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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022175405
(43)【公開日】2022-11-25
(54)【発明の名称】端子台
(51)【国際特許分類】
   H01R 9/16 20060101AFI20221117BHJP
【FI】
H01R9/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021081764
(22)【出願日】2021-05-13
(71)【出願人】
【識別番号】000227401
【氏名又は名称】日東工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001977
【氏名又は名称】弁理士法人クスノキ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 淳史
【テーマコード(参考)】
5E086
【Fターム(参考)】
5E086CC22
5E086DD05
5E086DD34
5E086DD35
5E086JJ11
5E086LL16
(57)【要約】
【課題】、配線方向の自由度を高めた端子台とすること。
【解決手段】端子部14への一方側からの配線方向を略直角の範囲に規制する回動規制部11と、端子部14への他方側からの配線を挿通可能な配線挿通部12と、を備え、端子部14への他方側からの配線が略直交する2方向から可能となるように配線挿通部12を設けた端子台1とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端子部への一方側からの配線方向を略直角の範囲に規制する回動規制部と、
端子部への他方側からの配線を挿通可能な配線挿通部と、
を備え、
端子部への他方側からの配線が略直交する2方向から可能となるように配線挿通部を設けた端子台。
【請求項2】
配線挿通部に通過させる配線に対して上方向への移動を規制可能な上移動規制部を設けた請求項1に記載の端子台。
【請求項3】
一方の配線挿通部から端子部までの配線ルートと、他方の配線挿通部から端子部までの配線ルートと、がなす略直角は、回動規制部により端子部への一方側からの配線方向を規制する範囲の略直角と、線対称となる位置に形成される請求項1又は2に記載の端子台。
【請求項4】
端子部を3つ備え、
それらの端子部は平面視で同一直線上に位置しており、
平面視で真ん中に位置する端子部を両側に位置する端子部より上方に形成し、
真ん中に位置する端子部に配線を接続する際に配線を挿通可能な二つの配線挿通部のうちの一方の配線挿通部に形成した底面の下方に、外側に位置する端子部の一方の端子部に配線を接続する際に、真ん中に位置する端子部への配線の接続方向とは異なる方向から配線を挿通可能な配線挿通部を備えた請求項1から3の何れかに記載の端子台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端子台に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載されているように、分電盤に端子台を設置する場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平08-171952号公報
【0004】
ところで、分電盤の電源二次送り用として分電盤内に特許文献1のような端子台を設置した場合、配線の入線方向及び出線方向が制限されてしまう。特に電源送り用の配線は大きな電力を送る必要がある為に電線が太く、電線を曲げて配線すると配線スペースを大きく確保しなければいけない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本件の発明者は、この点について鋭意検討することにより、解決を試みた。本発明が解決しようとする課題は、配線方向の自由度を高めた端子台とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、端子部への一方側からの配線方向を略直角の範囲に規制する回動規制部と、端子部への他方側からの配線を挿通可能な配線挿通部と、を備え、端子部への他方側からの配線が略直交する2方向から可能となるように配線挿通部を設けた端子台とする。
【0007】
また、配線挿通部に通過させる配線に対して上方向への移動を規制可能な上移動規制部を設けた構成とすることが好ましい。
【0008】
また、一方の配線挿通部から端子部までの配線ルートと、他方の配線挿通部から端子部までの配線ルートと、がなす略直角は、回動規制部により端子部への一方側からの配線方向を規制する範囲の略直角と、線対称となる位置に形成されることが好ましい。
【0009】
