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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022175798
(43)【公開日】2022-11-25
(54)【発明の名称】精算処理システム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/12 20060101AFI20221117BHJP
   G07G 1/06 20060101ALI20221117BHJP
【FI】
G07G1/12 321H
G07G1/12 301E
G07G1/06 B
G07G1/12 351C
G07G1/12 321A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021082494
(22)【出願日】2021-05-14
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140958
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137888
【弁理士】
【氏名又は名称】大山 夏子
(74)【代理人】
【識別番号】100190942
【弁理士】
【氏名又は名称】風間 竜司
(72)【発明者】
【氏名】長尾 和俊
【テーマコード(参考)】
3E142
【Fターム(参考)】
3E142AA01
3E142AA03
3E142AA10
3E142BA07
3E142BA11
3E142CA12
3E142DA03
3E142DA04
3E142DA08
3E142FA03
3E142GA02
3E142GA24
3E142GA41
(57)【要約】
【課題】複数の会計をまとめて精算すると共に、会計ごとに釣銭の金額を制御可能な精算処理システムを提供する。
【解決手段】複数の商品を複数の会計に分けて登録する商品登録部と、投入された現金の金額と、前記複数の商品の購入金額の合計との差額から釣銭の金額を算出する釣銭算出部と、前記会計ごとに発行されるレシートの内容を制御し、前記レシートの各々に印字される前記釣銭の金額を制御するレシート内容制御部と、
を備える、精算処理システム。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の商品を複数の会計に分けて登録する商品登録部と、
投入された現金の金額と、前記複数の商品の購入金額の合計との差額から釣銭の金額を算出する釣銭算出部と、
前記会計ごとに発行されるレシートの内容を制御し、前記レシートの各々に印字される前記釣銭の金額を制御するレシート内容制御部と、
を備える、精算処理システム。
【請求項2】
前記レシート内容制御部は、ユーザの入力に基づいて選択された前記会計に対応する前記レシートに前記釣銭の全額が印字されるように前記レシートの内容を制御する、請求項1に記載の精算処理システム。
【請求項3】
前記レシート内容制御部は、前記入力に基づいて選択された前記会計以外の会計に対応する前記レシートに前記釣銭の金額として0が印字されるように前記レシートの内容を制御する、請求項2に記載の精算処理システム。
【請求項4】
前記釣銭は、前記複数の会計でまとめて1回で出金される、請求項2又は3に記載の精算処理システム。
【請求項5】
前記現金は、前記会計ごとにユーザの入力に基づいた金額に分配され、
前記レシート内容制御部は、前記会計ごとに分配された前記現金の金額と、前記会計ごとの前記商品の購入金額の合計との差額から算出される前記釣銭の金額が前記会計に対応する前記レシートにそれぞれ印字されるように前記レシートの内容を制御する、請求項1に記載の精算処理システム。
【請求項6】
前記現金は、前記会計ごとに所定の単位金額の整数倍に分配され、
前記レシート内容制御部は、前記会計ごとに分配された前記現金の金額と、前記会計ごとの前記商品の購入金額の合計との差額から算出される前記釣銭の金額が前記会計に対応する前記レシートにそれぞれ印字されるように前記レシートの内容を制御する、請求項1に記載の精算処理システム。
【請求項7】
前記会計ごとに分配された前記現金の金額と、前記会計ごとの前記商品の購入金額の合計との差額から算出された金額の前記釣銭は、前記会計ごとに出金される、請求項5又は6に記載の精算処理システム。
【請求項8】
前記複数の会計は、1回のタイミングで投入された現金にてまとめて精算される、請求項1~7のいずれか一項に記載の精算処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、精算処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、スーパーマーケット、ドラッグストア、又はコンビニエンスストアなどの店舗では、顧客に購入される商品の会計処理を行うために、多くの精算処理システムが稼働している。
【0003】
精算処理システムでは、まず、商品に付されたバーコードをバーコードリーダでスキャンすることによって商品の販売登録が行われる。購入される全ての商品の販売登録が行われた後、顧客より精算処理システムに現金が投入されることで精算が行われる。その後、精算処理システムから釣銭及びレシートが排出され、排出された釣銭及びレシートを顧客が受けることで取引が終了する。
【0004】
また、現金に替えてクレジットカードが使用される場合、購入される全ての商品の販売登録が行われた後、顧客より精算処理システムにクレジットカードが挿入され、決済が照会されることで精算が行われる。その後、精算処理システムから使用されたクレジットカード及びレシートが排出され、排出されたクレジットカード及びレシートを顧客が受けることで取引が終了する。
