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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022175610
(43)【公開日】2022-11-25
(54)【発明の名称】吸収性物品
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/15 20060101AFI20221117BHJP
   A01N 31/06 20060101ALI20221117BHJP
   A01N 31/04 20060101ALI20221117BHJP
   A01N 37/10 20060101ALI20221117BHJP
   A01N 37/02 20060101ALI20221117BHJP
   A01P 17/00 20060101ALI20221117BHJP
   A01N 25/10 20060101ALI20221117BHJP
   C11B 9/00 20060101ALI20221117BHJP
【FI】
A61F13/15 140
A01N31/06
A01N31/04
A01N37/10
A01N37/02
A01P17/00
A01N25/10
C11B9/00 U
C11B9/00 T
C11B9/00 E
C11B9/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021082180
(22)【出願日】2021-05-14
(71)【出願人】
【識別番号】000207584
【氏名又は名称】大日本除蟲菊株式会社
(72)【発明者】
【氏名】田丸 友裕
(72)【発明者】
【氏名】香谷 康幸
(72)【発明者】
【氏名】下方 宏文
(72)【発明者】
【氏名】中山 幸治
【テーマコード(参考)】
3B200
4H011
4H059
【Fターム(参考)】
3B200AA12
3B200BB21
4H011AC06
4H011BB03
4H011BB06
4H011DA09
4H011DH02
4H059BA13
4H059BA14
4H059BA30
4H059BA34
4H059BA35
4H059BB13
4H059BB14
4H059BB44
4H059BB45
4H059DA09
4H059EA36
(57)【要約】
【課題】
本発明は、消費者の嗜好に合い、実質的にダニ忌避香料に由来する臭いがなく、屋内塵性ダニに対する優れた忌避活性を有する屋内塵性ダニ忌避用香料組成物を備える吸収性物品を提供すること。
【課題の解決手段】
(a)安息香酸ベンジル、サリチル酸ベンジル、3-メチル-5-フェニル-1-ペンタノール、p-メンタン-3,8-ジオール、トリシクロデセニルプロピオネート、及びトリシクロデセニルアセテートからなる群より選択される1種又は2種以上を含む屋内塵性ダニ忌避用香料組成物と、吸水性ポリマーとを含有することを特徴とする吸収性物品。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)安息香酸ベンジル、サリチル酸ベンジル、3-メチル-5-フェニル-1-ペンタノール、p-メンタン-3,8-ジオール、トリシクロデセニルプロピオネート、及びトリシクロデセニルアセテートからなる群より選択される1種又は2種以上を含む屋内塵性ダニ忌避用香料組成物と、吸水性ポリマーとを含有することを特徴とする吸収性物品。
【請求項2】
前記屋内塵性ダニ忌避用香料組成物は、(a)安息香酸ベンジル、サリチル酸ベンジル、3-メチル-5-フェニル-1-ペンタノール、p-メンタン-3,8-ジオール、トリシクロデセニルプロピオネート、及びトリシクロデセニルアセテートからなる群より選択される2種以上を含むことを特徴とする請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の吸収性物品であって、
前記屋内塵性ダニ忌避用香料組成物は、合成香料、天然香料、及び精油からなる群より選択される1種又は2種以上であることを特徴とする吸収性物品。
【請求項4】
