(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022175398
(43)【公開日】2022-11-25
(54)【発明の名称】ロボットアーム
(51)【国際特許分類】
B25J 9/10 20060101AFI20221117BHJP
【FI】
B25J9/10 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021081755
(22)【出願日】2021-05-13
(71)【出願人】
【識別番号】000006666
【氏名又は名称】アズビル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003166
【氏名又は名称】弁理士法人山王内外特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 圭
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707BS10
3C707KS21
3C707KS35
3C707KX10
3C707LT17
3C707LW03
3C707MT08
(57)【要約】
【課題】従来に対してより柔軟にエンコーダの初期化を可能とする。
【解決手段】回動可能に接続された2つのアーム1と、2つのアーム1間の角度を計測するエンコーダ2と、2つのアーム1に設けられ、当該2つのアーム1の姿勢を複数の校正姿勢に遷移可能とする目印である表示部3と、エンコーダ2の初期化で用いられるオフセット量を取得するオフセット量取得部401と、2つのアーム1の姿勢が何れかの校正姿勢に遷移された後、オフセット量取得部401により取得されたオフセット量に基づいて、エンコーダ2の初期化を行う初期化部402とを備えた。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回動可能に接続された2つのアームと、
前記2つのアーム間の角度を計測するエンコーダと、
前記2つのアームに設けられ、当該2つのアームの姿勢を複数の校正姿勢に遷移可能とする目印である表示部と、
前記エンコーダの初期化で用いられるオフセット量を取得するオフセット量取得部と、
前記2つのアームの姿勢が前記校正姿勢のうちの何れかの校正姿勢に遷移された後、前記オフセット量取得部により取得されたオフセット量に基づいて、前記エンコーダの初期化を行う初期化部と
を備えたロボットアーム。
【請求項2】
直列に接続された3つ以上のアームを備え、
前記2つのアームに対する前記校正姿勢の数は、先端側の方が根元側に対して少ない
ことを特徴とする請求項1記載のロボットアーム。
【請求項3】
前記校正姿勢毎にオフセット量を記憶する記憶部と、
前記2つのアーム間でのトルクを取得するトルク取得部と、
前記トルク取得部により取得されたトルクに基づいて、前記校正姿勢のうちの何れの校正姿勢が選択されたかを判定する判定部と、
前記判定部による判定結果に基づいて、前記2つのアームの姿勢を、選択された校正姿勢に遷移させる遷移部とを備え、
前記オフセット量取得部は、前記遷移部により前記2つのアームの姿勢が校正姿勢に遷移された後、当該校正姿勢に対応するオフセット量を、前記記憶部から読出すことで取得する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のロボットアーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、2つのアーム間の角度を計測するエンコーダの初期化が可能なロボットアームに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ロボットアームが有する2つのアーム間の角度を計測するエンコーダの初期化を行う際、当該2つのアームの姿勢を、校正点を位置合わせ用の基準点に合わせることで、予め規定された校正姿勢とする方法が知られている(例えば特許文献1参照)。この従来のエンコーダの初期化方法では、校正点及び基準点は1対1の関係にあり、校正姿勢は1つである。例えば、校正姿勢としては、上記2つのアームが一直線状となるような姿勢が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、上記のように、従来のエンコーダの初期化方法では、校正姿勢が1つとされている。一方、ロボットアームでは、その設置環境によっては、障害物の存在等によって、上記2つのアームの姿勢を上記校正姿勢とすることができない場合があり得る。
