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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022175574
(43)【公開日】2022-11-25
(54)【発明の名称】中継システム、伝送装置、及び伝送方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 12/46 20060101AFI20221117BHJP
   H04L 13/00 20060101ALI20221117BHJP
【FI】
H04L12/46 200L
H04L12/46 200Z
H04L13/00 305
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021082097
(22)【出願日】2021-05-14
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000280
【氏名又は名称】弁理士法人サンクレスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤野 健治郎
【テーマコード(参考)】
5K033
5K034
【Fターム(参考)】
5K033AA01
5K033CB08
5K033DA06
5K033DB18
5K033EA03
5K033EA07
5K034AA05
5K034FF11
5K034NN12
(57)【要約】
【課題】リンクダウンが発生したクライアントポートと論理リンクが形成された対向装置のクライアントポートをシャットダウンする。
【解決手段】第1伝送装置は、第1クライアント装置から送信された原信号をマッピングした第1伝送フレームを生成する第1フレーム生成部と、前記第1クライアント装置とのリンクダウンの発生を検出する検出部と、を含み、前記検出部によって前記リンクダウンの発生が検出された場合、前記第1フレーム生成部は、第1警報情報を含む前記第1伝送フレームを生成し、第2伝送装置は、前記第1伝送フレームに基づいて、前記原信号の送信に用いられる前記第2送信器を特定する第2特定部と、前記第1伝送フレームに前記第1警報情報が含まれるか否かに基づいて、前記第2送信器をシャットダウンするか否かを判定する第2判定部と、前記第2判定部が前記第2送信器をシャットダウンすると判定した場合、前記第2特定部によって特定された前記第2送信器をシャットダウンする第2制御部と、を含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一又は複数の第1クライアント装置と一又は複数の第2クライアント装置との間の通信を中継する中継システムであって、
前記一又は複数の第1クライアント装置との間で複数の原信号を送受信する第1伝送装置と、
前記一又は複数の第2クライアント装置との間で複数の原信号を送受信する第2伝送装置と、
前記第1伝送装置及び前記第2伝送装置間を接続する伝送線と、
を備え、
前記第1伝送装置は、
前記第1クライアント装置から送信された原信号をマッピングした第1伝送フレームを生成する第1フレーム生成部と、
前記第1フレーム生成部によって生成された前記第1伝送フレームを、前記伝送線を介して前記第2伝送装置へ送信する第1送信部と、
前記第1クライアント装置とのリンクダウンの発生を検出する検出部と、
を含み、
前記検出部によって前記リンクダウンの発生が検出された場合、前記第1フレーム生成部は、第1警報情報を含む前記第1伝送フレームを生成し、
前記第2伝送装置は、
前記複数の原信号を前記一又は複数の第2クライアント装置へ送信する複数の第2送信器と、
前記伝送線を介して受信された前記第1伝送フレームから前記原信号を復元する第2復元部と、
前記第1伝送フレームに基づいて、前記原信号の送信に用いられる前記第2送信器を特定する第2特定部と、
前記第1伝送フレームに前記第1警報情報が含まれるか否かに基づいて、前記第2送信器をシャットダウンするか否かを判定する第2判定部と、
前記第2判定部が前記第2送信器をシャットダウンすると判定した場合、前記第2特定部によって特定された前記第2送信器をシャットダウンする第2制御部と、
を含む、
中継システム。
【請求項2】
前記第1伝送装置は、前記一又は複数の第1クライアント装置から前記複数の原信号を受信する複数の第1受信器を含み、
前記第1フレーム生成部は、前記複数の第1受信器に対応付けられたタイムスロットに前記第1伝送フレームを割り当てることにより、前記複数の原信号を時分割多重化した多重化信号を生成し、
前記第2特定部は、前記タイムスロットに対応する前記第2送信器を特定する、
請求項1に記載の中継システム。
【請求項3】
前記第1伝送装置は、前記複数の原信号を前記一又は複数の第1クライアント装置へ送信する複数の第1送信器を含み、
前記第1フレーム生成部は、前記第1送信器がシャットダウンされた場合、第2警報情報を含む前記第1伝送フレームを生成し、
前記第2判定部は、前記第1伝送フレームに前記第2警報情報が含まれるか否かに基づいて、前記第2送信器をシャットダウンするか否かを判定する、
請求項1又は請求項2に記載の中継システム。
【請求項4】
前記検出部は、前記リンクダウンとは異なる異常を検出し、
前記検出部によって前記リンクダウンとは異なる異常が検出された場合、前記第1伝送装置は、第3警報情報を送信し、
前記第2伝送装置によって前記第3警報情報が受信された場合、前記第2判定部は、全ての前記第2送信器をシャットダウンすると判定し、
前記第2判定部が全ての前記第2送信器をシャットダウンすると判定した場合、前記第2制御部は、全ての前記第2送信器をシャットダウンする、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の中継システム。
【請求項5】
前記第1伝送装置は、前記第1クライアント装置から受信した複数の原信号を処理する処理回路を含み、
前記リンクダウンとは異なる異常は、前記処理回路の異常である、
請求項4に記載の中継システム。
【請求項6】
複数の原信号を一又は複数の第1クライアント装置から受信し、伝送線を介して接続された対向装置へ、受信された前記複数の原信号を多重化した多重化信号を送信し、前記対向装置から多重化信号を受信し、受信された前記多重化信号に応じた複数の原信号を前記一又は複数の第1クライアント装置へ送信する伝送装置であって、
前記第1クライアント装置から送信された原信号をマッピングした第1伝送フレームを生成し、生成された前記第1伝送フレームを前記多重化信号として送信する第1フレーム生成部と、
前記第1フレーム生成部によって生成された前記第1伝送フレームを含む前記多重化信号を、前記伝送線を介して前記対向装置へ送信する第1送信部と、
前記第1クライアント装置とのリンクダウンの発生を検出する検出部と、
を備え、
前記検出部によって前記リンクダウンの発生が検出された場合、前記第1フレーム生成部は、第1警報情報を含む前記第1伝送フレームを生成し、
前記第1警報情報は、前記対向装置において、前記第1警報信号が含まれる前記第1伝送フレームに対応する送信器をシャットダウンするために用いられる、
伝送装置。
【請求項7】
複数の原信号を一又は複数の第2クライアント装置から受信し、伝送線を介して接続された対向装置へ、受信された前記複数の原信号を多重化した多重化信号を送信し、前記対向装置から多重化信号を受信し、受信された前記多重化信号に応じた複数の原信号を前記一又は複数の第2クライアント装置へ送信する伝送装置であって、
前記複数の原信号を前記一又は複数の第2クライアント装置へ送信する複数の第2送信器と、
前記伝送線を介して対向装置から受信された第1伝送フレームから原信号を復元する第2復元部と、
前記第1伝送フレームに基づいて、前記原信号の送信に用いられる前記第2送信器を特定する第2特定部と、
前記対向装置において一又は複数の第1クライアント装置のうちの1つとのリンクダウンが発生したことを示す第1警報情報が前記第1伝送フレームに含まれるか否かに基づいて、前記第2送信器をシャットダウンするか否かを判定する第2判定部と、
前記第2判定部が前記第2送信器をシャットダウンすると判定した場合、前記第2特定部によって特定された前記第2送信器をシャットダウンする第2制御部と、
を含む、
伝送装置。
【請求項8】
一又は複数の第1クライアント装置に接続された第1伝送装置から、一又は複数の第2クライアント装置に接続された第2伝送装置へ、前記一又は複数の第1クライアント装置から送信された複数の原信号を多重化して伝送する伝送方法であって、
前記第1伝送装置が、前記第1クライアント装置から送信された原信号をマッピングした第1伝送フレームを生成するステップと、
前記第1伝送装置が、前記第1クライアント装置とのリンクダウンの発生を検出するステップと、
前記第1伝送装置が、前記リンクダウンの発生が検出された場合、第1警報情報を含む前記第1伝送フレームを生成するステップと、
