(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022175314
(43)【公開日】2022-11-25
(54)【発明の名称】電子機器
(51)【国際特許分類】
G06F 1/20 20060101AFI20221117BHJP
G06F 1/16 20060101ALI20221117BHJP
H05K 7/20 20060101ALI20221117BHJP
【FI】
G06F1/20 C
G06F1/20 B
G06F1/16 312E
G06F1/16 312U
H05K7/20 H
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021081617
(22)【出願日】2021-05-13
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-07-21
(71)【出願人】
【識別番号】505205731
【氏名又は名称】レノボ・シンガポール・プライベート・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】北村 昌宏
(72)【発明者】
【氏名】安達 貴光
【テーマコード(参考)】
5E322
【Fターム(参考)】
5E322AA01
5E322AB01
5E322AB04
5E322AB06
5E322BA01
5E322BA03
5E322BA05
5E322BB03
5E322DB10
5E322DB12
5E322EA11
5E322FA09
(57)【要約】
【課題】冷却性能と防水性能とを両立することができる電子機器を提供する。
【解決手段】電子機器は、底板に第1開口部及び第2開口部を有する筐体と、上下方向に空気を通過させるキーボード開口部を有するキーボード装置と、ファン装置と、を備える。電子機器は、さらに、第1空気取込口の外周縁部の一部を囲み、ファン筐体の下面と底板の内面との間に止水壁を形成する止水材と、止水材の第1端部と第2端部との間に形成され、平面視で第2開口部を臨んで開口した空気導入経路と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器であって、
内部に発熱体を搭載し、底板に第1開口部及び第2開口部を有する筐体と、
前記筐体の上面側に設けられ、上下方向に空気を通過させるキーボード開口部を有するキーボード装置と、
下面に第1空気取込口が形成され、上面に第2空気取込口が形成され、側面に空気排出口が形成されたファン筐体を有し、前記筐体の内部で該筐体の底板と前記キーボード装置の下面との間に配置されたファン装置と、
を備え、
前記第1開口部は、上下方向で前記第1空気取込口と重なる位置に設けられ、
前記第2開口部は、上下方向で前記発熱体と重なる位置に設けられ、
前記キーボード開口部は、上下方向で前記第2空気取込口と重なる位置に設けられ、
当該電子機器は、さらに、
前記第1空気取込口の外周縁部の一部を囲み、前記ファン筐体の下面と前記底板の内面との間に止水壁を形成する止水材と、
前記止水材の第1端部と第2端部との間に形成され、平面視で前記第2開口部を臨んで開口した空気導入経路と、
を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
請求項1に記載の電子機器であって、
前記空気導入経路は、前記第2開口部及び前記第1開口部を臨んで開口している
ことを特徴とする電子機器。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の電子機器であって、
前記止水材は、前記第1空気取込口の外周縁部の半周以上を囲んでいる
ことを特徴とする電子機器。
【請求項4】
請求項3に記載の電子機器であって、
平面視での前記ファン装置のインペラ部の回転方向を基準とした場合に、前記止水材は、前記第1空気取込口の外周縁部を囲む部分のうち、上流側にある部分を下流側にある部分よりも長く構成した延長部を有する
ことを特徴とする電子機器。
【請求項5】
請求項4に記載の電子機器であって、
前記止水材は、前記第1空気取込口を中心とした螺旋形、又はラビリンス形に構成されている
ことを特徴とする電子機器。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載の電子機器であって、
前記筐体は、水平面に載置した場合に後から前に向かって前下がりの傾斜姿勢となるものであり、
前記筐体の前後方向を基準とした場合に、前記止水材は、前記第1空気取込口の外周縁部のうちの最前部を含む一部を囲むように設けられている
ことを特徴とする電子機器。
【請求項7】
電子機器であって、
内部に発熱体を搭載し、底板に第1開口部及び第2開口部を有し、水平面に載置された場合に後から前に向かって前下がりの傾斜姿勢になる筐体と、
前記筐体の上面側に設けられ、上下方向に空気を通過させるキーボード開口部を有するキーボード装置と、
