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特開2022-175734配線基板、部品内蔵配線基板、及び部品内蔵配線基板の製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022175734
(43)【公開日】2022-11-25
(54)【発明の名称】配線基板、部品内蔵配線基板、及び部品内蔵配線基板の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/46 20060101AFI20221117BHJP
   H01L 23/12 20060101ALI20221117BHJP
【FI】
H05K3/46 B
H05K3/46 Q
H01L23/12 N
H01L23/12 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021082391
(22)【出願日】2021-05-14
(71)【出願人】
【識別番号】000000158
【氏名又は名称】イビデン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 雄一
(72)【発明者】
【氏名】田中 祐介
(72)【発明者】
【氏名】西野 達也
【テーマコード(参考)】
5E316
【Fターム(参考)】
5E316AA02
5E316AA12
5E316AA15
5E316AA32
5E316AA43
5E316CC32
5E316CC58
5E316DD02
5E316DD17
5E316DD23
5E316DD24
5E316DD33
5E316DD47
5E316EE08
5E316EE17
5E316EE19
5E316EE33
5E316FF07
5E316FF13
5E316FF14
5E316GG22
5E316HH24
5E316JJ12
5E316JJ13
5E316JJ25
(57)【要約】
【課題】配線基板の品質向上。
【解決手段】実施形態の配線基板は部品搭載用の導体パッド5を有する第1導体層11aと、第1導体層11a上に形成される第1絶縁層12aと、第1絶縁層12a上に形成されている第2導体層11bと、第2導体層11b上に形成される第2絶縁層12bと、第2絶縁層12b及び第1絶縁層12aを貫通して導体パッド5を底部に露出させる凹部4と、を有する。凹部4は導体パッド5に搭載されるべき部品の全体を収容可能な深さに形成されており、導体パッド5の凹部4に露出する部分の厚さT4は、第1導体層11aにおける凹部4に露出していない部分の厚さT5よりも小さい。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品搭載用の導体パッドを有する第1導体層と、前記第1導体層上に形成される第1絶縁層と、前記第1絶縁層上に形成されている第2導体層と、前記第2導体層上に形成される第2絶縁層と、前記第2絶縁層及び前記第1絶縁層を貫通して前記導体パッドを底部に露出させる凹部と、を有する配線基板であって、
前記凹部は前記導体パッドに搭載されるべき部品の全体を収容可能な深さに形成されており、
前記導体パッドの前記凹部に露出する部分の厚さは、前記第1導体層における前記凹部に露出していない部分の厚さよりも小さい。
【請求項2】
請求項1記載の配線基板であって、前記第2導体層は前記導体パッドに搭載されるべき部品と前記導体パッドとの相対的な位置合わせに用いられるアライメントマークを含んでいる。
【請求項3】
請求項1記載の配線基板であって、前記導体パッドの前記凹部に露出する部分の厚さと、前記第1導体層における前記凹部に露出していない部分の厚さとの差異は、2μm以上、且つ、5μm以下である。
【請求項4】
請求項1記載の配線基板であって、前記第2絶縁層の厚さの前記第1絶縁層の厚さに対する比率は、0.4以上、且つ、0.55以下である。
【請求項5】
請求項1記載の配線基板であって、前記第2導体層の上面の全域は前記第2絶縁層によって被覆されている。
【請求項6】
請求項1記載の配線基板であって、前記第2絶縁層の上面と前記第2導体層の上面との距離は、5μm以上、且つ、8μm以下である。
【請求項7】
請求項1記載の配線基板であって、前記導体パッドにおける前記凹部に露出する部分の厚さは、10μm以上、且つ、13μm以下である。
【請求項8】
請求項1記載の配線基板であって、前記導体パッドの端部は前記第1絶縁層で被覆されており、前記導体パッドの前記凹部に露出する部分の厚さは前記導体パッドの前記端部における厚さよりも小さい。
【請求項9】
請求項8記載の配線基板であって、前記凹部における前記底部の周縁には、前記凹部の領域を平面方向に拡張する窪み部が形成されている。
【請求項10】
請求項1記載の配線基板と、前記凹部内の前記導体パッド上に載置されている電子部品と、前記配線基板の表面に積層されていて前記電子部品を前記凹部内に封止する封止樹脂絶縁層と、を含む部品内蔵配線基板。
