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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022175596
(43)【公開日】2022-11-25
(54)【発明の名称】除菌機器、及び、除菌装置
(51)【国際特許分類】
   A61L 9/20 20060101AFI20221117BHJP
【FI】
A61L9/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021082143
(22)【出願日】2021-05-14
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】390001166
【氏名又は名称】株式会社エム・システム技研
(72)【発明者】
【氏名】宮道 三郎
【テーマコード(参考)】
4C180
【Fターム(参考)】
4C180AA07
4C180DD03
4C180HH01
4C180HH05
4C180HH19
4C180JJ01
4C180KK10
4C180LL06
4C180LL11
4C180LL15
4C180LL20
(57)【要約】      (修正有)
【課題】好適な除菌を実現できる除菌機器、及び除菌装置を提供する。
【解決手段】外部装置1に係合可能であり、前記外部装置から電気的な入力が供給される係合部T12、T22と、前記係合部に供給された入力を用いて電流を生成する電力供給回路と、前記電力供給回路から供給された電流を用いて紫外放射をする紫外放射素子と、前記係合部から供給される入力を検出する検出部と、前記検出部の検出結果に応じて第1制御及び第2制御の少なくとも一方で前記電力供給回路を制御する制御部とを有し、前記制御部は、前記検出部の検出結果を用いて前記係合部から供給される入力が所定の条件を満たすか否かを判断し、前記所定の条件を満たすと判断した場合には前記電力供給回路を前記第1制御で制御し、前記所定の条件を満たさないと判断した場合には前記電力供給回路を前記第2制御で制御する除菌機器。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部装置に係合可能であり、前記外部装置から電気的な入力が供給される係合部と、
前記係合部に供給された入力を用いて電流を生成する電力供給回路と、
前記電力供給回路から供給された電流を用いて紫外放射をする紫外放射素子と、
前記係合部から供給される入力を検出する検出部と、
前記検出部の検出結果に応じて第1制御及び第2制御の少なくとも一方で前記電力供給回路を制御する制御部とを有し、
前記制御部は、前記検出部の検出結果を用いて前記係合部から供給される入力が所定の条件を満たすか否かを判断し、前記所定の条件を満たすと判断した場合には前記電力供給回路を前記第1制御で制御し、前記所定の条件を満たさないと判断した場合には前記電力供給回路を前記第2制御で制御する除菌機器。
【請求項2】
請求項1に記載された除菌機器であって、
前記電力供給回路は、スイッチング回路を有し、
前記制御部は、前記所定の条件を満たすと判断した場合には前記スイッチング回路を動作させず、前記所定の条件を満たさないと判断した場合には前記スイッチング回路を動作させる除菌機器。
【請求項3】
請求項2に記載された除菌機器であって、
前記制御部は、前記係合部から供給される入力がインバータの電圧であるという前記所定の条件を記憶している記憶部を有し、
前記係合部から供給される入力がインバータの電圧であるとき、前記所定の条件を満たすと判断して第1制御信号を出力し、
前記係合部から供給される入力がインバータの電圧でないとき、前記所定の条件を満たさないと判断して第2制御信号を出力する除菌機器。
【請求項4】
請求項3に記載された除菌機器であって、
前記係合部から入力が供給される入力端子と、
前記制御部から前記第1制御信号が出力されたとき、一端側と他端側とが導通する第1状態に切換え、前記制御部から前記第2制御信号が出力されたとき、前記一端側と前記他端側とが非導通となる第2状態に切換える切換え部と、
一端側が前記入力端子、及び、前記切換え部の一端側に電気的に接続されておりオン状態とオフとを繰り返すスイッチング動作をするスイッチング素子と、
一端側が前記切換え部の他端側に電気的に接続された前記紫外放射素子と、
一端側が前記入力端子、及び、前記紫外放射素子の他端側に電気的に接続されたダイオードと、
一端側が前記ダイオードの他端側、及び、前記スイッチング素子の他端側に電気的に接続され、他端側が前記切換え部の他端側に電気的に接続されたたコイルと、
前記切変え部の他端側に電気的に接続される一端および前記紫外放射素子の一端側に電気的に接続される他端を有する第1経路と、
前記コイルの他端側に電気的に接続された一端と、前記紫外放射素子の一端側に接続された他端を有する第2経路とを備え、
前記切換え部が前記第1状態に切換えられたとき、前記切換え部の一端側と前記切換え部の他端側とが導通し、前記係合部から供給された入力を用いて生成された第1電流が前記第1経路に流れ、
前記切換え部が前記第2状態に切換えられたとき、前記切換え部の一端側と前記切換え部の他端側とが非導通となり、前記スイッチング素子の前記スイッチング動作により生成された第2電流が前記第2経路に流れ、
前記紫外放射素子は、前記切換え部が前記第1状態に切換えられたとき、前記第1電流を用いて紫外放射を行い、前記切換え部が前記第2状態に切換えられたとき、前記第2電流を用いて紫外放射を行う除菌機器。
【請求項5】
