(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022175425
(43)【公開日】2022-11-25
(54)【発明の名称】電子機器
(51)【国際特許分類】
G06F 1/20 20060101AFI20221117BHJP
H05K 7/20 20060101ALI20221117BHJP
【FI】
G06F1/20 C
G06F1/20 B
H05K7/20 R
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021081795
(22)【出願日】2021-05-13
(71)【出願人】
【識別番号】518133201
【氏名又は名称】富士通クライアントコンピューティング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】柏木 利之
(72)【発明者】
【氏名】立川 秀明
【テーマコード(参考)】
5E322
【Fターム(参考)】
5E322AA01
5E322AB01
5E322AB04
5E322AB06
5E322BA01
5E322BB03
5E322DB10
5E322FA04
(57)【要約】
【課題】プロセッサとメモリとが冷却されやすい新規な構成の電子機器を得る。
【解決手段】電子機器は、基板と、プロセッサと、メモリと、第1受熱体と、第2受熱体と、ヒートパイプと、接続体と、筐体と、を備える。基板は、一面を有する。プロセッサは、一面に実装されている。メモリは、一面に実装されている。第1受熱体は、プロセッサに熱的に接続されている。第2受熱体は、メモリに熱的に接続されている。ヒートパイプは、第1受熱体と熱的に接続されている。接続体は、第2受熱体とヒートパイプとを熱的に接続している。筐体は、基板、プロセッサ、第1受熱体、第2受熱体、および接続体を収容している。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一面を有した基板と、
前記一面に実装されたプロセッサと、
前記一面に実装されたメモリと、
前記プロセッサに熱的に接続された第1受熱体と、
前記メモリに熱的に接続された第2受熱体と、
前記第1受熱体と熱的に接続されたヒートパイプと、
前記第2受熱体と前記ヒートパイプとを熱的に接続した接続体と、
前記基板、前記プロセッサ、前記第1受熱体、前記第2受熱体、および前記接続体を収容した筐体と、
を備えた電子機器。
【請求項2】
前記接続体は、前記第2受熱体を前記メモリに押し付ける板バネ部を有した、請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記接続体は、前記ヒートパイプに重ねられたベース部と、前記基板に支持され前記ベース部を前記ヒートパイプに押し付ける板バネ部と、を有した、請求項1に記載の電子機器。
【請求項4】
前記第1受熱体と前記接続体とは、前記ヒートパイプを挟んだ、請求項1~3のうちいずれか一つに記載の電子機器。
【請求項5】
前記接続体は、前記ヒートパイプに重ねられたベース部を有し、
前記板バネ部は、前記ベース部と接続され、前記ベース部よりも幅が狭い、請求項2に記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、基板と、基板に実装されたプロセッサと、基板に実装されたメモリと、基板、プロセッサ、およびメモリを収容した筐体と、を備える電子機器が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種の電子機器では、例えば、プロセッサとメモリとが冷却されやすい新規な構成が得られれば有益である。
【0005】
そこで、本発明の課題の一つは、プロセッサとメモリとが冷却されやすい新規な構成の電子機器を得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1態様にかかる電子機器は、一面を有した基板と、前記一面に実装されたプロセッサと、前記一面に実装されたメモリと、前記プロセッサに熱的に接続された第1受熱体と、前記メモリに熱的に接続された第2受熱体と、前記第1受熱体と熱的に接続されたヒートパイプと、前記第2受熱体と前記ヒートパイプとを熱的に接続した接続体と、前記基板、前記プロセッサ、前記第1受熱体、前記第2受熱体、および前記接続体を収容した筐体と、を備える。
【0007】
前記電子機器では、例えば、前記接続体は、前記第2受熱体を前記メモリに押し付ける板バネ部を有する。
【0008】
前記電子機器では、例えば、前記接続体は、前記ヒートパイプに重ねられたベース部と、前記基板に支持され前記ベース部を前記ヒートパイプに押し付ける板バネ部と、を有する。
