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特開2022-175496換気システムおよび建物換気システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022175496
(43)【公開日】2022-11-25
(54)【発明の名称】換気システムおよび建物換気システム
(51)【国際特許分類】
   F24F 7/003 20210101AFI20221117BHJP
   F24F 7/00 20210101ALI20221117BHJP
   F24F 7/02 20060101ALI20221117BHJP
   F24F 13/02 20060101ALI20221117BHJP
   F24F 8/192 20210101ALN20221117BHJP
   F24F 13/22 20060101ALN20221117BHJP
【FI】
F24F7/003
F24F7/00 C
F24F7/02 L
F24F13/02 H
F24F13/02 C
F24F8/192
F24F13/22 221
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021081900
(22)【出願日】2021-05-13
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-10-13
(71)【出願人】
【識別番号】521206958
【氏名又は名称】ONENESS設計企画株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100215027
【弁理士】
【氏名又は名称】留場 恒光
(72)【発明者】
【氏名】久永 秀則
【テーマコード(参考)】
3L056
3L080
【Fターム(参考)】
3L056BA01
3L056BA03
3L056BA05
3L056BC02
3L080AD01
3L080AD02
3L080AE01
(57)【要約】
【課題】断熱基礎の外気取入口周辺が冷却されることにより生じる結露を防止する。また、床下空間内と建物外の寒暖差が大きい場合において、外気と床下空間の空気とを十分に熱交換し、居住空間に快適な空気を取り込むことを可能とする。
【解決手段】本実施形態の換気システム1は、低熱伝導性の樹脂配管122と高熱伝導性の金属配管126とが連通する配管を有する。樹脂配管122は断熱基礎32近傍の結露を防止する。また金属配管126は、床下空間Uの空気と、配管内の空気との熱交換を効率よく行なうことで、適温の空気を室内に取り込む。さらに、換気システム1は電気集塵機20を備える。配管の開口部を床下空間U内に設けない態様において、大量の空気を処理可能な電気集塵機20が優れた効果を発揮する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
断熱基礎と床材とに囲繞される床下空間を備える建物に用いられる換気システムであって、
配管接続器具を通じて連通する樹脂配管および金属配管と、電力により集塵する電気集塵機とを備え、
前記樹脂配管は、前記床下空間と、建物外部とを連通接続し、かつ一端が建物外に外気取入口を有し、
前記配管接続器具は、前記樹脂配管の他端と、前記金属配管の一端とを接続し、
前記金属配管の他端は前記電気集塵機と接続することを特徴とする、換気システム。
【請求項2】
前記電気集塵機の空気吹出口が建物の床下空間内に配設されず、建物の居住空間に配設されることを特徴とする、請求項1に記載の換気システム。
【請求項3】
請求項1に記載の換気システムと、
屋内側から順に少なくとも第一壁材と、第二壁材と、第三壁材とを備える壁材と、
屋根裏空間に配設される換気ファンとを備え、
前記第一壁材と前記第二壁材との離間部分に屋内側通気路を備え、
前記第二壁材と前記第三壁材との離間部分に屋外側通気路を備え、
前記換気システムにより浄化した空気を、屋内側通気路と換気ファンとをこの順に通過させて建物を換気することを特徴とする、建物換気システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、換気システムおよび建物換気システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年建物の断熱性能が高まっており、新しく建築される建物の多くに断熱構造が導入されている。温暖化対応や省エネの観点から、このような建物の断熱化は特に好まれる。今後さらに建物の断熱化を進めるためには、簡単に導入でき、さらにメンテナンス不要な手法が求められる。
また近年では、効率的な冷暖房方法が求められている。例えば、断熱された床下空間を適切な温度に調節し、その快適な空気を建物内全体に循環させる方法が知られている。
