(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022175712
(43)【公開日】2022-11-25
(54)【発明の名称】靴ホルダー
(51)【国際特許分類】
D06F 35/00 20060101AFI20221117BHJP
A47L 23/18 20060101ALI20221117BHJP
【FI】
D06F35/00 B
A47L23/18
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021082354
(22)【出願日】2021-05-14
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-10-13
(71)【出願人】
【識別番号】519050462
【氏名又は名称】福澤 知裕
(74)【代理人】
【識別番号】100093115
【弁理士】
【氏名又は名称】佐渡 昇
(72)【発明者】
【氏名】福澤 知裕
【テーマコード(参考)】
3B168
【Fターム(参考)】
3B168AA01
3B168AA11
3B168AA22
3B168AA24
3B168AD03
3B168AE02
3B168BA52
3B168WA12
3B168WA18
(57)【要約】
【課題】主として洗濯機による洗濯および/または乾燥機による乾燥に適した靴ホルダーを提供する。
【解決手段】靴底51の底面52を支持可能な底面支持部11と、底面支持部11に靴底51の底面52が当接するように配置される靴50の左右に配置され、底面支持部11から靴50の履き口53の左右に伸びる左右支持部12,12と、正面視で、左右支持部12,12の上部同士を湾曲状に連結し、上方に湾曲して靴50の拘束を解放可能する解放位置P1と、下方に湾曲して履き口53から靴50の内方54に入り靴50の動きを拘束する拘束位置P2とを選択的に取り得る、可撓性を有するアーチ部20とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
靴底(51)の底面(52)を支持可能な底面支持部(11)と、
この底面支持部(11)に靴底(51)の底面(52)が当接するように配置される靴(50)の左右に配置され、前記底面支持部(11)から前記靴(50)の履き口(53)の左右に伸びる左右支持部(12,12)と、
正面視で、これら左右支持部(12,12)の上部同士を湾曲状に連結し、上方に湾曲して靴(50)の拘束を解放可能する解放位置(P1)と、下方に湾曲して前記履き口(53)から靴(50)の内方(54)に入り靴(50)の動きを拘束する拘束位置(P2)とを選択的に取り得る、可撓性を有するアーチ部(20)と、
を備えたことを特徴とする靴ホルダー。
【請求項2】
請求項1において、
前記左右支持部(12,12)の両端部または前記アーチ部(20)の両端部には、このホルダーを洗濯機の内面、脱水機の内面、または、乾燥機の内面に取付可能とする取付部(30)が設けられていることを特徴とする靴ホルダー。
【請求項3】
請求項1において、
前記ホルダーを一対備え、
これら一対のホルダーの底面支持部(11)同士を連結し、洗濯機内、脱水機内、または乾燥機内において、前記一対のホルダーの左右支持部(12,12)の両端部またはアーチ部20の両端部を洗濯機内面、脱水機内面、または乾燥機内面に押し付けるように前記一対のホルダーの底面支持部(11)同士を離間させる方向へ付勢する連結部(40)を備えていることを特徴とする靴ホルダー。
【請求項4】
請求項1~3のうちいずれか一項において、
前記アーチ部(20)は、前記解放位置(P1)にあるとき、当該解放位置(P1)をアーチ部(20)自身の弾性力によって維持することを特徴とする靴ホルダー。
【請求項5】
請求項1~4のうちいずれか一項において、
前記アーチ部(20)の両端は、左右支持部(12)の上部外側に固定され、前記アーチ部(20)が拘束位置(P2)にあるとき、前記アーチ部(20)の両端(21)が、それぞれ左右支持部(12)の上部(12b)を覆うことを特徴とする靴ホルダー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、靴ホルダーに関する。より詳しくは、主として洗濯機による洗濯および/または乾燥機(乾燥機能を有する洗濯機を含む。以下同じ)による乾燥に適した靴ホルダーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に見られるように、
