発明の処理を行うことができる。
【0038】
エッジサーバ10は、例えば、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムを実行することにより、本発明の処理機能を実現する。エッジサーバ10に実行させる処理内容を記述したプログラムは、様々な記録媒体に記録しておくことができる。
【0039】
例えば、エッジサーバ10に実行させるプログラムを補助記憶装置に格納しておくことができる。プロセッサ100a、100bは、補助記憶装置内のプログラムの少なくとも一部を主記憶装置にロードし、プログラムを実行する。
【0040】
また、光ディスク、メモリ装置、メモリカード等の可搬型記録媒体に記録しておくこともできる。可搬型記録媒体に格納されたプログラムは、例えば、プロセッサ100a、100bからの制御により、補助記憶装置にインストールされた後、実行可能となる。またプロセッサ100a、100bが、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み出して実行することもできる。
【0041】
<エッジサーバの全体動作>
図5はエッジサーバの全体動作の一例を示すシーケンス図である。なお、AP部11の設定情報を、以降ではAP部設定情報と呼ぶ(AP部設定情報の具体例については
図8で後述)。
〔ステップS11a〕AP部11に備えられているリセットボタンがユーザにより押下される。
〔ステップS11b〕PC部12は、リセットボタンが押下されることで、AP部設定情報の変更指示を検出する。
【0042】
〔ステップS12〕PC部12は、AP部設定情報の変更指示を検出すると、AP部設定情報を書き換え状態またはリセット状態のどちらに選択するかの選択肢を画面g1に表示する。
【0043】
なお、書き換え状態とは、AP部設定情報に含まれる情報であって、管理画面にアクセス可とするアクセス情報を書き換えた状態のことである。また、この場合、アクセス情報以外の情報は、AP部設定情報の変更指示の検出前の状態に維持される。以降の説明ではこのような書き換え状態を半リセット状態と呼ぶ。また、リセット状態とは、AP部設定情報をリセットした状態であり、例えば、工場出荷時の設定状態にしたものである。以降の説明ではリセット状態を工場リセット状態と呼ぶ。
さらに、アクセス情報は例えば、AP部11のIPアドレスを使用するものとし、以降の説明では、アクセス情報のことをAP部IPアドレスと呼ぶ。
【0044】
〔ステップS13〕画面g1を介して、半リセット状態がユーザにより選択される。
〔ステップS14〕PC部12は、半リセット状態が選択された場合、半リセット指示信号(書き換え指示信号)をAP部11に送信する。
【0045】
〔ステップS15〕AP部11は、半リセット指示信号を受信すると、AP部設定情報に含まれる情報であって、管理画面にアクセス可とするAP部IPアドレスの書き換えを行って(旧AP部IPアドレスを消去し、新AP部IPアドレスに書き換える)、AP部設定情報を半リセット状態にする。
【0046】
〔ステップS16〕PC部12は、AP部IPアドレスを画面表示する。
〔ステップS17〕画面g1を介して、工場リセット状態がユーザにより選択される。
〔ステップS18〕PC部12は、工場リセット状態が選択された場合、工場リセット指示信号(リセット指示信号)をAP部11に送信する。
〔ステップS19〕AP部11は、工場リセット指示信号を受信すると、AP部設定情報のリセットを行って、AP部設定情報を工場出荷時の状態(リセット状態)に変更する。
【0047】
上記のように、エッジサーバ10では、新たなAP部IPアドレスを取得する半リセット状態にするのか、AP部設定情報を工場出荷時の工場リセット状態にするのかをユーザに選択させるための画面表示を行う。
【0048】
半リセット状態が選択されることで、AP部設定情報のうちでAP部IPアドレスのみが書き換えられ、また書き換え後のAP部IPアドレスが表示される。このため、管理画面を表示させるためのAP部IPアドレスをユーザが失念した場合であっても、新たなAP部IPアドレスが得られて表示される。したがって、ユーザは、新たなAP部IPアドレスを用いて管理画面にアクセスして管理画面を表示させて、AP部設定情報を確認することができる。
【0049】
また、工場リセット状態が選択された場合は、AP部設定情報がリセットされてAP部設定情報が工場出荷時の状態になるので、AP部設定情報をユーザが任意に設定することができる。このように、AP部設定情報の確認・変更を柔軟に行うことができるようになるため、利便性、操作性および作業効率の向上を図ることが可能になる。
【0050】
<半リセット状態が選択された場合の動作>
図6はエッジサーバに対して半リセット状態が選択された場合の動作の一例を示すシーケンス図である。
〔ステップS21a〕AP部11のリセットボタンがユーザにより押下される。
〔ステップS21b〕PC部12は、リセットボタンが押下されることで、AP部設定情報の変更指示を検出する。