前記第1伝送装置が、生成された前記第1伝送フレームを前記第2伝送装置へ送信するステップと、
前記第2伝送装置が、受信された前記第1伝送フレームから前記原信号を復元するステップと、
前記第2伝送装置が、受信された前記第1伝送フレームに基づいて、前記一又は複数の第2クライアント装置に接続された複数の第2送信器のうち、前記原信号の送信に用いられる前記第2送信器を特定するステップと、
前記第2伝送装置が、復元された前記原信号を、特定された前記第2送信器によって前記第2クライアント装置へ送信するステップと、
前記第2伝送装置が、前記第1伝送フレームに前記第1警報情報が含まれるか否かに基づいて、前記第2送信器をシャットダウンするか否かを判定するステップと、
前記第2伝送装置が、前記第2送信器をシャットダウンすると判定した場合、特定された前記第2送信器をシャットダウンするステップと、
を含む、
伝送方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、中継システム、伝送装置、及び伝送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複数のクライアント信号を伝送装置において多重化して多重化信号を送信し、受信側の伝送装置において複数のクライアント信号を復元する中継システムが知られている。特許文献1には、クライアント装置と伝送装置との間でリンクダウンが発生すると、OTN(Optical Transport Network)オーバーヘッドに定義されたAIS(Alarm Indication Signal)を用いてリンクダウン警報を伝送し、受信側の伝送装置がリンクダウン警報を受信するとクライアント信号をシャットダウンすることで、伝送装置とクライアント装置との間を強制的にリンクダウンさせる方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-339956号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
1つのクライアント装置と伝送装置との間で発生したリンクダウンは、当該クライアント装置と論理リンクで接続されたクライアント装置以外のクライアント装置には影響しない。しかしながら、特許文献1に開示された方法では、リンクダウン警報を受信した伝送装置が、複数のクライアントポートの中から1つのクライアントポートを選択してリンクダウンさせることは考慮されていない。つまり、全てのクライアントポートがリンクダウンしてしまう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様に係る中継システムは、一又は複数の第1クライアント装置と一又は複数の第2クライアント装置との間の通信を中継する中継システムであって、前記一又は複数の第1クライアント装置との間で複数の原信号を送受信する第1伝送装置と、前記一又は複数の第2クライアント装置との間で複数の原信号を送受信する第2伝送装置と、前記第1伝送装置及び前記第2伝送装置間を接続する伝送線と、を備え、前記第1伝送装置は、前記第1クライアント装置から送信された原信号をマッピングした第1伝送フレームを生成する第1フレーム生成部と、前記第1フレーム生成部によって生成された前記第1伝送フレームを、前記伝送線を介して前記第2伝送装置へ送信する第1送信部と、前記第1クライアント装置とのリンクダウンの発生を検出する検出部と、を含み、前記検出部によって前記リンクダウンの発生が検出された場合、前記第1フレーム生成部は、第1警報情報を含む前記第1伝送フレームを生成し、前記第2伝送装置は、前記複数の原信号を前記一又は複数の第2クライアント装置へ送信する複数の第2送信器と、前記伝送線を介して受信された前記第1伝送フレームから前記原信号を復元する第2復元部と、前記第1伝送フレームに基づいて、前記原信号の送信に用いられる前記第2送信器を特定する第2特定部と、前記第1伝送フレームに前記第1警報情報が含まれるか否かに基づいて、前記第2送信器をシャットダウンするか否かを判定する第2判定部と、前記第2判定部が前記第2送信器をシャットダウンすると判定した場合、前記第2特定部によって特定された前記第2送信器をシャットダウンする第2制御部と、を含む。
【0006】
本開示の一態様に係る伝送装置は、複数の原信号を一又は複数の第1クライアント装置から受信し、伝送線を介して接続された対向装置へ、受信された前記複数の原信号を多重化した多重化信号を送信し、前記対向装置から多重化信号を受信し、受信された前記多重化信号に応じた複数の原信号を前記一又は複数の第1クライアント装置へ送信する伝送装置であって、前記第1クライアント装置から送信された原信号をマッピングした第1伝送フレームを生成し、生成された前記第1伝送フレームを前記多重化信号として送信する第1フレーム生成部と、前記第1フレーム生成部によって生成された前記第1伝送フレームを含む前記多重化信号を、前記伝送線を介して前記対向装置へ送信する第1送信部と、前記第1クライアント装置とのリンクダウンの発生を検出する検出部と、を備え、前記検出部によって前記リンクダウンの発生が検出された場合、前記第1フレーム生成部は、第1警報情報を含む前記第1伝送フレームを生成し、前記第1警報情報は、前記対向装置において、前記第1警報信号が含まれる前記第1伝送フレームに対応する送信器をシャットダウンするために用いられる。
【0007】
本開示の他の態様に係る伝送装置は、複数の原信号を一又は複数の第2クライアント装置から受信し、伝送線を介して接続された対向装置へ、受信された前記複数の原信号を多重化した多重化信号を送信し、前記対向装置から多重化信号を受信し、受信された前記多重化信号に応じた複数の原信号を前記一又は複数の第2クライアント装置へ送信する伝送装置であって、前記複数の原信号を前記一又は複数の第2クライアント装置へ送信する複数の第2送信器と、前記伝送線を介して対向装置から受信された第1伝送フレームから原信号を復元する第2復元部と、前記第1伝送フレームに基づいて、前記原信号の送信に用いられる前記第2送信器を特定する第2特定部と、前記対向装置において一又は複数の第1クライアント装置のうちの1つとのリンクダウンが発生したことを示す第1警報情報が前記第1伝送フレームに含まれるか否かに基づいて、前記第2送信器をシャットダウンするか否かを判定する第2判定部と、前記第2判定部が前記第2送信器をシャットダウンすると判定した場合、前記第2特定部によって特定された前記第2送信器をシャットダウンする第2制御部と、を含む。
【0008】
本開示の一態様に係る伝送方法は、一又は複数の第1クライアント装置に接続された第1伝送装置から、一又は複数の第2クライアント装置に接続された第2伝送装置へ、前記一又は複数の第1クライアント装置から送信された複数の原信号を多重化して伝送する伝送方法であって、前記第1伝送装置が、前記第1クライアント装置から送信された原信号をマッピングした第1伝送フレームを生成するステップと、前記第1伝送装置が、前記第1クライアント装置とのリンクダウンの発生を検出するステップと、前記第1伝送装置が、前記リンクダウンの発生が検出された場合、第1警報情報を含む前記第1伝送フレームを生成するステップと、前記第1伝送装置が、生成された前記第1伝送フレームを前記第2伝送装置へ送信するステップと、前記第2伝送装置が、受信された前記第1伝送フレームから前記原信号を復元する第ステップと、前記第2伝送装置が、受信された前記第1伝送フレームに基づいて、前記一又は複数の第2クライアント装置に接続された複数の第2送信器のうち、前記原信号の送信に用いられる前記第2送信器を特定するステップと、前記第2伝送装置が、復元された前記原信号を、特定された前記第2送信器によって前記第2クライアント装置へ送信するステップと、前記第2伝送装置が、前記第1伝送フレームに前記第1警報情報が含まれるか否かに基づいて、前記第2送信器をシャットダウンするか否かを判定するステップと、前記第2伝送装置が、前記第2送信器をシャットダウンすると判定した場合、特定された前記第2送信器をシャットダウンするステップと、を含む。
【0009】
本開示は、上記のような特徴的な構成を備える通信装置として実現することができるだけでなく、通信装置における特徴的な処理をステップとする通信方法として実現したり、かかるステップをコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムとして実現したりすることができる。さらに、通信装置の一部又は全部を半導体集積回路として実現したり、通信装置を含む中継システムとして実現したりすることができる。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、クライアント装置と伝送装置との間でリンクダウンが発生した場合、対向装置において、当該クライアント装置と論理リンクが形成されたクライアント装置と接続されたクライアントポートをシャットダウンすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態に係る通信システムの構成の一例を示す模式図である。
