IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東芝ライテック株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-バリア放電ランプ 図1
  • 特開-バリア放電ランプ 図2
  • 特開-バリア放電ランプ 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022175582
(43)【公開日】2022-11-25
(54)【発明の名称】バリア放電ランプ
(51)【国際特許分類】
   H01J 65/00 20060101AFI20221117BHJP
   H01J 61/34 20060101ALI20221117BHJP
【FI】
H01J65/00 B
H01J61/34
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021082120
(22)【出願日】2021-05-14
(71)【出願人】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100157901
【弁理士】
【氏名又は名称】白井 達哲
(74)【代理人】
【識別番号】100176751
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 耕平
(72)【発明者】
【氏名】聶 棟興
(72)【発明者】
【氏名】日野 弘喜
(72)【発明者】
【氏名】藤岡 純
(72)【発明者】
【氏名】田内 亮彦
【テーマコード(参考)】
5C043
【Fターム(参考)】
5C043DD24
5C043EC02
(57)【要約】
【課題】メッシュ状の外部電極を設ける場合であっても、バリア放電ランプの外部に照射される紫外線の光量を増加させることができるバリア放電ランプを提供することである。
【解決手段】実施形態に係るバリア放電ランプは、筒状を呈する外管と;筒状を呈し、前記外管の内部に、ガスが封入された放電空間を介して、前記外管と略同軸に設けられた内管と;前記外管の外部に設けられ、メッシュ状を呈する外部電極と;前記内管の内部に設けられた内部電極と;板状を呈し、前記外管の外面と、前記外部電極との間に設けられた反射電極と;を具備している。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状を呈する外管と;
筒状を呈し、前記外管の内部に、ガスが封入された放電空間を介して、前記外管と略同軸に設けられた内管と;
前記外管の外部に設けられ、メッシュ状を呈する外部電極と;
前記内管の内部に設けられた内部電極と;
板状を呈し、前記外管の外面と、前記外部電極との間に設けられた反射電極と;
を具備したバリア放電ランプ。
【請求項2】
前記外管の管軸に沿った方向から見た場合に、前記反射電極の前記外管側の面の中心角θが以下の式を満足する請求項1記載のバリア放電ランプ。
15°≦θ≦240°
【請求項3】
前記反射電極は、アルミニウムを含み、
前記反射電極の厚みをT(mm)とした場合に、以下の式を満足する請求項1または2に記載のバリア放電ランプ。
0.1(mm)≦T(mm)≦3.0(mm)
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、バリア放電ランプに関する。
【背景技術】
【0002】
波長が200nm以下の紫外線を照射するバリア放電ランプがある。バリア放電ランプは、例えば、対象物の表面に付着した有機物の除去(光洗浄処理)、表面改質、酸化膜の形成などの表面処理に用いられている。
【0003】
また、バリア放電ランプとして、内管と、内管と同軸に設けられた外管と、内管の内面に設けられた内部電極と、外管の外面に設けられた外部電極と、を有するバリア放電ランプが提案されている。この様なバリア放電ランプにおいて、内部電極と外部電極とに交流電圧を印加すると、内管と外管との間の放電空間において誘電体バリア放電が生じ、放電空間に封入されたガスの種類に応じて特定の波長を有する紫外線が照射される。
【0004】
