(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022175411
(43)【公開日】2022-11-25
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 21/12 20060101AFI20221117BHJP
B65H 5/00 20060101ALI20221117BHJP
【FI】
G03G21/12
B65H5/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021081772
(22)【出願日】2021-05-13
(71)【出願人】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111202
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 周彦
(72)【発明者】
【氏名】穂園 智英
【テーマコード(参考)】
2H134
3F101
【Fターム(参考)】
2H134GA06
2H134GB02
2H134HD01
2H134HD06
2H134JA01
2H134JB01
2H134KF01
2H134KF02
2H134KF03
2H134KH03
3F101AB01
3F101AB09
3F101AB19
3F101LA07
3F101LB03
(57)【要約】
【課題】低コスト且つ簡潔な構成で廃トナーを回収することを目的とする。
【解決手段】画像形成装置は 、トナーを保持して周回する中間転写ベルト15Bと、中間転写ベルト15Bに接触するブレード31と、廃トナー容器33と、廃トナーを廃トナー容器33に案内するガイド部材34と、を備え、ガイド部材34は、ブレード31によって中間転写ベルト15Bから掻き落とされた廃トナーを受け入れる受入口34Aと、受入口34Aの下方に設けられ、受入口34Aよりも小さく、廃トナー容器33に接続された排出口34Bと、受入口34Aから排出口34Bに向かってすぼまった形状の中空部34Hと、を備え、受入口34Aに受け入れられた廃トナーが重力のみによって廃トナー容器33に落下する。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナーを保持して周回する中間転写体と、
前記中間転写体に接触するブレードと、
廃トナー容器と、
廃トナーを前記廃トナー容器に案内するガイド部材と、を備え、
前記ガイド部材は、
前記ブレードによって前記中間転写体から掻き落とされた前記廃トナーを受け入れる受入口と、
前記受入口の下方に設けられ、前記受入口よりも小さく、前記廃トナー容器に接続された排出口と、
前記受入口から前記排出口に向かってすぼまった形状の中空部と、を備え、
前記受入口に受け入れられた前記廃トナーが重力のみによって前記廃トナー容器に落下することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記中空部は、傾斜部を有し、
前記傾斜部の傾斜角は、前記トナーの安息角よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記廃トナー容器は、前記中間転写体の周回方向に交差する方向の前記ブレードの一端部側の下方に設けられており、
前記傾斜部は、前記ブレードの他端部側から前記排出口に向かって傾斜していることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記中間転写体は、複数のローラーに巻き掛けられた無端の中間転写ベルトであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記ブレードは、前記複数のローラーの1つと前記中間転写ベルトとが接触する接触領域において前記中間転写ベルトに接触しており、
前記ガイド部材は、前記接触領域と前記ブレードとを包囲する包囲部を備えることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中間転写ベルトに付着したトナーを除去する機能を備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式でカラー画像を形成する画像形成装置は、各色のトナー像を中間転写体に重ねて転写することでカラーのトナー像を形成するが、シートにトナー像を転写した後に中間転写体にトナーが残留する場合がある。そこで、従来、中間転写体からトナーを除去する技術が検討されている。例えば、特許文献1では、ベルトクリーニングユニット内に回収したトナーを、搬送スクリューの回転により中間ボックス,導管を経由して装置本体の側部に導き中継ダクト内へ排出し、自重落下させて給紙テーブル内に配設した廃トナー収納筐内に回収することにより、ジャム処理スペースを確保することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1で提案された構成では、搬送スクリューやそれを駆動する機構が必要となり、コストが増加してしまう。また、画像形成装置内の温度上昇により廃トナーが溶融、固着し、搬送スクリューが動かなくなるおそれがある。
