(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022175393
(43)【公開日】2022-11-25
(54)【発明の名称】カウント装置及びカウント方法
(51)【国際特許分類】
G06F 3/04845 20220101AFI20221117BHJP
G06F 13/00 20060101ALI20221117BHJP
【FI】
G06F3/0484 150
G06F13/00 353U
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021081748
(22)【出願日】2021-05-13
(71)【出願人】
【識別番号】000006666
【氏名又は名称】アズビル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003166
【氏名又は名称】弁理士法人山王内外特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡部 拓也
【テーマコード(参考)】
5B089
5E555
【Fターム(参考)】
5B089GA21
5B089GB02
5B089JA36
5B089KA02
5B089LB14
5E555AA23
5E555BA02
5E555BB02
5E555BC08
5E555CB74
5E555CC22
5E555DB41
5E555DC35
5E555DD06
5E555DD08
5E555EA11
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】カウント数の密度を把握可能とする。
【解決手段】第1の時間単位で、カウント対象であるデータの数をカウントするカウント部102と、第1の時間単位よりも短い第2の時間単位で、カウント部102によりカウントされた数を取得することで、密度を検出する密度検出部103と、カウント部102によるカウント結果及び密度検出部103による検出結果に基づいて、当該カウント部102によりカウントされた数を示す表示を行うとともに、当該密度検出部103により検出された密度を視認可能な表示を行った表示画面を生成する画面生成部104と、画面生成部104により生成された表示画面を表示装置に表示させる表示制御部105とを備えた。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の時間単位で、カウント対象であるデータの数をカウントするカウント部と、
第1の時間単位よりも短い第2の時間単位で、前記カウント部によりカウントされた数を取得することで、密度を検出する密度検出部と、
前記カウント部によるカウント結果及び前記密度検出部による検出結果に基づいて、当該カウント部によりカウントされた数を示す表示を行うとともに、当該密度検出部により検出された密度を視認可能な表示を行った表示画面を生成する画面生成部と、
前記画面生成部により生成された表示画面を表示装置に表示させる表示制御部と
を備えたカウント装置。
【請求項2】
前記画面生成部は、前記密度検出部により検出された密度に応じた色で、前記カウント部によりカウントされた数を示す表示を行った表示画面を生成する
ことを特徴とする請求項1記載のカウント装置。
【請求項3】
メッセージの送受信を行う送受信部を備え、
前記カウント部は、第1の時間単位で、前記送受信部により送受信されたメッセージの数をカウントする
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のカウント装置。
【請求項4】
カウント部が、第1の時間単位で、カウント対象であるデータの数をカウントするステップと、
密度検出部が、前記第1の時間単位よりも短い第2の時間単位で、前記カウント部によりカウントされた数を取得することで、密度を検出するステップと、
画面生成部が、前記カウント部によるカウント結果及び前記密度検出部による検出結果に基づいて、当該カウント部によりカウントされた数を示す表示を行うとともに、当該密度検出部により検出された密度を視認可能な表示を行った表示画面を生成するステップと、
表示制御部が、前記画面生成部により生成された表示画面を表示装置に表示させるステップと
を有するカウント方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、データの数をカウントするカウント装置及びカウント方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ビル監視システムにおけるコントローラ等では、例えば
図5に示すように、所定の時間単位で、カウント対象であるデータをカウントする機能を有している。
図5に示す表示画面では、1時間単位で、ダイレクト送信メッセージ数、ダイレクト受信メッセージ数、グローバル送信メッセージ数、及びグローバル受信メッセージ数がカウントされた場合を示している。また、この表示画面では、上記の他に、1時間単位で、ダイレクト送信再送回数、オーバーランエラー数、フレーミングエラー回数、CRCエラー回数、及び受信監視時間異常回数がカウントされた場合を示している。
【0003】
ここで、例えば1時間当たりに60件のダイレクト送信メッセージが送信されたとする。このダイレクト送信メッセージの数は、1分毎に1件ずつ定常的に生じた場合と、1分間に60件集中して生じた場合とで、どちらも1時間当たりに60件という結果になる。しかしながら、後者の方が、前者に対してダイレクト送信メッセージの発生間隔が短く、すなわち密度が高い。また、負荷は、密度が高い方が高く、重篤である。すなわち、後者の方が、前者に対して負荷が高いことになる。そして、高い負荷がかかることで、正常な動作が阻害される可能性がある。
【0004】
