(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022175512
(43)【公開日】2022-11-25
(54)【発明の名称】ブレーキキャリパ
(51)【国際特許分類】
F16D 55/2255 20060101AFI20221117BHJP
B61H 5/00 20060101ALI20221117BHJP
F16D 65/56 20060101ALI20221117BHJP
【FI】
F16D55/2255 103F
B61H5/00
F16D65/56 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021081932
(22)【出願日】2021-05-13
(71)【出願人】
【識別番号】503405689
【氏名又は名称】ナブテスコ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】内海 崇
【テーマコード(参考)】
3J058
【Fターム(参考)】
3J058AA43
3J058AA48
3J058AA53
3J058AA77
3J058AA87
3J058AA88
3J058BA70
3J058CC04
3J058CC07
3J058DA04
3J058DA05
3J058DA29
3J058EA15
3J058FA21
(57)【要約】
【課題】容易に部材を交換することができるブレーキキャリパを提供する。
【解決手段】ブレーキキャリパは、ディスクを挟むことで制動力を発生させるブレーキパッドを保持する左上レバー47と、ブレーキパッドとディスクとの距離が変わるように左上レバー47を回転可能に支持する左側支持部32Aとを備える。左上レバー47と左側支持部32Aとの接触面の間に、左上レバー47又は左側支持部32Aよりも硬度が低い交換部材100を有する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブレーキディスクを挟むことで制動力を発生させるブレーキパッドを保持するキャリパレバーと、
前記ブレーキパッドと前記ブレーキディスクとの距離が変わるように前記キャリパレバーを回転可能に支持する支持部と、を備え、
前記キャリパレバーと前記支持部との接触面の間に、前記キャリパレバー又は前記支持部よりも硬度が低い交換部材を有する
ブレーキキャリパ。
【請求項2】
前記交換部材は、前記キャリパレバー及び前記支持部よりも硬度が低い
請求項1に記載のブレーキキャリパ。
【請求項3】
前記支持部は、前記キャリパレバーを支点で回転するように駆動するアクチュエータを保持するボディである
請求項1又は2に記載のブレーキキャリパ。
【請求項4】
前記ボディは、前記キャリパレバーが嵌って前記キャリパレバーが回転可能に支持されるピンを有し、
前記交換部材は、前記ピンの先端部と前記キャリパレバーとの接触面の間、及び、前記ピンの根本部の周囲と前記キャリパレバーとの接触面の間、の少なくとも一方に設けられる
請求項3に記載のブレーキキャリパ。
【請求項5】
前記ピンの軸と直交するラジアル方向に作用する荷重を受けるように前記ピンの周囲に設けられるラジアル軸受と、
前記ラジアル軸受の前記ピンの軸方向における位置を制限する制限部材と、を備え、
前記交換部材は、前記ピンの根本部の周囲と前記キャリパレバーとの接触面の間に設けられ、
前記キャリパレバーは、前記制限部材と接触せず、前記交換部材と接触するように設けられる
請求項4に記載のブレーキキャリパ。
【請求項6】
前記交換部材は、開口を有する環状であり、前記ピンの根本部と前記キャリパレバーとの接触面の間に、前記ピンが前記開口に貫通された状態で設けられる
請求項4又は5に記載のブレーキキャリパ。
【請求項7】
前記交換部材は、前記キャリパレバーの上部と前記ボディとの接触面、及び前記キャリパレバーの下部と前記ボディとの接触面のそれぞれの間に設けられる
請求項3~6のいずれか一項に記載のブレーキキャリパ。
【請求項8】
前記交換部材と前記ボディとの接触面の間に設けられる弾性部材を更に備える
請求項3~7のいずれか一項に記載のブレーキキャリパ。
【請求項9】
前記ボディは、前記キャリパレバーが嵌って前記キャリパレバーが回転可能に支持されるピンを有し、
前記交換部材及び前記弾性部材は、開口を有する環状であり、前記ピンの根本部と前記キャリパレバーとの接触面の間に、前記ピンが前記開口に貫通された状態で設けられる
請求項8に記載のブレーキキャリパ。
【請求項10】
前記弾性部材は、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴムの少なくとも1つからなる
請求項8又は9に記載のブレーキキャリパ。
【請求項11】
前記弾性部材と前記交換部材との接触面積は、前記交換部材と前記キャリパレバーとの接触面積よりも大きい
請求項8~10のいずれか一項に記載のブレーキキャリパ。
【請求項12】
前記支持部は、前記ブレーキパッドの端部に支点で回転するように接続され、前記ブレーキディスクと前記ブレーキパッドとの間の隙間を調整する隙間調整器である
請求項1又は2に記載のブレーキキャリパ。
【請求項13】
ブレーキディスクを挟むことで制動力を発生させるブレーキパッドを保持するキャリパレバーと、
前記ブレーキパッドと前記ブレーキディスクとの距離が変わるように前記キャリパレバーを回転可能に支持するとともに、前記キャリパレバーを支点で回転するように駆動するアクチュエータを保持するボディと、
前記キャリパレバー及び前記ボディよりも硬度が低い交換部材と、を備え、
前記ボディは、前記キャリパレバーが嵌って前記キャリパレバーが回転可能に支持されるピンを有し、
前記交換部材は、前記ピンの先端部と前記キャリパレバーとの接触面の間、及び、前記ピンの根本部の周囲と前記キャリパレバーとの接触面の間、の少なくとも一方に設けられる
ブレーキキャリパ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブレーキキャリパに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、鉄道車両の車輪と一体に回転するディスクにブレーキパッドを押し付けることにより車輪にブレーキ力を付与するブレーキキャリパ装置が開示されている。ブレーキキャリパ装置は、先端部にブレーキパッドが取り付けられる左右一対のキャリパレバーと、ブレーキパッドを介してディスクを左右一対のキャリパレバーが接近及び離間するように駆動するアクチュエータと、左右一対のキャリパレバーのそれぞれを、回転軸を介して回転可能に保持するボディとを備える。左右一対のキャリパレバーの基端部の間には、隙間調整器が取り付けられている。キャリパレバーは、回転軸によって回転可能に保持されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記特許文献1に記載のブレーキキャリパ装置では、制動時に軸方向トルク及び回転摺動荷重がキャリパレバーとボディとの間の接触部に掛かる。このため、キャリパレバーとボディとの間における摺動抵抗が増大すると、キャリパレバーとの摩耗によってボディ等の支持部が摩耗して、支持部の交換を必要とするおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するブレーキキャリパは、ブレーキディスクを挟むことで制動力を発生させるブレーキパッドを保持するキャリパレバーと、前記ブレーキパッドと前記ブレーキディスクとの距離が変わるように前記キャリパレバーを回転可能に支持する支持部と、を備え、前記キャリパレバーと前記支持部との接触面の間に、前記キャリパレバー又は前記支持部よりも硬度が低い交換部材を有する。
【0006】
上記構成によれば、キャリパレバーの回動時に、キャリパレバー又は支持部よりも硬度が低い交換部材と、キャリパレバー又は支持部とが接触するので、交換部材が摩耗する。従って、キャリパレバーと支持部との接触によってキャリパレバー又は支持部が損傷する場合と比較して、交換部材を交換することで容易に部材を交換することができる。
【0007】
上記ブレーキキャリパについて、前記交換部材は、前記キャリパレバー及び前記支持部よりも硬度が低いことが好ましい。
上記ブレーキキャリパについて、前記支持部は、前記キャリパレバーを支点で回転するように駆動するアクチュエータを保持するボディであることが好ましい。
【0008】
上記ブレーキキャリパについて、前記ボディは、前記キャリパレバーが嵌って前記キャリパレバーが回転可能に支持されるピンを有し、前記交換部材は、前記ピンの先端部と前記キャリパレバーとの接触面の間、及び、前記ピンの根本部の周囲と前記キャリパレバーとの接触面の間、の少なくとも一方に設けられることが好ましい。
【0009】
上記ブレーキキャリパについて、前記ピンの軸と直交するラジアル方向に作用する荷重を受けるように前記ピンの周囲に設けられるラジアル軸受と、前記ラジアル軸受の前記ピンの軸方向における位置を制限する制限部材と、を備え、前記交換部材は、前記ピンの根本部の周囲と前記キャリパレバーとの接触面の間に設けられ、前記キャリパレバーは、前記制限部材と接触せず、前記交換部材と接触するように設けられることが好ましい。
【0010】
上記ブレーキキャリパについて、前記交換部材は、開口を有する環状であり、前記ピンの根本部と前記キャリパレバーとの接触面の間に、前記ピンが前記開口に貫通された状態で設けられることが好ましい。
【0011】
上記ブレーキキャリパについて、前記交換部材は、前記キャリパレバーの上部と前記ボディとの接触面、及び前記キャリパレバーの下部と前記ボディとの接触面のそれぞれの間に設けられることが好ましい。
【0012】
上記ブレーキキャリパについて、前記交換部材と前記ボディとの接触面の間に設けられる弾性部材を更に備えることが好ましい。
上記ブレーキキャリパについて、前記ボディは、前記キャリパレバーが嵌って前記キャリパレバーが回転可能に支持されるピンを有し、前記交換部材及び前記弾性部材は、開口を有する環状であり、前記ピンの根本部と前記キャリパレバーとの接触面の間に、前記ピンが前記開口に貫通された状態で設けられることが好ましい。