吸収性物品がヒト用オムツ、ヒト用シーツ、ペット用オムツ、ペット用床敷きシート、又はペット用トイレシートであることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項5】
吸収性物品がヒト用オムツ、又はヒト用シーツであることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の吸収性物品。













【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、居住環境の変化により、屋内空間にコナダニ、ヒョウヒダニ、ホコリダニ等の屋内塵性ダニ類が大発生し、不快感を与えるばかりでなく、アレルギー性喘息や皮疹を惹起する等の問題を生じている。
【0003】
かかる状況を背景として、屋内塵性ダニ類を殺すのではなく、人や患者にダニを近づけないようにする技術も模索され、これまでにいくつかの提案がなされている。例えば、特許文献1には、酢酸シンナミルや桂皮酸メチル等の桂皮酸誘導体等を有効成分とする屋内塵性ダニ忌避用香料組成物が開示されている。また、特許文献2には、屋内塵性ダニ忌避用香料組成物の有効成分として、ベチバー油、パチョウリ油、クローブ油などの植物精油を開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006-89424号公報
【特許文献2】特開平6-16515号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これらの屋内塵性ダニ忌避用香料組成物は、一般的に強い臭いを持っている。そのため、臭いを生かした製品とする場合や、人があまり滞在しないような場所で使用する製品とする場合は良い。しかし、人が身に着けて使用する使い捨てオムツや、寝たきりの老人が使用するベット用のシーツ等の吸収性物品では、ほとんど臭いのなく、なおかつ、屋内塵性ダニに対する優れた忌避活性を有する屋内塵性ダニ忌避用香料組成物を含有する吸収性物品が求められている。
【0006】
そこで、本発明は、消費者の嗜好に合い、実質的にダニ忌避香料に由来する臭いがなく、屋内塵性ダニに対する優れた忌避活性を有する屋内塵性ダニ忌避用香料組成物を備える吸収性物品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、安息香酸ベンジル、サリチル酸ベンジル、3-メチル-5-フェニル-1-ペンタノール、p-メンタン-3,8-ジオール、トリシクロデセニルプロピオネート、及びトリシクロデセニルアセテートからなる群より選択される1種又は2種以上を含む屋内塵性ダニ忌避用香料組成物は優れたダニ忌避効果を有し、さらに、一般的な屋内塵性ダニ忌避用香料と比較してほとんど臭いがないことを見出した。そして、これらの屋内塵性ダニ忌避用香料組成物を吸収性物品にあらかじめ配合させておくことで、消費者の嗜好に合い、実質的にダニ忌避香料に由来する臭いがなく、屋内塵性ダニに対する優れた忌避活性を有するという知見を得て、本発明を完成した。
【0008】
即ち、本発明は、以下の構成が上記目標達成のために優れた効果を奏することを見出したものである。
(1)(a)安息香酸ベンジル、サリチル酸ベンジル、3-メチル-5-フェニル-1-ペンタノール、p-メンタン-3,8-ジオール、トリシクロデセニルプロピオネート、及びトリシクロデセニルアセテートからなる群より選択される1種又は2種以上を含む屋内塵性ダニ忌避用香料組成物と、吸水性ポリマーとを含有することを特徴とする吸収性物品。
(2)前記屋内塵性ダニ忌避用香料組成物は、(a)安息香酸ベンジル、サリチル酸ベンジル、3-メチル-5-フェニル-1-ペンタノール、p-メンタン-3,8-ジオール、トリシクロデセニルプロピオネート、及びトリシクロデセニルアセテートからなる群より選択される2種以上を含むことを特徴とする(1)に記載の吸収性物品。
(3)(1)又は(2)に記載の吸収性物品であって、
前記屋内塵性ダニ忌避用香料組成物は、合成香料、天然香料、及び精油からなる群より選択される1種又は2種以上であることを特徴とする吸収性物品。
(4)吸収性物品がヒト用オムツ、ヒト用シーツ、ペット用オムツ、ペット用床敷きシート、又はペット用トイレシートであることを特徴とする(1)~(3)のいずれか1に記載の吸収性物品。