【請求項11】
請求項1記載の配線基板を前記第2導体層がアライメントマークを含むように形成することと、
前記配線基板の前記導体パッド上に電子部品を搭載し、前記電子部品の全体を前記凹部内に収容することと、
前記凹部内及び前記第2絶縁層上に第3絶縁層を形成し、前記電子部品を前記凹部内に封止することと、
を含む部品内蔵配線基板の製造方法であって、
前記電子部品の全体を前記凹部内に収容することは、前記アライメントマークを用いて前記電子部品と前記導体パッドとの相対的な位置合わせをすることを含んでいる。
【請求項12】
請求項11記載の部品内蔵配線基板の製造方法であって、前記配線基板を用意することは、前記第2絶縁層を、前記アライメントマークの上面と前記第2絶縁層の上面との距離が5μm以上、且つ、8μm以下となるように形成することを含んでいる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線基板、部品内蔵配線基板、及び部品内蔵配線基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電子部品内蔵基板が開示されている。電子部品は、配線基板にレーザー光によって形成されるキャビティ内に配置される。電子部品が配置されるキャビティの底面全体は、レーザー光のストッパ層となるベタ状の導体(銅)層で構成されている。電子部品はキャビティの内壁との間に間隙を有するように、ストッパ層に接着剤を介して搭載される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-19441号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されている部品内蔵配線基板においては、キャビティの深さは電子部品の厚さより小さく、電子部品の一部(電極)はキャビティ開口から外側に突出している。この構成に伴って、部品内蔵配線基板の厚さ方向の寸法が増大する場合があると考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の配線基板は、部品搭載用の導体パッドを有する第1導体層と、前記第1導体層上に形成される第1絶縁層と、前記第1絶縁層上に形成されている第2導体層と、前記第2導体層上に形成される第2絶縁層と、前記第2絶縁層及び前記第1絶縁層を貫通して前記導体パッドを底部に露出させる凹部と、を有している。前記凹部は前記導体パッドに搭載されるべき部品の全体を収容可能な深さに形成されており、前記導体パッドの前記凹部に露出する部分の厚さは、前記第1導体層における前記凹部に露出していない部分の厚さよりも小さい。
【0006】
本発明の部品内蔵配線基板は、上述の配線基板と、前記凹部内の前記導体パッド上に載置されている電子部品と、前記配線基板の表面に積層されていて前記電子部品を前記凹部内に封止する封止樹脂絶縁層と、を含んでいる。
【0007】
本発明の部品内蔵配線基板の製造方法は、上述の配線基板を前記第2導体層がアライメントマークを含むように形成することと、前記配線基板の前記導体パッド上に電子部品を搭載し、前記電子部品の全体を前記凹部内に収容することと、前記凹部内及び前記第2絶縁層上に第3絶縁層を形成し、前記電子部品を前記凹部内に封止することと、を含んでいる。前記電子部品の全体を前記凹部内に収容することは、前記アライメントマークを用いて前記電子部品と前記導体パッドとの相対的な位置合わせをすることを含んでいる。
【0008】
本発明の実施形態によれば、電子部品の凹部内の所望の位置への精密な搭載が実現され易い配線基板、部品内蔵配線基板、及び部品内蔵配線基板の製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態の、配線基板の一例を示す断面図。
図2図1の配線基板の凹部の拡大図。
図3】本発明の他の実施形態の部品内蔵配線基板の一例を示す断面図。
図4A】本発明の一実施形態の、配線基板の製造工程の一例を示す断面図。
図4B】本発明の一実施形態の、配線基板の製造工程の一例を示す断面図。
図4C】本発明の一実施形態の、配線基板の製造工程の一例を示す断面図。
図4D】本発明の一実施形態の、配線基板の製造工程の一例を示す断面図。
図4E】本発明の一実施形態の、配線基板の製造工程の一例を示す断面図。
図5A】本発明の他の実施形態である、部品内蔵配線基板の製造工程の一例を示す断面図。
図5B】本発明の他の実施形態である、部品内蔵配線基板の製造工程の一例を示す断面図。
図5C】本発明の他の実施形態である、部品内蔵配線基板の製造工程の一例を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の一実施形態の配線基板が図面を参照しながら説明される。図1は一実施形態の配線基板の一例である配線基板100を示す断面図である。図2には、図1における一点鎖線で囲まれた領域IIの拡大図が示されている。