【0013】
上記ブレーキキャリパについて、前記弾性部材は、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴムの少なくとも1つからなることが好ましい。
上記ブレーキキャリパについて、前記弾性部材と前記交換部材との接触面積は、前記交換部材と前記キャリパレバーとの接触面積よりも大きいことが好ましい。
【0014】
上記ブレーキキャリパについて、前記支持部は、前記ブレーキパッドの端部に支点で回転するように接続され、前記ブレーキディスクと前記ブレーキパッドとの間の隙間を調整する隙間調整器であることが好ましい。
【0015】
上記課題を解決するブレーキキャリパは、ブレーキディスクを挟むことで制動力を発生させるブレーキパッドを保持するキャリパレバーと、前記ブレーキパッドと前記ブレーキディスクとの距離が変わるように前記キャリパレバーを回転可能に支持するとともに、前記キャリパレバーを支点で回転するように駆動するアクチュエータを保持するボディと、前記キャリパレバー及び前記ボディよりも硬度が低い交換部材と、を備え、前記ボディは、前記キャリパレバーが嵌って前記キャリパレバーが回転可能に支持されるピンを有し、前記交換部材は、前記ピンの先端部と前記キャリパレバーとの接触面の間、及び、前記ピンの根本部の周囲と前記キャリパレバーとの接触面の間、の少なくとも一方に設けられる。
【0016】
上記構成によれば、キャリパレバーの回動時に、キャリパレバー及びボディよりも硬度が低い交換部材と、キャリパレバー又はボディとが接触するので、交換部材が摩耗する。従って、キャリパレバーとボディとの接触によってキャリパレバー又はボディが損傷する場合と比較して、交換部材を交換することで容易に部材を交換することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、容易に部材を交換することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】ブレーキキャリパ装置の第1実施形態の構成を示す斜視図。
【
図2】同実施形態のブレーキキャリパ装置の構成を示す平断面図。
【
図3】同実施形態のブレーキキャリパ装置の構成を示す分解斜視図。
【
図4】同実施形態のブレーキキャリパ装置の構成を示す左側面の部分断面図。
【
図5】同実施形態のブレーキキャリパ装置の左上レバーと左側回転ピンとの接続部分の構成を示す拡大断面図。
【
図6】同実施形態のブレーキキャリパ装置の左上レバーと左側回転ピンとの接続部分の構成を示す拡大断面図。
【
図7】同実施形態のブレーキキャリパ装置の左下レバーと左側回転ピンとの接続部分の構成を示す拡大断面図。
【
図8】同実施形態のブレーキキャリパ装置の左下レバーと左側回転ピンとの接続部分の構成を示す拡大断面図。
【
図9】同実施形態のブレーキキャリパ装置の構成を示す右側面の部分断面図。
【
図10】同実施形態のブレーキキャリパ装置の右上レバーと右側回転ピンとの接続部分の構成を示す拡大断面図。
【
図11】同実施形態のブレーキキャリパ装置の右下レバーと右側回転ピンとの接続部分の構成を示す拡大断面図。
【
図12】同実施形態のブレーキキャリパ装置に設けられる交換部材に掛かる応力を示す図。
【
図13】同実施形態のブレーキキャリパ装置に設けられる交換部材に掛かる応力を示す図。
【
図14】ブレーキキャリパ装置の第2実施形態の左上レバーと左側回転ピンとの接続部分の構成を示す拡大断面図。
【
図15】同実施形態のブレーキキャリパ装置の左下レバーと左側回転ピンとの接続部分の構成を示す拡大断面図。
【
図16】同実施形態のブレーキキャリパ装置の右上レバーと右側回転ピンとの接続部分の構成を示す拡大断面図。
【
図17】同実施形態のブレーキキャリパ装置の右下レバーと右側回転ピンとの接続部分の構成を示す拡大断面図。
【
図18】ブレーキキャリパ装置の第3実施形態の左上レバーと隙間調整器との接続部分及び左下レバーと隙間調整器との接続部分の構成を示す拡大部分断面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(第1実施形態)
以下、
図1~
図13を参照して、ブレーキキャリパ装置の第1実施形態について説明する。
【0020】
図1及び
図2に示すように、ブレーキキャリパ装置20は、図示しない鉄道車両の台車に取り付けられ、台車の車輪を回転させる車軸と一体に回転する円盤状のディスク11(
図2参照)にブレーキパッド12を押し付けることによりブレーキ力を車輪に付与する。すなわち、ブレーキキャリパ装置20は、ディスク11とともにディスクブレーキ装置を構成する。ブレーキキャリパ装置20は、ブレーキキャリパ14とシリンダ装置15とを備える。なお、ディスク11がブレーキディスクに相当する。
【0021】
ブレーキキャリパ装置20は、台車に取り付けられるブラケット21(
図1参照)と、ブラケット21に回転可能に吊り下げられるボディ30と、ボディ30に保持される一対の左キャリパレバー40及び右キャリパレバー50とを備える。左キャリパレバー40及び右キャリパレバー50は、ディスク11を挟むことで制動力を発生させるブレーキパッド12をそれぞれ保持する。ボディ30は、ブレーキパッド12とディスク11との距離が変わるように一対の左キャリパレバー40及び右キャリパレバー50のそれぞれを回転可能に支持する。
【0022】
また、ブレーキキャリパ装置20は、ブレーキパッド12がディスク11を押圧するように左キャリパレバー40及び右キャリパレバー50を支点で回転するように駆動するシリンダ装置15を備える。シリンダ装置15は、圧縮空気の供給と排出とによって駆動する。シリンダ装置15に供給される圧縮空気は、鉄道車両に搭載されるタンクから供給される。シリンダ装置15は、ボディ30に着脱可能に取り付けられている。なお、シリンダ装置15がアクチュエータに相当する。
【0023】
ブラケット21は、第1ブラケット21Aと第2ブラケット21Bとを備える。第1ブラケット21Aと第2ブラケット21Bとの間には、ボディ30が挟まれる。第1ブラケット21Aとボディ30と第2ブラケット21Bとには連結ピン22が貫通されて、第1ブラケット21Aとボディ30と第2ブラケット21Bとが連結される。ボディ30は、連結ピン22が貫通する基部31を備える。基部31は、台車の車軸の軸方向と直交し、左キャリパレバー40及び右キャリパレバー50の延在方向に沿う回転軸Pを中心に回転する。
【0024】
ボディ30は、基部31の下方から左右の左キャリパレバー40及び右キャリパレバー50に向かって延出して左キャリパレバー40及び右キャリパレバー50を支持する第1支持部32を備える。ボディ30は、第1支持部32の中央から左キャリパレバー40及び右キャリパレバー50の長手方向の後方に延出してシリンダ装置15を支持する第2支持部33を備える。第2支持部33は、板状の部材である。ボディ30の基部31、第1支持部32、及び第2支持部33は、一体に成形されている。台車が車軸の軸方向に傾いたとしてもボディ30が回転軸Pを中心に回転するため、ブレーキパッド12をディスク11と常に平行に保つことができる。
【0025】
第1支持部32の左側には、左キャリパレバー40を支持する左側支持部32Aが設けられている。左側支持部32Aには、左キャリパレバー40をボディ30に対して回転可能に支持する左側回転ピン35が貫通されている。左側回転ピン35は、ボディ30に保持され、左側支持部32Aに対して回転可能である。左側回転ピン35には、シリンダ装置15の駆動力によって操作される操作レバー35Aが固定されている。第1支持部32の右側には、右キャリパレバー50を支持する右側支持部32Bが設けられている。右側支持部32Bには、右キャリパレバー50をボディ30に対して回転可能に支持する右側回転ピン36が上側と下側とにそれぞれ貫通されている。右側回転ピン36は、右側支持部32Bに固定されている。なお、左側回転ピン35及び右側回転ピン36がピンに相当する。
【0026】
図3に示すように、左キャリパレバー40は、一対の左上レバー47と左下レバー48とを備えている。一対の左上レバー47と左下レバー48とは、左側回転ピン35の軸方向において離間し互いに対向する。左キャリパレバー40の先端部には、ブレーキパッド12が取り付けられるパッド取付部材42が2個のパッド回転ピン43により接続されている(
図1参照)。パッド回転ピン43は、左上レバー47と左下レバー48とに対して回転可能である。パッド回転ピン43は、パッド取付部材42に固定されている。左上レバー47と左下レバー48とは、左レバー連結ピン46によって連結されている。
【0027】
右キャリパレバー50は、一対の右上レバー57と右下レバー58とを備えている。一対の右上レバー57と右下レバー58とは、右側回転ピン36の軸方向において離間し互いに対向する。右キャリパレバー50の先端部には、ブレーキパッド12が取り付けられるパッド取付部材52が2個のパッド回転ピン53により接続されている。パッド回転ピン53は、右上レバー57と右下レバー58とに対して回転可能である。パッド回転ピン53は、パッド取付部材52に固定されている。右上レバー57と右下レバー58とは、右レバー連結ピン56によって連絡されている。
【0028】
図2に示すように、シリンダ装置15は、ボディ30の第2支持部33に取り付けられている。シリンダ装置15は、常用ブレーキシリンダ70と駐車ブレーキシリンダ80とを備えている。第2支持部33の常用ブレーキシリンダ70と駐車ブレーキシリンダ80とが取り付けられる面は、車軸と垂直な面である。常用ブレーキシリンダ70は、ボディ30の第2支持部33の左側の面に取り付けられている。駐車ブレーキシリンダ80は、ボディ30の第2支持部33の右側の面に取り付けられている。よって、常用ブレーキシリンダ70と駐車ブレーキシリンダ80とは、ボディ30の第2支持部33を挟んで設けられている。なお、第2支持部33の常用ブレーキシリンダ70と駐車ブレーキシリンダ80とが取り付けられる面は、左キャリパレバー40及び右キャリパレバー50の延出方向と平行であって、ブレーキパッド12の面と平行である。
