(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022175273
(43)【公開日】2022-11-25
(54)【発明の名称】ポジトロン放出断層撮影装置、方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G01T 1/161 20060101AFI20221117BHJP
【FI】
G01T1/161 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021081528
(22)【出願日】2021-05-13
(71)【出願人】
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】キヤノンメディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 幹志
【テーマコード(参考)】
4C188
【Fターム(参考)】
4C188EE02
4C188FF04
4C188FF07
4C188JJ02
4C188KK24
4C188LL27
4C188MM05
(57)【要約】
【課題】PET検出器の状態を適切に管理すること。
【解決手段】実施形態に係るポジトロン放出断層撮影装置は、複数のPET検出器単位と、取得部と、第1の検出部と、第2の検出部とを備える。複数のPET検出器単位は、リング状に配列されている。取得部は、前記複数のPET検出器単位それぞれごとに当該PET検出器単位の状態を示す状態情報を取得する。第1の検出部は、前記状態情報に基づいて、前記複数のPET検出器単位の単体又は全体の状態を示す指標値が閾値を超えた場合に、異常を検出する。第2の検出部は、前記状態情報に基づいて、前記異常が検出されない状態であって、前記複数のPET検出器単位のうちの少なくとも2つのPET検出器単位の状態を示す指標値が、他の少なくとも2つのPET検出器単位の状態を示す指標値と異なる状態を検出する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リング状に配列された複数のPET検出器単位と、
前記複数のPET検出器単位それぞれごとに当該PET検出器単位の状態を示す状態情報を取得する取得部と、
前記状態情報に基づいて、前記複数のPET検出器単位の単体又は全体の状態を示す指標値が閾値を超えた場合に、異常を検出する第1の検出部と、
前記状態情報に基づいて、前記異常が検出されない状態であって、前記複数のPET検出器単位のうちの少なくとも2つのPET検出器単位の状態を示す指標値が、他の少なくとも2つのPET検出器単位の状態を示す指標値と異なる状態を検出する第2の検出部と
を備える、ポジトロン放出断層撮影装置。
【請求項2】
前記第2の検出部は、前記第1の検出部によって用いられる閾値より低い閾値に基づいて、前記指標値が異なる状態を検出する、
請求項1に記載のポジトロン放出断層撮影装置。
【請求項3】
前記第2の検出部は、前記複数のPET検出器単位のうちの少なくとも2つのPET検出器単位の状態を示す指標値が、当該少なくとも2つのPET検出器単位以外の少なくとも2つのPET検出器単位の状態を示す指標値と異なる状態を検出する、
請求項1又は2に記載のポジトロン放出断層撮影装置。
【請求項4】
前記第2の検出部は、前記複数のPET検出器単位のうちの少なくとも2つのPET検出器単位の状態を示す指標値が、過去の時点における当該少なくとも2つのPET検出器単位の状態を示す指標値と異なる状態を検出する、
請求項1又は2に記載のポジトロン放出断層撮影装置。
【請求項5】
前記少なくとも2つのPET検出器単位は、隣接して配置された少なくとも2つのPET検出器単位、又は、対向して配置された2つのPET検出器単位である、
請求項1~4のいずれか1つに記載のポジトロン放出断層撮影装置。
【請求項6】
前記取得部は、前記状態情報として、第1の状態情報及び当該第1の状態情報とは種類が異なる第2の状態情報を取得し、
前記第2の検出部は、少なくとも2つのPET検出器単位ごとに、前記指標値として、前記第1の状態情報から第1の指標値を算出し、前記第2の状態情報から第2の指標値を算出し、前記第1の指標値及び前記第2の指標値それぞれの差異に基づいて、前記指標値が異なる状態を検出する、
請求項1~5のいずれか1つに記載のポジトロン放出断層撮影装置。
【請求項7】
前記第2の検出部は、前記指標値が異なる状態を検出した場合に、前記PET検出器単位のキャリブレーション実施を提案する情報を報知する、
請求項1~6のいずれか1つに記載のポジトロン放出断層撮影装置。
【請求項8】
リング状に配列された複数のPET検出器単位を備えるポジトロン放出断層撮影装置に適用される方法であって、
前記複数のPET検出器単位それぞれごとに当該PET検出器単位の状態を示す状態情報を取得するステップと、
前記状態情報に基づいて、前記複数のPET検出器単位の単体又は全体の状態を示す指標値が閾値を超えた場合に、異常を検出するステップと、
前記状態情報に基づいて、前記異常が検出されない状態であって、前記複数のPET検出器単位のうちの少なくとも2つのPET検出器単位の状態を示す指標値が、他の少なくとも2つのPET検出器単位の状態を示す指標値と異なる状態を検出するステップと
を含む、方法。
【請求項9】
リング状に配列された複数のPET検出器単位を備えるポジトロン放出断層撮影装置に適用されるプログラムであって、