【0011】
図1に示されるように、配線基板100は、その厚さ方向において対向する2つの面(A面3a及びA面3aの反対面であるB面3b)を有するコア基板3と、コア基板3のA面3a上に積層されている第1ビルドアップ部1と、コア基板3のB面3b上に積層されている第2ビルドアップ部2と、を含んでいる。コア基板3は、樹脂絶縁層30(コア基板絶縁層)と、樹脂絶縁層30の第1ビルドアップ部1側及び第2ビルドアップ部2側それぞれに積層されている導体層31(コア基板導体層)とを含んでいる。第1ビルドアップ部1側の導体層31の面と、樹脂絶縁層30の第1ビルドアップ部1側の表面の露出部分とによってA面3aが構成される。第2ビルドアップ部2側の導体層31の面と、樹脂絶縁層30の第2ビルドアップ部2側の表面の露出部分とによってB面3bが構成される。樹脂絶縁層30は、樹脂絶縁層30を貫通し、A面3a側の導体層31とB面3b側の導体層31とを接続するスルーホール導体3cを含んでいる。
【0012】
第1ビルドアップ部1及び第2ビルドアップ部2は、それぞれ、複数の絶縁層12及び複数の導体層11を含んでいる。第1及び第2のビルドアップ部1、2それぞれにおいて、複数の絶縁層12及び複数の導体層11が交互に積層されている。図1の配線基板100では、第1ビルドアップ部1は5つの導体層11と6つの絶縁層12とを含んでいる。同様に、第2ビルドアップ部2は5つの導体層11と6つの絶縁層12とを含んでいる。第1ビルドアップ部1及び第2ビルドアップ部2は、各絶縁層12を貫通し、各絶縁層12を介して隣接する導体層(導体層11同士、又は、導体層11とコア基板導体層31)を接続するビア導体15を含んでいる。
【0013】
なお、各実施形態の説明では、配線基板の厚さ方向において樹脂絶縁層30から遠い側は「上側」もしくは「上方」、又は単に「上」とも称され、樹脂絶縁層30に近い側は「下側」もしくは「下方」、又は単に「下」とも称される。さらに、各導体層及び各絶縁層において、樹脂絶縁層30と反対側を向く表面は「上面」とも称され、樹脂絶縁層30側を向く表面は「下面」とも称される。従って、例えば第1ビルドアップ部1及び第2ビルドアップ部2の説明では、コア基板3から遠い側が「上側」、「上方」、「上層側」又は単に「上」とも称され、コア基板3に近い側が「下側」、「下方」、「下層側」又は単に「下」とも称される。
【0014】
樹脂絶縁層30及び絶縁層12は、任意の絶縁性樹脂によって形成される。絶縁性樹脂としては、エポキシ樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂(BT樹脂)又はフェノール樹脂などが例示される。図1の例では、樹脂絶縁層30は、ガラス繊維やアラミド繊維で形成される芯材(補強材)30aを含んでいる。図1には示されていないが、任意の絶縁層12がガラス繊維などからなる芯材を含み得る。樹脂絶縁層30及び絶縁層12は、さらに、無機フィラーを含んでいてもよい。各絶縁層に含まれる無機フィラーとしては、シリカ(SiO2)、アルミナ、又はムライトなどからなる微粒子が例示される。
【0015】
導体層31及び導体層11、並びに、スルーホール導体3c及びビア導体15は、銅又はニッケルなどの任意の金属を用いて形成される。図1の例において、導体層31は、金属箔311、金属膜312、及びめっき膜313を含んでいる。スルーホール導体3cは、金属膜312及びめっき膜313によって構成されている。また、導体層11及びビア導体15は、金属膜112及びめっき膜113を含んでいる。金属箔311としては、銅箔又はニッケル箔が例示される。めっき膜313、113は、例えば電解めっき膜である。金属膜312、112は、例えば無電解めっき膜又はスパッタリング膜であり、それぞれ、めっき膜313、113を電解めっきで形成する際の給電層として機能する。
【0016】
本実施形態の配線基板100は、凹部4を有している。凹部4は、配線基板100における第1ビルドアップ部1側の表面100aから下層側(コア基板3側)に向かって凹んでいる部分である。凹部4は、配線基板100に実装される電子部品Eを収容するキャビティを構成する。
【0017】
凹部4は、第1ビルドアップ部1内の任意の導体層11に含まれる導体パターンを底面に露出させる。図1の例では、凹部4は、第1ビルドアップ部1側の表面100aから2つめの導体層11に含まれる導体パッド(部品実装パッド)5を露出させている。詳しくは後述されるように、凹部4は、第1ビルドアップ部1の凹部4の形成箇所に対応した位置に、例えば炭酸ガスレーザー、又はYAGレーザーなどのレーザー光を表面100a側から照射することで形成され得る。レーザー光の照射後、薬液を用いて凹部4の内面の処理(デスミア処理、及び露出する導体パッド5表面の粗化処理)が行われる。
【0018】