ここで、放電空間において発生した紫外線は、外管と外部電極とを介して、外部に照射される。この場合、外管は、合成石英ガラスなどの紫外線を透過する材料から形成することができる。しかしながら、外部電極は金属などの導電性材料から形成されるため、板状の外部電極とすると、放電空間において発生した紫外線を外部に照射できなくなる。
【0005】
そのため、メッシュ状の外部電極を有するバリア放電ランプが提案されている。メッシュ状の外部電極とすれば、放電空間において発生した紫外線が、外部電極を透過することができる。
【0006】
ところが、メッシュ状の外部電極とすれば、導電性材料から形成された部分の面積が小さくなるので、ランプの放電面積が小さくなる。そのため、発生する紫外線の光量、ひいては、バリア放電ランプの外部に照射される紫外線の光量を増加させるのが困難となる。 そこで、メッシュ状の外部電極を設ける場合であっても、バリア放電ランプの外部に照射される紫外線の光量を増加させることができるバリア放電ランプの開発が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002-93377号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、メッシュ状の外部電極を設ける場合であっても、バリア放電ランプの外部に照射される紫外線の光量を増加させることができるバリア放電ランプを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
実施形態に係るバリア放電ランプは、筒状を呈する外管と;筒状を呈し、前記外管の内部に、ガスが封入された放電空間を介して、前記外管と略同軸に設けられた内管と;前記外管の外部に設けられ、メッシュ状を呈する外部電極と;前記内管の内部に設けられた内部電極と;板状を呈し、前記外管の外面と、前記外部電極との間に設けられた反射電極と;を具備している。
【発明の効果】
【0010】
本発明の実施形態によれば、メッシュ状の外部電極を設ける場合であっても、バリア放電ランプの外部に照射される紫外線の光量を増加させることができるバリア放電ランプを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本実施形態に係るバリア放電ランプを例示するための模式断面図である。
図2図1におけるバリア放電ランプのA-A線方向の模式断面図である。
図3】反射電極の中心角と、バリア放電ランプの外部に照射される紫外線の増加率との関係を例示するためのグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しつつ、実施の形態について例示をする。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、本実施形態に係るバリア放電ランプ1を例示するための模式断面図である。
図2は、図1におけるバリア放電ランプ1のA-A線方向の模式断面図である。
図1および図2に示すように、バリア放電ランプ1は、例えば、内管2、外管3、内部電極4、外部電極5、リード6、ホルダ7、および反射電極8を有する。
【0013】
内管2は、筒状を呈し、管径に比べて全長(管軸方向の長さ)が長い形態を有する。内管2は、例えば、円筒管である。
外管3は、筒状を呈し、管径に比べて全長(管軸方向の長さ)が長い形態を有する。外管3は、例えば、円筒管である。
【0014】
内管2の一方の端部と、外管3の一方の端部との間は封止されている。内管2の他方の端部と、外管3の他方の端部との間は封止されている。内管2と外管3との間の空間は、放電空間9となる。例えば、内管2は、外管3の内部に、ガスが封入された放電空間9を介して、外管3と略同軸に設けられている。
すなわち、バリア放電ランプ1は、二重管構造の発光管を備えている。
【0015】
後述するように、バリア放電ランプ1を点灯させると、放電空間9において紫外線が発生する。発生した紫外線は、外管3を介して外部に照射される。そのため、外管3は、紫外線の透過率が高い材料から形成される。外管3は、例えば、合成石英ガラスから形成される。外管3が合成石英ガラスから形成されていれば、ピーク波長が200nm以下の紫外線の透過が容易となる。
【0016】
外管3の端部と内管2の端部が封止されることを考慮すると、内管2の材料は、外管3の材料と同じとすることが好ましい。そのため、内管2は、例えば、合成石英ガラスから形成される。
【0017】