【0003】
一例としてパッシブ換気システムは、まず屋外の空気取入口から地中埋設管を通じて床下空間に空気を取り込み、取り込んだ空気を暖めることで居住空間全体を暖める。パッシブ換気システムは自然力で稼働するため電力を必要としないことや、長期の外出でも換気状態が維持されるという利点がある。またパッシブ換気システムは、自然力で緩やかに換気を行うため、埃や花粉などの微小粒子状物質を取り込みにくい。
【0004】
しかしながら、風邪やインフルエンザ、その他感染症の流行時など、自然換気のみでは成し得ない屋内の十分な換気が求められる場合がある。その際は十分な換気のため、窓や扉の開放や、換気扇による換気が行われるが、例えば冬季の場合には外気を取り入れることで室内温度を下げてしまうという欠点があった。
この改善策として、例えば廊下や使用していない部屋に一旦外気を取り入れ、その外気を暖めてから居住する部屋などに取り込んで換気する方法などが挙げられる。
【0005】
また、外気を積極的に取り入れて換気する以上、外気に含まれる埃や花粉、細菌やウィルス等の微小粒子状物質は適切に除去する必要がある。
これらの微小粒子状物質を除去するために、不織布などの繊維素材によるフィルタを用いる方法が簡便な方法として用いられる。しかし、建物全体を換気する場合、フィルタのみでは微小粒子状物質の除去に十分ではなく、フィルタの交換を頻繁に行わなければならない等の問題もある。
【0006】
この改善策として、床下空間に換気装置を配設して建物内の温度を適切に保つ方法や、電源を備える電気集塵機による微小粒子状物質の除去方法が開示されている。
特許文献1には、基礎断熱がなされた建築物の床下空間に外気を導入する給気口と、前記床下空間と室内とを連通する床面開口と、室内の上部位置に設けられ室内の空気を建築物の外部に排出する排気口とを備える室内の換気を行う装置について開示されている。
また、特許文献2には、強制排気装置を稼動させることのみで地中熱の恒温性を利用し、建物内側空間部の冷暖房空調を行い得ることができる地中熱利用の空調システムや当該空調システムが用いられる建物通気構造について開示されている。
そして特許文献3には、居室換気用の電気集塵機について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第4014866号公報
【特許文献2】特許第5526316号公報
【特許文献3】特許第5545559号公報
【0008】
地中埋設管を敷設する方法に対し、床下空間内に配管を敷設する方法はメンテナンスの容易さ等の面で有用である。しかし、床下空間内に配管を敷設する場合、以下の点を考慮しなければならない。
【0009】
例えば冬季など外気温が低い場合において、外気の取入口周辺が金属部品などでできていると、外気により冷やされた金属部位周辺に結露が発生し、カビの発生や腐食の原因になることがある。
特にカビなどが床下空間内で増殖した場合、カビを原因とする不快な臭い等がそのまま居住空間内に流入する可能性もある。
【0010】
また、床下空間内と建物外の寒暖差が大きい場合において、一旦外気を床下空間に取り込んだとしても、外気と床下空間の空気との間で十分に熱交換されず、適温になる前に建物の居住空間内に流入すると、居住空間の適温状態が維持できない。
さらに、大量の空気を処理する場合において、通常用いられるフィルタでは埃等を除去しきれないという問題がある。
建物全体の換気と適温状態の維持の両立を考えると、流入した外気の通気設計も考慮する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
解決しようとする問題点は、外気の取入口周辺が冷却されることにより生じる結露と、結露を原因とするカビの発生や腐食である。また、床下空間内と建物外の寒暖差が大きい場合、外気と床下空間の空気とが十分に熱交換されず、取り入れた外気が適温になる前に建物の居住空間内に流入すると、居住空間の快適性が維持できない。さらに、大量の外気を処理する場合において、通常用いられるフィルタでは埃等の除去に不十分である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、外気取入口近傍の床下配管が冷却されることにより生じる結露を防止しつつ、取り入れた外気と床下空間内の空気とを積極的に熱交換させるため、熱伝導率の低い樹脂配管と熱伝導率の高い金属配管とを共に備える換気用配管を床下空間に配設することを最も主要な特徴とする。また、外部の電力を用いる電気集塵機により空気中の粒子状物質を除去することを特徴とする。
【0013】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、以下の手段を採用している。
