(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022175482
(43)【公開日】2022-11-25
(54)【発明の名称】選別装置
(51)【国際特許分類】
B07B 4/02 20060101AFI20221117BHJP
B03C 1/00 20060101ALI20221117BHJP
B03C 1/247 20060101ALI20221117BHJP
B02C 23/08 20060101ALI20221117BHJP
B09B 3/20 20220101ALI20221117BHJP
【FI】
B07B4/02
B03C1/00 B
B03C1/247
B02C23/08 A ZAB
B09B3/00 301Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021081881
(22)【出願日】2021-05-13
(71)【出願人】
【識別番号】000163095
【氏名又は名称】極東開発工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002192
【氏名又は名称】特許業務法人落合特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】野口 弘之
(72)【発明者】
【氏名】千葉 信之
(72)【発明者】
【氏名】下屋敷 匠
(72)【発明者】
【氏名】新居 健次郎
(72)【発明者】
【氏名】植村 晟也
【テーマコード(参考)】
4D004
4D021
4D067
【Fターム(参考)】
4D004AA46
4D004AC05
4D004BA05
4D004CA04
4D004CA08
4D004CA09
4D004CB05
4D004CB13
4D004CB46
4D004CB50
4D021FA02
4D021GA12
4D021GB03
4D021HA01
4D067EE04
4D067EE22
4D067EE25
4D067GA10
4D067GA18
4D067GA20
(57)【要約】
【課題】1次及び2次選別機によりそれぞれ選別した非鉄材ごみの排出処理も1系統の排出排出シュートで行い得るようにした選別装置を提供する。
【解決手段】2次選別機S2は高圧エアを噴出するエアノズル36,37を有し,このエアノズル36,37は,1次選別機S1で選別された鉄材ごみに対して噴出エアを吹きつけて,鉄材ごみG3から,それに紛れ込んだ非鉄材ごみを分離し,1次選別機S1で選別されて第1排出シュート15を降下する非鉄材ごみG4に合流させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄材を含む破砕ごみ(G2)を,磁石(26)を利用して,鉄材ごみ(G3)と非鉄材ごみ(G4)とに選別する1次選別機(S1)と,風力を利用して,前記1次選別機(S1)で選別した鉄材ごみ(G3)から,それに紛れ込んだ非鉄材ごみ(G4)を分離する2次選別機(S2)とを備える選別装置において,
前記1次選別機で選別した前記非鉄材ごみ(G4)を排出誘導する第1排出シュート(15)と,前記1次選別機で選別した鉄材ごみ(G3)を排出誘導する第2排出シュート(16)とを備え,
前記2次選別機(S2)が有するエアノズル(36,37)は,前記1次選別機(S1)で選別した前記鉄材ごみに対して噴出エアを吹きつけ,該鉄材ごみ(G3)から,それに紛れ込んだ非鉄材ごみ(G4)を分離して前記第1排出シュート(15)に移送するように配置されることを特徴とする選別装置。
【請求項2】
請求項1に記載される選別装置において,
前記エアノズル(36)は,その噴出エアー(36)を,前記1次選別機(S1)より排出される前記鉄材ごみ(G3)の降下に逆行する方向へ向けるように配置されることを特徴とする選別装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の選別装置において,
前記1次選別機(S1)は,回転ドラム(24)と,該回転ドラム(24)の内周面の一部に対向して固定配置される磁石(26)とを含む磁石式であり,前記エアノズル(36)は,その噴出エアを,回転ドラム(24)の鉄材ごみ排出部に向けるように配置されることを特徴とする選別装置。
【請求項4】
請求項1の選別装置において,