(5)吸収性物品がヒト用オムツ、又はヒト用シーツであることを特徴とする(1)~(4)のいずれか1に記載の吸収性物品。
【発明の効果】
【0009】
本発明の吸収性物品は、消費者の嗜好に合い、実質的にダニ忌避香料に由来する臭いがなく、屋内塵性ダニに対する優れた忌避活性を有するという優れた効果を発現するものである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の吸収性物品について説明する。ただし、本発明は、以下に説明する構成に限定することを意図するものではない。
【0011】
本発明の吸収性物品において使用される屋内塵性ダニ忌避用香料組成物は、(a)安息香酸ベンジル、サリチル酸ベンジル、3-メチル-5-フェニル-1-ペンタノール、p-メンタン-3,8-ジオール、トリシクロデセニルプロピオネート、及びトリシクロデセニルアセテートからなる群より選択される1種又は2種以上を含み、好ましくは、(a)安息香酸ベンジル、サリチル酸ベンジル、3-メチル-5-フェニル-1-ペンタノール、p-メンタン-3,8-ジオール、トリシクロデセニルプロピオネート、及びトリシクロデセニルアセテートからなる群より選択される2種以上を含むものであり、消費者の嗜好に合い、実質的にダニ忌避香料に由来する臭いがなく、屋内塵性ダニに対する優れた忌避活性を有する。
【0012】
本発明における屋内塵性ダニ忌避用香料組成物中の(a)の配合量は、特に限定されないが、0.1質量%~100質量%であることが好ましく、0.5質量%~80質量%であることがより好ましく、1質量%~60質量%であることがさらに好ましい。
【0013】
上記の屋内塵性ダニ忌避用香料組成物の一成分である屋内塵性ダニ忌避用香料としては、(a)安息香酸ベンジル、サリチル酸ベンジル、3-メチル-5-フェニル-1-ペンタノール、p-メンタン-3,8-ジオール、トリシクロデセニルプロピオネート、及びトリシクロデセニルアセテート等が挙げられる。屋内塵性ダニ忌避用香料は、合成香料、天然香料、又は精油の何れであっても良く、これらの混合物であっても良い。
【0014】
本発明では、実質的にダニ忌避香料に由来する臭いがないという本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、屋内塵性ダニ忌避用香料組成物に他の香料等の他の成分を配合して、消費者の嗜好に合う香り付きの吸収性物品としてもよい。テルピネオール、シトロネロール、ゲラニオール、ネロール、リナロール、ジヒドロリナロール、テトラヒドロリナロール、ジヒドロミルセノール、メントール、ボルネオール、イソボルネオール等のテルペン系アルコール、シトロネラール、シトラール、ジメチルオクタナール等のテルペン系アルデヒド、カルボン、ジヒドロカルボン、プレゴン、メントン等のテルペン系ケトン等があげられるが、これらに限定されない。また、これらの成分を含有する植物精油、例えば、シトロネラ油、シナモン油、ユーカリ油、レモンユーカリ油、ヒバ油、ラベンダー油、オレンジ油、グレープフルーツ油、シダーウッド油、ゼラニウム油、タイムホワイト油、ハッカ油等を配合してもよい。また、ソープ系香料、シトラス系香料、ミント系香料、フローラル系香料、ラベンダー系香料、ローズ系香料、グリーンハーブ系香料等の調合香料を配合してもよい。
【0015】
本発明の屋内塵性ダニ忌避用香料組成物は必要に応じて、2-フェニルフェノール(OPP)や4-イソプロピル-3-メチルフェノール(IPMP)等の防黴成分を適宜配合してもよい。また、抗菌成分、除菌成分、消臭成分、BHT等の安定化剤、クエン酸等のpH調整剤、着色剤、ビトレックス等の苦味剤などを配合してもよい。これらの各種成分は特に限定されない。
【0016】
本発明の屋内塵性ダニ忌避用香料組成物を調製するにあたって使用できる溶剤や界面活性剤等の各種成分は特に限定されないが、水のほか、エタノール、イソプロパノールのようなアルコール系溶剤、1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールのようなグリコール系溶剤、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル系溶剤、脂肪族炭化水素系溶剤等の各種溶剤や、界面活性剤(可溶化剤)等が適宜用いられる。