下面に第1空気取込口が形成され、上面に第2空気取込口が形成され、側面に空気排出口が形成されたファン筐体を有し、前記筐体の内部で該筐体の底板と前記キーボード装置の下面との間に配置されたファン装置と、
を備え、
前記第1開口部は、上下方向で前記第1空気取込口と重なる位置に設けられ、
前記第2開口部は、上下方向で前記発熱体と重なる位置に設けられ、
前記キーボード開口部は、上下方向で前記第2空気取込口と重なる位置に設けられ、
当該電子機器は、さらに、
前記筐体の前後方向を基準とした場合に前記第1空気取込口の外周縁部のうちの最前部を含む一部を囲み、前記ファン筐体の下面と前記底板の内面との間に止水壁を形成する止水材と、
前記止水材の第1端部と第2端部との間に形成され、前記筐体内の空気を前記第1空気取込口へと導入する空気導入経路と、
を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項8】
請求項7に記載の電子機器であって、
前記止水材は、前記第1空気取込口の外周縁部の半周以上を囲み、平面視でU字形、U字角形、又はC字形を構成したダム部を有する
ことを特徴とする電子機器。
【請求項9】
請求項7又は8に記載の電子機器であって、
前記止水材は、さらに、前記最前部に面して配置された部分から前記第1端部までの長さを、前記最前部に面して配置された部分から前記第2端部までの長さよりも長く構成した延長部を有する
ことを特徴とする電子機器。
【請求項10】
請求項9に記載の電子機器であって、
前記止水材は、前記第1空気取込口を中心とした螺旋形、又はラビリンス形に構成されている
ことを特徴とする電子機器。
【請求項11】
請求項7~10のいずれか1項に記載の電子機器であって、
前記空気導入経路は、平面視で前記第1開口部及び前記第2開口部の少なくとも一方を臨んで開口している
ことを特徴とする電子機器。
【請求項12】
電子機器であって、
内部に発熱体を搭載し、底板に第1開口部及び第2開口部を有する筐体と、
前記筐体の上面側に設けられ、上下方向に空気を通過させるキーボード開口部を有するキーボード装置と、
下面に第1空気取込口が形成され、上面に第2空気取込口が形成され、側面に空気排出口が形成されたファン筐体を有し、前記筐体の内部で該筐体の底板と前記キーボード装置の下面との間に配置されたファン装置と、
を備え、
前記第1開口部は、上下方向で前記第1空気取込口と重なる位置に設けられ、
前記第2開口部は、上下方向で前記発熱体と重なる位置に設けられ、
前記キーボード開口部は、上下方向で前記第2空気取込口と重なる位置に設けられ、
当該電子機器は、さらに、前記第1空気取込口を中心とした螺旋形、又はラビリンス形に構成されることで前記第1空気取込口の外周縁部の一部を囲み、前記ファン筐体の下面と前記底板の内面との間に止水壁を形成する止水材を備える
ことを特徴とする電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファン装置を備える電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願人は、ノート型PCのような電子機器において、キーボード装置を上下に貫通する開口部と、筐体の底板に設けた開口部とを備え、これら上下の開口部を通して筐体の上下から外気を吸気する構成を提案している(特許文献1参照)。この構成では、ファン装置の空気取込口の周囲を止水材で囲むことで、キーボード装置の開口部から誤って浸入した液体を底板の開口部から排出することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1の止水材は、実質的にファン装置の空気取込口の全周を囲んでいる。このため、この構成は、キーボード装置の開口部から浸入した液体の防水性能は極めて高い。
【0005】
ところで、筐体の底板には、ファン装置の直下以外にも吸気用の開口部が設けられる場合がある。この場合、仮に上記特許文献1の構成のようにファン筐体の空気取込口の全周を囲むように止水材を設けると、止水材が邪魔になり、この開口部から空気を円滑に吸い込むことができない場合があることが分かった。その結果、この構成では、筐体の上下面から外気を吸い込んでいるにも関わらず、全体として冷却効果が低下する懸念が明らかとなった。
【0006】
本発明は、上記従来技術の課題を考慮してなされたものであり、冷却性能と防水性能とを両立することができる電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1態様に係る電子機器は、内部に発熱体を搭載し、底板に第1開口部及び第2開口部を有する筐体と、前記筐体の上面側に設けられ、上下方向に空気を通過させるキーボード開口部を有するキーボード装置と、下面に第1空気取込口が形成され、上面に第2空気取込口が形成され、側面に空気排出口が形成されたファン筐体を有し、前記筐体の内部で該筐体の底板と前記キーボード装置の下面との間に配置されたファン装置と、を備え、前記第1開口部は、上下方向で前記第1空気取込口と重なる位置に設けられ、前記第2開口部は、上下方向で前記発熱体と重なる位置に設けられ、前記キーボード開口部は、上下方向で前記第2空気取込口と重なる位置に設けられ、当該電子機器は、さらに、前記第1空気取込口の外周縁部の一部を囲み、前記ファン筐体の下面と前記底板の内面との間に止水壁を形成する止水材と、前記止水材の第1端部と第2端部との間に形成され、平面視で前記第2開口部を臨んで開口した空気導入経路と、を備える。
