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特開2022-175334着脱式テーブル及び着脱式テーブルセット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022175334
(43)【公開日】2022-11-25
(54)【発明の名称】着脱式テーブル及び着脱式テーブルセット
(51)【国際特許分類】
   B60N 3/00 20060101AFI20221117BHJP
   A47C 7/62 20060101ALI20221117BHJP
   B60N 3/10 20060101ALI20221117BHJP
   A47C 1/12 20060101ALI20221117BHJP
【FI】
B60N3/00 A
A47C7/62 B
B60N3/10 A
A47C1/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021081648
(22)【出願日】2021-05-13
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和3年3月30日 広島市サッカースタジアム整備等事業者選定審議会内のプレゼンテーションにて公開
(71)【出願人】
【識別番号】000003621
【氏名又は名称】株式会社竹中工務店
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】奥村 雄樹
(72)【発明者】
【氏名】小林 要
【テーマコード(参考)】
3B084
3B088
3B099
【Fターム(参考)】
3B084JA02
3B084JA05
3B084JA08
3B088AA01
3B088AA02
3B088AA03
3B088LA03
3B088LB02
3B088LB03
3B088LB07
3B099FA10
3B099FA15
3B099FA24
(57)【要約】
【課題】椅子に装着する着脱式テーブルのテーブル部の面積を大きくする。
【解決手段】椅子に着脱可能に装着する着脱式テーブル100は、椅子の跳ね上げた座部及び背部の少なくとも一方に被せるカバー部110と、カバー部110の下部116から前方に延びるテーブル部150と、テーブル部150の幅方向の両外側に設けられ椅子の肘掛部に装着するテーブル側肘掛装着部160と、が設けられている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
椅子に着脱可能に装着する着脱式テーブルであって、
前記椅子の跳ね上げた座部及び背部の少なくとも一方に被せるカバー部と、
前記カバー部の下部から前方に延びるテーブル部と、
を備えた着脱式テーブル。
【請求項2】
前記テーブル部の幅方向の両外側には、それぞれ前記椅子の肘掛部に装着する肘掛装着部が設けられている、
請求項1の着脱式テーブル。
【請求項3】
前記カバー部の上面部には、カップホルダーが設けられている、
請求項1又は請求項2に記載の着脱式テーブル。
【請求項4】
第一椅子に装着する請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の着脱式テーブルと、
前記第一椅子の隣の第二椅子の肘掛部に着脱可能に装着する着脱式仕切板と、
を備えた着脱式テーブルセット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着脱式テーブル及び着脱式テーブルセットに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、乗用車等の車両において、特にシートに着脱可能に装着されるトレイに関する技術が開示されている。この先行技術では、着脱式トレイは、車載ホルダユニットとしてのカップホルダーにセット可能である。ホルダ部に係合可能な嵌合部が下方へ突設され、嵌合部を介してカップホルダーにセットされる。車内装備品としての座席シートの適所に設けた装着部に着脱可能に装着され、装着部から取り外した際、カップホルダーにセットされる。使用しない場合はシートサイドの装着部に装着され、格納される。装着部から取り外してカップホルダーにセットすることができる。
【0003】
特許文献2には、車内またはカップホルダー付き椅子での飲食等を補助する為の(車内用従来既製品カップホルダーまたはカップホルダー付き椅子へ脱着することが可能なテーブル)に関する技術が開示されている。この先行技術では、テーブルの天板下部端側に従来品カップホルダーへ装着可能なサイズの円筒形支柱脚を設けるとともに、容器類が滑って落ちにくいように交換可能な凡庸弾性部材を脱着できる凹凸を設けた簡易テーブルを特徴としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002-331862号公報