図2】実施形態に係る伝送装置の構成の一例を示すブロック図である。
図3A】OPUkフレームのフォーマットを示す図である。
図3B】ODUkフレームのフォーマットを示す図である。
図3C】OTUkフレームのフォーマットを示す図である。
図4】実施形態に係る中継システムにおける論理リンクの一例を説明するための図である。
図5A】OCIを説明するための図である。
図5B】LCKを説明するための図である。
図5C】AISを説明するための図である。
図6】実施形態に係る中継システムにおけるリンクダウン転送の一例を説明するための図である。
図7】実施形態に係る中継システムにおけるリンクダウン転送の手順を示すシーケンス図である。
図8】OCIが受信された場合の判定テーブルの一例を示す図である。
図9】実施形態に係る中継システムにおけるシャットダウン通知動作の一例を説明するための図である。
図10】実施形態に係る中継システムにおけるシャットダウン通知動作の手順を示すシーケンス図である。
図11】LCKが受信された場合の判定テーブルの一例を示す図である。
図12】実施形態に係る中継システムにおける異常検出動作の一例を説明するための図である。
図13】実施形態に係る中継システムにおける異常検出動作の手順を示すシーケンス図である。
図14】実施形態に係る通信システムの変形例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<本開示の実施形態の概要>
以下、本開示の実施形態の概要を列記して説明する。
【0013】
(1) 本実施形態に係る中継システムは、一又は複数の第1クライアント装置と一又は複数の第2クライアント装置との間の通信を中継する中継システムであって、前記一又は複数の第1クライアント装置との間で複数の原信号を送受信する第1伝送装置と、前記一又は複数の第2クライアント装置との間で複数の原信号を送受信する第2伝送装置と、前記第1伝送装置及び前記第2伝送装置間を接続する伝送線と、を備え、前記第1伝送装置は、前記第1クライアント装置から送信された原信号をマッピングした第1伝送フレームを生成する第1フレーム生成部と、前記第1フレーム生成部によって生成された前記第1伝送フレームを、前記伝送線を介して前記第2伝送装置へ送信する第1送信部と、前記第1クライアント装置とのリンクダウンの発生を検出する検出部と、を含み、前記検出部によって前記リンクダウンの発生が検出された場合、前記第1フレーム生成部は、第1警報情報を含む前記第1伝送フレームを生成し、前記第2伝送装置は、前記複数の原信号を前記一又は複数の第2クライアント装置へ送信する複数の第2送信器と、前記伝送線を介して受信された前記第1伝送フレームから前記原信号を復元する第2復元部と、前記第1伝送フレームに基づいて、前記原信号の送信に用いられる前記第2送信器を特定する第2特定部と、前記第1伝送フレームに前記第1警報情報が含まれるか否かに基づいて、前記第2送信器をシャットダウンするか否かを判定する第2判定部と、前記第2判定部が前記第2送信器をシャットダウンすると判定した場合、前記第2特定部によって特定された前記第2送信器をシャットダウンする第2制御部と、を含む。これにより、第1クライアント装置と第1伝送装置との間でリンクダウンが発生した場合、第2伝送装置において、当該第1クライアント装置からの原信号の送信に用いられる第2送信器をシャットダウンすることができる。
【0014】
(2) 前記第1伝送装置は、前記一又は複数の第1クライアント装置から前記複数の原信号を受信する複数の第1受信器を含み、前記第1フレーム生成部は、前記複数の第1受信器に対応付けられたタイムスロットに前記第1伝送フレームを割り当てることにより、前記複数の原信号を時分割多重化した多重化信号を生成し、前記第2特定部は、前記タイムスロットに対応する前記第2送信器を特定してもよい。これにより、時分割多重によって原信号を多重化する場合、リンクダウンが発生した第1クライアント装置と論理リンクが形成された第2クライアント装置に接続される第2送信器を特定することができる。
【0015】
(3) 前記第1伝送装置は、前記複数の原信号を前記一又は複数の第1クライアント装置へ送信する複数の第1送信器を含み、前記第1フレーム生成部は、前記第1送信器がシャットダウンされた場合、第2警報情報を含む前記第1伝送フレームを生成し、前記第2判定部は、前記第1伝送フレームに前記第2警報情報が含まれるか否かに基づいて、前記第2送信器をシャットダウンするか否かを判定してもよい。これにより、ユーザからの指令などによって第1送信器がシャットダウンされた場合、シャットダウンされた第1送信器に対応する第2送信器をシャットダウンすることができる。
【0016】
(4) 前記検出部は、前記リンクダウンとは異なる異常を検出し、前記検出部によって前記リンクダウンとは異なる異常が検出された場合、前記第1伝送装置は、第3警報情報を送信し、前記第2伝送装置によって前記第3警報情報が受信された場合、前記第2判定部は、全ての前記第2送信器をシャットダウンすると判定し、前記第2判定部が全ての前記第2送信器をシャットダウンすると判定した場合、前記第2制御部は、全ての前記第2送信器をシャットダウンしてもよい。これにより、リンクダウンとは異なる異常が発生した場合、当該異常に対処するために全ての第2送信器をシャットダウンすることができる。
【0017】
(5) 前記第1伝送装置は、前記第1クライアント装置から受信した複数の原信号を処理する処理回路を含み、前記リンクダウンとは異なる異常は、前記処理回路の異常であってもよい。これにより、複数の第2送信器に影響する処理回路の異常が発生した場合に、当該異常に対処するために全ての第2送信器をシャットダウンすることができる。
【0018】
(6) 本実施形態に係る伝送装置は、複数の原信号を一又は複数の第1クライアント装置から受信し、伝送線を介して接続された対向装置へ、受信された前記複数の原信号を多重化した多重化信号を送信し、前記対向装置から多重化信号を受信し、受信された前記多重化信号に応じた複数の原信号を前記一又は複数の第1クライアント装置へ送信する伝送装置であって、前記第1クライアント装置から送信された原信号をマッピングした第1伝送フレームを生成し、生成された前記第1伝送フレームを前記多重化信号として送信する第1フレーム生成部と、前記第1フレーム生成部によって生成された前記第1伝送フレームを含む前記多重化信号を、前記伝送線を介して前記対向装置へ送信する第1送信部と、前記第1クライアント装置とのリンクダウンの発生を検出する検出部と、を備え、前記検出部によって前記リンクダウンの発生が検出された場合、前記第1フレーム生成部は、第1警報情報を含む前記第1伝送フレームを生成し、前記第1警報情報は、前記対向装置において、前記第1警報信号が含まれる前記第1伝送フレームに対応する送信器をシャットダウンするために用いられる。これにより、第1クライアント装置と伝送装置との間でリンクダウンが発生した場合、対向装置において、当該第1クライアント装置からの原信号の送信に用いられる送信器をシャットダウンすることができる。
【0019】
(7) 本実施形態に係る伝送装置は、複数の原信号を一又は複数の第2クライアント装置から受信し、伝送線を介して接続された対向装置へ、受信された前記複数の原信号を多重化した多重化信号を送信し、前記対向装置から多重化信号を受信し、受信された前記多重化信号に応じた複数の原信号を前記一又は複数の第2クライアント装置へ送信する伝送装置であって、前記複数の原信号を前記一又は複数の第2クライアント装置へ送信する複数の第2送信器と、前記伝送線を介して対向装置から受信された第1伝送フレームから原信号を復元する第2復元部と、前記第1伝送フレームに基づいて、前記原信号の送信に用いられる前記第2送信器を特定する第2特定部と、前記対向装置において一又は複数の第1クライアント装置のうちの1つとのリンクダウンが発生したことを示す第1警報情報が前記第1伝送フレームに含まれるか否かに基づいて、前記第2送信器をシャットダウンするか否かを判定する第2判定部と、前記第2判定部が前記第2送信器をシャットダウンすると判定した場合、前記第2特定部によって特定された前記第2送信器をシャットダウンする第2制御部と、を含む。これにより、第1クライアント装置と対向装置との間でリンクダウンが発生した場合、伝送装置において、当該第1クライアント装置からの原信号の送信に用いられる第2送信器をシャットダウンすることができる。
【0020】