【0005】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、従来に対してより柔軟にエンコーダの初期化が可能なロボットアームを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係るロボットアームは、回動可能に接続された2つのアームと、2つのアーム間の角度を計測するエンコーダと、2つのアームに設けられ、当該2つのアームの姿勢を複数の校正姿勢に遷移可能とする目印である表示部と、エンコーダの初期化で用いられるオフセット量を取得するオフセット量取得部と、2つのアームの姿勢が校正姿勢のうちの何れかの校正姿勢に遷移された後、オフセット量取得部により取得されたオフセット量に基づいて、エンコーダの初期化を行う初期化部とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、上記のように構成したので、従来に対してより柔軟にエンコーダの初期化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態1に係るロボットアームの構成例を示す図である。
【
図2】実施の形態1に係るロボットアームが有する2つのアームに対する校正姿勢の一例を示す図である。
【
図3】実施の形態1に係る校正装置の構成例を示す図である。
【
図4】実施の形態1に係るロボットアームで用いられるオフセット量を説明するための図である。
【
図5】実施の形態1に係る校正装置の動作例を示すフローチャートである。
【
図6】実施の形態1に係るロボットアームの全体構成例を示す図である。
【
図7】実施の形態2に係るロボットアームの構成例を示す図である。
【
図8】実施の形態2に係る校正装置の構成例を示す図である。
【
図9】実施の形態2に係る校正装置の動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は実施の形態1に係るロボットアームの構成例を示す図である。
ロボットアームは、直列に接続された複数のアーム1を有する。
図1では、ロボットアームが有するアーム1のうち、回動可能に接続された2つのアーム1(アーム(第1アーム)1a及びアーム(第2アーム)1b)部分のみを図示している。
図1では、アーム1bは、端部がアーム1aの端部に回動可能に接続されている。
【0010】
このアーム1aとアーム1bとの間の関節部分には、エンコーダ2が設けられている。エンコーダ2は、アーム1aとアーム1bとの間の角度を計測する。
【0011】
また、アーム1a及びアーム1bには、表示部3が設けられている。表示部3は、アーム1a及びアーム1bの姿勢を複数の校正姿勢に遷移可能とする目印である。表示部3は、表示点(第1表示点)301及び表示点(第2表示点)302を有している。表示点301及び表示点302は、1対複数の関係となっている。
例えば、
図1に示すように、アーム1aに1つの表示点301が表示され、アーム1b(より具体的にはアーム1bと一体になって回動する関節部分)に複数の表示点302が表示される。そして、表示点301の位置と任意の表示点302の位置とが合わせられることで、アーム1a及びアーム1bの姿勢が任意の校正姿勢に遷移される。
【0012】
なお、上記複数の表示点302のうちの1つの表示点302は代表表示点として設定され、表示点301の位置と当該代表表示点の位置とが合わせられることで遷移される校正姿勢は代表校正姿勢として設定される。
【0013】
図1では、アーム1aに1つの表示点301が表示され、アーム1bに3つの表示点302が表示されている。
そして、例えば、
図1に示す表示点301の位置と1番上の表示点302の位置とが合わせられることで、アーム1a及びアーム1bの姿勢が
図2の符号21に示す校正姿勢に遷移される。また、例えば、
図1に示す表示点301の位置と真ん中の表示点302の位置とが合わせられることで、アーム1a及びアーム1bの姿勢が
図2の符号22に示す校正姿勢に遷移される。また、例えば、
図1に示す表示点301の位置と1番下の表示点302の位置とが合わせられることで、アーム1a及びアーム1bの姿勢が
図2の符号23に示す校正姿勢に遷移される。
【0014】
なお
