(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022175530
(43)【公開日】2022-11-25
(54)【発明の名称】運搬用容器
(51)【国際特許分類】
B65D 21/02 20060101AFI20221117BHJP
【FI】
B65D21/02 520
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021081997
(22)【出願日】2021-05-13
(71)【出願人】
【識別番号】000010054
【氏名又は名称】岐阜プラスチック工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】特許業務法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西田 拓司
【テーマコード(参考)】
3E006
【Fターム(参考)】
3E006AA10
3E006BA01
3E006CA01
3E006DA03
3E006DA04
3E006GA03
(57)【要約】
【課題】横並びに2つ配置した際にコンパクトに配置することができる運搬用容器を提案する。
【解決手段】運搬用容器1は、上面が開口した矩形箱状の容器本体2と、容器本体2の上部から外側方に突出したフランジ3と、を備える。フランジ3は、運搬用容器1を2つ一方向に横並びに配置したときに、一方の運搬用容器1Aのフランジ3Aと、他方の運搬用容器1Bのフランジ3Bとが、前記一方向及び上下方向に対して直交する方向D1に見て、重なるように設けられている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面が開口した矩形箱状の容器本体と、
前記容器本体の上部から外側方に突出したフランジと、を備えた運搬用容器であって、
前記フランジは、前記運搬用容器を2つ一方向に横並びに配置したときに、一方の前記運搬用容器の前記フランジと、他方の前記運搬用容器の前記フランジとが、前記一方向及び上下方向に対して直交する方向にみて、重なるように設けられている、
ことを特徴とする運搬用容器。
【請求項2】
前記フランジは、外側方に突出した凸部と、内側方に凹んだ凹部とを含み、
前記凸部と前記凹部は、前記運搬用容器を前記一方向に2つ横並びに配置したときに、一方の前記運搬用容器の前記フランジの前記凸部が、他方の前記運搬用容器の前記フランジの前記凹部に収まるように構成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の運搬用容器。
【請求項3】
前記容器本体は、互いに対向する第一側壁と第二側壁を含み、
前記フランジは、前記第一側壁から突出した第一フランジ部と、前記第二側壁から突出した第二フランジ部と、を有し、
前記凸部は、前記第一フランジ部に設けられた第一凸部と、前記第二フランジ部に設けられた第二凸部とを含み、
前記凹部は、前記第一フランジ部に設けられた第一凹部と、前記第二フランジ部に設けられた第二凹部とを含み、
前記第一凸部と前記第二凹部が、線対称となる位置に設けられ、
前記第二凸部と前記第一凹部が、線対称となる位置に設けられている、
ことを特徴とする請求項2に記載の運搬用容器。
【請求項4】
前記第一凸部は、前記第一フランジ部の一端部に位置し、前記第一凹部は、前記第一フランジ部の他端部に位置し、
前記第二凹部は、前記第二フランジ部の一端部に位置し、前記第二凸部は、前記第二フランジ部の他端部に位置する、
ことを特徴とする請求項3に記載の運搬用容器。
【請求項5】
前記フランジの外形は、点対称に設けられている、
ことを特徴とする請求項3又は4に記載の運搬用容器。
【請求項6】
前記容器本体から外側方に突出した支持脚を更に備え、
前記容器本体は、互いに対向する一対の側壁と、互いに対向する他の一対の側壁とを含み、
前記支持脚は、前記一対の側壁のそれぞれと前記他の一対の側壁のそれぞれに1つずつ設けられている、
ことを特徴とする請求項2に記載の運搬用容器。
【請求項7】
前記容器本体は、互いに対向する第一側壁と第二側壁を含み、
前記フランジは、前記第一側壁から突出した第一フランジ部を有し、
前記第一フランジ部の一端部の外側面から前記容器本体の中心までの距離は、前記第一フランジ部の他端部の外側面から前記容器本体の中心までの距離よりも長い、
ことを特徴とする請求項1に記載の運搬用容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、運搬用容器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、上面が開口した容器と、容器の開口部を囲むように容器の上端に形成されたフランジとを備える箱型容器が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載の箱型容器では、2つ横並びに突き合わせて配置した際に、2つの箱型容器の横方向の全体の外寸が、1つ1つの箱型容器の横方向の外寸を足し合わせた長さとなり、この長さよりも短く配置することができない。
【0005】
上記事情に鑑みて、本開示は、横並びに2つ配置した際にコンパクトに配置することができる運搬用容器を提案することを、目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示に係る一態様の運搬用容器は、上面が開口した矩形箱状の容器本体と、前記容器本体の上部から外側方に突出したフランジと、を備える。前記フランジは、前記運搬用容器を2つ一方向に横並びに配置したときに、一方の前記運搬用容器の前記フランジと、他方の前記運搬用容器の前記フランジとが、前記一方向及び上下方向に対して直交する方向にみて、重なるように設けられている。
【発明の効果】
【0007】
本開示に係る一態様の運搬用容器では、横並びに2つ配置した際にコンパクトに配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、一実施形態の運搬用容器を横並びに2つ配置した状態を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、同上の運搬用容器を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、同上の運搬用容器を示す平面図である。
【
図4】
図4は、同上の運搬用容器を示す正面図である。
【
図5】
図5は、同上の運搬用容器を示す側面図である。
【
図6】
図6は、同上の運搬用容器を示す底面図である。
【
図7】
図7は、同上の運搬用容器の要部を示す斜視図である。
【
図8】