請求項1から請求項4の何れか1項に記載された除菌機器を有する除菌装置。
【請求項6】
請求項5に記載された除菌装置であって、
前記除菌機器の前記係合部に係合可能であり、前記除菌機器に電気的な入力を供給する外部装置と、
前記除菌機器及び前記外部装置の外部に設けられ、前記除菌機器及び前記外部装置を覆うカバーと、
電気回路を有し、前記外部装置及び前記カバーを支持する支持装置と、
前記カバーに固定された第1装置と、
前記外部装置に固定され、前記第1装置と接続可能な第2装置とを有し、
前記電気回路は、前記第1装置と前記第2装置とが接続しているときに前記除菌機器に電力を供給可能であり、前記第1装置と前記第2装置とが接続していないときに前記除菌機器に電力を供給することができない除菌装置。
【請求項7】
請求項5に記載された除菌装置であって、
前記除菌機器を覆う管状のカバーと、
前記カバーの一端側から流入した空気を他端側から排気するために駆動するファンと、
前記ファンを制御するファン制御部とを有し、
前記ファン制御部は、前記カバーの内部の空気が層流になるように前記ファンを制御する除菌装置。
【請求項8】
請求項7に記載された除菌装置であって、
前記ファン制御部は、
前記カバーの内径をd[m]、前記カバー内の空気の平均速度をV[m/s]、空気の動粘度をν[m2/s]、層流から乱流への遷移がおきるときのレイノルズ数をRe0としたとき、前記カバー内の平均速度V[m/s]が
V<Re0×ν/d
となるように前記ファンを制御する除菌装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、除菌機器、及び、除菌装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、紫外線を前方に反射するように殺菌灯の背面に配設された反射板を有し、室内の空気を殺菌する殺菌灯器具が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭61-171935
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
解決しようとする課題は、好適な除菌を実現できる除菌機器、及び、除菌装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の観点に係る除菌機器は、外部装置に係合可能であり、前記外部装置から電気的な入力が供給される係合部と、前記係合部に供給された入力を用いて電流を生成する電力供給回路と、前記電力供給回路から供給された電流を用いて紫外放射をする紫外放射素子と、前記係合部から供給される入力を検出する検出部と、前記検出部の検出結果に応じて第1制御及び第2制御の少なくとも一方で前記電力供給回路を制御する制御部とを有し、前記制御部は、前記検出部の検出結果を用いて前記係合部から供給される入力が所定の条件を満たすか否かを判断し、前記所定の条件を満たすと判断した場合には前記電力供給回路を前記第1制御で制御し、前記所定の条件を満たさないと判断した場合には前記電力供給回路を前記第2制御で制御する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、好適な除菌を実現できる除菌機器、及び、除菌装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は第1実施形態の除菌装置を説明するための図である。
図2図2は第1実施形態の除菌装置を説明するための別の図である。
図3図3は第1実施形態の除菌装置を説明するための更に別の図である。
図4図4は第1実施形態の除菌機器を説明するための図である。
図5図5は第1実施形態の除菌機器を説明するための別の図である。
図6図6は第2実施形態の除菌機器を説明するための図である。
図7図7は第3実施形態の除菌装置を説明するための図である。
図8図8は第3実施形態の除菌装置を説明するための別の図である。
図9図9は第4実施形態の除菌装置を説明するための図である。
図10図10は第5実施形態の除菌装置を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1実施形態)
【0009】
図1図3は第1実施形態の除菌装置を説明するための図、図4図5は第1実施形態の除菌機器を説明するための図である。図1図5においては、構成要件の一部を省略して図示している。
【0010】
図1図2において、本実施形態の除菌装置1は、除菌機器10と、本体装置71と、支持装置74と、カバー78と、ファン79とを有する。除菌機器10は、本体部11と、第1電極T11と、第2電極T12と、第3電極T21と、第4電極T22とを有する。
【0011】
本体装置71は、固定部72、73を有する。固定部72、73は、除菌機器10に係合する形状を有し、除菌機器10を着脱可能に固定(支持)する。固定部72は電極T71、T72を有し、固定部73は電極T73、T74を有する。
【0012】
電極T71、T72は、固定部72に固定された除菌機器10の電極T11、T12に電気的に接続される。電極T73、T74は、固定部73に固定された除菌機器10の電極T21、T22に電気的に接続される。
【0013】
支持装置74は、電気回路75と、入力端子741、742と、凹溝741とを有し、本体装置71を支持する。凹溝741は、略円筒形状のカバー78を支持する。
【0014】