(1)請求項1の発明は、断熱基礎と床材とに囲繞される床下空間を備える建物に用いられる換気システムであって、配管接続器具を通じて連通する樹脂配管および金属配管と、電力により集塵する電気集塵機とを備え、前記樹脂配管は、前記床下空間と、建物外部とを連通接続し、かつ一端が建物外に外気取入口を有し、前記配管接続器具は、前記樹脂配管の他端と、前記金属配管の一端とを接続し、前記金属配管の他端は前記電気集塵機と接続することを特徴とする、換気システムを提供する。
(2)請求項2の発明は、前記電気集塵機の空気吹出口が建物の床下空間内に配設されず、建物の居住空間に配設されることを特徴とする、請求項1に記載の換気システムを提供する。
この場合、床下空間Uの空気が居住空間Lに流入しないため、床下空間Uの埃が居住空間Lに混入しないという利点がある。
(3)請求項3の発明は、請求項1に記載の換気システムと、屋内側から順に少なくとも第一壁材と、第二壁材と、第三壁材とを備える壁材と、屋根裏空間に配設される換気ファンとを備え、前記第一壁材と前記第二壁材との離間部分に屋内側通気路を備え、前記第二壁材と前記第三壁材との離間部分に屋外側通気路を備え、前記換気システムにより浄化した空気を、屋内側通気路と換気ファンとをこの順に通過させて建物を換気することを特徴とする、建物換気システムを提供する。
この場合、空気は床下空間、居住空間、そして屋根裏空間の順に略一方通行で流れ、居住空間の空気は実質的に床下空間に還流しないため、建物全体に常に新鮮な空気が流通する利点がある。
【発明の効果】
【0014】
本発明の換気システムは、床下空間に換気のための配管を備え、当該配管の建物外部側を樹脂配管とすることにより、床下空間内において結露の発生を防止する。また同時に、当該配管の建物内部側を金属配管にすることにより、床下空間と配管内空気との熱交換が効率よく行われるため、快適な温度の空気が室内に取り込まれるという利点がある。さらに、外部電力を用いる電気集塵機を採用することにより、建物全体の効率的な換気を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】第一の実施形態に係る換気システム1を示す断面図である。
図2】第二の実施形態に係る換気システム1を示す断面図である。
図3】第三の実施形態に係る建物換気システム2を示す断面図である。
図4】第四の実施形態に係る建物換気システム2を示す断面図である。
図5】建物の敷地面積と配管の長さとの関係を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。以下の各実施形態では、同一又は対応する部分については同一の符号を付して説明を適宜省略する場合がある。また、以下に用いる図面は本実施形態を説明するために用いるものであり、実際の寸法とは異なる場合がある。
図面において、図中の矢印は空気の流れを示す。
【0017】
(実施形態の概要)
図1は、第一の実施形態に係る換気システム1を備える建物の断面図である。図中において、建物は居住空間Lと床下空間Uを有する。第一の実施形態に係る換気システム1は、床下空間Uに換気のための配管を備える。
当該配管の建物外部側を樹脂配管122とすることにより、床下空間U内における結露の発生を防止する。また、配管の建物内部側を金属配管126にすることにより、床下空間Uと配管内空気との熱交換が効率よく行われるため、快適な温度の空気が室内に取り込まれる。
さらに、配管の建物内部側には電気集塵機20が備えられており、大量の空気を換気する場合であっても埃等を効率よく除去できる。
【0018】
図2は、第二の実施形態に係る換気システム1を備える建物の断面図である。第二の実施形態に係る換気システム1では、配管が床下空間Uに開口部を有しない。
この場合、実質上床下空間U内の空気と、配管内の空気との交換が起こらないため、床下空間U内の埃やカビなどは配管内に混入しない。またこの態様の場合、取り込んだ外気が全て居住空間Lに流入することになるが、処理力の高い電気集塵機20を採用することにより、外気に含まれる埃や花粉、ウィルス等の粒子状物質を効率的に除去することができる。
【0019】
図3および図4は、本実施形態の建物換気システム2を備える建物の断面図である。本実施形態の建物換気システム2は、上述した換気システム1に加え、換気ファン50と、壁材40を含む。そして当該壁材40は、屋内側から順に第一壁材402(内装材)、第二壁材404、および第三壁材406(外装材)を備え、屋内側通気路422と屋外側通気路424を備える。換気システム1を通じて居住空間Lに流入した空気は、屋内側通気路422を通り、屋根裏空間Aの換気ファン50を通じて屋外に排出される。
取り込まれた空気は床下空間U、居住空間L、そして屋根裏空間Aの順に略一方通行で流れるため、建物全体に常に新鮮な空気が流通する。
【0020】
(実施形態の詳細)
以下、本実施形態の換気システム1について、図面を参照しつつ説明する。