界面活性剤としては、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン高級アルキルエーテル(ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル)、ポリオキシエチレン高級脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル等の非イオン系界面活性剤や、ラウリルアミンオキサイド、ステアリルアミンオキサイド、ラウリル酸アミドプロピルジメチルアミンオキサイド等の高級アルキルアミンオキサイド系界面活性剤等を例示できる。
【0017】
本発明における吸水性ポリマーとしては特に限定されないが、例えば、上記の屋内塵性ダニ忌避用香料組成物を使用して使い捨てオムツを製造する場合を例に挙げて説明すると、通常市販の使い捨てオムツには排泄物の水分吸収の目的でポリアクリル酸塩系の他に、澱粉・ポリアクリル酸塩グラフト系、ポリビニルアルコール系、ビニルアルコール・アクリル酸塩共重合体、イソブチレン・マレイン酸共重合体等の吸水性ポリマーが一般的に使用されているが、これらの吸水性ポリマーであればよい。寝たきり老人用のベッド用シーツやマット、失禁用パッド、生理用ナプキン、ペット用の使い捨てオムツ、トイレシート、床敷きシート等においても同様である。
【0018】
本発明における屋内塵性ダニ忌避用香料組成物と吸水性ポリマーの配合割合は特に限定されないが、通常は屋内塵性ダニ忌避用香料組成物と吸水性ポリマーの配合割合は、1:100~5:1(重量比)、好ましくは1:50~4:1(重量比)である。
【0019】
本発明における各種吸収性物品を製造するには、上記の屋内塵性ダニ忌避用香料組成物をそのまま使用することができる。また、使い捨てオムツの場合のように吸水性ポリマーが使用されている場合には、この吸水性ポリマーに予め屋内塵性ダニ忌避用香料組成物を均一に混合して使用に供することや、マイクロカプセルに封入して収容部材に収容して使用に供すること等ができる。
【0020】
本発明において使用される屋内塵性ダニ忌避用香料組成物の使用量は、例えば、使い捨てオムツに使用する場合には、吸水性ポリマー1gに対して0.01~5.0g、好ましくは0.02~4.0g添加して使用される。大人用使い捨てオムツでは、吸水性ポリマー1gに対して0.10~1.00g、乳幼児用使い捨てオムツでは、吸水性ポリマー1gに対して0.05~0.30g、ペット用使い捨てオムツの場合には、吸水性ポリマー1gに対して0.10~1.00gが適当な配合量である。
【0021】
また、本発明は、上記のヒト用オムツやペット用オムツ等の使い捨てオムツ以外にも、寝たきり老人用のベッド用シーツやマット、失禁者用パッド、生理用ナプキン等の吸収性物品とすることも可能である。更に、室内で飼育されるイヌやネコなどのペット用の糞尿処理用の使い捨てオムツや床敷きまたはトイレ用シートなどの吸収性物品とすることも可能である。本発明の吸収性物品は、ヒト用オムツ、ヒト用シーツ、ペット用オムツ、ペット用床敷きシート、又はペット用トイレシートであることが好ましく、ヒト用オムツ、又はヒト用シーツであることがより好ましい。
【実施例0022】
以下、実施例を示して本発明の詳細を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0023】
(試験例1)
<ダニ忌避効力試験>
各試験において薬量が200mg/mとなるように処理し、JIS L 1920記載の侵入阻止法に準じてダニ忌避効力試験を行い、次式により侵入阻止率を算出した。
侵入阻止率(%)=[無処理区の侵入ダニ数-処理区の侵入ダニ数]/無処理区の侵入ダニ数×100
そして、得られた侵入阻止率から、さらに以下の基準で各成分のダニ忌避効果の評価を行った。
◎:侵入阻止率90~100%、○:侵入阻止率70~90%、△:侵入阻止率50~70%、×:侵入阻止率<50%
【0024】
ダニ忌避試験の結果を表1に示した。
【0025】






【表1】
【0026】
(試験例2)
<無臭性確認試験>