前記複数のPET検出器単位それぞれごとに当該PET検出器単位の状態を示す状態情報を取得する手順と、
前記状態情報に基づいて、前記複数のPET検出器単位の単体又は全体の状態を示す指標値が閾値を超えた場合に、異常を検出する手順と、
前記状態情報に基づいて、前記異常が検出されない状態であって、前記複数のPET検出器単位のうちの少なくとも2つのPET検出器単位の状態を示す指標値が、他の少なくとも2つのPET検出器単位の状態を示す指標値と異なる状態を検出する手順と
をコンピュータに実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書及び図面に開示の実施形態は、ポジトロン放出断層撮影装置、方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ポジトロン放出断層撮影(Positron Emission Tomography:PET)装置は、被検体Pに投与されたトレーサーから放出された陽電子が電子と対消滅することによって放出されるガンマ線を検出するPET検出器を備える。一般的に、このようなPET装置では、日常的に品質検査(Quality Check:QC)を実施することによって、PET検出器の状態を管理することが行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-147604号公報
【特許文献2】特表2003-523219号公報
【特許文献3】特開2005-106562号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本明細書及び図面に開示の実施形態が解決しようとする課題の一つは、PET検出器の状態を適切に管理することである。ただし、本明細書及び図面に開示の実施形態により解決しようとする課題は上記課題に限られない。後述する実施形態に示す各構成による各効果に対応する課題を他の課題として位置付けることもできる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態に係るPET装置は、複数のPET検出器単位と、取得部と、第1の検出部と、第2の検出部とを備える。複数のPET検出器単位は、リング状に配列されている。取得部は、前記複数のPET検出器単位それぞれごとに当該PET検出器単位の状態を示す状態情報を取得する。第1の検出部は、前記状態情報に基づいて、前記複数のPET検出器単位の単体又は全体の状態を示す指標値が閾値を超えた場合に、異常を検出する。第2の検出部は、前記状態情報に基づいて、前記異常が検出されない状態であって、前記複数のPET検出器単位のうちの少なくとも2つのPET検出器単位の状態を示す指標値が、他の少なくとも2つのPET検出器単位の状態を示す指標値と異なる状態を検出する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、第1の実施形態に係るPET装置の構成例を示す図である。
【
図2】
図2は、第1の実施形態に係るPET検出器に含まれる複数の検出器ユニットそれぞれのパラメータ値の状態の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、第1の実施形態に係る第2の検出機能によって行われるPET検出器14の状態検出の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、第1の実施形態に係る取得機能及び第2の検出機能によって行われる処理の処理手順を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、第2の実施形態に係る第2の検出機能によって行われるPET検出器の状態検出の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照しながら、PET装置の実施形態について詳細に説明する。
【0008】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係るPET装置の構成例を示す図である。
【0009】
例えば、
図1に示すように、本実施形態に係るPET装置100は、架台装置10と、コンソール装置20とを備える。
【0010】
架台装置10は、被検体Pに投与されたトレーサーから放出された陽電子が電子と対消滅することによって放出されるガンマ線を検出し、検出したガンマ線をカウントすることによって計数情報を収集する。ここで、架台装置10は、当該架台装置10を水平方向に貫通するように形成された円筒状の開口部を有しており、当該開口部に配置された被検体Pから放出されるガンマ線を検出する。なお、以下では、架台装置10の円筒状の開口部の軸に沿った方向をZ軸方向、Z軸方向に直交する水平方向をX軸方向、Z軸方向に直交する鉛直方向をY方向と定義する。
【0011】
具体的には、架台装置10は、天板11と、寝台12と、寝台駆動機構13と、PET検出器14と、計数情報収集回路15と、電流情報取集回路16と、寝台制御回路17とを備える。
【0012】
天板11は、被検体Pが載置されるベッドである。例えば、天板11は、矩形の平板状に形成されており、長手方向がZ軸方向と平行になるように配置されている。
【0013】