【0009】
前記電子機器では、例えば、前記第1受熱体と前記接続体とは、前記ヒートパイプを挟んでいる。
【0010】
前記電子機器では、例えば、前記接続体は、前記ヒートパイプに重ねられたベース部を有し、前記板バネ部は、前記ベース部と接続され、前記ベース部よりも幅が狭い。
【発明の効果】
【0011】
本発明の上記態様によれば、プロセッサとメモリとが冷却されやすい新規な構成の電子機器を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、第1実施形態の電子機器の例示的な背面図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態の電子機器における基板装置を含む部分の例示的な背面図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態の電子機器における基板装置を含む部分の例示的な背面図であって、
図2に対して伝熱部材が取り外された状態の図である。
【
図5】
図5は、第1実施形態の電子機器の熱輸送部の一部の例示的な背面図である。
【
図6】
図6は、第1実施形態の電子機器の熱輸送部の一部の例示的な側面図である。
【
図7】
図7は、第1実施形態の電子機器の熱輸送部の一部の例示的な底面図である。
【
図8】
図8は、第2実施形態の電子機器における基板装置を含む部分の例示的な背面図である。
【
図10】
図10は、第2実施形態の電子機器の熱輸送部の一部の例示的な背面図である。
【
図11】
図11は、第2実施形態の電子機器の熱輸送部の一部の例示的な底面図である。
【
図12】
図12は、第3実施形態の電子機器の熱輸送部の一部の例示的な正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の例示的な実施形態が開示される。以下に示される実施形態の構成、ならびに当該構成によってもたらされる作用および効果は、一例である。本発明は、以下の実施形態に開示される構成以外によっても実現可能である。また、本発明によれば、構成によって得られる種々の効果(派生的な効果も含む)のうち少なくとも一つを得ることが可能である。
【0014】
以下の複数の実施形態には、同様の構成要素が含まれている。それら同様の構成要素には共通の符号が付与されるとともに、重複する説明が省略される。また、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実と異なる場合がある。また、図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。また、本明細書では、序数は、部品や、部材、部位、位置、方向等を区別するためだけに用いられており、順番や優先度を示すものではない。
【0015】
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態の電子機器1の例示的な背面図である。電子機器1は、所謂オールインワン型のパーソナルコンピュータとして構成されている。なお、電子機器1は、上記例には限定されず、例えば、デスクトップ型のパーソナルコンピュータや、クラムシェル型(ノートブック型)のパーソナルコンピュータ、映像電子機器、テレビジョン受像機、ゲーム機等であってもよい。
【0016】
電子機器1は、筐体2と、筐体2を支持した支持体4と、を備えている。支持体4は、不図示の机や、棚、台等の載置対象上に載置され、筐体2を支持する。支持体4は、スタンドとも称される。また、筐体2は、基板装置50や、ファン装置53,153等の収容品を収容している。また、筐体2は、ディスプレイ(不図示)を支持している。基板装置50は、メインボードとも称される。
【0017】
本実施形態では、便宜上、方向が定義されている。X方向は、筐体2の幅方向(左右方向、長手方向)に沿う方向である。X方向は右方、X方向の反対方向は左方とも称される。Y方向は、筐体2の前後方向(厚さ)の前方と同じである。Z方向は、筐体2の上下方向の上方(高さ方向)と同じである。X方向、Y方向、およびZ方向は、互いに直交している。
【0018】
筐体2には、通気口2a,2b,2cが設けられている。各通気口2a,2b,2cは、筐体2の壁を貫通した複数のスリットによって構成されている。通気口2a,2bは、例えば、筐体2の上壁に設けられている。通気口2cは、例えば、筐体2の後壁に設けられている。
【0019】
図2は、第1実施形態の電子機器1における基板装置50を含む部分の例示的な背面図である。
図3は、第1実施形態の電子機器1における基板装置50を含む部分の例示的な背面図であって、
図2に対して伝熱部材161が取り外された状態の図である。
【0020】