一方、これに関し、例えば特許文献1には、機器の通電回数を記録し、設定値を超えたら通知する機能が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のように、製品の正常性を確認するため、通電回数を記録する機能は存在する。しかしながら、特許文献1に開示された方法では、通電回数を記録しているだけであり、その密度については知ることができない。
【0007】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、カウント数の密度を把握可能なカウント装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明に係るカウント装置は、第1の時間単位で、カウント対象であるデータの数をカウントするカウント部と、第1の時間単位よりも短い第2の時間単位で、カウント部によりカウントされた数を取得することで、密度を検出する密度検出部と、カウント部によるカウント結果及び密度検出部による検出結果に基づいて、当該カウント部によりカウントされた数を示す表示を行うとともに、当該密度検出部により検出された密度を視認可能な表示を行った表示画面を生成する画面生成部と、画面生成部により生成された表示画面を表示装置に表示させる表示制御部とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、上記のように構成したので、カウント数の密度を把握可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施の形態1に係るカウント装置を含むカウントシステムの構成例を示す図である。
【
図2】実施の形態1に係るカウント装置の構成例を示す図である。
【
図3】実施の形態1に係るカウント装置の動作例を示すフローチャートである。
【
図4】実施の形態1に係るカウント装置の動作例を説明する図である。
【
図5】従来のカウント装置の動作例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は実施の形態1に係るカウント装置1を含むカウントシステムの構成例を示す図である。以下では、カウント装置1がカウント対象とするデータが、メッセージである場合を例に説明を行う。
カウントシステムは、
図1に示すように、カウント装置1及び機器2を備えている。
【0012】
カウント装置1は、機器2との間でメッセージの送受信を行い、そのメッセージの数をカウントする。このカウント装置1は、
図2に示すように、送受信部101、カウント部102、密度検出部103、画面生成部104及び表示制御部105を備えている。
【0013】
なお、カウント装置1は、システムLSI(Large Scale Integration)等の処理回路、又はメモリ等に記憶されたプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)等により実現される。
【0014】
送受信部101は、機器2との間でメッセージの送受信を行う。ここで、メッセージとしては、ダイレクトメッセージ(ダイレクト送信メッセージ及びダイレクト受信メッセージ)又はグローバルメッセージ(グローバル送信メッセージ及びグローバル受信メッセージ)が挙げられる。
【0015】
カウント部102は、第1の時間単位で、カウント対象であるデータの数をカウントする。
図1,2に示す実施の形態1に係るカウント装置1のカウント部102では、第1の時間単位で、送受信部101により送受信されたメッセージの数をカウントする。この際、カウント部102は、送受信部101により送信されたメッセージと、送受信部101により受信されたメッセージとを区別してカウントを行ってもよい。また、カウント部102は、メッセージの種別(ダイレクトメッセージ及びグローバルメッセージ等)毎に区別してカウントを行ってもよい。
【0016】
密度検出部103は、第2の時間単位で、カウント部102によりカウントされた数を取得することで、密度を検出する。なお、第2の時間単位は、第1の時間単位よりも短い時間単位である。例えば、第1の時間単位が1時間単位である場合、第2の時間単位は数分単位又は数十分単位等とされる。
また、
図1,2に示す実施の形態1に係るカウント装置1の密度検出部103は、カウント部102によって送受信部101により送信されたメッセージと送受信部101により受信されたメッセージとが区別されてカウントが行われた場合には、密度についても区別して検出を行う。また、
図1,2に示す実施の形態1に係るカウント装置1の密度検出部103は、カウント部102によりメッセージの種別毎に区別されてカウントが行われた場合には、密度についても区別して検出を行う。
【0017】
画面生成部104は、カウント部102によるカウント結果及び密度検出部103による検出結果に基づいて、表示画面を生成する。この際、画面生成部104は、カウント部102によりカウントされた数を示す表示を行うとともに、密度検出部103により検出された密度を視認可能な表示を行った表示画面を生成する。例えば、画面生成部104は、密度検出部103により検出された密度に応じた色で、カウント部102によりカウントされた数を示す表示を行った表示画面を生成する。
【0018】
表示制御部105は、画面生成部104により生成された表示画面を、表示装置(不図示)に表示させる。
なお、表示装置は、カウント装置1の内部に設けられていてもよいし、カウント装置1の外部に設けられていてもよい。
【0019】
次に、
図1,2に示す実施の形態1に係るカウント装置1の動作例について、
図3を参照しながら説明する。
【0020】
図1,2に示す実施の形態1に係るカウント装置1の動作例では、
図3に示すように、まず、送受信部101は、機器2との間でメッセージの送受信を行う(ステップST301)。この送受信部101による機器2との間での送受信処理は、必要に応じて適宜実施される。
【0021】
