(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022175703
(43)【公開日】2022-11-25
(54)【発明の名称】収容容器及び包装体
(51)【国際特許分類】
B65D 43/16 20060101AFI20221117BHJP
B65D 53/02 20060101ALI20221117BHJP
B65D 77/04 20060101ALI20221117BHJP
【FI】
B65D43/16 300
B65D53/02 BRG
B65D77/04 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021082338
(22)【出願日】2021-05-14
(71)【出願人】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岸田 広史
【テーマコード(参考)】
3E067
3E084
【Fターム(参考)】
3E067AA04
3E067AB01
3E067AB16
3E067AB81
3E067AB99
3E067AC01
3E067BA01B
3E067BA01C
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3E067GA01
3E067GD01
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3E084AA06
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3E084AB09
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3E084CC04
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3E084DC04
3E084DC05
3E084FB01
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3E084GB06
3E084HA03
3E084HB02
3E084HC03
3E084HD04
3E084JA20
3E084LA18
3E084LB02
3E084LD30
(57)【要約】
【課題】環境負荷を低減できる収容容器を提供する。
【解決手段】内部空間に取替容器を取替可能に収容する収容容器である。上部に開口部を有する有底筒状の容器本体と、容器本体に取り付けられて開口部を開閉可能に塞ぐ蓋部と、を有する。蓋部は、容器本体の上部に取り付けられる筒状の蓋ベース部と、蓋ベース部の上部に開閉可能に取り付けられる蓋開閉部と、蓋ベース部と蓋開閉部とを連結する蓋ヒンジ部と、を有する。蓋ベース部は、取替容器の上面を下方に押える押圧部を有する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部空間に取替容器を取替可能に収容する収容容器であって、
上部に開口部を有する有底筒状の容器本体と、
前記容器本体に取り付けられて前記開口部を開閉可能に塞ぐ蓋部と、を有し、
前記蓋部は、
前記容器本体の上部に取り付けられる筒状の蓋ベース部と、
前記蓋ベース部の上部に開閉可能に取り付けられる蓋開閉部と、
前記蓋ベース部と前記蓋開閉部とを連結する蓋ヒンジ部と、を有し、
前記蓋ベース部は、前記取替容器の上面を下方に押える押圧部を有する収容容器。
【請求項2】
前記蓋ベース部は、上方に突出する環状の蓋筒部を有し、
前記蓋開閉部は、前記蓋ベース部と対向する面から前記蓋ベース部に向かって突出し前記蓋筒部の側周面と接触するリング部を有する請求項1に記載の収容容器。
【請求項3】
前記リング部の外周面が、前記蓋筒部の内周面に接触する請求項2に記載の収容容器。
【請求項4】
前記蓋ベース部と前記容器本体とは、係合部にて係合されており、
前記係合部は、
前記容器本体の外周面の上端に形成された雄ねじ部と、
前記蓋ベース部の下端に形成されて前記雄ねじ部と螺合可能な雌ねじ部とを有する請求項1から請求項3のいずれかに記載の収容容器。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれかに記載の収容容器と、
紙製の前記取替容器と、を有する包装体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取替容器を収容可能な収容容器及び取替容器を収容容器に収容した包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
