(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022175415
(43)【公開日】2022-11-25
(54)【発明の名称】シール材
(51)【国際特許分類】
C09K 3/10 20060101AFI20221117BHJP
【FI】
C09K3/10 Z
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021081776
(22)【出願日】2021-05-13
(71)【出願人】
【識別番号】000003263
【氏名又は名称】三菱電線工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平野 耕生
(72)【発明者】
【氏名】池原 潤一郎
(72)【発明者】
【氏名】牧野 大介
(72)【発明者】
【氏名】深澤 新平
(72)【発明者】
【氏名】稲垣 朋也
【テーマコード(参考)】
4H017
【Fターム(参考)】
4H017AA03
4H017AA29
4H017AA32
4H017AB17
4H017AD06
4H017AE05
(57)【要約】
【課題】内径摺動用に好適なシール材を提供する。
【解決手段】シール材10は、ゴム組成物で形成されている。前記ゴム組成物は、水素化ニトリルゴムを主成分とするゴム成分と、脂肪酸アミドと、平均粒子径が60nm以下のカーボンブラックとを含有するとともに、前記ゴム成分が有機過酸化物、共架橋剤、及び硫黄が用いられて架橋している。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴム組成物で形成された環状のシール材であって、
前記ゴム組成物は、水素化ニトリルゴムを主成分とするゴム成分と、脂肪酸アミドと、平均粒子径が60nm以下のカーボンブラックとを含有するとともに、前記ゴム成分が有機過酸化物、共架橋剤、及び硫黄が用いられて架橋しているシール材。
【請求項2】
請求項1に記載されたシール材において、
前記水素化ニトリルゴムの結合アクリロニトリル量が18質量%以上52質量%以下であるシール材。
【請求項3】
請求項1又は2に記載されたシール材において、
前記脂肪酸アミドが不飽和脂肪酸アミドを含むシール材。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載されたシール材において、
前記カーボンブラックがFEFを含むシール材。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載されたシール材において、
前記有機過酸化物がジアルキルパーオキサイドを含むシール材。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載されたシール材において、
前記共架橋剤がマレイミド系共架橋剤を含むシール材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シール材に関する。
【背景技術】
【0002】
シール材の形成材料として水素化ニトリルゴムを用いることが知られている。例えば、特許文献1には、シール材を形成するゴム組成物として、カルボキシル基含有水素化ニトリルゴムと、水素化ニトリルゴムと、ポリアミド樹脂とを含有したものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、内径摺動用に好適なシール材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、ゴム組成物で形成された環状のシール材であって、前記ゴム組成物は、水素化ニトリルゴムを主成分とするゴム成分と、脂肪酸アミドと、平均粒子径が60nm以下のカーボンブラックとを含有するとともに、前記ゴム成分が有機過酸化物、共架橋剤、及び硫黄が用いられて架橋している。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、シール材を形成するゴム組成物が、水素化ニトリルゴムを主成分とするゴム成分と、脂肪酸アミドと、平均粒子径が60nm以下のカーボンブラックとを含有するとともに、ゴム成分が有機過酸化物、共架橋剤、及び硫黄が用いられて架橋していることにより、内径摺動用に好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施形態に係るシール材が装着された構造を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態について詳細に説明する。
【0009】
図1は、実施形態に係るシール材10が装着された構造を示す。このシール材10は、いわゆるOリングであって、ハウジング21内の円筒孔22の内周面に形成されたシール材収容溝23に内嵌めされ、その内側に軸方向に可動な内挿部材24が内径摺動するように挿入されて用いられるものである。具体的には、例えば、このシール材10は、電磁弁において、弁本体(ハウジング21)内のスプール挿通孔(円筒孔22)の内周溝(シール材収容溝23)に内嵌め装着されるとともにスプール(内挿部材24)が挿入され、弁本体とスプールとの間に介設されて空気圧パッキンとして用いられる。
