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特開2022-175797情報処理装置、プログラム、及び不具合調査方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022175797
(43)【公開日】2022-11-25
(54)【発明の名称】情報処理装置、プログラム、及び不具合調査方法
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/60 20140101AFI20221117BHJP
   G06F 11/34 20060101ALI20221117BHJP
【FI】
A63F13/60
G06F11/34 176
G06F11/34 133
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021082493
(22)【出願日】2021-05-14
(71)【出願人】
【識別番号】595000427
【氏名又は名称】株式会社コーエーテクモゲームス
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】田中 丈
(72)【発明者】
【氏名】森 磨美
【テーマコード(参考)】
5B042
【Fターム(参考)】
5B042HH49
5B042MA08
5B042MA11
5B042MC40
(57)【要約】
【課題】実行中のゲーム処理の不具合調査を行うユーザの作業負担を軽減すること。
【解決手段】実行中のゲーム処理の不具合調査を行う情報処理装置であって、実行中のゲーム処理の不具合調査に用いる1種類以上の計測値を計測する計測値計測部と、実行中のゲーム処理が所定条件を満たした場合に、ゲーム処理により画面に出力されているゲームの画像を記録する画像記録部と、を有する情報処理装置が提供される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
実行中のゲーム処理の不具合調査を行う情報処理装置であって、
前記実行中のゲーム処理の不具合調査に用いる1種類以上の計測値を計測する計測値計測部と、
前記実行中のゲーム処理が所定条件を満たした場合に、前記ゲーム処理により画面に出力されているゲームの画像を記録する画像記録部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
記録した前記ゲームの画像を、前記所定条件を満たしたときに計測していた前記計測値に応じて仕分ける仕分部、を更に有する
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記画像記録部が記録する前記ゲームの画像に、前記1種類以上の計測値を表示させるように制御する計測値表示制御部、を更に有する
請求項1又は2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記ゲームを自動プレイにより実行する自動プレイ制御部、を更に有する
請求項1乃至3の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記計測値は、前記ゲームの画像のフレームレート、前記ゲームの画像にキャラクタとして表示されているオブジェクトの数、前記ゲームの画像に背景として表示されているオブジェクトの数、及び前記ゲームの画像に表示されているエフェクトの数、の少なくとも一つを含むこと
を特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記仕分部により仕分けられた前記ゲームの画像の数をそれぞれ集計して、前記ゲーム処理において不具合が生じている理由を、前記集計の結果に応じて解析する解析部、を更に有する
請求項2記載の情報処理装置。
【請求項7】
実行中のゲーム処理の不具合調査を行う情報処理装置を、
前記実行中のゲーム処理の不具合調査に用いる1種類以上の計測値を計測する計測値計測部、
前記実行中のゲーム処理が所定条件を満たした場合に、前記ゲーム処理により画面に出力されているゲームの画像を記録する画像記録部、
として機能させるためのプログラム。
【請求項8】
実行中のゲーム処理の不具合調査を行う不具合調査方法であって、
前記実行中のゲーム処理の不具合調査に用いる1種類以上の計測値を計測する計測値計測ステップと、
前記実行中のゲーム処理が所定条件を満たした場合に、前記ゲーム処理により画面に出力されているゲームの画像を記録する画像記録ステップと、