整髪料等の消耗品である内容物を収容する従来の容器は特許文献1に開示される。この容器は容器本体及び蓋部を備える。この容器は、内容物の乾燥を抑制し、におい成分が外部に漏出することを抑制するため、樹脂が用いられることが多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の容器によると、内容物を消費し終わるごとに、樹脂製の容器を廃棄するため、樹脂の廃棄量が増え、環境負荷の増大につながる虞がある。
【0005】
本発明は、環境負荷を低減できる収容容器及び包装体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために本発明にかかる収容容器は、内部空間に取替容器を取替可能に収容する。収容容器は、上部に開口部を有する有底筒状の容器本体と、前記容器本体に取り付けられて前記開口部を開閉可能に塞ぐ蓋部と、を有する。前記蓋部は、前記容器本体の上部に取り付けられる筒状の蓋ベース部と、前記蓋ベース部の上部に開閉可能に取り付けられる蓋開閉部と、前記蓋ベース部と前記蓋開閉部とを連結する蓋ヒンジ部と、を有する。前記蓋ベース部は、前記取替容器の上面を下方に押える押圧部を有する。
【0007】
このように構成することで、内容物を使い切った後、収容容器を再利用し、取替容器のみを取り替えるため、収容容器を廃棄する場合に比べて、廃棄される樹脂の量を減らすことができる。これにより、環境負荷を低減できる。
【0008】
上記構成の収容容器において、前記蓋ベース部は、上方に突出する環状の蓋筒部を有し、前記蓋開閉部は、前記蓋ベース部と対向する面から前記蓋ベース部に向かって突出し前記蓋筒部の側周面と接触するリング部を有する。
【0009】
上記構成の収容容器において、前記リング部の外周面が、前記蓋筒部の内周面に接触する。
【0010】
上記構成の収容容器において、前記蓋ベース部と前記容器本体とは、係合部にて係合されている。前記係合部は、前記容器本体の外周面の上端に形成された雄ねじ部と、前記蓋ベース部の下端に形成されて前記雄ねじ部と螺合可能な雌ねじ部とを有する。
【0011】
本発明にかかる包装体は、上述のいずれかの収容容器と、紙製の前記取替容器と、を有する包装体。紙製のブランク板を折り曲げることで形成され、有底筒状の容器本体に被嵌される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によると、環境負荷を低減できる容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明にかかる包装体の一例の上方から見た斜視図である。
【
図2】蓋部を開いた状態の包装体の一例の上方から見た斜視図である。
【
図3】
図1に示す包装体の中心軸を含む平面で切断した断面図である。
【
図4】
図2に示す包装体の中心軸を含む平面で切断した断面図である。
【
図7】蓋部を着脱している状態を示す包装体の斜視図である。
【
図8】容器本体から使用済みの取替容器を取り外した状態を示す斜視図である。
【
図9】容器本体に未使用の取替容器を取り付ける状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の一実施形態の包装体Aについて図面を参照して説明する。
図1は、本発明にかかる包装体Aの一例の上方から見た斜視図である。
図2は、蓋部20を開いた状態の包装体Aの一例の上方から見た斜視図である。
図3は、
図1に示す包装体Aの中心軸Cxを含む平面で切断した断面図である。
図4は、
図2に示す包装体Aの中心軸Cxを含む平面で切断した断面図である。
図5は、包装体Aの分解斜視図である。本明細書において、重力方向を下方とし、その反対方向を上方として説明する。
【0015】
<包装体A>
図1~
図5に示すように、包装体Aは、収容容器1と、収容容器1の内部に形成される内部空間1Sに収容される取替容器2と、を有する。取替容器2は、収容容器1の内部空間に取替可能に収容される。
【0016】
包装体Aにおいて、取替容器2の内部には、内容物Sが収容される。なお、内容物としては、例えば、ゲル状の整髪料を想定しているが、これに限定されない。例えば、ヨーグルト、ジャム等のゲル状の食品、グリース等の潤滑剤等を挙げることができる。内容物Sとしては、少量ずつ使用する物品を広く採用することができる。そして、取替容器2の内容物Sを使い切った後、取替容器2を収容容器1から取り出すとともに、内容物Sが充填されている、換言すると、新品の取替容器2を収容容器1に収容する。このようにすることで、内容物Sを使い切った後も収容容器1を利用し続けることができる。