図1では、アーム1aに1つの表示点301が表示され、アーム1bに複数の表示点302が表示された場合を示した。しかしながら、これに限らず、アーム1aに複数の表示点301が表示され、アーム1bに1つの表示点302が表示されていてもよい。
この場合、上記複数の表示点301のうちの1つの表示点301は代表表示点として設定され、当該代表表示点の位置と表示点302の位置とが合わせられることで遷移される校正姿勢は代表校正姿勢として設定される。
【0015】
また、ロボットアームには、校正装置4が設けられている。校正装置4は、ロボットアームに設けられたエンコーダ2の初期化を行うための装置である。この校正装置4は、
図3に示すように、オフセット量取得部401及び初期化部402を有している。
【0016】
なお、校正装置4は、システムLSI(Large Scale Integration)等の処理回路、又はメモリ等に記憶されたプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)等により実現される。
【0017】
オフセット量取得部401は、エンコーダ2の初期化で用いられるオフセット量を取得する。オフセット量は、上記校正姿勢毎に設定される。ここで、上記校正姿勢のうち、代表校正姿勢に対するオフセット量は0に設定され、その他の校正姿勢に対するオフセット量は、当該校正姿勢の代表校正姿勢に対する角度差に応じた値に設定される。
また、実施の形態1では、オフセット量取得部401は、作業者による入力端末(不図示)を介したオフセット量の入力を受付けることで、当該オフセット量を取得する。
【0018】
例えば
図4では、アーム1bに設けられた表示点302のうちの1番上の表示点302が代表表示点として設定され、表示点301の位置が当該1番上の表示点302の位置に合わせられた際の校正姿勢が代表校正姿勢として設定されている。そして、この場合、この代表校正姿勢に対するオフセット量は0に設定される。
また、表示点301の位置が真ん中の表示点302の位置に合わせられた際の校正姿勢に対するオフセット量は、代表校正姿勢と当該校正姿勢との角度差(1番上の表示点302と真ん中の表示点302との角度差)に応じた値(
図4に示すΔ1)に設定される。
また、表示点301の位置が1番下の表示点302の位置に合わせられた際の校正姿勢に対するオフセット量は、代表校正姿勢と当該校正姿勢との角度差(1番上の表示点302と1番下の表示点302との角度差)に応じた値(
図4に示すΔ2)に設定される。
【0019】
初期化部402は、アーム1a及びアーム1bの姿勢が上記校正姿勢のうちの何れかの校正姿勢に遷移された後、オフセット量取得部401により取得されたオフセット量に基づいて、エンコーダ2の初期化を行う。この際、初期化部402は、エンコーダ2の初期化を行う際に、角度に対してオフセット量を加算する。初期化部402によるエンコーダ2の初期化方法は、オフセット量が加算される点以外は、従来のエンコーダの初期化方法と同様である。
なお、実施の形態1では、アーム1a及びアーム1bの校正姿勢への遷移は、作業者が手動で行うことを想定している。
【0020】
次に、
図1,3に示す実施の形態1に係る校正装置4の動作例について、
図5を参照しながら説明する。
【0021】
この場合、まず、作業者は、アーム1a及びアーム1bに対して設定された複数の校正姿勢のうちの1つの校正姿勢を選択し、アーム1bを移動させる。ここで、例えば
図1,2では、アーム1a及びアーム1bに対する校正姿勢として、3つの校正姿勢が設定されている。この場合、作業者は、この3つの校正姿勢の中から1つの校正姿勢を選択する。この際、作業者は、ロボットアームの設置環境等を考慮し、障害物等に干渉することがない校正姿勢を選択する。これにより、アーム1a及びアーム1bの姿勢が校正姿勢に遷移される。
次いで、作業者は、選択した校正姿勢に対応するオフセット量を、入力端末を介して入力する。
【0022】
次いで、
図5に示すように、オフセット量取得部401は、作業者による入力を受付けることで、オフセット量を取得する(ステップST501)。
【0023】
次いで、初期化部402は、オフセット量取得部401により取得されたオフセット量に基づいて、エンコーダ2の初期化を行う(ステップST502)。この際、初期化部402は、エンコーダ2の初期化を行う際に、角度に対してオフセット量を加算する。
【0024】