【特許文献2】特開2009-83831号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
映画館等において、自席の椅子の肘掛部の前端部のカップホルダーに差し込んで使用する着脱式トレイが知られている。このような肘掛部のカップホルダーに差し込んで使用する着脱式トレイは、自席の椅子の前で使用する。よって、このような着脱式トレイは、自席と前席の椅子との間を人が通ること等を考慮すると、トレイの面積を大きくすることに限界がある。
【0006】
本発明は、上記事実を鑑み、椅子に装着する着脱式テーブルのテーブル部の面積を大きくすることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第一態様は、椅子に着脱可能に装着する着脱式テーブルであって、前記椅子の跳ね上げた座部及び背部の少なくとも一方に被せるカバー部と、前記カバー部の下部から前方に延びるテーブル部と、を備えた着脱式テーブルである。
【0008】
第一態様の着脱式テーブルでは、椅子の跳ね上げた座部及び背部の少なくとも一方に被せるカバー部の下部から前方にテーブル部が延びている。よって、椅子における座部及び背部の少なくとも一方の前側をテーブル部として利用できるので、テーブル部の面積を大きくすることができる。
【0009】
第二態様は、前記テーブル部の幅方向の両外側には、それぞれ前記椅子の肘掛部に装着する肘掛装着部が設けられている、第一態様に記載の着脱式テーブルである。
【0010】
第二態様の着脱式テーブルでは、テーブル部の幅方向の両外側にそれぞれ設けられた肘掛装着部を椅子の肘掛部に装着することで、テーブル部が肘掛部に掛け渡される。よって、両側の肘掛部がテーブル部を支持するので、テーブル部が片持ちである場合と比較し、積載可能重量が大きくなる。
【0011】
第三態様は、前記カバー部の上面部には、カップホルダーが設けられている、第一態様又は第二態様に記載の着脱式テーブルである。
【0012】
第三態様の着脱式テーブルでは、カバー部の上面部にカップホルダーが設けられているので、カップホルダーがテーブル部に設けられている場合と比較し、テーブル部を広く使用できる。
【0013】
第四態様は、第一椅子に装着する第一態様~第三態様のいずれか一態様に記載の着脱式テーブルと、前記第一椅子の隣の第二椅子の肘掛部に着脱可能に装着する着脱式仕切板と、を備えた着脱式テーブルセットである。
【0014】
第四態様の着脱式テーブルセットでは、第一椅子に着脱式テーブルを装着し、第一椅子の隣の第二椅子の肘掛部に着脱式仕切板を装着することで、第二椅子とその横との間が仕切られる。これにより、例えば、第二椅子に座っている人への視線が遮られ、落ち着いた空間となる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、椅子に装着する着脱式テーブルのテーブル部の面積を大きくできる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】第一実施形態の着脱式テーブルの斜視図である。
図2】第一実施形態の着脱式仕切板の斜視図である。
図3】(A)は第一実施形態の着脱式テーブルが装着された椅子のX方向から見た側面図であり、(B)は第一実施形態の着脱式仕切板が装着された椅子のX方向から見た側面図である。
図4】第一実施形態の着脱式テーブル及び着脱式仕切板が装着された椅子を上方から見た平面図である。
図5】観客が第一実施形態の着脱式テーブルを利用する際の図4に対応する平面図である。
図6】第一実施形態の着脱式テーブル及び着脱式椅子が装着された椅子をY方向から見た正面図である。
図7】観客席を上方から見た平面図である。
図8】第二実施形態の着脱式テーブルの斜視図である。
図9】第二実施形態の着脱式テーブルが装着された椅子を上方から見た平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<第一実施形態>
第一実施形態の着脱式テーブル及び着脱式仕切板で構成された着脱式テーブルセットについて説明する。なお、水平方向の直交する二方向をX方向及びY方向とし、それぞれ矢印X及び矢印Yで示す。また、X方向及びY方向と直交する鉛直方向をZ方向として、矢印Zで示す。
【0018】
[構造]
まず、着脱式テーブルセットの着脱式テーブル及び着脱式仕切板の構造について説明する。
【0019】
図7は、観覧用の椅子10が並んでいる競技場等の階段状の観客席90を示している。観客席90は、複数の椅子10が並んだ列92と列92との間に通路94が設けられている。
【0020】
図3(A)、図3(B)、図4及び図6に示すように、椅子10は、フレーム12、座部20、背部30及び肘掛部40等を有して構成されている。椅子10のフレーム12に、座部20及び背部30等の各部が固定されている。
【0021】