「縦型の家庭用洗濯機で運動靴を洗うための運動靴洗濯ネットを提供する」ことを課題とし、
「運動靴洗濯ネット本体1において、互いに離間して靴収納袋8、9を設け、靴収納袋の内部には靴を固定する紐11を取り付け、また運動靴の出し入れをスムーズにするためファスナー10を取り付けている。一対の靴収納袋は一定の距離で離間するため仕切帯2で仕切り、洗濯時に運動靴同士がぶつからないようにしている。仕切帯には浮力を発生させる浮力材を内部に設置し、洗濯槽内部の水流を作る円板の羽根と運動靴がなるべく接触しないようにしている」運動靴洗濯ネット(同文献要約欄)が知られている。
【0003】
同文献0011段落には、
「本考案による運動靴洗濯ネットは、運動靴を入れる一対の靴収納袋の間に一定の間隔を連結・保持するための仕切帯、また仕切帯の内部に浮力を発生させる浮力材を設置したことで、洗濯の際、靴収納袋が浮力材を中心に洗濯槽の回転軸に合せて回転し、靴の洗濯に必要な水深が最小限に抑えられ必要水量の節水となり、運動靴が洗濯中に靴同士でぶつかったり、水流を作り出す回転板とぶつかったりすることがないため洗濯音が静かになった。脱水行程時においても運動靴洗濯ネット内で左右に収納された運動靴が遠心力を受けて、洗濯槽の回転軸に合せて回転するため洗濯槽の側壁に偏ることがないため、脱水が静かになった。」
と記載されている。
【0004】
しかし、この運動靴洗濯ネットでは、靴は靴収納袋内に収納された状態で、洗濯機内で浮遊しながら洗濯されるので、靴に対する効果的な水流が得られにくく、良好な洗浄効果が必ずしも期待できない。
また、脱水行程時においても、靴は靴収納袋内に収納された状態で遠心力を受けるから、良好な脱水効果が必ずしも期待できない。
【0005】
また、従来、例えば特許文献2に見られるように、
「靴を洗った際、洗濯機の脱水機能を使って効率よく脱水し、またそのままで効率よく干すことのできる、洗濯機脱水漕用の靴保持具」であり、
「基台(1)の下方表面に、バネ接合部(3)を介して挟持板(2)を、先端が開閉自在に設け、基台(1)の裏面には吸盤(4)を、上方にはフック(5)を設けたことを特徴とする、洗濯機脱水漕用の靴保持具」(同文献要約欄)が知られている。
【0006】
しかしこの洗濯機脱水漕用の靴保持具は、脱水・乾燥のためのものであるから、靴を洗濯するものとしては適していない。基台1と挟持板2の先端部とで靴の爪先部分を把持するようにして吊し、さらに基板1の上部を吸盤4で脱水槽8の内面に吊す構造であるから、この靴保持具および保持された靴の状態が不安定となるため、靴の洗濯には適していない。
【0007】
また、従来、例えば特許文献3に見られるように、
「洗濯機を用いて靴の洗浄、すすぎ、および脱水を自動で行うことを可能とする靴の洗浄補助具を提供する」ことを課題とし、
「洗濯機の洗濯槽内に靴を保持するための靴の洗浄補助具1であって、長手方向に伸縮する支持部材10と、支持部材10の圧縮方向の変位に対向して伸張方向の反力を発するスプリング18と、支持部材10の一端に設けられ、該支持部材10に垂直な方向に延在してなる第1靴保持部20と、支持部材10の他端に設けられ、該支持部材10に垂直な方向に延在してなる第2靴保持部30と、を備える」靴の洗浄補助具(同文献要約欄)も知られている。
【0008】
同文献0021、0022段落に記載されているように、
この補助具1によれば、
図3に示すとおり、靴は、補助具1の両端に設けられた第1靴保持部20および第2靴保持部30と洗濯槽とに挟まれて固定され、洗濯機を駆動させて、洗浄、すすぎ、および脱水を行うことができる。
【0009】
しかしこの補助具1では、
図3に示されるように、靴底を洗濯槽(脱水槽)の内周面に押し付けるようにして固定されるため、良好な脱水効果は期待できない。遠心力で飛ばされるべき靴内の水の移動が靴底によって阻害されるからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】実用新案登録第3224122号公報
【特許文献2】特開2003-79994号公報
【特許文献3】特開2011-30744号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明が解決しようとする課題は、主として洗濯機による洗濯および/または乾燥機による乾燥に適した靴ホルダーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために本発明の靴ホルダーは、