図面において、建物の窓や扉は省略する。以下記載は省略するが、窓や扉、換気扇など、建物が通常有する開口部を通じても換気は行われる。
また本実施形態の説明において、建物内部の空間を床下空間U、居住空間L、屋根裏空間Aに分けて記載する。床下空間Uと居住空間Lは床材34によって区画され、居住空間Lと屋根裏空間Aは天井材36により区画される。人が一般に出入りし、居住する空間が居住空間Lである。床下空間Uと屋根裏空間Aは通常、人の出入りは稀である。
床下空間Uの底部は、基礎32を通じて、熱変化が少ない地熱との温度交換が可能である。これにより、床下空間Uは夏季に冷涼、冬季に温暖となる。
【0021】
<換気システム1>
(第一の実施形態)
図1は、第一の実施形態に係る換気システム1を備える建物の断面図である。建物は断熱加工がされた基礎(以下、「断熱基礎」という。)32と、床材34とで囲繞された床下空間Uを備える。
ここで、断熱加工された基礎32は、例えば図1に示すように、基礎32に断熱材322が固設されているものが挙げられる。このような用途に用いられる断熱材として、市販の断熱材が適宜用いられる。断熱基礎は、外気と床下空間Uとの間で熱を遮断することができる。
【0022】
本実施形態の換気システム1は、樹脂配管122と、配管接続器具124と、金属配管126と、電気集塵機20と、を備える。なお、樹脂配管122と金属配管126とを備える配管部分を総称して単に配管または床下配管12と記載する場合がある。
【0023】
<樹脂配管122>
樹脂配管122は、低熱伝導性を備える樹脂製配管である。樹脂配管122は、建物外部と床下空間Uとを連通接続する。
本実施形態において、樹脂配管122はポリ塩化ビニル製配管である。断熱基礎32には開口部として孔があけられており(不図示)、樹脂配管122は当該開口部により断熱基礎32を貫通する。断熱基礎32を貫通する開口部を設けることにより、樹脂配管122の配設が容易になり、建物外部と床下空間Uとを連通接続が容易になる。
なお、床下空間の快適な空気を外部に逃さないため、当該開口部と樹脂配管122の外周部との間には隙間が無いことが好ましい。
【0024】
樹脂配管122の一端は建物屋外に外気取入口128を有する。樹脂配管122は外気取入口128を通じて配管内に外気を取り入れる。なお、外気取入口128にはプレフィルタや配管を保護するためのフードが取り付けられていても良い。
【0025】
樹脂配管122は熱伝導率の低い樹脂でできているため、建物外部の気温の影響を受けにくい。よって、樹脂配管122そのものを通じて床下空間Uの温度が変動することを防ぐ。
例えば冬場のように建物内部より建物外部の気温が低い場合において、金属製の配管など、熱伝導率の高い配管を基礎近傍に配設すると、外気により冷やされた金属により結露が生じ得る。結露が生じると、配管やその周辺設備の腐食の原因となるほか、カビなどの発生の原因となる。
よって、断熱基礎近傍に樹脂配管122を配設することで、このような問題を解決することができる。
【0026】
樹脂配管122の長さに特に規定はないが、建物外部と床下空間Uの温度交換が行われることを防ぐための長さがあることが好ましい。例えば、樹脂配管122は、後述する金属配管126を含む配管全体の長さの5%以上30%以下の長さであることが好ましい。本実施形態において、樹脂配管122の長さは2mである。
【0027】
樹脂配管122を構成する樹脂は、ゴムあるいは樹脂であれば何でもよいが、熱伝導率が低い素材が好適に用いられる。そのような素材として例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニルが挙げられる。この中で、耐腐食性が高く、施工性が良いポリ塩化ビニルが最も好ましい。
【0028】
樹脂配管122として、より具体的には、測定温度300K(ケルビン)における素材の熱伝導率が1.0W/(m・K)以下のものが好ましい。このような素材を例示すると、ポリエチレン(0.34W/(m・K))、ポリプロピレン(0.20W/(m・K))、塩化ビニル樹脂(0.16W/(m・K))、シリコーンゴム(0.20W/(m・K))などが挙げられる。この中では、耐腐食性が高く、施工性が良い塩化ビニル樹脂が好適に用いられる。
【0029】
なお、熱伝導率は、厚さ1mの板の両端に1Kの温度差がある時、その板の1平方メートルを通して1秒間に流れる熱量で定義されるものとする。測定方法として例えば、樹脂であれば定常法(JIS規格A1412の保護熱板法や熱流計法)、金属であれば非定常法(レーザーフラッシュ法)などが用いられる。
【0030】
また、樹脂配管122の断熱性能を高めるべく、樹脂配管122の外側にさらに断熱材を巻き付けても良い。即ち、外周部に断熱材を備える樹脂配管122を用いても良い。この場合、断熱基礎近傍に結露がさらに生じにくくなる。
【0031】
<配管接続器具124>