以下の、図2を参照した説明では、凹部4の底面に露出する導体パッド5を含む導体層は第1導体層11aと称される。第1導体層11aの直上の絶縁層は第1絶縁層(第1樹脂絶縁層)12aと称される。さらに、第1樹脂絶縁層12aの上に積層されている導体層は第2導体層11bとも称される。第2導体層11bは電子部品Eを凹部4内に収容する際(具体的には、導体パッド5上に載置する際)の位置合わせに使用されるアライメントマーク7をそのパターンの一部として有している。第2導体層11b及び第2導体層11bの導体パターンから露出する第1絶縁層12a上に形成され、配線基板100の最表面(第1ビルドアップ部1の最外の面)を構成する絶縁層は、第2絶縁層(第2樹脂絶縁層)12bと称される。第2樹脂絶縁層12bは、凹部4の形成におけるレーザー光の照射に続く薬液を使用する処理において、第2導体層11bを保護する保護層としての機能を有し得る。
【0019】
実施形態の配線基板は、少なくとも、導体パッド5を含む第1導体層11a、第1樹脂絶縁層12a、第2導体層11b、第2樹脂絶縁層12b、及び凹部4を含んでいる。凹部4は第2樹脂絶縁層12b及び第1樹脂絶縁層12aを貫通し、第1導体層11aの導体パターンの一部である導体パッド(部品実装パッド)5の一部を底面に露出させている。導体パッド5によって凹部4の底面が構成されている。導体パッド5は、電子部品Eを安定して配線基板に搭載するための部品搭載パッドとして機能する。電子部品Eは、例えば接着剤6を介して導体パッド5上に実装され得る。部品実装パッド5は、電子部品Eの裏面(搭載時に部品実装パッド5に向けられる面)を所定の電位に設定するための電極としても機能し得る。図示の例において、導体パッド5は、配線基板の厚さ方向に垂直の平面方向において、凹部4の底面全域に亘って延在する所謂ベタパターンである。
【0020】
凹部4は、その内部に収容されるべき電子部品Eを、完全に収容し得る深さに形成されている。好ましくは、凹部4の深さは、収容されるべき電子部品Eの上面が、第2樹脂絶縁層12bの上面と略面一となる深さに形成される。
【0021】
凹部4を、電子部品Eを完全に収容し得る深さとするために、第2樹脂絶縁層12bを厚く形成する設計を採用した場合には、配線基板100の厚さ方向における寸法が増大する。この問題に対して、本実施形態の配線基板では、導体パッド5が、比較的薄く形成されている。具体的には、導体パッド5の凹部4の底面に露出する部分は、第1導体層11aにおける導体パッド5以外の導体パターンの厚さよりも薄い。さらに具体的には、導体パッド5の第1樹脂絶縁層12aに被覆されている周縁部分の厚さT5に対して、凹部4内に露出する部分の厚さT4は薄く形成されている。導体パッド5が、その厚さに関してこのような態様を有することによって、第2樹脂絶縁層12bの厚さの増大を抑制しながら、凹部4内に電子部品Eを完全に収容することが可能となる。換言すれば、電子部品Eを収容する凹部4を有する配線基板において、その厚さ方向における寸法の増大が抑制される。
【0022】
また、第2樹脂絶縁層12bが比較的厚く形成した場合には、アライメントマーク7の上面と配線基板100の最外の表面(第2樹脂絶縁層12bの上面)との距離Tが増大し得る。電子部品Eを凹部4内に収容する場合には、その工程において、アライメントマーク7の位置を配線基板100の外側に設けられているカメラ(図示せず)で認識し、電子部品Eと凹部4(特に、導体パッド5)との位置合わせが実施される。第2導体層11bの上面(特にアライメントマーク7の上面)と第2樹脂絶縁層12bの上面との距離Tが大きい場合には、カメラによるアライメントマーク7の識別の精度が低下し、電子部品Eが要求された位置に精密に配置されない場合がある。これに対し、本実施形態の配線基板では、導体パッド5が比較的薄く形成されており、第2樹脂絶縁層12bの厚さの増大を抑制しながら、凹部4内に電子部品Eを完全に収容することが可能となる。カメラによるアライメントマーク7の識別を高い精度で行うことが可能であり、電子部品Eを凹部4内に精度高く収容可能な配線基板が提供され得る。
【0023】
具体的な例として、導体パッド5の凹部4の底部に露出する部分の厚さT4は、第1導体層11aにおける凹部4の底部に露出していない部分の厚さT5よりも2μm以上小さい。また、導体パッド5は、厚さT4と厚さT5との差異は5μm以下となるように形成されている。第1導体層11aにおける凹部4の底部に露出していない部分の厚さT5は、例えば15μmとされ、導体パッド5の凹部4に露出する部分の厚さT4は、10μm以上、且つ、13μm以下とされ得る。
【0024】