カバー78は、上部開口781と、側面開口782とを有する。ファン79は、側面開口782に備えられている。ファン79は、電気回路75の一部であるファン制御部(図示せず)により羽(図示せず)の回転速度が制御される。ファン79の羽が回転することにより、側面開口782から取り込まれた空気が上部開口781から排出される。
【0015】
図2図3において、電源80は、電気回路75に電力を出力する装置であり、一端側が入力端子741に接続され、他端側が入力端子742に接続されている。
【0016】
電源80は、所定の直流電圧を出力するものでもよいし、所定の交流電圧を出力するものでもよいし、所定の直流電流を出力するものでもよいし、所定の交流電流を出力するものでもよい。また、電源80の出力は、低周波数の電圧や電流であってもよいし、高周波数の電圧や電流であってもよい。例えば、高周波数とは、いわゆるインバータ回路の出力の周波数や、商用電源の周波数(50Hz又は60Hz)よりも高い周波数である。本実施形態において、電源80は、例えば、商用電源(50Hz又は60Hz)である。
【0017】
電気回路75は、入力端子741、742に供給された電力を電極T71~T74から出力する。本実施形態では、電気回路75が電気配線751、752を有する。電気配線751は、一端側が入力端子741に接続され、他端側が電極T71、T72に接続されている。電気配線752は、一端側が入力端子742に接続され、他端側が電極T73、T74に接続されている。
【0018】
電極T71~T74の出力は、例えば、第1タイプ出力(例えば、インバータの出力電圧)、又は、第2タイプ出力(例えば、インバータではない出力電圧)とすることができる。
【0019】
ここで、インバータ(インバータの出力又はインバータの入力)とは、例えば、商用電源の周波数(50Hz又は60Hz)よりも高い周波数のものであり、インバータではないとは、例えば、商用電源の周波数(50Hz又は60Hz)以下の周波数のものである。好ましくは、100Hz以上の出力(出力電圧又は出力電流)や入力(入力電圧又は入力電流)がインバータの出力や入力であり、100Hz未満の出力や入力がインバータではない出力や入力である。更に好ましくは、1000Hz以上の出力や入力がインバータの出力や入力であり、1000Hz未満の出力や入力がインバータではない出力や入力である。
【0020】
例えば、電極T71~T74の出力を第1タイプ出力(例えば、インバータの出力電圧)にしたい場合、電気回路75にインバータ回路(図示せず)を設け、入力端子741、742に供給された入力を高い周波数に変換して電極T71~T74から出力すればよい。
【0021】
電極T71~T74の出力を第2タイプ出力(例えば、インバータではない出力電圧)にしたい場合、電気回路75にインバータ回路以外の回路を設ければよい。例えば、図3に示した実施形態では、電気回路75が配線751、752を有するから、入力端子741、742に商用電源(50Hz又は60Hz)が接続された場合、入力端子741、742に供給された商用電源の周波数(50Hz又は60Hz)と同じ周波数の出力(インバータではない出力電圧)が電極T71~T74から出力される。
【0022】
第1タイプ出力及び第2タイプ出力は任意である。例えば、出力が所定周波数未満のときに第1タイプ出力とし、出力が所定周波数以上のときに第2タイプ出力としてもよいし、出力が直流電圧のときに第1タイプ出力とし、出力が交流電圧のときに第2タイプ出力としてもよいし、電圧が所定値よりも大きい出力を第1タイプ出力とし、電圧が所定値よりも小さい出力を第2タイプ出力としてもよい。
【0023】
また、電流が所定値よりも大きい場合に第1タイプ出力とし、電流が所定値よりも小さい場合に第2タイプ出力としてもよいし、電力が所定値よりも大きい場合に第1タイプ出力とし、電力が所定値よりも小さい場合に第2タイプ出力としてもよい。
【0024】
図4に示すように、除菌機器10の本体部11は、筐体81と、カバー部材85と、回路基板83と、電力供給回路100と、紫外放射素子D90とを有する。
【0025】
紫外放射素子D90は、紫外放射をする素子(紫外線を射出する素子)であり、供給された電流を用いて紫外放射する。紫外放射素子D90は、例えば、LED(light emitting diode)である。紫外放射素子D90の出力には、可視光線よりも波長の短い紫外放射(紫外線)が含まれている。
【0026】
紫外放射素子D90の紫外放射は、例えば、UV-A(波長315-400nm)であってもよいし、UV-B(波長280-315nm)であってもよいし、UV-C(波長100-280nm)であってもよい。好ましくは、紫外放射素子D90の紫外放射は、UV-C(波長100-280nm)である。更に好ましくは、紫外放射素子D90の紫外放射は、ピーク波長が265-275nmである。紫外放射素子D90の出力は、紫外放射のみが含まれていてもよいし、紫外放射の他に可視光や赤外線が含まれていてもよい。
【0027】
電力供給回路100は、電極T11~T22に供給された電力を用いて紫外放射素子D90に供給する電流を生成する回路である。回路基板83には、電力供給回路100、紫外放射素子D90、及び、その他の部品(図示せず)が搭載されている。
【0028】
筐体81は、回路基板83及び回路基板83に搭載された部品を収容している。筐体81は紫外放射による劣化が生じない材料で構成することが好ましい。例えば、本実施形態の筐体81は金属で構成されている。
【0029】
筐体81の開口部分には、紫外放射素子D90に対向するようにカバー部材85が固定されている。カバー部材85は、紫外放射素子D90の紫外放射を減衰させにくい材料や、紫外放射が透過した場合でも、発熱や変形が少ない材料で構成されていることが好ましい。例えば、本実施形態のカバー部材85は、紫外放射を好適に透過させる樹脂で構成されている。