前記第1及び第2排出シュート(15,16)の中間部が連通シュート(17)を介して相互に接続され,前記エアノズル(36,37)は,その噴出エアを,前記第2排出シュート(16)を降下する前記鉄材ごみ(G3)に吹きつけて,それに紛れ込んだ非鉄材ごみ(G4)を分離し前記連通シュート(17)に移送するように配置されることを特徴とする選別装置。
【請求項5】
請求項1~4の何れかに記載の選別装置において,
前記第1排出シュート(15)に,その下流側に向かう気流を生じさせる吸引装置(45)が接続されることを特徴とする選別装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,スプリング入りマットレスのような鉄材入りの粗大ごみを粉砕した後,その粉砕ごみを,スプリングのような鉄材ごみと,スポンジや布のような非鉄材とに選別する選別装置の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来,かゝる選別装置として,選別精度を高めるために,鉄材入りの破砕ごみを,磁石を利用して,鉄材ごみと非鉄材ごみとに選別する1次選別機と,風力を利用して,前記1次選別機で選別した鉄材ごみから,それに紛れ込んだ非鉄材ごみを分離する2次選別機とを備えるものが,下記特許文献1に開示されているように既に知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで,従来の選別装置では,1次及び2次選別機により選別した鉄材ごみの排出処理を1系統の排出シュートで行っているが,1次及び2次選別機によりそれぞれ選別した非鉄材ごみの排出処理は2系統の排出シュートで行っており,これにより装置が大型化すると共に,その製作コストが高くつくという欠点がある。
【0005】
本発明は,かゝる事情に鑑みてなされたもので,1次及び2次選別機によりそれぞれ選別した非鉄材ごみの排出処理も1系統の排出シュートで行い得るようにした,小型で低コストの選別装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために,本発明は,鉄材を含む破砕ごみを,磁石を利用して,鉄材ごみと非鉄材ごみとに選別する1次選別機と,風力を利用して,前記1次選別機で選別した鉄材ごみから,それに紛れ込んだ非鉄材ごみを分離する2次選別機とを備える選別装置において,前記1次選別機で選別した前記非鉄材ごみを排出誘導する第1排出シュートと,前記1次選別機で選別した鉄材ごみを排出誘導する第2排出シュートとを備え,前記2次選別機が有するエアノズルは,前記1次選別機で選別した前記鉄材ごみに対して噴出エアを吹きつけて,該鉄材ごみから,それに紛れ込んだ非鉄材ごみを分離し前記第1排出シュートに移送するように配置されることを第1の特徴とする。尚,前記エアノズルは,後述する本発明の実施形態における第1及び第2エアノズル36,37の何れか一方,もしくはその両方に対応する。
【0007】
また,本発明は,第1の特徴に加えて,前記エアノズルは,その噴出エアーを,前記1次選別機より排出される前記鉄材ごみの降下に逆行する方向へ向けるように配置されることを第2の特徴とする。
【0008】
さらに,本発明は,第1又は第2の特徴に加えて,前記1次選別機は,回転ドラムと,該回転ドラムの内周面の一部に対向して固定配置される磁石とを含む磁石式であり,前記エアノズルは,その噴出エアを,回転ドラムの鉄材ごみ排出部に向けるように配置されることを第3の特徴とする。
【0009】
さらにまた,本発明は,第1の特徴に加えて,前記第1及び第2排出シュートの中間部が連通シュートを介して相互に接続され,前記エアノズルは,その噴出エアを,前記第2排出シュートを降下する前記鉄材ごみに吹きつけて,それに紛れ込んだ非鉄材ごみを分離し前記連通シュートに移送するように配置されることを第4の特徴とする。
【0010】
さらにまた,本発明は,第1~第4の何れかの特徴に加えて,前記第1排出シュートに,その下流側に向かう気流を生じさせる吸引装置が接続されることを第5の特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の第1の特徴によれば,2次選別機のエアノズルの噴出エアを,1次選別機から第2排出シュートに向かって降下する鉄材ごみに対して吹きつけながら,第1排出シュート側に向かわせるので,前記鉄材ごみから,それに紛れ込んだ非鉄材ごみを分離して第1排出シュート側へ移送し,第1選別装置により選別された非鉄材ごみに合流させ,第1排出シュートへと排出することができる。したがって,第1及び第2選別装置でそれぞれ選別される非鉄材ごみの排出処理を1系統の第1排出シュートで行うことができ,小型で低コストの選別装置を得ることができる。