【0005】
本発明は、上記事情を考慮し、低コスト且つ簡潔な構成で廃トナーを回収することのできる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明に係る画像形成装置は、トナーを保持して周回する中間転写体と、前記中間転写体に接触するブレードと、廃トナー容器と、廃トナーを前記廃トナー容器に案内するガイド部材と、を備え、前記ガイド部材は、前記ブレードによって前記中間転写体から掻き落とされた前記廃トナーを受け入れる受入口と、前記受入口の下方に設けられ、前記受入口よりも小さく、前記廃トナー容器に接続された排出口と、前記受入口から前記排出口に向かってすぼまった形状の中空部と、を備え、前記受入口に受け入れられた前記廃トナーが重力のみによって前記廃トナー容器に落下することを特徴とする。
【0007】
前記中空部は、傾斜部を有し、前記傾斜部の傾斜角は、前記トナーの安息角よりも大きくてもよい。
【0008】
前記廃トナー容器は、前記中間転写体の周回方向に交差する方向の前記ブレードの一端部側の下方に設けられており、前記傾斜部は、前記ブレードの他端部側から前記排出口に向かって傾斜していてもよい。
【0009】
前記中間転写体は、複数のローラーに巻き掛けられた無端の中間転写ベルトであってもよい。
【0010】
前記ブレードは、前記複数のローラーの1つと前記中間転写ベルトとが接触する接触領域において前記中間転写ベルトに接触しており、前記ガイド部材は、前記接触領域と前記ブレードとを包囲する包囲部を備えていてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、低コスト且つ簡潔な構成で廃トナーを回収することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の外観を示す斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の内部構成を模式的に示す正面図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る中間転写ユニットの斜視図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る中間転写ユニットの断面図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係るガイド部材と廃トナー容器が中間転写ユニットに配置された様子を示す斜視図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係るガイド部材と廃トナー容器の断面図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係るガイド部材と廃トナー容器の断面図である。
【
図8】本発明の一実施形態の変形例に係るガイド部材と廃トナー容器が中間転写ユニットに配置された様子を示す斜視図である。
【
図9】本発明の一実施形態の変形例に係るガイド部材と廃トナー容器の断面図である。
【
図10】本発明の一実施形態と異なるタイプの画像形成装置の内部構成を模式的に示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しつつ本発明の一実施形態に係る画像形成装置100について説明する。
【0014】
最初に、画像形成装置100の全体の構成について説明する。
図1は、画像形成装置100の外観を示す斜視図である。
図2は、画像形成装置100の内部構成を模式的に示す正面図である。以下、
図2における紙面左側を画像形成装置100の正面側(前側)とし、左右の向きは画像形成装置100を正面から見た方向を基準として説明する。各図において、U、Lo、L、R、Fr、Rrは、それぞれ上、下、左、右、前、後を示す。
【0015】
画像形成装置100は、プリンター1と、スキャナー110と、原稿搬送装置120と、を備える。プリンター1の上方にスキャナー110が設けられ、スキャナー110の上方に原稿搬送装置120が設けられている。原稿搬送装置120は、スキャナー110の読取位置を経由する搬送路に沿って原稿を搬送する。スキャナー110は、フラットベッド型のイメージスキャナーであり、原稿を読み取って画像データを生成する。プリンター1は、画像データに基づく画像をシートSに形成する。
【0016】
プリンター1とスキャナー110は、ハウジング3により一体化されている。ハウジング3の内部の下部には、シートSが収容される給紙カセット4と、給紙カセット4からシートSを後方に送り出す給紙ローラー5が設けられている。給紙カセット4は、前方に引き出すことが可能である。給紙カセット4の上方には、電子写真方式にてトナー像を形成する作像装置6が設けられ、作像装置6の後上方には、トナー像をシートSに定着させる定着装置7が設けられている。定着装置7の前上方には、トナー像が定着されたシートSを排出する排紙ローラー8と、排出されたシートSが積載される排紙トレイ9が設けられている。