配管接続器具124は、樹脂配管122と後述の金属配管126とを接続するための器具である。配管継手やソケットとも呼称される。
配管接続器具124と、樹脂配管122または金属配管126との接続方法として、例えば雌ネジと雄ネジによるものが挙げられる。
【0032】
配管接続器具124は、配管内部の空気を漏出されることなく樹脂配管122と金属配管126を接続できるものであれば何でも良いが、例えば耐腐食性の高いステンレス鋼製ソケットが好ましい。また、空気の漏出を防ぐため、配管接続器具124はゴムパッキンなどの空気漏出防止部材を備えていても良い。
【0033】
<金属配管126>
金属配管126は、高熱伝導性を備える金属製配管である。金属配管126は、配管接続器具124を通じて樹脂配管122と接続する。即ち、樹脂配管122と金属配管126は連通し、取り込まれた外気は樹脂配管122と金属配管126とをこの順に通過する。本実施形態において、金属配管126はステンレス鋼製配管である。
【0034】
金属配管126は、適温に調節されている床下空間Uの温度と、金属配管126内との温度交換を促す。これにより、外気を適温に調整して屋内に送り込むことができる。
よって、金属配管126は熱交換が起こりやすい高熱伝導性の金属素材で構成される。金属配管126として、測定温度300K(ケルビン)における素材の熱伝導率が10W/(m・K)以上のものが好ましい。
【0035】
このような素材として例えば、SUS304(16.0W/(m・K)、ステンレス鋼の一例)、りん脱酸銅(372W/(m・K))、タフピッチ銅(391W/(m・K))、銅(398W/(m・K))、鉄(80.3W/(m・K))が挙げられる。この中では加工性が高いステンレス鋼が好ましく、加工性や熱伝導性が高い銅合金がさらに好ましい。
【0036】
本実施形態において金属配管126はステンレス鋼製配管を用いるが、熱伝導率を考慮すると銅金属配管、銅合金製配管がより好ましい。例えば、りん脱酸銅製配管の場合、ステンレス鋼よりも優れた熱交換効率を示すためより好ましい。
【0037】
また、金属配管126は、床下空間U内の空気と配管内空気との熱交換を促進させるための十分な長さがあることが好ましい。十分な長さを確保するため、金属配管126は床下空間U内にL字やU字型に屈曲させて配設することができる。
【0038】
金属配管126の長さについて例を挙げて説明する。建物を上から見た場合において、建物の床下空間Uの敷地部分をすべて包含する最小限の大きさの真円を考える(例として図5)。このとき、金属配管126の長さが当該真円の半径以上の長さであると、床下空間Uと配管内空気の熱交換が十分できるため好ましい。
【0039】
建物の床下空間Uの敷地が一辺10メートルの正方形で表される場合、この敷地をすべて包含する最小限の大きさの真円は、当該正方形の4つの角と接する。よって、当該正方形の対角線の長さと真円の直径とが一致するため、当該真円の半径は10メートル×ルート2×(1/2)で約7メートルとなる。
【0040】
図5は床下空間Uの敷地面積と配管の長さとの関係を説明するための図である。図中の実線部分が床下空間Uの敷地を示す。図において、当該敷地部分をすべて包含する最小限の大きさの真円は破線の円で表される。この円の直径は点線部分で表されるため、配管の長さはこの点線の半分以上の長さであると好ましい。
【0041】
<電気集塵機20>
電気集塵機20は、配管内を通過する空気中に含まれる粒子状物質を、電力により捕集する装置である。ここで粒子状物質とは、空気中を漂う固体および液体の粒を指す。粒子状物質には浮遊粒子状物質や微小粒子状物質を含む。粒子状物質は例えば、ばいじん、粉じん、埃などが挙げられるが、ここではこれに限らず、花粉やカビ、細菌およびウィルスなどの微小生物を含む。
電気集塵機20は、0.3マイクロメートル以上50マイクロメートル以下の粒子状物質を捕集することができる。
【0042】
図1に示すように、本実施形態の電気集塵機20は、空気を浄化する本体部分と、浄化した空気を吹き出す空気吹出口202と、不図示の空気吸込口とを備える。電気集塵機20の空気吸込口は、金属配管126の端部と接続する。即ち、樹脂配管122、金属配管126を通過した空気は、電気集塵機20の空気吸込口から本体部分に取り込まれ、浄化処理された後、空気吹出口202から吹き出される。
【0043】
電気集塵機20の本体部分はイオン化部と、集塵部と、電源部とを備える(不図示)。
空気吸込口から吸い込まれた空気はイオン化部、集塵部を通過し、空気吹出口202に至る。イオン化部は粒子状物質を帯電させる部位である。また、集塵部は帯電した粒子状物質を捕集する部位である。電源部は粒子状物質の帯電等に用いる電力を供給する。電源は外部から供給されても良いし、蓄電池により供給されるものであっても良い。
【0044】
