(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022175503
(43)【公開日】2022-11-25
(54)【発明の名称】管理方法、制御プログラム、及びメンタル管理サーバ
(51)【国際特許分類】
G16H 20/70 20180101AFI20221117BHJP
【FI】
G16H20/70
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021081914
(22)【出願日】2021-05-13
(71)【出願人】
【識別番号】520496235
【氏名又は名称】株式会社World Life Mapping
(74)【代理人】
【識別番号】100150072
【弁理士】
【氏名又は名称】藤原 賢司
(74)【代理人】
【識別番号】100170748
【弁理士】
【氏名又は名称】稲垣 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100185719
【弁理士】
【氏名又は名称】北原 悠樹
(72)【発明者】
【氏名】下田 彬
(72)【発明者】
【氏名】ガニエ マーク智也
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA15
(57)【要約】
【課題】ユーザのメンタル状態をより適切に管理することが可能な管理方法、制御プログラム、及びメンタル管理サーバを提供する。
【解決手段】管理方法は、メンタル管理システムにおけるユーザのメンタル状態の管理方法である。メンタル管理システムには複数のユーザが関係している。この管理方法は、複数のユーザのうちの第1ユーザのメンタル情報を取得するステップと、複数のユーザのうちメンタル状態が所定条件を満たすユーザを第1ユーザとは異なる第2ユーザとして選択するステップと、第1ユーザのメンタル情報に基づいて、第1ユーザに関する第1情報を第2ユーザに通知するステップとを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メンタル管理システムにおけるユーザのメンタル状態の管理方法であって、
前記メンタル管理システムには複数のユーザが関係しており、
前記複数のユーザのうちの第1ユーザのメンタル情報を取得するステップと、
前記複数のユーザのうちメンタル状態が所定条件を満たすユーザを前記第1ユーザとは異なる第2ユーザとして選択するステップと、
前記第1ユーザのメンタル情報に基づいて、前記第1ユーザに関する第1情報を前記第2ユーザに通知するステップとを含む、管理方法。
【請求項2】
前記第1ユーザのメンタル情報に基づいて、前記第1ユーザに対するアドバイスを含む第2情報を前記第1ユーザに通知するステップをさらに含み、
前記第1情報の前記第2ユーザへの通知は、前記第2情報の通知後に前記第1ユーザのメンタル状態が改善しない場合に行なわれる、請求項1に記載の管理方法。
【請求項3】
前記第2情報は、前記第1ユーザのメンタル状態を変化させるための第1アドバイスと、前記第1ユーザの職場の環境変化を促す第2アドバイスとを含み、
前記第1アドバイスは、前記第1ユーザのメンタル情報に基づいて前記第1ユーザに通知され、
前記第2アドバイスは、前記職場において前記第1ユーザが所属するグループのメンバーのメンタル状態に基づいて前記第1ユーザに通知される、請求項2に記載の管理方法。
【請求項4】
前記第2情報に含まれるアドバイスは、前記第1ユーザの忙しさに関する第1忙しさ情報に基づいて変更される、請求項2又は請求項3に記載の管理方法。
【請求項5】
前記第1忙しさ情報は、前記第1ユーザの職場において前記第1ユーザが所属するグループの忙しさに関する第2忙しさ情報に基づいて補正される、請求項4に記載の管理方法。
【請求項6】
前記複数のユーザのうちの少なくとも一部のユーザは、前記第1ユーザと同じ組織に所属しており、
前記組織に所属しているユーザの各々は、オフィス勤務又は在宅勤務であり、
前記第1ユーザがオフィス勤務である場合には、オフィス勤務であるユーザが前記第2ユーザとして優先的に選択される、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の管理方法。
【請求項7】
各ユーザ間の親睦情報に基づいて前記第2ユーザが選択される、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の管理方法。
【請求項8】
各ユーザ間の相性情報に基づいて前記第2ユーザが選択される、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の管理方法。
【請求項9】
前記第1情報を前記第2ユーザに通知した後に前記第2ユーザに関するフィードバック情報を取得するステップをさらに含み、
過去に得られた前記フィードバック情報に基づいて前記第2ユーザが選択される、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の管理方法。
【請求項10】
前記複数のユーザの各々は、前記メンタル管理システムに前記メンタル情報が取得される第1ユーザ群、又は、前記メンタル管理システムに前記メンタル情報が取得されない第2ユーザ群に属しており、
前記第1ユーザ群に前記第2ユーザとして選択可能なユーザが存在しない場合に、前記第2ユーザ群に属するユーザが前記第2ユーザとして選択される、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の管理方法。
【請求項11】
メンタル管理システムのユーザのメンタル状態の管理をコンピュータに実行させる制御プログラムであって、
前記メンタル管理システムには複数のユーザが関係しており、
前記複数のユーザのうちの第1ユーザのメンタル情報を取得するステップと、
前記複数のユーザのうちメンタル状態が所定条件を満たすユーザを前記第1ユーザとは異なる第2ユーザとして選択するステップと、
前記メンタル情報に基づいて、前記第1ユーザに関する第1情報を前記第2ユーザに通知するステップとをコンピュータに実行させる、制御プログラム。
【請求項12】
ユーザのメンタル状態を管理するように構成されたメンタル管理サーバであって、
前記メンタル管理サーバには複数のユーザが関係しており、
前記複数のユーザのうちの第1ユーザのメンタル情報を取得するように構成された取得部と、
前記複数のユーザのうちメンタル状態が所定条件を満たすユーザを前記第1ユーザとは異なる第2ユーザとして選択するように構成された選択部と、
前記メンタル情報に基づいて、前記第1ユーザに関する第1情報を前記第2ユーザに通知するように構成された通知部とを備える、メンタル管理サーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理方法、制御プログラム、及びメンタル管理サーバに関する。
【背景技術】
【0002】
特開2018-72964号公報(特許文献1)は、健康管理システムを開示する。この健康管理システムにおいて、ユーザは、自身の精神的な健康状態を示すメンタル値を入力する。入力されたメンタル値が注意条件を満たすと判断されると、注意条件を満たすと判断されたユーザの情報を含む注意情報が監督者に通知される(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1においては、注意条件を満たすと判断されたユーザの情報がユーザの監督者に通知される。しかしながら、例えば、監督者のメンタル状態が良くない場合には、監督者に情報が通知されても、監督者によって適切な行動が起こされない可能性が高い。その結果、ユーザのメンタル状態が適切に管理されない。