バリア放電ランプ1においては、内部電極4と外部電極5との間でバリア放電を行って、放電空間9に封入されているガスに高いエネルギーの電子を与えてエキシマ励起分子を生成する。エキシマ励起分子が元に戻る際に、ガスの種類に応じて特定のピーク波長を有する光が発生する。そのため、放電空間9に封入するガスは、バリア放電ランプ1の用途に応じて適宜変更することができる。放電空間9に封入するガスは、例えば、クリプトン、キセノン、アルゴン、ネオンなどの希ガス、あるいは、複数種類の希ガスを混合させた混合ガスとすることができる。ガスには、必要に応じて、ハロゲンガスなどをさらに含めることもできる。
【0018】
放電空間9の25℃におけるガスの圧力(封入圧力)は、例えば、13kPa~150kPa程度とすることができる。放電空間9の25℃におけるガスの圧力(封入圧力)は、気体の標準状態(SATP(Standard Ambient Temperature and Pressure):温度25℃、1bar)により求めることができる。
【0019】
例えば、フラットパネルディスプレイ用のガラス板の表面を光洗浄する場合には、封入するガスをキセノンとすることが好ましい。キセノンの封入圧力は、例えば、50kPa程度とすることができる。封入するガスをキセノンとすれば、ピーク波長が172nmの紫外線を発生させることができるので洗浄効果を高めることができる。
【0020】
内部電極4は、内管2の内部に設けられている。内部電極4は、例えば、内管2の内面に設けることができる。この場合、内部電極4と、内管2の内面との間の隙間が大きくなると、放電空間9への電力の供給量がばらつくおそれがある。そのため、内部電極4は、内管2の内面に密着させることが好ましい。例えば、内部電極4は、軸方向に延びるスリットを有し、内部電極4の弾性力により、内部電極4を内管2の内面に押し付けてもよい。また、内部電極4の内側に弾性部材を設け、弾性部材の弾性力により、内部電極4を内管2の内面に押し付けてもよい。
【0021】
また、内部電極4は、放電空間9において発生した紫外線に対する反射率が高い材料から形成することができる。内部電極4は、例えば、導電性を有し、紫外線に対する反射率が高い材料から形成される。内部電極4は、例えば、ステンレス、アルミニウム、アルミニウム合金などの金属から形成される。
【0022】
内部電極4が紫外線に対する反射率が高い材料から形成されていれば、放電空間9において発生し、内管2の内部に向かう紫外線をバリア放電ランプ1(外管3)の外部に向けて反射させることができる。そのため、放電空間9において発生した紫外線の取り出し効率を向上させることができる。
【0023】
外部電極5は、外管3の外部に設けられている。図2に示すように、外部電極5は、反射電極8の外面と、外管3の、反射電極8から露出する外面と、に設けられる。外部電極5は、放電空間9を挟んで内部電極4と対向している。この場合、外部電極5と反射電極8の外面との間の隙間、および、外部電極5と外管3の反射電極8から露出する外面との間の隙間が大きくなると、放電空間9への電力の供給量がばらつくおそれがある。そのため、外部電極5を、反射電極8の外面と、外管3の、反射電極8から露出する外面と、に密着させることが好ましい。
【0024】
放電空間9において発生した紫外線は、外管3と外部電極5とを介して外部に照射される。そのため、外部電極5は、紫外線を透過させる構造を有している。外部電極5は、例えば、メッシュ状を呈している。メッシュ状の外部電極5は、例えば、金属線をシームレスな円筒状に編むことで形成することができる。金属線は、例えば、モネル(Monel)を含む線や、ステンレスを含む線などである。
【0025】
円筒状を呈するメッシュ状の外部電極5の内部には、反射電極8が設けられた外管3が挿入される。メッシュ状の外部電極5とすれば、外部電極5を、反射電極8の外面と外管3の外面とに密着させるのが容易となる。また、放電空間9において発生した紫外線を、網目の間から外部に照射することができる。また、金属線を含む外部電極5が、外管3の外面に設けられていれば、放電空間9において紫外線とともに発生した熱を外部に放出するのが容易となる。
【0026】
リード6は、例えば、一組設けることができる。