【0029】
図3に示すように、常用ブレーキシリンダ70と駐車ブレーキシリンダ80とは、各4個のボルトによって第2支持部33に固定されている。常用ブレーキシリンダ70と駐車ブレーキシリンダ80とは、第2支持部33の異なる位置にそれぞれボルトが固定されている。このため、常用ブレーキシリンダ70と駐車ブレーキシリンダ80とは、第2支持部33から別々に着脱することができる。
【0030】
図2に示すように、ボディ30の第2支持部33の中央には、開口33Aが設けられている。開口33Aは、左キャリパレバー40及び右キャリパレバー50の長手方向に延出する長孔となっている。このため、常用ブレーキシリンダ70及び駐車ブレーキシリンダ80を着脱するときに、開口33Aにおいて左キャリパレバー40及び右キャリパレバー50の長手方向に移動させることができる。
【0031】
常用ブレーキシリンダ70は、複数のボルトを外すことでボディ30の第2支持部33の左側の面から取り外すことができる。また、駐車ブレーキシリンダ80は、複数のボルトを外すことでボディ30の第2支持部33の右側の面から取り外すことができる。また、隙間調整装置110は、ボルト45及びボルト55を外すことで左キャリパレバー40及び右キャリパレバー50から取り外すことができる。このため、シリンダ装置15や隙間調整装置110を点検や交換するときに容易に着脱することができる。なお、シリンダ装置15を固定するボルトの数量は任意に設定してもよい。
【0032】
常用ブレーキシリンダ70は、第1シリンダ室71と、第1ピストン72と、第1ロッド73と、第1ばね74とを備えている。第1ピストン72は、第1シリンダ室71の中を移動する。第1ロッド73は、第1ピストン72に固定されて第1シリンダ室71から突出する。第1ばね74は、第1ロッド73が第1シリンダ室71に収容される方向に第1ピストン72を付勢する。第1シリンダ室71の第1ばね74が設けられていない側を第1空間75とする。常用ブレーキシリンダ70は、第1シリンダ室71の第1空間75に圧縮空気を供給する第1供給ポート76を備えている(
図3参照)。第1供給ポート76は、第1シリンダ室71の外部に設けられている。常用ブレーキシリンダ70は、第1シリンダ室71の第1空間75に圧縮空気が供給されると第1ピストン72が押されて第1ロッド73が突出する。また、常用ブレーキシリンダ70は、第1シリンダ室71の第1空間75から圧縮空気が排出されると第1ピストン72が第1ばね74に押されて第1ロッド73が第1シリンダ室71に収容される。
【0033】
駐車ブレーキシリンダ80は、第2シリンダ室81と、第2ピストン82と、第2ロッド83と、第2ばね84とを備えている。第2ピストン82は、第2シリンダ室81の中を移動する。第2ロッド83は、第2ピストン82に固定されて第2シリンダ室81から第1シリンダ室71に突出する。第2ばね84は、第2ロッド83が第2シリンダ室81から突出する方向に第2ピストン82を付勢する。第2シリンダ室81の第2ばね84が設けられていない側を第2空間85とする。駐車ブレーキシリンダ80は、第2シリンダ室81の第2空間85に圧縮空気を供給する第2供給ポート86(
図3参照)を備えている。第2供給ポート86は、第2シリンダ室81の外部に設けられている。駐車ブレーキシリンダ80は、第2シリンダ室81の第2空間85に圧縮空気が供給されると第2ピストン82が押されて第2ロッド83が第2シリンダ室81に収容される。また、駐車ブレーキシリンダ80は、第2シリンダ室81の第2空間85から圧縮空気が排出されると第2ピストン82が第2ばね84に押されて第2ロッド83が第2シリンダ室81から第1シリンダ室71に突出して第1ピストン72を押して第1ロッド73が突出する。
【0034】
第1シリンダ室71は、開口33Aに突出する第1突出部71Aを備えている。第2シリンダ室81は、開口33Aに突出する第2突出部81Aを備えている。第2突出部81Aには、第2ロッド83が貫通している。第1突出部71Aは、第2突出部81Aの外周に嵌合している。これにより、常用ブレーキシリンダ70の第1ロッド73と駐車ブレーキシリンダ80の第2ロッド83とは、同軸上に位置して、駐車ブレーキシリンダ80の出力が常用ブレーキシリンダ70に伝達される。
【0035】
操作レバー35Aの先端には、回転するローラ35Bが取り付けられている。シリンダ装置15の第1ロッド73の先端には、ローラ35Bを収容するとともに接触する貫通孔である収容部73Aが設けられている。この収容部73Aは、第1ロッド73の直線運動と操作レバー35Aの回転運動とのずれを吸収しつつ、第1ロッド73の駆動力を操作レバー35Aに伝達する。
【0036】
図1及び
図2に示すように、ブレーキキャリパ装置20は、ブレーキパッド12とディスク11との隙間を調整する隙間調整装置110を備えている。隙間調整装置110は、隙間を調整する隙間調整器111と、隙間調整器111に隙間を出力する隙間出力部90とを備えている。隙間出力部90は、シリンダ装置15の第1ロッド73の移動量に応じてワイヤー96を牽引する牽引部91と、ワイヤー96とを備える。隙間調整器111は、左キャリパレバー40の基端部と右キャリパレバー50の基端部とを連結している。左キャリパレバー40と隙間調整器111とは、上下一対のボルト45によって回動可能に連結されている。右キャリパレバー50と隙間調整器111とは、上下一対のボルト55によって回動可能に連結されている。左キャリパレバー40と隙間調整器111とは回転軸44にて回転し、右キャリパレバー50と隙間調整器111とは回転軸54にて回転する。
【0037】
図4に示すように、左側回転ピン35の上端部35Cは、左上レバー47の空間47Aに挿入されている。左側回転ピン35の上端部35Cは、左上レバー47に対して回転可能である。左上レバー47の空間47Aには、上端部ラジアル軸受65が設けられている。上端部ラジアル軸受65は、左側回転ピン35の軸と直交するラジアル方向に作用する荷重を受けるように左側回転ピン35の上端部35Cの周囲に設けられる。上端部ラジアル軸受65は、例えばニードルベアリングが採用される。このため、左側回転ピン35が回転されて、左側回転ピン35の上端部35Cが移動したときに、左側回転ピン35の上端部35Cが上端部ラジアル軸受65に接触することで、左側回転ピン35の上端部35Cと左上レバー47との接触摩擦を低減することができる。
【0038】
左側回転ピン35の下端部35Dは、左下レバー48の空間48Aに挿入されている。左側回転ピン35の下端部35Dは、左下レバー48に対して回転可能である。左下レバー48の空間48Aには、下端部ラジアル軸受66が設けられている。下端部ラジアル軸受66は、左側回転ピン35の軸と直交するラジアル方向に作用する荷重を受けるように左側回転ピン35の下端部35Dの周囲に設けられる。下端部ラジアル軸受66は、例えばニードルベアリングが採用される。このため、左側回転ピン35が回転されて、左側回転ピン35の下端部35Dが移動したときに、左側回転ピン35の下端部35Dが下端部ラジアル軸受66に接触することで、左側回転ピン35の上端部35Cと左下レバー48との接触摩擦を低減することができる。
【0039】
左側回転ピン35の上端部35C及び下端部35Dは、同軸上に位置して、左側回転ピン35の中心軸に対して偏心して位置している。このため、左側回転ピン35が回転されると、左側回転ピン35の上端部35C及び下端部35Dが左側回転ピン35の中心軸を回転中心として移動して左キャリパレバー40を駆動させる。
【0040】
左側回転ピン35の外周とボディ30との間には、ボディラジアル軸受67が上下に2個設けられている。ボディラジアル軸受67は、左側回転ピン35の軸と直交するラジアル方向に作用する荷重を受けるように左側回転ピン35の周囲に設けられる。左側回転ピン35が回転されたときに、左側回転ピン35がボディラジアル軸受67に接触することで、左側回転ピン35とボディ30との接触摩擦を低減することができる。ボディラジアル軸受67は、例えばニードルベアリングが採用される。
【0041】
図5及び
図6に示すように、左上レバー47と左側支持部32Aとの接触面の間には、交換部材100が設けられている。交換部材100は、左上レバー47よりも硬度が低い。交換部材100は、左側支持部32Aよりも硬度が低い。左側支持部32Aは、左側回転ピン35の上側根本部の周囲に位置する。このため、交換部材100は、左側回転ピン35の上側根本部の周囲と左上レバー47との接触面の間に設けられている。交換部材100は、開口を有する環状である。交換部材100は、左側回転ピン35が開口に貫通された状態で設けられる。左側支持部32Aと交換部材100との接触面の間には、弾性部材101が設けられている。弾性部材101は、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴムの少なくとも1つからなる。弾性部材101は、開口を有する環状である。弾性部材101は、左側回転ピン35が開口に貫通された状態で設けられる。また、交換部材100は、左側支持部32Aに設けられて、左上レバー47と摺動する。このため、左上レバー47よりも硬度が低い交換部材100が摩耗する。
【0042】
左側回転ピン35の上側根本部には、ボディラジアル軸受67の左側回転ピン35の軸方向における位置を制限する蓋37が設けられている。蓋37は、開口を有す環状の板材である。蓋37の縁部は、ボディラジアル軸受67に向かって立設している。蓋37は、固定ピン37Aによって左側回転ピン35に固定されている。蓋37は、左側支持部32Aとの間で密閉されるOリング37Bと、左上レバー47との間で密閉されるOリング37Cとを備えている。2つのOリング37B,37Cによってボディラジアル軸受67への異物の侵入が防止されている。なお、蓋37が制限部材に相当する。
【0043】
