(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022175301
(43)【公開日】2022-11-25
(54)【発明の名称】灌水用チューブ
(51)【国際特許分類】
A01G 25/02 20060101AFI20221117BHJP
【FI】
A01G25/02 601J
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021081589
(22)【出願日】2021-05-13
(71)【出願人】
【識別番号】000108719
【氏名又は名称】タキロンシーアイ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】594156802
【氏名又は名称】丸三産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石居 信男
(72)【発明者】
【氏名】飯田 孝
(57)【要約】 (修正有)
【課題】効率よく短時間で潅水することができるとともに、植物の病気の発生を抑制することができ、異なる等間隔のポッドを有する複数種類のトレイに対しても、確実に潅水を行うことができる潅水用チューブを提供する。
【解決手段】複数の潅水孔3の間隔をA、潅水用チューブ1の半径をR、潅水用チューブ1の長手方向における複数の潅水孔3に沿ったポッド10の径をB、潅水用チューブ1の短手方向Wにおける複数のポッド10間の隙間をD、潅水用チューブ1の短手方向Wにおける断面の弧において、潅水用チューブ1の外周の中心Pに対して、鉛直方向Hと潅水孔3とがなす角をθとした場合に、下記式(1),(2)の関係が成立する潅水用チューブ。
D/2<Rsinθ(但し、0<θ≦π/2)(1)
2A<B(2)
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向に等間隔で複数の灌水孔が設けられ、植物が植栽される複数のポッドからなるポッド列が複数配列されたトレイに載置される潅水用チューブにおいて、
前記複数の潅水孔の間隔をA、前記潅水用チューブの半径をR、前記潅水用チューブの長手方向における前記複数の灌水孔に沿った前記ポッドの径をB、前記潅水用チューブの短手方向における前記複数のポッド間の隙間をD、前記潅水用チューブの短手方向における断面の弧において、前記潅水用チューブの外周の中心に対して、鉛直方向と前記潅水孔とがなす角をθとした場合に、下記式(1),(2)の関係が成立することを特徴とする潅水用チューブ。
[数1]
D/2<Rsinθ(但し、0<θ≦π/2) (1)
[数2]
2A<B (2)
【請求項2】
前記トレイは、該トレイに載置された前記潅水用チューブの長手方向における前記複数の灌水孔に沿った前記複数のポッド間の間隔が異なる複数種類のトレイであることを特徴とする請求項1に記載の潅水用チューブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、灌水用チューブに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、野菜、果物、花等の植物を栽培する際に、植物に潅水する方法として、頭上潅水法や点滴潅水法が知られている。
【0003】
頭上潅水法は、植物の上方に散水口を配置し、当該散水口からシャワー状に散水することにより、トレイに配置されたポッドに植栽された植物に水が供給される方法である(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、点滴潅水法は、点滴チューブを地面に沿って配置し、植物への潅水が過剰にならないように、緩やかな速度で一滴ずつ潅水して、点滴チューブから水を土壌に滴下させる方法である(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006-288392号公報
【特許文献2】特開2010-88360号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、上記従来の頭上灌水法においては、上方に配置された散水口からシャワー状に散水するため、潅水の際の水撥ねにより植物の葉や茎に水が付着して表面を傷付け、病気が発生し易くなるという問題があった。
【0007】
また、点滴灌水法においては、緩やかな速度で一滴ずつ灌水するため、灌水に時間がかかり、効率よく短時間で潅水することが困難であるという問題があった。
【0008】
また、従来の潅水用チューブにおいては、等間隔で配置されたポッドを有するトレイに用いた場合に、ポッドに植栽された植物に潅水できない孔が生じるため、潅水効率が低下するという問題があった。
【0009】