【0030】
電極T11~T22は、一端側が筐体81から露出し、他端側が筐体81の内部に挿入され電力供給回路100に電気的に接続されている。電極T11~T22は、除菌機器10を除菌装置1の固定部72、73(図2ご参照)に係合(固定)する係合部としての機能と、電極端子としての機能とを併せ持っている。
【0031】
除菌機器10は、電極T11~T22が除菌装置1の固定部72、73に係合することにより除菌装置1に固定される。このとき、電極T11~T22のそれぞれが電極T71~T74に接続されることにより、除菌機器10と除菌装置1とが電気的に接続される。
【0032】
除菌機器10を固定部72、73に係合(固定)させるための構成は任意である。例えば、蛍光灯のように電極T11~T22を回転させて係合してもよいし、固定部72、73に係合させるための特別の機構(図示せず)を除菌機器10等に設けてもよい。
【0033】
次に、図5を用いて、除菌機器10の電力供給回路100について詳細に説明する。
【0034】
図5において、除菌機器10は、電極T11~T22と、抵抗R11~R22と、電力供給回路100と、紫外放射素子D90とを有する。電力供給回路100は、整流回路D10と、整流回路D10以外の回路20と、端子101、102、103、104とを有する。
【0035】
端子101は、抵抗R11を介して第1電極T11に接続され、抵抗R12を介して第2電極T12に接続されている。端子102は、抵抗R21を介して第3電極T21に接続され、抵抗R22を介して第4電極T22に接続されている。端子103には紫外放射素子D90の一端が接続され、端子104には紫外放射素子D90の他端が接続されている。
【0036】
整流回路D10は、ダイオードD11~D14を有する。端子101は、ダイオードD11のアノード及びダイオードD14のカソードに接続され、端子102は、ダイオードD12のアノード及びダイオードD13のカソードに接続されている。
【0037】
ダイオードD11、D12のカソードは、コンデンサC1の一端、ダイオードD2のカソード、コンデンサC2の一端、及び、端子103に接続されている。
【0038】
ダイオードD13、D14のアノードは、トランジスタQ2のソース、コンデンサC1の他端、トランジスタQ1のソースに接続されている。
【0039】
ダイオードD2のアノードは、トランジスタQ1のドレイン、及び、コイルL1の一端に接続されている。
【0040】
トランジスタQ2のドレインは、コイルL1の他端、コンデンサC2の他端、及び、端子104に接続されている。トランジスタQ1のゲート、及び、トランジスタQ2のゲートは制御部40に接続されている。
【0041】
検出部30は、第1電極T11~第4電極T22に供給された入力等を検出して、検出信号S6を制御部40に供給する。制御部40は、供給された検出信号S6を用いて制御信号S1、S2を生成し、制御信号S1、S2をトランジスタQ1、トランジスタQ2のゲートに供給する。
【0042】
次に、図5を用いて電力供給回路100の動作を説明する。
【0043】
まず、除菌装置1の電源スイッチ(図示せず)をオンにすることにより、電気回路75(図3ご参照)から電極T71~T74(図3ご参照)に電力が供給される。上述したように、電極T71~T74の出力は、例えば、第1タイプ出力(例えば、インバータの出力電圧)、又は、第2タイプ出力(例えば、インバータではない出力電圧)である。
【0044】
電極T71~T74は、第1電極T11~第4電極T22に接続されているから、第1電極T11~第4電極T22のそれぞれには、電極T71~T74の出力のそれぞれが入力される。
【0045】
第1電極T11~第4電極T22に供給された入力は、ダイオードD11~D14により整流され、ダイオードD11、D12のカソード及びダイオードD13、D14のアノードからは整流された電圧が出力される。なお、コンデンサC1は、整流回路D10の出力を平滑する。
【0046】
検出部30は、第1電極T11~第4電極T22に供給された入力を検出し、検出信号S6を制御部40に供給する。
【0047】
第1電極T11~第4電極T22に供給された入力を検出するためには、例えば、第1電極T11~第4電極T22の電圧や電流を検出してもよいし、端子101、102の電圧や電流を検出してもよいし、ダイオードD11~D14の電圧や電流を検出してもよい。また、第1電極T11~第4電極T22に供給された入力を検出するためには、例えば、コンデンサC1よりも電極T11~T22側の位置の電圧や電流を検出してもよい。
【0048】
具体的には、例えば、検出部30は、端子101と端子102との間の電圧を検出してもよいし、ダイオードD11、D12のカソードとダイオードD13、D14のアノードとの間の電圧を検出してもよいし、第1電極T11及び第2電極T12の少なくとも1つと、第3電極T21及び第4電極T22の少なくとも1つとの間の電圧を検出してもよいし、その他の部分の電圧を検出してもよい。
【0049】
また、検出部30は、端子101、102や、ダイオードD11~D14の少なくとも1つを流れる電流を検出してもよいし、その他の部分を流れる電流を検出してもよい。また、検出部30は、端子101、端子102、ダイオードD11~D14の少なくとも1つの電力を検出してもよい。
【0050】
