(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022175677
(43)【公開日】2022-11-25
(54)【発明の名称】電力量計
(51)【国際特許分類】
G01R 11/04 20060101AFI20221117BHJP
H02G 3/08 20060101ALI20221117BHJP
【FI】
G01R11/04 B
H02G3/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021082297
(22)【出願日】2021-05-14
(71)【出願人】
【識別番号】309042071
【氏名又は名称】東光東芝メーターシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】良知 慎一
【テーマコード(参考)】
5G361
【Fターム(参考)】
5G361AA06
5G361AB12
5G361AC09
5G361AC13
5G361AD01
5G361AE01
(57)【要約】
【課題】様々な太さの電線に対してばねにより規定以上の力で導体に押し付けでき、簡単に電線を取付け及び取外す電力量計。
【解決手段】電線当接部3A1を有する導体3A、導体取付部4Aeと第2導体取付部4A2と電線通し穴4Adと絶縁挿入部4A1とを有するブロック4Aを備え、導体通し穴とばね挿入部と押込み面と左右両側面に固定板取付部とを有する絶縁体101を設け、固定板取付部に固定板を挿入して固定し、ばね挿入部にばねを挿入した絶縁体をばね挿入部がある面から絶縁挿入部に挿入し、導体を導体取付部、導体通し穴、第2導体取付部に挿入して組立て、電線当接部と固定板が当接状態にあり、絶縁体は絶縁挿入部の挿入方向に対して摺動可能で絶縁体の押込み面を挿入方向に押込むことで固定板が押されてばね103が撓み、電線当接部と固定板の間に電線通し穴を通して電線を挿入した後、押込み面の押込を止め、ばねに押された固定板が電線を電線当接部に押付けることで電線を固定する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電線が当接される電線当接部を有する導体と、導体取付部と第2導体取付部と電線通し穴と絶縁挿入部とを有するブロックと、を備える電力量計において、
導体通し穴とばね挿入部と押込み面と左右両側面に固定板取付部とを有する絶縁体を設け、前記ばね挿入部に挿入されるばねを設け、前記固定板取付部に挿入され且つ前記ばねに押される固定板を設け、
前記固定板取付部に前記固定板を挿入して固定し、前記ばね挿入部に前記ばねを挿入した前記絶縁体を、前記ばね挿入部がある面から前記絶縁挿入部に挿入し、前記導体を前記導体取付部、前記導体通し穴、前記第2導体取付部に挿入して組立て、
前記電線当接部と前記固定板が当接状態にあり、前記絶縁体は、前記絶縁挿入部の挿入方向に対して摺動可能で、前記絶縁体の前記押込み面を挿入方向に押込むことで前記固定板が押されて前記ばねが撓み、前記電線当接部と前記固定板の間に生じた空間に前記電線通し穴を通して前記電線を挿入した後、前記押込み面を押込むことを止め、前記ばねに押された前記固定板が前記電線を前記電線当接部に押付けることで、前記電線を固定することを特徴とする電力量計。
【請求項2】
前記固定板に凸部を設け、前記固定板取付部は、前記凸部を避ける形状からなり、
前記電線当接部と前記凸部の間に生じた空間に前記電線通し穴を通して前記電線を挿入した後、前記押込み面を押込むことを止め、前記ばねに押された前記固定板および前記凸部が前記電線を電線当接部に押付けることで、前記電線を固定することを特徴とする請求項1に記載の電力量計。
【請求項3】
前記ブロックに第1凹部、第2凹部を設け、前記絶縁体に絶縁側摺動部を設け、固定側摺動部と第1凸部と第2凸部と摺動面を有する固定部品を設け、