【0008】
本発明の第2態様に係る電子機器は、内部に発熱体を搭載し、底板に第1開口部及び第2開口部を有し、水平面に載置された場合に後から前に向かって前下がりの傾斜姿勢になる筐体と、前記筐体の上面側に設けられ、上下方向に空気を通過させるキーボード開口部を有するキーボード装置と、下面に第1空気取込口が形成され面に第2空気取込口が形成され、側面に空気排出口が形成されたファン筐体を有し、前記筐体の内部で該筐体の底板と前記キーボード装置の下面との間に配置されたファン装置と、を備え、前記第1開口部は、上下方向で前記第1空気取込口と重なる位置に設けられ、前記第2開口部は、上下方向で前記発熱体と重なる位置に設けられ、前記キーボード開口部は、上下方向で前記第2空気取込口と重なる位置に設けられ、当該電子機器は、さらに、前記筐体の前後方向を基準とした場合に前記第1空気取込口の外周縁部のうちの最前部を含む一部を囲み、前記ファン筐体の下面と前記底板の内面との間に止水壁を形成する止水材と、前記止水材の第1端部と第2端部との間に形成され、前記筐体内の空気を前記第1空気取込口へと導入する空気導入経路と、を備える。
【0009】
本発明の第3態様に係る電子機器は、内部に発熱体を搭載し、底板に第1開口部及び第2開口部を有する筐体と、前記筐体の上面側に設けられ、上下方向に空気を通過させるキーボード開口部を有するキーボード装置と、下面に第1空気取込口が形成され、上面に第2空気取込口が形成され、側面に空気排出口が形成されたファン筐体を有し、前記筐体の内部で該筐体の底板と前記キーボード装置の下面との間に配置されたファン装置と、を備え、前記第1開口部は、上下方向で前記第1空気取込口と重なる位置に設けられ、前記第2開口部は、上下方向で前記発熱体と重なる位置に設けられ、前記キーボード開口部は、上下方向で前記第2空気取込口と重なる位置に設けられ、当該電子機器は、さらに、前記1空気取込口を中心とした螺旋形、又はラビリンス形に構成されることで前記第1空気取込口の外周縁部の一部を囲み、前記ファン筐体の下面と前記底板の内面との間に止水壁を形成する止水材を備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一態様によれば、冷却性能と防水性能とを両立することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、一実施形態に係る電子機器の平面図である。
【
図2】
図2は、筐体の内部構造を模式的に示す平面図である。
【
図3】
図3は、筐体の内部構造を模式的に示す底面図である。
【
図5】
図5は、筐体の内部構造を模式的に示す要部拡大側面断面図である。
【
図6】
図6は、電子機器を机の上等の水平面に載置した状態を模式的に示す要部拡大側面断面図である。
【
図7】
図7は、第1変形例に係る第1止水材を備える筐体の内部構造を模式的に示す要部拡大底面図である。
【
図8】
図8は、第2変形例に係る第1止水材を備える筐体の内部構造を模式的に示す要部拡大底面図である。
【
図9】
図9は、第3変形例に係る第1止水材を備える筐体の内部構造を模式的に示す要部拡大底面図である。
【
図10】
図10は、第4変形例に係る第1止水材を備える筐体の内部構造を模式的に示す要部拡大底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る電子機器について好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
【0013】
先ず、電子機器10の全体構成を説明する。
図1は、一実施形態に係る電子機器10の平面図である。電子機器10は、キーボード装置12を搭載した筐体14と、ディスプレイ16を搭載したディスプレイ筐体18とを備える。電子機器10は、筐体14とディスプレイ筐体18とをヒンジ20で相対的に回動可能に連結したクラムシェル型のノート型PCである。
図1は、ディスプレイ筐体18を筐体14から開いて使用形態とした状態を示す。電子機器10は、クラムシェル型以外の電子機器でもよい。
【0014】
以下、筐体14及びこれに搭載された各デバイスや各部材について、ディスプレイ16を見ながらキーボード装置12を使用するユーザから見た方向を基準とし、手前側を前、奥側を後、厚み方向を上下、幅方向を左右と呼んで説明する。
【0015】
図2は、筐体14の内部構造を模式的に示す平面図である。
図3は、筐体14の内部構造を模式的に示す底面図である。