表2記載の各々の成分10mgを底面積6cmのシャーレに塗布して、容量約14Lのアルミ円筒の底面中央に設置し、5分間密閉した。その後、アルミ円筒の一部を開放して20代~50代の5人のパネラーにより臭気の有無を以下の基準で評価をした。
◎;5人中0~1人が臭気を感じる。〇;5人中2人が臭気を感じる。△;5人中3人が臭気を感じる。×;5人中4~5人が臭気を感じる。
【0027】
無臭性確認試験の結果を表2に示した。
【0028】




【表2】
【0029】
(試験例3)
<紙おむつを用いたダニ忌避効力試験>
ポリアクリル酸塩系吸水性ポリマーを含有するおむつ基紙(30×65cm)15gに、実施例2の香料(3-メチル-5-フェニル-1-ペンタノール)400mgを含む屋内塵性ダニ忌避用香料組成物を含侵させ、乾燥させ、紙おむつを作製した。この紙おむつを直径40mmの円形に切り取った。このサンプルを用いて、JIS L 1920記載の侵入阻止法に準じてダニ忌避効力試験を行い、次式により侵入阻止率を算出した。
侵入阻止率(%)=[無処理区の侵入ダニ数-処理区の侵入ダニ数]/無処理区の侵入ダニ数×100
【0030】
試験の結果、上記の屋内塵性ダニ忌避用香料組成物を含侵させた紙おむつを用いた場合、ダニに対して85%以上侵入阻止率を示すことが分かった。また、屋内塵性ダニ忌避用香料に由来する臭気も感じなかった。
【0031】
(試験例4)
<紙おむつを用いたダニ忌避効力試験>
ポリアクリル酸塩系吸水性ポリマーを含有するおむつ基紙(30×65cm)15gに、実施例4の香料(安息香酸ベンジル)300mgを含む屋内塵性ダニ忌避用香料組成物を含侵させ、乾燥させ、紙おむつを作製した。この紙おむつを直径40mmの円形に切り取った。このサンプルを用いて、JIS L 1920記載の侵入阻止法に準じてダニ忌避効力試験を行い、次式により侵入阻止率を算出した。
侵入阻止率(%)=[無処理区の侵入ダニ数-処理区の侵入ダニ数]/無処理区の侵入ダニ数×100
【0032】
試験の結果、上記の屋内塵性ダニ忌避用香料組成物を含侵させた紙おむつを用いた場合、ダニに対して90%以上侵入阻止率を示すことが分かった。また、屋内塵性ダニ忌避用香料に由来する臭気も感じなかった。
【0033】
(試験例5)
<紙おむつを用いたダニ忌避効力試験>
ポリアクリル酸塩系吸水性ポリマーを含有するおむつ基紙(30×65cm)15gに、実施例5の香料(サリチル酸ベンジル)300mgを含む屋内塵性ダニ忌避用香料組成物を含侵させ、乾燥させ、紙おむつを作製した。この紙おむつを直径40mmの円形に切り取った。このサンプルを用いて、JIS L 1920記載の侵入阻止法に準じてダニ忌避効力試験を行い、次式により侵入阻止率を算出した。
侵入阻止率(%)=[無処理区の侵入ダニ数-処理区の侵入ダニ数]/無処理区の侵入ダニ数×100
【0034】
試験の結果、上記の屋内塵性ダニ忌避用香料組成物を含侵させた紙おむつを用いた場合、ダニに対して90%以上侵入阻止率を示すことが分かった。また、屋内塵性ダニ忌避用香料に由来する臭気も感じなかった。
【0035】
(試験例6)
<紙おむつを用いたダニ忌避効力試験>
ポリアクリル酸塩系吸水性ポリマーを含有するおむつ基紙(30×65cm)15gに、実施例8の香料(トリシクロデセニルノルマルプロピオネートとp-メンタン-3,8-ジオールが1:1の割合で配合)300mgを含む屋内塵性ダニ忌避用香料組成物を含侵させ、乾燥させ、紙おむつを作製した。この紙おむつを直径40mmの円形に切り取った。このサンプルを用いて、JIS L 1920記載の侵入阻止法に準じてダニ忌避効力試験を行い、次式により侵入阻止率を算出した。
侵入阻止率(%)=[無処理区の侵入ダニ数-処理区の侵入ダニ数]/無処理区の侵入ダニ数×100
【0036】
試験の結果、上記の屋内塵性ダニ忌避用香料組成物を含侵させた紙おむつを用いた場合、ダニに対して90%以上侵入阻止率を示すことが分かった。また、屋内塵性ダニ忌避用香料に由来する臭気もほとんど気にならなかった。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明の吸収性物品は、ヒト用オムツ、ヒト用シーツ、ペット用オムツ、ペット用床敷きシート、又はペット用トイレシート等として利用することが可能である。