制御部40は、検出信号S6を用いて、第1電極T11~第4電極T22に供給された入力が所定の条件を満たすか否かを判断する。例えば、本実施形態では、制御部40の記憶部(図示せず)に「入力がインバータの電圧(周波数が100Hz以上の電圧)である」という所定の条件が記憶されている。
【0051】
この場合、制御部40は、所定の条件を満たす場合に第1タイプ入力(例えば、インバータの入力電圧)であると判断し、所定の条件を満たさない場合に第2タイプ入力(例えば、インバータではない入力電圧)であると判断する。
【0052】
なお、所定の条件は、任意である。所定の条件は、例えば、入力電圧の周波数でもよいし、入力電流の周波数でもよいし、入力電圧の値(例えば、所定値以上の電圧)でもよいし、入力電流の値でもよいし、入力電力の値(例えば、所定値未満の電力)でもよいし、入力に含まれるノイズ成分の割合でもよい。
【0053】
制御部40による判断は、インバータであるか否かの判断に限定されるものではない。例えば、制御部40は、第1電極T11~第4電極T22の電圧値に応じて第1タイプ入力(電圧が所定値よりも大きい場合)と、第2タイプ入力(電圧が所定値よりも小さい場合)とを判断してもよい。
【0054】
また、制御部40は、第1電極T11~第4電極T22の周波数に応じて、入力が所定周波数未満のときに第1タイプ入力とし、入力が所定周波数以上のときに第2タイプ入力としてもよい。また、第1タイプ入力(電圧が直流の場合)と、第2タイプ入力(電圧が交流の場合)とを判断してもよい。また、制御部40は、第1電極T11~第4電極T22の周波数に応じて第1タイプ入力(周波数が高い場合(蛍光ランプにおけるインバータ方式の入力))と、第2タイプ入力(周波数が低い場合(蛍光ランプにおけるグロー方式、ラピッド方式の入力))とを判断してもよい。
【0055】
また、制御部40は、第1電極T11~第4電極T22の電流に応じて第1タイプ入力(電流が所定値よりも大きい場合)と、第2タイプ入力(電流が所定値よりも小さい場合)とを判断してもよい。また、制御部40は、第1電極T11~第4電極T22の電力に応じて第1タイプ入力(電力が所定値よりも大きい場合)と、第2タイプ入力(電力が所定値よりも小さい場合)とを判断してもよい。
【0056】
また、制御部40は、3つ以上のタイプを判断してもよい。例えば、検出部30は、第1電極T11~第4電極T22の電圧値に応じて第1タイプ入力(電圧が第1所定値よりも大きい場合)と、第2タイプ入力(電圧が第1所定値と第2所定値との間である場合)と、第3タイプ入力(電圧が第2所定値よりも小さい場合)とを判断してもよい。
【0057】
制御部40は、第1タイプ入力(例えば、インバータの入力電圧)、第2タイプ入力(例えば、インバータではない入力電圧)等の判断に基づいて制御信号S1、S2を生成し、制御信号S1、S2をトランジスタQ1、トランジスタQ2のゲートに供給する。
【0058】
以下、制御部40により第1タイプ入力(例えば、インバータの入力電圧)であると判断された場合の動作と、制御部40により第2タイプ入力(例えば、インバータではない入力電圧)であると判断された場合の動作について説明する。
【0059】
制御部40により第1タイプ入力(例えば、インバータの入力電圧)であると判断された場合、制御部40は、トランジスタQ2のゲートに、トランジスタQ2をオン状態とする制御信号S2を供給し、トランジスタQ2をオン状態(ドレイン-ソース間に電流が流れる状態)とする。
【0060】
トランジスタQ2がオン状態である場合、制御部40は、トランジスタQ2を含む経路(以下、第1経路と称する)を用いて紫外放射素子D90に電流を供給する。
【0061】
具体的には、ダイオードD11、D12のカソードから出力された電流は、端子103、紫外放射素子D90、端子104、トランジスタQ2のドレイン-ソース、ダイオードD13、D14のアノードを通る経路で流れる。これにより、紫外放射素子D90に電流が流れ、紫外放射素子D90が紫外放射する。
【0062】
これに対して、制御部40により第2タイプ入力(例えば、インバータではない入力電圧)であると判断された場合、制御部40は、コイルL1を含む経路(以下、第2経路と称する)を用いて紫外放射素子D90に電流を供給する。
【0063】
具体的には、制御部40は、トランジスタQ2のゲートに、トランジスタQ2をオフ状態とする制御信号S2を供給し、トランジスタQ2をオフ状態(ドレイン-ソース間に電流が流れない状態)にする。
【0064】
そして、制御部40はトランジスタQ1に制御信号S1を供給する。例えば、本実施形態において、制御信号S1は所定周波数でオンとオフとを繰り返す信号であり、トランジスタQ1はオン状態とオフ状態とを繰り返す。なお、コンデンサC2は、所定の平滑動作を行う。
【0065】
トランジスタQ1がオン状態である場合、ダイオードD11、D12のカソードから出力された電流は、端子103、紫外放射素子D90、端子104、コイルL1、トランジスタQ1のドレイン-ソース、ダイオードD13、D14のアノードを通る経路で流れ、紫外放射素子D90に電流が流れ、紫外放射素子D90が紫外放射する。
【0066】
トランジスタQ1がオフ状態である場合、電流は、コイルL1の一端、ダイオードD2、端子103、紫外放射素子D90、端子104、コイルL1の他端を通る経路で流れ、紫外放射素子D90に電流が流れ、紫外放射素子D90が紫外放射する。
【0067】
上述した第1実施形態の除菌機器10は、検出部30が端子101、端子102に供給された入力(例えば、電流又は電圧)を検出するので、入力が第1タイプ(例えば、インバータの入力電圧)であるか、第2タイプ(例えば、インバータではない入力電圧)であるかを検出することができる。