図2および
図3に示されるように、基板装置50は、基板51と、プロセッサ52(
図1)と、プロセッサ52を冷却するファン装置53と、熱輸送部54と、を有する。
【0021】
プロセッサ52は、基板51の後面である一面51aに実装されている。プロセッサ52は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。なお、プロセッサ52は、上記に限定されない。
【0022】
熱輸送部54は、プロセッサ52で発生した熱を一端部で受けて他端部に輸送する。端部は、通気口2aに面している。
【0023】
上記構成では、ファン装置53の動作によって、通気口2cから筐体2内に空気が導入されるとともに、通気口2aから筐体2外に空気が排出される。このとき、熱輸送部54の一端部がプロセッサ52から受けた熱は、熱輸送部54によって熱輸送部54の他端部に輸送され、熱輸送部54から通気口2aを介して筐体2の外部に放出される。すなわち、プロセッサ52が冷却される。
【0024】
また、基板装置50は、プロセッサ152(
図1)と、メモリ71~74と、ファン装置153と、熱輸送部154と、を有する。
【0025】
プロセッサ152は、基板51の後面である一面51aに実装されている。プロセッサ152は、例えばGPU(Graphics Processing Unit)である。すなわち、プロセッサ152は、Gfx機能を有する。なお、プロセッサ152は、上記に限定されない。
【0026】
メモリ71~74は、基板51の一面51aに実装されている。メモリ71~74は、例えば、VRAM(Video Random Access Memory)である。メモリ71,72は、プロセッサ152の下方に配置され、メモリ73,74は、プロセッサ152の側方に配置されている。なお、メモリ71~74は、上記に限定されない。
【0027】
図4は、
図2のIV-IV断面図である。
図5は、第1実施形態の電子機器1の熱輸送部154の一部の例示的な背面図である。
図6は、第1実施形態の電子機器1の熱輸送部154の一部の例示的な側面図である。
図7は、第1実施形態の電子機器1の熱輸送部154の一部の例示的な底面図である。
【0028】
図4~
図7に示されるように、熱輸送部154は、ヒートパイプ155と、第1受熱体156と、ヒートシンク159と、伝熱部材161と、を有する。
【0029】
第1受熱体156は、プロセッサ152と熱的に接続され、プロセッサ152で発生した熱を受ける。詳細には、第1受熱体156は、固定部材157によってプロセッサ152に押し付けられている。固定部材157は、ネジ等の結合具158によって基板51Bとともに筐体2に固定されている。第1受熱体156は、例えば、銅等の金属材料によって構成されている。
【0030】
ヒートパイプ155は、第1受熱体156とヒートシンク159とに亘って設けられ、第1受熱体156とヒートシンク159とに熱的に接続されている。ヒートシンク159は、筐体2の通気口2bに面している。
【0031】
図4~
図7に示されるように、伝熱部材161は、第2受熱体162と、接続体163と、を有する。第2受熱体162と接続体163とは、一体形成されている。伝熱部材161は、例えば、金属材料によって構成された板金部材である。
【0032】
第2受熱体162は、メモリ71,72に重ねられ、メモリ71,72と熱的に接続されている。第2受熱体162は、ヒートシンクとも称される。
【0033】
接続体163は、第2受熱体162とヒートパイプ155とを熱的に接続している。詳細には、接続体163は、ベース部163aと、二つの板バネ部163bと、板バネ部163cと、を有する。
【0034】
図4に示されるように、ベース部163aは、ヒートパイプ155に重ねられて、ヒートパイプ155と熱的に接続されている。ベース部163aは、ヒートパイプ155に対して第1受熱体156とは反対側に配置されている。すなわち、ベース部163aと接続体163とは、ヒートパイプ155を挟んでいる。
【0035】
図5に示されるように、二つの板バネ部163bは、ベース部163aのX方向側およびX方向の反対方向側に設けられ、ベース部163aと接続されている。二つの板バネ部163bにおけるベース部163aとは反対側の端部は、ネジ等の結合具164によって固定部材157に固定されている。すなわち、二つの板バネ部163bは、固定部材157を介して基板51に支持されている。二つの板バネ部163bは、弾性力によって、ベース部163aをヒートパイプ155に押し付けている。
【0036】
図4および