図8は、同上の運搬用容器を横並びに2つ配置した状態を示す平面図である。
【
図10】
図10Aは、同上の運搬用容器を2つ上下に重ねたスタッキング状態を示す斜視図であり、
図10Bは、同上の運搬用容器を2つ上下に重ねたネスティング状態を示す斜視図である。
【
図11】
図11は、同上の運搬用容器の変形例1を示す平面図である。
【
図12】
図12は、同上の運搬用容器の変形例2を示す斜視図である。
【
図13】
図13は、同上の運搬用容器の変形例3を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(一実施形態)
1.概要
図1に示す一実施形態の運搬用容器1は、上面が開口した矩形箱状の容器本体2と、容器本体2の上部から外側方に突出したフランジ3と、を備える。フランジ3は、運搬用容器1を2つ一方向に横並びに配置したときに、一方の運搬用容器1Aのフランジ3Aと、他方の運搬用容器1Bのフランジ3Bとが、前記一方向及び上下方向に対して直交する方向D1に見て、重なるように設けられている。
【0010】
上記構成を備える一実施形態の運搬用容器1では、一方向に横並びに2つ配置した際に、一方の運搬用容器1Aのフランジ3Aと、他方の運搬用容器1Bのフランジ3Bとが、前記一方向及び上下方向に対して直交する方向D1に見て、重なる。そのため、一実施形態の運搬用容器1では、横並びに2つ配置した際にコンパクトに配置することができる。
【0011】
2.詳細
続いて、
図2から
図7に示す一実施形態の運搬用容器1(以下単に「容器1」という)について図面を参照しながら、更に詳しく説明する。
【0012】
図2に示すように、容器1は、上面が開口した矩形箱状の容器本体2と、容器本体2の上部から外側方に突出したフランジ3と、を備える。容器1は更に、容器本体2の内面に設けられた凹条部4と、容器本体2から外側方に突出した側面リブ5と、容器本体2から外側方に突出した支持脚6とを備える。容器1は、樹脂成型品である。
【0013】
2-1.容器本体
容器本体2は、上面が開口した矩形箱状である。
図3から
図5に示すように、本実施形態では、容器本体2は、略直方体の箱状である。以下では、平面視における容器本体2の長手方向を左右方向とし、平面視における容器本体2の短手方向を前後方向とし、この左右方向及び前後方向に対して直交する方向を上下方向として、各構成について説明する。
【0014】
図2から
図6に示すように、容器本体2は、平面視略長方形状の底壁20と、底壁20の2つの短辺(つまり左右の端辺)に立設された2つの側壁21,22と、底壁20の2つの長辺(つまり前後の端辺)に立設された2つの側壁23,24と、を備える。容器本体2は更に、底壁20の4隅の辺に立設され、4つの側壁21,22,23,24のうちの隣接する2つの側壁をつなぐ平面視円弧状の連結側壁25を備える。
【0015】
底壁20は、
図3及び
図6に示すように、左右方向を長手方向とし、前後方向を短手方向とする略長方形の平板状である。底壁20の左右方向の一部には、上方に突出し、かつ下方に向けて開口する膨出部200が形成されている。膨出部200は、底壁20の前後方向の全長にわたって設けられている。膨出部200の前後方向の端部は、側壁23,24につながっている。
【0016】
膨出部200は、長手方向に直交する断面が、略コ字状である。膨出部200の内側には、左右方向に延びる複数の連結リブ201が、前後方向に間隔をおいて設けられている。複数の連結リブ201のそれぞれは、膨出部200の左右方向に対向する一対の内側面と内底面(下方を向く面)に対して一体に設けられている。
【0017】
本実施形形態では、底壁20には、2つの膨出部200が左右方向に間隔をおいて設けられている。底壁20の左端辺、左側の膨出部200、右側の膨出部200、及び底壁20の右端辺は、略等間隔に位置している。
【0018】
このように底壁20に上方に突出する2つの膨出部200を設けることで、容器1内に袋を取り付けた際に、2つの膨出部200が簡易的な仕切りとして機能して、袋内の収容物の位置決めが行いやすい。
【0019】
図2及び
図3に示すように、左右の側壁21,22は、左右方向に互いに対向しており、上側の部分ほど幅(左右方向の内寸)が拡がるように、鉛直面に対して左右方向外側に傾いている。
【0020】
前後の側壁23,24は、前後方向に互いに対向しており、上側の部分ほど幅(前後方向の内寸)が拡がるように、鉛直面に対して前後方向外側に傾いている。4つの側壁21,22,23,24のそれぞれは、平板状である。
【0021】
連結側壁25は、4つの側壁21,22,23,24のうちの隣接する2つの側壁の間に介在している。容器本体2は、4つの連結側壁25を備える。4つの連結側壁25のそれぞれは、上側の部分ほど外側に位置するように傾いている。
【0022】
底壁20と側壁21,22,23,24と4つの連結側壁25とで囲まれる、容器本体2の内側の収納空間は、上側ほど広くなっている。
【0023】
図2、
図5、及び
図7に示すように、側壁21,22のそれぞれの上部の前後方向の中央部には、容器1を持つ手指を挿入するための把持用の開口210,220が設けられている。側壁21,22のそれぞれの開口210,220の周囲には、容器1の内外を連通させる複数の貫通孔211,221が設けられている。
【0024】
図2及び
図4に示すように、側壁23,24のそれぞれの上部の左右方向の中央部には、容器1を持つ手指を挿入するための把持用の開口230,240が設けられている。側壁23,24のそれぞれの開口230,240の左右には、貫通孔231,241が設けられている。側壁23,24の上下の端部を除いた他の部分には、容器1の内外を連通させる複数の貫通孔232,242が全体にわたって設けられている。
【0025】
側壁21,22,23,24のそれぞれの外面は、容器1内に収容する物品の情報等を記載したシール等が取り付けられる平面状の取付部26を含む。取付部26には、開口や貫通孔が設けられていない。
【0026】
2-2.フランジ
図2及び
図3に示すように、フランジ3は、外側方に突出した凸部30と、内側方に凹んだ凹部31とを含む。凸部30と凹部31は、
図1に示すように、容器1を2つ横並びに配置したときに、一方の容器1Aの凸部30Aが、他方の容器1Bの凹部31Bに収まるように構成されている。
【0027】
図2及び
図3に示すように、本実施形態では、フランジ3の外形は、点対称に設けられている。そのため、容器1を容器本体2の底壁20の中心C1を通る鉛直線周りに180°回転させたときに、フランジ3の外形は、回転前の容器1のフランジ3の外形と同じ形状となっている。
【0028】