【0005】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであって、その目的は、ユーザのメンタル状態をより適切に管理することが可能な管理方法、制御プログラム、及びメンタル管理サーバを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある局面に従う管理方法は、メンタル管理システムにおけるユーザのメンタル状態の管理方法である。メンタル管理システムには複数のユーザが関係している。この管理方法は、複数のユーザのうちの第1ユーザのメンタル情報を取得するステップと、複数のユーザのうちメンタル状態が所定条件を満たすユーザを第1ユーザとは異なる第2ユーザとして選択するステップと、第1ユーザのメンタル情報に基づいて、第1ユーザに関する第1情報を第2ユーザに通知するステップとを含む。
【0007】
この管理方法においては、第1ユーザに関する第1情報が第1ユーザとは異なる第2ユーザに通知される。第2ユーザのメンタル状態は所定条件を満たす。したがって、この管理方法によれば、第1ユーザに注意を払う余裕がある第2ユーザによる第1ユーザに対するサポートを期待することができるため、第1ユーザのメンタル状態をより適切に管理することができる。
【0008】
好ましくは、上記管理方法は、第1ユーザのメンタル情報に基づいて、第1ユーザに対するアドバイスを含む第2情報を第1ユーザに通知するステップをさらに含み、第1情報の第2ユーザへの通知は、第2情報の通知後に第1ユーザのメンタル状態が改善しない場合に行なわれてもよい。
【0009】
この管理方法においては、まずは第2情報が第1ユーザに通知される。したがって、この管理方法によれば、必要以上に第1情報が第2ユーザに通知されないため、第2ユーザの負担が必要以上に大きくなることを回避することができる。
【0010】
好ましくは、上記管理方法において、第2情報は、第1ユーザのメンタル状態を変化させるための第1アドバイスと、第1ユーザの職場の環境変化を促す第2アドバイスとを含み、第1アドバイスは、第1ユーザのメンタル情報に基づいて第1ユーザに通知され、第2アドバイスは、職場において第1ユーザが所属するグループのメンバーのメンタル状態に基づいて第1ユーザに通知されてもよい。
【0011】
この管理方法において、第1ユーザの職場の環境変化を促す第2アドバイスは、職場において第1ユーザが所属するグループのメンバーのメンタル状態に基づいて第1ユーザに通知される。したがって、この管理方法によれば、グループ全体に影響を与える行動を第1ユーザがとることが期待されるため、グループ全体のメンタル状態をより適切に管理することができる。
好ましくは、上記管理方法において、第2情報に含まれるアドバイスは、第1ユーザの忙しさに関する第1忙しさ情報に基づいて変更されてもよい。
【0012】
この管理方法によれば、第2情報に含まれるアドバイスが第1ユーザの忙しさに基づいて変更されるため、アドバイスの内容が第1ユーザにとって過度な負担となることを抑制することができる。
【0013】
好ましくは、上記管理方法において、第1忙しさ情報は、第1ユーザの職場において第1ユーザが所属するグループの忙しさに関する第2忙しさ情報に基づいて補正されてもよい。
【0014】
この管理方法によれば、第1忙しさ情報がグループの忙しさに基づいて補正されるため、グループ全体の忙しさを考慮した内容のアドバイスを第1ユーザに提供することができる。
【0015】
好ましくは、上記管理方法において、複数のユーザのうちの少なくとも一部のユーザは、第1ユーザと同じ組織に所属しており、組織に所属しているユーザの各々は、オフィス勤務又は在宅勤務であり、第1ユーザがオフィス勤務である場合には、オフィス勤務であるユーザが第2ユーザとして優先的に選択されてもよい。
【0016】
第1ユーザがオフィス勤務である場合には、オフィス勤務のユーザが第2ユーザとして選択された方が、在宅勤務のユーザが第2ユーザとして選択されるよりも、第1ユーザと第2ユーザとのコミュニケーションが密になる。この管理方法においては、第1ユーザがオフィス勤務である場合に、オフィス勤務であるユーザが第2ユーザとして優先的に選択される。したがって、この管理方法によれば、第1ユーザがオフィス勤務である場合に、第1ユーザと第2ユーザとのコミュニケーションがより密になるため、第1ユーザのメンタル状態をより適切に管理することができる。
好ましくは、上記管理方法において、各ユーザ間の親睦情報に基づいて第2ユーザが選択されてもよい。
【0017】
この管理方法においては、各ユーザ間の親睦情報に基づいて第2ユーザが選択される。すなわち、第1ユーザとの親睦関係が考慮された上で第2ユーザが選択される。したがって、この管理方法によれば、第1ユーザと第2ユーザとのコミュニケーションが円滑に行なわれる可能性が高いため、第1ユーザのメンタル状態をより適切に管理することができる。
好ましくは、上記管理方法において、各ユーザ間の相性情報に基づいて第2ユーザが選択されてもよい。
【0018】
この管理方法においては、各ユーザ間の相性情報に基づいて第2ユーザが選択される。すなわち、第1ユーザとの潜在的な相性が考慮された上で第2ユーザが選択される。したがって、この管理方法によれば、第1ユーザと第2ユーザとのコミュニケーションが円滑に行なわれる可能性が高いため、第1ユーザのメンタル状態をより適切に管理することができる。
【0019】
好ましくは、上記管理方法は、第1情報を第2ユーザに通知した後に第2ユーザに関するフィードバック情報を取得するステップをさらに含み、過去に得られたフィードバック情報に基づいて第2ユーザが選択されてもよい。
この管理方法によれば、第2ユーザの選択時に過去のフィードバック情報が考慮されるため、より適切なユーザを第2ユーザに選択することができる。
【0020】
好ましくは、上記管理方法において、複数のユーザの各々は、メンタル管理システムにメンタル情報が取得される第1ユーザ群、又は、メンタル管理システムにメンタル情報が取得されない第2ユーザ群に属しており、第1ユーザ群に第2ユーザとして選択可能なユーザが存在しない場合に、第2ユーザ群に属するユーザが第2ユーザとして選択されてもよい。
【0021】
第1ユーザのメンタル状態によっては、第1ユーザと同じ環境に存在するユーザ達(第1ユーザ群)のいずれもが第2ユーザとして相応しくないという事態が生じ得る。この管理方法によれば、そのような事態が生じた場合に第2ユーザ群に属するユーザが第2ユーザとして選択されるため、そのような事態が生じたとしても第1ユーザのメンタル状態をより適切に管理することができる。
【0022】
また、本発明の他の局面に従う制御プログラムは、メンタル管理システムのユーザのメンタル状態の管理をコンピュータに実行させる。メンタル管理システムには複数のユーザが関係している。この制御プログラムは、複数のユーザのうちの第1ユーザのメンタル情報を取得するステップと、複数のユーザのうちメンタル状態が所定条件を満たすユーザを第1ユーザとは異なる第2ユーザとして選択するステップと、第1ユーザのメンタル情報に基づいて、第1ユーザに関する第1情報を第2ユーザに通知するステップとをコンピュータに実行させる。
【0023】
この制御プログラムがコンピュータによって実行されると、第1ユーザに関する第1情報が第1ユーザとは異なる第2ユーザに通知される。第2ユーザのメンタル状態は所定条件を満たす。したがって、この制御プログラムによれば、第1ユーザに注意を払う余裕がある第2ユーザによる第1ユーザに対するサポートを期待することができるため、第1ユーザのメンタル状態をより適切に管理することができる。
【0024】
また、本発明の他の局面に従うメンタル管理サーバは、ユーザのメンタル状態を管理するように構成されている。メンタル管理サーバには複数のユーザが関係している。このメンタル管理サーバは、取得部と、選択部と、通知部とを備えている。取得部は、複数のユーザのうちの第1ユーザのメンタル情報を取得するように構成されている。選択部は、複数のユーザのうちメンタル状態が所定条件を満たすユーザを第1ユーザとは異なる第2ユーザとして選択するように構成されている。通知部は、第1ユーザのメンタル情報に基づいて、第1ユーザに関する第1情報を第2ユーザに通知するように構成されている。
【0025】