【0010】
実施形態に係るシール材10は、水素化ニトリルゴム(以下「HNBR」という。)を主成分とするゴム成分と、脂肪酸アミドAと、平均粒子径が60nm以下のカーボンブラックBとを含有するとともに、ゴム成分が有機過酸化物P、共架橋剤Q、及び硫黄Rが用いられて架橋したゴム組成物Xで形成されている。
【0011】
かかる実施形態に係るシール材10によれば、シール材10を形成するゴム組成物Xが、HNBRを主成分とするゴム成分と、脂肪酸アミドAと、カーボンブラックBとを含有するとともに、ゴム成分が有機過酸化物P、共架橋剤Q、及び硫黄Rが用いられて架橋していることにより、内径摺動用に好適に用いることができる。
【0012】
ゴム成分におけるHNBRの含有量は、50質量%よりも多く、内径摺動用に好適な特性を得る観点から、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、更に好ましくは100質量%である。なお、ゴム成分は、HNBR以外に、例えば、ニトリルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、EPDM等を含んでいてもよい。
【0013】
HNBRの結合アクリロニトリル量は、内径摺動用に好適な特性を得る観点から、好ましくは18質量%以上52質量%以下、より好ましくは30質量%以上40質量%以下、更に好ましくは35質量%以上37質量%以下である。HNBRのヨウ素価は、同様の観点から、好ましくは8mg/100mg以上28mg/100mg、より好ましくは10mg/100mg以上15mg/100mg以下である。
【0014】
脂肪酸アミドAとしては、例えば、エルカ酸アミド、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘニン酸アミド、N-オレイルパルミトアミド、N-ステアリルエルカアミドエチレンビス・ステアロアミド、メチレンビス・ステアロアミド等が挙げられる。脂肪酸アミドAは、これらのうちの1種又は2種以上を含むことが好ましく、内径摺動用に好適な特性を得る観点から、不飽和脂肪酸アミドを含むことがより好ましく、ω-9脂肪酸アミドを含むことが更に好ましく、エルカ酸アミドを含むことがより更に好ましい。脂肪酸アミドAの融点は、同様の観点から、好ましくは70℃以上90℃以下、より好ましくは75℃以上85℃以下である。
【0015】
ゴム組成物Xにおける脂肪酸アミドAの含有量aは、内径摺動用に好適な特性を得る観点から、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上20質量部以下、より好ましくは2質量部以上6質量部以下である。
【0016】
カーボンブラックBとしては、例えば、FEF、SAF、N234、ISAF、N339、N351、HAF、MAF等が挙げられる。カーボンブラックBは、これらのうちの1種又は2種以上を含むことが好ましく、内径摺動用に好適な特性を得る観点から、FEFを含むことがより好ましい。
【0017】
カーボンブラックBの平均粒子径は、60nm以下であるが、内径摺動用に好適な特性を得る観点から、好ましくは20nm以上55nm以下、より好ましくは25nm以上50nm以下、更に好ましくは40nm以上45nm以下である。このカーボンブラックBの平均粒子径は、算術平均粒子径である。
【0018】
ゴム組成物XにおけるカーボンブラックBの含有量bは、内径摺動用に好適な特性を得る観点から、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは10質量部以上80質量部以下、より好ましくは35質量部以上60質量部以下、更に好ましくは50質量部以上58質量部以下である。ゴム組成物XにおけるカーボンブラックBの含有量bの脂肪酸アミドAの含有量aに対する比(b/a)は、同様の観点から、好ましくは5以上20、より好ましくは7以上15以下、更に好ましくは12以上14以下である。
【0019】
有機過酸化物Pとしては、例えば、ジクミルパーオキサイド、1,3-ジ(t-ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、1,4-ジ(t-ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、t-ブチルクミルパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ビス(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン-3などのジアルキルパーオキサイド;1,1-ジ(t-ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1-ジ(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、n-ブチル-4,4-ジ(t-ブチルパーオキシ)バレレートなどのパーオキシケタール;2,5-ジメチル-2,5-ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t-ヘキシルパーオキシベンゾエート、t-ブチルパーオキシベンゾエートなどのパーオキシエステル等が挙げられる。