フランジ3は、本実施形態では、環状であり、より詳しくは、略矩形の枠状である。フランジ3は、側壁21,22,23,24及び4つの連結側壁25のそれぞれの上端部から外側方に突出している。
【0029】
図3に示すように、フランジ3は、左の側壁21から外側方(左側)に突出した第一フランジ部32と、右の側壁22から外側方(右側)に突出した第二フランジ部33とを含む。フランジ3は更に、前の側壁23から外側方(前側)に突出した第三フランジ部34と、後の側壁24から外側方(後側)に突出した第四フランジ部35とを含む。フランジ3は更に、4つの連結側壁25から外側方に突出した4つの第五フランジ部36を含む。第五フランジ部36は、フランジ部32,33,34,35のうちの隣接する2つのフランジ部の間に介在している。
図2に示すように、本実施形態では、フランジ部32,33,34,35,36のそれぞれは、水平方向に延び、上下方向に間隔をおいて位置する複数の横リブと、上下方向に延び、複数の横リブをつなぐ少なくとも1つの縦リブとで構成されている。
【0030】
図2、
図3及び
図7に示すように、本実施形態では、凸部30は、第一フランジ部32に設けられた第一凸部300と、第二フランジ部33に設けられた第二凸部301と、を含む。凹部31は、第一フランジ部32に設けられた第一凹部310と、第二フランジ部33に設けられた第二凹部311と、を含む。第一凸部300は、第一フランジ部32の一端部(詳しくは前端部)に位置し、第一凹部310は、第一フランジ部32の他端部(詳しくは後端部)に位置する。第二凹部311は、第二フランジ部33の一端部(詳しくは前端部)に位置し、第二凸部301は、第二フランジ部33の他端部(詳しくは後端部)に位置する。
【0031】
第一凸部300と第二凹部311は、線対称となる位置に設けられ、第二凸部301と第一凹部310は、線対称となる位置に設けられている。本実施形態では、線対称の軸は、平面視において底壁20の中心C1を通り、かつ前後方向に対して平行な直線である。
【0032】
本実施形態では、第一凸部300は、第一フランジ部32の前端部と、その前側に位置する左前隅の第五フランジ部36とから左側に突出している。第二凸部301は、第二フランジ部33の後端部と、その後側に位置する右後隅の第五フランジ部36とから右側に突出している。
【0033】
第一凸部300の突出方向の先端面(左端面)は、前後方向に対して平行な平面部と、平面部の前端から円弧状に延びた湾曲面部と、で構成されている。第一凸部300の先端面の湾曲面部は、第三フランジ部34の先端面(前端面)と滑らかに連続している。
【0034】
また、第二凸部301の突出方向の先端面(右端面)は、前後方向に対して平行な平面部と、平面部の後端から円弧状に延びた湾曲面部と、で構成されている。第二凸部301の先端面の湾曲面部は、第四フランジ部35の先端面(後端面)と滑らかに連続している。
【0035】
図2、
図5及び
図7に示すように、凸部300,301のそれぞれは、上端に位置する1つの横リブと、この横リブから下方に延びる複数の縦リブと、で形成されている。複数の縦リブは、フランジ3の周方向に間隔をおいて設けられている。複数の縦リブは、フランジ3のコーナー(詳しくは第五フランジ部36の周方向の略中央部)に位置し、連結側壁25の厚み方向外側に突出するコーナー縦リブを含む。複数の縦リブのそれぞれは、フランジ3における凸部300,301の下側の部分を形成する複数の縦リブと連続しており、上下に並ぶ2つの縦リブは、段付きの縦リブを形成している。これにより、フランジ3における凸部300,301の下方の部分を構成する縦リブと、フランジ3の凹部310,311の下方の部分を形成する縦リブとが、干渉しにくくなっている。
【0036】
図2及び
図3に示すように、第一凹部310は、第一フランジ部32の後端部と、その後側に位置する左後隅の第五フランジ部36とに、右側に凹むように設けられている。
図2、
図3及び
図7に示すように、第二凹部311は、第二フランジ部33の前端部と、その前側に位置する右前隅の第五フランジ部36とに、左側に凹むように設けられている。
【0037】
図2、
図5及び
図7に示すように、凸部30と凹部31は、フランジ3の上部に位置する。第一凸部300と第一凹部310は、第一フランジ部32の上部(詳しくは上半部)に位置し、第二凸部301と第二凹部311は、第二フランジ部33の上部(詳しくは上半部)に位置する。
【0038】
図2、
図3及び
図7に示すように、本実施形態では、第一凹部310は、第一フランジ部32と側壁21を、側壁21の厚み方向(つまり左右方向)に貫通し、左後隅の第五フランジ部36と連結側壁25をこの連結側壁25の厚み方向(つまり左右方向に対して若干傾いた方向)に貫通している。第一凹部310は、上方に対しても開口している。
【0039】
第一凹部310を水平方向に挟み込む一対の壁面のうち、第一フランジ部32に形成された壁面320は、左右方向に対して平行であり、左後隅の第五フランジ部36に形成された壁面360は、左側の部分ほど後側に位置するように傾斜した傾斜面である。
【0040】
また、第二凹部311は、第二フランジ部33と側壁22を、側壁22の厚み方向(つまり左右方向)に貫通し、右前隅の第五フランジ部36と連結側壁25をこの連結側壁25の厚み方向(つまり左右方向に対して若干傾いた方向)に貫通している。第二凹部311は、上方に対しても開口している。
【0041】
第二凹部311を水平方向に挟み込む一対の壁面のうち、第二フランジ部33に形成された壁面330は、左右方向に対して平行であり、右前隅の第五フランジ部36に形成された壁面361は、右側の部分ほど前側に位置するように傾斜した傾斜面である。
【0042】
図2、
図5及び
図7に示すように、フランジ部32,33における凹部310,311の下方の部分では、上下二つの横フランジを、他の部分よりも前後方向の間隔の狭い複数(本実施形態では4つ)の縦フランジで連結している。
【0043】
図3に示すように、第一フランジ部32の一端部の外側面(つまり第一凸部300の先端面)から容器本体2の中心C1までの距離L1は、第一フランジ部32の他端部の外側面(つまり第一フランジ部32のうち第一凹部310の下方の部分の先端面)から容器本体2の中心C1までの距離L2よりも長い。
【0044】
2-3.凹条部
図2及び
図3に示すように、容器本体2の内面には、複数(詳しくは4つ)の凹条部4が設けられている。
【0045】
凹条部4は、側壁21と第一フランジ部32に設けられ、外側方(左側)に向けて凹んだ縦長の第一凹条部40及び第二凹条部41と、側壁22と第二フランジ部33に設けられ、外側方(右側)に向けて凹んだ縦長の第三凹条部42及び第四凹条部43とを含む。
【0046】