を情報処理装置が実行する不具合調査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、プログラム、及び不具合調査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コンピュータの能力の向上により、開発されるコンピュータゲームの複雑さ及び規模が増加している。このため、開発したコンピュータゲームにバグがないこと(少なくともリリースするのに十分なレベルで機能すること)を確認するテストプロセスが困難になっている。従来、プレイテストボットを利用して、テストプロセスを行う技術が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-108733号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
開発したコンピュータゲーム(以下、単ゲームと呼ぶ)にバグがないこと(少なくともリリースするのに十分なレベルで機能すること)の不具合調査では、例えば手動プレイや自動プレイによりゲームを実行し、ゲームに存在するバグを発見する必要がある。
【0005】
不具合調査で発見したバグの原因は、例えばゲームの開発者などがゲームの画像を見れば分かることが多い。しかし、不具合調査の初期においてはゲームに存在するバグが多い場合があり、不具合調査でバグを発見するゲームの画像が多くなるため、ゲームの開発者などの作業負担が増大してしまうという問題があった。なお、特許文献1は、このような課題を解決するものではない。
【0006】
本開示は、実行中のゲーム処理の不具合調査を行うユーザの作業負担を軽減することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示によれば、実行中のゲーム処理の不具合調査を行う情報処理装置であって、前記実行中のゲーム処理の不具合調査に用いる1種類以上の計測値を計測する計測値計測部と、前記実行中のゲーム処理が所定条件を満たした場合に、前記ゲーム処理により画面に出力されているゲームの画像を記録する画像記録部と、を有する情報処理装置が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、実行中のゲーム処理の不具合調査を行うユーザの作業負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態に係る不具合調査システムの一例の構成図である。
図2】本実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3】本実施形態に係る情報処理装置の機能構成の一例を示す図である。
図4】本実施形態に係る情報処理装置の処理の一例のフローチャートである。
図5】ゲームの画像の一例のイメージ図である。
図6】ゲームの画像の一例のイメージ図である。
図7】仕分解析結果画面の一例のイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示を実施するための形態について図面を参照して説明する。
【0011】
[システム構成]
まず、一実施形態に係る不具合調査方法を実現するシステム構成について図1を参照して説明する。図1は本実施形態に係る不具合調査システムの一例の構成図である。一実施形態に係る不具合調査システムは図1(A)に示す情報処理装置10又は図1(B)に示す情報処理システムにより構成される。図1(A)の情報処理装置10は、ユーザが操作するコンピュータである。図1(A)の情報処理装置10は、ユーザからの操作をタッチパネル、コントローラ、マウス、キーボード等で受け付けて、操作に応じた情報処理を実行し、実行結果を表示する。
【0012】
また、図1(B)の情報処理システムは情報処理装置10とサーバ装置14とがネットワーク18を介して通信可能に接続された構成である。図1(B)の情報処理装置10は図1(A)と同様なコンピュータである。図1(B)のサーバ装置14も図1(A)と同様なコンピュータで実現できる。
【0013】
サーバ装置14は情報処理装置10との間でデータを送受信することで、情報処理装置10が受け付けたユーザの操作に応じた情報処理を実行し、実行結果を情報処理装置10に提供する。情報処理装置10はサーバ装置14から提供された実行結果を表示する。
【0014】
サーバ装置14はクラウドコンピュータにより実現してもよい。なお、図1(B)に示したサーバ装置14の個数は、1つに限定されるものではなく、2つ以上で分散処理してもよい。サーバ装置14は情報処理装置10へのプログラム(アプリケーション)などのダウンロード処理、ユーザのログイン処理、又は各種データベースを管理する処理、などに利用してもよい。なお、図1のシステム構成は一例である。