【0017】
ハウジング3の内部には、給紙ローラー5から作像装置6、定着装置7を経て排紙ローラー8に至る搬送路10が設けられている。搬送路10は、シートSを通過させる間隙を空けて互いに対向する板状部材を主体として形成されており、シートSを挟持して搬送する搬送ローラー17が搬送方向Yの複数箇所に設けられている。作像装置6よりも搬送方向Y上流側には、レジストローラー18が設けられている。定着装置7の後方には、定着装置7よりも搬送方向Y下流側で搬送路10から分岐し、レジストローラー18よりも搬送方向Y上流側で搬送路10に合流する搬送路10Rが設けられている。
【0018】
ハウジング3の前側には、開口部3Aと、開口部3Aを塞ぐ扉3Dが設けられている。扉3Dの下端部はヒンジ3Hを用いてハウジング3に結合されている。扉3Dは、作像装置6等のメンテナンスの際に開けられる。また、扉3Dは、手差しにてシートSを供給する際の手差しトレイを兼ねる。ヒンジ3Hの上方には、給紙ローラー21が設けられており、給紙ローラー21から給紙カセット4と作像装置6との間を通って搬送路10に合流する搬送路10Tが設けられている。
【0019】
作像装置6は、光の照射により電位が変化する感光体ドラム11、感光体ドラム11を帯電させる帯電装置12、画像データに応じたレーザー光を出射する露光装置13、感光体ドラム11にトナーを供給する現像装置14、感光体ドラム11からシートSへトナー像を転写する中間転写ユニット15、及び、感光体ドラム11に残留したトナーを除去するクリーニング装置16を備える。中間転写ユニット15は、駆動ローラー15Dと従動ローラー15Nに巻き掛けられた無端の中間転写ベルト15B、感光体ドラム11に対応する位置で中間転写ベルト15Bの内周面に対向し、一次転写バイアスを発生する一次転写ローラー151、及び、駆動ローラー15Dに対応する位置で中間転写ベルト15Bの外周面に対向し、二次転写バイアスを発生する二次転写ローラー152を備える。現像装置14には、現像装置14にトナーを供給するトナーコンテナ20が接続されている。
【0020】
制御部2は、演算部と記憶部とを備える。演算部は、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。記憶部は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等の記憶媒体を含む。演算部は、記憶部に記憶されている制御プログラムを読み出して実行することで各種処理を実施する。なお、制御部2は、ソフトウェアを用いない集積回路によって実現されてもよい。
【0021】
スキャナー110の前側には、操作パネル19が設けられている。操作パネル19は、表示パネルと、表示パネルの表示面に重ねて設けられたタッチパネルと、表示パネルに隣接するキーパッドと、を備える。制御部2は、プリンター1及びスキャナー110の操作メニューやステータス等を表す画面を表示パネルに表示させ、タッチパネル及びキーパッドで検知された操作に応じてプリンター1及びスキャナー110の各部を制御する。
【0022】
画像形成装置100の基本的な画像形成動作は、次のとおりである。外部のコンピューター等からプリンター1に片面印刷の印刷ジョブが入力されると、給紙ローラー5が給紙カセット4から搬送路10にシートSを送り出し、回転が停止されたレジストローラー18がシートSの斜行を補正し、レジストローラー18が所定のタイミングで作像装置6にシートSを送り出す。作像装置6においては、帯電装置12が感光体ドラム11を所定の電位に帯電させ、露光装置13が感光体ドラム11に潜像を書き込み、現像装置14がトナーコンテナ20から供給されたトナーを用いて潜像を現像することでトナー像を形成し、一次転写ローラー151がトナー像を中間転写ベルト15Bに転写し、二次転写ローラー152がトナー像をシートSに転写する。続いて、定着装置7がシートSを挟持して搬送しながらトナー像を溶融させることでトナー像をシートSに定着させ、排紙ローラー8が排紙トレイ9にシートSを排出する。クリーニング装置16は、感光体ドラム11に残留したトナーを除去する。両面印刷の場合、第1面にトナー像が定着されたシートSが搬送路10Rを経由して搬送路10に送り込まれることで、第2面にトナー像が転写される。
【0023】
次に、中間転写ベルト15Bからトナーを除去するための構成について説明する。
図3は、中間転写ユニット15の斜視図である。
図4は、中間転写ユニット15の断面図である。
図5は、ガイド部材34と廃トナー容器33が中間転写ユニット15に配置された様子を示す斜視図である。
図6、7は、ガイド部材34と廃トナー容器33の断面図である。
【0024】