前記絶縁側摺動部に前記固定側摺動部を篏合させることで前記固定部品は摺動可能となり、前記第1凹部に前記第1凸部を篏合させると同時に、前記第2凹部に前記第2凸部を篏合させ、前記電線当接部と前記固定板の間に空間が生じた状態を維持して、前記電線通し穴を通して前記空間に電線を挿入した後、前記摺動面を摺動して、前記第1凹部から前記第1凸部を外すと同時に、前記第2凹部から前記第2凸部を外し、前記ばねに押された前記固定板が前記電線を前記電線当接部に押付けることで、前記電線を固定することを特徴とする請求項1又は2に記載の電力量計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力量計に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電力量計は、ブロック、カバーを有している。
図12(a)~
図12(d)は、従来の電力量計を示す。
図12(a)は、電力量計を示し、
図12(b)は、カバーを取り外した状態を示し、
図12(c)は、電線を取り付けた状態を示し、
図12(d)は、
図12(c)の断面図を示す。
【0003】
図13(a)~
図13(b)は、従来の電力量計の分解図を示す。電力量計は、
図13(a)~
図13(b)に示すように、電力量を表示する表示部1aと導体接続部1bとセンサ接続部1cとブロック取付部1dを有する回路部1、回路部1のセンサ接続部1cに接続するセンサ側回路接続部2aを有し電流を測定するセンサ部2、回路部1の導体接続部1bに接続して電源供給する導体側回路接続部3aと電線収納部3bと電線取付ねじ6を備える導体3、ケース取付部4aと回路取付部4bとカバー取付用雌ねじ部4cと電線通し穴4dと導体取付部4eとブロック側固定ねじ取付部4fを備えるブロック4、それらを収納し、表示窓5aとケース側ベース取付部5bとケース防水用リブ収納部5cとケース側固定ねじ取付部5dを備えているケース5で構成されている。
【0004】
カバーは、防水用リブ7aを備えるカバー7とカバー取付ねじ8で構成されている。このように構成された電力量計において、電線を取付ける手順を説明する。まず、
図12(b)に示すように、カバー取付ねじ8をドライバーで緩めてカバー7を取外し、電線取付ねじ6をドライバーで緩める。
【0005】
そして
図12(c)、
図12(d)に示すように、電線9をブロック4の電線通し穴4dを通して導体3の電線収納部3bに挿入し、電線取付ねじ6をドライバーで締め付けて電線9を導体3に固定して取付が完了する。
【0006】
参考文献として、電力量計本体に、電線を接続する電線接続部を設け、電線接続部は、電線を挿入する複数の電線収納部と、各電線収納部内に挿入された電線と導体とを電気的に接続させる電線取付ねじと、各電線収納部の挿入口を仕切る仕切壁を備え、バラけた電線の一部分が隣の電線収納部へ行くのを確実に阻止し、短絡等の事故を未然に防ぐことを特徴とする電力量計が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
電力量計の設置作業時において、電線を導体の電線収納部に挿入した後、電線取付ねじをドライバーで締付けて電線と導体とを密着させて電気的に接続しているが、電線取付ねじの締付け作業は手作業であり、電線の太さにより電線取付ねじの締付け量も異なるため、締付け力のバラツキが発生していた。
【0009】
また、経年変化により、電線取付ねじが緩み、発熱や発火の原因になる恐れがあるため、予め電線取付ねじを2箇所用いて一つの電線を締付けるようにしており、電線取付ねじの締付け作業にかかる時間は電線本数×電線取付ねじ2箇所分となり、取付工事費のコストは下がらないままであった。
【0010】
本発明の課題は、様々な太さの電線に対して、ばねにより規定以上の力で導体に押し付けることができ、簡単に電線を取付けおよび取外しできることで、作業時間を短縮することができる電力量計を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1は、電線が当接される電線当接部を有する導体と、導体取付部と第2導体取付部と電線通し穴と絶縁挿入部とを有するブロックとを備える電力量計において、導体通し穴とばね挿入部と押込み面と左右両側面に固定板取付部とを有する絶縁体を設け、前記ばね挿入部に挿入されるばねを設け、前記固定板取付部に挿入され且つ前記ばねに押される固定板を設け、前記固定板取付部に前記固定板を挿入して固定し、前記ばね挿入部に前記ばねを挿入した前記絶縁体を、前記ばね挿入部がある面から前記絶縁挿入部に挿入し、前記導体を前記導体取付部、前記導体通し穴、前記第2導体取付部に挿入して組立て、前記電線当接部と前記固定板が当接状態にあり、前記絶縁体は、前記絶縁挿入部の挿入方向に対して摺動可能で、前記絶縁体の前記押込み面を挿入方向に押込むことで前記固定板が押されて前記ばねが撓み、前記電線当接部と前記固定板の間に生じた空間に前記電線通し穴を通して前記電線を挿入した後、前記押込み面を押込むことを止め、前記ばねに押された前記固定板が前記電線を前記電線当接部に押付けることで、前記電線を固定することを特徴とする。