【0015】
[ハードウェア構成]
本実施形態に係る情報処理装置10は、例えば図2に示すように構成される。サーバ装置14の構成は情報処理装置10と同様であるため、説明を省略する。図2は本実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0016】
図2の情報処理装置10は、例えばCPU(Central Processing Unit)100、記憶装置102、通信装置104、入力装置106、及び出力装置108を有する。CPU100はプログラムに従って情報処理装置10を制御する。記憶装置102は、例えばROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などのメモリ、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などのストレージである。記憶装置102はCPU100で実行するプログラム及びデータを記憶する。
【0017】
通信装置104は、通信を制御するネットワーク回路などの通信デバイスである。入力装置106は、タッチパッド、コントローラ、マウス、キーボード、カメラ、マイクなどの入力デバイスである。また、出力装置108はディスプレイ、スピーカなどの出力デバイスである。タッチパネルは入力装置106の一例であるタッチパッドと出力装置108の一例であるディスプレイとを組み合わせることで実現される。図2のハードウェア構成は一例である。
【0018】
[機能ブロック]
以下では、情報処理装置10がゲームの開発者などのユーザから実行中のゲーム処理の不具合調査を行うための操作を受け付け、不具合調査の結果を出力する場合の機能構成例を説明する。図3の機能構成は一例であって、例えば図3に示した機能構成の少なくとも一部をサーバ装置14に設け、情報処理装置10とサーバ装置14とが連携して処理を行うようにしてもよい。
【0019】
また、図3では不具合調査の対象として、ゲーム処理の負荷が掛かり過ぎたことによりフレームレートが許容範囲を下回った場面を調査する例を説明するが、この例に限定されない。ゲーム処理を実行中に発生する不具合であって、その不具合が発生しているか否かを情報処理装置10が判定できるように所定条件を設定できる様々な不具合調査に適用できる。
【0020】
図3は本実施形態に係る情報処理装置の機能構成の一例を示す図である。図3の情報処理装置10は、制御部200、操作受付部202、出力制御部204、通信部206、及び記憶部210を有する。
【0021】
記憶部210は、ゲームプログラム212、不具合調査プログラム214、不具合調査設定DB216、キャプチャ画像DB218、及び仕分解析結果DB220を記憶する。記憶部210は記憶装置102で実現してもよいし、ネットワーク18等を介して接続された記憶装置により実現してもよい。
【0022】
ゲームプログラム212は、CPU100が実行するゲーム処理のプログラムの一例である。不具合調査プログラム214は、CPU100が実行する不具合調査処理のプログラムの一例である。不具合調査設定DB216は、不具合調査処理に利用する後述の不具合調査設定を記憶している。
【0023】
キャプチャ画像DB218は、キャプチャされたゲームの画像(キャプチャ画像)を記憶している。仕分解析結果DB220は、後述のキャプチャ画像の仕分けの結果、及び不具合が生じている理由の解析の結果、を記憶している。
【0024】
制御部200は情報処理装置10の全体の制御を行う。情報処理装置10の全体の制御には、ユーザから実行中のゲーム処理の不具合調査を行うための操作を受け付け、不具合調査の結果を出力する制御が含まれる。
【0025】
制御部200は、CPU100がゲームプログラム212及び不具合調査プログラム214などのプログラムに記載された処理を実行することにより実現される。図3の制御部200は、ゲーム制御部230、自動プレイ制御部232、及び不具合調査部234を有する構成である。不具合調査部234は、計測値計測部240、画像記録部242、計測値表示制御部244、仕分部246、及び解析部248を有する構成である。
【0026】
ゲーム制御部230はゲームに関する制御を行う。例えばゲーム制御部230はゲーム処理を実行し、実行中のゲーム処理に従ってゲームの画像を生成し、ゲームの画面として出力装置108に表示させる。
【0027】
ゲーム制御部230は開発者などのユーザからゲームに関する操作を受け付け、受け付けた操作に従ってゲーム処理を実行する。また、ゲーム制御部230は自動プレイボット等のゲームに関する操作を代行してくれる機能からゲームに関する操作を受け付け、受け付けた操作に従ってゲーム処理を実行する。