このメンタル管理サーバにおいては、第1ユーザに関する第1情報が第1ユーザとは異なる第2ユーザに通知される。第2ユーザのメンタル状態は所定条件を満たす。したがって、このメンタル管理サーバによれば、第1ユーザに注意を払う余裕がある第2ユーザによる第1ユーザに対するサポートを期待することができるため、第1ユーザのメンタル状態をより適切に管理することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、ユーザのメンタル状態をより適切に管理することが可能な管理方法、制御プログラム、及びメンタル管理サーバを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】メンタル管理システムを模式的に示す図である。
【
図2】サーバのハードウェア構成を模式的に示すブロック図である。
【
図3D】ユーザストレス推移TBの一例を示す図である。
【
図3E】グループストレスTBの一例を示す図である。
【
図3G】フィードバック情報TBの一例を示す図である。
【
図3I】グループ忙しさ情報TBの一例を示す図である。
【
図4】端末のハードウェア構成を模式的に示すブロック図である。
【
図5】サーバのソフトウェア構成を模式的に示す図である。
【
図6A】ユーザの基本情報の登録動作を示すフローチャートである。
【
図6B】メンタル管理システムにおけるサーバ及び端末の基本的な動作を示すフローチャートである。
【
図7】アドバイス内容の変更手順を示すフローチャートである。
【
図8】各ユーザの忙しさ情報の補正手順を示すフローチャートである。
【
図9】複数種類のサポートから第1ユーザに適用するサポートを選択する手順を示すフローチャートである。
【
図10】ヘルプアドバイス及び他者サポート依頼の両方が有効化されている場合における施策の選択手順を示すフローチャートである。
【
図11】第2ユーザの選択手順を示すフローチャートである。
【
図12】他者サポート依頼が選択された場合における第2ユーザの端末における動作を示すフローチャートである。
【
図13】サポート後のフィードバック手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0029】
[1.メンタル管理システムの概要]
図1は、本実施の形態に従うメンタル管理システム10を模式的に示す図である。メンタル管理システム10は、例えば組織の一例である会社(企業)CM1において、社員のメンタル状態の悪化を抑制するために用いられる。
【0030】
図1に示されるように、メンタル管理システム10は、サーバ100と、複数の端末200とを含んでいる。端末200は、例えば、PC(Personal Computer)、タブレット又はスマートフォンで構成される。複数の端末200の各々は、メンタル管理システム10のユーザによって使用される。
【0031】
ユーザには、例えば、メンタル管理の対象となる社員、社員の家族F1、メンタル管理室M1の職員、及び、カウンセラ(例えば、公認心理士、臨床心理士、産業医、心理カウンセラ、EAP(Employee Assistance Program)カウンセラ)CS1が含まれる。すなわち、メンタル管理システム10には、複数のユーザが関係している。なお、メンタル管理室M1は会社CM1内に設けられていても良いし、カウンセラCS1は会社CM1に所属していてもよい。
【0032】
会社CM1は、例えば、複数の職場(オフィス)O1を有している。各職場O1には、複数のグループG1が形成されている。各社員は、いずれかの職場O1のいずれかのグループG1に所属している。グループG1は、例えば、会社組織における「部」又は「課」であってもよいし、オフィスのフロアであってもよいし、オフィスのフロアにおけるエリアであってもよい。各社員は、職場O1において勤務する場合(オフィス勤務)もあるし、ユーザ宅(自宅)H1において勤務する場合(在宅勤務)もある。
【0033】
メンタル管理システム10において、第1ユーザ(社員)は、端末200を介して、自身に関する情報をサーバ100に送信する。なお、一例においては、自身に関する情報をサーバ100に送信するのは社員であり、社外のユーザ(例えば、メンタル管理室M1の職員、カウンセラCS1及び家族F1)は自身に関する情報をサーバ100に送信しない。サーバ100においては、第1ユーザに関する情報に基づいて第1ユーザのメンタル状態が分析される。メンタル状態の分析結果に応じて、第1ユーザに対するアドバイスの内容及び第1ユーザに対するサポートの内容が決定される。
【0034】
アドバイスの一例としては、マインドフルネス瞑想を促すこと、職場の環境改善(換気、空調等)を促すこと、相性の良い社員に対する相談を促すこと等が挙げられる。また、サポートの一例としては、第1ユーザ(メンタル状態の改善が必要な社員)に働きかけるように第2ユーザ(他の社員又は社外のユーザ)に促すこと等が挙げられる。第1ユーザに働きかけるように第2ユーザに促す場合には、第1ユーザに関する情報が第2ユーザに通知される。
【0035】
サーバ100は、例えば、第1ユーザに対するアドバイスを示す情報を第1ユーザの端末200に送信する。端末200は、受信したアドバイスを表示する。端末200に表示されたアドバイスに従った行動が起こされることによって、社員のメンタル状態に良い影響が与えられる。
【0036】
特に、サーバ100は、第1ユーザのメンタル状態に基づいて、第1ユーザに関する情報を第1ユーザとは異なる第2ユーザに通知する。この場合に、第2ユーザとしては、メンタル状態が所定条件を満たすユーザが選ばれる。所定条件の一例は、ストレス値が閾値よりも低いことである。したがって、本実施の形態に従うメンタル管理システム10によれば、第1ユーザに注意を払う余裕がある第2ユーザによる第1ユーザに対するサポートを期待することができるため、第1ユーザのメンタル状態をより適切に管理することができる。以下、メンタル管理システム10についてより詳細に説明する。
【0037】
[2.構成]
<2-1.サーバのハードウェア構成>
図2は、サーバ100のハードウェア構成を模式的に示すブロック図である。本実施の形態において、サーバ100は、例えば、汎用コンピュータによって実現される。
【0038】
図2に示されるように、サーバ100は、制御部110と、通信I/F(interface)140と、記憶部120とを含んでいる。各構成は、バスを介して電気的に接続されている。
【0039】
制御部110は、CPU(Central Processing Unit)111、RAM(Random Access Memory)112及びROM(Read Only Memory)113等を含み、情報処理に応じて各構成要素の制御を行なうように構成されている。
【0040】
通信I/F140は、インターネットを通じて、各端末200(
図1)と通信するように構成されている。通信I/F140は、例えば、有線LAN(Local Area Network)モジュール又は無線LANモジュールで構成される。
【0041】
記憶部120は、例えば、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ等の補助記憶装置である。記憶部120は、例えば、制御プログラム121を記憶している。制御プログラム121がCPU111によって実行されることによって、サーバ100における各種機能が実現される。
【0042】
記憶部120は、さらに、登録情報TB(table)122、所属意識TB123、親睦関係TB124、ユーザストレス推移TB125、グループストレスTB126、サポート要望TB127、フィードバック情報TB128、忙しさ情報TB129及びグループ忙しさ情報TB130を記憶している。これらの各TBは、各ユーザが端末200を介して入力した情報、又は、各ユーザが端末200を介して入力した情報に基づいて生成された情報を管理する。以下、各TBについて説明する。
【0043】
図3Aは、登録情報TB122の一例を示す図である。
図3Aに示されるように、登録情報TB122は、各ユーザ(社員)によって登録された各ユーザの基本情報を管理する。この例においては、社員毎に、所属部署、役職、勤務地、家族情報(配偶者の有無、子供の有無、家族関係の状態)、思考傾向や性格傾向(Big Five personality traits、Myers-Briggs Type Indicator、キャリアアンカー、NEO-FFI、NEO-PI-R等)、キャリア志向、趣味趣向に関する情報が管理されている。