そこで、本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、効率よく短時間で潅水することができるとともに、植物の病気の発生を抑制することができ、異なる等間隔のポッドを有する複数種類のトレイに対しても、確実に潅水を行うことができる潅水用チューブを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明の潅水用チューブは、長手方向に等間隔で複数の灌水孔が設けられ、植物が植栽される複数のポッドからなるポッド列が複数配列されたトレイに載置される潅水用チューブであって、複数の潅水孔の間隔をA、潅水用チューブの半径をR、潅水用チューブの長手方向における複数の灌水孔に沿ったポッドの径をB、潅水用チューブの短手方向における複数のポッド間の隙間をD、潅水用チューブの短手方向における断面の弧において、潅水用チューブの外周の中心に対して、鉛直方向と潅水孔とがなす角をθとした場合に、下記式(1),(2)の関係が成立することを特徴とする。
【0011】
[数1]
D/2<Rsinθ(但し、0<θ≦π/2) (1)
[数2]
2A<B (2)
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、効率よく短時間で潅水することができるとともに、植物の病気の発生を抑制することができる。また、異なる等間隔のポッドを有する複数種類のトレイに対して、確実に潅水を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施形態に係る潅水用チューブの断面図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る潅水用チューブの上面図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る潅水用チューブが使用されるポッドが配列されたトレイの一例を示す上面図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る潅水用チューブが使用されるポッドが配列されたトレイの他の例を示す上面図である。
【
図5】
図3に示すトレイに本発明の実施形態に係る潅水用チューブを使用した場合の上面図である。
【
図6】
図4に示すトレイに本発明の実施形態に係る潅水用チューブを使用した場合の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の潅水用チューブを図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において、適宜変更して適用することができる。
【0015】
図1は、本発明の実施形態に係る潅水用チューブの断面図であり、
図2は、本発明の実施形態に係る潅水用チューブの上面図である。
【0016】
図1~
図2に示すように、本発明の灌水用チューブ1は、送水管2と、送水管2において等間隔Aで設けられた潅水孔3とを備えている。この潅水用チューブ1は、テープ状に潰された状態で巻き取られ、送水されることで管状になる。
【0017】
送水管2は、押出成形等により、中空部を有して一方向に延在するように管状に成形された配水管であり、送水管2は、例えば、熱可塑性樹脂等により形成されている。このような熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、分岐状低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン等が挙げられる。なお、熱可塑性樹脂には、必要に応じて、顔料、染料、可塑剤、安定剤、酸化防止剤、フィラー等が含まれてもよい。
【0018】
また、送水管2の中空部である送水部4は水の流路となっている。送水管2は下半部2aが地面側(トレイに設けられたポッド10側)に向けられるとともに、上半部2bが上方側に向けられて、ポッド10上に設置される。
【0019】
送水部4に水を送水していない場合の送水管2(すなわち、潅水用チューブ1)の幅寸法Lは、30mm以上50mm以下であることが好ましい。送水管2の幅寸法Lが30mm以上であれば、充分な水の送水量が確保され、50mm以下であれば、灌水用チューブ1を地面の上に容易に配設することができる。
【0020】
また、
図1~2に示すように、潅水用チューブ1(送水管2)の長手方向Xにおいて、送水管2の下半部2aに一定の間隔(等間隔)Aをおいて、複数(
図2においては7個)の灌水孔3が直線状に設けられている。
【0021】
この灌水孔3の間隔Aは、20mm以上30mm以下であることが好ましい。灌水孔3の間隔Aが20mm以上であれば、灌水チューブ1の水圧を保った状態で灌水を行うことができ、30mm以下であれば、適度な間隔で灌水することができる。
【0022】
また、灌水孔3の孔径は、0.2mm以上0.5mm以下であることが好ましい。灌水孔3の孔径が0.2mm以上であれば、灌水量が容易に多くなり、0.5mm以下であれば、送水する灌水チューブ1の水圧を調整することにより、灌水量を容易に調整することができる。
【0023】
次に、本発明の潅水用チューブ1の使用方法について説明する。
【0024】
図3は、本発明の実施形態に係る潅水用チューブが使用されるポッドが配列されたトレイの一例を示す上面図であり、
図4は、本発明の実施形態に係る潅水用チューブが使用されるポッドが配列されたトレイの他の例を示す上面図である。また、
図5は、
図3に示すトレイに本発明の実施形態に係る潅水用チューブを使用した場合の上面図であり、
図6は、