【0028】
自動プレイボットなどのゲームに関する操作を代行してくれる機能は、例えば開発者が定義したルールベースに従ってゲームに関する操作を代行するものであっても、機械学習したモデルに従ってゲームに関する操作を代行するものであってもよい。
【0029】
自動プレイ制御部232は、開発者などのユーザに替わってゲームに関する操作を代行する機能であって、例えばゲームプログラム212が有している自動プレイの機能により実現してもよいし、ゲームプログラム212とは別の自動プレイボットなどのゲームに関する操作を代行してくれる機能により実現してもよい。
【0030】
不具合調査部234は、ゲーム制御部230が実行中のゲーム処理の不具合調査を行うための処理を行う。不具合調査部234の計測値計測部240は、実行中のゲーム処理の不具合調査に用いる1種類以上の計測値を計測する。実行中のゲーム処理の不具合調査に用いる1種類以上の計測値は、例えばFPS(Frames Per Second)などのゲームの画像のフレームレートを表す値、ゲームの画像にキャラクタとして表示されているキャラクタオブジェクトの数を表す値、ゲームの画像に背景として表示されている背景オブジェクトの数を表す値、及びゲームの画像に表示されているエフェクトの数を表す値等である。
【0031】
画像記録部242は、実行中のゲーム処理が所定条件を満たした場合に、ゲーム制御部230がゲーム処理に従って画面に出力しているゲームの画像をキャプチャし、キャプチャ画像をキャプチャ画像DB218に記憶させる。例えば画像記録部242は、計測値計測部240が計測した計測値のうち、実行中のゲーム処理に不具合が発生しているか否かを判定可能な計測値を監視している。
【0032】
画像記録部242は、監視している計測値が実行中のゲーム処理に不具合が発生していることを示した場合に、ゲームの画像をキャプチャし、キャプチャ画像をキャプチャ画像DB218に記憶させる。画像記録部242は、例えば実行中のゲーム処理に不具合が発生しているか否かを判定可能な計測値の一例として、ゲームの画像のフレームレートを監視する。
【0033】
不具合調査設定DB216が記憶している不具合調査設定は、画像記録部242が利用する所定条件の一例である。例えば不具合調査設定DB216が記憶している不具合調査設定は、キャプチャするゲームの画像の条件が設定されており、例えばFPS、ゲームの画像に表示されているキャラクタオブジェクトの数、ゲームの画像に表示されている背景オブジェクトの数、ゲームの画像に表示されているエフェクトの数や範囲等である。
【0034】
例えば不具合調査設定としてFPSの下限値「25FPS」が記憶されており、計測値計測部240が計測したFPSの計測値が「25FPS」未満となれば、画像記録部242は所定の条件を満たしたと判定し、ゲームの画像をキャプチャし、キャプチャ画像をキャプチャ画像DB218に記憶させる。また、不具合調査設定としてゲームの画像に表示されているキャラクタオブジェクトの数「5以上」が記憶されており、計測値計測部240が計測したキャラクタオブジェクトの数が「5」となれば、画像記録部242は所定の条件を満たしたと判定し、ゲームの画像をキャプチャしてキャプチャ画像DB218に記憶させる。
【0035】
計測値表示制御部244は、ゲーム制御部230が出力装置108に表示させるゲームの画像に、計測値計測部240が計測した実行中のゲーム処理の不具合調査に用いる1種類以上の計測値を表示させるように制御を行う。したがって、画像記録部242にキャプチャされるキャプチャ画像には、そのキャプチャ画像がキャプチャされた場面において計測値計測部240が計測した1種類以上の計測値を情報として追加することができる。
【0036】
仕分部246は、キャプチャ画像DB218に記憶させたキャプチャ画像を、不具合が生じる理由を解析しやすいように仕分ける処理を行う。例えば仕分部246は、画像記録部242がゲームの画像をキャプチャしたときに満たしたと判定した所定の条件(計測値の種類など)に応じてキャプチャ画像を仕分ける。また、仕分部246はキャプチャした場面を更に、ゲームのステージやエリアなどを考慮してキャプチャ画像を仕分けるようにしてもよい。
【0037】
例えば仕分部246は、FPSによる不具合調査設定の条件を満たした場面において記録されたゲームのキャプチャ画像、キャラクタオブジェクト数による不具合調査設定の条件を満たした場面において記録されたゲームのキャプチャ画像、背景オブジェクト数による不具合調査設定の条件を満たした場面において記録されたゲームのキャプチャ画像、及びエフェクト数(エフェクト範囲)による不具合調査設定の条件を満たした場面において記録されたゲームのキャプチャ画像、などを仕分ける。