靴底の底面を支持可能な底面支持部と、
この底面支持部に靴底の底面が当接するように配置される靴の左右に配置され、前記底面支持部から前記靴の履き口の左右に伸びる左右支持部と、
正面視で、これら左右支持部の上部同士を湾曲状に連結し、上方に湾曲して靴の拘束を解放可能する解放位置と、下方に湾曲して前記履き口から靴の内方に入り靴の動きを拘束する拘束位置とを選択的に取り得る、可撓性を有するアーチ部と、
を備えたことを特徴とする。
【0013】
この靴ホルダーは、上記の構成となっているので、次のように使用することで、次のような作用効果が得られる。
アーチ部を解放位置にした状態で、アーチ部と底面支持部との間、かつ、左右支持部の間において底面支持部で靴の底面を支持するように、かつ靴の履き口が左右支持部の間に位置するように靴を配置した後、アーチ部を、靴の履き口から靴の内方に入れるようにして拘束位置へと変位させる。
これによって、可撓性を有するアーチ部が靴の履き口から靴の内方に入り込み、靴は、その底面が底面支持部で支持されるとともに、左右の動きが靴内に入り込んだアーチ部と左右支持部とで規制され、かつ上方への動きがアーチ部によって規制されることとなる。
すなわち、この靴ホルダーによれば、靴は、上下方向の動きが底面支持部とアーチ部とで規制され、左右方向の動きが靴内に入り込んだアーチ部と左右支持部とで規制された状態となるため、靴を良好に保持することが可能となる。
したがって、洗濯機および/または乾燥機内で靴を良好に保持することが可能となるため、靴を良好に洗濯および/または乾燥させることが可能となる。
【0014】
この靴ホルダーにおいては、
前記左右支持部の両端部または前記アーチ部の両端部には、このホルダーを洗濯機の内面、脱水機の内面、または、乾燥機の内面に取付可能とする取付部が設けられている構成とすることができる。
このように構成すると、ホルダーを洗濯機の内面、脱水機の内面、または、乾燥機の内面に取付可能とする取付部が左右支持部の両端部またはアーチ部の両端部に設けられていることにより、靴ホルダーおよび靴を洗濯機の内面、脱水機の内面、または乾燥機の内面に安定した状態で取り付けることが可能となる。
そして、洗濯機の脱水機能または脱水機を用いて脱水する際には、取付部が左右支持部の両端部またはアーチ部の両端部に設けられていることにより、ホルダーで保持された靴は、その履き口が脱水機等の半径方向外側に向いた状態となるので、良好な脱水効果が得られる。
【0015】
この靴ホルダーにおいては、
前記ホルダーを一対備え、
これら一対のホルダーの底面支持部同士を連結し、洗濯機内、脱水機内、または乾燥機内において、前記一対のホルダーの左右支持部の両端部またはアーチ部の両端部を洗濯機内面、脱水機内面、または乾燥機内面に押し付けるように前記一対のホルダーの底面支持部同士を離間させる方向へ付勢する連結部を備えていることを特徴とする。
このように構成すると、一対のホルダーの底面支持部同士を連結する連結部によって、洗濯機内、脱水機内、または乾燥機内において、一対のホルダーの左右支持部の両端部またはアーチ部の両端部が洗濯機内面、脱水機内面、または乾燥機内面に押し付けられるので、靴ホルダーおよび靴を洗濯機の内面、脱水機の内面、または乾燥機の内面に安定した状態で取り付けることが可能となる。
そして、洗濯機の脱水機能または脱水機を用いて脱水する際には、一対のホルダーの左右支持部の両端部またはアーチ部の両端部が洗濯機内面、脱水機内面、または乾燥機内面に押し付けられるていることにより、ホルダーで保持された靴は、その履き口が脱水機等の半径方向外側に向いた状態となるので、良好な脱水効果が得られる。
【0016】
この靴ホルダーにおいては、
前記アーチ部は、前記解放位置にあるとき、当該解放位置をアーチ部自身の弾性力によって維持する構成とすることができる。
このように構成すると、ホルダーへの靴のセットを行いやすくなる。
【0017】
この靴ホルダーにおいては、
前記アーチ部の両端は、左右支持部の上部外側に固定され、前記アーチ部が拘束位置にあるとき、前記アーチ部の両端が、それぞれ左右支持部の上部を覆う構成とすることができる。