第一凹条部40は、側壁21の開口210の前側に隣接して位置する。第二凹条部41は、側壁21の開口210の後側に隣接して位置する。
【0047】
第一凹条部40の上端開口は、第一フランジ部32の上面に位置する。第一凹条部40は、側壁21の上端から上下方向の中間部にわたって位置する。第一凹条部40は、側壁21の一部を、外側方(左側)に突出しかつ内側方(右側)に開口する平断面コ字状に成形することによって形成されている。第一凹条部40の下端は、後述する第一側面リブ50が下端に有する横リブ501によって閉塞されている。横リブ501のうち、第一凹条部40を閉塞する部分には、上下方向に貫通する2つの貫通孔504が設けられている。第二凹条部41は、第一凹条部40と同様に形成されている。
【0048】
第三凹条部42は、
図2、
図3及び
図7に示すように、第二フランジ部33の第二凹部311の後側に隣接して位置する。第四凹条部43は、第二フランジ部33の第二凸部301の前側に隣接して位置する。
【0049】
第三凹条部42の上端開口は、第二フランジ部33の上面に位置する。第三凹条部42は、側壁22の上端から上下方向の中間部にわたって位置する。第三凹条部42は、側壁22の一部を、外側方(右側)に突出しかつ内側方(左側)に開口する平断面コ字状に成形することによって設けられている。第三凹条部42の下端は、後述する第二側面リブ51が下端に有する横リブ511によって閉塞されている。横リブ511のうち、第三凹条部42の下端を閉塞する部分には、2つの貫通孔514が設けられている。第四凹条部43は、第三凹条部42と同様に形成されている。
【0050】
本実施形態の容器1は更に、側壁21と第一フランジ部32の上端部に設けられる第一凹み44及び第二凹み45と、側壁22と第二フランジ部33の上端部に設けられる第三凹み46及び第四凹み47を備える。
【0051】
第一凹み44は、第一凹条部40の前側に隣接して位置する。第二凹み45は、第二凹条部41の後側に隣接して位置する。第三凹み46は、第三凹条部42の後側に隣接して位置する。第四凹み47は、第四凹条部43の前側に隣接して位置する。
【0052】
第一凹み44と第二凹み45は、第一フランジ部32の上面よりも一段低く設けられた支持面440,450を有する。第三凹み46と第四凹み47は、第二フランジ部33の上面よりも一段低く設けられた支持面460,470を有する。支持面440,450,460,470のそれぞれの内側方の端部には、上方に向けて突出する係止部441,451,461,471が設けられている。
【0053】
2-4.側面リブ
図2、
図4、
図5、
図6及び
図7に示すように、側面リブ5は、側壁21から突出した第一側面リブ50、側壁22から突出した第二側面リブ51、側壁23から突出した第三側面リブ52、及び側壁24から突出した第四側面リブ53を含む。
【0054】
第一側面リブ50は、第一フランジ部32の下方に位置し、第一フランジ部32と連続している。第二側面リブ51は、第二フランジ部33の下方に位置し、第二フランジ部33と連続している。側面リブ50,51のそれぞれは、水平方向に延びる少なくとも1つの横リブと、上下方向に延び、少なくとも1つの横リブとフランジ部32,33の下端の横リブとをつなぐ複数の縦リブとで構成されている。
【0055】
第一側面リブ50は、第一フランジ部32のうち第一凸部300と第一凹部310の間の部分に連続しており、第一凹条部40と第二凹条部41を囲むように位置する。第二側面リブ51は、第二フランジ部33のうち第二凸部301と第二凹部311の間の部分に連続しており、第三凹条部42と第四凹条部43とを囲むように位置する。
【0056】
側壁21のうち、第一側面リブ50によって囲まれる部分に、開口210と複数の貫通孔211とが設けられている。複数の貫通孔211は、側壁21のうち、凹条部40,41を形成する部分と、その前後方向外側の部分とに、上下方向に間隔をおいて設けられている。
【0057】
同様に、側壁22のうち、第二側面リブ51によって囲まれる部分に、開口220と複数の貫通孔221とが設けられている。複数の貫通孔221は、側壁22のうち、凹条部42,43を形成する部分と、その前後方向内側の部分とに、上下方向に間隔をおいて設けられている。
【0058】
第一側面リブ50と第二側面リブ51のそれぞれは、側壁21,22の開口210,220の下縁から突出する横リブ500,510と、側面リブ50,51の下端に位置する前後一対の横リブ501,511と、を有する。前後一対の横リブ501,511は、側壁21,22の上下方向の中間部に位置しており、中間フランジを構成している。そのため、以下では、一対の横リブ501,511を、中間フランジ501,511という。第一側面リブ50と第二側面リブ51のそれぞれは更に、横リブ500,510の下方に位置し、かつ一対の中間フランジ501,511よりも若干上方に位置する横リブ502,512とを有する。横リブ502,512は、前後方向において、一対の中間フランジ501,511の間に位置する。
【0059】
第一側面リブ50と第二側面リブ51のそれぞれは、横リブ502,512の外側方の端部から垂下したカバー部503,513を更に有する。カバー部503,513は、側壁21,22から外側方に離れて位置して、側壁21,22との間に下方に向けて開口した中空空間S1を形成している。この中空空間S1に、先端がフック形状の引っ掛け具を引っ掛けて容器1を水平方向に引くことで、容器1を水平方向へ移動させることができる。これにより、例えば、棚の奥にある容器1を引っ張り出すことができる。
【0060】
第三側面リブ52は、開口230を囲むように設けられた中央リブ520と、2つの貫通孔231のそれぞれを囲むように設けられた一対の外リブ521とを含む。中央リブ520と一対の外リブ521とは、左右方向に間隔をおいて位置する。中央リブ520と一対の外リブ521のそれぞれは、第三フランジ部34と連続している。
【0061】
同様に、第四側面リブ53は、開口240を囲むように設けられた中央リブ530と、2つの貫通孔241のそれぞれを囲むように設けられた一対の外リブ531とを含む。中央リブ530と一対の外リブ531とは、左右方向に間隔をおいて位置する。中央リブ530と一対の外リブ531のそれぞれは、第四フランジ部35と連続している。
【0062】
図2及び
図4に示すように、側壁23の上端部と第三フランジ部34には、容器1に入れる袋の取っ手を引っ掛けるための複数の係止溝340が設けられている。側壁24の上端部と第四フランジ部35には、容器1に挿入する袋の取っ手を引っ掛けるための複数の係止溝350が設けられている。係止溝340,350は、側壁23,24及びフランジ部34,35に等間隔に4つ設けられている。
【0063】