【0044】
図3Bは、所属意識TB123の一例を示す図である。
図3Bに示されるように、所属意識TB123は、各ユーザ(社員)に向けられた所属意識やワークエンゲイジメント、心理的安全性に関する質問に対する各社員の回答情報を管理する。質問の一例としては、「職場において気軽に思ったことを発言できますか?」、「所属グループが自分の居場所であると感じますか?」、「グループ内に気軽に話せる人は何人いますか?」、「グループ内のメンバーに、支援を求めやすいですか?」といったものが挙げられる。
図3Bに示される例においては、例えば、「所属グループが自分の居場所であると感じますか?」という質問に対し、社員Aは6点(10点満点中)と回答し、社員Bは2点(10点満点中)と回答したことが分かる。なお、得点が高いほど所属グループが自分の居場所であるとユーザが感じていることを示す。
【0045】
図3Cは、親睦関係TB124の一例を示す図である。
図3Cに示されるように、親睦関係TB124は、社員間の親睦関係に関する数値情報を管理する(100点満点)。親睦関係に関する情報は、各ユーザ(社員)が自身で入力した情報に基づいて生成されてもよいし、各ユーザの行動を分析することによってサーバ100において独自に生成されてもよい。
図3Cに示される例においては、例えば、社員Aから見た場合に、社員Bとの親睦関係は10点であり、社員Cとの親睦関係は10点であり、社員Dとの親睦関係は45点である。なお、得点が高いほど親睦関係が良好であることを示す。
【0046】
図3Dは、ユーザストレス推移TB125の一例を示す図である。
図3Dに示されるように、ユーザストレス推移TB125は、各ユーザ(社員)のストレス値を管理する。各ユーザのストレス値は、ストレスチェックや気分を聞く質問、心の健康度を聞く質問等を含むメンタル状態に関する質問に対する各ユーザの回答から算出される。また、ストレス値は、例えば、センサによって取得された生体情報(心拍数、呼吸頻度等)の分析結果から算出されてもよいし、カメラ画像認識によって得られた表情を含む身体の特徴データ等の分析結果から算出されてもよい。
図3Dに示される例において、例えば、社員Aのストレス値は、20(3月10日)、20(3月15日)、25(3月18日)と推移していることが分かる。なお、ストレス値が高いほどユーザが強いストレスを感じていることを示す。
【0047】
図3Eは、グループストレスTB126の一例を示す図である。
図3Eに示されるように、グループストレスTB126は、グループG1のストレス値を管理する。グループG1のストレス値は、例えば、同じグループG1に所属する各ユーザのストレス値の平均値である。上述のように、各ユーザのストレス値は、例えば、メンタル状態に関する質問に対する各ユーザの回答から算出される。
【0048】
図3Fは、サポート要望TB127の一例を示す図である。
図3Fに示されるように、サポート要望TB127は、各ユーザ(社員)が希望する相談相手に関する情報を管理する。各ユーザが希望する相談相手に関する情報は、希望相談相手に関する質問に対する各ユーザの回答に基づいて生成される。
【0049】
図3Gは、フィードバック情報TB128の一例を示す図である。詳細については後述するが、メンタル管理システム10においては、メンタル状態の改善が必要な社員(第1ユーザ)に対するサポートが行なわれた後に、サポートを行なった社員等(第2ユーザ)についてのフィードバックが行なわれる。具体的には、サポートを受けた社員(第1ユーザ)及びサポートを行なった社員(第2ユーザ)の各々が端末200を介してフィードバック情報をサーバ100に送信する。
【0050】
図3Gに示されるように、フィードバック情報TB128は、該フィードバック情報を管理する。
図3Gに示される例においては、例えば、サポートを受けた社員が社員Aであり、かつ、サポートを行なった社員が社員Bであった場合に、社員Aによる評価は5点(7点満点)であり、社員Bによる評価は2点(7点満点)であったことが分かる。なお、得点が高いほどサポートに関しての満足度が高いことを示す。この例では、サポートを受けた社員Aの満足度は高いが、サポートを行なった社員Bの満足度は低いことが分かる。
【0051】
図3Hは、忙しさ情報TB129の一例を示す図である。忙しさ情報TB129は、各ユーザ(社員)の忙しさに関する情報、及び、アドバイス等を受ける時間帯の希望に関する情報を管理する。忙しさ情報及び希望時間帯に関する情報の各々は、例えば、これらに関する質問に対する各ユーザの回答に基づいて生成される。
図3Hに示される例において、社員Aの忙しさは2点(5点満点)であり、アドバイス等を受ける時間帯に関する社員Aの希望は「お昼後」であることが分かる。なお、忙しさに関する得点が高いほど該社員が忙しいことを示す。
【0052】
図3Iは、グループ忙しさ情報TB130の一例を示す図である。グループ忙しさ情報TB130は、グループG1の忙しさに関する情報、及び、アドバイス等を受ける時間帯のグループG1としての希望に関する情報を管理する。グループG1の忙しさに関する情報は、例えば、グループG1に所属する各ユーザの忙しさの平均値に基づいて生成される。また、アドバイス等を受ける時間帯のグループG1としての希望に関する情報は、例えば、グループG1に所属するユーザのうち最も多くのユーザが希望する時間帯に基づいて生成される。
【0053】
<2-2.ユーザ端末のハードウェア構成>
図4は、端末200のハードウェア構成を模式的に示すブロック図である。上述のように、端末200は、例えば、PC、タブレット又はスマートフォンによって実現される。
【0054】
図4に示されるように、端末200は、制御部210と、通信I/F240と、表示部250と、受付部260と、記憶部220とを含む。端末200において、各構成はバスを介して電気的に接続されている。
【0055】
制御部210は、CPU211、RAM212及びROM213等を含み、情報処理に応じて各構成要素の制御を行なうように構成されている。通信I/F240は、ネットワークを介して、例えば、サーバ100と通信するように構成されている。通信I/F240は、例えば、有線LANモジュール又は無線LANモジュールで構成される。
【0056】
表示部250は、画像を表示するように構成されている。表示部250は、例えば、液晶モニタや有機EL(Electro Luminescence)モニタ等のモニタで構成される。
【0057】
受付部260は、ユーザからの入力を受け付けるように構成されている。受付部260は、例えば、タッチパネル、キーボード、マウス及びマイクの一部又は全部で構成される。サーバ100から送られてきた質問に対するユーザによる回答は、例えば、受付部260を介して行なわれる。
【0058】
記憶部220は、例えば、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ等の補助記憶装置である。記憶部220は、例えば、制御プログラム221を記憶するように構成されている。制御プログラム221がCPU211によって実行されることによって、端末200における各種機能が実現される。
【0059】
<2-3.サーバのソフトウェア構成>
図5は、サーバ100のソフトウェア構成を模式的に示す図である。
図5に示されるように、制御部110によって制御プログラム121が実行されることにより、サーバ100においては、少なくとも、取得部161と、選択部162と、情報生成部163と、通知部164とが実現される。
【0060】
取得部161は、端末200から情報を取得する。上述のように、ユーザは、メンタル状態に関する各種質問に端末200を介して回答する。回答結果は、端末200からサーバ100に送信される。取得部161は、例えば、端末200から送信された情報を取得する。取得部161は、例えば、ユーザの所属部署、役職、勤務地、家族、思考傾向、キャリア志向、趣味趣向に関する情報を取得する。また、取得部161は、例えば、会社への所属意識に関する質問に対する回答情報を取得する。すなわち、取得部161は、メンタル状態に関する各種質問に対するユーザの回答情報を取得する。取得部161によって取得された各種情報は、記憶部120によって記憶される。より具体的には、取得部161によって取得された各種情報は、記憶部120に記憶されている適切なTBに格納される。