なお上記では、ロボットアームが有するアーム1のうちの2つのアーム1(アーム1a及びアーム1b)間でのエンコーダ2の初期化作業について説明を行った。一方、ロボットアームが複数のエンコーダ2を有する場合、全てのエンコーダ2に対して上記と同様の作業を繰り返す。
【0025】
ここで、従来では、校正点及び基準点が1対1の関係となっており、すなわち校正姿勢は1つに制限されている。一方、ロボットアームは、一般的に動作範囲が広く、また、組立工程のような多様な対象物を扱う条件でも使用される。そのため、基本的に動作範囲が広いとしても、障害物の存在等により、動作可能な範囲が制約される。よって、ロボットアームでは、その設置環境等によっては、上記校正姿勢とすることができない場合があり、利便性に支障が生じる。
【0026】
そこで、実施の形態1に係るロボットアームでは、表示点301及び表示点302を1対複数の関係とし、すなわち校正姿勢を複数の中から選択可能としている。また、校正姿勢毎にエンコーダ2の初期化に対するオフセット量が設定されている。これにより、作業者は、ロボットアームの設定環境等に応じて任意の1つの校正姿勢を選択可能であり、エンコーダ2の初期化がより柔軟に実施可能となり、利便性が向上する。
【0027】
なお、
図6に示すように、ロボットアームが3つ以上のアーム1を有する場合、上記2つのアーム1に対する校正姿勢の数は、先端側の方が根元側に対して少なくなるように設定されている方がよい。これにより、ロボットアームは、予め設定するオフセット数が全て同じである条件と比較した場合に、障害物を回避できる確率を高くできる配分になるとともに、コスト及び誤りの低減が可能となる。すなわち、
図6の例では、ロボットアームのうちの根元側については校正姿勢の数を多くすることで、ロボットアーム全体の姿勢を多彩な姿勢とすることが可能となる。一方、ロボットアームのうちの先端側については校正姿勢の数を多くしても、根元側の場合に対し、ロボットアーム全体への影響は少ない。よって、ロボットアーム全体への影響が少ない部分については校正姿勢の数を減らすことで、エンコーダ2の初期化をより柔軟に行うという点は維持しつつ、コストを低減でき、また、校正姿勢の選択肢を削減することで作業者による誤りを低減可能となる。
【0028】
以上のように、この実施の形態1によれば、ロボットアームは、回動可能に接続された2つのアーム1と、2つのアーム1間の角度を計測するエンコーダ2と、2つのアーム1に設けられ、当該2つのアーム1の姿勢を複数の校正姿勢に遷移可能とする目印である表示部3と、エンコーダ2の初期化で用いられるオフセット量を取得するオフセット量取得部401と、2つのアーム1の姿勢が校正姿勢のうちの何れかの校正姿勢に遷移された後、オフセット量取得部401により取得されたオフセット量に基づいて、エンコーダ2の初期化を行う初期化部402とを備えた。これにより、実施の形態1に係るロボットアームは、従来に対してより柔軟にエンコーダ2の初期化が可能となる。
【0029】
実施の形態2.
実施の形態1に係るロボットアームでは、作業者が、2つのアーム1の姿勢を校正姿勢に遷移させ、当該校正姿勢に対応したオフセット量の入力を行う場合を示した。しかしながら、2つのアーム1に対して複数の校正姿勢が設定される場合、作業者が、選択した校正姿勢に対し、当該校正姿勢に対応したオフセット量の入力を誤る可能性がある。そこで、実施の形態2に係るロボットアームでは、上記のような課題を解決するための構成例について示す。
【0030】
図7は実施の形態2に係るロボットアームの構成例を示す図である。この
図7に示す実施の形態2に係るロボットアームでは、
図1に示す実施の形態1に係るロボットアームに対し、トルクセンサ5が追加され、校正装置4が校正装置4bに変更されている。
図7に示す実施の形態2に係るロボットアームにおけるその他の構成例は、
図1に示す実施の形態1に係るロボットアームにおける構成例と同様であり、同一の符号を付して異なる部分についてのみ説明を行う。
【0031】
トルクセンサ5は、アーム1aとアーム1bとの間の関節部分に設けられ、当該アーム1aと当該アーム1bの間でのトルクを検出する。
【0032】
校正装置4bは、
図8に示すように、
図3に示す校正装置4に対し、記憶部403、トルク取得部404、判定部405及び遷移部406が追加されている。
図8に示す校正装置4bにおけるその他の構成例は、
図3に示す校正装置4における構成例と同様であり、同一の符号を付して異なる部分についてのみ説明を行う。
【0033】