なお、椅子10の前後方向をY方向とする。また、椅子10の背部30側を後側とし、背部30と反対側を前側とする。また、Y方向から見た場合のX方向を椅子10の幅方向とする。
【0022】
図3(A)、図3(B)及び図6に示すように、本実施形態では椅子10のフレーム12の下端部14は、観客席90の段差部96の前面部97に接合されているが、これに限定されるものではない。
【0023】
図4及び図6に示すように、肘掛部40は、椅子10の座部20の幅方向の外側に設けられている。本実施形態の肘掛部40の前端部には、カップホルダー42が設けられている(図3(A)及び図3(B)も参照)。なお、図4図6及び図7に示すように、本実施形態の肘掛部40は、隣り合う椅子10と椅子10との間に独立して一つ設けられているが、これに限定されるものではない。
【0024】
図4及び図6に示すように、座部20は、後端部22がフレーム12の内面に回転可能に設けられている。よって、本実施形態の椅子10は、観客が着席時の横臥姿勢のときは座面20Aが略水平方向に沿っているが、観客が非着席時のときは座面20Aが略鉛直方向に沿った方向に跳ね上がる座跳ね上げ式椅子である(図3(A)及び図3(B)も参照)。
【0025】
図1及び図2に示す着脱式テーブルセット50を構成する着脱式テーブル100(図1参照)及び着脱式仕切板200(図2参照)は、椅子10(図4及び図6等を参照)に着脱可能に装着する。なお、以降の説明において、着脱式テーブル100及び着脱式仕切板200の各方向は、椅子10(図4及び図6等を参照)に装着した状態におけるものである。
【0026】
図1に示すように、着脱式テーブル100は、カバー部110とテーブル部150とテーブル側肘掛装着部160と有して構成されている。カバー部110は、下側が開放された箱形状とされている。カバー部110の上面部112には、幅方向に間隔をあけて凹部114が形成されている。この凹部114は、カップが差し込まれるカップホルダーとして機能する。
【0027】
図3(A)に示すように、カバー部110は、椅子10の跳ね上げられた座部20の上部24に上方から差し込み被せる形状となっている(図4及び図6も参照)。
【0028】
図1に示すように、テーブル部150は、カバー部110の下部116から前側に延びている。テーブル側肘掛装着部160は、テーブル部150の幅方向両側の辺部に設けられている。テーブル側肘掛装着部160は、前後方向に長く下方が開放された箱形状とされている。
【0029】
図3(A)に示すように、テーブル側肘掛装着部160は、椅子10の肘掛部40に上方から被せて装着する形状となっている(図4及び図6も参照)。
【0030】
図2に示す着脱式仕切板200は、仕切板部210及び仕切側肘掛装着部260を有して構成されている。仕切側肘掛装着部260は、前後方向に長く下方が開放された箱形状とされている。仕切板部210は、面外方向を幅方向として、仕切側肘掛装着部260の上面260Aに設けられている。
【0031】
図3(B)に示すように、仕切側肘掛装着部260は、肘掛部40に上方から被せて装着する形状となっている(図4及び図6も参照)。
【0032】
(椅子への装着)
次に着脱式テーブルセット50の着脱式テーブル100及び着脱式仕切板200の椅子10への装着について説明する。なお、図3図4及び図6に示すように、着脱式テーブル100を装着する椅子10を第一椅子10Aとし、着脱式仕切板200を装着する椅子10を第二椅子10Bとする。また、第二椅子10Bは、第一椅子10Aの両隣の椅子である。
【0033】
図3(A)、図4及び図6に示すように、着脱式テーブル100(図1参照)は、座部20の座面20Aが略鉛直方向に沿った方向に跳ね上げられた第一椅子10Aに装着される。カバー部110は、跳ね上げられた座部20の上部24に上方から差し込み被せられる。テーブル部150の幅方向両側のテーブル側肘掛装着部160は、第一椅子10Aの両側の肘掛部40に上方から覆うように装着される。これにより、着脱式テーブル100のテーブル部150は、両側の肘掛部40に掛け渡されて固定される。なお、本実施形態では、カバー部110の内面と座部20の上部24との間には隙間が形成されている。
【0034】
図4に示すように、着脱式テーブル100のカバー部110の上端113は、第一椅子10Aの背部30の上端31よりも低い。
【0035】
図3(B)、図4及び図6に示すように、着脱式仕切板200(図2参照)は、第一椅子10Aの両隣の第二椅子10Bにおける着脱式テーブル100のテーブル側肘掛装着部160が装着されていない側の肘掛部40に装着される。これにより、第二椅子10Bと、第一椅子10Aと反対側の椅子10との間が、着脱式仕切板200の仕切板部210で仕切られる。
【0036】
[作用及び効果]
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
【0037】