電気集塵機20には市販のものを適宜用いることができる。このような電気集塵機20として例えば、株式会社トルネックス製の全館空気清浄ユニットEPBMS12JやEPBES11J、外気清浄機G18JPなどを用いることができる。
【0045】
本実施形態において、電気集塵機20の空気吹出口202は床下空間U内に配設され、電気集塵機20を通じて粒子状物質が除去された空気は、床下空間U内に噴出する。噴出した空気は、床材34に任意であけた床材開口部342を通じて居住空間L内に取り込まれる。
取り込んだ外気すべてを電気集塵機20に通すことにより、床下空間Uに粒子状物質が混入することを防ぐことが出来るため、床下空間Uの清浄性が保たれる。
【0046】
本実施形態に係る換気システム1は、断熱基礎近傍を樹脂配管122とすることにより、結露の発生を防止する。これは特に冬季において、床下空間U内の配管を全て金属製の配管とする場合に比べて顕著である。
一方、配管の建物内部側を金属配管126にすることにより、床下空間Uと配管内空気との熱交換が効率よく行われ、快適な温度の空気を居住空間Lに取り込むことができる。床下空間U内の配管を全て樹脂製の配管とする場合に比べ、金属配管126を用いることで、床下空間Uにより近い、快適な温度の空気を居住空間Lに流入させることができる。
【0047】
(第二の実施形態)
図2は、第二の実施形態に係る換気システム1を備える建物の断面図である。図1と重複する符号の説明は省略する。
図2に示すように、本実施形態の金属配管126は大半が床下空間Uに配設されるが、一部は床材34を貫通し、建物屋内で電気集塵機20と接続する。
【0048】
本実施形態において、電気集塵機20の空気吹出口202は居住空間Lに配設される。即ち、本実施形態の換気システム1は床下空間Uに開口部を有さず、電気集塵機20を通過した空気は直接屋内に流入する。よって、当該取り込まれた空気と、床下空間Uの空気との交換は実質的に行われない。
【0049】
本実施形態によると、床下空間Uの空気が居住空間Lに流入しないため、床下空間Uの埃が居住空間Lに混入しない。このことから、床下空間U内に開口部を有する態様と比べ、本実施形態の態様は居住空間Lの快適性を維持する点でより好ましい。
【0050】
なお図2において、電気集塵機20を居住空間L内に配設しているが、電気集塵機20の空気吹出口202を居住空間L内に設けるのであれば電気集塵機20の本体部分は床下空間U内に配設しても良い。電気集塵機20の本体部分を床下空間U内に配設する場合、居住空間Lを広く確保できる利点がある。
【0051】
本実施形態の換気システム1は床下空間Uに開口部を有さないため、建物外部から取り込んだ空気は全て屋内に流入する。よって、大量の空気を処理する必要が生じるところ、例えば外部電力を用いない濾ろ過フィルタなどの場合、空気の処理量が追い付かず、頻繁にフィルタを交換しなければならなくなる。
【0052】
また、床下空間Uに開口部を有する換気システム1の場合、ろ過フィルタで除去し切れない粒子状物質は床下空間Uに落下させることもできるが、本実施形態の配管(金属配管126)は床下空間Uに開口部を有さないため、粒子状物質はすべて居住空間Lに流入することになる。よって本実施形態において、流入した空気の大量処理が必要になる。このような処理を行うにあたり、外部電源を用いて粒子状物質の捕集を行う電気集塵機20は特に有効である。
【0053】
建物全体の換気を行うため、電気集塵機20には大量の空気を処理する能力が求められる。本実施形態において、電気集塵機20の空気処理能力は、1時間あたり600立方メートルである。電気集塵機20が備える最大の空気処理能力は1時間あたり300立方メートル以上であることが好ましく、1時間あたり600立方メートル以上であることがより好ましい。
【0054】
<建物換気システム2>
(第三の実施形態)
図3は、第三の実施形態に係る建物換気システム2を備える建物の断面図である。本実施形態の建物換気システム2は、上述した換気システム1に加え、通気口を有する壁材40と、換気ファン50とを備える。壁材40は、屋内側から順に第一壁材402、第二壁材404、および第三壁材406を備える。図1図2と重複する符号の説明は省略する。
【0055】
<壁材40>
壁材40は屋内側から順に第一壁材402、第二壁材404、および第三壁材406を備える。各壁材同士を連結する部分の記載は省略する。
【0056】
図3に示すように、第一壁材402と第二壁材404、第二壁材404と第三壁材406はそれぞれ離間する部分を備える。第一壁材402と第二壁材404との離間により生じる空隙の少なくとも一部は屋内側通気路422を形成し、第二壁材404と第三壁材406との離間により生じる空隙の少なくとも一部は屋外側通気路424を形成する。
【0057】
第一壁材402は屋内側に屋内開口部442を有する。よって、居住空間Lと屋内側通気路422は連通する。