【0012】
請求項2の発明は、前記固定板に凸部を設け、前記固定板取付部は前記凸部を避ける形状からなり、前記電線当接部と前記凸部の間に生じた空間に前記電線通し穴を通して前記電線を挿入した後、前記押込み面を押込むことを止め、前記ばねに押された前記固定板および前記凸部が前記電線を電線当接部に押付けることで、前記電線を固定することを特徴とする。
【0013】
請求項3の発明は、前記ブロックに第1凹部、第2凹部を設け、前記絶縁体に絶縁側摺動部を設け、固定側摺動部と第1凸部と第2凸部と摺動面を有する固定部品を設け、前記絶縁側摺動部に前記固定側摺動部を篏合させることで前記固定部品は摺動可能となり、前記第1凹部に前記第1凸部を篏合させると同時に、前記第2凹部に前記第2凸部を篏合させ、前記電線当接部と前記固定板の間に空間が生じた状態を維持して、前記電線通し穴を通して前記空間に電線を挿入した後、前記摺動面を摺動して、前記第1凹部から前記第1凸部を外すと同時に、前記第2凹部から前記第2凸部を外し、前記ばねに押された前記固定板が前記電線を前記電線当接部に押付けることで、前記電線を固定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の発明によれば、ばねにより固定板で電線を導体に押し付けるため、押し付け力を規定以上にすることが可能であり、著しいバラツキは発生せず、現行品のねじ2箇所の締付け作業時間に比べ大幅に作業時間を短縮できる。このため、電力量計取付作業の作業性を向上した上で、コストを下げることができる。
【0015】
請求項2の発明によれば、ばねにより固定板で電線を導体に押し付けるが、固定板に設けた凸部に力が集中して電線内部に食い込むため、電線が滑落するのを防止することができる。
【0016】
請求項3の発明によれば、絶縁体を押し続ける必要がなく、固定部品により導体と固定板の間に空間を設けた状態を維持して、電線を挿入することができるため、電力量計取付作業の作業性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係る電力量計の斜視図と部分断面図である。
【
図2】本発明の第1の実施形態に係る電力量計の斜視図と部分断面図である。
【
図3】本発明の第1の実施形態に係る電力量計の分解図と絶縁体の斜視図である。
【
図4】本発明の第1の実施形態に係る電力量計のブロックの斜視図と部分断面図である。
【
図5】本発明の第2の実施形態に係る電力量計の斜視図と部分断面図である。
【
図6】本発明の第2の実施形態に係る電力量計の絶縁体と固定板の斜視図である。
【
図7】本発明の第3の実施形態に係る電力量計の斜視図と部分断面図である。
【
図8】本発明の第3の実施形態に係る電力量計の斜視図と部分断面図である。
【
図9】本発明の第3の実施形態に係る電力量計の部分斜視図である。
【
図10】本発明の第3の実施形態に係る電力量計のブロックの斜視図と部分断面図である。
【
図11】本発明の第3の実施形態に係る電力量計の絶縁体と固定部品の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態に係る電力量計について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0019】
(第1の実施形態)
図1(a)~
図1(d)、
図2(a)~
図2(d)は、本発明の第1の実施形態に係る電力量計の斜視図と部分断面図である。
図1(a)は、電力量計の斜視図で絶縁体をブロックに取り付けた状態を示し、
図1(b)は、
図1(a)に示す電力量計の絶縁体近傍の部分断面図を示す。
図1(c)は、電力量計の斜視図で絶縁体を押し込んだ状態を示し、
図1(d)は、
図1(c)に示す電力量計の絶縁体近傍の部分断面図を示す。
【0020】
図2(a)は、絶縁体を押し込んだ状態でブロックの電線通し穴を通して電線当接部と固定板の間の空間に電線を挿入した状態を示し、