【0038】
解析部248は、仕分部246が仕分けたゲームのキャプチャ画像を、仕分け先ごとに集計し、集計の結果に応じて、ゲーム制御部230が実行したゲーム処理において不具合が生じている理由を解析する。解析部248は、仕分け先ごとのキャプチャ画像の集計数に応じて、不具合が生じている理由及びゲームの場面を解析できる。
【0039】
また、例えば仕分部246は、FPSによる不具合調査設定の条件を満たした場面において記録されたゲームのキャプチャ画像を、キャラクタオブジェクト数、背景オブジェクト数、及びエフェクト数(エフェクト範囲)により更に仕分けるようにしてもよい。
【0040】
解析部248は、例えば仕分部246が仕分けたFPSの下限値「25FPS」未満とう所定の条件を満たしたキャプチャ画像を、更に、キャラクタオブジェクト数、背景オブジェクト数、及びエフェクト数(エフェクト範囲)などの測定値や、ゲームの場面などにより仕分けられたゲームのキャプチャ画像を、仕分け先ごとに集計してもよい。
【0041】
例えば解析部248は、FPSによる不具合調査設定の条件を満たした場面においてキャプチャ画像が記録されたときに計測値計測部240が計測していた計測値を参照し、その計測値から処理負荷が大きくなった理由を解析できる。
【0042】
操作受付部202は入力装置106に対するユーザの各種操作を受け付ける。出力制御部204は制御部200の制御に従って各種画面を出力装置108に表示する。操作受付部202はCPU100がプログラムに従って入力装置106を制御することにより実現される。また、出力制御部204は、CPU100がプログラムに従って出力装置108を制御することにより実現される。入力装置106に対するユーザの各種操作とは、CPU100に処理を実行させるため、ユーザが操作受付部202を操る操作をいう。出力制御部204は、制御部200の制御に従い、各種画面の表示と音の出力とを行う。
【0043】
通信部206は、ネットワーク18等を介して通信する。通信部206はCPU100がプログラムを実行し、プログラムに従って通信装置104を制御することにより実現される。
【0044】
[処理]
以下では、情報処理装置10がユーザから実行中のゲーム処理の不具合調査を行うための操作を受け付け、不具合調査の結果を出力する処理例を説明する。図4は本実施形態に係る情報処理装置の処理の一例のフローチャートである。ステップS10において、情報処理装置10は、不具合調査を行うゲームの自動プレイを開始する操作をユーザから受け付ける。情報処理装置10の自動プレイ制御部232は、不具合調査を行うゲームの自動プレイを開始する。なお、図4では不具合調査を行うゲームを自動プレイする例を示しているが、人間がゲームをプレイしてもよい。
【0045】
ステップS12において、ゲーム制御部230は自動プレイ制御部232から受け付けたゲームに関する操作に従ってゲーム処理を実行する。不具合調査部234の計測値計測部240は、負荷計測に用いる1種類以上の計測値の計測を開始する。
【0046】
ステップS14において、不具合調査部234の画像記録部242は、実行中のゲーム処理が、不具合の発生していることを示す所定条件を満たしたか否かを判定する。例えば画像記録部242は実行中のゲーム処理の計測値を監視しており、その計測値が不具合の発生を示した場合に、所定条件を満たしたと判定する。
【0047】
実行中のゲーム処理が所定条件を満たしたと判定すると、画像記録部242はステップS16において、ゲームの画面に出力されているゲームの画像をキャプチャする。画像記録部242はキャプチャ画像をキャプチャ画像DB218に記憶させる。ステップS18において、仕分部246はキャプチャ画像DB218のキャプチャ画像を、満たした所定条件に応じて仕分ける処理を行う。
【0048】
なお、実行中のゲーム処理が所定条件を満たしたと判定しなければ、画像記録部242はステップS16及びS18の処理をスキップする。ステップS14~S18の処理はステップS20において実行中のゲームが終了するまで繰り返される。したがって、情報処理装置10のキャプチャ画像DB218には、実行中のゲーム処理が不具合の発生していることを示す所定条件を満たした場面のキャプチャ画像が自動的に記録される。
【0049】
ステップS20において実行中のゲームが終了したと判定されると、解析部248はステップS22において、仕分部246が仕分けたゲームのキャプチャ画像を、仕分け先ごとに集計し、集積の結果に応じて、ゲーム制御部230が実行したゲーム処理において不具合が生じている理由を解析する。開発者などのユーザは、解析部248により解析された結果を出力装置108に表示させて確認できる。