次いで、カウント部102は、第1の時間単位で、送受信部101により送受信されたメッセージの数をカウントする(ステップST302)。この際、カウント部102は、送受信部101により送信されたメッセージと、送受信部101により受信されたメッセージとを区別してカウントを行ってもよい。また、カウント部102は、メッセージの種別毎に区別してカウントを行ってもよい。
【0022】
次いで、密度検出部103は、第2の時間単位で、カウント部102によりカウントされた数を取得することで、密度を検出する(ステップST303)。この際、密度検出部103は、カウント部102によって送受信部101により送信されたメッセージと送受信部101により受信されたメッセージとが区別されてカウントが行われた場合には、密度についても区別して検出を行う。また、密度検出部103は、カウント部102によりメッセージの種別毎に区別されてカウントが行われた場合には、密度についても区別して検出を行う。
【0023】
次いで、画面生成部104は、カウント部102によるカウント結果及び密度検出部103による検出結果に基づいて、表示画面を生成する(ステップST304)。この際、画面生成部104は、カウント部102によりカウントされた数を示す表示を行うとともに、密度検出部103により検出された密度を視認可能な表示を行った表示画面を生成する。
【0024】
次いで、表示制御部105は、画面生成部104により生成された表示画面を、表示装置に表示させる(ステップST305)。
【0025】
次に、
図1,2に示す実施の形態1に係るカウント装置1の動作の具体例について説明する。
図4は実施の形態1に係るカウント装置1により生成される表示画面の一例を示す図である。
図4では、カウント部102により、ダイレクト送信メッセージの数、ダイレクト受信メッセージの数、ダイレクト送信メッセージの再送回数、グローバル送信メッセージの数及びグローバル受信メッセージの数がカウントされた場合を示している。また、第1の時間単位は1時間単位である。そして、
図4では、画面生成部104は、密度検出部103により検出された密度に応じた色で、カウント部102によりカウントされた数を示す表示を行った表示画面を生成している。
【0026】
この場合、画面生成部104は、事前に、密度の度合いに対する区分(閾値)と、その区分に対する表示内容(
図4では色)とが設定される。例えば、第2の時間単位を1分単位とし、1分間にカウントされた数が50回未満である場合には正常(黒)とし、1分間にカウントされた数が50回以上75回未満である場合には注意(黄色)とし、1分間にカウントされた数が75回以上100回未満である場合には警告(赤)とし、1分間にカウントされた数が100回以上の場合には警報(紫)とする。そして、画面生成部104は、密度検出部103により検出された密度がどの区分に当てはまるかを判定することで、その区分に応じた表示内容で表示画面に対する表示を行う。
図4では、モノクロで表示画面を示しているため、色の濃淡で色の違いを表現しており、色が濃くなる毎に密度が高くなることを示している。
【0027】
図4の例では、1日の1時におけるダイレクト送信メッセージ数及びダイレクト受信メッセージ数が最も色が濃くなっており、密度が最も高い状態となっている。また、1日の0時におけるダイレクト送信メッセージ数及びダイレクト受信メッセージ数が2番目に色が濃くなっており、密度が2番目に高い状態となっている。
【0028】
このように、カウントされた数の密度を色で示すことで、ユーザは過密箇所を一目で確認できるようになる。その結果、直ちに不具合が生じる状態ではない場合でも負荷の高い箇所を把握可能となり、負荷による不具合を事前に防止することが可能となる。また、不具合が生じた場合にも詳しく調査すべき箇所をある程度特定する際に役立つ。
【0029】
なお上記では、画面生成部104が、密度検出部103により検出された密度に応じた色で、カウント部102によりカウントされた数を示す表示を行う場合を示した。しかしながら、これに限らず、画面生成部104は、密度検出部103により検出された密度を視認可能な表示を行えばよい。
例えば、画面生成部104は、密度検出部103により検出された密度に応じた線の太さで、カウント部102によりカウントされた数を示す表示を行ってもよい。また、例えば、画面生成部104は、カウント部102によりカウントされた数の表示と並列して、密度検出部103により検出された密度に応じた文字(「注意」、「警告」又は「警報」等)の表示を行ってもよい。
【0030】
また上記では、カウント部102がカウントするカウント対象であるデータの数が、送受信部101により送受信されたメッセージの数である場合を示した。しかしながら、カウント部102のカウント対象はこれに限らない。例えば、カウント部102は、エラーの発生回数をカウントしてもよいし、機器2のオンオフ回数をカウントしてもよい。
【0031】
以上のように、この実施の形態1によれば、カウント装置1は、第1の時間単位で、カウント対象であるデータの数をカウントするカウント部102と、第1の時間単位よりも短い第2の時間単位で、カウント部102によりカウントされた数を取得することで、密度を検出する密度検出部103と、カウント部102によるカウント結果及び密度検出部103による検出結果に基づいて、当該カウント部102によりカウントされた数を示す表示を行うとともに、当該密度検出部103により検出された密度を視認可能な表示を行った表示画面を生成する画面生成部104と、画面生成部104により生成された表示画面を表示装置に表示させる表示制御部105とを備えた。これにより、実施の形態1に係るカウント装置1は、カウント数の密度を把握可能となる。
【0032】
なお、本願発明はその発明の範囲内において、実施の形態の任意の構成要素の変形、若しくは実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0033】
1 カウント装置
2 機器
101 送受信部
102 カウント部
103 密度検出部
104 画面生成部
105 表示制御部