【0020】
有機過酸化物Pは、これらのうちの1種又は2種以上を含むことが好ましく、内径摺動用に好適な特性を得る観点から、ジアルキルパーオキサイドを含むことがより好ましく、分子内に芳香環を有するジアルキルパーオキサイドを含むことが更に好ましく、分子内に芳香環を1個有するジアルキルパーオキサイドを含むことがより更に好ましく、1,3-ジ(t-ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼンを含むことがより更に好ましい。
【0021】
有機過酸化物Pの架橋前の未架橋ゴム組成物における配合量pは、内径摺動用に好適な特性を得る観点から、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上5質量部以下、より好ましくは1質量部以上4質量部以下、更に好ましくは2質量部以上3質量部以下である。
【0022】
共架橋剤Qとしては、例えば、N,N’-m-フェニレンビスマレイミド、マレイミド、フェニルマレイミドなどのマレイミド系共架橋剤;トリメチロールプロパントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレートなどのメタクリレート系共架橋剤;トリアリルシアヌレート、ジアリルフマレート、ジアリルフタレート、テトラアリルオキシエタン、トリアリルイソシアヌレート、トリメタリルイソシアヌレートなどのアリル系共架橋剤;1,2-ポリブタジエン等が挙げられる。共架橋剤Qは、これらのうちの1種又は2種以上を含むことが好ましく、内径摺動用に好適な特性を得る観点から、マレイミド系共架橋剤を含むことがより好ましく、N,N’-m-フェニレンビスマレイミドを含むことが更に好ましい。
【0023】
共架橋剤Qの架橋前の未架橋ゴム組成物における配合量qは、内径摺動用に好適な特性を得る観点から、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上10質量部以下、より好ましくは1質量部以上5質量部以下である。
【0024】
共架橋剤Qの架橋前の未架橋ゴム組成物における配合量qの有機過酸化物Pの配合量pに対する比(q/p)は、内径摺動用に好適な特性を得る観点から、好ましくは0.8以上3以下、より好ましくは1以上1.5以下である。共架橋剤Qの架橋前の未架橋ゴム組成物における配合量qは、同様の観点から、有機過酸化物Pの配合量pよりも多いことが好ましい。
【0025】
硫黄Rの架橋前の未架橋ゴム組成物における配合量rは、内径摺動用に好適な特性を得る観点から、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上1質量部以下、より好ましくは0.2質量部以上0.6質量部以下である。
【0026】
硫黄Rの架橋前の未架橋ゴム組成物における配合量rの有機過酸化物Pの配合量pに対する比(r/p)は、内径摺動用に好適な特性を得る観点から、好ましくは0.03以上0.3以下、より好ましくは0.1以上0.5以下、更に好ましくは0.15以上0.2以下である。硫黄Rの架橋前の未架橋ゴム組成物における配合量rの共架橋剤Qの配合量qに対する比(r/q)は、内径摺動用に好適な特性を得る観点から、好ましくは0.04以上0.2以下、より好ましくは0.1以上0.15以下である。
【0027】
ゴム組成物Xは、その他に、加工助剤、老化防止剤、可塑剤、加硫促進剤、加硫促進助剤等を含有していてもよい。
【0028】
ゴム組成物Xの硬さHsは、A60以上A95以下であることが好ましい。この硬さHsは、JIS K6253-3:2012に基づいてタイプAデュロメータで測定されるものである。
【0029】
ゴム組成物Xの引張強さTbは、10MPa以上であることが好ましい。ゴム組成物Xの伸びEbは、200%以上であることが好ましい。ゴム組成物Xの100%伸びにおける引張応力S100は、1MPa以上10MPa以下であることが好ましい。これらの引張強さTb、伸びEb、及び100%伸びにおける引張応力S100は、JIS K6251:2017に基づいて測定されるものである。
【0030】
ゴム組成物Xの圧縮永久ひずみCSは、好ましくは20%以上40%以下、より好ましくは25%以上35%以下である。この圧縮永久ひずみCSは、JIS K6262:2013に基づいて、試験温度を120℃及び試験時間を72時間として測定されるものである。
【0031】