【0012】
本発明の第2の特徴によれば,エアノズルの噴出エアーを,1次選別機より排出された鉄材ごみの降下に逆行する方向へ向けさせることで,上記鉄材ごみから,それに紛れ込んだ非鉄材ごみを効果的に分離することができる。
【0013】
本発明の第3の特徴によれば,エアノズルの噴出エアを,回転ドラムの鉄材ごみ排出部に向かわせることで,上記鉄材ごみから,それに紛れ込んだ非鉄材ごみを,より効果的に分離することができる。
【0014】
本発明の第4の特徴によれば,第2排出シュートを降下する過程で鉄材ごみから分離した非鉄材ごみを,連通シュートを介して第1排出シュートへ効率よく移送することができる。
【0015】
本発明の第5の特徴によれば,吸引機により第1排出シュートに,その下流側に向かう気流を生じさせることで,第1排出シュートに排出された非鉄材ごみを上記気流により第1排出シュートの下流側へ積極的に引き寄せることができ,これにより前記非鉄材ごみが第1排出シュートの上流側に舞い上がって第2排出シュートに排出された鉄材ごみに紛れ込むことを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る選別装置を備える廃棄物処理システムの全体側面図
【
図6】本発明の第2実施形態に係るもので,
図1中の選別装置の一部を変更した要部断面図
【
図7】本発明の第3実施形態に係る選別装置を備える廃棄物処理システムの全体側面図
【発明を実施するための形態】
【0017】
先ず,本発明の第1実施形態について,添付の
図1~
図5を参照しながら説明する。
【0018】
図1において,例えば廃棄されたスプリング入りマットレスが鉄材入りの粗大ごみG1として,粗大ごみ貯留ヤード9に搬入されると,その粗大ごみG1は,第1コンベア10により破砕機12へ移送され,この破砕機12により破砕されて破砕ごみG2とされ,その破砕ごみG2は第2コンベア11により本発明に係る選別装置Sへと搬送される。
【0019】
この選別装置Sの装置本体13は,第2コンベア11の搬出端の下方に設置されるホッパ14と,このホッパ14の下端部から左右に分岐して下方に延びる第1及び第2排出シュート15,16と,これら第1及び第2排出シュート15,16の中間部を相互に接続する連通シュート17とで構成され,その第1排出シュート15の下流端の下方に鉄材ごみG3を受け入れる第1コンテナ18が,また第2排出シュート16の下流端の下方に非鉄材ごみを受け入れる第2コンテナがそれぞれ配設される。これら第1及び第2コンテナ18,19は個別に移動が可能である。
【0020】
上記ホッパ14内には,磁石式の1次選別機S1が設置され,これによって,前記破砕ごみG2をコイルスプリング等の鉄材ごみG3と,スポンジや布等の非鉄材ごみG4とに選別するようになっている。
【0021】
また,第1排出シュート15の上部には,風力式の2次選別機S2が取り付けられ,これによって,1次選別機S1により選別,排出された鉄材ごみG3から,それに紛れ込んだ非鉄材ごみG4を分離して第2排出シュート16側へ吹き飛ばし,移送すようになっている。
【0022】
先ず,前記1次選別機S1の構成について,
図2~
図5により詳しく説明する。
【0023】
1次選別機S1は,ホッパ14に連結したフレーム21に軸受22を介して支持されるスピンドル23と,このスピンドル23に回転自在に支持される回転ドラム24と,この回転ドラム24内でスピンドル23に連結される固定ドラム25と,この固定ドラム25の外周に取り付けられて,回転ドラム24の内周面に,その略半周にわたり対向するよう配置される断面半円弧状の永久磁石26とよりなっており,回転ドラム24の外周面には,多数の滑り止めフィン27がスピンドル23と平行に配設される。
【0024】
前記回転ドラム24は,前記ホッパ14の両外側に突出するボス24aを有しており,その一方のボス24aに取り付けられた従動スプロケット28と,フレーム21に据え付けられた電動モータ31の駆動スプロケット29との間にチェーン30が掛け渡され,回転ドラム24は,矢印Aで示すように,その下側が第1排出シュート15側から第2排出シュート16側へ向かうよう電動モータ31により回転駆動されるようになっている。
【0025】