また、上述した、第2樹脂絶縁層12bの厚さ(特に、アライメントマーク7上面と第2樹脂絶縁層12b上面との距離T)を比較的小さくする観点から、第2樹脂絶縁層12bの厚さの第1樹脂絶縁層12aの厚さに対する比率は、0.55以下であることが望ましい。また、凹部4形成における薬液を使用する処理において第2導体層11bを薬液から保護する観点からは、第2樹脂絶縁層12bの厚さの第1樹脂絶縁層12aの厚さに対する比率は、0.4以上であることが望ましい。具体的には、例えば、第1樹脂絶縁層12aの厚さは45μm程度とされ、第2樹脂絶縁層12bの厚さは20μm~23μm程度とされ得る。同様の観点から、さらに具体的な例として、第2樹脂絶縁層12bの上面とアライメントマーク7の上面との距離Tは、5μm以上、且つ、8μm以下とされていることが好ましい。
【0025】
図示の例では、凹部4は、その底部における周縁付近に、凹部4が導体パッド5と第1樹脂絶縁層12aとの間に入り込む形態で平面方向に拡張する部分、すなわち窪み部Pを有している。凹部4の底部の周縁付近において窪み部Pが形成されていることに因り、凹部4内に収容されるべき電子部品Eを、より強固に安定して導体パッド5に搭載することが可能になる場合がある。電子部品Eと導体パッド5との間に介在する接着剤6が、導体パッド5上面の面方向において濡れ拡がることで窪み部P内に入り込んで固化し、電子部品Eが導体パッド5に対してより強固に固定される場合がある。
【0026】
なお、図1及び図2を参照して、一実施例として配線基板100が説明されたが、本実施形態の配線基板は、導体パッド5を有する第1導体層11a、第1樹脂絶縁層12a、第2導体層11b、第2樹脂絶縁層12b、及び導体パッド5を露出させる凹部4を有していればよく、コア基板3を備えていない態様を有し得る。また、第1ビルドアップ部1及び第2ビルドアップ部2は、任意の層数の導体層11及び絶縁層12によって構成されてよく、その層数は第1ビルドアップ部1と第2ビルドアップ部2とで異なり得る。また、配線基板は第2ビルドアップ部2を有さず、第1ビルドアップ部1のみで構成されてもよい。また、電子部品Eの凹部4内への収容は、アライメントマーク7が用いられない場合があり、第2導体層11bはアライメントマーク7を有さずともよい。
【0027】
次に、図3を参照して本発明の他の実施形態である部品内蔵配線基板が説明される。図3には、他の実施形態の一例である部品内蔵配線基板200の断面図が示されている。図3に示されるように、本実施形態の部品内蔵配線基板200は、前述した一実施形態の配線基板を含んでいる。図3の例の部品内蔵配線基板200は、図1に例示される配線基板100を含んでいる。部品内蔵配線基板200は、さらに、電子部品Eと、電子部品Eを封止する絶縁層(封止樹脂絶縁層、又は、第3絶縁層)12eを含んでいる。電子部品Eは、凹部4内に収容され、接着剤6を用いて部品実装パッド5に接合されている。凹部4は封止樹脂絶縁層12eの構成材料で充填されている。
【0028】
電子部品Eは、電子部品Eと外部回路との接続に用いられる電極E1を含んでいる。電子部品Eとしては、半導体装置などの能動部品や、抵抗体のような受動部品が例示される。電子部品Eは、半導体基板上に形成された微細配線を含む配線材であってもよい。電子部品Eは、その全体が凹部4内に収容されている。図示の例においては、電子部品Eは、電子部品Eの上面(電極E1の上面)が配線基板100の最外の表面を構成する絶縁層12の上面と略面一となるように、凹部4内に収容されている。
【0029】
図3の部品内蔵配線基板200は、さらに樹脂絶縁層12e上に形成されている導体層13と、第3絶縁層12e及び導体層13を覆うソルダーレジスト層8と、ビア導体150、15peとを含んでいる。封止樹脂絶縁層12e上に形成される導体層13は、外部回路との接続に用いられる接続パッド13p、13peを含んでいる。ソルダーレジスト層8は、接続パッド13p、13peを露出させる開口を有している。ビア導体15peは、電子部品E上の第3絶縁層12eを貫通して、電子部品Eの電極E1と接続パッド13peとを接続している。なお、配線基板100における第2ビルドアップ部2側の最外の樹脂絶縁層12上には、絶縁層120、導体層130、ソルダーレジスト層80、及びビア導体150が、それぞれ形成されている。ソルダーレジスト層80に設けられている開口からは、接続パッド130pが露出している。
【0030】
封止樹脂絶縁層12e及び樹脂絶縁層120は、絶縁層12と同様の材料を用いて絶縁層12と同様の方法で形成され得る。電子部品Eを凹部4内に封入する封止樹脂絶縁層12eは、配線基板100における第1ビルドアップ部1の上側に積層されている。封止樹脂絶縁層12eはキャビティ4内に収容されている電子部品Eを被覆するように積層される。電子部品Eは封止樹脂絶縁層12eによって凹部4の内部に封止される。ビア導体15peは、封止樹脂絶縁層12eにおいて電極E1上に形成され、導体層13と一体的に形成されている。
【0031】
導体層13、130、並びにビア導体15pe、150は導体層11及びビア導体15と同様の材料を用いて形成され、これらと同様の構造を有し得る。ソルダーレジスト層8、80は、例えばエポキシ樹脂やポリイミド樹脂などの任意の絶縁性材料を用いて形成される。接着剤6には、任意の材料が用いられ得る。接着剤6としては、はんだ、金、もしくは銅などの金属、銀などの任意の導電性粒子を含む導電性接着剤、並びに、単にエポキシ樹脂などで構成される絶縁性接着剤(例えばダイアタッチフィルム)などが例示される。