例えば、一方のリード6aは、配線6a1と接続端子6a2を有する。配線6a1の一方の端部は、接続端子6a2を介して外部電極5と電気的に接続される。配線6a1の他方の端部は、バリア放電ランプ1の外部に設けられた点灯回路や電源などと電気的に接続される。
【0027】
例えば、他方のリード6bは、配線6b1と接続端子6b2を有する。配線6b1の一方の端部は、接続端子6b2を介して内部電極4と電気的に接続される。配線6b1の他方の端部は、バリア放電ランプ1の外部に設けられた点灯回路や電源などと電気的に接続される。
【0028】
なお、図1に示すように、リード6aは、外管3の一方の端部側のみに設けることができる。また、リード6aは、外管3の両端側のそれぞれに設けることもできる。例えば、外管3の長さが長い、すなわち、外部電極5の長さが長い場合には、外管3の両端側のそれぞれにリード6aを設けることが好ましい。
【0029】
図1に示すように、リード6bは、内管2の一方の端部側のみに設けることができる。また、リード6bは、内管2の両端側のそれぞれに設けることもできる。例えば、内管2の長さが長い、すなわち、内部電極4の長さが長い場合には、内管2の両端側のそれぞれにリード6bを設けることが好ましい。
【0030】
ホルダ7は、外管3(内管2)の両端のそれぞれに設けられている。ホルダ7は、外管3(内管2)の端部を覆っている。ホルダ7は、絶縁性材料から形成される。ホルダ7は、例えば、樹脂や、無機材料から形成される。無機材料は、例えば、ステアタイト(steatite)、酸化アルミニウムなどである。ホルダ7は、外部電極5と接触させてもよいし、外部電極5と離間させてもよい。
【0031】
ここで、前述したように、外部電極5はメッシュ状を呈しているので、放電空間9において発生した紫外線を、網目の間から外部に照射することができる。しかしながら、メッシュ状の外部電極5とすれば、金属線から形成された部分の面積が小さくなるので、ランプの放電面積が小さくなる。ランプの放電面積が小さくなると、放電空間9において発生する紫外線の光量、ひいては、バリア放電ランプ1の外部に照射される紫外線の光量を増加させるのが困難となる。
【0032】
そこで、本実施形態に係るバリア放電ランプ1には、反射電極8が設けられている。
図1および図2に示すように、反射電極8は、板状を呈し、外管3の外部に設けられている。反射電極8は、例えば、外管3の外面の一部に設けることができる。
すなわち、反射電極8は、板状を呈し、外管3の外面と、外部電極5との間に設けられている。
【0033】
前述したように、外部電極5は、反射電極8の外面に設けられる。そのため、反射電極8を金属などの導電性材料から形成すれば、反射電極8が外部電極5の一部として機能する。この場合、反射電極8は板状を呈しているので、反射電極8が外部電極5の一部として機能すれば、ランプの放電面積を大きくすることができる。そのため、放電空間9において発生する紫外線の光量、ひいては、バリア放電ランプ1の外部に照射される紫外線の光量を増加させることができる。
【0034】
この場合、反射電極8と、外管3の外面との間の隙間が大きくなると、放電空間9への電力の供給量がばらつくおそれがある。そのため、反射電極8は、外管3の外面に密着させることが好ましい。図2に示すように、例えば、反射電極8は、外管3の外面の一部に設けられるので、反射電極8の弾性力により、反射電極8を外管3の外面に密着させてもよい。
【0035】
また、金属を含む反射電極8が、外管3の外面に設けられていれば、放電空間9において紫外線とともに発生した熱を外部に放出するのが容易となる。
この場合、反射電極8の厚みT(mm)が小さくなり過ぎると、加工の際に損傷や変形などが発生しやすくなる。一方、反射電極8の厚みT(mm)が大きくなり過ぎると、外部への放熱が悪くなり、反射電極8の変色や劣化が発生しやすくなる。
そのため、反射電極8の厚みT(mm)は、「0.1(mm)≦T(mm)≦3.0(mm)」とすることが好ましい。この様な厚みを有する反射電極8とすれば、良好な加工性と放熱性を得ることができる。
【0036】
以上に説明した様に、反射電極8が板状を呈していれば、ランプの放電面積を大きくすることができる。しかしながら、板状を呈する反射電極8が設けられていると、放電空間9において発生した紫外線が、反射電極8により遮光されるので、バリア放電ランプ1の外部に照射される紫外線の光量が減少することになる。