寝台12は、天板11をX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向へ移動可能に支持する。
【0014】
寝台駆動機構13は、寝台12の内部又は外部に設けられており、寝台12によって支持された天板11を移動させる。例えば、寝台駆動機構13は、被検体Pの撮像が行われる際に、当該被検体Pが載置された天板11を架台装置10の開口部へ移動させる。例えば、寝台駆動機構13は、寝台12の位置が固定された状態で、寝台12上で天板11を移動させる。または、例えば、寝台駆動機構13は、移動ベース上に配置された寝台12を天板11とともに移動させる。
【0015】
PET検出器14は、被検体Pに投与されたトレーサーから放出された陽電子が電子と対消滅することによって放出されるガンマ線を検出し、検出したガンマ線を電気信号に変換して出力する。具体的には、PET検出器14は、架台装置10に形成された開口部を囲むようにZ軸を中心としたリング状に配列された複数の検出器ユニット14aを含んでおり、各検出器ユニット14aがガンマ線を検出する。
【0016】
計数情報収集回路15は、PET検出器14の各検出器ユニット14aから出力される電気信号に基づいてガンマ線をカウントすることによって、計数情報を収集する。具体的には、計数情報収集回路15は、PET検出器14から出力される電気信号をデジタル信号に変換して、ガンマ線の検出位置、エネルギー及び検出時間を含む計数情報を生成する。そして、計数情報収集回路15は、生成した計数情報をメモリ23に格納する。
【0017】
コンソール装置20は、操作者からPET装置100に対する各種操作を受け付け、受け付けた操作に基づいて、PET装置100の動作を制御する。具体的には、コンソール装置20は、入力インターフェース21と、ディスプレイ22と、メモリ23と、処理回路24とを備える。ここで、コンソール装置20が備える各部は、バスを介して接続されている。なお、ここでは、架台装置10とコンソール装置20とが別体である場合の例を説明するが、コンソール装置20又はコンソール装置20の構成要素の一部が架台装置10に含まれていてもよい。
【0018】
入力インターフェース21は、操作者から各種の入力操作を受け付け、受け付けた入力操作を電気信号へ変換して処理回路24に出力する。例えば、入力インターフェース21は、撮像条件や関心領域(Region Of Interest:ROI)の設定等を行うためのマウス、キーボード、トラックボール、スイッチ、ボタン、ジョイスティック、操作面へ触れることで入力操作を行うタッチパッド、表示画面とタッチパッドとが一体化されたタッチスクリーン、光学センサを用いた非接触入力回路、音声入力回路等によって実現される。なお、例えば、入力インターフェース21は、架台装置10に設けられてもよい。また、例えば、入力インターフェース21は、コンソール装置20本体と無線通信可能なタブレット端末等で構成されてもよい。また、入力インターフェース21は、マウスやキーボード等の物理的な操作部品を備えるものだけに限られない。例えば、コンソール装置20とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を処理回路24へ出力する電気信号の処理回路も入力インターフェース21の例に含まれる。
【0019】
ディスプレイ22は、各種の情報を表示する。例えば、ディスプレイ22は、処理回路24によって生成されたPET画像や、操作者からの各種操作を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)等を出力する。例えば、ディスプレイ22は、液晶ディスプレイやCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイである。なお、例えば、ディスプレイ22は、架台装置10に設けられていてもよい。また、例えば、ディスプレイ22は、デスクトップ型でもよいし、コンソール装置20本体と無線通信可能なタブレット端末等で構成されていてもよい。
【0020】
メモリ23は、PET装置100において用いられる各種データを記憶する。例えば、メモリ23は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(flash memory)等の半導体メモリ素子、ハードディスク、光ディスク等により実現される。
【0021】
処理回路24は、PET装置100全体の動作を制御する。具体的には、処理回路24は、同時計数情報生成機能24aと、画像再構成機能24bと、制御機能24cと、取得機能24dと、第1の検出機能24eと、第2の検出機能24fとを有する。
【0022】
同時計数情報生成機能24aは、計数情報収集回路15によって収集された計数情報を用いて同時計数情報を生成する。具体的には、同時計数情報生成機能24aは、メモリ23に記憶された計数情報を参照し、各計数情報の検出時間に基づいて、対消滅ガンマ線を略同時に計数した計数情報の組を検索する。そして、同時計数情報生成機能24aは、検索した計数情報の組を対応付けた同時計数情報を生成し、生成した同時計数情報をメモリ23に格納する。
【0023】
画像再構成機能24bは、同時計数情報生成機能24aによって生成された同時計数情報に基づいて、PET画像を再構成する。具体的には、画像再構成機能24bは、メモリ23に記憶された同時計数情報を読み出し、読み出した同時計数情報を投影データとして用いて逆投影処理を行うことで、PET画像を再構成する。また、画像再構成機能24bは、再構成したPET画像をメモリ23に格納する。