【0017】
<収容容器1>
収容容器1は、容器本体10と、蓋部20と、を有する。蓋部20は、容器本体10に着脱可能に取り付けられる。容器本体10及び蓋部20は、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の熱可塑性樹脂で形成されてもよい。また、容器本体10及び蓋部20は、これらの樹脂に限定されず、成形が容易な樹脂を広く採用することができる。また、金属又は合金等の金属材料で形成されていてもよい。なお、本実施形態では、容器本体10と、蓋部20とは、同じ材料で形成される構成としているが、これに限定されず、容器本体10と、蓋部20とは、別の材料で形成されてもよい。
【0018】
<容器本体10>
図1~
図5に示すように、容器本体10は、上部に開口部100を有する有底筒状である。容器本体10は、底板部11と、側壁部12と、上筒部13とを有する。
【0019】
底板部11は、円板状である。しかしながら、これに限定されず、取替容器2の下端部を支持することができる形状を広く採用することができる。
【0020】
側壁部12は、中心軸Cxを中心とし、上下に延びる筒状である。
図2に示すように、側壁部12の中心軸Cxを含む平面で切断した断面形状は、上下方向の中間部分が径方向外側に膨らんだ曲線状である。しかしながら、これに限定されず、上方に向かって線形に広がる断面形状であってもよい。取替容器2を容易に着脱可能な形状を広く採用することができる。底板部11は、側壁部12の下端よりも上方にずれた位置から、径方向内側に広がる。つまり、側壁部12の下端部は、底板部11の形状に合わせた形状である。
【0021】
例えば、底板部11が正方形状の場合がある。このような場合において、側壁部12は、下端が正方形状に合わせた形状である。この場合であっても、側壁部12の上端面は、円環状である。
【0022】
上筒部13は、側壁部12の上端面から中心軸Cxに沿って上方に延びる円筒状である。上筒部13の外径は、側壁部12の上端の外径よりも小さい。また、上筒部13の内径は、側壁部12の内径と同じである。つまり、側壁部12の内周面と上筒部13の内周面とは、滑らかに接続する。上筒部13の外周面には、後述する係合部40の雄ねじ部41が形成される。
【0023】
また、上筒部13の上端には、開口部100が形成される。開口部100には、蓋部20が取り付けられる。詳細は後述するが、開口部100は、内容物Sを消費した後に、内部に配置された取替容器2を取り出す取り出し口として利用可能である。このことから、開口部100の内径は、取替容器2のフランジ部203の外径と同じか、それよりも大きい。
【0024】
<蓋部20>
図6は、蓋部20の下から見た斜視図である。蓋部20は、容器本体10の上部に着脱可能に配置される。さらに説明すると、蓋部20は、容器本体10の上筒部13の上部に着脱可能に配置される。
図1~
図6に示すように、蓋部20は、蓋ベース部21と、蓋開閉部22と、蓋ヒンジ部30とを有する。
【0025】
蓋ベース部21は、容器本体10の上部に取り付けられる。蓋ベース部21は、蓋筒部211と、突出部212と、上筒部213と、を有する。蓋筒部211は、中心軸Cxを中心とする円筒状である。蓋筒部211の内周面の下端には、係合部40の後述する雌ねじ部42が形成される。蓋ベース部21は、係合部40を介して容器本体10に取り付けられる。
【0026】
突出部212は、蓋筒部211の上端から径方向内側に広がる円環状である(
図2,
図4参照)。
図1~
図4等に示すように、上筒部213は、突出部212の内縁部から上方に延びる。突出部212の下面は、中心軸Cxと直交する平面であり、取替容器2の上端(後述するフランジ部203)の上面を押圧する押圧部215である。すなわち、押圧部215は、蓋ベース部21の内側に形成される。
【0027】
上筒部213は、中心軸Cxを中心とする円筒状である。上筒部213の上端には、蓋部開口23が形成される。蓋部開口23は、収容容器1の内部に収容された取替容器2の内容物Sを取り出す取り出し口として利用される。
【0028】