係止溝340,350のそれぞれは、側壁23,24及びフランジ部34,35を前後方向に貫通し、かつ上方に開口した溝である。
図4に示すように、係止溝340,350のそれぞれは、互いに対向する一対の溝側面と溝底面とを有する。一対の溝側面は、上下方向の中間部において間の間隔が最も狭くなっている。一対の溝側面のうち中間部よりも上側の部分は、上端に近い部分ほど間の間隔が広くなるように傾斜したガイド面となっている。一対の溝側面のうち中間部よりも下側の部分は、少なくとも一方の溝側面が、中間部に近い部分ほど間の間隔が狭くなるように傾斜したガイド面となっている。また、このガイド面よりも下側の部分は、互いに平行に溝底面まで延びている。
【0064】
2-5.支持脚
図2、
図5、
図6及び
図7に示すように、支持脚6は、側壁21から突出した第一支持脚60及び第二支持脚61と、側壁22から突出した第三支持脚62及び第四支持脚63と、を含む。
【0065】
図2、
図5及び
図6に示すように、第一支持脚60は、第一凹み44の真下に位置する。第二支持脚61は、第二凹み45の真下に位置する。
図7に示すように、第三支持脚62は、第三凹み46の真下に位置する。第四支持脚63は、第四凹み47の真下に位置する。
【0066】
そのため、第一支持脚60と第二支持脚61の間の間隔は、第三支持脚62と第四支持脚63の間の間隔よりも広い。第一支持脚60と第二支持脚61の間の間隔は、第三凹条部42と第四凹条部43の間の間隔と同じである。第三支持脚62と第四支持脚63の間の間隔は、第一凹条部40と第二凹条部41の間の間隔と同じである。
【0067】
図2及び
図7に示すように、第一支持脚60と第四支持脚63は、構造が共通しており、第二支持脚61と第三支持脚62は、構造が共通している。
【0068】
第一支持脚60と第四支持脚63のそれぞれは、下面が開口した中空構造である。第一支持脚60と第四支持脚63のそれぞれは、凹み44,47の係止部441,471が挿入可能である。
【0069】
図2及び
図5に示すように、第二支持脚61は、側壁21の上下方向の中間部から下端部にわたって位置する。第二支持脚61の上端は、第一側面リブ50の下端の中間フランジ501に連続している。
【0070】
同様に、第三支持脚62は、
図7に示すように、側壁22の上下方向の中間部から下端部にわたって位置する。第三支持脚62の上端は、第二側面リブ51の下端の中間フランジ511に連続している。
【0071】
図5に示すように、第二支持脚61は、上下方向に延び、左右方向に間隔をおいて位置する2つの縦リブ610と、2つの縦リブ610の下端部同士を連結する1つの横リブ611と、二つの縦リブ610の上下方向の中間部同士を連結する横リブ612と、で構成されている。2つの縦リブ610のそれぞれの上端は、第一側面リブ50の下端の中間フランジ501に連続している。
図2及び
図7に示すように、第三支持脚62は、第二支持脚61と同様の構造である。
【0072】
第三支持脚62は、2つの縦リブ620と、2つの縦リブ620と、2つの縦リブ620の下端部同士を連結する1つの横リブ621と、二つの縦リブ620の上下方向の中間部同士を連結する横リブ622と、で構成されている。2つの縦リブ620のそれぞれの上端は、第二側面リブ51の下端の中間フランジ511に連続している。
【0073】
2-6.その他
図2に示す本実施形態の容器1は、左右方向の長さ(つまり最大外寸)が、例えば600mmであり、前後方向の長さ(つまり最大外寸)が、例えば400mmであり、上下方向の長さ(つまり最大外寸)が、例えば340mmである。
【0074】
本実施形態の容器1では、
図3に示すように、左右方向における第一凸部300の先端面(左端面)から第二凸部301の先端面(右端面)までの長さL3が、左右方向の長さ(最大外寸)である。そして、前後方向における第三フランジ部34の先端面(前端面)から第四フランジ部35の先端面(後端面)までの長さが、前後方向の長さ(最大外寸)である。フランジ3の上面から底壁20の下面までの長さが、上下方向の長さ(最大外寸)である。
【0075】
3.容器の配置方法
続いて、上述した容器1の配置方法について説明する。
【0076】
まず、容器1を2つ左右方向に横並びに配置する配置方法について説明する。
【0077】
本実施形態の容器1は、
図1及び
図8に示すように、左右方向に横並びに2つ配置した際に、一方(左側)の容器1Aのフランジ3Aと、他方(右側)の容器1Bのフランジ3Bとが、前方から見て(方向D1に見て)、重なるように配置することができる。
【0078】
この際、
図9に示すように、左側の容器1Aの第二フランジ部33の第二凸部301が、右側の容器1Bの第一フランジ部32の第一凹部310に収まる。そして、右側の容器1Bの第一フランジ部32の第一凸部300が、左側の容器1Aの第二フランジ部33の第二凹部311に収まる。このとき、左側の容器1Aの第二フランジ部33の凸部301と凹部311の間の部分の先端面(右面)と、右側の容器1Bの第一フランジ部32の凸部300と凹部310の間の部分の先端面(左面)とが接する。
【0079】
これにより、容器1Aの第二フランジ部33と容器1Bの第一フランジ部32が、前方から見て重なる。そのため、
図4に示すように、容器1A,1Bの合計の左右方向の長さL4は、容器1A,1Bのそれぞれの左右方向の長さL3を足し合わせた長さよりも短くなる。
【0080】
続いて、容器1を2つ上下方向に重ねて配置する配置方法について説明する。
【0081】
本実施形態の容器1は、
図10Aに示すスタッキング状態、または
図10Bに示すネスティング状態で、上下に2つ重ねて配置することができる。
【0082】
図10Aに示すスタッキング状態では、下側の容器1Cと上側の容器1Dは、
図2に示す容器1と同じ向きである。
【0083】
スタッキング状態では、下側の容器1Cの凹み44,45の支持面440,450に、上側の容器1Dの支持脚60,61が一対一に載っている。また、下側の容器1Cの凹み46,47の支持面460,470に、上側の容器1Dの支持脚62,63が一対一に載っている。これにより、下側の容器1Cの内側に、上側の容器1Dの下端部のみが収まった状態で、2つの容器1C,1Dが上下方向に重なっている。
【0084】
図10Bに示すネスティング状態では、下側の容器1Cは、
図2に示す容器1と同じ向きであり、上側の容器1Dは、
図2及び
図3に示す容器1を、容器本体2の中心C1を通る鉛直軸周りに、180度回転させたものである。
【0085】