【0024】
制御機能24cは、架台装置10及びコンソール装置20の各部を制御することで、PET装置100の全体制御を行う。例えば、制御機能24cは、寝台駆動機構13を制御して、天板11を移動させる。また、例えば、制御機能24cは、計数情報収集回路15を制御して、被検体Pから放出された対消滅ガンマ線の計数情報を収集する。
【0025】
なお、取得機能24d、第1の検出機能24e及び第2の検出機能24fについては、後に詳細に説明する。
【0026】
例えば、処理回路24は、プロセッサによって実現される。その場合、処理回路24が有する処理機能は、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態でメモリ23に記憶される。そして、処理回路24は、メモリ23から各プログラムを読み出して実行することで、各プログラムに対応する処理機能を実現する。換言すると、処理回路24は、各プログラムを読み出した状態で、
図1の処理回路24内に示される各処理機能を有することとなる。
【0027】
以上、第1の実施形態に係るPET装置100の構成例について説明した。ここで、本実施形態に係るPET装置100では、前述したように、PET検出器14が、リング状に配列された複数の検出器ユニット14aを含んでいる。
【0028】
一般的に、このようなPET装置100では、日常的にQCを実施することによって、PET検出器14の状態を管理することが行われる。
【0029】
QCでは、通常、PET検出器14に含まれる複数の検出器ユニット14aそれぞれごとに当該検出器ユニット14aの状態を示すパラメータ値を取得し、検出器ユニット14a単体のパラメータ値及び全ての検出器ユニット14aのパラメータ値の平均値からPET検出器14の状態を評価することが行われる。ここで、検出器ユニット14aの状態を示すパラメータ値は、例えば、温度、エネルギー、時間情報等である。
【0030】
しかしながら、このようなQCでは、検出器ユニット14a単体のパラメータ値及び全ての検出器ユニット14aのパラメータ値の平均値に対して規格値を設けていることから、PET検出器14の状態を適切に管理することができない場合があり得る。
【0031】
図2は、第1の実施形態に係るPET検出器14に含まれる複数の検出器ユニット14aそれぞれのパラメータ値の状態の一例を示す図である。
【0032】
例えば、
図2に示すように、PET検出器14では、個々の検出器ユニット14aの経年劣化や故障等によって、複数の検出器ユニット14aにおいて温度、エネルギー、時間情報等のパラメータ値に偏りが生じたり、対向する検出器ユニット14aの間でパラメータ値の差が生じたりすることがある。
【0033】
このように、複数の検出器ユニット14aにおいてパラメータ値に偏りが生じた場合や、対向する検出器ユニット14aの間でパラメータ値の差が生じた場合は、画質へ影響を及ぼす可能性があるため、PET検出器14のキャリブレーションを実施する必要がある。ここで、キャリブレーションとは、PET検出器14に含まれる各検出器ユニット14aのパラメータ値を適切な値に校正することである。
【0034】
しかしながら、上述したQCでは、検出器ユニット14a単体のパラメータ値及び全ての検出器ユニット14aのパラメータ値の平均値に対して規格値を設けているため、このようにPET検出器14が画像に影響を及ぼし得る状態になった場合でも、検出器ユニット14a単体又は全体としてはQCの規格内に収まってしまうことがあり得る。このため、上述したQCでは、PET検出器14の状態を適切に管理することができない場合がある。
【0035】
このようなことから、本実施形態に係るPET装置100は、PET検出器14の状態を適切に管理することができるように構成されている。
【0036】
具体的には、処理回路24の取得機能24dが、複数の検出器ユニット14aそれぞれごとに当該検出器ユニット14aの状態を示すパラメータ値を取得する。ここで、取得機能24dは、取得部の一例である。また、検出器ユニット14aは、PET検出器単位の一例である。また、パラメータ値は、状態情報の一例である。
【0037】
また、処理回路24の第1の検出機能24eが、取得機能24dによって取得されたパラメータ値に基づいて、複数の検出器ユニット14aの単体又は全体の状態を示す指標値が閾値を超えた場合に、異常を検出する。ここで、第1の検出機能24eは、第1の検出部の一例である。
【0038】
また、処理回路24の第2の検出機能24fが、取得機能24dによって取得されたパラメータ値に基づいて、第1の検出機能24eによって異常が検出されない状態であって、複数の検出器ユニット14aのうちの少なくとも2つの検出器ユニット14aの状態を示す指標値が、他の少なくとも2つの検出器ユニット14aの状態を示す指標値と異なる状態を検出する。ここで、第2の検出機能24fは、第2の検出部の一例である。
【0039】
このような構成によれば、複数の検出器ユニット14aの単体又は全体の状態を示す指標値では異常が検出されない場合でも、複数の検出器ユニット14aにおいて指標値に偏りが生じた状態や指標値の差が大きくなった状態を検出できるようになる。これにより、本実施形態では、PET検出器14の状態を適切に管理することができる。
【0040】