このように構成すると、左右支持部の上部は、アーチ部の両端部を介して洗濯機内面、脱水機内面、または乾燥機内面に当接することとなるので、前記内面に対する良好な当接状態を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明に係る靴ホルダーの実施の形態を示す図で、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は左側面図。
【
図2】作動説明図で、(a)は平面図、(b)は正面図。
【
図3】取付部30を設けた状態の図で、(a)は正面図、(b)は左側面図。
【
図4】取付部30を設けた状態の作動説明図で、(a)は正面図、(b)は左側面図。
【
図5】洗濯機等の壁面Wに取り付けた状態の平面図。
【
図6】(a)は他の実施の形態の正面図、(b)は作動説明図で、
図7における6矢視図。
【
図7】洗濯機等の壁面Wに取り付けた状態の平面図。
【
図8】(a)は他の実施の形態の正面図、(b)は作動説明図。
【
図9】洗濯機等の壁面Wに取り付けた状態の部分省略平面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係る靴ホルダーの実施の形態について図面を参照して説明する。なお、各図において、同一部分ないし相当する部分には、同一の符号を付してある。
【0020】
図1に示す実施の形態の靴ホルダー1は、
靴底51の底面52を支持可能な底面支持部11と、
この底面支持部11に靴底51の底面52が当接するように配置される靴50の左右に配置され、前記底面支持部11から前記靴50の履き口53の左右に伸びる左右支持部12,12と、
正面視で、これら左右支持部12,12の上部12b、12b同士を湾曲状に連結し、上方に湾曲して靴50の拘束を解放可能する解放位置P1と、下方に湾曲して前記履き口53から靴50の内方54に入り靴50の動きを拘束する拘束位置P2(
図2参照)とを選択的に取り得る、可撓性を有するアーチ部20と、
を備えている。
【0021】
この靴ホルダー1は、上記の構成となっているので、次のように使用することができ、次のような作用効果が得られる。
【0022】
図1に示すように、アーチ部20を解放位置P1にした状態で、アーチ部20と底面支持部11との間、かつ、左右支持部12,12の間において底面支持部11で靴50の底面52を支持するように、かつ靴50の履き口53が左右支持部12,12の間に位置するように靴50を配置した後、アーチ部20を、靴50の履き口53から靴50の内方54に入れるようにして、
図2に示す拘束位置P2へと変位させる。
【0023】
これによって、
図2に示すように、可撓性を有するアーチ部20が靴50の履き口53から靴50の内方54に入り込み、靴50は、その底面52が底面支持部11で支持されるとともに、左右の動きが靴50内に入り込んだアーチ部20と左右支持部12,12とで規制され、かつ上方および前後への動きがアーチ部20によって規制されることとなる。
【0024】
すなわち、この靴ホルダー1によれば、靴50は、上下方向の動きが底面支持部11とアーチ部20とで規制され、左右方向の動きが靴50内に入り込んだアーチ部20と左右支持部12,12とで規制され、前後方向の動きが靴50内に入り込んだアーチ部20で規制された状態となるため、靴50を良好に保持することが可能となる。
【0025】
したがって、洗濯機および/または乾燥機内で靴50を良好に保持することが可能となるため、靴50を良好に洗濯および/または乾燥させることが可能となる。
【0026】
なお、
図2において、靴50の左右55,55は、左右支持部12,12には当接していないが、
図2に示す状態から靴50の左右方向への大きな動きは、左右支持部12,12によって規制される。また、靴50のサイズや形状、あるいはこの靴ホルダー1の各部の寸法によっては、靴50の左側および/または右側(50)は、初めから左右支持部12に当接することもあり得る。また、
図2(b)においては、アーチ部20は靴底51の上面51uに接触していないが、靴50のサイズや形状、あるいはこの靴ホルダー1の各部の寸法によっては、接触する場合もある。ただし、靴底51の上面51uに対する水流による洗浄効果を高めるためには、アーチ部20は靴底51の上面51uに接触していない方が望ましい。アーチ部20は靴50の履き口53から靴50の内方54に入り込んでいるだけであり、靴50の履き口53を閉塞してはいないので、靴50内への水の流入・流出は阻害されない。