【0032】
本実施形態の部品内蔵配線基板200は、図1に配線基板100として例示される配線基板を含んでいる。導体パッド5の凹部4内に露出する部分は比較的薄く形成されており、その厚さは、導体パッド5を含む導体層11における凹部4内に露出していない部分の厚さより薄い。これに伴って、部品内蔵配線基板200は、凹部4内に電子部品Eの全体を収容しながらも、その厚さ方向における寸法の増大が抑制されている。アラインメントマーク7を含む導体層11を被覆する絶縁層12b(図2参照)の厚さの増大は抑えられ、比較的小さい厚さとされている。従って、本実施形態の部品内蔵配線基板200では、電子部品Eが凹部4内の所望の位置に、より精密に配置されている。なお、図3の例の部品内蔵配線基板200は、図1に例示される配線基板100そのものではなく、説明された配線基板100の変形例を含んでいてもよい。
【0033】
つぎに、一実施形態の配線基板の製造方法が、図1の配線基板100を例に用いて図4A図4Eを参照して説明される。
【0034】
図4Aに示されるように、コア基板3の樹脂絶縁層30となる樹脂絶縁層と、この樹脂絶縁層の両表面にそれぞれ積層された金属箔を含む出発基板(例えば両面銅張積層板)が用意され、コア基板3の導体層31及びスルーホール導体3cが形成される。例えばドリル加工又は炭酸ガスレーザー光の照射によってスルーホール導体3cの形成位置に貫通孔が穿孔され、その貫通孔内及び金属箔上に無電解めっき又はスパッタリングなどによって金属膜が形成される。そしてこの金属膜を給電層として用いる電解めっきによってめっき膜が形成される。その結果、3層構造の導体層31、及びスルーホール導体3cが形成される。その後、サブトラクティブ法によって導体層31をパターニングすることによって所定の導体パターンを備えるコア基板3が得られる。
【0035】
図4Bに示されるように、コア基板3のA面3a上に樹脂絶縁層12及び導体層11が交互に形成される。コア基板3のB面3b上にも樹脂絶縁層12及び導体層11が交互に形成される。図4BにおいてA面3a及びB面3bの上にそれぞれ4層の樹脂絶縁層12及び3層の導体層11が形成された後、A面3a側にさらに導体層(第1導体層)11aが形成されB面3b側にもさらに導体層11が形成される。第1導体層11aは、例えば15μm程度の厚さに形成される。
【0036】
第1導体層11aが含む導体パターンは、導体パッド5を含むパターンに形成される。第1導体層11aにおける導体パッド5は、配線基板に形成されるべき、部品を収容するための凹部4(図2参照)の底面全体を構成し得る領域に形成される。
【0037】
次いで図4Cに示されるように、コア基板3のA面3a側では、第1導体層11aの上に第1絶縁層12aが形成され、さらに、第1絶縁層12a上に、A面3a側における最外の導体層となる第2導体層11bが形成される。第2導体層11bは、その導体パターンにアライメントマーク7を含むパターンに形成される。第2導体層11b上には、A面3a側における最外の絶縁層となる第2絶縁層(第2樹脂絶縁層)12bが形成される。第2絶縁層12bは、例えば、第2絶縁層12bの厚さの第1絶縁層12aの厚さに対する比率が、0.4以上、且つ、0.55以下となるように形成される。また、例えば、第2導体層11bの上面と第2絶縁層12bの上面との距離が5μm以上、且つ、8μm以下となるように形成され得る。コア基板3のB面3b側においても同様に、配線基板100におけるB面3b側の最外の導体層及び絶縁層となる導体層11及び絶縁層12が形成される。
【0038】
各絶縁層12、12a、12bの形成では、例えばフィルム状のエポキシ樹脂が、コア基板3の上、又は先に形成された絶縁層12、12a及び導体層11、11a、11bの上に積層され、加熱及び加圧される。その結果、各絶縁層12、12a、12bが形成される。絶縁層12、12a、12bには、ビア導体15を形成するための貫通孔が、例えば炭酸ガスレーザー光の照射などによって形成される。
【0039】
各導体層11、11a、11bは、例えばセミアディティブ法によって形成される。すなわち、各導体層11、11a、11bの下地となる絶縁層12、12a上の全面及びその絶縁層12、12aに穿孔された貫通孔内に無電解めっきやスパッタリングによって金属膜が形成される。その金属膜を給電層として用いる電解めっきを含むパターンめっきによってめっき膜が形成される。各絶縁層12、12aに穿孔された貫通孔内にはビア導体15が形成される。その後、金属膜の不要部分が例えばエッチングなどで除去される。その結果、所定の導体パターンを含む2層構造の各導体層11、11a、11bが形成される。各導体層11、11a、11bは、銅又はニッケルなどの任意の金属を用いて形成される。