図2(b)は、
図2(a)に示す電力量計の絶縁体近傍の部分断面図を示す。
図2(c)は、絶縁体の押し込みを止め、ばねに押された固定板が電線を電線当接部に押し付けた状態を示し、
図2(d)は、
図2(c)に示す電力量計の絶縁体近傍の部分断面図を示す。
【0021】
図3(a)は、本発明の第1の実施形態に係る電力量計の分解図である。
図3(b)、
図3(c)は、本発明の第1の実施形態に係る電力量計の絶縁体の斜視図である。
図4(a)は、本発明の第1の実施形態に係る電力量計のブロックの斜視図である。
図4(b)は、
図4(a)に示すブロックの絶縁挿入部、電線通し穴、導体取付部を示す部分断面図である。
【0022】
電力量計は、
図3(a)に示すように、回路部1、センサ部2、導体3A、ブロック4A、ケース5、カバー7、カバー取付ねじ8、絶縁体101、固定板102、ばね103を備えている。
【0023】
導体3Aは、
図1(b)に示すように、電線当接部3A1を有している。ブロック4Aは、
図4(b)に示すように、導体3Aを取り付けるための導体取付部4Ae、第2導体取付部4A2と、電線通し穴4Adと、絶縁体101を挿入するための絶縁挿入部4A1とを有している。
【0024】
絶縁体101は、
図3(b)、
図3(c)に示すように、導体3Aを通すための導体通し穴101aと、左右両側面に固定板102を取り付けるための固定板取付部101bと、ばね103を挿入するためのばね挿入部101cと、手で押込むための押込み面101dとを有している。
【0025】
固定板102は、
図1(b)に示すように、絶縁体101の固定板取付部101bに挿入されている。ばね103は、
図1(b)に示すように、絶縁体101のばね挿入部101cに挿入されている。
【0026】
次に、このように構成された第1の実施形態の電力量計の動作を説明する。まず、
図1(b)に示すように、絶縁体101の固定板取付部101bに固定板102を挿入して固定板102を固定する。絶縁体101のばね挿入部101cにばね103を挿入した絶縁体101を、ばね挿入部101cがある面からブロック4Aの絶縁挿入部4A1に挿入する。
【0027】
次に、導体3Aを、ブロック4Aの導体取付部4Ae、絶縁体101の導体通し穴101a、ブロック4Aの第2導体取付部4A2に挿入して組立てる。組立てられた状態において、導体3Aの電線当接部3A1と固定板102が当接状態にあり、絶縁体101は、ブロック4Aの絶縁挿入部4A1の挿入方向に対して摺動可能である。
【0028】
次に、
図1(d)に示すように、絶縁体101の押込み面101dを挿入方向に押込むことで固定板102が押さえられて、ばね103が撓む。
【0029】
次に、
図2(b)に示すように、導体3Aの電線当接部3A1と固定板102の間に生じた空間にブロック4Aの電線通し穴4Adを通して電線9を挿入する。
【0030】
次に、絶縁体101の押込み面101dを押込むことを止め、
図2(d)に示すように、ばね103に押された固定板102が電線9を導体3Aの電線当接部3A1に押付けることで、電線9を固定することができる。
【0031】
このように第1の実施形態に係る電力量計によれば、ばね103により固定板102で電線9を導体3Aに押し付けるため、押し付け力を規定以上にすることが可能である。著しいバラツキは発生せず、現行品のねじ2箇所の締付け作業時間に比べ大幅に作業時間を短縮できる。このため、電力量計取付作業の作業性を向上した上で、コストを下げることができる。
【0032】
(第2の実施形態)
図5(a)~
図5(d)は、本発明の第2の実施形態に係る電力量計の斜視図と部分断面図である。
図5(a)は、絶縁体を押し込んだ状態でブロックの電線通し穴を通して電線当接部と固定板の凸部と間の空間に電線を挿入した状態を示し、
図5(b)は、
図5(a)に示す電力量計の絶縁体近傍の部分断面図を示す。
図5(c)は、絶縁体の押し込みを止め、ばねに押された固定板および凸部が電線を電線当接部に押し付けた状態を示し、
図5(d)は、
図5(c)に示す電力量計の絶縁体近傍の部分断面図を示す。
【0033】
電力量計は、回路部1、センサ部2、導体3A、ブロック4A、ケース5、カバー7、カバー取付ねじ8、絶縁体201、固定板202、ばね103を備えている。
【0034】