図10Bに示すネスティング状態では、下側の容器1Cの凹条部40,41に、上側の容器1Dの支持脚63,62が一対一で挿入されている。また、下側の容器1Cの凹条部42,43に、上側の容器1Dの支持脚61,60が一対一で挿入されている。上側の容器1Dの側面リブ50,51の中間フランジ501,511は、下側の容器1Cのフランジ部32,33の上面に載っている。これにより、下側の容器1Cの内側に、上側の容器1Dの下半分が嵌った状態で、2つの容器1C,1Dが上下方向に重なっている。
【0086】
4.作用効果
以上説明した本実施形態の容器1では、
図1、
図8及び
図9に示すように、左右方向に横並びに2つ配置した際に、一方の容器1Aのフランジ3Aの第一凸部300を、他方の容器1Bのフランジ3Bの第二凹部311に収めることができる。またこの際、他方の容器1Bのフランジ3Bの第二凸部301を、一方の容器1Aのフランジ3Aの第一凹部310に収めることができる。
【0087】
これにより、本実施形態の容器1では、2つの容器1A,1Bのフランジ3A,3Bを、前方から見て重なった状態で配置することができ、横並びに2つ配置した際にコンパクトに配置することができる。例えば、容器1A,1Bの左右方向の外寸が600mmの場合、容器1A,1Bを横並びに配置した際の左右方向の外寸を1166mmとすることができる。
【0088】
そのため、例えば、宅配車両に載せる棚の寸法が、2つの容器1A,1Bの外寸を足し合わせた長さよりも若干短い場合でも、この棚に2つの容器1A,1Bを横並びに載せることができる。
【0089】
また、本実施形態の容器1では、
図3に示すように、凸部300,301の先端面が前後方向外側に湾曲面部を有し、凹部310,311の前後方向外側に位置する壁面360,361を傾斜面としている。そのため、本実施形態の容器1では、
図8に示すように、左右方向に横並びに2つ配置した際に、左側の容器1Aに対して右側の容器1Bを前側に引き出しやすく、また、右側の容器1Bに対して左側の容器1Aを後側に引き出しやすい。
【0090】
また、本実施形態の容器1では、凸部300,301の先端面が湾曲面部を介して第三フランジ部34及び第四フランジ部35の先端面と滑らかに連続している。そのため、本実施形態の容器1では、ローラーコンベア等で容器1を搬送する際に、ローラーコンベアに沿って設けられたガイドに、容器1のフランジ3のコーナー部分が衝突しても、凸部300,301の引っ掛かりや破損を抑制しやすい。
【0091】
また、本実施形態の容器1では、
図9に示すように、2つの容器1A,1Bは、一方の容器1A,1Bの凸部300,301が、他方の容器1B,1Aのフランジ部32,33の上方に位置するため、上方への移動を互いに規制することができる。そのため、本実施形態の容器1では、例えば宅配車両による搬送時に、容器1A,1Bががたつくことを抑制しやすい。
【0092】
また、本実施形態の容器1では、
図3に示すように、凸部300,301の先端面がフランジ部34,35の先端面と滑らかに連続している。そのため、本実施形態の容器1では、左右方向に横並びに2つ配置した後、一方の容器1に対して他方の容器1を前後方向に動かす際に、凸部300,301の引っ掛かりや破損を抑制しやすい。
【0093】
また、本実施形態の容器1では、フランジ3が容器本体2の上端部から全周にわたって突出しているため、容器1のひねりに対する強度や剛性を向上させることができる。
【0094】
また、本実施形態の容器1では、
図2及び
図5に示すように、凸部300,301が、横リブと、横リブから下方に突出した複数の縦リブとで構成され、複数の縦リブが、フランジ3のコーナーに位置するコーナー縦リブを含むため、フランジ3のコーナーにおける凸部300,301の強度を確保しやすい。
【0095】
また、本実施形態の容器1では、フランジ部32,33における凹部310,311の下方の部分を、格子状に連結した複数の縦フランジと複数の横フランジとで構成している。これにより、フランジ部32,33における上下方向に短い部分(凹部310,311のある部分)の剛性を向上させている。
【0096】
また、本実施形態の容器1では、左右の側壁21,22のそれぞれに設けた2つの支持脚6のうち、一方の支持脚60,63を左右の側壁21,22の下端部にのみ設けている。そのため、本実施形態の容器1では、左右の側壁21,22の外面に、容器1内に収容する物品の情報等を記載したシール等が取り付けられる平面状の取付部26を広く設けることができる。
【0097】
(変形例)
続いて、上述した容器1の変形例について説明する。以下に説明する各変形例は適宜組み合わせ可能である。
【0098】
容器1は、横並びに2つ配置したときに、両容器1のフランジ3が前方から見て重なって位置すればよく、
図2に示す構造に限定されない。
【0099】
例えば、容器1は、
図11に示す変形例1のように、第一フランジ部32に前後方向の全長にわたって凹部31が設けられ、第二フランジ部33に前後方向の全長にわたって凸部30が設けられてもよい。
【0100】
この場合、容器1を横並びに2つ配置したときに、一方(左側)の容器1の第二フランジ部33の凸部30が、他方(右側)の容器1の第一フランジ部32の凹部31に収まり、2つの容器1のフランジ3が前方から見て重なる。したがって、変形例1の容器1においても、横方向に2つ配置した際にコンパクトに配置することができる。
【0101】
また、容器1は、第一フランジ部32の前端部と後端部にそれぞれ凹部31が設けられ、第二フランジ部33の前端部と後端部にそれぞれ凸部30が設けられてもよい。
【0102】
この場合、容器1を横並びに2つ配置したときに、一方(左側)の容器1の第二フランジ部33の2つの凸部30が、他方(右側)の容器1の第一フランジ部32の2つの凹部31にそれぞれ収まり、2つの容器1のフランジ3が前方から見て重なる。したがって、この容器1においても、横方向に2つ配置した際にコンパクトに配置することができる。
【0103】
また、容器1の、フランジ部32,33における凸部300,301及び凹部310,311の前後方向の位置は、
図2等に示す位置に限定されない。第一フランジ部32における第一凸部300と第一凹部310の位置は、第二フランジ部33における第二凹部311と第二凸部301の位置と対応していればよい。凸部300,301及び凹部310,311は、例えば、フランジ部32,33の前後の端部以外の部分に位置してもよい。
【0104】
また、第一フランジ部32における第一凸部300と第一凹部310の上下方向の位置は、第二フランジ部33における第二凹部311と第二凸部301の上下方向の位置と対応していればよい。例えば、凸部300,301及び凹部310,311は、フランジ部32,33の下部に位置してもよいし、フランジ部32,33の上下方向の全体に位置してもよい。
【0105】