【0040】
図4Dに示されるように、第2絶縁層12b及び第1絶縁層12aを貫通して第1導体層11aの一部を露出させる凹部4、すなわち電子部品が収容されるべきキャビティが形成される。図4Dには、凹部4及びその周辺部分だけが拡大して示されている。凹部4は、例えば、第1ビルドアップ部1側の最外の表面100aの上側から凹部4の形成領域全体に渡ってレーザー光BMをピッチ送りしながら照射することによって形成され得る。レーザー光BMとしては、炭酸ガスレーザー光が例示される。第1導体層11aに含まれる導体パッド5は、平面視で、凹部4の底面全体を含む領域に形成されている。従って、導体パッド5は、凹部4の形成時のレーザー光BMのストッパとして機能し得る。
【0041】
凹部4を形成する方法は、レーザー光BMの照射に限定されず、例えば、ドリル加工によって凹部4が形成されてもよい。また、凹部4の底面となるべき第1導体層11a上への剥離膜(図示せず)の配置、及びこの剥離膜上に積層された絶縁層及び導体層の除去などによって凹部4が形成されてもよい。
【0042】
次いで、図4Eに示されるように、凹部4の形成後、凹部4内に残存する樹脂残渣(スミア)が、例えば、過マンガン酸塩などを含む薬液を用いた処理によって除去(デスミア処理)される。デスミア処理に続いて、導体パッド5の凹部4に露出する面には、薬液を使用する粗化処理が施される。導体パッド5の露出面の粗化処理によって、導体パッド5上に搭載され得る電子部品との間に介在する、例えばダイアタッチフィルムなどである接着剤との密着性が向上し得る。この粗化処理における処理時間や薬液濃度の調整によって、導体パッド5の凹部4に露出する部分が薄くされ得る。同時に、凹部4の底部の周縁近傍の導体パッド5が部分的に除去され、第1樹脂絶縁層12aと導体パッド5との間に入り込む形状の、窪み部Pが形成される。
【0043】
粗化処理では、薬液として、例えば、硫酸-過酸化水素系溶液を用いるエッチングが実施される。この粗化処理における導体パッド5の部分的な除去は、凹部4の深さが、収容されるべき電子部品を完全に収容し得る深さとなる程度まで行われる。粗化処理では、導体パッド5は、例えば、その凹部4の底部に露出する部分の厚さが、粗化処理が行われる前の厚さに対して2μm以上小さくなるように処理され得るが、5μmを超えて小さくはならないように処理され得る。結果的に、例えば15μmの厚さに形成される導体パッド5は、凹部4に露出する部分において10μm以上、且つ、13μm以下の厚さを有し得る。以上の工程を経ることによって図1に示される配線基板100が完成する。なお、これらの、凹部4を形成する際のデスミア処理及び粗化処理において、第2導体層11bは第2絶縁層12bによって薬液から保護されている。特に、第2絶縁層12bが5μm以上の厚さを有することで、第2導体層11bの薬液からの保護はより確実にされている。
【0044】
つぎに、他の実施形態の部品内蔵配線基板の製造方法が、図3の部品内蔵配線基板200を例に用いて図5A図5Cを参照して説明される。
【0045】
まず、部品実装用のキャビティ(凹部)を有する配線基板が用意される。例えば、図3A図3Eを参照して説明された配線基板の製造方法を用いて、凹部4を有する配線基板100が用意される。図5Aには用意された配線基板100の凹部4及びその周辺部分が拡大して示されている。
【0046】
図5Aに示されるように、凹部4内に露出する導体パッド5に電子部品Eが載置される。例えば、はんだもしくは銅などの金属ペレット、又は、導電性もしくは絶縁性のペーストやダイアタッチフィルムが、マウンタやディスペンサを用いて接着剤6として導体パッド5上に供給され、さらに、電子部品Eがダイボンダなどによって載置され得る。電子部品Eは、その全体が凹部4に収容される。電子部品Eは、前述したように、例えば、半導体装置などの能動部品、抵抗体のような受動部品、又は、微細配線を含む配線材などである。電子部品E及び接着剤6は、例えば、導体パッド5上で加熱及び加圧され、それによって接着剤6が硬化し、電子部品Eが導体パッド5に接合され得る。図示の例では、導体パッド5に接合された状態において、電子部品Eの上面は第2絶縁層12bの上面と略面一をなしている。なお、図示の例とは異なるが、接着剤6が導体パッド5の面方向に拡がり窪み部P内を充填して硬化する場合には、電子部品Eが導体パッド5により強固に接合される場合がある。
【0047】