固定板202は、
図6(b)に示すように、凸部202aを2箇所設けている。絶縁体201は、
図6(a)に示すように固定板202の2箇所の凸部202aを避ける2箇所の凹部が形成された固定板取付部201bを設けている。
【0035】
次に、このように構成された第2の実施形態の電力量計の動作を説明する。まず、絶縁体201の固定板取付部201bに固定板202を挿入して固定する。絶縁体201のばね挿入部201cにばね103を挿入した絶縁体201を、ばね挿入部201cがある面からブロックの絶縁挿入部4A1に挿入する。
【0036】
次に、導体3Aをブロック4Aの導体取付部4Ae、絶縁体201の導体通し穴201a、ブロック4Aの第2導体取付部4A2に挿入して組立てる。
【0037】
組立てられた状態において、導体3Aの電線当接部3A1と固定板202の凸部202aが当接状態にあり、絶縁体201はブロック4Aの絶縁挿入部4A1の挿入方向に対して摺動可能である。
【0038】
次に、
図5(b)に示すように、絶縁体201の押込み面201dを挿入方向に押込むことで固定板202が押さえられて、ばね103が撓み、導体3Aの電線当接部3A1と固定板202の凸部202aの間に生じた空間にブロック4Aの電線通し穴4Adを通して電線9を挿入する。
【0039】
次に、絶縁体201の押込み面201dを押込むことを止め、
図5(d)に示すように、ばね103に押された固定板202および凸部202aが電線9を導体3Aの電線当接部3A1に押付けることで、電線9を固定することができる。
【0040】
このように第2の実施形態に係る電力量計によれば、ばね103により固定板202で電線9を導体に押し付けるが、固定板202に設けた凸部202aに力が集中して電線内部に食い込むため、電線9が滑落するのを防止することができる。
【0041】
なお、固定板202の凸部202aは、1つ以上で複数設けることが可能である。
【0042】
(第3の実施形態)
図7(a)~
図7(d)、
図8(a)~
図8(d)は、本発明の第3の実施形態に係る電力量計の斜視図と部分断面図である。
図7(a)は、固定部品で絶縁体をブロックに固定させた状態を示し、
図7(b)は、
図7(a)に示す電力量計の絶縁体近傍の部分断面図を示す。
図7(c)は、ブロックの電線通し穴を通して電線当接部と固定板の間の空間に電線を挿入した状態を示し、
図7(d)は、
図7(c)に示す電力量計の絶縁体近傍の部分断面図を示す。
【0043】
図8(a)は、電線を挿入した状態で固定部品を摺動してブロックとの固定を解除した状態を示し、
図8(b)は、
図8(a)に示す電力量計の絶縁体近傍の部分断面図を示す。
図8(c)は、ばねに押された固定板が電線を電線当接部に押し付けた状態を示し、
図8(d)は、
図8(c)に示す電力量計の絶縁体近傍の部分断面図を示す。
【0044】
図9(a)~
図9(d)は、本発明の第3の実施形態に係る電力量計のブロックを取り外した絶縁体近傍の部分斜視図である。
図9(a)は、
図7(b)に対応し、固定部品で絶縁体をブロックに固定させた状態を示し、
図9(b)は、
図7(d)に対応し、ブロックの電線通し穴を通して電線当接部と固定板の間の空間に電線を挿入した状態を示す。
図9(c)は、
図8(b)に対応し、電線を挿入した状態で固定部品を摺動してブロックとの固定を解除した状態を示し、
図9(d)は、
図8(d)に対応し、ばねに押された固定板が電線を電線当接部に押し付けた状態を示す。
【0045】
図10(a)は、本発明の第3の実施形態に係る電力量計のブロックの斜視図である。
図10(b)は、
図10(a)に示すブロックの絶縁挿入部、電線通し穴、導体取付部、凹部を示す部分断面図である。
図11(a)(b)は、本発明の第3の実施形態に係る電力量計の絶縁体の斜視図である。
図11(c)(d)は、本発明の第3の実施形態に係る電力量計の固定部品の斜視図である。
【0046】
ブロック4Cには、
図10(b)に示すように、第1凹部4C3、第2凹部4C4が設けられている。絶縁体301には、
図11(a)(b)に示すように、凸部からなる絶縁側摺動部301eが設けられている。固定部品304には、
図11(c)(d)に示すように、絶縁体301の絶縁側摺動部301eと嵌合する固定側摺動部304aと、ブロック4Cの第1凹部4C3と嵌合する第1凸部304bと、ブロック4Cの第2凹部4C4と嵌合する第2凸部304cと摺動面304dが設けられている。