【0027】
図1に示すように、アーチ部20は、解放位置P1にあるとき、当該解放位置P1をアーチ部20自身の弾性力によって維持する。
このように構成すると、ホルダー1への靴50のセットを行いやすくなる。
【0028】
このように、自身の弾性力によって凸状の解放位置P1を維持するアーチ部20は、その頂部22を
図1(b)に矢印Fで示すように手指等で押し下げると、その過程である境界を越えると、自身の弾性力によって
図2(b)に示すように凸状態から凹状態である拘束位置P2へと自動的に変位する。このため、ホルダー1への靴50のセットをワンタッチで行うことが可能となる。
【0029】
例えば
図3,
図4、
図5に示すように、左右支持部12,12の両端部(上端部)12bには、このホルダー1を洗濯機、脱水機、または、乾燥機(以下、洗濯機等ともいう)の内面W(
図5)に取付可能とする取付部30を設けることができる。なお、図示の取付部30は吸盤で構成されているが、後述するように、他の構成とすることもできる。
【0030】
このように構成すると、例えば
図5に示すように、靴ホルダー1で保持した靴50を、洗濯機等の内面Wに安定した状態で取り付けることが可能となる。なお、
図5は、2つの靴ホルダー1でそれぞれ保持した一足の靴50、50を、洗濯機等の内面Wに取り付けた状態を示している。
【0031】
そして、洗濯機の脱水機能または脱水機を用いて脱水する際には、取付部30が左右支持部12,12の両端部12bに設けられていることにより、例えば
図5に示すように、ホルダー1で保持された靴50は、その履き口53が脱水機等の半径方向外側(遠心力が作用する方向で有り、矢印R1方向)に向いた状態となるので、良好な脱水効果が得られる。
【0032】
なお、図示のものは、左右支持部12,12の両端部12bに取付部30が設けられているが、取付部30は、アーチ部20の両端部21に設けた構成とすることもでき、そのように構成した場合でも、上記の作用効果は得られる。
【0033】
図6,
図7に示す実施の形態は、前記ホルダー1を一対備え、
これら一対のホルダー1の底面支持部11同士を連結し、洗濯機内、脱水機内、または乾燥機内において、一対のホルダー1のアーチ部20の両端部21,21を洗濯機等の内面Wに押し付けるように一対のホルダー1の底面支持部11同士を離間させる方向へ付勢する連結部40を備えている。なお、
図6,
図7に示すものは、アーチ部20の両端部21,21を洗濯機等の内面Wに押し付ける構成であるが、左右支持部12,12の両端部12bを押し付ける構成とすることもできる。
【0034】
このように構成すると、
図7および
図6(b)に示すように、一対のホルダー1,1の底面支持部11同士を連結する連結部40によって、洗濯機等の内部において、一対のホルダー11,11のアーチ部20の両端部21,21が洗濯機等の内面Wに押し付けられるので、靴ホルダー1および靴50を洗濯機等の内面Wに安定した状態で取り付けることが可能となる。
【0035】
そして、洗濯機の脱水機能または脱水機を用いて脱水する際には、一対のホルダー1,1のアーチ部20の両端部21が洗濯機等の内面Wに押し付けられるていることにより、ホルダーで保持された靴50は、その履き口53が脱水機等の半径方向外側(遠心力が作用する方向で有り、矢印R1方向)に向いた状態となるので、良好な脱水効果が得られる。
【0036】
なお、
図6,
図7に示すものは、アーチ部20の両端部21,21を洗濯機等の内面Wに押し付ける構成であるが、左右支持部12,12の両端部12bを押し付ける構成とすることもできる。その場合も上記の作用効果が得られる。
【0037】
靴ホルダー1の各部は、公知の適宜の材料で構成することができる。例えば、
底面支持部11および左右支持部12,12は、合成樹脂で一体に形成することができる。
アーチ部20は可撓性を有する板状の合成樹脂ベルトやゴムベルトで構成することができる。
【0038】
吸盤30は、公知の適宜の吸盤を採用し得る。
図3,
図4において、13は左右支持部12の上部12bに設けられた吸盤用の連結部、31はこの連結部13と吸盤30とを連結する、紐、ワイヤー、リンク、その他の連結部材である。
【0039】
図6,
図7に示す連結部40は、弾性(バネ性)を有する合成樹脂や金属製の板状体で構成することができる。
図6,