また、端子部を3つ備え、それらの端子部は平面視で同一直線上に位置しており、平面視で真ん中に位置する端子部を両側に位置する端子部より上方に形成し、真ん中に位置する端子部に配線を接続する際に配線を挿通可能な二つの配線挿通部のうちの一方の配線挿通部に形成した底面の下方に、外側に位置する端子部の一方の端子部に配線を接続する際に、真ん中に位置する端子部への配線の接続方向とは異なる方向から配線を挿通可能な配線挿通部を備えた構成とすることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明では、配線方向の自由度を高めた端子台とすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態における端子台の斜視図である。
図2図1とは反対方向から見た実施形態における端子台の斜視図である。
図3図1の端子台を裏面から見た斜視図である。
図4】端子台に配線を接続した例を示す図である。ただし、(4-1)では、一方側からの配線方向と他方側からの配線方向が略直角となるように配置しており、(4-2)では、一方側からの配線方向と他方側からの配線方向が略平行となるように配置しており、(4-3)では、一方側からの配線方向と他方側からの配線方向が略135度をなすように配置している。
図5】端子台に配線を接続した例を示す図である。ただし、(5-1)から(5-3)に示す例では、(4-1)から(4-3)に示す例と比べて、導電バーの配線方向を90度ずらすようにしている。
図6】配線された端子台にカバー部材を取り付けた例を示す図である。
図7】配線が接続された端子台を下側から見た例を示す斜視図である。
図8図7に示す状態の端子台を上側から見た例を示す斜視図である。
図9】他方側から端子台に接続した配線の上側への移動を制限している例を表す断面図である。
図10】端子台に傾斜部を設けた例を示す図である。
図11】端子台を盤に適用した例を示す図である。
図12図11に示す例とは異なるように端子台を盤に適用した例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に発明を実施するための形態を示す。図1乃至図5に示されていることから理解されるように、本実施形態の端子台1は、端子部14への一方側からの配線方向を略直角の範囲に規制する回動規制部11と、端子部14への他方側からの配線を挿通可能な配線挿通部12と、を備えている。また、この端子台1は、端子部14への他方側からの配線が略直交する2方向から可能となるように配線挿通部12を設けている。このため、配線方向の自由度を高めた端子台1とすることが可能となる。また、この端子台1を用いれば、配線の省スペース化や様々な位置に配置された機器への配線の最適化が可能となる。
【0013】
ここで、実施形態の端子台1について説明する。以下では、導電バー61と電線62が異なる方向から端子部14に接続される端子台1を例に挙げて説明をする。実施形態の端子台1は平面視略三角形状であり、段を設け、端子台1の上下方向に分けて配線できるようにしている。また、この端子台1には、六角ナットを埋め込むことができる平面視六角形状の穴部13が形成された端子部14を備えている。なお、端子台1の下方向とは、端子部14から見て端子台1が固定される面側である。
【0014】
この端子台1は、端子台1を固定するために用いる端子台固定部15を備えている。実施形態の端子台固定部15は端子台1をねじ固定するためのねじ挿通穴である。実施形態の端子台固定部15は平面視において、三つ並んだ穴部13の真ん中の穴部13と両端側の穴部13との間に設けられている。実施形態の端子台1は、盤内の固定しようとする箇所に配置した後、この端子台固定部15に挿入した雄ねじを締め付けることで、固定することができる。
【0015】
また、この端子台1は一方側からの配線の配線方向を略直角の範囲で規制する回動規制部11を備えている。このようなことを可能とするために平面視において六角形状の穴部13を挟むように回動規制部11の端部が配置されている。
【0016】
実施形態の端子台1は一方側からの配線と接続される配線が他方側から端子部14に接続される。この他方側からの配線方向は略直行する2方向とされているが、このようなことを可能とするように、端子台1には複数の配線挿通部12が設けられている。
【0017】
実施形態の端子台1の一方側は、平面視直角三角形状の斜辺をまたぐように端子部14に配線がされる方向側である。また、他方側は平面視直角三角形状の斜辺とは異なる他の二辺をまたぐように端子部14に配線がされる方向側である。このような構造であるため、端子部14に接続される配線を整理することができる。
【0018】
なお、実施形態の端子台1は、端子台1に向けて電気が流れてくる側の配線と、端子台1から電気を流す側の配線が接続されるが、それらの配線は、基本的に、一つの端子部14に対しては同方向から配線がなされることは想定されていない。
【0019】