本実施形態の着脱式テーブル100は、第一椅子10Aの跳ね上げた座部20に被せるカバー部110の下部116からテーブル部150が延びている。よって、椅子10における跳ね上げた座部20の前側全体をテーブル部150として利用できるので、テーブル部150の面積を大きくすることができる。また、テーブル部150の面積を大きくしても、前の列92の椅子10との間の通路94を人が通る際にも邪魔にならない又は邪魔になり難い。
【0038】
また、テーブル部150の幅方向の両外側にそれぞれ設けられたテーブル側肘掛装着部160を第一椅子10Aの両側の肘掛部40に装着することで、テーブル部150が肘掛部40に掛け渡される。よって、両側の肘掛部40がテーブル部150を支持するので、テーブル部150が片持ちである場合と比較し、テーブル部150の積載可能重量が大きくなる。
【0039】
また、カバー部110の上面部112にカップホルダーとなる凹部114が設けられているので、カップホルダーがテーブル部150に設けられている場合と比較し、テーブル部150を広く使用できる。
【0040】
また、第二椅子10Bにおける着脱式テーブル100のテーブル側肘掛装着部160が装着されていない側の肘掛部40に着脱式仕切板200が装着されることで、第二椅子10Bとその横の椅子10との間が仕切られる。これにより、例えば、第二椅子10Bに座っている人への視線が遮られ、落ち着いた空間となる。
【0041】
なお、着脱式テーブル100のカバー部110の上端113は、第一椅子10Aの背部30の上端31よりも低い。よって、第一椅子10Aの後の椅子10に観客が座っていたとしてもカバー部110によって観戦が妨げられることはない。
【0042】
ここで、図5に示すように、本実施形態では、三席の椅子10の中央の第一椅子10Aに着脱式テーブル100を装着し、第一椅子10Aの両隣の第二椅子10Bに着脱式仕切板200を装着している。また、第一椅子10Aの座部20は跳ね上げられている。
【0043】
よって、第一椅子10Aの両隣に第二椅子10Bに座った観客500A、500Bがそれぞれ脚502A、502Bを第一椅子10Aの着脱式テーブル100のテーブル部150の下に入れて、会話しながら飲食することができる。
【0044】
また、カバー部110の上面部112にカップホルダーとなる凹部114が設けられており、カップが観客500A、500Bとテーブル部150との間にないので、カップが食事の邪魔にならない。
【0045】
更に、第二椅子10Bの第一椅子10Aと反対側の肘掛部40に着脱式仕切板200を装着することで、第一椅子10Aとその両隣の第二椅子10Bの三席が仕切られ、落ち着いた空間となる。
【0046】
このように、既存の椅子10に必要に応じて着脱式テーブルセット50を用いることで、第一椅子10Aとその両隣の第二椅子10Bの三席を、観戦しながら飲食が可能な落ち着いた空間とすることができる。また、着脱式テーブル100及び着脱式仕切板200を取り外すと元の椅子10に戻すことができる。
【0047】
言い換えると、観戦しながら飲食が可能な落ち着た空間が必要なVIP対応の席を、専用の椅子や通路等を予め設けておくことなく、適宜設けることができる。
【0048】
<第二実施形態>
第二実施形態の着脱式テーブルについて説明する。なお、第一実施形態と同一の部材には同一の符号を付し、重複する説明は省略又は簡略化する。
【0049】
[構造]
まず、着脱式テーブルの構造について説明する。
【0050】
図8に示すように、着脱式テーブル300は、カバー部110とテーブル部150とテーブル側肘掛装着部160と仕切板部210とを有して構成されている。カバー部110は、下側が開放された箱形状とされている。カバー部110の上面部112には、幅方向に間隔をあけてカップホルダーとして機能する凹部114が形成されている。
【0051】
テーブル部150は、カバー部110の下部116から前側に延びている。テーブル部150の幅方向両側の辺部には、テーブル側肘掛装着部160が設けられている。仕切板部210は、面外方向を幅方向として、一方のテーブル側肘掛装着部160の上面160Aに設けられている。
【0052】
(椅子への装着)
次に、着脱式テーブル300の椅子10への装着について説明する。なお、図9に示すように、着脱式テーブル300を装着する椅子を第一椅子10Aとし、第一椅子10Aの隣の椅子を第二椅子10Bとする。
【0053】
図9に示すように、着脱式テーブル300(図8参照)は、座部20の座面20Aが略鉛直方向に沿った方向に跳ね上げられた第一椅子10Aに装着される。カバー部110は、跳ね上げられた座部20の上部24に上方から差し込み被せられる。テーブル部150の幅方向両側のテーブル側肘掛装着部160は、第一椅子10Aの両側の肘掛部40に上方から覆うように装着される。これにより、着脱式テーブル100のテーブル部150は、両側の肘掛部40に掛け渡されて固定される。また、仕切板部210によって、隣の椅子10との間が仕切られる。
【0054】
[作用及び効果]