【0050】
例えばゲーム処理によりゲームの画面に出力されているゲームの画像は、例えば図5及び図6に示すようなイメージである。図5及び図6はゲームの画像の一例のイメージ図である。図5及び図6のゲームの画像には、計測値計測部240により計測された計測値1006が計測値表示制御部244により追加表示されている。
【0051】
図5は、キャラクタオブジェクト数が「2」であり、背景オブジェクト数が「3」である例を示している。図6は、キャラクタオブジェクト数が「5」であり、背景オブジェクト数が「8」である例を示している。図6のゲームの画像1000は図5のゲームの画像1000と比べて表示されているキャラクタオブジェクト及び背景オブジェクトの数が多いため、FPSの計測値が図5のゲームの画像1000よりも低下している。例えば不具合調査設定としてFPSの下限値「25FPS」が記憶されていれば、画像記録部242は図5のゲームの画像をキャプチャせず、図6のゲームの画像をキャプチャする。
【0052】
ゲームの開発者などのユーザは、自動でキャプチャされた図6のゲームの画像を参照することで、実行したゲーム処理において、FPSの下限値を下回った場面のゲームの画像の内容と、そのゲームの画像が表示されたときに計測されていた計測値と、を容易に確認できる。
【0053】
また、例えば仕分部246によるキャプチャ画像の仕分けの結果、及び解析部248による解析の結果は、例えば図7に示すような仕分解析結果画面1100のように表示することで、開発者などのユーザに確認させることができる。
【0054】
図7は仕分解析結果画面の一例のイメージ図である。図7の仕分解析結果画面1100は仕分結果表示欄1102と解析結果表示欄1104とを有している。仕分結果表示欄1102は、ゲームの画像をキャプチャしたときに満たしたと判定した所定の条件、例えばキャラクタオブジェクト数が「5」以上、背景オブジェクト数が「8」以上、キャラクタオブジェクト数と背景オブジェクト数との合計が「10」以上、又はエフェクト数が「100」以上など、に応じて仕分けられたキャプチャ画像のファイルを表示している。
【0055】
また、解析結果表示欄1104は、仕分結果表示欄1102に表示したキャプチャ画像の仕分けの結果を集計し、集計の結果に応じて不具合が生じている理由を解析した結果が表示されている。
【0056】
ゲームの開発者などのユーザは、自動で仕分け及び解析された図7の仕分解析結果画面1100のように表示することで、実行したゲーム処理に不具合が生じている理由の解析結果を容易に確認できる。
【0057】
以上のように、本実施形態によれば、実行中のゲーム処理の不具合調査を行うゲームの開発者などのユーザの作業負担を軽減できる。
【0058】
開示した一実施形態の情報処理装置は例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。上記の実施形態は添付の請求の範囲及びその主旨を逸脱することなく、様々な形態で変形及び改良が可能である。また、上記した複数の実施形態に記載された事項は矛盾しない範囲で他の構成も取り得ることができ、また、矛盾しない範囲で組み合わせることができる。
【0059】
本実施形態では、計測値計測部240が計測する計測値の一例として、FPS、ゲームの画像に表示されているキャラクタオブジェクトの数、ゲームの画像に表示されている背景オブジェクトの数、ゲームの画像に表示されているエフェクトの数等、を示したが、この例に限定されない。
【0060】
例えば計測値計測部240は、ゲームの画像に表示されているキャラクタオブジェクトの大きさごと(例えば大、中、及び小ごと)の数を計測してもよいし、ゲームの画像に表示されている背景オブジェクトの大きさごと(例えば大、中、及び小ごと)の数を計測してもよい。また、不具合調査部234はデバックツールなどのプログラミングの際に用いる開発ツールの一機能として実現するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0061】
10 情報処理装置
14 サーバ装置
18 ネットワーク
200 制御部
202 操作受付部
204 出力制御部
206 通信部
210 記憶部
212 ゲームプログラム
214 不具合調査プログラム
216 不具合調査設定DB
218 キャプチャ画像DB
220 仕分解析結果DB
230 ゲーム制御部
232 自動プレイ制御部
234 不具合調査部
240 計測値計測部
242 画像記録部
244 計測値表示制御部
246 仕分部
248 解析部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7