記憶部403は、校正姿勢毎にオフセット量を記憶する。
なお、記憶部403は、HDD(Hard Disk Drive)、DVD(Digital Versatile Disc)又はメモリ等によって構成される。
【0034】
トルク取得部404は、トルクセンサ5により検出されたトルクを取得する。
【0035】
判定部405は、トルク取得部404により取得されたトルクに基づいて、作業者により校正姿勢のうちの何れの校正姿勢が選択されたかを判定する。
【0036】
遷移部406は、判定部405による判定結果に基づいて、アーム1a及びアーム1bの姿勢を校正姿勢に遷移させる。すなわち、遷移部406は、アーム1a及びアーム1bの姿勢を、作業者により選択された校正姿勢に遷移させる。
【0037】
なお、実施の形態2におけるオフセット量取得部401は、遷移部406によりアーム1a及びアーム1bの姿勢が校正姿勢に遷移された後、当該校正姿勢に対応するオフセット量を、記憶部403から読出すことで取得する。
【0038】
次に、
図7,8に示す実施の形態2に係る校正装置4bの動作例について、
図9を参照しながら説明する。なお、トルクセンサ5は、アーム1aとアーム1bの間でのトルクを検出している。また、記憶部403は、校正姿勢毎にオフセット量を記憶している。
【0039】
この場合、まず、作業者は、アーム1a及びアーム1bに対して設定された複数の校正姿勢のうちの1つの校正姿勢を選択し、アーム1bの移動を開始する。この際、作業者は、ロボットアームの設置環境等を考慮し、障害物等に干渉することがない校正姿勢を選択する。
【0040】
次いで、
図9に示すように、トルク取得部404は、トルクセンサ5により検出されたトルクを取得する(ステップST901)。すなわち、トルク取得部404は、アーム1aとアーム1bの間でのトルクを取得する。
【0041】
次いで、判定部405は、トルク取得部404により取得されたトルクに基づいて、何れの校正姿勢が選択されたかを判定する(ステップST902)。すなわち、判定部405は、トルク取得部404により取得されたトルクによってアーム1bに設けられた表示点302の現在位置を把握可能であり、作業者が選択した校正姿勢を把握可能である。
【0042】
次いで、遷移部406は、判定部405による判定結果に基づいて、アーム1a及びアーム1bの姿勢を校正姿勢に遷移させる(ステップST903)。すなわち、遷移部406は、判定部405により把握された表示点302の現在位置に基づいてアーム1bを駆動するためのモータ(不図示)を自動で制御し、アーム1a及びアーム1bの姿勢を作業者により選択された校正姿勢へと遷移させる。
【0043】
次いで、オフセット量取得部401は、遷移部406により遷移されたアーム1a及びアーム1bの校正姿勢に対応するオフセット量を、記憶部403から読出すことで取得する(ステップST904)。
【0044】
次いで、初期化部402は、オフセット量取得部401により取得されたオフセット量に基づいて、エンコーダ2の初期化を行う(ステップST905)。この際、初期化部402は、エンコーダ2の初期化を行う際に、角度に対してオフセット量を加算する。
【0045】
ここで、実施の形態1に係るロボットアームでは、作業者が遷移させた校正姿勢に対し、当該校正姿勢に対応したオフセット量の入力を誤る可能性がある。
そこで、実施の形態2に係るロボットアームでは、作業者により選択された校正姿勢に応じて2つのアーム1の姿勢を当該校正姿勢に自動で遷移させるとともに、当該校正姿勢に対応したオフセット量を自動で読出してエンコーダ2の初期化を行う。これにより、実施の形態2に係るロボットアームでは、実施の形態1に係るロボットアームに対し、オフセット量の入力誤りを低減可能となり、より利便性が向上する。
【0046】
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組合わせ、或いは各実施の形態の任意の構成要素の変形、若しくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0047】
1 アーム
1a アーム(第1アーム)
1b アーム(第2アーム)
2 エンコーダ
3 表示部
4,4b 校正装置
5 トルクセンサ
301 表示点(第1表示点)
302 表示点(第2表示点)
401 オフセット量取得部
402 初期化部
403 記憶部
404 トルク取得部
405 判定部
406 遷移部