左側支持部32Aの上側には、環状の左上収容部32A1が設けられている。左上収容部32A1には、弾性部材101及び交換部材100が収容される。左側支持部32Aの縁部は、左上レバー47との間に隙間W1が形成されている。交換部材100は、左上収容部32A1から突出して左上レバー47と接触するように設けられている。左上レバー47は、蓋37と接触せず、交換部材100と接触するように設けられる。このため、左上レバー47が傾いたとしても左上レバー47が左側支持部32Aと接触しない。弾性部材101と交換部材100との接触面積は、交換部材100と左上レバー47との接触面積よりも大きい。
【0044】
図7及び
図8に示すように、左下レバー48と左側支持部32Aとの接触面の間には、交換部材100が設けられている。交換部材100は、左下レバー48よりも硬度が低い。交換部材100は、左側支持部32Aよりも硬度が低い。左側支持部32Aは、左側回転ピン35の下側根本部の周囲に位置する。このため、交換部材100は、左側回転ピン35の下側根本部の周囲と左下レバー48との接触面の間に設けられている。交換部材100は、開口を有する環状である。交換部材100は、左側回転ピン35が開口に貫通された状態で設けられる。左側支持部32Aと交換部材100との接触面の間には、弾性部材101が設けられている。弾性部材101は、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴムの少なくとも1つからなる。弾性部材101は、開口を有する環状である。弾性部材101は、左側回転ピン35が開口に貫通された状態で設けられる。また、交換部材100は、左側支持部32Aに設けられて、左下レバー48と摺動する。このため、左下レバー48よりも硬度が低い交換部材100が摩耗する。
【0045】
左側回転ピン35の下側根本部には、ボディラジアル軸受67の左側回転ピン35の軸方向における位置を制限する蓋37が設けられている。蓋37は、開口を有す環状の板材である。蓋37の縁部は、ボディラジアル軸受67に向かって立設している。蓋37は、固定ピン37Aによって左側回転ピン35に固定されている。蓋37は、左側支持部32Aとの間で密閉されるOリング37Bと、左下レバー48との間で密閉されるOリング37Cとを備えている。2つのOリング37B,37Cによってボディラジアル軸受67への粉塵等の異物の侵入が防止されている。よって、蓋37は、粉塵の流入を阻止する封止部材としても機能する。なお、蓋37が制限部材に相当する。
【0046】
左側支持部32Aの下側には、環状の左下収容部32A2が設けられている。左下収容部32A2には、弾性部材101及び交換部材100が収容される。左側支持部32Aの縁部は、左下レバー48との間に隙間W2が形成されている。交換部材100は、左下収容部32A2から突出して左下レバー48と接触するように設けられている。左下レバー48は、蓋37と接触せず、交換部材100と接触するように設けられる。このため、左下レバー48が傾いたとしても左下レバー48が左側支持部32Aと接触しない。弾性部材101と交換部材100との接触面積は、交換部材100と左下レバー48との接触面積よりも大きい。
【0047】
よって、交換部材100は、左キャリパレバー40の上部である左上レバー47と左側支持部32Aとの接触面、及び左キャリパレバー40の下部である左下レバー48と左側支持部32Aとの接触面のそれぞれの間に設けられる。
【0048】
図9に示すように、右側回転ピン36は、右上回転ピン36Aと右下回転ピン36Bとを備えている。右上回転ピン36Aと右下回転ピン36Bとは、同軸上に位置している。右上回転ピン36Aは、右上レバー57に挿入されている。右上レバー57は、右上回転ピン36Aに対して回転可能である。右下回転ピン36Bは、右下レバー58に挿入されている。右下レバー58は、右下回転ピン36Bに対して回転可能である。
【0049】
図10に示すように、右上レバー57の空間57Aには、上端部ラジアル軸受65が設けられている。上端部ラジアル軸受65は、右上回転ピン36Aの軸と直交するラジアル方向に作用する荷重を受けるように右上回転ピン36Aの周囲に設けられる。上端部ラジアル軸受65は、例えばニードルベアリングが採用される。このため、右上レバー57が回転されたときに、右上回転ピン36Aが上端部ラジアル軸受65に接触することで、右上回転ピン36Aと右上レバー57との接触摩擦を低減することができる。
【0050】
右上レバー57と右側支持部32Bとの接触面の間には、交換部材100が設けられている。交換部材100は、右上レバー57よりも硬度が低い。交換部材100は、右側支持部32Bよりも硬度が低い。右側支持部32Bは、右上回転ピン36Aの上側根本部の周囲に位置する。このため、交換部材100は、右側回転ピン36の上側根本部の周囲と右上レバー57との接触面の間に設けられている。交換部材100は、開口を有する環状である。交換部材100は、右側回転ピン36が開口に貫通された状態で設けられる。右側支持部32Bと交換部材100との接触面の間には、弾性部材101が設けられている。弾性部材101は、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴムの少なくとも1つからなる。弾性部材101は、開口を有する環状である。弾性部材101は、右上回転ピン36Aが開口に貫通された状態で設けられる。また、交換部材100は、右側支持部32Bに設けられて、右上レバー57と摺動する。このため、右上レバー57よりも硬度が低い交換部材100が摩耗する。
【0051】
右側支持部32Bの上側には、環状の右上収容部32B1が設けられている。右上収容部32B1には、弾性部材101及び交換部材100が収容される。右側支持部32Bの縁部は、右上レバー57との間に隙間W3が形成されている。交換部材100は、右上収容部32B1から突出して右上レバー57と接触するように設けられている。右上レバー57は、蓋37と接触せず、交換部材100と接触するように設けられる。このため、右上レバー57が傾いたとしても右上レバー57が右側支持部32Bと接触しない。弾性部材101と交換部材100との接触面積は、交換部材100と右上レバー57との接触面積よりも大きい。
【0052】
図11に示すように、右下レバー58の空間58Aには、下端部ラジアル軸受66が設けられている。下端部ラジアル軸受66は、右下回転ピン36Bの軸と直交するラジアル方向に作用する荷重を受けるように右下回転ピン36Bの周囲に設けられる。下端部ラジアル軸受66は、例えばニードルベアリングが採用される。このため、右下レバー58が回転されたときに、右下回転ピン36Bが下端部ラジアル軸受66に接触することで、右下回転ピン36Bと右下レバー58との接触摩擦を低減することができる。
【0053】
右下レバー58と右側支持部32Bとの接触面の間には、交換部材100が設けられている。交換部材100は、右下レバー58よりも硬度が低い。交換部材100は、右側支持部32Bよりも硬度が低い。右側支持部32Bは、右下回転ピン36Bの下側根本部の周囲に位置する。このため、交換部材100は、右側回転ピン36の下側根本部の周囲と右下レバー58との接触面の間に設けられている。交換部材100は、開口を有する環状である。交換部材100は、右側回転ピン36が開口に貫通された状態で設けられる。右側支持部32Bと交換部材100との接触面の間には、弾性部材101が設けられている。弾性部材101は、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴムの少なくとも1つからなる。弾性部材101は、開口を有する環状である。弾性部材101は、右下回転ピン36Bが開口に貫通された状態で設けられる。また、交換部材100は、右側支持部32Bに設けられて、右下レバー58と摺動する。このため、右下レバー58よりも硬度が低い交換部材100が摩耗する。
【0054】
右側支持部32Bの上側には、環状の右下収容部32B2が設けられている。右下収容部32B2には、弾性部材101及び交換部材100が収容される。右側支持部32Bの縁部は、右下レバー58との間に隙間W4が形成されている。交換部材100は、右下収容部32B2から突出して右下レバー58と接触するように設けられている。右下レバー58は、蓋37と接触せず、交換部材100と接触するように設けられる。このため、右下レバー58が傾いたとしても右下レバー58が右側支持部32Bと接触しない。弾性部材101と交換部材100との接触面積は、交換部材100と右下レバー58との接触面積よりも大きい。
【0055】
よって、交換部材100は、右キャリパレバー50の上部である右上レバー57と右側支持部32Bとの接触面、及び右キャリパレバー50の下部である右下レバー58と右側支持部32Bとの接触面のそれぞれの間に設けられる。
【0056】
図2に示すように、隙間調整装置110は、左キャリパレバー40の基端部と右キャリパレバー50の基端部との距離を調整することでブレーキパッド12とディスク11との隙間を調整する。さらに、隙間調整装置110は、ブレーキパッド12の摩耗によってブレーキパッド12とディスク11との隙間が長くなったときに、左キャリパレバー40の基端部と右キャリパレバー50の基端部との距離を伸長することで、ブレーキパッド12とディスク11との隙間を短くする。
【0057】
第1ロッド73の移動量が所定値以上であるときに、牽引部91はワイヤー96を牽引する。すなわち牽引部91は、第1ロッド73が突出して所定値に達すると第1ロッド73が接触することで回転して、ワイヤー96を牽引する。
【0058】
図1に示すように、隙間調整器111は、第1ケース121と、第2ケース122とを備えている。第1ケース121は、一対の左上レバー47と左下レバー48との基端部の間に接続されている。第1ケース121と一対の左上レバー47及び左下レバー48とはボルト45によって回動可能に連結されている。第2ケース122は、一対の右上レバー57と右下レバー58との基端部の間に接続されている。第2ケース122と一対の右上レバー57及び右下レバー58とはボルト55によって回動可能に連結されている。