蓋開閉部22は、蓋ベース部21の上部に開閉可能に取り付けられる。蓋開閉部22は、天板部221と、開閉筒部222と、リング部223とを有する。天板部221は、中心が中心軸Cxと重なる円板である。開閉筒部222は、天板部221の外縁部より下方に延びる。開閉筒部222は、中心軸Cxを中心とする円筒状である。また、リング部223は、天板部221の下面の外縁部よりも径方向内側の部分から下方に延びる。リング部223は、中心軸Cxを中心とする円筒状である。開閉筒部222の内周面の下部には、係合部40の後述する雌ねじ部42が形成される。
【0029】
蓋部20を容器本体10の上部に取り付けたとき、押圧部215は、取替容器2のフランジ部203の上面を押圧する。
【0030】
<蓋ヒンジ部30>
蓋ベース部21と蓋開閉部22とは、蓋ヒンジ部30を介して接続されている。蓋ヒンジ部30は、中間部で折れる部材である。蓋ヒンジ部30は、折れた状態と延びた状態とに変形可能である。蓋ヒンジ部30が折れた状態(
図3参照)のとき、蓋開閉部22が蓋ベース部21の上部に配置され、蓋部開口23を塞ぐ。また、蓋ヒンジ部30が延びた状態(
図2、
図4参照)のとき、蓋開閉部22が蓋ヒンジ部30を中心に開かれた位置に配置される。これにより、蓋部開口23が開かれる。
【0031】
<係合部40>
蓋部20は、係合部40によって容器本体10に係合される。係合部40は、容器本体10の上筒部13の外周面に形成された雄ねじ部41と、蓋部20の蓋筒部211の内周面に形成された雌ねじ部42とを有する。雌ねじ部42は、雄ねじ部41に螺合可能な形状である。
【0032】
蓋部20を容器本体10の上部に配置し、中心軸Cxに沿う方向の上方から見て、蓋部20を時計回り方向に回転させる。これにより、雌ねじ部42が雄ねじ部41と螺合する。これにより、蓋部20が容器本体10に係合される。また、蓋部20を反時計回り方向に回転させることで、蓋部20を容器本体10から分離することができる。
【0033】
係合部40は、ねじ機構で形成される。そのため、係合部40が締まる方向(ここでは、右ねじが締まる方向)に蓋部20を回転することで、蓋部20は、中心軸Cxに沿って下方に、換言すると、容器本体10の底板部11に接近するように移動する。これにより、容器本体10と蓋部20とが、密着する。なお、密着とは、内容物Sの乾燥が抑制され、内容物Sのにおい成分が漏出しない程度に密である状態を示す。以下の説明における密着は、同様の状態を指す。これにより、包装体Aにおいて、塵、埃、水分等の異物が収容容器1の外周面から内部空間1Sへの進入を抑制できる。
【0034】
<取替容器2>
取替容器2は、収容容器1の内部空間1Sに収容される。取替容器2は、内部空間1Sから取り出すことが可能である。すなわち、取替容器2は、収容容器1に対して取替可能である。
【0035】
取替容器2は、有底筒状であり、例えば、紙を基材とし、内部に耐水性、ガスバリア性等を有するコーティング層を有する構成を挙げることができる。耐水性を有するコーティング層には、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等による樹脂層を挙げることができる。また、ガスバリア性を有するコーティング層には、アルミ層を挙げることができる。すなわち、内部に形成される層は、収納される物品と反応しない材料で形成される。
【0036】
なお、取替容器2は、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)等の熱可塑性樹脂の成型体であってもよい。また、取替容器2は、これらの樹脂に限定されず、成型が容易な樹脂を広く採用することができる。なお、取替容器2を、食品の収容に用いる場合、少なくとも内面には、人体に対して毒性が無い又は毒性が略無い材料が採用される。成型方法としては、例えば、射出成型、絞り加工等を挙げることができるが、これに限定されない。
【0037】
図2、
図3に示すように、取替容器2は、底部201と、側壁部202と、フランジ部203と、を有する。側壁部202は、上下に延びる筒状である。取替容器2において、側壁部202は、1枚の板状の部材を環状に曲げて両端を接着することで形成される。
図2、
図3等に示すように、側壁部202は、上方に向かうにつれて広がる形状である。しかしながら、これに限定されず、全長に渡って等しい断面の形状であってもよいし、上方に向かって狭くなる形状であってもよい。
【0038】
取替容器2において、側壁部202の下部は、底部201によって塞がれる。底部201は、側壁部202の下端部よりも上方にずれた位置に固定される(