【0068】
また、制御部40は、検出部30により検出された入力が第1タイプであるときは、第1タイプの入力に適した動作をするように電力供給回路100を制御し、入力が第2タイプであるときは、第2タイプの入力に適した動作をするように電力供給回路100を制御する。
【0069】
このため、第1実施形態の除菌機器10は、入力が第1タイプである場合でも、入力が第2タイプである場合でも、電力供給回路100から紫外放射素子D90に適切な電流が供給され、紫外放射素子D90を用いた紫外放射をすることができる。
【0070】
上述した第1実施形態の除菌装置1は、除菌機器10を着脱できるから、除菌機器10が故障した場合(例えば、製品寿命を迎えた場合)、除菌機器10のみを新品の除菌機器10に交換することができる。
【0071】
上述した第1実施形態の除菌機器10は、入力が第1タイプである場合でも、入力が第2タイプである場合でも、紫外放射できるから、出力が第1タイプである除菌装置1にも、出力が第2タイプである除菌装置1にも装着できる。
【0072】
このため、第1実施形態の除菌機器10を1個用意(購入)しておけば、出力が第1タイプである除菌装置の除菌機器が故障した場合でも、出力が第2タイプである除菌装置の除菌機器が故障した場合でも、故障した除菌機器を第1実施形態の除菌機器10に交換できるから、在庫(故障に備えてを買い置きする除菌機器)を減らすことができる。
【0073】
(第2実施形態)
【0074】
図6は第2実施形態の除菌機器を説明するための図である。以下の説明において、図1図5に示した構成と同様の構成には同一の参照符号を付し、重複した説明を省略する。
【0075】
本実施形態の除菌機器10bは、図4に示した除菌機器10のカバー部材85に代えてカバー部材86を有する。
【0076】
カバー部材86は、基体861と、貫通孔862とを有する。基体861は紫外放射を透過させない金属で構成され、貫通孔862は紫外放射を通過させる。
【0077】
上述した第2実施形態の除菌機器10bは、紫外放射を透過させない金属で構成された基体861と、紫外放射を通過させる貫通孔862とを有する。除菌機器10bは基体861を有するので、誤って紫外放射素子D90に触れて怪我をする事故を防止することができる。
【0078】
また、除菌機器10bは貫通孔862を有するので、紫外放射が貫通孔862を通過することができる。このため、ガラス、プラスチック等の透明物体を透過する場合のように透明物体により紫外放射が吸収されることがないので、効率的に紫外放射を行うことができる。
【0079】
(第3実施形態)
【0080】
図7は第3実施形態の除菌装置を説明するための図、図8は第3実施形態の除菌装置を説明するための別の図である。以下の説明において、図1図6に示した構成と同様の構成には同一の参照符号を付し、重複した説明を省略する。
【0081】
図7図8において、本実施形態の除菌装置1bは、除菌機器10と、本体装置71と、支持装置74と、カバー78と、ファン79と、連結部76と、ルーバー783と、ビス719、769とを有する。
【0082】
支持装置74の上部742と下部743は、ビス等(図示せず)で固定されている。支持装置74の上部742には上部開口771と、側面開口772とが設けられている。下部743は地面に設置されている。支持装置74の内部には、電気回路75が備えられている。
【0083】
カバー78は、略円筒形状である。カバー78は、鉛直方向と平行に備えられ支持装置74に固定されている。カバー78の鉛直上方向の位置にはルーバー783が固定されている。カバー78の内部には、本体装置71及び除菌機器10が備えられている。
【0084】
連結部76は、略円筒形状の上部761と、テーパー形状の下部762とを有する。連結部76の上部761は、ビス719により本体装置71に固定され、下部762はビス769により支持装置74の上部742に固定されている。連結部76の鉛直下方向の位置にはファン79が固定されている。
【0085】
ファン79の羽(図示せず)は、鉛直方向の回転軸回りに回転する。回転する羽を鉛直上方向から見たときの面積は、除菌機器10の鉛直方向と直交する断面の面積よりも大きい。
【0086】
このような構成を有する第3実施形態の除菌装置1bは、除菌機器10が収容されたカバー78の下方にファン79が設けられているから、ファン79により支持装置74の側面開口772から流入した空気がカバー78の内部を通り、ルーバー783から排出される。このため、カバー78の内部を通過する際に除菌機器10の紫外放射により除菌された空気がルーバー783から放出されることになる。
【0087】
上述した第3実施形態の除菌装置1bは、除菌機器10がカバー78及びルーバー783に収容され、紫外放射素子D90(図4ご参照)が外部に露出していないから、紫外放射素子D90の紫外放射もカバー78及びルーバー783から漏れない。このため、除菌装置1bの使用時に紫外放射から人体を守る保護具が不要になる。
【0088】
(第4実施形態)
【0089】
図9は第4実施形態の除菌装置を説明するための図である。以下の説明において、図1図8に示した構成と同様の構成には同一の参照符号を付し、重複した説明を省略する。
【0090】
図9において、本実施形態の除菌装置1cは、第1コネクタ91と、第2コネクタ92とを有する点で、図7図8に示した除菌装置1bと相違する。なお、本実施形態では、図7図8に示したファン79、連結部76、ルーバー783等の構成の図示を省略している。