(8) 本実施形態に係る伝送方法は、一又は複数の第1クライアント装置に接続された第1伝送装置から、一又は複数の第2クライアント装置に接続された第2伝送装置へ、前記一又は複数の第1クライアント装置から送信された複数の原信号を多重化して伝送する伝送方法であって、前記第1伝送装置が、前記第1クライアント装置から送信された原信号をマッピングした第1伝送フレームを生成するステップと、前記第1伝送装置が、前記第1クライアント装置とのリンクダウンの発生を検出するステップと、前記第1伝送装置が、前記リンクダウンの発生が検出された場合、第1警報情報を含む前記第1伝送フレームを生成するステップと、前記第1伝送装置が、生成された前記第1伝送フレームを前記第2伝送装置へ送信するステップと、前記第2伝送装置が、受信された前記第1伝送フレームから前記原信号を復元する第ステップと、前記第2伝送装置が、受信された前記第1伝送フレームに基づいて、前記一又は複数の第2クライアント装置に接続された複数の第2送信器のうち、前記原信号の送信に用いられる前記第2送信器を特定するステップと、前記第2伝送装置が、復元された前記原信号を、特定された前記第2送信器によって前記第2クライアント装置へ送信するステップと、前記第2伝送装置が、前記第1伝送フレームに前記第1警報情報が含まれるか否かに基づいて、前記第2送信器をシャットダウンするか否かを判定するステップと、前記第2伝送装置が、前記第2送信器をシャットダウンすると判定した場合、特定された前記第2送信器をシャットダウンするステップと、を含む。これにより、第1クライアント装置と第1伝送装置との間でリンクダウンが発生した場合、第2伝送装置において、当該第1クライアント装置からの原信号の送信に用いられる第2送信器をシャットダウンすることができる。
【0021】
<本開示の実施形態の詳細>
以下、図面を参照しつつ、本開示の実施形態の詳細を説明する。なお、以下に記載する実施形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
【0022】
[1.中継システムの構成]
図1は、実施形態に係る通信システム10の構成の一例を示す模式図である。図1に示される通信システム10は、クライアント装置20A,20B,20C,30A,30B,30Cと、伝送装置200A,200Bとを含む。伝送装置200A,200Bは、中継システム100を構成する。中継システム100は、クライアント装置20A,20B,20Cと、クライアント装置30A,30B,30Cとの間の通信を中継する。
【0023】
伝送装置200Aは、第1伝送装置の一例であり、伝送装置200Bは、第2伝送装置の一例である。伝送装置200A,200Bは、ITU-T(International Telecommunication Union Telecommunication Standardization Sector) によって規定される通信規格であるOTNに準拠した通信装置である。伝送装置200Aは、クライアント装置20A,20B,20Cに通信ケーブル21A,21B,21Cによって接続される。伝送装置200Bは、クライアント装置30A,30B,30Cに通信ケーブル31A,31B,31Cによって接続される。伝送装置200A,200Bは、光ファイバケーブル25を介して互いに接続される。
【0024】
伝送装置200A,200Bは、互いに遠隔した拠点に配置される。光ファイバケーブル25は、例えば20km以上の長さを有する。光ファイバケーブル25には、例えばダークファイバが利用される。
【0025】
[2.伝送装置]
図2は、実施形態に係る伝送装置の構成の一例を示すブロック図である。伝送装置200Aの構成と伝送装置200Bの構成とは同一である。以下、伝送装置200A,200Bを「伝送装置200」と総称する。以下の説明では、伝送装置200Aの構成要素の符号には末尾に「A」を付し、伝送装置200Bの構成要素の符号には末尾に「B」を付すことがある。
【0026】
伝送装置200は、制御回路210と、受信器2211,2221,2231と、送信器2212,2222,2232と、信号処理回路231,232,233と、OTNフレーム処理回路240と、光トランシーバ250とを含む。
【0027】
制御回路210は、伝送装置200全体の動作を制御するための回路である。制御回路210は、プロセッサ211と、不揮発性メモリ216と、揮発性メモリ220とを含む。
【0028】
揮発性メモリ220は、例えばSRAM(Static Random Access Memory)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の半導体メモリである。不揮発性メモリ216は、例えばフラッシュメモリ、ハードディスク、ROM(Read Only Memory)等である。不揮発性メモリ216には、コンピュータプログラムである伝送制御プログラム217及び伝送制御プログラム217の実行に使用されるポートテーブル218及び判定テーブル219等のデータが格納される。伝送装置200は、コンピュータを備えて構成され、伝送装置200の各機能は、前記コンピュータの記憶装置に記憶されたコンピュータプログラムである伝送制御プログラム217がプロセッサ211によって実行されることで発揮される。
【0029】
伝送制御プログラム217は、伝送装置200におけるクライアント信号(原信号)の伝送処理を制御するためのプログラムである。伝送制御プログラム217によって、伝送装置200は、クライアント装置20A,20B,20C,30A,30B,30Cとのリンクダウン等の異常が発生したときに、当該異常に対応する処理を実行することができる。
【0030】
プロセッサ211は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。ただし、プロセッサ211は、CPUに限られない。プロセッサ211は、GPU(Graphics Processing Unit)であってもよい。具体的な一例では、プロセッサ211は、マルチコアGPUである。プロセッサ211は、コンピュータプログラムを実行可能に構成される。ただしプロセッサ211は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)を一部に含んでもよいし、ゲートアレイ、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラマブルロジックデバイスを一部に含んでもよい。
【0031】
プロセッサ211が伝送制御プログラム217を実行することにより、検出部212、特定部213、判定部214、及び制御部215の各機能が実現される。
【0032】
受信器2211,2221,2231は通信ケーブル21A,21B,21C(31A,31B,31C)を介してクライアント装置20A,20B,20C(30A,30B,30C)に接続される。受信器2211,2221,2231はクライアント装置20A,20B,20C(30A,30B,30C)からクライアント信号(原信号)を受信することができる。送信器2212,2222,2232は通信ケーブル21A,21B,21C(31A,31B,31C)を介してクライアント装置20A,20B,20C(30A,30B,30C)に接続される。受信器2211,2221,2231はクライアント装置20A,20B,20C(30A,30B,30C)へクライアント信号(原信号)を送信することができる。受信器2211,2221,2231及び送信器2212,2222,2232はクライアント信号を入出力するクライアントポートである。受信器2211及び送信器2212によってクライアントポート221が構成され、受信器2221及び送信器2222によってクライアントポート222が構成され、受信器2231及び送信器2232によってクライアントポート223が構成される。
【0033】
受信器2211と送信器2212とは、例えばトランシーバとして一体的に構成されている。具体的には、受信器2211及び送信器2212は、例えばRJ45コネクタ及びPHYを含むイーサネットトランシーバ(「イーサネット」は登録商標)である。受信器2221及び送信器2222も同様であり、受信器2231及び送信器2232も同様である。通信ケーブル21A,21B,21C,31A,31B,31Cは、例えばイーサネットケーブルである。
【0034】
信号処理回路231,232,233は、例えば、シリアル/パラレル変換器、送信回路及び受信回路を含む。信号処理回路231は、受信器2211及び送信器2212に接続される。信号処理回路232は、受信器2221及び送信器2222に接続される。信号処理回路233は、受信器2231及び送信器2232に接続される。信号処理回路231,232,233は、OTNフレーム処理回路240に接続される。信号処理回路231,232,233は、例えばFPGAを含むハードウェア回路によって構成される。
【0035】
信号処理回路231,232,233は、受信器2211,2221,2231から受け付けたシリアル電気信号をシリアル/パラレル変換する。信号処理回路231,232,233は、パラレル電気信号に対して所定の信号処理を施し、OTNフレーム処理回路240へ出力する。
【0036】
OTNフレーム処理回路240は、伝送装置200をマックスポンダとして機能させる