画像形成装置100は、トナーを保持して周回する中間転写ベルト15B(中間転写体の一例)と、中間転写ベルト15Bに接触するブレード31と、廃トナー容器33と、廃トナーを廃トナー容器33に案内するガイド部材34と、を備え、ガイド部材34は、ブレード31によって中間転写ベルト15Bから掻き落とされた廃トナーを受け入れる受入口34Aと、受入口34Aの下方に設けられ、受入口34Aよりも小さく、廃トナー容器33に接続された排出口34Bと、受入口34Aから排出口34Bに向かってすぼまった形状の中空部34Hと、を備え、受入口34Aに受け入れられた廃トナーが重力のみによって廃トナー容器33に落下する。
【0025】
[中間転写ベルト]
中間転写ユニット15(
図2乃至4参照)は、駆動ローラー15D、従動ローラー15N、中間転写ベルト15B及び一次転写ローラー151を備える。駆動ローラー15Dが後側に、従動ローラー15Nが前側に設けられ、駆動ローラー15Dと従動ローラー15Nとに無端の中間転写ベルト15Bが巻き掛けられている。駆動ローラー15Dが
図4における反時計回り方向に駆動されることで中間転写ベルト15BがA方向に周回する。4つの感光体ドラム11は、中間転写ベルト15Bの下方に設けられており、中間転写ベルト15Bの内側の感光体ドラム11に対向する位置に4つの一次転写ローラー151が設けられている。二次転写ローラー152は、駆動ローラー15Dとの間に中間転写ベルト15Bを挟持して中間転写ベルト15Bに接触している。
【0026】
[ブレード]
ブレード31(
図3、4参照)は、左右方向を長手方向とする細長い板状の部材であり、従動ローラー15Nと中間転写ベルト15Bとが接触する接触領域15Cにおいて中間転写ベルト15Bの外周面に接触している。接触領域15Cは、従動ローラー15Nの軸の中心から前方の領域である。ブレード31の基部31Bには、ホルダー32が結合されている。ブレード31は、中間転写ユニット15を支持するフレーム(図示省略)にホルダー32を介して設けられている。ブレード31は、固定されていてもよく、ばねによって中間転写ベルト15Bに押し当てられていてもよい。ブレード31は、基部31Bを下に、先端部31Eを上にして直立した姿勢で配置されている。従動ローラー15Nの軸の中心よりもやや低い位置において、ブレード31の先端部31Eが中間転写ベルト15Bに接触している(
図4参照)。
【0027】
[廃トナー容器]
廃トナー容器33(
図5乃至7参照)は、上部に受入口33Aを有するボトルである。廃トナー容器33は、ブレード31の右端部側(中間転写ベルト15Bの周回方向Aに交差する方向のブレード31の一端部側の一例)の下方に設けられている。また、廃トナー容器33は、給紙カセット4を前方に引き出す際に給紙カセット4に干渉しないように、給紙カセット4よりも右方に設けられている。
【0028】
[ガイド部材]
ガイド部材34(
図5乃至7参照)は、包囲部34E、受入口34A、中空部34H、傾斜部34S、排出口34Bを備える。
【0029】
包囲部34Eは、接触領域15Cとブレード31とを包囲する。具体的には、包囲部34Eは、ガイド部材34の最上部に位置し、その後部に受入口34Aを備える。受入口34Aは、接触領域15Cを挿入可能な大きさを有している。
図6の例では、接触領域15Cのうち従動ローラー15Nの軸の中心よりも前側の部分が受入口34Aに挿入されているが、接触領域15Cの前部、又は、接触領域15Cの全部とその後方の中間転写ベルト15Bの一部が受入口34Aに挿入されていてもよい。
【0030】
中空部34Hは、包囲部34Eの下方に設けられており、その内部空間が上下方向に貫通している。中空部34Hの内部空間は、包囲部34Eの内部空間と連通している。中空部34Hの下端部は、排出口34Bを備え、廃トナー容器33の受入口33Aに接続されている。中空部34Hは、一体化された前後左右の側板で構成されている。前後及び右側の側板は直立しているが、左側の側板は傾斜している。すなわち、中空部34Hは、ブレード31の左端部側から排出口34Bに向かって傾斜した傾斜部34Sを備える。傾斜部34Sの傾斜角θは、トナーの安息角よりも大きい。
【0031】
なお、ガイド部材34が包囲部34Eを備えずに、中空部34Hの最上部に受入口34Aが設けられていてもよいが、廃トナーの飛散を抑制するためには、包囲部34Eが設けられていることが望ましい。
【0032】
次に、上記構成の動作について説明する。作像装置6においては(
図2参照)、帯電装置12が感光体ドラム11を所定の電位に帯電させ、露光装置13が感光体ドラム11に潜像を書き込み、現像装置14がトナーコンテナ20から供給されたトナーを用いて潜像を現像することでトナー像を形成し、一次転写ローラー151がトナー像を中間転写ベルト15Bに転写し、二次転写ローラー152がトナー像をシートSに転写する。その後、中間転写ベルト15Bに残留した廃トナーは、中間転写ベルト15Bによって搬送され(
図5、6のA方向)、接触領域15Cにおいてブレード31によって掻き落とされ(