【0091】
本実施形態の除菌装置1cにおいて、第1コネクタ91はカバー78に固定され、第2コネクタ92は本体装置71に固定されている。第1コネクタ91及び第2コネクタ92の内部には、電気配線751、752が設けられている。
【0092】
電気配線751は、第1配線751aと、第2配線751bとを有する。第1配線751aの一端側は、入力端子741に接続されている。第1配線751aの他端側は第1コネクタ91に挿入され、端部が第1コネクタ91から露出している。
【0093】
第2配線751bの一端側は、電極T71、T72に接続されている。第2配線751bの他端側は、第2コネクタ92に挿入され、第1配線751aの他端側の端部と電気的に接続できるように、端部が第2コネクタ92から露出している。
【0094】
同様に、電気配線752は、第1配線752aと、第2配線752bとを有する。第1配線752aの一端側は、入力端子742に接続されている。第1配線752aの他端側は第1コネクタ91に挿入され、端部が第1コネクタ91から露出している。
【0095】
第2配線752bの一端側は、電極T73、T74に接続されている。第2配線752bの他端側は、第2コネクタ92に挿入され、第1配線752aの他端側の端部と電気的に接続できるように、端部が第2コネクタ92から露出している。
【0096】
したがって、カバー78が支持装置74に取付けられているとき(除菌機器10がカバー78から露出していないとき)、第1コネクタ91と第2コネクタ92とが接続(係合)され、電気回路75から除菌機器10に電力を供給することができる。
【0097】
一方、除菌機器10を交換する際には、カバー78を外して除菌機器10を露出させた状態(カバー78が支持装置74に取付けられていない状態)になるので、カバー78に固定された第1コネクタ91と、本体装置71に固定された第2コネクタ92との接続(係合)が解除され、電気配線751、752が断線し、電気回路75から除菌機器10に電力が供給されなくなる。
【0098】
本実施形態の除菌装置1cは、第1コネクタ91と第2コネクタ92とが設けられているので、カバー78を外して除菌機器10を露出させた状態(カバー78が支持装置74に取付けられていない状態)で紫外放射がされない。このため、意図しない紫外放射により人体が被害を受けるリスクを抑えることができる。
【0099】
本実施形態の除菌装置1cにおいては、第1コネクタ91と第2コネクタ92との係合が解除されている場合は、ファン79の駆動も停止することが好ましい。
【0100】
(第5実施形態)
【0101】
図10は第5実施形態の除菌装置を説明するための図である。以下の説明において、図1図9に示した構成と同様の構成には同一の参照符号を付し、重複した説明を省略する。図10において、本実施形態の除菌装置1dは、支持装置74が足744を有し、図8に示した側面開口772の代わりに支持装置74の下部743に開口745が設けられている点で、図8に示した除菌装置1bと相違する。なお、本実施形態では、図8に示した構成の一部の図示を省略している。
【0102】
本実施形態の除菌装置1dでは、支持装置74の下部743に4つの足744が設けられているから、支持装置74の下部743と床面との間に適当な間隔が設けられ、開口745から空気を取り込むことができる。
【0103】
本実施形態において、略円筒形状(略円管形状)のカバー78の内径をd[m]、カバー78内の空気の平均速度をV[m/s]、空気の動粘度をν[m2/s]、レイノルズ数をReとしたとき、以下の式が成立する。
【0104】
Re=V×d/ν ・・・(1)
【0105】
カバー78内の空気が層流(laminar flow。実質的に層流である場合を含む)である場合、層流から乱流(turbulent flow。実質的に乱流である場合を含む)への遷移がおきるときのレイノルズ数をRe0としたとき、以下の式が成立する。
Re0>V×d/ν ・・・(2)
【0106】
したがって、カバー78内の空気が層流になる平均速度V[m/s]は
V<Re0×ν/d ・・・(3)
となる。
【0107】
例えば、本実施形態において、内径d=0.06[m/s]、動粘度(20度における空気の動粘度)ν=1.512×10-5[m2/s]、レイノルズ数Re0=2300としたとき、カバー78内の空気が層流になる平均速度V<0.58[m/s]となる。
【0108】
また、室内空間を効果的に除菌するためには、カバー78内の空気は速度が十分に速い層流であることが好ましい。カバー78内の空気が層流である場合、ルーバー783から排気される際に外部の空気(除菌されていない空気)との置換が好適に行われるので排気効率が向上するからである。なお、カバー78内の空気が乱流である場合、乱流中では流れがかき混ぜられることで全体としての流れの速度が均質化され、ルーバー783から排気される際に外部の空気(除菌されていない空気)との混合(置換ではない)が進む結果、排気効率が低下することになる。
【0109】
例えば、本実施形態では、カバー78内の空気の速度を十分に速い層流にするため、カバー78内の空気の平均速度Vが0.5[m/s](所定値以下)になるように、電気回路75の一部であるファン制御部(図示せず)がファン79の羽の回転速度を制御している。
【0110】
また、カバー78内の空気の速度を十分に速い層流にするために、カバー78内の空気の平均速度Vの範囲を
Re0×ν/d/2 < V < Re0×ν/d ・・・(4)
とすることも好ましい。
【0111】