。OTNフレーム処理回路240は、クライアント信号を収容したOTNフレーム(第1伝送フレーム)を生成するフレーム生成部241の機能を有する。OTNフレーム処理回路240は、クライアント装置20A,20B,20C(30A,30B,30C)から受信された複数のクライアント信号をOTNフレームに変換する。つまり、OTNフレーム処理回路240は、クライアント信号が分割されたブロックデータをOPUk(Optical Channel Payload Unit-k)フレームにマッピングする。OTNフレーム処理回路240は、OPUkフレームをODUk(Optical Channel Data Unit-k)にマッピングし、ODUkフレームをOTUk(Optical Channel Transport Unit-k)にマッピングする。図3Aは、OPUkフレームのフォーマットを示す図であり、図3Bは、ODUkフレームのフォーマットを示す図であり、図3Cは、OTUkフレームのフォーマットを示す図である。OTNフレーム処理回路240は、OPUkフレームのペイロード領域にクライアント信号をマッピングする。さらに、OTNフレーム処理回路240は、OPUkフレームにODUkオーバーヘッド(OH)を付加して、ODUkフレームを生成する。ODUkオーバーヘッドには、フレームを定義するフレームアライメント(FA)領域を含む。さらに、OTNフレーム処理回路240は、ODUkフレームにOTUkオーバーヘッド及びOTUk FEC(前方誤り訂正)領域を付加して、OTUkフレームを生成する。
【0037】
OTNフレーム処理回路240は、生成されたOTUkフレームをOCh(Optical Channel)フレームにマッピングし、OChフレームを時分割多重化する。OTNフレーム処理回路240は、各受信器2211,2221,2231によって受信されたクライアント信号を収容したOChフレームを、クライアントポートに対応付けられたタイムスロットに割り当てる。クライアントポートとタイムスロットとの対応付けは、クライアント装置20A,20B,20Cとクライアント装置30A,30B,30Cとの接続確立時に決定される。クライアントポートとタイムスロット番号との対応関係は、ポートテーブル218に登録される。
【0038】
OTNフレーム処理回路240によって生成された多重化信号は、光トランシーバ250に出力される。光トランシーバ250は、受信された多重化信号を光信号として送信する。光トランシーバ250には光ファイバケーブル25が接続されている。光トランシーバ250は、光信号を光ファイバケーブル25へ送出する。
【0039】
光トランシーバ250は、光ファイバケーブル25を介して、対向装置である伝送装置200から送信された多重化光信号を受信する。光トランシーバ250は、受信された多重化光信号を電気信号に変換し、当該電気信号をOTNフレーム処理回路240に出力する。
【0040】
OTNフレーム処理回路240は、OTNフレームからクライアント信号を復元する復元部242の機能を有する。OTNフレーム処理回路240は、多重化光信号の各タイムスロットからOChフレームを抽出する。OTNフレーム処理回路240は、OChフレームからOTUkフレームをデマッピングし、OTUkフレームからODUkフレームをデマッピングする。OTNフレーム処理回路240は、ODUkフレームからOPUkフレームをデマッピングし、OPUkフレームからクライアント信号を構成するブロックデータをデマッピングする。
【0041】
特定部213は、ポートテーブル218を参照し、クライアント信号(ブロックデータ)が割り当てられたタイムスロット番号からクライアントポート番号を特定する。ここでは、伝送装置200Aにおけるクライアントポート221Aにクライアントポート番号#1が割り当てられ、クライアントポート222Aにクライアントポート番号#2が割り当てられ、クライアントポート223Aにクライアントポート番号#3が割り当てられ、伝送装置200Bにおけるクライアントポート221Bにクライアントポート番号#1が割り当てられ、クライアントポート222Bにクライアントポート番号#2が割り当てられ、クライアントポート223Bにクライアントポート番号#3が割り当てられているものとする。
【0042】
OTNフレーム処理回路240からは、パラレル電気信号であるブロックデータが、特定されたクライアントポート番号に対応する信号処理回路231,232,233に出力される。信号処理回路231,232,233は、OTNフレーム処理回路240から受け付けたパラレル電気信号に対して所定の信号処理を施し、パラレル電気信号をパラレル/シリアル変換する。信号処理回路231,232,233は、シリアル電気信号を送信器2212,2222,2232へ出力する。送信器2212,2222,2232のそれぞれは、クライアント信号を通信ケーブル21A,21B,21C(31A,31B,31C)へ送出する。
【0043】
図4は、実施形態に係る中継システムにおける論理リンクの一例を説明するための図である。図4において、破線が論理リンクを示している。図4に示す例では、クライアント装置20Aとクライアント装置30Aとの間で論理リンクが形成されている。この場合、クライアントポート221Aとクライアントポート221Bとが同一の論理リンクに含まれる。同一の論理リンクに含まれるクライアントポートには、同一のタイムスロット番号が割り当てられる。例えば、クライアントポート221Aにタイムスロット番号3n(n=0,1,2,3,…)が割り当てられている場合、クライアントポート221Bにもタイムスロット番号3nが割り当てられる。
【0044】
再び図2を参照する。検出部212は、クライアント装置20A,20B,20C(30A,30B,30C)とのリンクダウンの発生を検出する。例えば、検出部212は、受信器2211,2221,2231における信号受信状態を監視する。受信器2211,2221,2231のいずれかにおいて一定期間信号を受信しない場合、検出部212は、当該受信器に接続されたクライアント装置との間でリンクダウンが発生したと判断する。
【0045】
伝送装置200は、クライアント装置20A,20B,20C(30A,30B,30C)とのリンクダウンが発生した場合、リンクダウン転送を行う。リンクダウン転送とは、伝送装置200の1つのクライアントポートにおいてリンクダウンが発生した場合、対向装置である伝送装置200において、リンクダウンしたクライアントポートと同一の論理リンクに含まれるクライアントポートをシャットダウンするために、リンクダウン情報を送信する処理である。
【0046】
OTNフレーム処理回路240は、リンクダウンの発生が検出された場合、OCI(Open Connection Indication)を含むOTNフレームを生成する。図5Aは、OCIを説明するための図である。OCIは、ODUk保守信号の1つであり、ODUkフレームとして生成される。OCIは、FA領域とOTUkオーバヘッド以外の領域において、「0110 0110…」パターンが繰り返されている。
【0047】
再び図2を参照する。OTNフレーム処理回路240は、クライアント信号を収容したODUkフレームの代わりにOCIを生成する。OCIはOTUkフレームにマッピングされ、OChフレームにマッピングされる。OCIは、リンクダウンしたクライアントポートに割り当てられたタイムスロットに収容される。OCIを含む多重化光信号は伝送装置200から対向の伝送装置200へと伝送される。受信側のOTNフレーム処理回路240は、OCIを受信する。
【0048】
OCIを受信した伝送装置200において、特定部213は、ポートテーブル218を参照し、OCIが割り当てられたタイムスロット番号からクライアントポート番号を特定する。判定部214は、OTNフレームにOCIが含まれるか否かに基づいて、クライアントポートの送信器をシャットダウンするか否かを判定する。制御部215は、判定部214がクライアントポートをシャットダウンすると判定した場合、特定部213によって特定されたクライアントポートの送信器をシャットダウンする。
【0049】
OTNフレーム処理回路240は、制御部215がクライアントポートをシャットダウンした場合、LCKを含むOTNフレームを生成する。図5Bは、LCKを説明するための図である。LCKは、ODUk保守信号の1つであり、ODUkフレームとして生成される。LCKは、FA領域とOTUkオーバヘッド以外の領域において、「0101 0101…」パターンが繰り返されている。
【0050】
再び図2を参照する。OTNフレーム処理回路240は、クライアント信号を収容したODUkフレームの代わりにLCKを生成する。LCKはOTUkフレームにマッピングされ、OChフレームにマッピングされる。LCKは、シャットダウンされたクライアントポートに割り当てられたタイムスロットに収容される。LCKを含む多重化光信号は伝送装置200から対向の伝送装置200(つまり、リンクダウンが発生した伝送装置200)へと伝送される。
【0051】
リンクダウンが発生した伝送装置200において、OTNフレーム処理回路240は、LCKを受信する。判定部214は、OTNフレームにLCKが含まれる場合、クライアントポートの送信器をシャットダウンしないと判定する。
【0052】