図4は、筐体14の模式的な底面図である。
【0016】
図2及び
図3に示すように、筐体14の内部には、マザーボード22と、バッテリ装置23と、冷却装置24とが収容されている。
【0017】
マザーボード22は、当該電子機器10のメインボードである。マザーボード22は、筐体14の後方寄りに配置され、左右方向に亘って延在している。マザーボード22は、CPU(Central Processing Unit)22aの他、各種の半導体チップ22bが実装されたプリント基板である。CPU22aは、電子機器10の主たる制御や処理に関する演算を行う。CPU22aは、筐体14内に搭載された電子部品中で最大級の発熱体である。他の半導体チップ22bは、例えばGPU(Graphics Processing Unit)、SSD、通信モジュール、DC/DCコンバータ等を例示できる。これら半導体チップ22bは、CPU22aに次ぐ発熱体である。
【0018】
バッテリ装置23は、電子機器10の電源となる充電池である。バッテリ装置23は、マザーボード22の前方に配置され、筐体14の前方略半分の面積を占めている。
【0019】
冷却装置24は、CPU22aが発生する熱を吸熱して輸送し、筐体14外へと排出する装置である。冷却装置24は、半導体チップ22bが発生する熱も筐体14外に排出可能である。冷却装置24は、マザーボード22の下面(CPU22a等の実装面)に積層される。
【0020】
キーボード装置12は、筐体14の上面14aに設けられている。キーボード装置12は、複数のキースイッチ25を有する。キーボード装置12は、各キースイッチ25の操作面となるキートップ25aの周囲をフレーム26で仕切ったアイソレーション型のキーボード装置である。
【0021】
フレーム26は、樹脂や金属等で形成されている。フレーム26は、網目状の枠体である。本実施形態のフレーム26は、筐体14の上面14aを形成するカバー部材27と一体成形されている。フレーム26は、カバー部材27と別体に構成されてもよい。フレーム26は、各キートップ25aが上下動可能に挿入された複数の孔部26aを有する。フレーム26は、左右方向に延びた横枠部26bと、前後方向に延びた縦枠部26cとで囲まれた部分が孔部26aとなる。
【0022】
ディスプレイ筐体18は、前面にディスプレイ16を有する。ディスプレイ16は、例えばOLED(Organic Light Emitting Diode)や液晶で構成されている。ディスプレイ筐体18は、下端部が筐体14の後端部14bとヒンジ20を介して連結されている。
【0023】
次に、冷却装置24及びその周辺部の構成を説明する。
【0024】
図5は、筐体14の内部構造を模式的に示す要部拡大側面断面図である。
図2~
図5に示すように、冷却装置24は、熱輸送装置28と、押付部品29と、冷却フィン30と、ファン装置31とを備える。
【0025】
熱輸送装置28は、CPU22aと冷却フィン30との間を熱的に接続している。熱輸送装置28は、扁平な金属パイプに形成した密閉空間に作動流体を封入したヒートパイプである。熱輸送装置28は、密閉空間内で作動流体が相変化を生じながら流通し、CPU22aの熱を冷却フィン30まで高効率に輸送する。作動流体としては、例えば水、代替フロン、アセトン又はブタン等を例示できる。密閉空間内には、例えば金属製の細線を綿状に編んだメッシュや多孔質層等で形成されたウィックが設けられている。熱輸送装置28は、ヒートパイプをプレート型に構成したベーパーチャンバ、又は熱伝導率が高い銅やアルミニウム等のプレート等で構成されてもよい。
【0026】
押付部品29は、熱輸送装置28の表面に積層された銅板等の受熱板をCPU22aに押し付ける部品である。押付部品29は、例えばマザーボード22に板ばねを用いてねじ止めされることで受熱板をCPU22aの頂面に対して付勢する。
【0027】
冷却フィン30は、例えば筐体14の右側面に形成された排気口に面して配置される。冷却フィン30は、アルミニウム、銅、又はステンレスのような熱伝導率が高い金属のブロックに筐体14の内外方向(左右方向)に貫通する複数のスリットを形成したものである。冷却フィン30は、熱輸送装置28の表面と接合されている。筐体14の排気口は、筐体14の右側面や後側面に形成されてもよく、この場合も冷却フィン30はこれに面して配置されればよい。
【0028】
ファン装置31は、ファン筐体31aと、回転部31bと、インペラ部(ブレード部)31cとを備える。ファン装置31は、回転部31bがモータによって回転することで、その外周側に設けられたインペラ部31cが旋回する遠心ファンである。
【0029】
ファン筐体31aは、回転部31b及びインペラ部31cを収納する。ファン筐体31aは、下面を構成する下板32と、上面を構成する上板33と、側面を構成する側壁板34とを有する。各板32~34は、金属板或いは樹脂板である。側壁板34は、上板33と下板32との間に形成される空間の側部を覆う湾曲板である。