以下、上述した取得機能24d、第1の検出機能24e及び第2の検出機能24fについて、詳細に説明する。
【0041】
まず、取得機能24dは、PET装置100が稼働している間、随時、各検出器ユニット14aの状態を示すパラメータ値を取得する。そして、取得機能24dは、取得したパラメータ値を、取得した時点ごとにメモリ23に記憶させる。
【0042】
例えば、取得機能24dは、パラメータ値として、温度、エネルギー及び時間情報のうちの少なくとも1つを取得する。ここで、エネルギーは、例えば、エネルギー分解能、エネルギーピーク値等である。また、時間情報は、例えば、時間分解能、遅延時間等である。なお、時間分解能は、対向する検出器ユニット間における検出時間の差のばらつきであり、遅延時間は、対向する検出器ユニット間におけるエネルギーピーク値の検出時間のずれ量である。
【0043】
次に、第1の検出機能24eは、QCが実施される際に、利用者からの指示等に応じて、取得機能24dによって取得された各検出器ユニット14aのパラメータ値に基づいて、PET検出器14の異常を検出する。
【0044】
具体的には、第1の検出機能24eは、メモリ23に記憶されている各検出器ユニット14aのパラメータ値を参照し、複数の検出器ユニット14aのうち、いずれかの検出器ユニット14aのパラメータ値が第1の閾値を超えていた場合、又は、全ての検出器ユニット14aのパラメータ値の平均値が第2の閾値を超えていた場合に、異常を検出する。ここで、第1の閾値及び第2の閾値は、QCの規格値に従って設定される。また、第1の閾値と第2の閾値とは、同じ値であってもよいし、異なる値であってもよい。そして、第1の検出機能24eは、異常を検出した場合に、PET検出器14のキャリブレーション実施が必要であることをディスプレイ22等で報知する。
【0045】
次に、第2の検出機能24fは、PET装置100が稼働している間、随時、取得機能24dによって取得された各検出器ユニット14aのパラメータ値を解析して、PET検出器14の状態を検出する。
【0046】
本実施形態では、第2の検出機能24fは、複数の検出器ユニット14aのうちの少なくとも2つの検出器ユニット14aの状態を示す指標値が、当該少なくとも2つの検出器ユニット14a以外の少なくとも2つの検出器ユニット14aの状態を示す指標値と異なる状態を検出する。
【0047】
ここで、例えば、少なくとも2つの検出器ユニット14aは、隣接して配置された少なくとも2つの検出器ユニット14a、又は、対向して配置された2つの検出器ユニット14aである。また、指標値は、検出器ユニット14aの状態を示すパラメータ値そのもの、又は、当該パラメータ値から算出された値である。
【0048】
具体的には、第2の検出機能24fは、メモリ23に記憶されている各検出器ユニット14aのパラメータ値を参照し、少なくとも2つの検出器ユニット14aの組ごとに、検出器ユニット14aの状態を示す指標値を算出する。そして、第2の検出機能24fは、いずれかの組の指標値が、それ以外の組の指標値と異なる状態を検出する。
【0049】
例えば、第2の検出機能24fは、第1の検出機能24eによって用いられる閾値より低い閾値に基づいて、少なくとも2つの検出器ユニット14aの組ごとの指標値が異なる状態を検出する。
【0050】
図3は、第1の実施形態に係る第2の検出機能24fによって行われるPET検出器14の状態検出の一例を示す図である。ここで、
図3に示す横軸は、PET検出器14に含まれる複数の検出器ユニット14aそれぞれの番号を示しており、縦軸は、検出器ユニット14aの温度を示している。
【0051】
例えば、
図3に示すように、PET検出器14に含まれる各検出器ユニット14aが、ハードウェアの構成として、隣接する所定数の検出器ユニット14aごとに複数の領域に分けられているとする。
【0052】
このような場合に、例えば、第2の検出機能24fは、当該領域ごとに、検出器ユニット14aの温度の平均値を算出する。そして、第2の検出機能24fは、いずれかの領域の平均値が閾値を超えていた場合に、当該領域の検出器ユニット14aの温度が他の領域の検出器ユニット14aの温度と異なっていると判定する。
【0053】
なお、ここでは、パラメータ値が温度である場合の例を説明したが、第2の検出機能24fによって用いられるパラメータ値は、エネルギー又は時間情報等であってもよい。
【0054】
また、第2の検出機能24fによって行われるPET検出器14の状態検出は、上述した例に限られない。
【0055】
例えば、第2の検出機能24fは、複数の検出器ユニット14aのうちの少なくとも2つの検出器ユニット14aの状態を示す指標値が、当該少なくとも2つの検出器ユニット14a以外の少なくとも2つの検出器ユニット14aの状態を示す指標値と比較して所定値以上異なる場合に、当該指標値が異なっていると判定してもよい。
【0056】
または、例えば、第2の検出機能24fは、検出器ユニット14aの領域ごとに算出したパラメータ値の平均値のうちの最大値と最小値とを特定し、特定した最大値と最小値との差分を算出する。そして、第2の検出機能24fは、算出した差分を全ての検出器ユニット14aのパラメータ値の平均値と比較し、それらの比又は差の大きさが閾値を超えていた場合に、いずれかの領域の検出器ユニット14aの指標値が他の領域の検出器ユニット14aの指標値と異なっていると判定してもよい。
【0057】