また、凹部310,311のそれぞれは、側壁21,22,25とフランジ部32,33,36を水平方向(左右方向等)に貫通しなくてもよく、水平方向の一方向にのみ開口してもよい。また、凹部310,311のそれぞれは、上方に開口しなくてもよく、上面がフランジ3の一部で閉塞されていてもよい。
【0106】
また、容器1は、フランジ3の外形が点対称に設けられたものでなくてもよい。
【0107】
また、容器1は、
図12に示す変形例2のように、支持脚60,61の構造が共通していてもよい。変形例2では、第一支持脚60が、第二支持脚61と同じく、複数の縦リブと複数の横リブとで構成されている。なお、支持脚62,63についても、同様に、構造が共通していてもよい。
【0108】
また、容器1の支持脚60,63は、
図2、
図7等に示す構造に限らず、左右方向に見て、ロ字状に形成されたものであってもよい。この場合にも、左右の側壁21,22の外面には、シール等が取り付けられる平面状の取付部26を広く設けることができる。
【0109】
また、容器1は、
図13に示す変形例3のように、支持脚6が、容器本体2の互いに対向する一対の側壁21,22のそれぞれと、互いに対向する他の一対の側壁23,24のそれぞれに1つずつ設けられたものであってもよい。変形例3の容器1では、側壁21,22,23,24のそれぞれに、凹条部4が1つずつ設けられている。
【0110】
支持脚6は、左の側壁21の後部から突出した支持脚6(つまり第二支持脚61)と、前側の側壁23の左側の部分から突出した支持脚64と、右の側壁22の前部から突出した支持脚6(つまり第三支持脚62(
図7参照))と、後側の側壁24の右側の部分から突出した支持脚6(図示せず)の、合計4つの支持脚で構成されている。前側の支持脚64と後側の支持脚6のそれぞれは、支持脚61,62と同形状に形成されている。
【0111】
前側の側壁23の左側の部分には、側面リブ50と同様の構造の側面リブ522が設けられている。側面リブ522は、1つの縦リブ523と1つの中間フランジ524とで構成されている。側面リブ522の下端の中間フランジ524に支持脚64の上端が接続されている。
【0112】
容器1は、左側の側壁21の側面リブ50の中間フランジ501と前側の側壁23の側面リブ522の中間フランジ524とをつなぐコーナー中間フランジ54を更に備えている。コーナー中間フランジ54は、左前の連結側壁25から突出している。
【0113】
後側の側壁24にも、側面リブ522と同様の構造の側面リブが設けられ、この側面リブの下端の中間フランジに支持脚6の上端が接続されている。また、右側の側壁22の側面リブ51の中間フランジ511(
図7参照)と後側の側壁24の側面リブの中間フランジとは、右後の連結側壁25から突出したコーナー中間フランジを介してつながっている。
【0114】
側壁21,22,23,24のそれぞれの外面のうち、支持脚6が設けられている側とは反対側の端部の下部には、容器1内に収容する物品の情報等を記載したシール等が取り付けられる平面状の取付部26が設けられている。
【0115】
容器1は更に、前側の側壁23と第三フランジ部34の上端部に設けられる凹み48と、後側の側壁24と第四フランジ部35の上端部に設けられる凹み49を備える。凹み48,49は、凹み45,46と同様の構造である。凹み48は、前側の凹条部4の右側に隣接して位置し、凹み49は、後側の凹条部4の右側に隣接して位置する。凹み48の真下に前側の支持脚64が位置し、凹み49の真下に後側の支持脚6が位置する。
【0116】
各側壁21,22,23,24における支持脚6と凹条部4の配置は、2つの容器1を平面視における向きを互いに180度変えて上下に重ねたネスティグ状態(
図10参照)において、上側の容器1の支持脚6が下側の容器1の凹条部4に収まるように、設定されている。
【0117】
以上説明した変形例3の容器1においても、左右方向に横並びに2つ配置した際に、一方の容器1のフランジ3の第一凸部300を、他方の容器1のフランジ3の第二凹部311に収めることができる(
図1参照)。この際、2つの容器1の支持脚6(詳しくは支持脚61,62)同士が干渉せず、上記配置の妨げとならない。
【0118】
また、容器1のフランジ3における凸部30と凹部31の配置は、
図2に示す配置に限定されず、例えば、第三フランジ部34及び第四フランジ部35に設けられてもよい。この場合、容器1を前後方向に2つ横並びに配置した際に、前後方向にコンパクトに配置することができる。
【0119】
また、容器1の容器本体2は、上面が開口した矩形箱状であればよく、平面視における形状は、長方形に限らず、台形や平行四辺形等の他の矩形状であってもよい。
【0120】
例えば、容器本体2が平面視台形状の場合、フランジ3の平面視における外形は台形状である。この場合、例えば、第一フランジ部32と第二フランジ部33のうちの一方が、前後方向に対して傾くように設けられる。フランジ部32,33には、凸部30及び凹部31を設けなくてもよい。
【0121】
また、容器本体2が平面視平行四辺形状の場合、フランジ3の平面視における外形は平行四辺形状である。この場合、例えば、第一フランジ部32と第二フランジ部33の両方が、前後方向に対して傾き、かつ互いに平行となるように設けられる。フランジ部32,33には、凸部30及び凹部31を設けなくてもよい。
【0122】
容器1のフランジ3の平面視における外形が台形状や平行四辺形状である場合も、容器1を左右方向に横並びに2つ配置した際に、前方から見て、2つの容器1のフランジ3が重なるため、横方向にコンパクトに配置することができる。
【0123】
なお、容器1のフランジ3の平面視における外形が台形状や平行四辺形状である場合、容器1は、第一フランジ部32の一端部(長手方向の一端部)の外側面から容器本体2の中心C1までの距離L1が、第一フランジ部32の他端部(長手方向の他端部)の外側面から容器本体2の中心C1までの距離L2よりも長い。
【0124】
また、容器1は、本実施形態では、1色成形されたものであるが、2色成形されてもよい。2色成形した場合の2色の樹脂の境界線は、容器1の短手側の側壁21,22に位置してもよいし、容器1の長手側の側壁23,24に位置してもよい。
【0125】
また、フランジ3は、本実施形態では、複数の縦リブと複数の横リブとで構成された中空構造であるが、これに限定されず、中実構造であってもよい。
【0126】
(まとめ)
以上説明した一実施形態及びその変形例のように、第一態様の容器1は、下記の構成を具備する。
【0127】
すなわち、第一態様の容器1は、上面が開口した矩形箱状の容器本体2と、容器本体2の上部から外側方に突出したフランジ3と、を備える。フランジ3は、容器1を2つ一方向に横並びに配置したときに、一方の容器1Aのフランジ3Aと、他方の容器1Bのフランジ3Bとが、前記一方向及び上下方向に対して直交する方向D1に見て、重なるように設けられている。