【0030】
下板32は、矩形板の一側を円形状に形成した略弾丸形状の薄板である。下板32の中央には、第1空気取込口32aが形成されている。第1空気取込口32aは、回転部31bと同軸に形成された略円形の孔部であり、回転部31b及びインペラ部31cの一部を露出させている。
図3に示すように、本実施形態の第1空気取込口32aは、一対の楕円孔を周方向に並べた構成であるが、第2空気取込口33aと同様なドーナツ形状等でもよい。
【0031】
上板33は、下板32と同一の外形形状を有する。上板33の中央には、第2空気取込口33aが形成されている。
図2に示すように、第2空気取込口33aは、例えばドーナツ形状の孔部である。第2空気取込口33aは、第1空気取込口32aと同様な形状でもよい。空気取込口32a,33aは、インペラ部31cの回転によってファン筐体31aの外部の空気を内部へと取り込むための開口である。
【0032】
ファン筐体31aは、円形ではなく直線状に形成された一側面に側壁板34が配設されず、この側面が空気排出口35となる。空気排出口35には、冷却フィン30が対向している。冷却フィン30は、熱輸送装置28を介してCPU22aと熱的に接続されている。これによりファン装置31は、熱輸送装置28によって運ばれたCPU22aの熱を空気排出口35からの送風によって外部に排出できる。
図1及び
図4に示すように、空気排出口35及び冷却フィン30は、筐体14の側面に形成された排気口37に面している(
図2~
図5参照)。
【0033】
図5に示すように、筐体14は、底面を形成する底板38の内面38aと、キーボード装置12の下面12aとの間にファン装置31を収容している。マザーボード22は、筐体14の内部でファン装置31を避けるように設けられている(
図2及び
図3も参照)。
【0034】
図4及び
図5に示すように、底板38には、第1開口部38b及び第2開口部38cが形成されている。開口部38b,38cは、筐体14内に底面から空気Aを導入する吸気口であり、例えば複数本のスリット状の孔部を並列した構成である。
【0035】
第1開口部38bは、平面視でファン筐体31aの第1空気取込口32aと重なる位置に近接して設けられ、これと対向している。
図4では、第1開口部38bは、底板38の左右方向に9個並んだスリットを前後方向に4列並べた構成を例示している。第2開口部38cは、平面視でCPU22a及び半導体チップ22bの一部又は全部と重なる位置に設けられ、これらと対向している。
図4では、第2開口部38cは、底板38の左右方向に22個並んだスリットを前後方向に2列並べた構成を例示している。これら開口部38b,38cは、平面視で熱輸送装置28と重なる位置にも設けられている。
【0036】
図5に示すように、キーボード装置12は、複数のキースイッチ25と、ベースプレート40と、メンブレンシート41と、導光板42とを備える。
【0037】
各キースイッチ25は、キートップ25aと、ガイド機構25bと、ラバードーム25cとを有する。ガイド機構25bは、キートップ25aをベースプレート40の上面40a側で上下動可能に支持するものである。ガイド機構25bは、キートップ25aの下面とベースプレート40の上面40aとの間を連結するシザー機構である。ラバードーム25cは、シリコーンゴム等の可撓性を有する弾性材料で形成されたドーム形状部材である。ラバードーム25cは、メンブレンシート41とキートップ25aとの間に配設されている。
【0038】
ベースプレート40は、各キースイッチ25やフレーム26の取付板である。ベースプレート40は、薄いステンレス板やアルミニウム板等、金属製の板状部材に切り起こし成形や打ち抜き成形を施したものである。
【0039】
メンブレンシート41は、ベースプレート40の上面40aに積層されている。メンブレンシート41は、例えば押圧された場合に接点が閉じる三層構造のスイッチシートである。メンブレンシート41は、例えば固定接点及び可動接点が重なる位置が押圧された場合に、固定接点と可動接点とが密着することで接点を閉じる。メンブレンシート41は各所に貫通孔を有し、この貫通孔を通してガイド機構25bやフレーム26がベースプレート40の上面40aに支持される。
【0040】
導光板42は、ベースプレート40の下面40bに積層されている。導光板42は、例えばPET、ポリカーボネート、アクリル等の透光性を有する樹脂製のプレートやシートである。導光板42は、下面に取り付けられた光源が発する光を左右方向に導き、光反射面で反射して各キートップ25aを裏面から照射する。導光板42に代えて防水シートを用いてもよい。
【0041】
図5に示すように、キーボード装置12は、上下方向に貫通したキーボード開口部46を有する。
【0042】
キーボード開口部46は、筐体14内へと上面14aから空気Aを流入させるための開口である。キーボード開口部46は、平面視でファン筐体31aの第2空気取込口33aと重なる位置に近接して設けられ、これと対向している。キーボード開口部46は、ファン筐体31aの第2空気取込口33aの直上で開口しており、第2空気取込口33aの開口面積に対して、例えば30%以上の開口率に設定される。