また、実施形態の端子台1では、一方の配線挿通部12から端子部14までの配線ルートと、他方の配線挿通部12から端子部14までの配線ルートと、がなす略直角は、回動規制部11により端子部14への一方側からの配線方向を規制する範囲の略直角と、線対称となる位置に形成されている。つまり、回動規制部11は、一方の配線挿通部12から端子部14に直線状に延びる配線の延長線と、一方の配線挿通部12から端子部14に直線状に延びる配線の延長線と、がなす略直角の範囲に、端子部14への一方側からの配線方向を規制することができる。このようにすれば、電源送り用として同じ端子台1同士を隣接配置した際に省スペースで配線を行うことができる。
【0020】
また、実施形態の端子台1は、端子部14を3つ備えており、それらの端子部14は平面視で同一直線上に位置しているが、平面視で真ん中に位置する端子部14を両側に位置する端子部14より上方に形成している。また、真ん中に位置する端子部14に配線を接続する際に配線を挿通可能な二つの配線挿通部12のうちの一方の配線挿通部12に形成した底面17の下方に、外側に位置する端子部14の一方の端子部14に配線を接続する際に、真ん中に位置する端子部14への配線の接続方向とは異なる方向から配線を挿通可能な配線挿通部12を備えている。このため、平面視で真ん中に位置する端子部14に接続する配線と、平面視で外側に位置する端子部14に接続する配線が干渉することを回避できる。また、それらの配線間の絶縁距離を確保することができる。
【0021】
ところで、図6に示すことから理解されるように、端子部14などを覆うことができるカバー部材51を端子台1に取り付けるようにしても良い。実施形態の端子台1はカバー部材51を取り付けることができるように、カバー取付部19を設けている。実施形態のカバー取付部19は、端子台1の両端側に位置する端子部14に接続する配線の経路として利用可能な配線挿通部12よりも上方に形成している。
【0022】
なお、実施形態のカバー取付部19は、一端側の端子部14及びこの端子部14用の一つの配線挿通部12を結ぶ直線と、他端側の端子部14及びこの端子部14用の一つの配線挿通部12を結ぶ直線の交点上に設けている。
【0023】
また、図7から図9に示すことから理解されるように、実施形態の端子台1は、配線挿通部12に通過させる配線に対して上方向への移動を規制可能な上移動規制部16を設けた構成としている。このため、導電バーなどの配線の上方向への移動がしにくくなり、配線が端子台1から浮き上がること抑制することができる。また、上下方向に延びる端子部14の穴部13に挿入されたねじに配線が接続された状態において、配線が端子台1から脱落することを抑制することができる。実施形態の端子台1は六角形状の穴部13に雌ねじ又は雄ねじが挿入されるが、これらに配線が接続された後には、これらが穴部13から抜け出るように配線が移動することを規制できることから、これらを別の部材を用いてしっかりと固定しなくてもよくなる。
【0024】
また、実施形態の端子台1の上側に設けられている配線挿通部12は貫通穴状に形成されている。この貫通穴状の配線挿通部12に挿入された配線は、配線挿通部12の形状を定める部位により移動が抑制される。なお、実施形態においては、貫通穴状の配線挿通部12には導電バー61を挿入できるような形状としているが、圧着端子63を備えた電線62が挿入できるような形状であっても良い。
【0025】
なお、図10に示す例では、配線挿通部12には、配線挿通部12に挿入された配線の先端が端子部14に適切に向かいやすいように、傾斜部21を設けている。このため、配線挿通部12に挿入された配線の先端を端子部14に誘い込みやすくなる。
【0026】
端子台1の例について説明してきたが、このような端子台1を盤に組み込むと、図11図12に示すように使用することができる。例えば、図11に示すような構成の盤であったところ、中身を変更して図12に示すような構成にしようとする場合でも、端子台1は従来品を使用しつつ、配線を適切に行うことができる。
【0027】
以上、実施形態を例に挙げて本発明について説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されることはなく、各種の態様とすることが可能である。例えば、端子台に接続される配線は導電バーと電線の組み合わせにする必要は無い。双方とも導電バーでも良いし、双方とも圧着端子を備えた電線であっても良い。
【0028】
また、配線の入線方向や出線方向は端子部毎に定めればよく、同じ方向に統一されている必要は無い。
【0029】
また、端子台は平面視で三角形状とする必要はない。例えば、平面視で長方形状としても良い。
【符号の説明】
【0030】
1 端子台
11 回動規制部
12 配線挿通部
14 端子部
16 上移動規制部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12