【0051】
〔ステップS22〕PC部12は、AP部設定情報の変更指示を検出すると、ディスプレイに画面g1を表示する。画面g1には、ユーザに対して、半リセット状態を選択するか、または工場リセット状態を選択するかの選択肢が表示される。
〔ステップS23〕画面g1を通じてユーザにより半リセット状態が選択される。
【0052】
〔ステップS24〕PC部12は、半リセット指示信号をAP部11に送信する。
〔ステップS25〕AP部11は、半リセット指示信号を受信すると、AP部設定情報のうちからAP部IPアドレスのみ消去する。
【0053】
〔ステップS26a〕PC部12は、半リセット指示信号をAP部11に送信した後、AP部11のMAC(Media Access Control)アドレスを含めたAP部IPアドレス要求信号を生成し、DHCPサーバ40に向けてAP部IPアドレス要求信号を送信する。
〔ステップS26b〕PC部12は、半リセット指示信号をAP部11に送信した後、AP部IPアドレス照会指示信号をDHCPサーバ40に送信する。
【0054】
〔ステップS27〕DHCPサーバ40は、AP部IPアドレス要求信号およびAP部IPアドレス照会指示信号を受信すると、後述のアドレス管理DB(データベース)を参照し、AP部IPアドレス要求信号に含まれるMACアドレスに対応するAP部IPアドレスを取得する。
〔ステップS28〕DHCPサーバ40は、取得したAP部IPアドレスをエッジサーバ10に送信する。
【0055】
〔ステップS29a〕AP部11は、ステップS25で消去したAP部IPアドレスを、DHCPサーバ40から送信されたAP部IPアドレスに書き換える。
〔ステップS29b〕PC部12は、DHCPサーバ40から送信されたAP部IPアドレスを表示する。半リセット状態の一例については
図9で後述する。
【0056】
<工場リセット状態が選択された場合の動作>
図7はエッジサーバに対して工場リセット状態が選択された場合の動作の一例を示すシーケンス図である。
〔ステップS31a〕AP部11のリセットボタンがユーザにより押下される。
〔ステップS31b〕PC部12は、リセットボタンが押下されることで、AP部設定情報の変更指示を検出する。
【0057】
〔ステップS32〕PC部12は、AP部設定情報の変更指示を検出すると、ディスプレイに画面g1を表示する。画面g1には、ユーザに対して、半リセット状態を選択するか、または工場リセット状態を選択するかの選択肢が表示される。
〔ステップS33〕画面g1を通じてユーザにより工場リセット状態が選択される。
【0058】
〔ステップS34〕PC部12は、工場リセット指示信号をAP部11に送信する。
〔ステップS35〕AP部11は、工場リセット指示信号を受信すると、工場リセットを実行する。AP部11による工場リセットが実行されることで、AP部設定情報の全情報が工場出荷時の状態になる。工場リセット状態の一例については
図10で後述する。
【0059】
<AP部設定情報>
図8はAP部設定情報の一例を示す図である。AP部設定情報変更前(リセットボタンが押下される前)のAP部設定情報の具体例を示している。AP部設定情報5には、動作モード設定、ネットワーク設定、NTP(Network Time Protocol)サーバ設定、無線LAN設定およびアカウント管理の項目がある。
【0060】
動作モード設定としては、ルータモードまたはブリッジモード(APモード)の設定が行われ、デフォルト設定はルータモード、通常運用時はブリッジモードが設定される。
なお、ルータモードは、AP部内蔵のルータ機能を利用した動作モードであり、ブリッジモードは、LAN内でデータ転送を行うためのモードである。また、ブリッジモードは、例えば、LAN上に外部接続用の有線ルータ等が別に存在して、AP部11が有するルータ機能の使用を要さない場合等にも用いられる。
【0061】
ネットワーク設定としては、IPアドレス(AP部IPアドレス)、サブネットマスク、デフォルトゲートウエイ、DNS(Domain Name System)サーバ#1、#2の各アドレス情報が設定される。NTPサーバ設定としては、time.nist.gov(米国の国立標準技術研究所のNTPサーバ)が設定される。
【0062】
無線LAN設定としては、周波数帯/無線機能、SSID(Service Set Identifier)名、通信モード、チャネルボンディング、チャネル、認証モードおよび事前共通キー(PSK:Pre-Shared Key)の各情報が設定される。アカウント管理の設定としては、Windows(登録商標)のスーパバイザ(admin)のパスワードまたはLinux(登録商標)のスーパバイザ(root)のパスワードが設定される。
【0063】
<半リセット状態が選択された場合のAP部設定情報>
図9は半リセット状態が選択された場合のAP部設定情報の一例を示す図である。半リセット状態が選択された場合のAP部設定情報5aでは、AP部11によって半リセットが実行されると、AP部設定情報5のうちのAP部IPアドレスのみが自動的に書き換えられる。この例では、AP部設定情報5のAP部IPアドレス(192.168.100.20)が、AP部設定情報5aではAP部IPアドレス(192.168.100.35)に書き換えられている。