【0043】
本実施形態のキーボード開口部46は、上から下に向かって順に、隣接するキートップ25a,25a間の隙間と、切欠部26dと、孔部41aと、孔部40cと、孔部42aとが連通することで形成されている。切欠部26dは、フレーム26の枠部28b,28cの下面側を切り欠くことで空気Aの流路を形成したものである。孔部41aは、メンブレンシート41に貫通形成されている。孔部40cは、ベースプレート40に貫通形成されている。孔部42aは、導光板42に貫通形成されている導光板42に代えて防水シートを用いた場合は、防水シートに孔部42aを形成すればよい。
【0044】
図5に示すように、ファン装置31は、筐体14の下側の空気Aを底板38の第1開口部38bから第1空気取込口32aを介して吸気する。同時に、ファン装置31は、筐体14の上側の空気Aをキーボード装置12のキーボード開口部46から第2空気取込口33aを介して吸気する。ファン装置31は、各空気取込口32a,33aから吸い込んだ空気Aを空気排出口35及び排気口37を通して筐体14外に排出する際、冷却フィン30を空冷する。これによりファン装置31は、筐体14の上下面から十分に空気Aを取り込むことができ、高い冷却効率が得られる。
【0045】
さらにファン装置31は、筐体14の下側の空気Aを底板38の第2開口部38cからも吸気する。この際、第2開口部38cから筐体14内に吸引された空気Aは、CPU22a、半導体チップ22b、及び熱輸送装置28の周囲を通過した後、第1空気取込口32aに取り込まれる。これによりCPU22a、半導体チップ22b、及び熱輸送装置28が一層効率よく冷却される。特にCPU22a以外の半導体チップ22bは、熱輸送装置28が接続されていないため、第2開口部38cから吸引された空気Aによる冷却は極めて効果的である。
【0046】
ところで、キーボード開口部46は、電子機器10の上面14aを貫通している。このため、例えばユーザが誤ってキーボード装置12上に飲料等の液体をこぼした場合、キーボード開口部46が液体流路となって筐体14の内部が浸水する懸念がある。
【0047】
そこで、電子機器10は、筐体14内のマザーボード22やその他の電子部品への浸水を防止する防水構造を備える。
図2、
図3及び
図5に示すように、この防水構造は、第1止水材50と、第2止水材52とを備える。
【0048】
図5に示すように、第1止水材50は、ファン筐体31aの下面(下板32の表面32b)と、底板38の内面38aとの間に設けられ、両面に密着する。これにより第1止水材50は、筐体14の内部において第1開口部38b及び第1空気取込口32aと、マザーボード22等との間に止水壁を形成する。第1止水材50は、所定の止水効果を発揮すれば材質は問わないが、柔軟な材質であることが好ましい。本実施形態では、第1止水材50として、例えばEPDM等の発泡体の一面に粘着テープを貼り付けた気密防水パッキンと呼ばれるスポンジ状のシール材を用いている。
【0049】
図3に示すように、第1止水材50は、ダム部56と、空気導入経路58とを有する。
【0050】
ダム部56は、ファン装置31の第1空気取込口32aの外周縁部の一部を囲むように設けられており、平面視で袋状の部分である。ダム部56は、第1空気取込口32aの外周縁部の全周のうち、半周以上を囲んでいることが好ましい。後述する液体F1の貯留性能を確保するためである(
図6参照)。これによりダム部56は、平面視で例えばU字形、U字角形、又はC字形を構成している。なお、U字角形とは、例えば角筒の一辺を除去したような形状を言う。
【0051】
上記した通り、本実施形態の第1空気取込口32aは、一対の楕円孔を周方向に並べた構成である。ダム部56は、第1空気取込口32aを構成する全ての孔部を1つの孔部と仮定した際の外周縁部の半周以上の長さに設定されることが好ましい。
【0052】
空気導入経路58は、第1止水材50の第1端部50aと第2端部50bとの間に形成された開口である。空気導入経路58は、袋状のダム部56の開口部に相当する部分である。空気導入経路58は、筐体14内の空気をファン装置31の第1空気取込口32aへと導入するための経路である。
【0053】
図3に示す平面視で、空気導入経路58は、底板38に開口した第2開口部38cの方向を臨んでいる。これにより空気導入経路58は、第2開口部38cから筐体14内に吸引され、CPU22aや半導体チップ22bを空冷した空気Aをマザーボード22の下面側を通して第1空気取込口32aに導入することができる(
図5参照)。空気導入経路58は、さらに第1開口部38bを臨むように設けられてもよい。例えば本実施形態の第1開口部38bは、平面視で熱輸送装置28と重なる位置にある(