一方,前記スピンドル23の,前記従動スプロケット28と反対側の端部には,調節レバー32が取り付けられ,この調節レバー32は,ターンバックル33を介してフレーム21に連結される。したがって,ターンバックル33の操作により,スピンドル23を介して固定ドラム25の固定位置,即ち永久磁石26の位置を調節可能としている。而して,永久磁石26は,上記ターンバックル33により,回転ドラム24の,第1排出シュート15側の略半周内面との対向位置に位置決めされる。
【0026】
図1に示すように,ホッパ14内には,第2コンベア11から投入される破砕ごみG2を,前記回転ドラム24の,永久磁石26側の外周面へ誘導するガイドプレート34が付設される。
【0027】
次に,前記2次選別機S2の構成について説明する。
【0028】
再び
図1において,2次選別機S2は,第1排出シュート15の外側壁に取り付けられる第1及び第2エアノズル36,37と,これら第1及び第2エアノズル36,37に高圧エアを噴出させる電動エアポンプ38とよりなっており,その第1エアノズル36は,その噴出エアが,第2排出シュート16の入口側から第1排出シュート15の入口側へ,望ましくは前記回転ドラム24の鉄材ごみ排出部に向かうように配置される。その際,第1及び第2排出シュート15,16間の凸状の分岐壁15a近傍において,第1エアノズル36の噴出エアを前記回転ドラム24の鉄材ごみ排出部に向かって誘導するガイドブレード39が軸支され,このガイドブレード39には,そのガイド角度を調節する調節器40が連結される。
【0029】
一方,前記第2エアノズル37は,その噴出エアが第2排出シュート16を上向きに横断しながら連通シュート17に向かうように配置される。
【0030】
また,第1排出シュート15の下流側の外側壁には,フィルタ42を介して吸引チャンバ43が連設され,この吸引チャンバ43には電動吸引ポンプ44が接続され,この吸引ポンプ44の作動により,第1排出シュート15において,その上流側から下流側へ流れる気流を発生させるようになっている。上記吸引チャンバ43及び吸引ポンプ44により吸引装置45が構成される。
【0031】
次に,第1実施形態の作用について説明する。
【0032】
前記破砕ごみG2が第2コンベア11からホッパ14に投入されると,その破砕ごみG2は,ガイドプレート34により,回転ドラム24の外周面の永久磁石26側へ誘導される。その際,回転ドラム24は電動モータ31によって,矢印A方向に,即ち回転ドラム24の下側が第1排出シュート15側から第2排出シュート16側へ向かう方向へ回転駆動されているので,先ず,前記破砕ごみG2中の,永久磁石26の磁力の影響を受けない非鉄材ごみG4は,回転ドラム24の一側方までくると,第1排出シュート15へと降下していき,第1コンテナ18に収容される。
【0033】
一方,前記破砕ごみG2中の鉄材ごみG3は,永久磁石26の磁力により回転ドラム24の外周面に吸着されて回転ドラム24と共に回転し,第2排出シュート16の直上位置に達すると,永久磁石26の磁力から開放されることで,第2排出シュート16へと降下していき,第2コンテナに収容される。
【0034】
ところで,破砕ごみG2は,上記のように,先ず,磁石式の1次選別機S1により,鉄材ごみG3と非鉄材ごみG4とに選別されるが,選別された上記鉄材ごみG3には非鉄材ごみG4が紛れ込んでいることが多い。
【0035】
そこで,2次選別機S2では,第1エアノズル36から高圧の噴出エアを,第2排出シュート16の入口側から第1排出シュート15の入口側へ向けて噴出させているので,その風力により,鉄材ごみG3を,重い鉄材ごみG3と,それに紛れ込んだ軽い非鉄材ごみG4とに効果的に分離するので,その重い鉄材ごみG3は,そのまま第2排出シュート16を降下していくが,軽い非鉄材ごみG4は上記風力によりガイドブレード39に沿って第1排出シュート15の入口側へ吹き上げられた後,第2排出シュート16を降下していく。
【0036】
その際,特に,第1エアノズル36が,その噴出エアを,回転ドラム24の,永久磁石26側の外周面に向けるように配置される場合には,鉄材ごみG3から非鉄材ごみG4を一層効果的に分離して第1排出シュート15側へ移送することができる。
【0037】