ゴム組成物Xの引裂強さTSは、50N/mm以上であることが好ましい。この引裂強さTSは、JIS K6252-1:2015に基づいて測定されるものである。
【0032】
次に、実施形態に係るシール材10の製造方法について説明する。
【0033】
まず、バンバリーミキサー等のゴム混練機にHNBRを含むゴム成分を投入して素練りし、そこに脂肪酸アミドA、カーボンブラックB、有機過酸化物P、共架橋剤Q、及び硫黄Rを含む各種のゴム配合剤を添加して混練することにより未架橋ゴム組成物を調製する。
【0034】
次いで、調製した未架橋ゴム組成物の所定量を金型に形成されたシール材10の形状のキャビティに充填した後、金型を型締めし、所定温度(例えば165℃乃至175℃)での加熱及び所定圧力(例えば10MPa乃至20MPa)での加圧を所定時間(例えば5分乃至15分)行うプレス成形により、未架橋ゴム組成物のゴム成分を一次架橋させて一次架橋物を得る。
【0035】
そして、一次架橋物を金型から脱型した後、それをオーブンに入れ、一次架橋よりも低温(例えば140℃乃至160℃)での加熱を、一次架橋よりも長時間(例えば3乃至5時間)行うアニーリングにより、ゴム成分を二次架橋させて実施形態に係るシール材10を得る。
【実施例0036】
(未架橋ゴム組成物)
以下の実施例1及び比較例1乃至4の未架橋ゴム組成物を調製した。それぞれの構成については表1にも示す。
【0037】
<実施例1>
HNBR(結合アクリロニトリル量:36.2質量%、ヨウ素価:11mg/100mg)ゴム成分を構成し、このゴム成分100質量部に対して、脂肪酸アミドのエルカ酸アミド4質量部、カーボンブラックのFEF(平均粒子径:43nm)55質量部、加工助剤5.5質量部、老化防止剤3質量部、可塑剤5質量部、加硫促進助剤5質量部、有機過酸化物の1,3-ジ(t-ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン2.4質量部、共架橋剤のN,N’-m-フェニレンビスマレイミド3質量部、及び硫黄0.4質量部を配合して混練した未架橋ゴム組成物を実施例1とした。
【0038】
<比較例1>
脂肪酸アミドのエルカ酸アミドを配合せず、加工助剤の配合量をゴム成分100質量部に対して1.5質量部としたことを除いて実施例1と同様にして調製した未架橋ゴム組成物を比較例1とした。
【0039】
<比較例2>
カーボンブラックのFEFに代えて、カーボンブラックのSRF(平均粒子径:66nm)を配合したことを除いて実施例1と同様にして調製した未架橋ゴム組成物を比較例2とした。
【0040】
<比較例3>
共架橋剤のN,N’-m-フェニレンビスマレイミドを配合していないことを除いて実施例1と同様にして調製した未架橋ゴム組成物を比較例3とした。
【0041】
<比較例4>
硫黄を配合していないことを除いて実施例1と同様にして調製した未架橋ゴム組成物を比較例4とした。
【0042】
【0043】
(試験方法及びその結果)
上記未架橋ゴム組成物からゴム組成物の試験片を作製し、それを用いて以下の試験を実施した。その結果を表1に示す。
【0044】
<硬さ>
実施例1及び比較例1乃至4のそれぞれの未架橋ゴム組成物を用いて所定の試験片を作製し、JIS K6253-3:2012に基づいて、タイプAデュロメータで硬さHsを測定した。なお、試験片作製時の一次架橋における温度条件は170℃及び時間条件は10分とし、二次架橋における温度条件は150℃及び時間条件は4時間とした(以下、同様)。
【0045】
<引張特性>
実施例1及び比較例1乃至4のそれぞれの未架橋ゴム組成物を用いて所定の試験片を作製し、JIS K6251:2017に基づいて、引張強さTb、伸びEb、及び100%伸びにおける引張応力S100を測定した。
【0046】
<引裂強さ>
実施例1及び比較例1乃至2のそれぞれの未架橋ゴム組成物を用いて所定の切込みありの試験片を作製し、JIS K6252-1:2015に基づいて、試験方法Bで引裂強さTSを測定した。
【0047】
<圧縮永久ひずみ>
実施例1及び比較例1乃至4のそれぞれの未架橋ゴム組成物を用いて所定の試験片を作製し、JIS K6262:2013に基づいて、試験温度を120℃及び試験時間を72時間として圧縮永久ひずみCSを測定した。
【0048】
<耐摩耗性>
実施例1及び比較例1乃至2のそれぞれの未架橋ゴム組成物を用いて直径6.3mm及び高さ8.0mmの円柱状の試験片を作製し、
図2に示すように、試験片31を固定具32で固定するとともに金属板33に押接し、その状態で試験片31の底面が金属板33に摺接するように金属板33を往復運動させた。金属板33の材質はSS400、表面粗度Ryは3.2、及び仕上げ方向は摺動方向と直交する方法とした。また、試験片31の金属板33への押圧圧力は0.1MPa、金属板33の往復数は60回/分、金属板33の往復のストロークは10mm、及び金属板33の往復回数は10万回とした。そして、試験前後の試験片31の質量の減量を試験片31の比重及び底面積で除すことにより摩耗量(mm)を算出した。