図6参照)。このため、空気導入経路58が第1開口部38bも臨んでいることで、第1開口部38bから筐体14内に取り込まれた空気が、熱輸送装置28で輸送中のCPU22aの熱を受け取りつつ第1空気取込口32aに導入される。その結果、電子機器10の冷却効率が一層向上する。
【0054】
図3に示すように、ダム部56は、筐体14の前後方向で、第1空気取込口32aの外周縁部における最前部32c(
図3中に黒点で示す)を含む部分を囲んでいる。第1止水材50は、この最前部32cに面した部分から第1端部50aまでの長さを、第2端部50bまでの長さよりも長く構成した延長部50cを有する。延長部50cは、最前部32cから第1端部50aに向かって後方に延在した後、左方へと屈曲して延在している。延長部50cは、反対側の第2端部50bを包含するように配置されている。これにより第1止水材50は、第1空気取込口32aを中心とした螺旋形、又はラビリンス形を形成している。これにより延長部50cは、第1空気取込口32aから空気導入経路58を通して筐体14内に液体Fが漏れ出すことを一層抑制する。本実施形態の延長部50cは、一部が熱輸送装置28の表面と底板38の内面38aとの間に配置されている。
【0055】
延長部50cは、第2開口部38cから第1空気取込口32aに向かう空気の流れをガイドするガイド壁としても機能する。延長部50cは、平面視でインペラ部31cの回転方向(
図3では半時計方向)を基準とした場合に、ダム部56の上流側に位置する部分56aを下流側に位置する部分56bよりも長く構成している。これにより延長部50cは、空気を第1空気取込口32aに向かって円滑にガイドできる。
【0056】
図5に示すように、第2止水材52は、ファン筐体31aの上面(上板33の表面33b)と、キーボード装置12の下面12aとの間に設けられ、両面に密着する。これにより第2止水材52は、筐体14の内部においてキーボード開口部46及び第2空気取込口33aと、マザーボード22等との間に止水壁を形成する。第2止水材52は、第1止水材50と同一又は同様の材質で構成すればよい。
【0057】
図2に示すように、第2止水材52は、ダム部60と、空気導入経路62とを有する。
【0058】
ダム部60は、ファン装置31の第2空気取込口33aの外周縁部の一部を囲む袋状の部分である。ダム部60は、ダム部56と略同形状であり、平面視で例えばU字形、U字角形、又はC字形を成している。
【0059】
空気導入経路62は、第2止水材52の第1端部52aと第2端部52bとの間に形成された開口である。空気導入経路62は、袋状のダム部60の開口部に相当する部分である。空気導入経路62は、筐体14内の空気をファン装置31の第2空気取込口33aへと導入するための経路である。空気導入経路62は、ファン装置31の吸引作用により、筐体14内のマザーボード22の上面側にある空気を第2空気取込口33aに導入する。また空気導入経路62は、第2開口部38cから筐体14内に吸引され、CPU22aや半導体チップ22bを空冷しつつマザーボード22の上面側に回り込んだ空気も第2空気取込口33aに導入する。
【0060】
図2に示すように、ダム部60についても、筐体14の前後方向で、第2空気取込口33aの外周縁部における最前部33c(
図2中に黒点で示す)を含む部分を囲んでいる。第2止水材52についても、最前部33cに面した部分から第1端部52aまでの長さを、第2端部50bまでの長さよりも長く構成した延長部52cを有する。これにより第2止水材52についても第1空気取込口32aを中心とした螺旋形、又はラビリンス形を構成している。その結果、延長部52cも水漏れの防止効果を向上させ、空気の流れをガイドするガイド壁としての機能も有する。
【0061】
図6は、電子機器10を机の上等の水平面63に載置した状態を模式的に示す要部拡大側面断面図である。
【0062】
図4及び
図6に示すように、筐体14の底面(底板38の下面38d)には、例えば一対の後脚64,64と、一対の前脚65,65とが設けられている。脚64,65は、いわゆるゴム脚である。後脚64は、下面38dの後端部14b近傍の左右両端近傍にそれぞれ設けられている。前脚65は、下面38dの前端部14c近傍の左右両端近傍にそれぞれ設けられている。
図6は、図面の都合上、脚64,65をそれぞれ
図4の位置よりも前後方向で中央部に寄せた位置に図示している。
【0063】
後脚64は、前脚65よりも高い。このため、筐体14は、水平面63上に載置した場合に、後から前に向かって前下がりの傾斜姿勢となる。ここで、
図3及び
図6に示すように、第1止水材50のダム部56は、筐体14の前後方向で、第1空気取込口32aの外周縁部のうちの最前部32cを含む一部を囲んでいる。なお、第2止水材52のダム部60も同様である。
【0064】
以上より、本実施形態の電子機器10は、
図5及び