図4に示すトレイに本発明の実施形態に係る潅水用チューブを使用した場合の上面図である。
【0025】
図3に示すように、トレイ20には、その長手方向Yに沿って、植物が植栽される複数(
図3においては4個)のポッド10からなるポッド列が複数(
図3においては2列)配列されている。なお、トレイ20の長手方向Yにおいて、複数のポッド10は等間隔で配置されている。
【0026】
また、
図4に示すように、トレイ30には、その長手方向Zに沿って、植物が植栽される複数(
図4においては3個)のポッド10からなるポッド列が複数(
図3においては2列)配列されている。なお、トレイ30の長手方向Zにおいて、複数のポッド10は等間隔で配置されている。
【0027】
そして、
図1、
図5に示すように、灌水用チューブ1は、トレイ20の短手方向(すなわち、長手方向Yに直交する方向)Fにおけるポッド10間の隙間21に載置され、灌水孔3が設けられた送水管2の下半部2aがポッド10側となるようにして配置される。また、同様に、
図1、
図6に示すように、灌水用チューブ1は、トレイ30の短手方向(すなわち、長手方向Zに直交する方向)Gにおけるポッド10間の隙間31に載置され、灌水孔3が設けられた送水管2の下半部2aがポッド10側となるようにして配置される。
【0028】
そして、灌水用チューブ1は、灌水用チューブ1の長手方向Xの一端から送水されることにより、潅水孔3から水が噴出し、複数のポッド10に植栽された各植物に対して、灌水が行われる構成となっている。
【0029】
ここで、従来の潅水用チューブにおいては、上述のごとく、等間隔で配置されたポッドを有するトレイに用いた場合に、ポッドに植栽された植物に潅水できない孔が生じるため、潅水効率が低下するという問題があった。
【0030】
そこで、本発明者等は、この点に着目して、潅水用チューブ1において等間隔Aで設けられた複数の潅水孔3の位置を規定することにより、複数のポッド10に植栽された植物に対して確実に潅水することができる条件を見出した。
【0031】
より具体的には、
図1に示すように、潅水用チューブ1の半径をR、潅水用チューブ1の短手方向Wにおける複数のポッド10間の隙間をD、潅水用チューブ1の短手方向Wにおける断面の弧おいて、潅水用チューブ1の外周の中心Pに対して、鉛直方向Hと潅水孔3とがなす角(中心角)をθとした場合に、下記式(3)の関係が成立する点に特徴がある。
【0032】
[数3]
D/2<Rsinθ(但し、0<θ≦π/2) (3)
【0033】
そして、このような構成により、灌水用の水が、ポッド10の縁を超えないように潅水孔3から適切な角度で噴出するため、潅水用の水がポッド10の縁を超えることを防止することができる。従って、複数のポッド10に植栽された植物に対して確実に潅水することが可能になるため、効率よく短時間で潅水することが可能になる。
【0034】
また、上記従来の頭上潅水法に比し、潅水の際の水撥ねを抑制することが可能になるため、植物の葉に対する水の付着量が減少して、病気の発生を抑制することが可能になる。
【0035】
また、本発明の潅水用チューブ1においては、
図2、
図5~6に示すように、複数の潅水孔3の間隔をA、潅水用チューブ1をトレイ30に載置した状態において、潅水用チューブ1の長手方向Xにおける複数の灌水孔3に沿った(すなわち、複数の潅水孔3が設けられた直線に沿った)ポッド10の径をBとした場合に、下記式(4)の関係が成立する点に特徴がある。
【0036】
[数4]
2A<B (4)
【0037】
そして、このような構成により、
図5~6に示すように、各トレイ20,30において、複数のポッド10の全てに対して確実に潅水を行うことができるとともに、異なる等間隔のポッド10を有する複数種類のトレイ20,30に対しても、確実に潅水を行うことが可能になる。
【0038】
より具体的には、
図5~6に示すように、潅水用チューブ1をトレイ30に載置した状態における、潅水用チューブ1の長手方向Xにおける複数の灌水孔3に沿った(すなわち、複数の潅水孔3が設けられた直線に沿った)ポッド10間の間隔をCとした場合、
図5のトレイ20と
図6のトレイ30では、ポッド10間の間隔Cが異なるが、上記式(4)の関係が成立する本発明の潅水用チューブ1を用いることにより、異なる等間隔Cのポッド10を有する複数種類のトレイ20,30に対しても、確実に潅水を行うことが可能になる。
【0039】
次に、灌水用チューブ1の製造方法を説明する。潅水用チューブ1の製造工程は、送水管作製工程と、凹部形成工程と、潅水孔形成工程とを備えている。
【0040】
灌水用チューブ1を製造する際には、まず、熱可塑性樹脂材料を押出機により押出形成することによって、送水管2を作製し、この送水管2を畳んでテープ状のチューブとする。より具体的には、熱可塑性樹脂材料を溶融し、環状のダイから吐出させることにより、送水管2を作製し、その送水管2をピンチロールにより挟むことにより畳んでテープ状のチューブを得る。
【0041】
次に、送水管2の外表面からレーザ光を複数回、断続的に照射、或いは位置をずらして断続的に照射することにより、円形状の凹部を形成する。
【0042】