【0059】
図2に示すように、第1ケース121は、第2ケース122に向かって延出する円筒状の延出部121Aを備えている。第1ケース121には、多角柱状の多角形ロッド123が固定されている。多角形ロッド123は、第1ケース121の延出部121Aの延出方向に設けられている。
【0060】
多角形ロッド123の基端部は、第1ケース121の外部に突出している。多角形ロッド123の基端部には、六角柱に形成された六角部123Bが設けられている。多角形ロッド123の六角部123Bを手動にて回すことにより、ブレーキパッド12とディスク11との隙間を調整することができる。
【0061】
第2ケース122には、第1ケース121に向かって延出する円柱状のねじ軸124が固定されている。ねじ軸124は、第1ケース121側のみ開口する円柱状の空間124Aを有している。ねじ軸124の空間124Aには、多角形ロッド123が貫通されている。ねじ軸124の第2ケース122に固定されている部分以外の外周には、雄ねじ124Bが設けられている。ねじ軸124は、支持ばね122Aによって支持されている。ねじ軸124の基端部は、六角柱に形成された六角部124Cが設けられている。ねじ軸124の六角部124Cを手動にて回すことにより、ブレーキパッド12とディスク11との隙間を調整することができる。このため、隙間調整器111の両側から隙間調整が可能であり、1度の隙間調整量が大きくなり、メンテナンス時の調整作業を効率的かつ容易に行うことができる。
【0062】
ねじ軸124の外周には、円筒状の調整ナット125が設けられている。調整ナット125の一部の内壁には、ねじ軸124の雄ねじ124Bと螺合する雌ねじ125Aが設けられている。調整ナット125は、ねじ軸124の雄ねじ124Bに螺合しながらねじ軸124に対して回転する。すなわち、ねじ軸124が多角形ロッド123から離間する方向に移動すると、調整ナット125はねじ軸124の雄ねじ124Bと調整ナット125の雌ねじ125Aとによって回転する。
【0063】
調整ナット125は、第1ケース121の延出部121Aとねじ軸124との間に位置している。調整ナット125の外周には、第1ケース121の延出部121Aの内壁に向かって突出する凸条部125Bが設けられている。調整ナット125と第1ケース121の延出部121Aとの間には、凸条部125Bを調整ナット125の軸方向において第1ケース121側へ付勢する振動対策ばね126が設けられている。振動対策ばね126は、コイルばねであって、調整ナット125の外周に設けられる。調整ナット125の凸条部125Bが振動対策ばね126によって付勢されているので振動による影響を低減することができる。調整ナット125と第1ケース121の延出部121Aとの間には、当接クラッチ127が設けられている。当接クラッチ127は、凸条部125Bが軸方向において左キャリパレバー40側へ押されたときに、凸条部125Bの軸方向に対して垂直な面と接触することで調整ナット125の回転を規制する。また、第2ケース122には、第1ケース121を覆う円筒状のカバー128が固定されている。
【0064】
ねじ軸124の第1ケース寄りには、ワイヤー96が接続されるワイヤー取付部130が取り付けられている。調整ナット125と第1ケース121の延出部121Aとの間には、ワンウェイクラッチ131が設けられている。ワイヤー取付部130は、ワンウェイクラッチ131に固定されている。ワンウェイクラッチ131及びワイヤー取付部130は、一体に回転する。ワンウェイクラッチ131は、隙間調整器111が伸長するための調整ナット125の回転を許容し、隙間調整器111が短縮するための調整ナット125の回転を規制する。ワンウェイクラッチ131には、ばね132が取り付けられている。すなわち、ワイヤー96が牽引部91に牽引されたときには、ワンウェイクラッチ131及びワイヤー取付部130が左側から見て時計回りに回転し、ばね132が圧縮される。一方、ワイヤー96の牽引が解除されると、ばね132の付勢力によりワンウェイクラッチ131及びワイヤー取付部130が調整ナット125とともに逆回転(反時計回りに回転)して隙間調整器111が伸長する。
【0065】
次に、上記ブレーキキャリパ装置20の作用について説明する。まず、
図2を併せて参照して、ブレーキパッド12が摩耗していない状態におけるブレーキキャリパ装置20及び隙間調整装置110の動作について説明する。
【0066】
図2に示すように、ブレーキキャリパ装置20は、常用ブレーキを作動させるときには、シリンダ装置15の常用ブレーキシリンダ70の第1空間75に圧縮空気が供給される。常用ブレーキシリンダ70の第1ロッド73は、第1ピストン72とともに第1シリンダ室71から突出する方向に移動してローラ35Bを介して操作レバー35Aを時計回りに駆動する。このとき、ブレーキパッド12の摩耗が小さく、第1ロッド73の移動量(突出量)が所定値未満であれば、第1ロッド73は牽引部91には接触しない。
【0067】
第1ロッド73が第1シリンダ室71から突出する方向に移動すると、操作レバー35Aは左側回転ピン35とともに時計回りに回転する。左側回転ピン35が時計回りに回転すると、左キャリパレバー40が回転軸44を回転中心として左側のブレーキパッド12がディスク11に接触する方向に回転して、左側のブレーキパッド12がディスク11に接触する。なお、左キャリパレバー40と左側支持部32Aとの接触面の間には交換部材100及び弾性部材101が設けられている。このため、左キャリパレバー40が回転するとき、左キャリパレバー40と交換部材100とが接触する。左キャリパレバー40との接触によって交換部材100が摩耗した場合には、交換部材100を交換することで左キャリパレバー40と交換部材100との接触状態を維持することができる。
【0068】
続いて、左側のブレーキパッド12がディスク11に接触した後、左キャリパレバー40はパッド回転ピン43を回転中心として時計回りに回転する。そして、左キャリパレバー40がパッド回転ピン43を回転中心として回転すると、右キャリパレバー50は、回転軸44及び隙間調整器111及び回転軸54を介して右側回転ピン36を回転中心として時計回りに回転して、右側のブレーキパッド12がディスク11に接触する。よって、ディスク11の両面を左右のブレーキパッド12が押圧することで、ディスク11の回転を制限する。ブレーキパッド12の押圧力によって制動が調整される。なお、右キャリパレバー50と右側支持部32Bとの接触面の間には交換部材100及び弾性部材101が設けられている。このため、右キャリパレバー50が回転するとき、右キャリパレバー50と交換部材100とが接触する。右キャリパレバー50との接触によって交換部材100が摩耗した場合には、交換部材100を交換することで右キャリパレバー50と交換部材100との接触状態を維持することができる。
【0069】
また、駐車ブレーキシリンダ80の第2空間85から圧縮空気が排出されて、第2ロッド83が第2シリンダ室81から突出するときには、第2ロッド83が第1ピストン72及び第1ロッド73を押すことで、第1ロッド73が第1シリンダ室71から突出したときと同様に動作する。
【0070】
左右のブレーキパッド12がブレーキパッド12に対して下方向へ回転するディスク11を押圧すると、ブレーキパッド12がディスク11の回転方向へ連れ動きする。
図4に示すように、左側のブレーキパッド12が下方向に連れ動きすると、左キャリパレバー40が傾く。そして、弾性部材101が左キャリパレバー40の傾きに合わせて変形することによって左キャリパレバー40と交換部材100との接触面積の減少が抑制される。すなわち、
図12は、交換部材100のみが設けられ、左キャリパレバー40が傾いたときの左キャリパレバー40と交換部材100との接触面積をドットで示している。左キャリパレバー40が傾いたことで接触面積が減少して、面圧が高くなり一部分に荷重が掛かることになる。一方、
図13は、交換部材100及び弾性部材101が設けられ、左キャリパレバー40が傾いたときの左キャリパレバー40と交換部材100との接触面積をドットで示している。左キャリパレバー40が傾いたことで左キャリパレバー40と交換部材100との接触面積が減少するが弾性部材101によって接触面積の減少が抑制されて、面圧の増加を抑制している。左キャリパレバー40と交換部材100との接触状態が維持されて、交換部材100の偏摩耗を抑制することができる。よって、交換部材100の交換頻度を低減することができる。また、左側回転ピン35の上端部35Cの外周は、空間47Aに設けられた上端部ラジアル軸受65と接触することで接触摩擦が低減される。左側回転ピン35の下端部35Dの外周は、空間48Aに設けられた下端部ラジアル軸受66と接触することで接触摩擦が低減される。
図9に示すように、右側のブレーキパッド12が下方向に連れ動きすると、右キャリパレバー50が傾く。そして、弾性部材101が右キャリパレバー50の傾きに合わせて変形することによって右キャリパレバー50と交換部材100との接触面積の減少が抑制される。左キャリパレバー40と同様に、右キャリパレバー50が傾いたことで右キャリパレバー50と交換部材100との接触面積が減少するが弾性部材101によって接触面積の減少が抑制されて、面圧の増加を抑制している。右キャリパレバー50と交換部材100との接触状態が維持されて、交換部材100の偏摩耗を抑制することができる。よって、交換部材100の交換頻度を低減することができる。また、右上回転ピン36Aの外周は、空間57Aに設けられた上端部ラジアル軸受65と接触することで接触摩擦が低減される。右下回転ピン36Bの外周は、空間58Aに設けられた下端部ラジアル軸受66と接触することで接触摩擦が低減される。
【0071】
左右のブレーキパッド12がブレーキパッド12に対して上方向へ回転するディスク11を押圧すると、ブレーキパッド12がディスク11の回転方向へ連れ動きする。