こうして、PET検出器14の状態を検出した後に、第2の検出機能24fは、検出したPET検出器14の状態に応じて、PET検出器14のキャリブレーション実施が必要であるか否かを判定する。
【0058】
具体的には、第2の検出機能24fは、PET検出器14に含まれる複数の検出器ユニット14aのうちの少なくとも2つの検出器ユニット14aの状態を示す指標値が当該少なくとも2つの検出器ユニット14a以外の少なくとも2つの検出器ユニット14aの状態を示す指標値と異なる状態を検出した場合に、キャリブレーション実施が必要であると判定し、それ以外の場合は、キャリブレーション実施は必要でないと判定する。
【0059】
そして、第2の検出機能24fは、PET検出器14キャリブレーション実施が必要であると判定した場合に、キャリブレーション実施の提案をディスプレイ22等で報知する。また、第2の検出機能24fは、PET検出器14のキャリブレーションの実施は必要でないと判定した場合には、キャリブレーション実施の提案は報知せず、装置の利用を継続させる。
【0060】
これにより、画質へ影響を及ぼし得る隣接や対向等の関係に位置する複数の検出器ユニット14aの状態が変化した際に、PET検出器14のキャリブレーションを実施して、PET装置100の性能を悪化しないように校正することができる。
【0061】
図4は、第1の実施形態に係る取得機能24d及び第2の検出機能24fによって行われる処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0062】
本実施形態では、第1の検出機能24eによる異常検出については、QCが実施される際に実行されるが、第2の検出機能24fによるPET検出器14の状態検出については、以下のように、PET装置100が稼働している間、随時、実行される。
【0063】
例えば、
図4に示すように、取得機能24dは、PET装置100が稼働している間、随時、各検出器ユニット14aの状態を示すパラメータ値を取得する(ステップS1)。
【0064】
また、第2の検出機能24fは、PET装置100が稼働している間、随時、取得機能24dによって取得された各検出器ユニット14aのパラメータ値を解析して、PET検出器14の状態を検出する(ステップS2)。
【0065】
その後、第2の検出機能24fは、検出したPET検出器14の状態に応じて、PET検出器14のキャリブレーション実施が必要であるか否かを判定する(ステップS3)。
【0066】
そして、第2の検出機能24fは、PET検出器14のキャリブレーションの実施が必要であると判定した場合に(ステップS3,Yes)、キャリブレーション実施の提案をディスプレイ22等で報知する(ステップS4)。
【0067】
一方、PET検出器14のキャリブレーションの実施が必要でないと判定した場合には(ステップS3,Yes)、第2の検出機能24fは、キャリブレーション実施の提案は報知せず、装置の利用を継続させる。
【0068】
以上、処理回路24が有する取得機能24d、第1の検出機能24e及び第2の検出機能24fについて説明した。ここで、前述したように、処理回路24がプロセッサによって実現される場合、取得機能24d、第1の検出機能24e及び第2の検出機能24fそれぞれによって行われる処理は、例えば、処理回路24が、各処理機能に対応するプログラムをメモリ23から読み出して実行することにより実現される。
【0069】
上述したように、第1の実施形態では、取得機能24dが、複数の検出器ユニット14aそれぞれごとに各検出器ユニット14aの状態情報を取得する。また、第1の検出機能24eが、取得機能24dによって取得された状態情報に基づいて、複数の検出器ユニット14aの単体又は全体の状態を示す指標値が閾値を超えた場合に、異常を検出する。また、第2の検出機能24fが、取得機能24dによって取得された状態情報に基づいて、第1の検出機能24eによって異常が検出されない状態であって、複数の検出器ユニット14aのうちの少なくとも2つの検出器ユニット14aの状態を示す指標値が、他の少なくとも2つの検出器ユニット14aの状態を示す指標値と異なる状態を検出する。
【0070】
このような構成によれば、複数の検出器ユニット14aの単体又は全体の状態を示す指標値では異常が検出されない場合でも、少なくとも2つの検出器ユニット14aの組ごとの指標値の比較により、複数の検出器ユニット14aにおいて指標値に偏りが生じた状態や指標値の差が大きくなった状態を検出できるようになる。これにより、第1の実施形態では、PET検出器14の状態を適切に管理することができる。
【0071】
また、第1の実施形態では、QCの規格内に収まるが、複数の検出器ユニット14aにおいて検出器ユニット14aのパラメータ値に傾向を持つ場合に、キャリブレーションの実施を提案することで、画質の劣化を防ぐことができる。これにより、装置管理の負担を軽減することができる。
【0072】
以上、第1の実施形態について説明したが、上述したPET装置100は、その構成の一部を適宜に変形して実施することも可能である。そこで、以下では、第1の実施形態に関する変形例を他の実施形態として説明する。なお、以下の実施形態では、第1の実施形態と異なる点を中心に説明することとし、既に説明した内容と重複する点については詳細な説明を省略する。
【0073】
(第2の実施形態)
例えば、上述した第1の実施形態では、1つの種類のパラメータ値に基づいてPET検出器14の状態を検出する場合の例を説明したが、実施形態はこれに限られない。