図2参照)。このように構成することで、底部201の剛性を高めることができる。なお、取替容器2が樹脂の一体成型体の場合、底部201は側壁部202の下端部に連結してもよい。
【0039】
そして、側壁部202の上端部には、内部に収容された内容物Sを出し入れするための開口204が形成される。開口204は、底部201と上下に対向している。フランジ部203は、側壁部202の外周面の上端から径方向外側に拡がる。すなわち、フランジ部203は、開口204の外側に配置される。
【0040】
図3に示すように、容器本体10の内部に取替容器2を配置し、容器本体10の上部に蓋部20を配置する。そして、蓋部20が締まる方向に回転されることで、係合部40の雄ねじ部41及び雌ねじ部42が係合する。蓋部20をさらに締まる方向に占めることで、蓋部20が下方に移動することで、蓋部20の押圧部215が取替容器2のフランジ部203を下方に押圧する。これにより、取替容器2は、容器本体10の内部に中心軸Cx周りに回転が抑制された状態で固定される。
【0041】
<樹脂シート205>
包装体Aにおいて、取替容器2は、収容容器1の内部に取替可能に収容される。例えば、取替容器2の内部に収容されている内容物Sを使い切った後、別途、未使用の取替容器2に取り替えて使用する。未使用の取替容器2の上端部は、樹脂シート205にて封止される。
【0042】
樹脂シート205は、側壁部202の上端の開口204を覆うとともにフランジ部203にシールされる。樹脂シート205として、例えば、PE樹脂及びPE樹脂フィルム、PET樹脂フィルム又はこれらの積層体等、シール性、耐水性、ガスバリア性等の密閉に必要な機能を有する樹脂フィルム又はその積層体を広く採用することができる。樹脂シート205のフランジ部203へのシールは、例えば、ヒートシールにて行われるが、ヒートシール以外のシール方法を採用してもよい。
【0043】
<包装体Aの使用について>
図1及び
図2に示すように、包装体Aにおいて、蓋部20の蓋開閉部22の蓋ヒンジ部30の中心軸Cxを挟んで反対側を上方に持ち上げることで、蓋部開口23が開かれる。このとき、蓋ヒンジ部30は、延びた状態に維持される。
【0044】
また、蓋部開口23が開かれた状態で、蓋ヒンジ部30を中心に蓋開閉部22を下方に回転させることで、蓋開閉部22が蓋ベース部21の上部に配置される。このとき、蓋開閉部22の天板部221の下面から下方に突出したリング部223が、蓋ベース部21の上筒部213の内部に配置される。これにより、蓋部開口23が閉じられる。
【0045】
このとき、リング部223の外周面224は、上筒部213の内周面214と密着する。蓋部20の上筒部213とリング部223とは、蓋部開口23の隙間を塞ぐパッキンとしての役割を果たす。なお、本実施形態では、蓋開閉部22を閉じたとき、リング部223が上筒部213の内部に収容される。しかしながら、これに限定されず、リング部223が上筒部213の外部に配置されてもよい。この場合、リング部223の内周面が上筒部213の外周面と密着する。
【0046】
使用者は、蓋開閉部22を上方に持ち上げ、蓋部開口23を開く。この状態で、使用者の手指又はスプーン等の道具を、蓋部開口23から容器本体10の内部空間1Sに挿入し、取替容器2に収容された内容物Sを取り出す。
【0047】
取替容器2の内部に収容された内容物Sが少なくなると、使用者は、手指又はスプーン等の道具を、取替容器2の底部201及び(又は)側壁部202に沿って、中心軸Cxを中心とする周方向に移動させる。このとき、取替容器2には、中心軸Cxを中心とする周方向に力が付与される。上述のとおり、取替容器2が押圧部215によって押圧されて固定されている。そのため、底部201及び(又は)側壁部202に周方向の力が付与されても、取替容器2の回転は抑制される。これにより、使用者は、取替容器2の内部に残っている内容物Sが少なくなっても、簡単かつ確実に取り出すことができる。
【0048】
内容物Sを取り出した後、蓋ヒンジ部30を中心に蓋開閉部22を下方に回転させることで、蓋部開口23が閉じされる。このように、蓋開閉部22で蓋部開口23を閉じることで開口部100が閉じられる。このとき、蓋部開口23では、上筒部213とリング部223とが密着するため、内容物Sの乾燥等の劣化を抑制し、内容物Sのにおい粒子が外部に漏れることを抑制できる。
【0049】
取替容器2の内部の内容物Sを使い終わると、取替容器2を内部空間1Sから取り出して、新しい取替容器2を内部空間1Sに収容する。すなわち、空の取替容器2を未使用の取替容器2に取り替える。次に、包装体Aにおける取替容器2の取り替えの手順について図面を参照して説明する。