図4に示すように、左側のブレーキパッド12が上方向に連れ動きすると、左キャリパレバー40が傾く。そして、弾性部材101が左キャリパレバー40の傾きに合わせて変形することによって左キャリパレバー40と交換部材100との接触面積の減少が抑制される。下方向と同様に、左キャリパレバー40が傾いたことで左キャリパレバー40と交換部材100との接触面積が減少するが弾性部材101によって接触面積の減少が抑制されて、面圧の増加を抑制している。左キャリパレバー40と交換部材100との接触状態が維持されて、交換部材100の偏摩耗を抑制することができる。よって、交換部材100の交換頻度を低減することができる。また、左側回転ピン35の上端部35Cの外周は、空間47Aに設けられた上端部ラジアル軸受65と接触することで接触摩擦が低減される。左側回転ピン35の下端部35Dの外周は、空間48Aに設けられた下端部ラジアル軸受66と接触することで接触摩擦が低減される。
図9に示すように、右側のブレーキパッド12が上方向に連れ動きすると、右キャリパレバー50が傾く。そして、弾性部材101が右キャリパレバー50の傾きに合わせて変形することによって右キャリパレバー50と交換部材100との接触面積の減少が抑制される。下方向と同様に、右キャリパレバー50が傾いたことで右キャリパレバー50と交換部材100との接触面積が減少するが弾性部材101によって接触面積の減少が抑制されて、面圧の増加を抑制している。右キャリパレバー50と交換部材100との接触状態が維持されて、交換部材100の偏摩耗を抑制することができる。よって、交換部材100の交換頻度を低減することができる。また、右上回転ピン36Aの外周は、空間57Aに設けられた上端部ラジアル軸受65と接触することで接触摩擦が低減される。右下回転ピン36Bの外周は、空間58Aに設けられた下端部ラジアル軸受66と接触することで接触摩擦が低減される。
【0072】
続いて、ブレーキパッド12が摩耗した状態におけるブレーキキャリパ装置20及び隙間調整装置110の動作について説明する。ブレーキパッド12が摩耗した状態のときも常用ブレーキシリンダ70は圧縮空気の供給によって同様に動作して、第1ロッド73の移動量がブレーキパッド12の摩耗量に応じて増加する。そして、ブレーキパッド12の摩耗量が大きくなり、第1ロッド73の移動量が所定値以上となると、隙間調整装置110が動作する。すなわち、隙間調整器111が伸長して、ブレーキパッド12とディスク11との隙間を短くする。
【0073】
第1ロッド73が所定値以上移動すると、第1ロッド73の先端部が牽引部91に接触して回転することでワイヤー96が牽引される。ワイヤー96が牽引されると、ワイヤー取付部130がワンウェイクラッチ131とともに時計回りに回転する。なお、第1ロッド73の移動量が所定値以上とはブレーキパッド12とディスク11との隙間が規定値以上であることに相当する。
【0074】
続いて、ブレーキキャリパ装置20は、ディスク11を左側のブレーキパッド12と右側のブレーキパッド12とが挟んで隙間調整器111に圧縮力が発生すると、ねじ軸124が短縮方向に調整ナット125を回転させようとする。このとき、調整ナット125は、当接クラッチ127と調整ナット125の凸条部125Bとの摩擦力と、ワンウェイクラッチ131により回転が規制され、ねじ軸124は短縮方向に移動せず、ブレーキキャリパ装置20の挟み力が維持されてブレーキ力が発生する。
【0075】
続いて、ブレーキキャリパ装置20は、常用ブレーキシリンダ70への圧縮空気の供給が停止されてブレーキが解除されると、第1ロッド73が第1シリンダ室71に戻る。そして、第1ロッド73と牽引部91との接触がなくなり、牽引部91によるワイヤー96の牽引が解除される。そして、ワイヤー96の牽引が解除されると、ばね132の付勢力によりワンウェイクラッチ131及びワイヤー取付部130が調整ナット125とともに逆回転(反時計回りに回転)する。このとき、ワンウェイクラッチ131は、伸長する方向には回転しないので、調整ナット125とともに反時計回りに回転する。これにより、隙間調整器111の全長が長くなることで、左キャリパレバー40の基端部と右キャリパレバー50の基端部との距離が長くなり、ブレーキパッド12とディスク11との隙間が短縮される。
【0076】
次に、第1実施形態の効果について説明する。
(1-1)キャリパレバー40,50の回動時や制動に伴いブレーキパッド12がディスク11と連れ動きした時に、キャリパレバー40,50よりも硬度が低い交換部材100とキャリパレバー40,50とが接触するので、交換部材100が摩耗する。従って、キャリパレバー40,50とボディ30との接触によってキャリパレバー40,50又はボディ30が損傷する場合と比較して、交換部材100を交換することで容易に部材を交換することができる。
【0077】
(1-2)キャリパレバー40,50の回動時や制動に伴いブレーキパッド12がディスク11と連れ動きした時に、キャリパレバー40,50及びボディ30よりも硬度が低い交換部材100と、キャリパレバー40,50又はボディ30とが接触するので、交換部材100が摩耗する。従って、キャリパレバー40,50とボディ30との接触によってキャリパレバー40,50又はボディ30が損傷する場合と比較して、交換部材100を交換することで容易に部材を交換することができる。
【0078】
(1-3)シリンダ装置15を保持するボディ30の交換は容易ではないので、交換部材100が摩耗することで、ボディ30の交換を避けることができる。
(1-4)左キャリパレバー40を支持する左側回転ピン35及び右キャリパレバー50を支持する右側回転ピン36の交換は容易ではない。このため、交換部材100が摩耗することで、左側回転ピン35及び右側回転ピン36の交換を避けることができる。
【0079】
(1-5)キャリパレバー40,50が蓋37と接触せず、キャリパレバー40,50が交換部材100と接触するように設けられるので、蓋37の摩耗を抑制することができる。
【0080】
(1-6)左側回転ピン35及び右側回転ピン36が貫通する環状の交換部材100が左側回転ピン35及び右側回転ピン36の根本部とキャリパレバー40,50との接触面の間に設けられる。このため、交換部材100が左側回転ピン35及び右側回転ピン36から外れることがなく、位置決めが容易である。
【0081】
(1-7)キャリパレバー40,50の上下とボディ30との接触面にそれぞれ交換部材100が設けられるので、キャリパレバー40,50の上下において交換部材100が摩耗する。従って、キャリパレバー40,50とボディ30との接触によってキャリパレバー40,50又はボディ30が損傷する場合と比較して、交換部材100を交換することで容易に部材を交換することができる。
【0082】
(1-8)交換部材100とボディ30との接触面の間に弾性部材101が設けられる。このため、キャリパレバー40,50がボディ30に対して回転方向以外に変位したとしても、弾性部材101が変形することによって接触状態が維持されて、交換部材100の偏摩耗を抑制することができる。よって、交換部材100の交換頻度を低減することができる。
【0083】
(1-9)左側回転ピン35及び右側回転ピン36が貫通する環状の交換部材100及び弾性部材101が左側回転ピン35及び右側回転ピン36の根本部とキャリパレバー40,50との接触面の間に設けられる。このため、交換部材100及び弾性部材101が左側回転ピン35及び右側回転ピン36から外れることがなく、位置決めが容易である。
【0084】
(1-10)弾性部材101がクロロプレンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴムの少なくとも1つからなるので、弾性がありながら、耐水・耐薬品性に優れている。
(1-11)弾性部材101と交換部材100との接触面積が交換部材100とキャリパレバー40,50との接触面積よりも大きい。このため、弾性部材101が作用せずに交換部材100とキャリパレバー40,50とが接触することを抑制することができる。
【0085】
(第2実施形態)
以下、
図14~
図17を参照して、ブレーキキャリパ装置の第2実施形態について説明する。この実施形態のブレーキキャリパ装置は、上下のキャリパレバーとピンの端部との接触面の間に交換部材が設けられている点が上記第1実施形態と異なっている。以下、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
【0086】
図14に示すように、左上レバー47と左側回転ピン35の上端部35Cとの接触面の間には、交換部材102が設けられている。交換部材102は、左上レバー47よりも硬度が低い。交換部材102は、左側回転ピン35よりも硬度が低い。左側回転ピン35と交換部材102との接触面の間には、弾性部材103が設けられている。弾性部材103は、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴムの少なくとも1つからなる。交換部材102は、左上レバー47と摺動する。このため、左上レバー47よりも硬度が低い交換部材102が摩耗する。
【0087】
図15に示すように、左下レバー48と左側回転ピン35の下端部35Dとの接触面の間には、交換部材102が設けられている。交換部材102は、左下レバー48よりも硬度が低い。交換部材102は、左側回転ピン35よりも硬度が低い。左側回転ピン35と交換部材102との接触面の間には、弾性部材103が設けられている。弾性部材103は、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴムの少なくとも1つからなる。交換部材102は、左下レバー48と摺動する。このため、左下レバー48よりも硬度が低い交換部材102が摩耗する。
【0088】
よって、交換部材102は、右キャリパレバー50の上部である右上レバー57と右側支持部32Bとの接触面、及び右キャリパレバー50の下部である右下レバー58と右側支持部32Bとの接触面のそれぞれの間に設けられる。
【0089】