図5に示されるように、板バネ部163cは、ベース部163aからZ方向の反対方向に延びている。詳細には、板バネ部163cは、第1部分163dと第2部分163eとを有する。第1部分163dは、ベース部163aの幅方向の中央部からZ方向の反対方向に延びている。第2部分163eは、第1部分163dにおけるベース部163aとは反対方向の端部からY方向に延びている。第2部分163eにおける第1部分163dとは反対側の端部は、第2受熱体162が接続されている。板バネ部163cは、弾性力によって、第2受熱体162をメモリ71,72に押し付けている。板バネ部163c(第1部分163d、第2部分163e)の幅(X方向の幅)は、ベース部163aの幅よりも小さい。
【0037】
上記構成では、ファン装置153の動作によって、通気口2cから筐体2内に空気が導入されるとともに、通気口2bから筐体2外に空気が排出される。ファン装置153による送風された空気は、ヒートシンク159の表面に沿って流れ、通気口2bから排出される。このとき、第1受熱体156がプロセッサ152から受けた熱は、ヒートパイプ155によってヒートシンク159に輸送され、ヒートシンク159から通気口2bを介して筐体2の外部に放出される。すなわち、プロセッサ152およびメモリ71,72が冷却される。ファン装置153は、少なくともプロセッサ152およびメモリ71,72の冷却用である。第1受熱体156は、ヒートシンクとも称され、ヒートシンク159は、放熱部材とも称される。
【0038】
以上のように、本実施形態では、電子機器1は、基板51と、プロセッサ152と、メモリ71~74と、第1受熱体156と、第2受熱体162と、ヒートパイプ155と、接続体163と、筐体2と、を備える。基板51は、一面51aを有する。プロセッサ152は、一面51aに実装されている。メモリ71~74は、一面51aに実装されている。第1受熱体156は、プロセッサ152に熱的に接続されている。第2受熱体162は、メモリ71,72に熱的に接続されている。ヒートパイプ155は、第1受熱体156と熱的に接続されている。接続体163は、第2受熱体162とヒートパイプ155とを熱的に接続している。筐体2は、基板51、プロセッサ152、第1受熱体156、第2受熱体162、および接続体163を収容している。
【0039】
このような構成によれば、プロセッサ152の熱が第1受熱体156を介してヒートパイプ155に伝わるとともに、メモリ71,72の熱が第2受熱体162および接続体163を介してヒートパイプ155に伝わる。よって、プロセッサ152およびメモリ71,72が冷却されやすい。また、一つのヒートパイプ155によってプロセッサ152およびメモリ71,72を冷却するので、プロセッサ152およびメモリ71,72のそれぞれに対してヒートパイプを一つずつ設けた構成、すなわちプロセッサ152およびメモリ71,72に対して二つのヒートパイプを設けた構成に比べて、部品点数の削減をし易いとともに、電子機器1の組み立てがしやすい。
【0040】
また、本実施形態では、接続体163は、第2受熱体162をメモリ71,72に押し付ける板バネ部163cを有する。
【0041】
このような構成によれば、第2受熱体162およびメモリ71,72の形状誤差や組付け誤差が有っても、第2受熱体162とメモリ71,72とを熱的に接続することができる。また、高さが異なる複数種類のメモリ71,72に対応することができる。
【0042】
また、本実施形態では、接続体163は、ヒートパイプ155に重ねられたベース部163aと、基板51に支持されベース部163aをヒートパイプ155に押し付ける板バネ部163bと、を有する。
【0043】
このような構成によれば、ベース部163aおよびヒートパイプ155の形状誤差や組付け誤差が有っても、ベース部163aとヒートパイプ155とを熱的に接続することができる。
【0044】
また、本実施形態では、第1受熱体156と接続体163とは、ヒートパイプ155を挟んでいる。
【0045】
このような構成によれば、接続体163の形状の自由度が大きい。
【0046】
また、本実施形態では、接続体163は、ヒートパイプ155に重ねられたベース部163aを有する。板バネ部163cは、ベース部163aと接続され、ベース部163aよりも幅が狭い。
【0047】
このような構成によれば、板バネ部163cがベース部163aに対して変形しやすい。
【0048】
<第2実施形態>
図8は、第2実施形態の電子機器1における基板装置50を含む部分の例示的な背面図である。
図9は、
図8のIX-IX断面図である。
図10は、第2実施形態の電子機器1の熱輸送部154の一部の例示的な背面図である。
図11は、第2実施形態の電子機器1の熱輸送部154の一部の例示的な底面図である。
【0049】
図8~
図11に示されるように、本実施形態は、伝熱部材161が、第2受熱体162および接続体163の他に、第2受熱体171と、二つの第3バネ部163fと有する点が、第1実施形態と異なる。