検出部212は、リンクダウンとは異なる異常を検出することができる。例えば、検出部212は、OTNフレーム処理回路240に異常が発生した場合、当該異常を検出する。光トランシーバ250は、OTNフレームを生成する機能を有する。検出部212によってOTNフレーム処理回路240の異常が検出された場合、光トランシーバ250は、AISを含むOTNフレームを生成する。図5Cは、AISを説明するための図である。AISは、ODUk保守信号の1つであり、ODUkフレームとして生成される。AISは、FA領域、OTUkオーバヘッド、及びFTFL(Fault Type & Fault Location reporting channel)以外の領域において全て「1」のパターンが繰り返されている。
【0053】
再び図2を参照する。光トランシーバ250は、AISをOTUkフレームにマッピングし、OTUkフレームをOChフレームにマッピングする。AISは、例えば1つのタイムスロットに収容される。AISを含む多重化光信号は伝送装置200から対向の伝送装置200へと伝送される。
【0054】
対向する伝送装置200において、OTNフレーム処理回路240は、AISを受信する。判定部214は、OTNフレームにAISが含まれる場合、全てのクライアントポートの送信器2212,2222,2232をシャットダウンすると判定する。制御部215は、判定部214が全てのクライアントポートの送信器2212,2222,2232をシャットダウンすると判定した場合、全てのクライアントポートの送信器2212,2222,2232をシャットダウンする。
【0055】
[3.中継システムの動作]
図6は、実施形態に係る中継システムにおけるリンクダウン転送の一例を説明するための図であり、図7は、リンクダウン転送の手順を示すシーケンス図である。伝送装置200Aのクライアントポート221Aにおいてリンクダウンが発生した場合(図6参照)、クライアント装置20Aからのクライアント信号は伝送装置200Aによって受信されない。プロセッサ211Aは、クライアントポート221Aにおけるリンクダウンを検出する(ステップS101)。
【0056】
OTNフレーム処理回路240Aは、クライアント信号を収容したODUkフレームの代わりにOCIを生成する。OCIはOTUkフレームにマッピングされ、OChフレームにマッピングされる(ステップS102)。OCIは、クライアントポート221Aに割り当てられたタイムスロットに収容される。OCIを含む多重化光信号は伝送装置200Aから伝送装置200Bへと伝送される(ステップS103)。
【0057】
伝送装置200BのOTNフレーム処理回路240Bは、受信されたOTNフレームをデマッピングする(ステップS104)。OTNフレーム処理回路240BによってOCIが取得されると、プロセッサ211Bは、ポートテーブル218Bを参照し、OCIが収容されていたタイムスロット番号から、クライアントポート番号「#1」を特定する。これにより、リンクダウンしたクライアントポート221Aに対応する(つまり、同一の論理リンクに含まれる)クライアントポート221Bが特定される。プロセッサ211Bは、特定されたクライアントポート番号に対応付けて、OCIが受信された情報を判定テーブル219Bに登録する。
【0058】
図8は、OCIが受信された場合の判定テーブルの一例を示す図である。判定テーブル219は、クライアントポート番号毎に、AIS、LCK、OCIのフィールドを有する。初期状態において、全てのクライアントポート番号#1,#2,#3に対するAIS、LCK、OCIの全フィールドは空である。OCIが受信されると、特定されたクライアントポート番号「#1」に対応するOCIフィールドに、OCIが受信されたことを示す情報(OCI受信情報)が登録される。
【0059】
再び図7を参照する。プロセッサ211Bは、判定テーブル219Bを参照し、クライアントポート(の送信器2212B,2222B,2232B)をシャットダンするか否かを判定する。判定テーブル219BにおいてOCI受信情報が登録されている場合、プロセッサ211Bはクライアントポートをシャットダウンすると判定する(ステップS105)。プロセッサ211Bは、判定テーブル219Bを参照して、シャットダウン対象のクライアントポート番号を特定する(ステップS106)。
【0060】
プロセッサ211Bは、特定されたクライアントボート番号「#1」の送信器2212Bをシャットダウンする(ステップS107)。このとき、受信器2211Bはシャットダウンされない。したがって、クライアント装置30Aからのクライアント信号は受信器2211Bによって受信される。このため、クライアントポート221Bのリンクダウンが検出されず、OCIが生成されることはない。以上で、リンクダウン転送が完了する。
【0061】
次に、クライアントポートのシャットダウンが指令された場合の中継システム100の動作(以下、「シャットダウン通知動作」という)について説明する。図9は、実施形態に係る中継システムにおけるシャットダウン通知動作の一例を説明するための図であり、図10は、シャットダウン通知動作の手順を示すシーケンス図である。伝送装置200は、図示しない外部ポートを備えており、外部ポートに管理用の外部端末を接続することができる。ユーザは、外部端末を用いて、伝送装置200の特定のポートをシャットダウンするシャットダウン指令を入力することができる。伝送装置200Aのクライアントポート221Aをシャットダウンするシャットダウン指令が伝送装置200Aに入力された場合(図9参照)、プロセッサ211Aは、クライアントポート221Aの送信器2212Aをシャットダウンする(ステップS201)。
【0062】
OTNフレーム処理回路240Aは、クライアント信号を収容したODUkフレームの代わりにLCKを生成する。LCKはOTUkフレームにマッピングされ、OChフレームにマッピングされる(ステップS202)。LCKは、クライアントポート221Aに割り当てられたタイムスロットに収容される。LCKを含む多重化光信号は伝送装置200Aから伝送装置200Bへと伝送される(ステップS303)。
【0063】
伝送装置200BのOTNフレーム処理回路240Bは、受信されたOTNフレームをデマッピングする(ステップS304)。OTNフレーム処理回路240BによってLCKが取得されると、プロセッサ211Bは、ポートテーブル218Bを参照し、LCKが収容されていたタイムスロット番号から、クライアントポート番号「#1」を特定する。これにより、シャットダウンしたクライアントポート221Aに対応する(つまり、同一の論理リンクに含まれる)クライアントポート221Bが特定される。プロセッサ211Bは、特定されたクライアントポート番号に対応付けて、LCKが受信された情報を判定テーブル219Bに登録する。
【0064】
図11は、LCKが受信された場合の判定テーブルの一例を示す図である。LCKが受信されると、特定されたクライアントポート番号「#1」に対応するLCKフィールドに、LCKが受信されたことを示す情報(LCK受信情報)が登録される。
【0065】
再び図10を参照する。プロセッサ211Bは、判定テーブル219Bを参照し、クライアントポート(の送信器2212B,2222B,2232B)をシャットダンするか否かを判定する。判定テーブル219BにおいてLCK受信情報が登録されている場合、プロセッサ211Bはクライアントポートをシャットダウンすると判定する(ステップS205)。プロセッサ211Bは、判定テーブル219Bを参照して、シャットダウン対象のクライアントポート番号を特定する(ステップS206)。
【0066】
プロセッサ211Bは、特定されたクライアントボート番号「#1」の送信器2212Bをシャットダウンする(ステップS207)。このとき、受信器2211Bはシャットダウンされない。したがって、クライアント装置30Aからのクライアント信号は受信器2211Bによって受信される。このため、クライアントポート221Bのリンクダウンが検出されず、OCIが生成されることはない。以上で、シャットダウン通知動作が完了する。
【0067】
次に、リンクダウンとは異なる異常を検出した場合の中継システム100の動作(以下、「異常検出動作」という)について説明する。図12は、実施形態に係る中継システムにおける異常検出動作の一例を説明するための図であり、図13は、異常検出動作の手順を示すシーケンス図である。伝送装置200AのOTNフレーム処理回路240Aに異常が発生した場合、プロセッサ211Aは、OTNフレーム処理回路240Aの異常を検出する(ステップS301)。
【0068】
光トランシーバ250Aは、クライアント信号を収容したODUkフレームの代わりにAISを生成する。AISはOTUkフレームにマッピングされ、OChフレームにマッピングされる(ステップS302)。AISは、1つのクライアントポートに割り当てられたタイムスロットに収容される。AISを含む多重化光信号は伝送装置200Aから伝送装置200Bへと伝送される(ステップS303)。
【0069】