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
【0055】
本実施形態の着脱式テーブル300は、第一椅子10Aの跳ね上げた座部20に被せるカバー部110の下部116からテーブル部150が延びている。よって、椅子10における跳ね上げた座部20の前側全体をテーブル部150として利用できるので、テーブル部150の面積を大きくすることができる。また、テーブル部150の面積を大きくしても、前の列92の椅子10との間の通路94を人が通る際にも邪魔にならない又は邪魔になり難い。
【0056】
また、テーブル部150の幅方向の両外側にそれぞれ設けられたテーブル側肘掛装着部160を第一椅子10Aの両側の肘掛部40に装着することで、テーブル部150が肘掛部40に掛け渡される。よって、両側の肘掛部40がテーブル部150を支持するので、テーブル部150が片持ちである場合と比較し、テーブル部150の積載可能重量が大きくなる。
【0057】
また、カバー部110の上面部112にカップホルダーとなる凹部114が設けられているので、カップホルダーがテーブル部150に設けられている場合と比較し、テーブル部150を広く使用できる。
【0058】
また、仕切板部210によって、隣の椅子10との間が仕切られる。これにより、例えば、第二椅子10Bに座っている人への視線が遮られ、落ち着いた空間となる。
【0059】
ここで、本実施形態では、二席の椅子10の一方の第一椅子10Aに着脱式テーブル100を装着している。
【0060】
よって、第一椅子10Aの隣の第二椅子10Bに座った観客が第一椅子10Aの着脱式テーブル100のテーブル部150の下に脚を入れて飲食することができる(図5参照)。
【0061】
また、カバー部110の上面部112にカップホルダーとなる凹部114が設けられており、カップがテーブル部150との間にないので、カップが食事の邪魔にならない。
【0062】
更に、仕切板部210によって、第一椅子10Aと隣の第二椅子10Bの二席が仕切られ、落ち着いた空間となる。
【0063】
このように、既存の椅子10に必要に応じて着脱式テーブル300を用いることで、第一椅子10Aと隣の第二椅子10Bの二席を、観戦しながら飲食が可能な落ち着た空間とすることができる。また、着脱式テーブル300及び着脱式仕切板200を取り外すと元の椅子10に戻すことができる。
【0064】
言い換えると、観戦しながら飲食が可能な落ち着た空間が必要なVIP対応の席を、専用の椅子や通路等を予め設けておくことなく、適宜設けることができる。
【0065】
<その他>
尚、本発明は上記実施形態に限定されない。
【0066】
例えば、上記実施形態では、着脱式テーブル100、300のカバー部110は、跳ね上げられた座部20に被せたがこれに限定されない。カバー部110は、跳ね上げられた座部20と背部30との両方に被せるようにししてもよい、また、跳ね上げられない座部20の場合、カバー部110は背部30に被せるにように構成してもよい。
【0067】
また、例えば、上記実施形態の着脱式テーブル100、300のテーブル部150の幅方向両側の辺部に設けられたテーブル側肘掛装着部160は、前後方向に長く下方が開放された箱形状であったが、これに限定されない。例えば、テーブル側肘掛装着部は、箱形状でなく、幅方向外側の側壁と前端の前壁とのみを有して構成されていてもよい。要は、テーブル側肘掛装着部は、テーブル部を両側の肘掛部40に掛け渡し、片持ちでなく、両側の肘掛部40がテーブル部を支持する機能を有していればよい。
【0068】
また、例えば、上記実施形態では、着脱式テーブル100、300は、テーブル部150の両外側のテーブル側肘掛装着部160に装着して、テーブル部150を肘掛部40に掛け渡したが、これに限定されない。肘掛部40が無い椅子にも適用可能なように、テーブル側肘掛装着部160が設けられていない構成であってもよい。この場合、カバー部110が座部20及び背部30の少なくとも一方に被せることで固定される構造とする。また、必要に応じてテーブル部150の下面等に適宜リブなどを設けて剛性を確保する。
【0069】
更に、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得る。複数の実施形態及び変形例等は、適宜、組み合わされて実施可能である。
【符号の説明】
【0070】
10 椅子
10A 第一椅子
10B 第二椅子
20 座部
30 背部
40 肘掛部
50 着脱式テーブルセット
100 着脱式テーブル
110 カバー部
112 上面部
114 凹部(カップホルダーの一例)
116 下部
150 テーブル部
160 テーブル側肘掛装着部
200 着脱式仕切板
210 仕切板部
260 仕切側肘掛装着部
300 着脱式テーブル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9