次に、凹部の中央に向けてレーザ光を照射して、潅水孔3を形成する。この際、送水管2に、所定の等間隔Aで、レーザ光をレーザ光発生器より照射して穿孔することにより、複数の潅水孔3を形成し、
図1~2に示す潅水用チューブ1が製造される。
【実施例0043】
以下に、本発明を実施例に基づいて説明する。なお、本発明は、これらの実施例に限定されるものではなく、これらの実施例を本発明の趣旨に基づいて変形、変更することが可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。
【0044】
(実施例1~4及び比較例1~6)
(潅水用チューブの設置)
まず、表1に記載の直径を有する6個のポッドからなるポッド列が2列配列され、表1に記載のポッド間の隙間D[mm]によりポッドが配列されている第1のトレイを用意した。
【0045】
次に、第1のトレイの短手方向におけるポッド間の隙間に、長手方向に等間隔で14個の灌水孔が設けられ、表1に示す潅水孔の間隔A[mm]、及び半径R[mm]を有する潅水用チューブを載置した。なお、潅水用チューブの幅Lの2倍と潅水用チューブの円周(=2πR)が同じであるため、幅Lの値から半径Rを求めた。
【0046】
また、潅水用チューブの長手方向における複数の灌水孔に沿ったポッド径Bと、潅水用チューブの長手方向における複数の灌水孔に沿ったポッド間の間隔Cを測定したところ、表1に示す値であった。
【0047】
次に、潅水用チューブの長手方向の一端側から、0.005MPaの水圧で潅水用チューブに送水し、送水管に設けられた灌水孔の角度が表1に示す中心角θ[°]となるように潅水孔を配置して、複数のポッドに植栽された各植物に対して、灌水を行った。
【0048】
(潅水漏れ評価)
上述の潅水を行った際に、灌水用の水がポッドの縁を超えずに潅水できた(潅水漏れがない)場合を〇、灌水用の水がポッドの縁を超えた(潅水漏れがある)場合を×とした。以上の結果を表1に示す。
【0049】
【0050】
表1に示すように、上記式(3)の関係が成立する実施例1~4、及び比較例1~3の潅水用チューブにおいては、潅水孔から適切な角度で水が噴出するため、潅水用の水がポッドの縁を超えることを防止することができ、複数のポッドに植栽された植物に対して確実に潅水することが可能になるため、効率よく短時間で潅水することができることが分かる。
【0051】
(複数のポッドに対する潅水性評価)
次に、上述の潅水漏れ評価に合格した実施例1~4、及び比較例1~3において、上述の潅水を行った際に、全てのポッドに対して潅水できた場合を〇、潅水できないポッドがあった場合を×とした。以上の結果を表1に示す。
【0052】
表1に示すように、上記式(4)の関係が成立する実施例1~4においては、第1のトレイにおいて、複数のポッドの全てに対して確実に潅水を行うことができることが分かる。
【0053】
(実施例5~6)
表2に記載の直径を有する7個のポッドからなるポッド列が2列配列され、表2に記載のポッド間の隙間D[mm]によりポッドが配列されている第2のトレイを用意した。
【0054】
次に、第2のトレイの短手方向におけるポッドの隙間に、長手方向に等間隔で15個の灌水孔が設けられ、表2に示す潅水孔の間隔A[mm]、及び半径R[mm]を有する潅水用チューブを載置した。なお、実施例5の潅水用チューブは、実施例3の潅水用チューブと同じであり、実施例6の潅水用チューブは、実施例4の潅水用チューブと同じである。また、潅水用チューブの幅Lの2倍と潅水用チューブの円周(=2πR)が同じであるため、幅Lの値から半径Rを求めた。
【0055】
また、潅水用チューブの長手方向における複数の灌水孔に沿ったポッド径Bと、潅水用チューブの長手方向における複数の灌水孔に沿ったポッド間の間隔Cを測定したところ、表2に示す値であった。
【0056】
次に、送水管2の長手方向の一端側から、0.005MPaの水圧で潅水用チューブに送水し、送水管に設けられた灌水孔の角度が表2に示す中心角θ[°]となるように潅水孔を配置して、複数のポッドに植栽された各植物に対して、灌水を行った。
【0057】
そして、上述の実施例1~4と同様にして、潅水漏れ評価、及び複数のポッドに対する潅水性評価を行った。以上の結果を表2に示す。
【0058】
【0059】
表2に示すように、上記式(3)の関係が成立する実施例5~6の潅水用チューブにおいては、実施例1~4と同様に、潅水孔から適切な角度で水が噴出するため、潅水用の水が、ポッドの縁を超えることを防止することができ、複数のポッドに植栽された植物に対して確実に潅水することが可能になるため、効率よく短時間で潅水することができることが分かる。
【0060】
また、表2に示すように、上記式(4)の関係が成立する実施例5~6においては、上述の実施例1~4と同様に、第2のトレイにおいて、複数のポッドの全てに対して確実に潅水を行うことができることが分かる。
【0061】
また、同じ潅水用チューブを使用している実施例3,5、及び実施例4,6の結果から、上記式(3),(4)の関係が成立することにより、異なる間隔Cのポッドを有する複数種類のトレイ(すなわち、第1,第2のトレイ)に対しても、同じ潅水用チューブにより、確実に潅水を行うことができることが分かる。