図7は、蓋部20を着脱している状態を示す包装体Aの斜視図である。
図8は、容器本体10から使用済みの取替容器2を取り外した状態を示す斜視図である。
図9は、容器本体10に未使用の取替容器2を取り付ける状態を示す斜視図である。
【0050】
図7に示すように、容器本体10から蓋部20を取り外す。容器本体10から蓋部20を取り外すことで、容器本体10の内部空間1Sの内部に収容された取替容器2を上方に移動可能となる。取替容器2を上方に持ち上げることで、取替容器2は容器本体10から取り出される(
図8参照)。
【0051】
そして、未使用の取替容器2を取り付ける。内容物Sをすぐに使用する場合又は近い将来に使用する予定がある場合、樹脂シート205をフランジ部203から剥離して、除去した後、取替容器2を容器本体10の内部に配置する(
図9参照)。一方で、内容物Sを長期間、容器本体10の内部に収容して保管する場合がある。この場合、樹脂シート205を剥離せずに、取替容器2を内部空間1Sに収容してもよい。
【0052】
取替容器2が収容された容器本体10の上部に配置し、蓋部20を右回りに回転させる。これにより、係合部40の雄ねじ部41と雌ねじ部42とが螺合する。係合部40をしっかり締めることで、容器本体10の内部空間1Sは密閉される。
【0053】
また、係合部40をしっかり締めることで、蓋部20が容器本体10に向かって移動する。これにより、蓋部20の押圧部215が、取替容器2のフランジ部203の上面を下方に押圧する。これにより、取替容器2は、収容容器1の内部空間1Sに固定される。
【0054】
以上のようにして、包装体Aにおいて、取替容器2が収容容器1に固定されるとともに、収容容器1の内部空間1Sが密閉される。これにより、取替容器2の内部の内容物Sの乾燥等による劣化を抑制することができる。また、におい成分の漏出を抑制した状態で、内容物Sを内部空間1Sに収容して保持できる。
【0055】
なお、近い将来に内容物Sを使用する予定はない場合、樹脂シート205を取り付けたまま、容器本体10の内部に配置してもよい。このように、樹脂シート205を取り付けた状態を維持することで、内容物Sの劣化を抑制することができる。
【0056】
本発明にかかる包装体Aでは、内容物Sを使い切った後に、取替容器2を取り替えることで、内容物Sを補充する。そのため、収容容器1を長期間にわたって使用可能であり、内容物Sがなくなるごとに収容容器1を廃棄する場合に比べて、合成樹脂で構成される部材の消費量を減らすことが可能である。これにより、合成樹脂の消費量及び廃棄量を減らすことができ、環境負荷を低減できる。また、取替容器2を紙製とすることで、合成樹脂の使用量及び廃棄量をさらに減らすことが可能であり、さらに環境負荷を低減できる。
【0057】
また、例えば、色、形状等が異なる複数種類の収容容器1と、内容物Sが異なる複数の取替容器2を予め使用者の好みに合わせて組み合わせることが可能である。これにより、使用者は、気に入った収容容器1を使い続けることができる。そのため、使用者の嗜好性にあった包装体Aを提供することができる。さらに、内容物Sによって、収容容器1の外観を変更するようにしてもよい。このようにすることで、使用者は、収容容器1の外観で内容物Sを判別できるため、蓋部20を開けて確認せずに複数種類の内容物Sを正確に使い分けることが可能である。
【0058】
なお、本発明は上述した構成に限定されるものではなく、種々の変更が可能であり、異なる構成にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる構成についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明によると、取替容器のみを取り換えることで長期間にわたり、整髪料、食品等の内容物を収容する容器として利用可能である。
【符号の説明】
【0060】
A 包装体
1 収容容器
1S 内部空間
10 容器本体
100 開口部
11 底板部
12 側壁部
13 上筒部
131 上面
20 蓋部
21 蓋ベース部
211 下筒部
212 突出部
213 上筒部
214 内周面
215 押圧部
22 蓋開閉部
221 天板部
222 開閉筒部
223 リング部
224 外周面
23 蓋部開口部
30 ヒンジ部
40 係合部
41 雄ねじ部
42 雌ねじ部
2 取替容器
201 底部
202 側壁部
203 フランジ部
204 開口
205 樹脂シート
S 内容物