図6に示すように、キーボード装置12の上から液体Fがキーボード開口部46へと浸入した際、この液体Fが筐体14の内部でファン装置31の外側の空間に浸入し、マザーボード22等が浸水することを抑制できる。すなわち、キーボード開口部46から浸入した液体Fは、第2止水材52の止水作用下に第2空気取込口33aからファン筐体31a内へと吸い込まれる。この液体Fの一部は、第1止水材50の止水作用下に第1空気取込口32a及び第1開口部38bを介して筐体14の外部に排水される。つまり電子機器10は、キーボード開口部46、第2空気取込口33a、インペラ部31c、第1空気取込口32a、第1開口部38bが液体Fの排水経路としても機能する。また、液体Fの残部は、インペラ部31cによる送風によって空気排出口35及び冷却フィン30へと流通して排気口37から筐体14の外部に排水される。
【0065】
この際、第1止水材50は、第1空気取込口32aの外周縁部の一部のみを囲んでおり、空気導入経路58が筐体14内を向いて開口している。その結果、上記した通り、電子機器10は、第2開口部38cからの空気Aをファン装置31に導入し、高い冷却性能が得られる。ところが、空気導入経路58は、ダム部56の全長に比べれば小さな隙間ではあるが、液体Fがここから筐体14内に浸入する懸念もある。
【0066】
この点、本実施形態の電子機器10は、想定される通常の使用時にダム部56が第1空気取込口32aの外周縁部のうち最も低い位置(最前部32c)を底にしたダム構造を形成する(
図6参照)。このため、キーボード開口部46からファン筐体31aを通過した液体Fは、ダム部56によって一時的に貯留され(
図6中の液体F1参照)、その後、第1開口部38bや排気口37から筐体14外へと排水される。その結果、液体Fが空気導入経路58から筐体14内に浸入することを効果的に抑制できる。つまり電子機器10は、冷却性能と防水性能とを両立できる。特に、インペラ部31cが回転していない場合、液体Fは排気口37には排出されない。しかしながらこの場合にも、液体Fはダム部56によって一時的に貯留されつつ、次第に第1開口部38bから筐体14外に排出される。
【0067】
筐体14は、水平面63に載置された際、前下がりの傾斜姿勢にならず、水平又は多少後下がりの傾斜姿勢になる構成としてもよい。この場合は、ダム部56の配置は、上下方向が無関係となるため、最前部32cを含まない位置に設けてもよい。この構成では、ダム部56による液体Fの貯留性能は低下する。しかしながら、この場合にも電子機器10は、第1止水材50がダム部56と空気導入経路58とを備えることで、冷却性能と防水性能との両立は可能である。なお、この場合は、第1止水材50は
図3に示すような螺旋形又はラビリンス形としておくことで、特に防水性能の向上を期待できる。
【0068】
第2止水材52についても第1止水材50と同様、ダム部60での防水性能の向上と、空気導入経路62での冷却性能の向上とに貢献している。なお、本実施形態の電子機器10は、CPU22aや半導体チップ22bのように発熱体の大部分がマザーボード22の下面側にある。このため第2止水材52は、空気導入経路62を省略してもよい。そこで第2止水材52は、例えば第2空気取込口33aの外周縁部を全周囲むリング形に構成してもよい。また、第2止水材52は、筐体14内で第1止水材50よりも上方にあるため、空気導入経路62からの液漏れの発生頻度は低い。このため、第2止水材52自体を省略し、冷却性能の一層の向上を図ってもよい。
【0069】
第1止水材50は、止水作用と空気のガイド作用とが得られれば、
図3に示す形状以外でもよい。例えば
図7に示す第1止水材50Aは、平面視で略J字形に構成されている。例えば
図8に示す第1止水材50Bは、
図7に示す第1止水材50Aの第2端部50bを第1空気取込口32aの後側に回り込ませることで、螺旋形又はラビリンス形を成している。例えば
図9に示す第1止水材50Cは、
図7に示す第1止水材50Aの延長部50cを除去した構成であり、全体として平面視でC字形を成している。例えば
図10に示す第1止水材50Dは、
図9に示す第1止水材50Cをファン装置31の軸中心周りに時計方向に回転させた構成である。第1止水材50は、これら第1止水材50A~50D以外にも各種形状を採用できる。
【0070】
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で自由に変更できることは勿論である。
【0071】
筐体14の前下がりの傾斜姿勢は、脚64,65ではなく、筐体14自体の傾きによって構成されてもよい。また、筐体14自体が傾斜するのではなく、例えばマザーボード22やファン装置31を筐体14内に傾けて設置することによって構成してもよい。
【符号の説明】
【0072】
10 電子機器
12 キーボード装置
14 筐体
22 マザーボード
22a CPU
22b 半導体チップ
31 ファン装置
31a ファン筐体
32a 第1空気取込口
33a 第2空気取込口
38b 第1開口部
38c 第2開口部
46 キーボード開口部
50,50A~50D 第1止水材
52 第2止水材
56,60 ダム部
58,62 空気導入経路