上述した本実施形態の除菌装置1dは、カバー78内を流れる空気の流速が所定値以下であるため、開口745から取り入れた外気(空気)が紫外放射素子D90の上をゆっくりと通過することになるので、確実な除菌が可能になる。
【0112】
本実施形態の除菌装置1dは、カバー78内を流れる空気の流速が所定値以下であるため、開口745から取り入れた外気(空気)が層流になってカバー78内を流れ、カバー78内で実質的に淀みを生じることなくルーバー783から排出される。このため、紫外放射素子D90により外気が略均一に紫外放射されるので、信頼性の高い除菌効果を得ることができる。
【0113】
本実施形態の除菌装置1dは、カバー78内を流れる空気が層流になるため、カバー78内を流れる空気が乱流である場合と比較して、ルーバー783からの排気の効率が高くなり、紫外放射素子D90により除菌された清潔な空気を遠くまで拡散することができ、室内空間を効果的に除菌できる。
【0114】
また、本実施形態の除菌装置1dは、カバー78が円管形状であるため、円管形状ではない場合と比較して容易に、カバー78内を流れる空気を層流にすることができる。
【0115】
(変形例)
【0116】
除菌機器10は、機械(除菌装置1)の内部に収容され、除菌装置1の外部に紫外放射が漏れないことが好ましい。除菌機器10が機械の内部に備えられている場合、除菌機器10により除菌された空気を機械の外部に放出する放出口を設けることが好ましい。
【0117】
除菌装置1の外部に紫外放射が漏れる場合、紫外放射がされているときに人が侵入しないように注意するか、紫外放射から体(眼、皮膚など)を守るために装備(ゴーグル、手袋など)を使用するか、体を傷つけない強度の紫外放射を行うことが好ましい。
【0118】
本実施形態の除菌装置は、例えば、エアコン、空調設備などの空気の温度や湿度などを調整する機械、工場や病院等に設置される機械、自動車、船舶等とすることができる。
【0119】
図3に示した実施形態において、電気回路75は、電気配線751、752のみを有するが、これに限定されるものではない。電気回路75は、例えば、電気配線(回路パターン)のみから構成されていてもよいし、インバータの出力電圧を生成するインバータ回路を有していてもよいし、直流電圧を生成する回路を有していてもよいし、所定の電流を生成する回路を有していてもよいし、蛍光ランプにおけるインバータ方式、グロー方式、ラピッド方式の出力を生成する回路を有していてもよいし、日本及び外国の商用電源の周波数、電圧、電流を生成する回路を有していてもよい。
【0120】
上述した各実施形態では、除菌機器10が4つの電極(第1電極T11~第4電極T22)を有するがこれに限定されるものではない。例えば、第2電極T12及び第4電極T22を省略して、第1電極T11及び第3電極T21のみを電極として用いてもよい。なお、上述した各実施形態では、4つの電極(第1電極T11~第4電極T22)を有するので、電極(第1電極T11~第4電極T22)を係合部として機能させることができる。
【0121】
上述した各実施形態では、第1電極T11~第4電極T22が、電極端子としての機能と、固定部72、73に係合して除菌機器10を固定部72、73に固定するための機能とを併せ持っているが、これに限定されるものではない。例えば、第1電極T11~第4電極T22が電極端子としての機能のみを有し、除菌機器10に設けた他の機構を用いて固定部72、73に係合させてもよい。
【0122】
上述した第4実施形態では、第1コネクタ91と第2コネクタ92との係合が解除されたときに除菌機器10への電力供給が停止する構成を開示したがこれに限定されるものではない。例えば、カバー78が支持装置74に取付けられていないことを検知するセンサ(図示せず)を本体装置71に設け、センサ出力に応じて制御部40(図5ご参照)が紫外放射素子D90(図5ご参照)への電流の供給を停止してもよい。また、カバー78が支持装置74に取付けられていないことを検知するセンサ(図示せず)を支持装置74に設け、センサ出力に応じて電気回路75(図3ご参照)が除菌機器10への電力供給を停止してもよい。
【0123】
上述した第3実施形態では支持装置74の上部742に側面開口772が設けられ、第5実施形態では支持装置74の下部743に開口745が設けられているが、これに限定されるものではない。例えば、支持装置74の上部742と下部743との間に開口(図示せず)を設けてもよい。
【0124】
上述した第5実施形態では、層流から乱流への遷移がおきるレイノルズ数をRe0=2300としたが、これに限定されるものではない。カバー78の内部の状態等に応じて、層流から乱流への遷移がおきるレイノルズ数は、例えば、Re0=3000程度になる場合もある。
【0125】
上述した各実施形態の構成は互いに組み合わせることができる。上記では、種々の実施の形態及び変形例を説明したが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。例えば、上述した各実施形態の構成を互いに組み合わせたもの、本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0126】
本発明によれば、好適な除菌を実現できる除菌機器、及び、除菌装置を提供することができる。
【符号の説明】
【0127】
1 除菌装置
10 除菌機器
T11~T22 電極
D90 紫外放射素子
30 検出部
40 制御部
71 本体装置
74 支持装置
78 カバー
79 ファン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10