【0061】
選択部162は、記憶部120に記憶されている各TBからユーザのメンタル状態の分析に必要な情報を読み出す。選択部162は、読み出された情報に基づいてユーザのメンタル状態の分析を行ない、アドバイス等の通知先を選択する。例えば、第1ユーザ自身に伝えるべきアドバイスが有効であると判断された場合に、選択部162は、アドバイスの通知先として第1ユーザを選択する。また、第1ユーザ以外に第1ユーザのサポートを要請することが有効であると判断された場合に、選択部162は、サポートの要請先(第2ユーザ)として第1ユーザ以外のユーザを選択する。選択部162は、例えば、メンタル管理システム10のユーザのうち、ストレス値が所定の閾値以下のユーザを第2ユーザとして選択する。
【0062】
情報生成部163は、例えば、記憶部120に記憶されている各種TBから必要な情報を読み出す。情報生成部163は、読み出された情報に基づいて、アドバイス内容等を示す情報を生成する。例えば、ユーザの忙しさに応じて、アドバイス内容が変更される(例えば、長時間を要するアドバイスから短時間で終了するアドバイスへと変更される。)。アドバイス内容等の基本的な情報を管理するデータベース(不図示)が予め記憶部120に記憶されており、情報生成部163は、第1ユーザのメンタル状態等を踏まえた上で、該データベースを参照してアドバイス等を示す情報を生成する。
【0063】
通知部164は、選択部162によって選択された通知先のユーザ(第2ユーザ)に、第1ユーザに関する情報を通知する。第1ユーザに関する情報は、例えば、第1ユーザの名前に関する情報、第1ユーザのメンタル状態に関する情報、第1ユーザに適したアドバイスに関する情報、第2ユーザから第1ユーザへのコミュニケーションの開始を促す情報等を含む。以下、サーバ100及び端末200の動作について詳細に説明する。
【0064】
[3.動作]
図6Aは、ユーザの基本情報の登録動作を示すフローチャートである。
図6Aにおける左側のフローチャートに示される処理はサーバ100の制御部110によって実行され、
図6Aにおける右側のフローチャートに示される処理は端末200の制御部210によって実行される。
【0065】
図6Aにおける左側のフローチャートを参照して、制御部110は、第1ユーザに関する基本情報(登録情報)を端末200から受信したか否かを判定する(ステップS100)。基本情報とは、登録情報TB122(
図3A)において管理される情報である。基本情報を端末200から受信していないと判定されると(ステップS100においてNO)、制御部110は、基本情報を受信するまで待機する。なお、この段階で、基本情報に加えて、サポート要望TB127の更新に用いられる情報が端末200から送信されてもよい。
【0066】
基本情報を端末200から受信したと判定されると(ステップS100においてYES)、制御部110は、受信した基本情報に基づいて各種TBを更新する(ステップS105)。例えば、ユーザの所属部署、役職、勤務地、家族、思考傾向、キャリア志向、趣味趣向に関する情報の少なくともいずれかが受信された場合に、制御部110は、登録情報TB122を更新する。
【0067】
図6Aにおける右側のフローチャートを参照して、制御部210は、第1ユーザに関する基本情報の入力画面を表示するように表示部250を制御する(ステップS150)。制御部210は、受付部260を介した基本情報(登録情報)の入力が完了したか否かを判定する(ステップS155)。入力が完了していないと判定されると(ステップS155においてNO)、制御部210は、入力が完了するまで待機する。
【0068】
一方、入力が完了したと判定されると(ステップS155においてYES)、制御部210は、入力された基本情報をサーバ100に送信する(ステップS160)。このように、ユーザによって入力された情報に基づいて、ユーザの基本情報が登録情報TB122に登録される。メンタル管理システム10においては、登録された基本情報、及び、定期ストレスチェックの結果等に基づいて、ユーザにどのようなアドバイス等を提供するかが決定される。
【0069】
図6Bは、メンタル管理システム10におけるアドバイス等のユーザへの提供動作を示すフローチャートである。
図6Bにおける左側のフローチャートに示される処理はサーバ100の制御部110によって実行され、
図6Bにおける右側のフローチャートに示される処理は端末200の制御部210によって実行される。これらの処理は、例えば、所定間隔毎に実行される。所定間隔は、例えば、1日、3日、1週間等である。
【0070】
図6Bにおける左側のフローチャートを参照して、制御部110は、定期ストレスチェックに関する回答を端末200から受信したか否かを判定する(ステップS200)。なお、このタイミングで、端末200においては、定期ストレスチェックに関する回答画面が表示されている。定期ストレスチェックに関する回答には、第1ユーザのストレス値を算出するための情報(ユーザストレス推移TB125及びグループストレスTB126の更新に用いられる情報)が含まれる。また、この回答には、所属意識TB123、親睦関係TB124、サポート要望TB127及び忙しさ情報TB129のうちの少なくともいずれかの更新に用いられる情報が含まれていてもよい。
【0071】
回答を端末200から受信していないと判定されると(ステップS200においてNO)、制御部110は、回答を受信するまで待機する。一方、回答を端末200から受信したと判定されると(ステップS200においてYES)、制御部110は、受信された回答に基づいて第1ユーザのストレス値を算出する(ステップS205)。第1ユーザのストレス値は、第1ユーザのメンタル状態を示すメンタル情報の一部である。
【0072】
その後、制御部110は、ステップS200において取得された情報又はステップS205において算出されたストレス値に基づいて各種TBを更新する(ステップS210)。ステップS210においては、少なくともユーザストレス推移TB125とグループストレスTB126とが更新される。
【0073】
制御部110は、第1ユーザのストレス値が所定条件を満たすか否かを判定する(ステップS215)。所定条件の一例は、所定の期間に渡って、ストレス値が閾値よりも高く、かつ、ストレス値の低下量が閾値よりも低い(ストレス値が所定以上改善していない)というものである。ストレス値が所定条件を満たすか否かの閾値は、ユーザ毎に変更してもよい。例えば、登録情報TB122を参照し、第1ユーザの基本情報等のユーザ情報を用いて、ストレス値が所定条件を満たすか否かの閾値をユーザ毎に変更する。好適には、ユーザ情報のうち、性格傾向や思考傾向を用いる。性格傾向や思考傾向からストレス耐性が高いユーザと判断された場合は、ストレス値の閾値を高くしてもよい。このようにすれば、ユーザに適したタイミングでユーザのメンタル状態を管理することができる。また、ストレス値の低下量が閾値よりも低いか否かを考慮することによって、既にアドバイス等がユーザに提供されていた場合(例えば、メンタル管理システム10のサービスを受け始めて複数日が経過している場合)に、そのアドバイス等がそのユーザにとって有効であったか否かということも考慮することができる。この例における所定条件を満たすか否かは、例えば、ユーザストレス推移TB125を参照することによって判定される。
【0074】
所定条件を満たさないと判定されると(ステップS215においてNO)、制御部110は、第1ユーザの基本情報等に基づいて個人アドバイスを生成し、生成された個人アドバイスを第1ユーザの端末200に送信するように通信I/F140を制御する(ステップS220)。個人アドバイスの内容としては、例えば、マインドフルネス瞑想を促すことが挙げられる。
【0075】