伝送装置200BのOTNフレーム処理回路240Bは、受信されたOTNフレームをデマッピングする(ステップS304)。OTNフレーム処理回路240BによってAISが取得されると、プロセッサ211Bは、ポートテーブル218Bを参照し、AISが収容されていたタイムスロット番号から、クライアントポート番号を特定する。プロセッサ211Bは、特定されたクライアントポート番号に対応付けて、AIS受信情報を判定テーブル219Bに登録する。
【0070】
プロセッサ211Bは、判定テーブル219Bを参照し、クライアントポート(の送信器2212B,2222B,2232B)をシャットダンするか否かを判定する。判定テーブル219BにおいてAIS受信情報が登録されている場合、プロセッサ211Bは全てのクライアントポートをシャットダウンすると判定する(ステップS305)。
【0071】
プロセッサ211Bは、全てのクライアントボートの送信器2212B,2222B,2232Bをシャットダウンする(ステップS306)。このとき、受信器2211B,2221B,2231Bはシャットダウンされない。したがって、クライアント装置30A,30B,30Cからのクライアント信号は受信器2211B,2221B,2231Bによって受信される。このため、クライアントポート221B,222B,223Bのリンクダウンが検出されず、OCIが生成されることはない。以上で、異常検出動作が完了する。
【0072】
[4.変形例]
図14は、実施形態に係る通信システム10の変形例を示す模式図である。図14に示される通信システム10は、クライアント装置20A,20B,20C,20D,30A,30B,30C,30Dと、伝送装置201A,202A,203A,201B,202B,203Bとを含む。伝送装置201A,202A,203A,201B,202B,203Bは、中継システム101を構成する。中継システム101は、クライアント装置20A,20B,20C,20Dと、クライアント装置30A,30B,30C,30Dとの間の通信を中継する。
【0073】
伝送装置202Aの2つのクライアントポート321A,322Aには、クライアント装置20A,20Bが通信ケーブル21A,21Bを介して接続されている。伝送装置203Aの2つのクライアントポート331A,332Aには、クライアント装置20C,20Dが通信ケーブル21C,21Dを介して接続されている。伝送装置202Aの光通信ポート(光トランシーバ)と伝送装置201Aのクライアントポート311Aとが光ファイバケーブル25Aを介して接続されている。伝送装置203Aの光通信ポートと伝送装置201Aのクライアントポート312Aとが光ファイバケーブル25Bを介して接続されている。
【0074】
伝送装置202Bの2つのクライアントポート321B,322Bには、クライアント装置30A,30Bが通信ケーブル31A,31Bを介して接続されている。伝送装置203Bの2つのクライアントポート331B,332Bには、クライアント装置30C,30Cが通信ケーブル31C,31Dを介して接続されている。伝送装置202Bの光通信ポートと伝送装置201Bのクライアントポート311Bとが光ファイバケーブル25Cを介して接続されている。伝送装置203Bの光通信ポートと伝送装置201Bのクライアントポート312Bとが光ファイバケーブル25Dを介して接続されている。
【0075】
伝送装置201Aの光通信ポートと伝送装置201Bの光通信ポートとが、光ファイバケーブル25によって接続されている。
【0076】
伝送装置201A,202A,203A,201B,202B,203Bの構成は、伝送装置200の構成と同様である。ただし、伝送装置201A,201Bにおいて、クライアントポートはイーサネットトランシーバではなく、光トランシーバによって構成されている。
【0077】
伝送装置202A,203Aは、クライアント信号をOTNフレームにマッピングし、多重化光信号として光ファイバケーブル25A,25Bに送出する。伝送装置201Aは、伝送装置202A,203Aから受信されたOTNフレームをさらにOTNフレームにマッピングする。つまり、伝送装置201AのOTNフレーム処理回路240は、受信されたOTUkフレームをOPUkフレームのペイロードにマッピングし、OPUkフレームをODUkフレームにマッピングし、ODUkフレームをOTUkフレームにマッピングする。OTUkフレームはOChフレームにマッピングされ、クライアントポートに対応するタイムスロットに収容されて、多重化光信号として光ファイバケーブル25に送出される。伝送装置201B,202B,203Bも同様にして、クライアント信号をOTNフレームに二段階でマッピングする。
【0078】
伝送装置201Aは、伝送装置201Bから受信されたOTNフレームからOTNフレームをデマッピングする。伝送装置201Aは、OTNフレームが割り当てられたタイムスロット番号から、対応するクライアントポートを特定し、デマッピングされたOTNフレームを特定されたクライアントポートから送出する。伝送装置202A,203Aは、受信されたOTNフレームからクライアント信号をデマッピングする。伝送装置202A,203Aは、クライアント信号が割り当てられたタイムスロット番号から、対応するクライアントポートを特定し、デマッピングされたクライアント信号を特定されたクライアントポートから送出する。伝送装置201B,202B,203Bも同様にして、クライアント信号が二重にラッピングされたOTNフレームからクライアント信号を2段階でデマッピングする。
【0079】
例えば、伝送装置202Aのクライアントポート321Aにおいてリンクダウンが発生した場合、伝送装置202Aは、OCIを生成し、OCIをマッピングしたOTNフレームを、クライアントポート321Aに対応するタイムスロットに割り当て、多重化光信号を送信する。送信されたOTNフレームは、伝送装置201AにおいてさらにOTNフレームにマッピングされ、伝送装置201Bへ送信される。
【0080】
伝送装置201Bは、OTNフレームをデマッピングし、元のOTNフレームを復元する。復元されたOTNフレームは、伝送装置202B,203Bによって受信される。OCIを含むOTNフレームは伝送装置202Bによって受信される。伝送装置202Bは、OCIが割り当てられたタイムスロット番号から、リンクダウンが発生したクライアントポート321Aと同一の論理リンクに含まれるクライアントポート321Bを特定する。伝送装置202Bは、特定されたクライアントポート321Bの送信器をシャットダウンする。
【0081】
伝送装置202Bは、LCKを生成し、LCKをマッピングしたOTNフレームを、クライアントポート321Bに対応するタイムスロットに割り当て、多重化光信号を送信する。送信されたOTNフレームは、伝送装置201BにおいてさらにOTNフレームにマッピングされ、伝送装置201Aへ送信される。
【0082】
伝送装置201Aは、OTNフレームをデマッピングし、元のOTNフレームを復元する。復元されたOTNフレームは、伝送装置202A,203Aによって受信される。LCKを含むOTNフレームは伝送装置202Aによって受信される。伝送装置202Aは、LCKが割り当てられたタイムスロット番号から、シャットダウンされたクライアントポート321Bと同一の論理リンクに含まれるクライアントポート321Aを特定する。伝送装置202Aは、特定されたクライアントポート321Aの送信器をシャットダウンしない。
【0083】
例えば、伝送装置201Aのクライアントポート311Aにおいてリンクダウンが発生した場合、伝送装置201Aは、OCIを生成し、OCIをマッピングしたOTNフレームを、クライアントポート311Aに対応するタイムスロットに割り当て、多重化光信号を送信する。
【0084】
伝送装置201Bは、OTNフレームをデマッピングし、OCIが割り当てられたタイムスロット番号から、リンクダウンが発生したクライアントポート311Aと同一の論理リンクに含まれるクライアントポート311Bを特定する。伝送装置201Bは、特定されたクライアントポート311Bの送信器をシャットダウンする。
【0085】
伝送装置201Bは、LCKを生成し、LCKをマッピングしたOTNフレームを、クライアントポート311Bに対応するタイムスロットに割り当て、多重化光信号を送信する。
【0086】
伝送装置201Aは、OTNフレームをデマッピングし、LCKが割り当てられたタイムスロット番号から、シャットダウンされたクライアントポート311Bと同一の論理リンクに含まれるクライアントポート311Aを特定する。伝送装置201Aは、特定されたクライアントポート311Aの送信器をシャットダウンしない。
【0087】
[5.他の変形例]
上記の実施形態では、リンクダウンの発生を通知するための情報(第1警報情報)をOCIとしたが、これに限定されない。OCI以外の信号を第1警報情報に用いてもよい。例えば、CSF(Client Signal Fail)を第1警報情報に用いてもよい。同様に、クライアントポートのシャットダウンを通知するための情報(第2警報情報)にLCK以外の信号を用いてもよいし、リンクダウンとは異なる異常を通知するための情報(第3警報情報)にAIS以外の信号を用いてもよい。