また、屋内側通気路422は天井側開口部444を通じて屋根裏空間Aとも連通する。即ち、後述する屋根裏空間Aの換気ファン50を作動させることにより、居住空間Lの空気は屋内側通気路422を通じて屋根裏空間Aに流入し、換気ファン50から屋外に排出される。
【0058】
なお、屋内開口部442には埃などを捕集するフィルタを配設しても良い。当該フィルタにより、屋内の埃等を捕集し、まとめて掃除することができる。
また、屋内開口部442は建物の各階層の床材34に近い部分に配設されることが好ましい。屋内開口部442の配設場所として例えば、部屋の高さの半分以下などが挙げられる。冬季において、冷たい空気が優先的に排出されるためである。
【0059】
図3に示すように、第二壁材404と第三壁材406により形成される屋外側通気路424は、下端および上端に屋外開口部446を有する。即ち、屋外側通気路424内の空気は外気と交換する。これにより、壁体40内は結露せず、乾燥状態が保持される。また、外気との交換は緩やかに行われるため、屋外側通気路424内の空気により断熱状態が保たれる。
【0060】
第一壁材402、第二壁材404、そして第三壁材406により形成される屋内側通気路422と屋外側通気路424により、建物の側面側に空気の二層構造が形成される。
この二層構造により断熱状態が保持され、屋内の空気が適温に保たれる。
【0061】
なお、屋内側通気路422や屋外側通気路424の内側にさらに断熱材を配設しても良い。断熱材を配設することにより、壁材40の断熱性能をさらに向上させることができる。
また、屋外側通気路424の内側に透湿シートを配設しても良い。透湿シートは屋内から屋外への湿気は透過させる一方で、屋外から屋内への湿気は透過させない素材である。透湿シートを備えることにより、カビ等の発生の原因となる結露を防ぐことができる。このような透湿シートして、市販のものが適宜用いられる。
【0062】
<換気ファン50>
換気ファン50は屋根裏空間Aに配設される排気装置である。屋根裏空間Aの空気は換気ファン50を通じて屋外に排出される。換気ファン50が屋根裏空間Aに配設されるため、床下空間Uから取り込まれた空気が建物全体に循環する。
【0063】
換気ファン50の送風量は1時間当たり300立方メートル以上が好ましい。現行の建築基準法が示すように、2時間に1回以上建物全体を換気することが好ましいことから、換気ファン50の送風量がこれより少ない場合は換気量として不十分である。
また、屋内の家財の配置による空気抵抗を考えると、換気ファン50の送風量が1時間当たり1200立方メートル以上であることがより好ましい。
【0064】
なお、建物の内容積が300立方メートル(延床面積120平方メートル×高さ2.5メート)であるとして、換気回数の計算例を示す。
換気ファン50の送風量は1時間当たり300立方メートルであるとし、通気部分の抵抗を考慮して実換気効率が50%であるとする。この場合、内容積が300立方メートルの建物を換気すると、1時間当たりの換気回数は300×0.5÷300=0.5回となる。この値は2時間に1回換気する場合と一致する。
同様に、換気ファン50の送風量が1時間当たり1200立方メートルとすると、1時間当たりの換気回数は1200×0.5÷300=2.0回となり、短時間に十分な換気が可能となる。
【0065】
ここで、換気ファン50と電気集塵機20の処理量の関係についても説明する。実換気効率を考慮した換気ファン50による換気量が1時間当たり1200×0.5=600立方メートルである場合、電気集塵機20の空気処理量も1時間当たり600立方メートル以上であると、集塵効率の面から好ましい。
【0066】
本実施形態の建物換気システム2は、換気ファン50を作動させることにより屋根裏空間Aが負圧になる。これにより、上述した換気システム1の外気取入口128から建物内に流入した空気が、居住空間L、屋内側通気路422と通過して屋根裏空間Aに至り、屋根裏空間Aの換気ファン50から建物外に排出されることで換気を行う。
即ち、屋根裏空間Aから離れた場所にある床下空間Uの基礎32に開口部を設けて吸気を行い、屋根裏空間Aの換気ファン50から排気することで、居住空間L内の多くの空気を入れ替えることができる。この態様によると、居住空間Lのみから吸気する場合と比べ、より効率的に建物全体の換気を行うことが可能となる。
【0067】
また、取り込んだ外気は床下空間U内で十分に温度交換がなされるため、居住空間Lには適温で快適な空気が流入する。そして流入した空気は建物の壁側(壁材40側)に向かう。建物壁面(特に第二壁材404)において、外の寒冷あるいは熱暑の空気は屋内側通気路422内の空気と熱交換するが、屋内側通気路422内の空気は換気ファン50により積極的に排出されるため、やはり居住空間Lの快適な温度が維持される。本態様によると、熱交換が可能なファン(熱交換ファン)を用いなくても効率的に熱交換が可能になる。
【0068】