而して,鉄材ごみG3から分離した非鉄材ごみG4は,回転ドラム24から直接第1排出シュート15へ排出される非鉄材ごみG4と合流して第1排出シュート15を降下していくことになる。これによって破砕ごみG2の選別精度が高められるのみならず,第1及び2次選別機S1,S2で選別される非鉄材ごみの排出処理を1系統の第1排出シュート15で行うことができ,小型の選別装置Sを低コストで提供することに資することができる。
【0038】
さらに,第2排出シュート16の中間部では,第2エアノズル37が,高圧エアを第2排出シュート16を上向きに横断しながら連通シュート17に向かうように噴出しているので,その風力により,第2排出シュート16を降下する前記鉄材ごみG3から,それに残留する非鉄材ごみG4を分離して,連通シュート17を介して第1排出シュート15へ移送することになるので,これによって破砕ごみG2の選別精度をより高めることができる。
【0039】
さらにまた,第1排出シュート15の下流部には,フィルタ42及び吸引チャンバ43を介して吸引ポンプ44が接続され,その吸引ポンプ44の作動により,第1排出シュート15において,その上流側から下流側へ向かう気流を発生させているので,その気流により前記非鉄材ごみG4を第1排出シュート15の下流側に積極的に引き込むことになり,その非鉄材ごみが第1排出シュート15の上流側に舞い上がって第2排出シュート16側の鉄材ごみに再び紛れ込むようなことを確実に防ぐことができ,破砕ごみG2の選別精度の更なる向上を図ることができる。
【0040】
次に,
図6に示す本発明の第2実施形態について説明する。
【0041】
この第2実施形態では,選別装置Sにおいて,第1及び第2排出シュート15,16間の凸状の分岐壁15aの直上に,前記第1実施形態のガイドブレード39に代わるローラ46が配設され,このローラ46は,図示しない電動モータにより,矢印B方向,即ちローラ46の上側が第2排出シュート16側から第1排出シュート15側へ向かうように回転駆動され,上記分岐壁15aに向かって降下してくる非鉄材ごみG4を第1排出シュート15側へ送るようになっている。したがって,上記分岐壁15aに非鉄材ごみG4が引っ掛かって滞留することを防ぐことができる。その他の構成は,前記第1実施形態と同様であり,
図6中,第1実施形態と同一構成部分には,第1実施形態と同一の符号を付して,重複する説明を省略する。
【0042】
次に,
図7に示す本発明の第3実施形態について説明する。
【0043】
破砕機12は,第1実施形態と同様に粗大ごみG1を破砕して,その破砕ごみG2を破砕ごみ用コンベア50の搬入部に移す。この破砕ごみ用コンベア50は,搬入側に配置される従動プーリ51と,搬出側に配置される駆動プーリ52と,この両プーリ51,52に掛け渡されるコンベアベルト53と,駆動プーリ52をチェーン伝動装置54を介して駆動する電動モータ55とよりなっており,特に,上記駆動プーリ52は,前記第1実施形態で用いたものと同様構成の磁石式1次選別機S1を以て構成される。即ち,1次選別機S1の回転ドラム24が駆動プーリ52を兼ねている。そして,駆動プーリ52の内部の固定ドラムに付設される永久磁石26は,駆動プーリ52の,ごみが降下する側の半周内面に対向するように配置される。
【0044】
駆動プーリ52の下方は,開口部を上向きに広げるホッパ14が配設され,このホッパ14の下部に,左右に分岐する第1及び第2排出シュート15,16が連設され,これら第1及び第2排出シュート15,16の下方に第1及び第2コンテナ18,19がそれぞれ配設される。
【0045】
上記ホッパ14内には仕切りブレード56が配設され,この仕切りブレード56により,ホッパ14内が,第1排出シュート15に連なる非鉄材ごみ受け入れ域57と,第2排出シュート16に連なる鉄材ごみ受け入れ域58とに仕切られる。この仕切りブレード56には,その仕切り領域を調節する調節器60が連結される。そして,前記駆動プーリ52,即ち1次選別機S1は,鉄材ごみ受け入れ域58の直上に配置される。
【0046】
また,2次選別機S2として,ホッパ14の上部及び第2排出シュート16の下流端部に第1及び第2エアノズル36,37がそれぞれ取り付けられ,これら第1及び第2エアノズル36,37に,これらから高圧を噴出させるエアポンプ38が接続される。第1エアノズル36は,その噴出エアを,前記鉄材ごみ受け入れ域58を経て非鉄材ごみ受け入れ域57へ向けるように配置される。一方,第2エアノズル37は,その噴出エアを,第2排出シュート16の上流側に向けながら第1排出シュート15側に向けるように配置される。第1及び第2排出シュート15,16間の凸状の分岐壁15aの直上にはガイドプレート61が配設され,このガイドプレート61は,第2エアノズル37の噴出エアを第1排出シュート15側へ誘導すると共に,鉄材ごみ受け入れ域58から第2排出シュート16への鉄材ごみG3の降下を誘導するようになっている。