【0074】
例えば、複数の種類のパラメータ値に基づいて、PET検出器14の状態を検出してもよい。以下では、このような例を第2の実施形態として説明する。
【0075】
本実施形態では、取得機能24dは、検出器ユニット14aの状態を示すパラメータ値として、第1のパラメータ値及び当該第1のパラメータ値とは種類が異なる第2のパラメータ値を取得する。ここで、取得機能24dは、取得部の一例である。また、第1のパラメータ値は、第1の状態情報の一例であり、第2のパラメータ値は、第2の状態情報の一例である。
【0076】
また、第2の検出機能24fは、少なくとも2つの検出器ユニット14aごとに、指標値として、第1のパラメータ値から第1の指標値を算出し、第2のパラメータ値から第2の指標値を算出し、第1のパラメータ値及び第2のパラメータ値それぞれの差異に基づいて、指標値が異なる状態を検出する。
【0077】
図5は、第2の実施形態に係る第2の検出機能24fによって行われるPET検出器14の状態検出の一例を示す図である。ここで、
図5に示す横軸は、PET検出器14に含まれる複数の検出器ユニット14aそれぞれの番号を示しており、縦軸は、検出器ユニット14aの温度及び時間情報を示している。
【0078】
例えば、
図5に示すように、複数の検出器ユニット14aにおいて、検出器の時間情報の傾向が温度の傾向と独立して変化し、その結果、時間情報の最大値と平均値との差分が大きくなることがあり得る。
【0079】
このような場合に、例えば、第2の検出機能24fは、複数の検出器ユニット14aのうちの少なくとも2つの検出器ユニット14aと、当該少なくとも2つの検出器ユニット14a以外の少なくとも2つの検出器ユニット14aとの間で、時間情報の差の大きさが温度の差から算出した時間情報の換算値以上である場合に、時間情報が異なっていると判定する。このとき、例えば、第2の検出機能24fは、温度の差×5[ps/℃]により、時間情報の換算値を算出する。
【0080】
そして、例えば、第2の検出機能24fは、時間情報が異なる状態を検出した場合に、時間情報の校正のみを行うように、キャリブレーション実施の提案をディスプレイ22等で報知する。
【0081】
このような構成によれば、複数の検出器ユニット14aの単体又は全体の状態を示す指標値では異常が検出されない場合でも、複数の指標値の傾向の違いにより、複数の検出器ユニット14aにおいて指標値に偏りが生じた状態や指標値の差が大きくなった状態を検出できるようになる。これにより、第2の実施形態でも、PET検出器14の状態を適切に管理することができる。
【0082】
(第3の実施形態)
また、例えば、上述した第1の実施形態では、少なくとも2つの検出器ユニット14aとそれ以外の少なくとも2つの検出器ユニット14aとの間で、同じ時点における指標値が異なる状態を検出する場合の例を説明したが、実施形態はこれに限られない。例えば、少なくとも2つの検出器ユニット14aについて、異なる時点における指標値が異なる状態を検出してもよい。以下では、このような例を第3の実施形態として説明する。
【0083】
本実施形態では、第2の検出機能24fは、複数の検出器ユニット14aのうちの少なくとも2つの検出器ユニット14aの状態を示す指標値が、過去の時点における当該少なくとも2つの検出器ユニット14aの状態を示す指標値と異なる状態を検出してもよい。
【0084】
具体的には、第2の検出機能24fは、メモリ23に記憶されている各検出器ユニット14aのパラメータ値を参照し、少なくとも2つの検出器ユニット14aの組ごとに、直近に取得されたパラメータ値から直近の指標値を算出し、さらに、直近より以前に取得されたパラメータ値から過去の指標値を算出する。例えば、第2の検出機能24fは、前回、QCが実施された時点のパラメータ値から、過去の指標値を算出する。
【0085】
そして、第2の検出機能24fは、検出器ユニット14aの各組について、直近の指標値が過去の指標値と異なる状態を検出する。このとき、例えば、第2の検出機能24fは、直近の指標値が過去の指標値と比較して所定値以上異なる場合に、当該指標値が異なっていると判定する。
【0086】
このような構成によれば、複数の検出器ユニット14aの単体又は全体の状態を示す指標値では異常が検出されない場合でも、過去の時点との比較により、複数の検出器ユニット14aにおいて指標値に偏りが生じた状態や指標値の差が大きくなった状態を検出できるようになる。これにより、第3の実施形態でも、PET検出器14の状態を適切に管理することができる。
【0087】
また、第3の実施形態では、QCの規格内に収まるが、複数の検出器ユニット14aにおいて経時的な変化から検出器ユニット14aの状態の悪化が予測される場合に、キャリブレーションの実施を提案することで、画質の劣化を防ぐことができる。これにより、装置管理の負担を軽減することができる。
【0088】
(他の実施形態)
なお、上述した実施形態では、検出器ユニット14aごとに状態を検出する場合の例を説明したが、実施形態はこれに限られない。例えば、PET検出器14に含まれる各検出器ユニット14aが、Z軸方向に配列された複数の検出器モジュール14bによって構成されている場合には、検出器モジュール14bごとに状態が検出されてもよい。この場合、検出器モジュール14bは、PET検出器単位の一例である。
【0089】