図7において14は、連結部40の端部に対する底面支持部11側の連結部であり、連結部40の端部を挟むようにして連結部40の端部41と固定されている。
【0040】
左右支持部12の上部12bとアーチ部20の端部21との接合は、ヒンジ、ボルトナット、リベット、接着、溶着等公知の適宜の接合手段をとり得る。
図1~
図7に示したものは、ヒンジ60を採用している。
【0041】
図8,
図9に示すように、アーチ部20の両端21は、左右支持部12の上部12bの外側に固定され、アーチ部20が拘束位置P2(
図8(b))にあるとき、アーチ部20の両端21が、それぞれ左右支持部12の上部12bを覆う構成とすることができる。
【0042】
このように構成すると、左右支持部12の上部12bは、弾性を有するアーチ部20の両端部21を介して洗濯機等の内面Wに当接することとなるので(例えば
図9参照)、洗濯機等の内面Wに対する良好な当接状態を得ることができる。
【0043】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において適宜変形実施可能である。例えば、
【0044】
上記実施の形態の取付部30は吸盤で構成したが、吸盤に代えて簡単なフックとフック受けとをホルダー1と洗濯機とに設けてもよい。例えば、ホルダー1の左右支持部12の上部12bにフックを、洗濯機等の壁面Wにフック受けを設けてもよい。
【符号の説明】
【0045】
1: 靴ホルダー
11: 底面支持部
12: 左右支持部
20: アーチ部
30: 取付部
40: 連結部
50: 靴
51: 靴底
53: 履き口
【手続補正書】
【提出日】2021-08-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
靴底(51)の底面(52)を支持可能な底面支持部(11)と、
この底面支持部(11)に靴底(51)の底面(52)が当接するように配置される靴(50)の左右に配置され、前記底面支持部(11)から前記靴(50)の履き口(53)の左右に伸びる左右支持部(12,12)と、
正面視で、これら左右支持部(12,12)の上部同士を湾曲状に連結し、上方に湾曲して靴(50)の拘束を解放可能する解放位置(P1)と、下方に湾曲して前記履き口(53)から靴(50)の内方(54)に入り靴(50)の動きを拘束する拘束位置(P2)とを選択的に取り得る、可撓性を有するアーチ部(20)と、
洗濯機の内面、脱水機の内面、または、乾燥機の内面に取付可能とする取付部(30)と、
を備えたことを特徴とする靴ホルダー。
【請求項2】
請求項1において、
前記取付部(30)は、前記左右支持部(12,12)の両端部または前記アーチ部(20)の両端部に設けられていることを特徴とする靴ホルダー。
【請求項3】
靴底(51)の底面(52)を支持可能な底面支持部(11)と、
この底面支持部(11)に靴底(51)の底面(52)が当接するように配置される靴(50)の左右に配置され、前記底面支持部(11)から前記靴(50)の履き口(53)の左右に伸びる左右支持部(12,12)と、
正面視で、これら左右支持部(12,12)の上部同士を湾曲状に連結し、上方に湾曲して靴(50)の拘束を解放可能する解放位置(P1)と、下方に湾曲して前記履き口(53)から靴(50)の内方(54)に入り靴(50)の動きを拘束する拘束位置(P2)とを選択的に取り得る、可撓性を有するアーチ部(20)と、を備えたホルダーを一対備え、
これら一対のホルダーの底面支持部(11)同士を連結し、洗濯機内、脱水機内、または乾燥機内において、前記一対のホルダーの左右支持部(12,12)の両端部またはアーチ部20の両端部を洗濯機内面、脱水機内面、または乾燥機内面に押し付けるように前記一対のホルダーの底面支持部(11)同士を離間させる方向へ付勢する連結部(40)を備えていることを特徴とする靴ホルダー。
【請求項4】
請求項1~3のうちいずれか一項において、
前記アーチ部(20)は、前記解放位置(P1)にあるとき、当該解放位置(P1)をアーチ部(20)自身の弾性力によって維持することを特徴とする靴ホルダー。
【請求項5】
請求項1~4のうちいずれか一項において、
前記アーチ部(20)の両端は、左右支持部(12)の上部外側に固定され、前記アーチ部(20)が拘束位置(P2)にあるとき、前記アーチ部(20)の両端(21)が、それぞれ左右支持部(12)の上部(12b)を覆うことを特徴とする靴ホルダー。