【0128】
上記構成を備える第一態様の容器1では、一方向に横並びに2つ配置した際に、一方の容器1Aのフランジ3Aと、他方の容器1Bのフランジ3Bとが、前記一方向及び上下方向に対して直交する方向D1に見て、重なる。そのため、第一態様の容器1では、横並びに2つ配置した際にコンパクトに配置することができる。
【0129】
また、上述した一実施形態及びその変形例1-3のように、第二態様の容器1は、第一態様の容器1の構成に加えて、下記の構成を付加的に具備する。
【0130】
すなわち、第二態様の容器1では、フランジ3は、外側方に突出した凸部30と、内側方に凹んだ凹部31とを含む。凸部30と凹部31は、容器1を前記一方向に2つ横並びに配置したときに、一方の容器1Aのフランジ3Aの凸部30Aが、他方の容器1Bのフランジ3Bの凹部31Bに収まるように構成されている。
【0131】
上記構成を備える第二態様の容器1では、一方向に横並びに2つ配置した際に、一方の容器1Aのフランジ3Aの凸部30Aが、他方の容器1Bのフランジ3Bの凹部31Bに収まる。そのため、第二態様の容器1では、横並びに2つ配置した際に、前記一方向及び上下方向に対して直交する方向D1への一方の容器1A,1Bの移動を、他方の容器1B,1Aによって抑制することができる。
【0132】
また、上述した一実施形態及びその変形例1-3のように、第三態様の容器1は、第二態様の容器1の構成に加えて、下記の構成を付加的に具備する。
【0133】
すなわち、第三態様の容器1では、容器本体2は、互いに対向する第一側壁(側壁21)と第二側壁(側壁22)を含む。フランジ3は、第一側壁から突出した第一フランジ部32と、第二側壁から突出した第二フランジ部33と、を有する。凸部30は、第一フランジ部32に設けられた第一凸部300と、第二フランジ部33に設けられた第二凸部301とを含む。凹部31は、第一フランジ部32に設けられた第一凹部310と、第二フランジ部33に設けられた第二凹部311とを含む。第一凸部300と第二凹部311が、線対称となる位置に設けられ、第二凸部301と第一凹部310が、線対称となる位置に設けられている。
【0134】
上記構成を備えることで、第三態様の容器1では、横並びに2つ配置した際に、前記一方向及び上下方向に対して直交する方向D1における、2つの容器1の位置を合わせることができる。そのため、第三態様の容器1では、横並びに2つ配置した際の、前記直交する方向D1における外寸が、1つの容器1の同方向D1における外寸よりも大きくなることを抑制することができる。
【0135】
また、上述した一実施形態及びその変形例1-3のように、第四態様の容器1は、第三態様の容器1の構成に加えて、下記の構成を付加的に具備する。
【0136】
すなわち、第四態様の容器1では、第一凸部300は、第一フランジ部32の一端部に位置し、第一凹部310は、第一フランジ部32の他端部に位置する。第二凹部311は、第二フランジ部33の一端部に位置し、第二凸部301は、第二フランジ部33の他端部に位置する。
【0137】
上記構成を備えることで、第四態様の容器1では、容器本体2の第一側壁及び第二側壁(側壁21,22)に胴膨れ等の変形が生じても、凸部300,301と凹部310,311の位置関係が変わりにくくて、横並びに2つ配置した際にコンパクトに配置しやすい。
【0138】
また、上述した一実施形態及びその変形例1-3のように、第五態様の容器1は、第三又は第四態様の容器1の構成に加えて、下記の構成を付加的に具備する。
【0139】
すなわち、第五態様の容器1では、フランジ3の外形は、点対称に設けられている。
【0140】
上記構成を備えることで、第五態様の容器1では、容器本体2の中心C1を通る鉛直軸周りに180°回転させた容器1と、回転させていない容器1とを、横並びに2つ配置した際にも、2つの容器1のフランジ3を重ねることができて、コンパクトに配置しやすい。このように第五態様の容器1では、容器1を回転させたものと回転させてないものとを並べて配置することができるため、配置の向きの制限が少なくて、使い勝手が良い。
【0141】
また、上述した変形例3のように、第六態様の容器1は、第二態様の容器1の構成に加えて、下記の構成を付加的に具備する。
【0142】
すなわち、第六態様の容器1は、容器本体2から外側方に突出した支持脚6を更に備える。容器本体2は、互いに対向する一対の側壁(側壁21,22)と、互いに対向する他の一対の側壁(側壁23,24)とを含む。支持脚6は、一対の側壁(側壁21,22)のそれぞれと他の一対の側壁(側壁23,24)のそれぞれに1つずつ設けられている。
【0143】
上記構成を備える第六態様の容器1では、各側壁21,22,23,24に支持脚6が1つずつ設けられた容器1においても、容器1を横並びに2つ配置した際に、一方の容器1Aのフランジ3Aの凸部30Aが、他方の容器1Bのフランジ3Bの凹部31Bに収まって、コンパクトに配置することができる。また、第六態様の容器1では、各側壁21,22,23,24には支持脚6が1つだけ設けられているため、各側壁21,22,23,24の外面に、容器1内に収容する物品の情報等を記載したシール等が取り付けられるスペースを確保しやすい。
【0144】
また、上述した一実施形態及びその変形例のように、第七態様の容器1は、第一態様の容器1の構成に加えて、下記の構成を付加的に具備する。
【0145】
すなわち、第七態様の容器1では、容器本体2は、互いに対向する第一側壁(側壁21)と第二側壁(側壁22)を含む。フランジ3は、第一側壁から突出した第一フランジ部32を有する。第一フランジ部32の一端部の外側面から容器本体2の中心C1までの距離L1は、第一フランジ部32の他端部の外側面から容器本体2の中心C1までの距離L2よりも長い。
【0146】
上記構成を備える第七態様の容器1では、横並びに2つ配置した際に、2つの容器1A,1Bのフランジ3A,3Bが、方向D1に見て、重なるため、横並びに2つ配置した際にコンパクトに配置することができる。
【0147】
以上、本開示を添付図面に示す実施形態に基づいて説明したが、本開示は上記の実施形態に限定されるものではなく、本開示の意図する範囲内であれば、適宜の設計変更が可能である。
【符号の説明】
【0148】
1 運搬用容器
1A 運搬用容器
1B 運搬用容器
2 容器本体
3 フランジ
3A フランジ
3B フランジ
30 凸部
30A 凸部
300 第一凸部
301 第二凸部
31 凹部
31B 凹部
310 第一凹部
311 第二凹部
32 第一フランジ部
33 第二フランジ部
6 支持脚
C1 中心
D1 方向
L1 距離
L2 距離