また、上述した実施形態では、本明細書における取得部、第1の検出部及び第2の検出部を処理回路24の取得機能24d、第1の検出機能24e及び第2の検出機能24fによって実現する場合の例を説明したが、実施形態はこれに限られない。例えば、本明細書における取得部、第1の検出部及び第2の検出部は、実施形態で述べた取得機能24d、第1の検出機能24e及び第2の検出機能24fによって実現する他にも、ハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、又は、ハードウェアとソフトウェアとの混合によって同機能を実現するものであっても構わない。
【0090】
また、上述した実施形態において、処理回路は、単一のプロセッサによって実現されるものに限られず、複数の独立したプロセッサを組み合わせて構成され、各プロセッサがプログラムを実行することによって各処理機能を実現するものであってもよい。また、処理回路が有する各処理機能は、単一又は複数の処理回路に適宜に分散又は統合されて実現されてもよい。また、処理回路が有する各処理機能は、回路等のハードウェアとソフトウェアとの混合によって実現されても構わない。また、ここでは、各処理機能に対応するプログラムが単一のメモリに記憶される場合の例を説明したが、実施形態はこれに限られない。例えば、各処理機能に対応するプログラムが複数のメモリに分散して記憶され、処理回路が、各メモリから各プログラムを読み出して実行する構成としても構わない。
【0091】
また、上述した実施形態の説明で用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、又は、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。ここで、メモリにプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むように構成しても構わない。この場合、プロセッサは、回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。また、本実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて一つのプロセッサとして構成され、その機能を実現するようにしてもよい。
【0092】
ここで、プロセッサによって実行されるプログラムは、ROM(Read Only Memory)等に予め組み込まれて提供される。なお、このプログラムは、これらの装置にインストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD(Compact Disk)-ROM、FD(Flexible Disk)、CD-R(Recordable)、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な非一過性の記憶媒体に記録されて提供されてもよい。また、このプログラムは、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納され、ネットワーク経由でダウンロードされることによって提供又は配布されてもよい。例えば、このプログラムは、上述した各処理機能を含むモジュールで構成される。実際のハードウェアとしては、CPUが、ROM等の記憶媒体からプログラムを読み出して実行することにより、各モジュールが主記憶装置上にロードされて、主記憶装置上に生成される。
【0093】
また、上述した実施形態において、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散又は統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散又は統合して構成することができる。更に、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部又は任意の一部が、CPU及び当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、或いは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0094】
また、上述した実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行なわれるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行なうこともでき、或いは、手動的に行なわれるものとして説明した処理の全部又は一部を公知の方法で自動的に行なうこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0095】
以上説明した少なくとも一つの実施形態によれば、PET検出器の状態を適切に管理することができる。
【0096】
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、実施形態同士の組み合わせを行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0097】
100 PET装置
10 架台装置
14 PET検出器
14a 検出器ユニット
20 コンソール装置
24 処理回路
24d 取得機能
24e 第1の検出機能
24f 第2の検出機能