本実施形態の建物換気システム2において、空気は床下空間U、居住空間L、そして屋根裏空間Aの順に略一方通行で流れる。よって本実施形態において、居住空間Lの空気は実質的に床下空間Uに還流しない。これにより、建物全体に常に新鮮な空気が流通する利点がある。
【0069】
さらに、空気が略一方通行で流れることにより、居住空間L内の埃等は屋内開口部442に配設されたフィルタで捕集され、さらに細かい埃等は屋内側通気路422を通じて屋外に排出される。このことにより、居住空間Lの清浄性を保つことができる。
【0070】
(第四の実施形態)
図4は、第四の実施形態に係る建物換気システム2を備える建物の断面図である。既に説明した符号と重複する部分の説明は省略する。
床下空間Uに開口部を有さず、電気集塵機20により粒子状物質が除去された空気が直接的に屋内に流入する点は第二の実施形態(図2)と同様である。
床下空間Uの埃等が居住空間Lに混入しないため、居住空間Lの清浄性が保たれる。また、屋内開口部442にフィルタを配設する場合に、当該フィルタが詰まりにくくなる利点がある。
【0071】
(変形例)
本実施形態の換気システム1および建物換気システム2は、床下空間Uを暖めるための暖房装置を備えていても良い。この場合、床下空間Uの空気と熱交換された暖かい空気が居住空間L内に流入するため、居住空間L内の適温が維持される。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本実施形態の換気システム1および建物換気システム2は、断熱基礎を備える床下空間を有する建物であれば大きさを問わず適用することができる。よって、個人の邸宅に限られるのもではなく、病院や公的機関の建物など、感染症対策の面で換気が重視される建物に好適に適用することができる。
【符号の説明】
【0073】
1 換気システム
2 建物換気システム
12 床下配管
122 樹脂配管
124 配管接続器具
126 金属配管
128 外気取入口
20 電気集塵機
202 空気吹出口
32 基礎
322 断熱材
34 床材
342 床材開口部
36 天井材
38 屋根
40 壁材
402 第一壁材
404 第二壁材
406 第三壁材
422 屋内側通気路
424 屋外側通気路
442 屋内開口部
444 天井側開口部
446 屋外開口部
50 換気ファン
U 床下空間
L 居住空間
A 屋根裏空間
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2021-08-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項1】
断熱基礎と床材とに囲繞される床下空間を備える建物に用いられる換気システムであって、
配管接続器具を通じて連通する樹脂配管および金属配管と、電力により集塵する電気集塵機とを備え、
前記樹脂配管は、前記床下空間と、建物外部とを隔てる断熱基礎を貫通して配設され、かつ、一端が建物外に外気取入口を有し、
前記配管接続器具は、前記樹脂配管の他端と、前記金属配管の一端とを接続し、
前記金属配管の他端は前記電気集塵機と接続することを特徴とする、換気システム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、以下の手段を採用している。
(1)請求項1の発明は、断熱基礎と床材とに囲繞される床下空間を備える建物に用いられる換気システムであって、配管接続器具を通じて連通する樹脂配管および金属配管と、電力により集塵する電気集塵機とを備え、前記樹脂配管は、前記床下空間と、建物外部とを隔てる断熱基礎を貫通して配設され、かつ一端が建物外に外気取入口を有し、前記配管接続器具は、前記樹脂配管の他端と、前記金属配管の一端とを接続し、前記金属配管の他端は前記電気集塵機と接続することを特徴とする、換気システムを提供する。
(2)請求項2の発明は、前記電気集塵機の空気吹出口が建物の床下空間内に配設されず、建物の居住空間に配設されることを特徴とする、請求項1に記載の換気システムを提供する。
この場合、床下空間Uの空気が居住空間Lに流入しないため、床下空間Uの埃が居住空間Lに混入しないという利点がある。
(3)請求項3の発明は、請求項1に記載の換気システムと、屋内側から順に少なくとも第一壁材と、第二壁材と、第三壁材とを備える壁材と、屋根裏空間に配設される換気ファンとを備え、前記第一壁材と前記第二壁材との離間部分に屋内側通気路を備え、前記第二壁材と前記第三壁材との離間部分に屋外側通気路を備え、前記換気システムにより浄化した空気を、屋内側通気路と換気ファンとをこの順に通過させて建物を換気することを特徴とする、建物換気システムを提供する。
この場合、空気は床下空間、居住空間、そして屋根裏空間の順に略一方通行で流れ、居住空間の空気は実質的に床下空間に還流しないため、建物全体に常に新鮮な空気が流通する利点がある。