【0050】
第2受熱体171は、メモリ73,74に重ねられ、メモリ73,74と熱的に接続されている。第2受熱体171は、ヒートシンクとも称される。
【0051】
二つの第3バネ部163fは、ベース部163aからX方向の反対側に延びて第2受熱体171と接続されている。二つの第3バネ部163fは、弾性力によって、第2受熱体171をメモリ73,74に押し付けている。
【0052】
以上のように、本実施形態では、伝熱部材161は、第2受熱体171と、二つの第3バネ部163fと有する。
【0053】
このような構成によれば、メモリ73,74の熱が第2受熱体171および接続体163を介してヒートパイプ155に伝わる。よって、プロセッサ152およびメモリ71,72とともに、メモリ73,74が冷却されやすい。また、一つのヒートパイプ155によってプロセッサ152、メモリ71,72、およびメモリ73,74を冷却するので、プロセッサ152、メモリ71,72、およびメモリ73,74のそれぞれに対してヒートパイプを一つずつ設けた構成、すなわちプロセッサ152、メモリ71,72、およびメモリ73,74に対して三つのヒートパイプを設けた構成に比べて、部品点数の削減をし易いとともに、電子機器1の組み立てがしやすい。また、高さが異なる複数種類のメモリ73,74に対応することができる。本実施形態では、ファン装置153は、少なくともプロセッサ152およびメモリ71~74の冷却用である。
【0054】
<第3実施形態>
図12は、第3実施形態の電子機器1の熱輸送部154の一部の例示的な正面図である。
【0055】
本実施形態は、第2実施形態に対して、伝熱部材161に替えて、二つの接続体181と、四つの板バネ部183,184と、が設けられた点が異なる。
【0056】
一方の接続体181は、第1受熱体156と第2受熱体162とに亘って設けれ、第1受熱体156と第2受熱体162とを熱的に接続している。一方の接続体181は、例えば、第1受熱体156と第2受熱体162とに、接着されている。一方の接続体181は、第1受熱体156を介して、第2受熱体162とヒートパイプ155とを熱的に接続している。他方の接続体181は、第1受熱体156と第2受熱体171とに亘って設けれ、第1受熱体156と第2受熱体171とを熱的に接続している。他方の接続体181は、第1受熱体156を介して、第2受熱体171とヒートパイプ155とを熱的に接続している。他方の接続体181は、例えば、第1受熱体156と第2受熱体171とに、接着されている。接続体181は、例えばグラファイトシートによって構成されている。
【0057】
二つの板バネ部183は、第2受熱体162と固定部材157とに亘って設けられ、第2受熱体162をメモリ71,72(
図3)に押し付けている。二つの板バネ部184は、第2受熱体171と固定部材157とに亘って設けられ、他方の接続体181をメモリ73,74(
図3)に押し付けている。板バネ部183,184は、例えば、第2受熱体162,171と固定部材157とに、はんだ付けされている。板バネ部183,184は、リン青銅等の金属材料によって構成されている。
【0058】
このような構成では、メモリ71~74の熱が、接続体181および板バネ部183,184を介して、ヒートパイプ155に伝わるので、プロセッサ152とともに、メモリ71~74が冷却されやすい。
【0059】
以上、本発明の実施形態が例示されたが、上記実施形態は一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。また、各構成や、形状、等のスペック(構造や、種類、方向、形式、大きさ、長さ、幅、厚さ、高さ、数、配置、位置、材質等)は、適宜に変更して実施することができる。
【符号の説明】
【0060】
1…電子機器、2…筐体、51…基板、51a…一面、71~74…メモリ、152…プロセッサ、155…ヒートパイプ、156…第1受熱体、162,171…第2受熱体、163,181…接続体、163a…ベース部、163b…板バネ部、163c…板バネ部。
【手続補正書】
【提出日】2022-08-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一面を有した基板と、
前記一面に実装されたプロセッサと、
前記一面の前記プロセッサの下方となる位置に実装された第1メモリと、
前記一面の前記プロセッサの側方となる位置に実装された第2メモリと、
前記プロセッサに熱的に接続された第1受熱体と、
前記第1メモリに熱的に接続された第2受熱体と、
前記第2メモリに熱的に接続された第3受熱体と、
前記第1受熱体と熱的に接続されたヒートパイプと、