一方、所定条件を満たすと判定されると(ステップS215においてYES)、制御部110は、グループストレスTB126を参照することによって、第1ユーザが所属するグループG1におけるストレス平均値が閾値以上であるか否かを判定する(ステップS225)。
【0076】
ストレス平均値が閾値以上であると判定されると(ステップS225においてYES)、制御部110は、環境アドバイスを生成し、生成された環境アドバイスを第1ユーザの端末200に送信するように通信I/F140を制御する(ステップS230)。環境アドバイスは、例えば、第1ユーザが所属するグループG1の環境情報(例えば、空気の綺麗度合い、気圧、外気温、天気、室内気温)に基づいて生成される。グループG1の環境情報は、例えば、端末200からサーバ100に送信されてもよいし、別途設けられたセンサからサーバ100に送信されてもよい。また、環境アドバイスは、第1ユーザの端末200のみではなく、第1ユーザが所属するグループG1の全ユーザの端末200に送信されてもよい。
【0077】
環境アドバイスの一例としては、例えば、「部屋の窓を開けましょう」「みんなで雑談しましょう」といった第1ユーザが所属するグループG1全体に影響を与えるものが挙げられる。例えば、このようなアドバイスが第1ユーザに通知されると、グループ全体に影響を与える行動を第1ユーザがとることが期待される。その結果、グループ全体のメンタル状態が改善することが期待される。
【0078】
一方、ステップS225において、ストレス平均値が閾値未満であると判定されると(ステップS225においてNO)、制御部110は、第1ユーザに対する追加のサポートのための処理を実行する(ステップS235)。追加のサポートについては後程詳しく説明する。このように、本実施の形態に従うメンタル管理システム10においては、i)第1ユーザのストレス値に問題がない場合には「個人アドバイス」が第1ユーザに提供され、ii)第1ユーザのストレス値に問題があり、かつ、第1ユーザが所属するグループのメンバーの平均ストレス値に問題がある場合には「環境アドバイス」が第1ユーザに提供され、iii)第1ユーザのストレス値に問題があり、かつ、第1ユーザが所属するグループのメンバーの平均ストレス値に問題がない場合には「追加サポート」が第1ユーザに提供される。ここで、ステップS215において、第1ユーザのストレス値が所定条件を満たす場合についても、「環境アドバイス」または「追加サポート」に加え、「個人アドバイス」も第1ユーザに提供されてもよい。この場合、「個人アドバイス」は第1ユーザのストレス値が所定条件を満たす場合は、所定条件を満たさない場合よりも、マインドフルネス瞑想の時間を長時間または高頻度としてもよい。
【0079】
図6Bにおける右側のフローチャートを参照して、制御部210は、定期ストレスチェックに関する回答画面を表示するように表示部250を制御する(ステップS250)。
【0080】
制御部210は、定期ストレスチェックに関する回答の入力が完了したか否かを判定する(ステップS255)。回答の入力が完了していないと判定されると(ステップS255においてNO)、制御部210は、回答の入力が完了するまで待機する。一方、回答の入力が完了したと判定されると(ステップS255においてYES)、制御部210は、回答情報をサーバ100に送信するように通信I/F240を制御する(ステップS260)。
【0081】
その後、制御部210は、サーバ100からアドバイス等を受信したか否かを判定する(ステップS265)。アドバイス等の一例としては、例えば、個人アドバイス、環境アドバイス、又は、追加サポートとして行なわれる第1ユーザ向けのアドバイスが含まれる。アドバイス等を受信していないと判定されると(ステップS265においてNO)、制御部210は、アドバイス等を受信するまで待機する。一方、アドバイス等を受信したと判定されると(ステップS265においてYES)、制御部210は、アドバイス等を表示するように表示部250を制御する(ステップS270)。
【0082】
図6Bに示されるフローチャートのうち、ステップS220における個人アドバイス、ステップS230における環境アドバイス、及び、ステップS235における追加サポートのうち少なくとも一部の内容は第1ユーザの忙しさに基づいて変更されてもよい。
【0083】
図7は、アドバイス内容等の変更手順を示すフローチャートである。このフローチャートに示される処理は、
図6BのステップS220,S230,S235の少なくとも一部において実行されてもよい。
図7を参照して、制御部110は、記憶部120に記憶されている忙しさ情報TB129を参照する(ステップS300)。制御部110は、忙しさ情報TB129の内容に基づいて、アドバイス等の内容を変更する(ステップS310)。
【0084】
例えば、第1ユーザにマインドフルネス瞑想を促す場合に、第1ユーザがあまり忙しくない場合には長めのプログラムが第1ユーザに提供される一方、第1ユーザが忙しい場合には短めのプログラムが第1ユーザに提供される。また、例えば、第1ユーザがあまり忙しくない場合には、第1ユーザが忙しい場合と比較して、マインドフルネス瞑想を促す頻度が高くなる(例えば、週1回から週4回へ変更)。また、例えば、第1ユーザがあまり忙しくない場合には、第1ユーザが忙しい場合と比較して、マインドフルネス瞑想を促す時間が長くなる。このような方法によれば、アドバイスが第1ユーザの忙しさに基づいて変更されるため、アドバイスの内容が第1ユーザにとって過度な負担となることを抑制することができる。なお、アドバイス等が第1ユーザに提供される時間帯は、例えば、忙しさ情報TB129に含まれる希望時間帯情報に従って決定されてもよい。
【0085】
第1ユーザがあまり忙しくなかったとしても、第1ユーザの所属するグループG1の他のユーザの多くが忙しい場合に、第1ユーザがマインドフルネス瞑想等に長時間を使用したり、高い頻度でマインドフルネス瞑想等をすることは、グループG1にとって必ずしも好ましくない。他のユーザが第1ユーザに対して不快に感じるかもしれないし、他のユーザの業務の一部を第1ユーザが担当するという道を閉ざすことになるためである。そのため、忙しさ情報TB129において管理されている各ユーザの忙しさ情報が、各ユーザが所属しているグループG1の忙しさ情報(
図3I)に基づいて補正されてもよい。
【0086】
図8は、各ユーザの忙しさ情報の補正手順を示すフローチャートである。このフローチャートに示される処理は、
図7に示されるフローチャートの処理を行なう前に実行されてもよい。
図8を参照して、制御部110は、記憶部120に記憶されているグループ忙しさ情報TB130を参照する(ステップS400)。制御部110は、グループ忙しさ情報TB130に基づいて忙しさ情報TB129を補正する(ステップS410)。例えば、各ユーザが所属するグループG1の忙しさが3又は4であれば(
図3I)、該ユーザの忙しさが1加算される(
図3H)。また、例えば、各ユーザが所属するグループG1の忙しさが5であれば、該ユーザの忙しさが2加算される。このような方法によれば、各ユーザの忙しさ情報がグループG1の忙しさに基づいて補正されるため、グループ全体の忙しさを考慮した内容のアドバイスを第1ユーザに提供することができる。なお、アドバイス等がグループG1の全員に提供される場合に、その時間帯は、例えば、グループ忙しさ情報TB130に含まれる希望時間帯情報に従って決定されてもよい。
【0087】
上述のように、
図6Bに示されるフローチャートのうちステップS235においては、第1ユーザに対する追加のサポートが実行される。メンタル管理システム10においては、追加のサポートとして複数種類のサポートが予め準備されている。複数種類のサポートからいずれかのサポートを選択する手順について次に説明する。
【0088】
図9は、複数種類のサポートから第1ユーザに適用するサポートを選択する手順を示すフローチャートである。
図9を参照して、制御部110は、所属意識TB123を参照して、第1ユーザの会社への所属意識が所定条件を満たすか否かを判定する(ステップS500)。所定条件としては、例えば、i)「職場において気軽に思ったことを発言できますか?」という質問に対する回答が「可能」、ii)「所属グループが自分の居場所であると感じますか?」という質問に対する回答が所定得点以上、iii)「グループ内に気軽に話せる人は何人いますか?」という質問に対する回答が1人以上のうちの少なくとも1つを満たすことが挙げられる。