【0064】
ユーザによって半リセット状態が選択されると、AP部11およびPC部12は、DHCPサーバ40にAP部IPアドレスの要求を行って、DHCPサーバ40から送信されるAP部IPアドレスを取得し、AP部IPアドレスが書き換えられる。また、PC部12は、書き換え後のAP部IPアドレスを画面表示する。
これにより、ユーザが過去に設定したAP部IPアドレスを失念した場合でも、AP部11の新しいAP部IPアドレスが自動的に取得され、また新しいAP部IPアドレスが画面表示される。したがって、ユーザは新しいAP部IPアドレスを認識することができ、例えば、http://(AP部IPアドレス)と操作して管理画面にアクセスすることが可能になる。
【0065】
<工場リセット状態が選択された場合のAP部設定情報>
図10は工場リセット状態が選択された場合のAP部設定情報の一例を示す図である。工場リセット状態が選択されたAP部設定情報5bでは、AP部11によって工場リセットが実行されると、AP部設定情報のうちのすべての情報が工場出荷時の情報に自動的に書き換えられる。
【0066】
図10の例では、工場出荷時の情報として、動作モードがルータモード、AP部IPアドレスが192.168.1.1のデフォルト値になり、ネットワーク設定、NTPサーバ設定および無線LAN設定の各設定情報が消去されて空き状態になっている。また、アカウント管理のパスワード設定欄はadmin、rootの各パスワードが設定されるための空欄になっている。
【0067】
<DHCPサーバのアドレス管理DB>
図11はDHCPサーバのアドレス管理DBの構成の一例を示す図である。DHCPサーバ40は、IPアドレス(AP部IPアドレス)とMACアドレスとを対応付けたテーブルを含むアドレス管理DB40aを有する。
【0068】
DHCPサーバ40は、エッジサーバ10から送信されたAP部IPアドレス要求信号およびAP部IPアドレス照会指示信号を受信すると、AP部IPアドレス要求信号に含まれるMACアドレスを、アドレス管理DB40aを参照して検出する。そして、検出したMACアドレスに対応するIPアドレス(AP部IPアドレス)を抽出してエッジサーバ10に送信する。
【0069】
上記で説明した本発明の情報処理装置1およびエッジサーバ10の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。この場合、情報処理装置1およびエッジサーバ10が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。
【0070】
処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記憶部、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等がある。磁気記憶部には、ハードディスク装置(HDD)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ等がある。光ディスクには、CD-ROM/RW等がある。光磁気記録媒体には、MO(Magneto Optical disk)等がある。
【0071】
プログラムを流通させる場合、例えば、そのプログラムが記録されたCD-ROM等の可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶部に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0072】
プログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶部に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶部からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。
【0073】
また、コンピュータは、ネットワークを介して接続されたサーバコンピュータからプログラムが転送される毎に、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。また、上記の処理機能の少なくとも一部を、DSP、ASIC、PLD等の電子回路で実現することもできる。
【0074】
以上、実施の形態を例示したが、実施の形態で示した各部の構成は同様の機能を有する他のものに置換することができる。また、他の任意の構成物や工程が付加されてもよい。さらに、前述した実施の形態のうちの任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
【符号の説明】
【0075】
1 情報処理装置
1a 通信部
1b 運用部
1a1、1b1 制御部