【0047】
次に、このように構成された第3の実施形態の電力量計の動作を説明する。まず、
図11(a)(b)に示す絶縁体301の絶縁側摺動部301eに、
図11(c)(d)に示す固定部品304の固定側摺動部304aを篏合させることで固定部品304は、
図9(b)に示すように絶縁体301に対して摺動可能となる。
【0048】
次に、
図7(b)に示すように、絶縁体301の固定板取付部301bに固定板102を挿入して固定板102を固定する。絶縁体301のばね挿入部301cにばね103を挿入した絶縁体301を、ばね挿入部301cがある面からブロック4Cの絶縁挿入部4C1に挿入する。
【0049】
次に、導体3Aを、ブロック4Cの導体取付部4Ce、絶縁体301の導体通し穴301a、ブロック4Cの第2導体取付部4C2に挿入して組立てる。組立てられた状態において、導体3Aの電線当接部3A1と固定板102が当接状態にあり、絶縁体301は、ブロック4Cの絶縁挿入部4C1の挿入方向に対して摺動可能である。
【0050】
次に、固定部品304の摺動面304dを絶縁挿入部4C1の挿入方向に押込むことで、絶縁体301および固定板102が押さえられて、ばね103が撓む。
【0051】
次に、固定部品304を摺動して、固定部品304の第1凸部304bをブロック4Cの第1凹部4C3に篏合させると同時に、固定部品304の第2凸部304cをブロック4Cの第2凹部4C4に篏合させる。この状態においては、導体3Aの電線当接部3A1と固定板102の間に空間が生じた状態を維持している。
【0052】
次に、
図7(d)に示すように、導体3Aの電線当接部3A1と固定板102の間に生じた空間に、ブロック4Cの電線通し穴4Cdを通して電線9を挿入する。
【0053】
次に、
図8(b)に示すように、固定部品304の摺動面304dを摺動して、ブロック4Cの第1凹部4C3から固定部品304の第1凸部304bを外す。これと同時に、ブロック4Cの第2凹部4C4から固定部品304の第2凸部304cを外す。
【0054】
次に、
図8(d)に示すように、ばね103に押された固定板102が電線9を導体3Aの電線当接部3A1に押付けることで、電線9を固定することができる。
【0055】
また、電線9を固定した状態において、固定部品304の第1凸部304bと第2凸部304cの下面は、ブロック4Cに当接しており、固定部品304の摺動面304dを絶縁挿入部4C1の挿入方向に押込むときに、第1凸部304bと第2凸部304cがブロックに引っ掛からずに摺動し、容易に電線を外すことができる。
【0056】
このように第3の実施形態に係る電力量計によれば、絶縁体301を押し続ける必要がなく、固定部品304により導体3Aと固定板102の間に空間を設けた状態を維持して、電線9を挿入することができるため、電力量計取付作業の作業性を向上することができる。
【符号の説明】
【0057】
1 回路部
1a 表示部
1b 導体接続部
1c センサ接続部
1d ブロック取付部
2 センサ部
2a センサ側回路接続部
3,3A 導体
3a,3Aa 導体側回路接続部
3b 電線収納部
3A1 電線当接部
4,4A,4C ブロック
4a,4Aa,4Ca ケース取付部
4b,4Ab,4Cb 回路取付部
4c,4Ac,4Cc カバー取付用雌ねじ部
4d,4Ad,4Cd 電線通し穴
4e,4Ae,4Ce 導体取付部
4f,4Af,4Cf ブロック側固定ねじ取付部
4A1,4C1 絶縁挿入部
4A2,4C2 第2導体取付部
4C3 第1凹部
4C4 第2凹部
5 ケース
5a 表示窓
5b ケース側ベース取付部
5c ケース防水用リブ収納部
5d ケース側固定ねじ取付部
6 電線取付ねじ
7 カバー
7a 防水用リブ
8 カバー取付ねじ
9 電線
101,201,301 絶縁体
101a,201a,301a 導体通し穴
101b,201b,301b 固定板取付部
101c,201c,301c ばね挿入部
101d,201d 押込み面
301e 絶縁側摺動部
102,202 固定板
202a 凸部
103 ばね
304 固定部品
304a 固定側摺動部
304b 第1凸部
304c 第2凸部
304d 摺動面