左キャリパレバー40が回転するとき、左キャリパレバー40と交換部材102とが接触する。左キャリパレバー40との接触によって交換部材102が摩耗した場合には、交換部材102を交換することで左キャリパレバー40と交換部材102との接触状態を維持することができる。
【0090】
また、左キャリパレバー40がボディ30に対して傾いたときには、弾性部材103が左キャリパレバー40の傾きに合わせて変形することによって左キャリパレバー40と交換部材102との接触面積の減少が抑制される。左キャリパレバー40と交換部材102との接触状態が維持されて、交換部材102の偏摩耗を抑制することができる。よって、交換部材102の交換頻度を低減することができる。
【0091】
図16に示すように、右上レバー57と右側回転ピン36との接触面の間には、交換部材102が設けられている。交換部材102は、右側回転ピン36よりも硬度が低い。交換部材102は、右上レバー57よりも硬度が低い。右側回転ピン36と交換部材102との接触面の間には、弾性部材103が設けられている。弾性部材103は、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴムの少なくとも1つからなる。交換部材102は、右上レバー57と摺動する。このため、右上レバー57よりも硬度が低い交換部材102が摩耗する。
【0092】
図17に示すように、右下レバー58と右側回転ピン36との接触面の間には、交換部材102が設けられている。交換部材102は、右側回転ピン36よりも硬度が低い。交換部材102は、右下レバー58よりも硬度が低い。右側回転ピン36と交換部材102との接触面の間には、弾性部材103が設けられている。弾性部材103は、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴムの少なくとも1つからなる。交換部材102は、右下レバー58と摺動する。このため、右下レバー58よりも硬度が低い交換部材102が摩耗する。
【0093】
よって、交換部材102は、右キャリパレバー50の上部である右上レバー57と右側支持部32Bとの接触面、及び右キャリパレバー50の下部である右下レバー58と右側支持部32Bとの接触面のそれぞれの間に設けられる。
【0094】
右キャリパレバー50が回転するとき、右キャリパレバー50と交換部材102とが接触する。右キャリパレバー50との接触によって交換部材102が摩耗した場合には、交換部材102を交換することで右キャリパレバー50と交換部材102との接触状態を維持することができる。
【0095】
また、右キャリパレバー50がボディ30に対して傾いたときには、弾性部材103が右キャリパレバー50の傾きに合わせて変形することによって右キャリパレバー50と交換部材102との接触面積の減少が抑制される。右キャリパレバー50と交換部材102との接触状態が維持されて、交換部材102の偏摩耗を抑制することができる。よって、交換部材102の交換頻度を低減することができる。
【0096】
次に、第2実施形態の効果について説明する。なお、第1実施形態の(1-1)~(1-5)、(1-7)、(1-8)、(1-10)の効果に加え、以下の効果を奏する。
(2-1)キャリパレバー40,50と支持部32A,32Bとの接触面の間、及びキャリパレバー40,50と回転ピン35,36との接触面の間の両方に交換部材を設けた。このため、支持部32A,32B及び回転ピン35,36のいずれにもおける摩耗を避けることができる。
【0097】
(第3実施形態)
以下、
図18を参照して、ブレーキキャリパ装置の第3実施形態について説明する。この実施形態のブレーキキャリパ装置は、上下のキャリパレバーと隙間調整器との接続部分に交換部材が設けられている点が上記第1実施形態と異なっている。以下、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
【0098】
図18に示すように、左上レバー47と隙間調整器111の第1ケース121との接触面の間には、交換部材104が設けられている。なお、隙間調整器111が支持部に相当する。交換部材104は、第1ケース121よりも硬度が低い。交換部材104は、左上レバー47よりも硬度が低い。第1ケース121は、ボルト45の上側根本部の周囲に位置する。このため、交換部材104は、ボルト45の上側根本部の周囲と左上レバー47との接触面の間に設けられている。なお、ボルト45がピンに相当する。交換部材104は、開口を有する環状である。交換部材104は、ボルト45が開口に貫通された状態で設けられる。第1ケース121と交換部材104との接触面の間には、弾性部材105が設けられている。弾性部材105は、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴムの少なくとも1つからなる。弾性部材105は、開口を有する環状である。弾性部材105は、ボルト45が開口に貫通された状態で設けられる。また、交換部材104は、第1ケース121に設けられて、左上レバー47と摺動する。このため、左上レバー47よりも硬度が低い交換部材104が摩耗する。
【0099】
左下レバー48と隙間調整器111の第1ケース121との接触面の間には、交換部材104が設けられている。なお、隙間調整器111が支持部に相当する。交換部材104は、第1ケース121よりも硬度が低い。交換部材104は、左下レバー48よりも硬度が低い。第1ケース121は、ボルト45の下側根本部の周囲に位置する。このため、交換部材104は、ボルト45の下側根本部の周囲と左下レバー48との接触面の間に設けられている。なお、ボルト45がピンに相当する。交換部材104は、開口を有する環状である。交換部材104は、ボルト45が開口に貫通された状態で設けられる。第1ケース121と交換部材104との接触面の間には、弾性部材105が設けられている。弾性部材105は、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴムの少なくとも1つからなる。弾性部材105は、開口を有する環状である。弾性部材105は、ボルト45が開口に貫通された状態で設けられる。また、交換部材104は、第1ケース121に設けられて、左下レバー48と摺動する。このため、左下レバー48よりも硬度が低い交換部材104が摩耗する。
【0100】
同様に、右上レバー57と隙間調整器111の第2ケース122との接触面の間には、交換部材104及び弾性部材105が設けられる。右下レバー58と隙間調整器111の第2ケース122との接触面の間には、交換部材104及び弾性部材105が設けられる。
【0101】
キャリパレバー40,50が回転するとき、キャリパレバー40,50と交換部材104とが接触する。キャリパレバー40,50との接触によって交換部材104が摩耗した場合には、交換部材104を交換することでキャリパレバー40,50と交換部材104との接触状態を維持することができる。
【0102】
また、キャリパレバー40,50が隙間調整器111に対して傾いたときには、弾性部材105がキャリパレバー40,50の傾きに合わせて変形することによってキャリパレバー40,50と交換部材104との接触面積の減少が抑制される。キャリパレバー40,50と交換部材104との接触状態が維持されて、交換部材104の偏摩耗を抑制することができる。よって、交換部材104の交換頻度を低減することができる。
【0103】
次に、第3実施形態の効果について説明する。なお、第1実施形態の(1-1)~(1-11)の効果に加え、以下の効果を奏する。
(3-1)隙間調整器111の交換は容易ではないので、交換部材104が摩耗することで、隙間調整器111の交換を避けることができる。
【0104】
(他の実施形態)
上記各実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記各実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0105】
・上記第1,2実施形態において、弾性部材と交換部材との接触面積を交換部材とキャリパレバー40,50との接触面積よりも大きくしたが、弾性部材と交換部材との接触面積を交換部材とキャリパレバー40,50との接触面積未満としてもよい。
【0106】
・上記各実施形態において、交換部材及び弾性部材の形状を、開口を有する環状とした。しかしながら、交換部材及び弾性部材の形状は環状ではなくてよく、交換部材及び弾性部材がキャリパレバー40,50と支持部との接触面の間に配置されていればよい。
【0107】
・上記各実施形態において、キャリパレバー40,50の上下においてボディ30との接触面に交換部材を設けたが、キャリパレバー40,50の上下のいずれか一方のみでもよい。なお、キャリパレバー40,50の上側は制動時のディスク反力と自重が掛かるので、キャリパレバー40,50の上側の方が受ける荷重が大きい。よって、少なくともキャリパレバー40,50の上側に交換部材が設けられるのが望ましい。また、ディスクの回転方向が一方向に決まるのであれば、ディスクの回転方向に合わせてキャリパレバー40,50の上下の一方のみに交換部材を設けてもよい。すなわち、ブレーキパッドが下方向に連れ動きするならば、キャリパレバー40,50の上側に交換部材を設け、ブレーキパッドが上方向に連れ動きするならば、キャリパレバー40,50の下側に交換部材を設けるのが望ましい。
【0108】
・上記各実施形態において、弾性部材を弾性変形するばねとしてもよい。ばねは、回転ピン35,36が貫通するように設けてもよいし、回転ピン35,36の周囲に複数を環状に配置してもよい。また、弾性部材を球面ベアリングとしてもよい。
【0109】
・上記各実施形態において、弾性部材を省略してもよい。この場合、交換部材が偏摩耗するかもしれないが、交換部材を交換することで、キャリパレバー40,50の交換を避けることができる。
【0110】
・上記各実施形態において、空間47A,57Aに上端部ラジアル軸受65を設けたが、上端部ラジアル軸受65を省略してもよい。
・上記各実施形態において、空間48A,58Aに下端部ラジアル軸受66を設けたが、下端部ラジアル軸受66を省略してもよい。