【0037】
この場合、バリア放電ランプ1は、例えば、対象物の表面に付着した有機物の除去(光洗浄処理)、表面改質、酸化膜の形成などの表面処理に用いられる場合が多い。そのため、バリア放電ランプ1の全方向における紫外線の光量を増加させる必要はなく、所定の方向における紫外線の光量を増加させればよい。
【0038】
図2に示すように、反射電極8は、外管3の外面の一部に設けられているので、外管3の、反射電極8が設けられていない部分から、紫外線をバリア放電ランプ1の外部に照射することができる。
【0039】
この場合、反射電極8の、紫外線に対する反射率が高ければ、反射電極8に入射した紫外線を効率よく反射させることができる。そのため、外管3の、反射電極8が設けられていない部分から出射する紫外線の光量を増加させることができる。すなわち、反射電極8は、紫外線を反射する反射膜として機能させることもできる。反射電極8が反射膜として機能すれば、放電空間9において発生した紫外線の取り出し効率を向上させることができる。
【0040】
例えば、反射電極8が、導電性を有し、紫外線に対する反射率が高い材料から形成されていれば、反射電極8を外部電極5の一部、および反射膜として機能させることができる。例えば、反射電極8は、ステンレス、アルミニウム、アルミニウム合金などの金属から形成することができる。この場合、例えば、反射電極8が、電解研磨を施したアルミニウムの板から形成されていれば、反射電極8の、外部電極5の一部としての機能、および反射膜としての機能を向上させることができる。
【0041】
また、図2に示すように、外管3の管軸に沿った方向から見た場合に、反射電極8の外管3側の面(内面)の中心角θが小さくなると、反射電極8と内部電極4とが対峙する領域が小さくなって、ランプの放電面積が小さくなる。そのため、放電空間9において発生する紫外線の光量が少なくなる。また、反射電極8の内面の面積(紫外線の反射面の面積)も小さくなるので、紫外線の反射量も少なくなる。そのため、中心角θを小さくし過ぎると、バリア放電ランプ1の外部に照射される紫外線の光量が少なくなる。
【0042】
一方、中心角θが大きくなると、反射電極8と内部電極4とが対峙する領域が大きくなって、ランプの放電面積が大きくなる。そのため、放電空間9において発生する紫外線の光量が増加する。また、反射電極8の面積も大きくなるので、紫外線の反射量も多くなるなる。ところが、中心角θを大きくし過ぎると、外管3の、反射電極8が設けられていない部分の面積が小さくなり過ぎて、バリア放電ランプ1の外部に照射される紫外線の光量が少なくなる。
【0043】
図3は、反射電極8の中心角θと、バリア放電ランプ1の外部に照射される紫外線の増加率との関係を例示するためのグラフである。
なお、図3は、放電空間9に封入されたガスがキセノンの場合である。封入圧力は、50kPa程度とした。発生する紫外線のピーク波長は、172nm程度である。反射電極8と内部電極4とには、11.5kHz、500Wの電力をパルス印加した。
【0044】
図3から分かる様に、中心角θを「15°≦θ」とすれば、ランプの放電面積の増加、および紫外線の反射面の面積の増加に基づく、紫外線の光量の増加を図ることができる。また、「θ≦240°」とすれば、外管3の、反射電極8が設けられていない部分の面積の減少に基づく、紫外線の光量の低下を抑制することができる。
そのため、「15°≦θ≦240°」とすれば、バリア放電ランプ1の外部に照射される紫外線の光量を増加させることができる。
【0045】
以上に説明した様に、本実施形態に係るバリア放電ランプ1には、反射電極8が設けられているので、メッシュ状の外部電極5を設ける場合であっても、バリア放電ランプ1の外部に照射される紫外線の光量を増加させることができる。
また、外管3の管軸に沿った方向から見た場合に、反射電極8の中心角θを「15°≦θ≦240°」とすれば、バリア放電ランプ1の外部に照射される紫外線の光量をさらに増加させることができる。
【0046】
以上、本発明のいくつかの実施形態を例示したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
【符号の説明】
【0047】
1 バリア放電ランプ、2 内管、3 外管、4 内部電極、5 外部電極、8 反射電極、9 放電空間
図1
図2
図3