凹部4内へ電子部品Eを載置する工程においては、配線基板100の上側に配置されるアライメント用のカメラ(図示せず)によって、アライメントマーク7が認識される。具体的には、第2絶縁層12bを透過するアライメントマーク7がアライメントカメラによって認識される。アライメントマーク7による位置情報をもとに、電子部品Eと配線基板100(特には、凹部4)との相対的な位置関係が調整される。アライメントマーク7は、例えば、平面視において、円形の平面形状を有している。本実施形態の部品内蔵配線基板の製造方法では、配線基板において電子部品の全体を収容し得る凹部において、その底部に露出する導体パッドの厚さが、導体パッドを含む導体層における凹部に露出していない部分の厚さよりも薄く形成されている。従って、アライメントマーク7を被覆する第2絶縁層12bは比較的薄く形成されることが可能で、アライメントマーク7の上面と、第2絶縁層12bの上面との距離Tは比較的小さい。よって、アライメント用のカメラによるアライメントマーク7の認識はより精密に行われ得る。電子部品Eと配線基板100との相対的な位置は精密に調整され、電子部品Eは、凹部4内のより望ましい位置に配置され得る。
【0048】
次に、図5Bに示されるように、電子部品Eを覆う第3絶縁層(封止樹脂絶縁層)12eが形成され、第3絶縁層12eの材料で凹部4が充填される。その結果、凹部4内に電子部品Eが封止される。図5Bの例では、封止樹脂絶縁層12eは、第1ビルドアップ部1の最外の第2絶縁層12b上に形成される。コア基板3に関して凹部4と反対側の、ビルドアップ部2における最外の絶縁層12上にも絶縁層120が形成される。
【0049】
封止樹脂絶縁層12eの形成時に、封止樹脂絶縁層12eを構成すべく積層される、例えばフィルム状のエポキシ樹脂などが、加熱及び加圧によって凹部4内に流入する。そして、凹部4内が、封止樹脂絶縁層12eを構成する材料、例えばエポキシ樹脂で充填される。また、電子部品Eが、封止樹脂絶縁層12eを構成するエポキシ樹脂などで凹部4内に封止される。
【0050】
図5Cに示されるように、封止樹脂絶縁層12eを貫通するビア導体150、15pe、及び、封止樹脂絶縁層12e上の導体層13が形成される。コア基板3に関して反対側でも、絶縁層120を貫通するビア導体150、及び、絶縁層120上の導体層130が形成される。導体層13には、外部回路との接続に用いられる接続パッド13p、13peが設けられる。導体層130にも接続パッド130pが設けられる。導体層13は、封止樹脂絶縁層12e及び第1ビルドアップ部1の最外の第2絶縁層12bを貫通するビア導体150によって、第1ビルドアップ部1の最外の第2導体層11bと接続される。接続パッド13peは、電子部品E上の第3絶縁層12eを貫通するビア導体15peによって、電子部品Eの電極E1と接続される。
【0051】
導体層13及び導体層130、ビア導体150、15peは、前述した、導体層11及びビア導体15の形成方法と同様の方法及び同様の材料を用いて形成され得る。ビア導体15peの形成に関して、電子部品Eの電極E1に向かって、樹脂絶縁層12eの表面から例えば紫外線(UV)レーザー光を照射することによって電極E1を露出させる貫通孔が形成される。その貫通孔内に、導体層13の形成と共にめっき膜を充填することによって、導体層13(具体的には接続パッド13pe)と電極E1とを接続するビア導体15peが形成される。
【0052】
その後、導体層13及び封止樹脂絶縁層12e上にソルダーレジスト層8が形成されると共に、導体層130及び絶縁層120上にはソルダーレジスト層80が形成される(図3参照)。ソルダーレジスト層8には接続パッド13p、13peを露出させる開口が設けられ、ソルダーレジスト層80には接続パッド130pを露出させる開口が設けられる。ソルダーレジスト層8、80、及び各ソルダーレジスト層の開口は、感光性のエポキシ樹脂又はポリイミド樹脂などを含む樹脂層の形成と、適切な開口パターンを有するマスクを用いた露光及び現像とによって形成される。
【0053】
ソルダーレジスト層8、80の開口に露出する接続パッド13p、13pe、130p上には、無電解めっき、半田レベラ、又はスプレーコーティングなどによって、Au、Ni/Au、Ni/Pd/Au、はんだ、又は耐熱性プリフラックスなどからなる表面保護膜(図示せず)が形成されてもよい。以上の工程を経る事によって図3の例の部品内蔵配線基板200が完成する。
【0054】
上述された配線基板の製造方法、及び、部品内蔵配線基板の製造方法は、各図面を参照して説明された方法に限定されず、その条件や順序等は適宜変更されてよい。現に製造される配線基板の構造に応じて、一部の工程が省略されてもよく、別の工程が追加されてもよい。
【符号の説明】
【0055】
100 配線基板
200 部品内蔵配線基板
1 第1ビルドアップ部
2 第2ビルドアップ部
3 コア基板
4 凹部
5 導体パッド(部品実装パッド)
11 導体層
11a 第1導体層
11b 第2導体層
12 樹脂絶縁層
12a 第1絶縁層(第1樹脂絶縁層)
12b 第2絶縁層(第2樹脂絶縁層)
12e 第3絶縁層(封止樹脂絶縁層)
13、130 導体層
13p、13pe、130p 接続パッド
7 アライメントマーク
8、80 ソルダーレジスト層
E 電子部品
BM レーザー光
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図5A
図5B
図5C