【0089】
第1ユーザの会社への所属意識が所定条件を満たさないと判定されると(ステップS500においてNO)、処理はステップS520へ移行する。一方、第1ユーザの会社への所属意識が所定条件を満たすと判定されると(ステップS500においてYES)、制御部110は、ヘルプアドバイス及び他者サポート依頼を有効化する(ステップS510)。ヘルプアドバイスとは、制御部110によって選択された他のユーザ(社員)へ話しかけるように第1ユーザに促すアドバイスである。他者サポート依頼とは、制御部110によって選択された他のユーザ(社員)へ第1ユーザをサポートするように促す依頼である。制御部110が他のユーザをどのように選択するかについては後程詳しく説明する。また、これらのアドバイスを「有効化する」とは、これらのアドバイスを第1ユーザに提供するサポートの候補とすることを意味する。このように、メンタル管理システム10においては、第1ユーザの会社への所属意識がある程度高い場合にのみ会社CM1に所属する社員が第1ユーザの相談相手(第2ユーザ)となり、第1ユーザのメンタル状態の改善に効果が薄い場合に社内の第2ユーザが選択されないため、第2ユーザに過度な負担がかかることが抑制されている。
【0090】
その後、制御部110は、所定条件を満たす家族を第1ユーザが有しているか否かを判定する(ステップS520)。所定条件としては、例えば、i)第1ユーザが配偶者を有すること、ii)家族関係が良好であること、iii)配偶者のストレス値が所定値以下であることのすべてを満たすことが挙げられる。例えば、上記i)ii)に関する情報は、登録情報TB122を参照することによって得られる。また、iii)に関する情報は、例えば、第1ユーザの配偶者が第2ユーザ候補となった場合等に、第1ユーザの配偶者に端末200を介して別途入力してもらってもよい。
【0091】
所定条件を満たす家族を第1ユーザが有していると判定されると(ステップS520においてYES)、制御部110は、家族アドバイスを有効化する(ステップS530)。家族アドバイスとは、第1ユーザの家族へ第1ユーザをサポートするように促すアドバイスである。家族アドバイスが選択されると、第1ユーザの家族の端末200にアドバイスを示す情報が送信される。
【0092】
一方、所定条件を満たす家族を第1ユーザが有していないと判定されると(ステップS520においてNO)、制御部110は、メンタル管理室アドバイス及びカウンセリングを有効化する(ステップS540)。メンタル管理室アドバイスとは、メンタル管理室M1へ第1ユーザをサポートするように促すアドバイスである。メンタル管理室アドバイスが選択されると、メンタル管理室M1に配置された端末200にアドバイスを示す情報が送信される。また、カウンセリングとは、カウンセラCS1へ第1ユーザをサポートするように促すアドバイスである。カウンセリングが選択されると、カウンセラCS1の端末200にアドバイスを示す情報が送信される。
【0093】
その後、制御部110は、有効化された施策(アドバイス等)からいずれかの施策を選択する(ステップS550)。複数の施策が有効化されている場合に、ヘルプアドバイス及び他者サポート依頼は、家族アドバイス、メンタル管理室アドバイス及びカウンセリングよりも優先的に選択される。
【0094】
例えば、ヘルプアドバイス及び他者サポート依頼において第2ユーザとして選択されるのは会社CM1の社員である。会社CM1の社員は、メンタル管理システム10において用意されたストレスチェック等に回答するユーザである(このようなユーザを第1ユーザ群のユーザという。)。一方、家族F1、メンタル管理室M1の職員及びカウンセラCS1の各々は、例えば、メンタル管理システム10において用意されたストレスチェック等に回答しないユーザである(このようなユーザを第2ユーザ群のユーザという。)。すなわち、第2ユーザ群に含まれるユーザによるサポートは、第1ユーザ群の中に第2ユーザとして選択可能なユーザが存在しない場合に行なわれる。第1ユーザのメンタル状態によっては、第1ユーザと同じ環境に存在するユーザ達(第1ユーザ群)のいずれもが第2ユーザとして相応しくないという事態が生じ得る。このような方法によれば、そのような事態が生じた場合に第2ユーザ群に属するユーザによるサポートが行なわれるため、そのような事態が生じたとしても第1ユーザのメンタル状態をより適切に管理することができる。
【0095】
図10は、ヘルプアドバイス及び他者サポート依頼の両方が有効化されている場合における施策の選択手順を示すフローチャートである。
図10を参照して、制御部110は、既にヘルプアドバイスを実行済み、あるいはヘルプアドバイスを第1ユーザに提示済みであるにもかかわらず第1ユーザのメンタル状態が改善していないのか否かを判定する(ステップS600)。ヘルプアドバイスを実行済み、あるいはヘルプアドバイスを第1ユーザに提示済みでないと判定されると(ステップS600においてNO)、制御部110は、ヘルプアドバイスを選択する(ステップS620)。一方、ヘルプアドバイスが実行済み、あるいはヘルプアドバイスを第1ユーザに提示済みであると判定されると(ステップS600においてYES)、制御部110は、他者サポート依頼を選択する(ステップS610)。
【0096】
すなわち、メンタル管理システム10においては、ヘルプアドバイスが他者サポート依頼よりも先に実行される。換言すれば、他者サポート依頼は、ヘルプアドバイスの後に第1ユーザのメンタル状態が改善しない場合に行なわれる。この方法によれば、必要以上に他のユーザ(社員)にサポート依頼が通知されないため、他のユーザの負担が必要以上に大きくなることを回避することができる。
【0097】
再び
図9を参照して、ステップS550においていずれかの施策が選択されると、制御部110は、選択された施策を実行する(ステップS560)。例えば、ヘルプアドバイス又は他者サポート依頼が選択された場合に、制御部110は、会社CM1に所属するユーザからいずれかのユーザを第2ユーザとして選択する。ヘルプアドバイスが選択された場合には、第2ユーザに話しかけるように第1ユーザに促す内容のアドバイスが第1ユーザの端末200に送信される。他者サポート依頼が選択された場合には、第1ユーザをサポートするように促す内容のアドバイスが第2ユーザの端末200に送信される。
【0098】
図11は、第2ユーザの選択手順を示すフローチャートである。
図11を参照して、制御部110は、ユーザストレス推移TB125を参照することによって、会社CM1に所属するユーザのうち、ストレス値が閾値以下のユーザを第2ユーザの候補者としてリストアップする。制御部110は、各種TBを参照し(ステップS710)、各種TBの内容に基づいて、リストアップされた候補者から第2ユーザ(サポーター又はヘルパー)を決定する(ステップS720)。
【0099】
例えば、制御部110は、各候補者の第2ユーザとしての適性を得点化する。例えば、第1ユーザがオフィス勤務である場合には、オフィス勤務の候補者の得点に加算があってもよい。第1ユーザがオフィス勤務である場合には、オフィス勤務のユーザが第2ユーザとして選択された方が、在宅勤務のユーザが第2ユーザとして選択されるよりも、第1ユーザと第2ユーザとのコミュニケーションが密になる。このような方法によれば、第1ユーザがオフィス勤務である場合に、第1ユーザと第2ユーザとのコミュニケーションがより密になるため、第1ユーザのメンタル状態をより適切に管理することができる。また、例えば、第1ユーザがオフィス勤務と在宅勤務の2つの勤務形態である場合には、第1ユーザがオフィス勤務を予定している日については、オフィス勤務の候補者の得点を加算してもよい。また、例えば、第1ユーザが在宅勤務である場合には、第2ユーザの勤務形態に基づく候補者の得点の加算が行なわれなくてもよい。第1ユーザが在宅勤務である場合には、オフィス勤務のユーザであっても在宅勤務のユーザであっても、第1ユーザとのコミュニケーションに差が生じないためである。