図6、7のB方向)、中空部34Hの傾斜部34Sに落下する。傾斜部34Sの傾斜角θは、トナーの安息角よりも大きいため、廃トナーは、傾斜部34Sに堆積することなく、重力の作用により傾斜部34Sに沿って滑り落ち(
図6、7のC方向)、排出口34B及び受入口33Aを介して廃トナー容器33に落下する。
【0033】
以上説明した本実施形態に係る画像形成装置100によれば、トナーを保持して周回する中間転写ベルト15B(中間転写体の一例)と、中間転写ベルト15Bに接触するブレード31と、廃トナー容器33と、廃トナーを廃トナー容器33に案内するガイド部材34と、を備え、ガイド部材34は、ブレード31によって中間転写ベルト15Bから掻き落とされた廃トナーを受け入れる受入口34Aと、受入口34Aの下方に設けられ、受入口34Aよりも小さく、廃トナー容器33に接続された排出口34Bと、受入口34Aから排出口34Bに向かってすぼまった形状の中空部34Hと、を備え、受入口34Aに受け入れられた廃トナーが重力のみによって廃トナー容器33に落下する。この構成によれば、低コスト且つ簡潔な構成で廃トナーを回収することができる。
【0034】
また、本実施形態に係る画像形成装置100によれば、中空部34Hは、傾斜部34Sを有し、傾斜部34Sの傾斜角θは、トナーの安息角よりも大きいから、傾斜部34Sにトナーが滞留することを防ぐことができる。
【0035】
また、本実施形態に係る画像形成装置100によれば、廃トナー容器33は、中間転写ベルト15Bの周回方向Aに交差する方向のブレード31の一端部側の下方に設けられており、傾斜部34Sは、ブレード31の他端部側から排出口34Bに向かって傾斜しているから、廃トナー容器33とガイド部材34が他の構成要素(給紙カセット4、手差し用の搬送路10T等)と干渉することを回避することができる。
【0036】
また、本実施形態に係る画像形成装置100によれば、中間転写体は、駆動ローラー15Dと従動ローラー15N(複数のローラーの一例)に巻き掛けられた無端の中間転写ベルト15Bであるから、中間転写体として中間転写ベルト15Bを用いる画像形成装置100において、低コスト且つ簡潔な構成で廃トナーを回収することができる。
【0037】
また、本実施形態に係る画像形成装置100によれば、ブレード31は、従動ローラー15N(複数のローラーの1つの一例)と中間転写ベルト15Bとが接触する接触領域15Cにおいて中間転写ベルト15Bに接触しており、ガイド部材34は、接触領域15Cとブレード31とを包囲する包囲部34Eを備えるから、廃トナーの飛散を防ぐことができる。
【0038】
上記実施形態が以下のように変形されてもよい。
【0039】
図8は、ガイド部材34と廃トナー容器33が中間転写ユニット15に配置された様子を示す斜視図である。
図9は、ガイド部材34と廃トナー容器33の断面図である。この例では、廃トナー容器33がブレード31の左右方向の中央の下方に設けられており、中空部34Hの左右の側板が傾斜している。すなわち、中空部34Hは、ブレード31の両端部側から排出口34Bに向かって傾斜した1対の傾斜部34Sを備える。傾斜部34Sの傾斜角θは、トナーの安息角よりも大きい。
【0040】
廃トナーは、接触領域15Cにおいてブレード31によって掻き落とされ(
図9のB方向)、中空部34Hの傾斜部34Sに落下する。傾斜部34Sの傾斜角θは、トナーの安息角よりも大きいため、廃トナーは、傾斜部34Sに堆積することなく、重力の作用により傾斜部34Sに沿って滑り落ち(
図9のD、E方向)、排出口34B及び受入口33Aを介して廃トナー容器33に落下する。
【0041】
本変形例は、ガイド部材34の上下方向のサイズが同じ場合、上記実施形態と比べて傾斜部34Sの傾斜角θを大きくすることができるという利点がある。一方、上記実施形態と傾斜部34Sの傾斜角θを同一にした場合には、上記実施形態と比べてガイド部材34の上下方向のサイズを小さくすることができる。
【0042】
図10は、上記実施形態と異なるタイプの画像形成装置100の内部構成を模式的に示す正面図である。上記実施形態では、給紙カセット4は紙面右方に引き出されるが、10の例では、給紙カセット4は紙面手前側に引き出される。上記実施形態においては、廃トナー容器33は、給紙カセット4を引き出す際に給紙カセット4に干渉しないように、給紙カセット4よりも紙面手前側に設けられているが、
図10の例においては、給紙カセット4よりも紙面左方であれば、いかなる位置であっても、廃トナー容器33と給紙カセット4との干渉は避けられる。従って、本変形例は、
図10に示す構成の画像形成装置100に好適である。
【0043】
上記実施形態では、中間転写体が無端ベルトである例が示されたが、ドラム式の中間転写体を用いた画像形成装置に本発明が適用されてもよい。
【符号の説明】
【0044】
1 画像形成装置
15B 中間転写ベルト(中間転写体)
15D 駆動ローラー(ローラー)
15N 従動ローラー(ローラー)
15C 接触領域
31 ブレード
33 廃トナー容器
34 ガイド部材
34E 包囲部
34A 受入口
34H 中空部
34S 傾斜部
34B 排出口