前記第1受熱体と前記第2受熱体とに亘って設けられ、前記第1受熱体を介して、前記第2受熱体と前記ヒートパイプとを熱的に接続した一方の接続体と、
前記第1受熱体と前記第3受熱体とに亘って設けられ、前記第1受熱体を介して、前記第3受熱体と前記ヒートパイプとを熱的に接続した他方の接続体と、
前記基板、前記プロセッサ、前記第1受熱体、前記第2受熱体、前記第3受熱体、前記一方の接続体、および前記他方の接続体を収容した筐体と、
前記筐体に前記基板とともに固定され第1受熱体を前記プロセッサに押し付ける固定部材と、
を備え、
前記一方の接続体は、前記第2受熱体と前記固定部材とに亘って設けられ前記第2受熱体を前記第1メモリに押し付ける第1板バネ部を備え、
前記他方の接続体は、前記第3受熱体と前記固定部材とに亘って設けられ該他方の接続体を前記第2メモリに押し付ける第2板バネ部と、を備えた電子機器。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明の第1態様にかかる電子機器は、一面を有した基板と、前記一面に実装されたプロセッサと、前記一面の前記プロセッサの下方となる位置に実装された第1メモリと、前記一面の前記プロセッサの側方となる位置に実装された第2メモリと、前記プロセッサに熱的に接続された第1受熱体と、前記第1メモリに熱的に接続された第2受熱体と、前記第2メモリに熱的に接続された第3受熱体と、前記第1受熱体と熱的に接続されたヒートパイプと、前記第1受熱体と前記第2受熱体とに亘って設けられ、前記第1受熱体を介して、前記第2受熱体と前記ヒートパイプとを熱的に接続した一方の接続体と、前記第1受熱体と前記第3受熱体とに亘って設けられ、前記第1受熱体を介して、前記第3受熱体と前記ヒートパイプとを熱的に接続した他方の接続体と、前記基板、前記プロセッサ、前記第1受熱体、前記第2受熱体、前記第3受熱体、前記一方の接続体、および前記他方の接続体を収容した筐体と、前記筐体に前記基板とともに固定され第1受熱体を前記プロセッサに押し付ける固定部材と、を備え、前記一方の接続体は、前記第2受熱体と前記固定部材とに亘って設けられ前記第2受熱体を前記第1メモリに押し付ける第1板バネ部を備え、前記他方の接続体は、前記第3受熱体と前記固定部材とに亘って設けられ該他方の接続体を前記第2メモリに押し付ける第2板バネ部と、を備える。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
本発明の上記態様によれば、プロセッサ、第1メモリ及び第2メモリが冷却されやすい新規な構成の電子機器を得ることができる。即ち、第1メモリ及び第2メモリの熱が、一方の接続体、他方の接続体、第1板バネ部、及び第2板バネ部を介して、ヒートパイプに伝わるので、プロセッサとともに、第1メモリ及び第2メモリが冷却されやすい。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0026】
メモリ71~74は、基板51の一面51aに実装されている。メモリ71~74は、例えば、VRAM(Video Random Access Memory)である。第1メモリであるメモリ71,72は、プロセッサ152の下方に配置され、第2メモリであるメモリ73,74は、プロセッサ152の側方に配置されている。なお、メモリ71~74は、上記に限定されない。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0049
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0049】
図8~
図11に示されるように、本実施形態は、伝熱部材161が、第2受熱体162および接続体163の他に、第
3受熱体171と、二つの第3バネ部163fと有する点が、第1実施形態と異なる。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0050
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0050】
第3受熱体171は、メモリ73,74に重ねられ、メモリ73,74と熱的に接続されている。第3受熱体171は、ヒートシンクとも称される。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0051
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0051】
二つの第3バネ部163fは、ベース部163aからX方向の反対側に延びて第3受熱体171と接続されている。二つの第3バネ部163fは、弾性力によって、第3受熱体171をメモリ73,74に押し付けている。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0052