【0111】
・上記各実施形態において、蓋37を省略してもよい。
・上記各実施形態において、隙間W1,W2,W3,W4を省略してもよい。
・上記第2実施形態では、キャリパレバー40,50と支持部32A,32Bとの接触面の間と、キャリパレバー40,50と回転ピン35,36との接触面の間に、交換部材を設けた。しかしながら、キャリパレバー40,50と回転ピン35,36との接触面の間にのみ交換部材を設けてもよい。
【0112】
・上記各実施形態では、左側回転ピン35がボディ30を貫通したが、ボディ30が左側回転ピン35を保持する構造であれば、左側回転ピン35がボディ30を貫通しなくてもよい。
【0113】
・上記第1,2実施形態において、左側回転ピン35とボディ30とが一体の部品としてもよい。この場合、一体の部品である左側回転ピンに交換部材が貫通される。
・上記第1,2実施形態において、右側回転ピン36である右上回転ピン36A及び右下回転ピン36Bとボディ30とが一体の部品としてもよい。この場合、一体の部品である右側回転ピンに交換部材が貫通される。
【0114】
・上記第1実施形態において、左側回転ピン35と左上レバー47及び左下レバー48の少なくとも一方とを一体の部品としてもよい。この場合、一体の部品である左側回転ピンに交換部材が貫通される。
【0115】
・上記第1実施形態において、右上回転ピン36Aと右上レバー57とを一体の部品としてもよい。また、右下回転ピン36Bと右下レバー58とを一体の部品としてもよい。この場合、一体の部品である右上回転ピン及び右下回転ピンに交換部材が貫通される。
【0116】
・上記第1,2実施形態では、交換部材100の硬度を左上レバー47及び左側支持部32Aの硬度よりも低くした。しかしながら、交換部材100と左上レバー47とが摺動するので交換部材100の硬度が左上レバー47の硬度のみよりも低くしてもよい。また、交換部材100と左側支持部32Aとが摺動するならば交換部材100の硬度が左側支持部32Aの硬度のみよりも低くしてもよい。この場合、弾性部材101は、左上レバー47と交換部材100との接触面の間に設けられる。
【0117】
・上記第1,2実施形態では、交換部材100の硬度を左下レバー48及び左側支持部32Aの硬度よりも低くした。しかしながら、交換部材100と左下レバー48とが摺動するので交換部材100の硬度が左下レバー48の硬度のみよりも低くしてもよい。また、交換部材100と左側支持部32Aとが摺動するならば交換部材100の硬度が左側支持部32Aの硬度のみよりも低くしてもよい。この場合、弾性部材101は、左下レバー48と交換部材100との接触面の間に設けられる。
【0118】
・上記第1,2実施形態では、交換部材100の硬度を右上レバー57及び右側支持部32Bの硬度よりも低くした。しかしながら、交換部材100と右上レバー57とが摺動するので交換部材100の硬度が右上レバー57の硬度のみよりも低くしてもよい。また、交換部材100と右側支持部32Bとが摺動するならば交換部材100の硬度が右側支持部32Bの硬度のみよりも低くしてもよい。この場合、弾性部材101は、右上レバー57と交換部材100との接触面の間に設けられる。
【0119】
・上記1,2実施形態では、交換部材100の硬度を右下レバー58及び右側支持部32Bの硬度よりも低くした。しかしながら、交換部材100と右下レバー58とが摺動するので交換部材100の硬度が右下レバー58の硬度のみよりも低くしてもよい。また、交換部材100と右側支持部32Bとが摺動するならば交換部材100の硬度が右側支持部32Bの硬度のみよりも低くしてもよい。この場合、弾性部材101は、右下レバー58と交換部材100との接触面の間に設けられる。
【0120】
・上記第2実施形態では、交換部材102の硬度を左上レバー47及び左側回転ピン35の硬度よりも低くした。しかしながら、交換部材102と左上レバー47とが摺動するので交換部材102の硬度が左上レバー47の硬度のみよりも低くしてもよい。また、交換部材102と左側回転ピン35とが摺動するならば交換部材102の硬度が左側回転ピン35の硬度のみよりも低くしてもよい。この場合、弾性部材103は、交換部材102と左上レバー47との接触面の間に設けられる。
【0121】
・上記第2実施形態では、交換部材102の硬度を左下レバー48及び左側回転ピン35の硬度よりも低くした。しかしながら、交換部材102と左下レバー48とが摺動するので交換部材102の硬度が左下レバー48の硬度のみよりも低くしてもよい。また、交換部材102と左側回転ピン35とが摺動するならば交換部材102の硬度が左側回転ピン35の硬度のみよりも低くしてもよい。この場合、弾性部材103は、交換部材102と左下レバー48との接触面の間に設けられる。
【0122】
・上記第2実施形態では、交換部材102の硬度を右上レバー57及び右側回転ピン36の硬度よりも低くした。しかしながら、交換部材102と右上レバー57とが摺動するので交換部材102の硬度が右上レバー57の硬度のみよりも低くしてもよい。また、交換部材102と右側回転ピン36とが摺動するならば交換部材102の硬度が右側回転ピン36の硬度のみよりも低くしてもよい。この場合、弾性部材103は、交換部材102と右上レバー57との接触面の間に設けられる。
【0123】
・上記第2実施形態では、交換部材102の硬度を右下レバー58及び右側回転ピン36の硬度よりも低くした。しかしながら、交換部材102と右下レバー58とが摺動するので交換部材102の硬度が右下レバー58の硬度のみよりも低くしてもよい。また、交換部材102と右側回転ピン36とが摺動するならば交換部材102の硬度が右側回転ピン36の硬度のみよりも低くしてもよい。この場合、弾性部材103は、交換部材102と右下レバー58との接触面の間に設けられる。
【0124】
・上記第3実施形態では、交換部材104の硬度を左上レバー47及び第1ケース121の硬度よりも低くした。しかしながら、交換部材104と左上レバー47とが摺動するので交換部材104の硬度が左上レバー47の硬度のみよりも低くしてもよい。また、交換部材104と第1ケース121とが摺動するならば交換部材104の硬度が第1ケース121の硬度のみよりも低くしてもよい。この場合、弾性部材105は、交換部材104と左上レバー47との接触面の間に設けられる。
【0125】
・上記第3実施形態では、交換部材104の硬度を左下レバー48及び第1ケース121の硬度よりも低くした。しかしながら、交換部材104と左下レバー48とが摺動するので交換部材104の硬度が左下レバー48の硬度のみよりも低くしてもよい。また、交換部材104と第1ケース121とが摺動するならば交換部材104の硬度が第1ケース121の硬度のみよりも低くしてもよい。この場合、弾性部材105は、交換部材104と左下レバー48との接触面の間に設けられる。
【0126】
・上記第3実施形態では、交換部材104の硬度を右上レバー57及び第2ケース122の硬度よりも低くした。しかしながら、交換部材104と右上レバー57とが摺動するので交換部材104の硬度が右上レバー57の硬度のみよりも低くしてもよい。また、交換部材104と第2ケース122とが摺動するならば交換部材104の硬度が第2ケース122の硬度のみよりも低くしてもよい。この場合、弾性部材105は、交換部材104と右上レバー57との接触面の間に設けられる。
【0127】
・上記第3実施形態では、交換部材104の硬度を右下レバー58及び第2ケース122の硬度よりも低くした。しかしながら、交換部材104と右下レバー58とが摺動するので交換部材104の硬度が右下レバー58の硬度のみよりも低くしてもよい。また、交換部材104と第2ケース122とが摺動するならば交換部材104の硬度が第2ケース122の硬度のみよりも低くしてもよい。この場合、弾性部材105は、交換部材104と右下レバー58との接触面の間に設けられる。
【0128】
・上記各実施形態において、アクチュエータとしてシリンダ装置15を採用したが、アクチュエータはモータ装置等の他の装置を採用してもよい。
・上記各実施形態において、ブレーキキャリパ及びブレーキキャリパ装置は、上記構成に限らず、キャリパレバーを支持する支持部とキャリパレバーとの接触面を有する構成であれば、接触面の間に交換部材を設けることが可能である。
【0129】
・上記各実施形態において、複数の物体で構成されているものは、当該複数の物体を一体化してもよく、逆に一つの物体で構成されているものを複数の物体に分けることができる。一体化されているか否かにかかわらず、発明の目的を達成することができるように構成されていればよい。
【符号の説明】
【0130】
10 台車
11 ディスク
12 ブレーキパッド
14 ブレーキキャリパ
15 シリンダ装置
20 ブレーキキャリパ装置
21 ブラケット
22 連結ピン
30 ボディ
31 基部
32 第1支持部
32A 左側支持部
32A1 左上収容部
32A2 左下収容部
32B 右側支持部
32B1 右上収容部
32B2 右下収容部
33 第2支持部
33A 開口
35 左側回転ピン
35A 操作レバー
35B ローラ
35C 上端部
35D 下端部
36 右側回転ピン
36A 右上回転ピン
36B 右下回転ピン
37 蓋
40 左キャリパレバー
42 パッド取付部材
43 パッド回転ピン
44 回転軸
45 ボルト
46 左レバー連結ピン
47 左上レバー
47A 空間
48 左下レバー
48A 空間
50 右キャリパレバー
52 パッド取付部材
53 パッド回転ピン
54 回転軸
55 ボルト
56 右レバー連結ピン
57 右上レバー
57A 空間
58 右下レバー
58A 空間
61 上側シール部材
62 下側シール部材
65 上端部ラジアル軸受
66 下端部ラジアル軸受
67 ボディラジアル軸受
70 常用ブレーキシリンダ
80 駐車ブレーキシリンダ
90 隙間出力部
91 牽引部
96 ワイヤー
100,102,104 交換部材
101,103,105 弾性部材
110 隙間調整装置
111 隙間調整器
121 第1ケース
122 第2ケース