【0047】
さらに,ホッパ14の,第1排出シュート15側の下部には,前記第1実施形態と同様に,フィルタ42を介して吸引チャンバ43が連設され,この吸引チャンバ43に吸引ポンプ44が接続され,その吸引ポンプ44の作動により,ホッパ14の下部で,第2排出シュート16から第1排出シュート15へ向かう気流を発生させるようになっている。上記吸引チャンバ43及び吸引ポンプ44により吸引装置45が構成される。
【0048】
次に,この第3実施形態の作用について説明する。
【0049】
破砕ごみ用コンベア50では,破砕機12から移載された破砕ごみG2をコンベアベルト53によって搬出部まで移送して,ホッパ14へと放出する。ところで,コンベアベルト53の搬出部に配置される駆動プーリ52は,磁石式の1次選別機S1を以て構成されており,駆動プーリ52の内部では,駆動プーリ52の,ごみを搬出する側の略半周内面に対向するように固定配置されているので,破砕ごみG2中の,永久磁石26の磁力の影響を受けない非鉄材ごみG4は,駆動プーリ52の側方から降下し,第1エアノズル36からの噴出エアによって仕切りブレード59の上方へ吹き飛ばされて第1排出シュート15側へ排出誘導され,そして第1排出シュート15を経て第1コンテナ18に収容される。
【0050】
一方,破砕ごみG2中の鉄材ごみG3は,永久磁石26との対向位置を通過する過程では,前記永久磁石26の磁力を受けてコンベアベルト53上に吸着しており,その磁力作用域から逸脱すると,第2排出シュート16を降下して,第2コンテナ19に収容される。
【0051】
このように,駆動プーリ52が,磁石式の第1選別機S1の回転ドラム24を兼ねるように構成されるので,破砕ごみG2を破砕ごみ用コンベア50からホッパ14に投入するとき,その破砕ごみG2を駆動プーリ52により,鉄材ごみG3と,それに紛れ込んだ非鉄材ごみG4とに選別し,それぞれ第2排出シュート16及び第1排出シュート15へと排出することができ,したがって前記第1実施形態のように,ホッパ14内に選別専用の1次選別機S1を設置する必要がなくなり,装置の簡素化,延いては装置の製作コストの低減に寄与し得る。
【0052】
また,第2排出シュート16の下流部に設けられた第2エアノズル37は,その噴出エアを,第2排出シュート16を降下する鉄材ごみG3に,下方から第1排出シュート15側へ向けて吹きつけるので,その風力により,鉄材ごみG3内に尚も残存する非鉄材ごみG4を,鉄材ごみG3から分離して第1排出シュート15へ移送し,破砕ごみG2の選別精度を高めることができる。
【0053】
さらに,吸引ポンプ44の作動による吸引チャンバ43の吸引作用により,ホッパ14から第1排出シュート15へ,また第2排出シュート16から第1排出シュート15へそれぞれ向かう気流が発生し,これら気流が上記第1及び第2エアノズル36,37の噴出エアの流れを増強して,非鉄材ごみG4の第1排出シュート15への流入を促進し,破砕ごみG2の選別精度を更に高めることができる。
【0054】
以上,本発明の実施形態について説明したが,本発明は上記実施形態に限定されるものではなく,特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
【0055】
例えば,選別精度の選定によっては,第1及び第2エアノズル36,37の何れか一方のみを採用することもできる。また,前記第1実施形態では,破砕ごみG2を,コンベアによらず,別の搬送手段によりホッパ14に投入することもできる。また永久磁石26に代えて電磁石を用いることもできる。また第1及び第2排出シュート15,16から排出された非鉄材ごみG4及び鉄材ごみG3は,コンベア等の搬送手段によりごみ処理装置へ移送することもできる。
【符号の説明】
【0056】
G1・・・粗大ごみ
G2・・・破砕ごみ
G3・・・鉄材ごみ
G4・・・非鉄材ごみ
S・・・・選別装置
S1・・・1次選別機
S2・・・2次選別機
15・・・第1排出シュート
16・・・第2排出シュート
24・・・回転ドラム
26・・・磁石(永久磁石)
36・・・エアノズル(第1エアノズル)
37・・・エアノズル(第2エアノズル)
45・・・吸引装置