【0100】
また、例えば、第1ユーザとの親睦度が高い候補者の得点に加算があってもよい。親睦度とは、現時点における互いの仲良さを示す。親睦度は、例えば、互いのコミュニケーション量、知り合ってからの時間的な長さ、会話頻度、実際に一緒に行動する時間の長さ等に基づいて算出される。算出された親睦度に関する情報は、親睦関係TB124に記憶されている。特に、ヘルプアドバイスにおける第2ユーザの選択時には、他者サポート依頼における第2ユーザの選択時よりも、親睦度による加点度合いを高くしてもよい。親睦度が高い相手が第2ユーザに選ばれている方が、第1ユーザが容易に第2ユーザに声を掛けることができるためである。
【0101】
また、例えば、第1ユーザとの相性度が高い(相性が良い)候補者の得点に加算があってもよい。相性度とは、性格傾向、趣味趣向、家族構成等の共通事項に基づいて二人が潜在的に仲良くなりうる確率を示す。相性度は、例えば、登録情報TB122に記憶されている性格、趣味等の情報に基づいて算出される。すなわち、第1ユーザとの親睦度や相性度が考慮された上で第2ユーザが選択されてもよい。
【0102】
このような方法によれば、第1ユーザと第2ユーザとのコミュニケーションが円滑に行なわれる可能性が高いため、第1ユーザのメンタル状態をより適切に管理することができる。
【0103】
また、例えば、サポート要望TB127を参照した上で、第1ユーザが希望相談相手として挙げている候補者の得点に加算があってもよい。このような方法によれば、第2ユーザの選択において第1ユーザの希望が考慮されるため、より適切なユーザを第2ユーザに選択することができる。
【0104】
また、例えば、フィードバック情報TB128を参照した上で、フィードバック情報の内容が良い候補者の得点に加算があってもよい。このような方法によれば、第2ユーザの選択時に過去のフィードバック情報が考慮されるため、より適切なユーザを第2ユーザに選択することができる。
【0105】
その後、制御部110は、アドバイス等の通知を行なう(ステップS730)。例えば、ヘルプアドバイスが選択された場合に、制御部110は、第2ユーザに話しかけるように促すアドバイスを第1ユーザに通知する。また、他者サポート依頼が選択された場合に、制御部110は、第1ユーザのサポートを促すアドバイスを第2ユーザに通知する。第2ユーザに通知する内容は、例えば、第1ユーザの名前に関する情報、第1ユーザのメンタル状態に関する情報、第1ユーザに適したアドバイスに関する情報、第2ユーザから第1ユーザへのコミュニケーションの開始を促す情報等の第1ユーザに関する情報である。したがって、本実施の形態に従うメンタル管理システム10によれば、第2ユーザはサポートを必要としている第1ユーザの情報を得ることができる。この際、通知の内容として、「第1ユーザと話をしてみてください」「第1ユーザへ優しくしてあげてください」等と表示することもできる。これにより、第2ユーザに第1ユーザのメンタル状態について詳細に伝えなくても、第1ユーザに注意を払う余裕がある第2ユーザによる第1ユーザに対するサポートを期待することができる。一方で、通知の内容として、「第1ユーザが○○について悩んでいます。悩みを聞いてあげてください」等と表示することもできる。第2ユーザは、第1ユーザの悩みを事前に把握した状態で、第1ユーザのサポートを行うことができる。また、例えば、単に通知するだけでなく、第1ユーザ及び第2ユーザ間でのオンライン通話、チャットが自動的に開始されるような仕組みが設けられてもよい。また、例えば、単に通知するだけでなく、第1ユーザ及び第2ユーザ間のスケジュールを管理するシステムに交流する時間が自動的に設定されてもよい。
【0106】
このように、ステップS700の処理が実行されることによって、第2ユーザとしては、メンタル状態が所定条件を満たすユーザが選ばれる。所定条件の一例は、ストレス値が閾値よりも低いことである。したがって、本実施の形態に従うメンタル管理システム10によれば、第1ユーザに注意を払う余裕がある第2ユーザによる第1ユーザに対するサポートを期待することができるため、第1ユーザのメンタル状態をより適切に管理することができる。
【0107】
図12は、他者サポート依頼が選択された場合における第2ユーザの端末200における動作を示すフローチャートである。
図12を参照して、制御部210は、サーバ100からアドバイスを受信したか否かを判定する(ステップS800)。アドバイスを受信していないと判定されると(ステップS800においてNO)、制御部210は、アドバイスを受信するまで待機する。一方、アドバイスを受信したと判定されると(ステップS800においてYES)、制御部210は、受信されたアドバイスを表示するように表示部250を制御する(ステップS810)。表示部250に表示されたアドバイスを参照することにより、第2ユーザは、行動を起こすことができる。その結果、第1ユーザのメンタル状態に良い影響が与えられる。
【0108】
また、上述のように、ヘルプアドバイス又は他者サポート依頼が行なわれた後に、サポートを行なった社員等(第2ユーザ)についてのフィードバックが行なわれる。具体的には、サポートを受けた社員(第1ユーザ)及びサポートを行なった社員(第2ユーザ)の各々が端末200を介してフィードバック情報をサーバ100に送信する。
【0109】
図13は、サポート後のフィードバック手順を示すフローチャートである。
図13における左側のフローチャートに示される処理はサーバ100の制御部110によって実行され、
図13における右側のフローチャートに示される処理は端末200の制御部210によって実行される。
【0110】
図13における左側のフローチャートを参照して、制御部110は、フィードバックに関する回答を受信したか否かを判定する(ステップS900)。フィードバックに関する回答を受信していないと判定されると(ステップS900においてNO)、制御部110は、回答を受信するまで待機する。一方、フィードバックに関する回答を受信したと判定されると(ステップS900においてYES)、制御部110は、受信した回答に基づいてフィードバック情報TB128を更新する(ステップS910)。
【0111】
図13における右側のフローチャートを参照して、制御部210は、フィードバックに関する回答画面を表示するように表示部250を制御する(ステップS1000)。制御部210は、回答の入力が完了したか否かを判定する(ステップS1010)。入力が完了していないと判定されると(ステップS1010においてNO)、制御部210は、入力が完了するまで待機する。一方、入力が完了したと判定されると(ステップS1010においてYES)、制御部210は、入力された回答をサーバ100に送信するように通信I/F240を制御する(ステップS1020)。このような手順により、フィードバック情報TB128の更新が行なわれる。
【0112】
[4.特徴]
以上のように、メンタル管理システム10においては、第1ユーザのメンタル状態に関する情報が第1ユーザとは異なる第2ユーザに通知される。第2ユーザのメンタル状態は所定条件を満たす。したがって、メンタル管理システム10によれば、第1ユーザに注意を払う余裕がある第2ユーザによる第1ユーザに対するサポートを期待することができるため、第1ユーザのメンタル状態をより適切に管理することができる。
【符号の説明】
【0113】
10 メンタル管理システム、100 サーバ、110,210 制御部、111,211 CPU、112,212 RAM、113,213 ROM、120,220 記憶部、121,221 制御プログラム、122 登録情報TB、123 所属意識TB、124 親睦関係TB、125 ユーザストレス推移TB、126 グループストレスTB、127 サポート要望TB、128 フィードバック情報TB、129 忙しさ情報TB、130 グループ忙しさ情報TB、140,240 通信I/F、161 取得部、162 選択部、163 情報生成部、164 通知部、200 端末、250 表示部、260 受付部、CM1 会社、CS1 カウンセラ、F1 家族、G1 グループ、H1 ユーザ宅、M1 メンタル管理室、O1 職場。