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0052】
以上のように、本実施形態では、伝熱部材161は、第3受熱体171と、二つの第3バネ部163fと有する。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0053
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0053】
このような構成によれば、メモリ73,74の熱が第3受熱体171および接続体163を介してヒートパイプ155に伝わる。よって、プロセッサ152およびメモリ71,72とともに、メモリ73,74が冷却されやすい。また、一つのヒートパイプ155によってプロセッサ152、メモリ71,72、およびメモリ73,74を冷却するので、プロセッサ152、メモリ71,72、およびメモリ73,74のそれぞれに対してヒートパイプを一つずつ設けた構成、すなわちプロセッサ152、メモリ71,72、およびメモリ73,74に対して三つのヒートパイプを設けた構成に比べて、部品点数の削減をし易いとともに、電子機器1の組み立てがしやすい。また、高さが異なる複数種類のメモリ73,74に対応することができる。本実施形態では、ファン装置153は、少なくともプロセッサ152およびメモリ71~74の冷却用である。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0055
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0055】
本実施形態は、第2実施形態に対して、伝熱部材161に替えて、二つの接続体181(一方の接続体181及び他方の接続体181)と、四つの板バネ部183(第1板バネ部183),板バネ部184(第2板バネ部184)と、が設けられた点が異なる。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0056
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0056】
一方の接続体181は、第1受熱体156と第2受熱体162とに亘って設けられ、第1受熱体156と第2受熱体162とを熱的に接続している。一方の接続体181は、例えば、第1受熱体156と第2受熱体162とに、接着されている。一方の接続体181は、第1受熱体156を介して、第2受熱体162とヒートパイプ155とを熱的に接続している。他方の接続体181は、第1受熱体156と第3受熱体171とに亘って設けられ、第1受熱体156と第3受熱体171とを熱的に接続している。他方の接続体181は、第1受熱体156を介して、第3受熱体171とヒートパイプ155とを熱的に接続している。他方の接続体181は、例えば、第1受熱体156と第3受熱体171とに、接着されている。接続体181は、例えばグラファイトシートによって構成されている。
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0057
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0057】
二つの板バネ部183
(第1板バネ部183)は、第2受熱体162と固定部材157とに亘って設けられ、第2受熱体162をメモリ71,72(
図3)に押し付けている。二つの板バネ部184
(第2板バネ部184)は、第
3受熱体171と固定部材157とに亘って設けられ、他方の接続体181をメモリ73,74(
図3)に押し付けている。板バネ部183
(第1板バネ部183),
板バネ部184
(第2板バネ部184)は、例えば、第2受熱体162,及び
第3受熱体171と固定部材157とに、はんだ付けされている板バネ部183
(第1板バネ部183),
板バネ部184
(第2板バネ部184)は、リン青銅等の金属材料によって構成されている。
【手続補正17】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0058
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0058】
このような構成では、メモリ71~74の熱が、一方の接続体181、他方の接続体181および板バネ部183(第1板バネ部183),板バネ部184(第2板バネ部184)を介して、ヒートパイプ155に伝わるので、プロセッサ152とともに、メモリ71~74が冷却されやすい。