【0088】
[6.効果]
中継システム100は、クライアント装置20A,20B,20C(第1クライアント装置)とクライアント装置30A,30B,30C(第2クライアント装置)との間の通信を中継する。中継システム100は、伝送装置200A(第1伝送装置)と、伝送装置200B(第2伝送装置)と、光ファイバケーブル25(伝送線)とを備える。伝送装置200Aは、クライアント装置20A,20B,20Cとの間で複数のクライアント信号(原信号)を送受信する。伝送装置200Bは、クライアント装置30A,30B,30Cとの間で複数のクライアント信号を送受信する。光ファイバケーブル25は、伝送装置200A及び伝送装置200B間を接続する。伝送装置200Aは、フレーム生成部241Aと、光トランシーバ250A(第1送信部)と、検出部212Aとを含む。フレーム生成部241Aは、クライアント装置20A,20B,20Cから送信されたクライアント信号をマッピングしたOTNフレーム(第1伝送フレーム)を生成する。光トランシーバ250Aは、フレーム生成部241Aによって生成されたOTNフレームを、光ファイバケーブル25を介して伝送装置200Bへ送信する。検出部212Aは、クライアント装置20A,20B,20Cとのリンクダウンの発生を検出する。検出部212Aによってリンクダウンの発生が検出された場合、フレーム生成部241Aは、OCI(第1警報情報)を含むOTNフレームを生成する。伝送装置200Bは、送信器2212B,2222B,2232B(第2送信器)と、復元部242B(第2復元部)と、特定部213B(第2特定部)と、判定部214B(第2判定部)と、制御部215B(第2制御部)とを含む。送信器2212B,2222B,2232Bは、複数のクライアント信号をクライアント装置30A,30B,30Cへ送信する。復元部242Bは、光ファイバケーブル25を介して受信されたOTNフレームからクライアント信号を復元する。特定部213Bは、OTNフレームに基づいて、クライアント信号の送信に用いられる送信器2212B,2222B,2232Bを特定する。判定部214Bは、OTNフレームにOCIが含まれるか否かに基づいて、送信器2212B,2222B,2232Bをシャットダウンするか否かを判定する。制御部215Bは、判定部214Bが送信器2212B,2222B,2232Bをシャットダウンすると判定した場合、特定部213によって特定された送信器2212B,2222B,2232Bをシャットダウンする。これにより、クライアント装置20A,20B,20Cと伝送装置200Aとの間でリンクダウンが発生した場合、伝送装置200Bにおいて、クライアント装置20A,20B,20Cからのクライアント信号の送信に用いられる送信器2212B,2222B,2232Bをシャットダウンすることができる。
【0089】
伝送装置200Aは、受信器2211A,2221A,2231A(第1受信器)を含む。受信器2211A,2221A,2231Aは、クライアント装置20A,20B,20Cから複数のクライアント信号を受信する。フレーム生成部241Aは、複数の受信器2211A,2221A,2231Aに対応付けられたタイムスロットにOTNフレームを割り当てることにより、複数のクライアント信号を時分割多重化した多重化信号を生成する。特定部213Bは、タイムスロットに対応する送信器2212B,2222B,2232Bを特定してもよい。これにより、時分割多重によってクライアント信号を多重化する場合、リンクダウンが発生したクライアント装置と論理リンクが形成されたクライアント装置に接続される送信器を特定することができる。
【0090】
伝送装置200Aは、送信器2212A,2222A,2232A(第1送信器)を含んでもよい。送信器2212A,2222A,2232Aは、クライアント装置20A,20B,20Cへ複数のクライアント信号を送信する。フレーム生成部241Aは、送信器2212A,2222A,2232Aがシャットダウンされた場合、LCK(第2警報情報)を含むOTNフレームを生成してもよい。判定部214Bは、OTNフレームにLCKが含まれるか否かに基づいて、送信器2212B,2222B,2232Bをシャットダウンするか否かを判定してもよい。これにより、ユーザからの指令などによって送信器2212A,2222A,2232Aがシャットダウンされた場合、シャットダウンされた送信器2212A,2222A,2232Aに対応する送信器2212B,2222B,2232Bをシャットダウンすることができる。
【0091】
検出部212Aは、リンクダウンとは異なる異常を検出してもよい。検出部212Aによってリンクダウンとは異なる異常が検出された場合、伝送装置200Aは、AIS(第3警報情報)を送信してもよい。伝送装置200BによってAISが受信された場合、判定部214Bは、全ての送信器2212B,2222B,2232Bをシャットダウンすると判定してもよい。判定部214Bが全ての送信器2212B,2222B,2232Bをシャットダウンすると判定した場合、制御部215Bは、全ての送信器2212B,2222B,2232Bをシャットダウンしてもよい。これにより、リンクダウンとは異なる異常が発生した場合、当該異常に対処するために全ての送信器2212B,2222B,2232Bをシャットダウンすることができる。
【0092】
伝送装置200Aは、OTNフレーム処理回路240A(処理回路)を含んでもよい。OTNフレーム処理回路240Aは、クライアント装置20A,20B,20Cから受信した複数のクライアント信号を処理する。リンクダウンとは異なる異常は、OTNフレーム処理回路240Aの異常であってもよい。これにより、複数の送信器2212B,2222B,2232Bに影響するOTNフレーム処理回路240Aの異常が発生した場合に、当該異常に対処するために全ての送信器2212B,2222B,2232Bをシャットダウンすることができる。
【0093】
[8.補記]
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的ではない。本発明の権利範囲は、上述の実施形態ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及びその範囲内でのすべての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0094】
10 通信システム
20A,20B,20C,20D クライアント装置(第1クライアント装置)
21A,21B,21C,21D,31A,31B,31C,31D 通信ケーブル
25,25A,25B,25C,25D 光ファイバケーブル
30A,30B,30C,30D クライアント装置(第2クライアント装置)
100,101 中継システム
200 伝送装置
200A,201A,202A,203A 伝送装置(第1伝送装置)
200B,201B,202B,203B 伝送装置(第2伝送装置)
210,210A,210B 制御回路
211,211A,211B プロセッサ
212 検出部
212A 検出部(第1検出部)
212B 検出部
213 特定部
213A 特定部(第1特定部)
213B 特定部(第2特定部)
214 判定部
214A 判定部(第1判定部)
214B 判定部(第2判定部)
215 制御部
215A 制御部(第1制御部)
215B 制御部(第2制御部)
216 不揮発性メモリ
217 伝送制御プログラム
218,218A,218B ポートテーブル
219,219A,219B 判定テーブル
220 揮発性メモリ
221,222,223,221A,222A,223A,221B,222B,223B,311A,312A,321A,322A,331A,332A,311B,312B,321B,322B,331B,332B クライアントポート
2211,2221,2231 受信器
2211A,2221A,2231A 受信器(第1受信器)
2211B,2221B,2231B 受信器
2212,2222,2232 送信器
2212A,2222A,2232A 送信器(第1送信器)
2212B,2222B,2232B 送信器(第2送信器)
231,232,233,231A,232A,233A,231B,232B,233B 信号処理回路
240,240A,240B OTNフレーム処理回路(処理回路)
241 フレーム生成部
241A フレーム生成部(第1フレーム生成部)
241B フレーム生成部(第2フレーム生成部)
242 復元部
242A 復元部(第1復元部)
242B 復元部(第2復元部)
250 光トランシーバ
250A 光トランシーバ(第1送信部)
250B 光トランシーバ
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5A
図5B
図5C
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14