【0005】
このような精算処理システムでは、顧客からの様々な要望に応えるために、様々な技術が開発されている。例えば、下記の特許文献1には、会計ごとに発行されるレシートを顧客が所望する単位に分割して印字する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2013-137621号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記の特許文献1に開示された技術は、1つの会計のレシートを分割して印字する技術であり、会計自体を分割し、分割された複数の会計の各々における釣銭の金額を制御する技術ではなかった。
【0008】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、複数の会計をまとめて精算すると共に、会計ごとに釣銭の金額を制御することが可能な、新規かつ改良された精算処理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、複数の商品を複数の会計に分けて登録する商品登録部と、投入された現金の金額と、前記複数の商品の購入金額の合計との差額から釣銭の金額を算出する釣銭算出部と、前記会計ごとに発行されるレシートの内容を制御し、前記レシートの各々に印字される前記釣銭の金額を制御するレシート内容制御部と、を備える、精算処理システムが提供される。
【0010】
前記レシート内容制御部は、ユーザの入力に基づいて選択された前記会計に対応する前記レシートに前記釣銭の全額が印字されるように前記レシートの内容を制御してもよい。
【0011】
前記レシート内容制御部は、前記入力に基づいて選択された前記会計以外の会計に対応する前記レシートに前記釣銭の金額として0が印字されるように前記レシートの内容を制御してもよい。
【0012】
前記釣銭は、前記複数の会計でまとめて1回で出金されてもよい。
【0013】
前記現金は、前記会計ごとにユーザの入力に基づいた金額に分配され、前記レシート内容制御部は、前記会計ごとに分配された前記現金の金額と、前記会計ごとの前記商品の購入金額の合計との差額から算出される前記釣銭の金額が前記会計に対応する前記レシートにそれぞれ印字されるように前記レシートの内容を制御してもよい。
【0014】
前記現金は、前記会計ごとに所定の単位金額の整数倍に分配され、前記レシート内容制御部は、前記会計ごとに分配された前記現金の金額と、前記会計ごとの前記商品の購入金額の合計との差額から算出される前記釣銭の金額が前記会計に対応する前記レシートにそれぞれ印字されるように前記レシートの内容を制御してもよい。
【0015】
前記会計ごとに分配された前記現金の金額と、前記会計ごとの前記商品の購入金額の合計との差額から算出された金額の前記釣銭は、前記会計ごとに出金されてもよい。
【0016】
前記複数の会計は、1回のタイミングで投入された現金にてまとめて精算されてもよい。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように本発明によれば、精算処理システムにおいて、複数の会計をまとめて精算すると共に、会計ごとに釣銭の金額を制御することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態に係る精算処理システムの概略構成を示すブロック図である。
図2】制御端末の機能構成を示すブロック図である。
図3】同実施形態に係る精算処理システムの第1の動作例の流れを示すフローチャート図である。
図4】同実施形態に係る精算処理システムの第1の動作例の流れを示すフローチャート図である。
図5】同実施形態に係る精算処理システムの第1の動作例の流れを示すフローチャート図である。
図6】同実施形態に係る精算処理システムの第1の動作例の流れを示すフローチャート図である。
図7】同実施形態に係る精算処理システムの第1の動作例の流れを示すフローチャート図である。
図8】同実施形態に係る精算処理システムの第1の動作例の流れを示すフローチャート図である。
図9】第1の動作例の各々のタイミングにて操作表示装置に表示される画像例を示す説明図である。
図10】第1の動作例の各々のタイミングにて操作表示装置に表示される画像例を示す説明図である。
図11】第1の動作例の各々のタイミングにて操作表示装置に表示される画像例を示す説明図である。
図12】第1の動作例の各々のタイミングにて操作表示装置に表示される画像例を示す説明図である。
図13】第1の動作例の各々のタイミングにて操作表示装置に表示される画像例を示す説明図である。
図14】第1の動作例の各々のタイミングにて操作表示装置に表示される画像例を示す説明図である。
図15】第1の動作例の各々のタイミングにて操作表示装置に表示される画像例を示す説明図である。
図16】第1の動作例の各々のタイミングにて操作表示装置に表示される画像例を示す説明図である。
図17】第1の動作例の各々のタイミングにて操作表示装置に表示される画像例を示す説明図である。
図18】第1の動作例の各々のタイミングにて操作表示装置に表示される画像例を示す説明図である。
図19】第1の動作例の各々のタイミングにて操作表示装置に表示される画像例を示す説明図である。
図20】第1の動作例にて顧客に発行される会計A及び会計Bのレシートの一例を示す説明図である。
図21】第1の動作例にて顧客に発行される会計A及び会計Bのレシートの一例を示す説明図である。
図22】第1の動作例の各々のタイミングにて操作表示装置に表示される画像例を示す説明図である。
図23】第1の動作例の各々のタイミングにて操作表示装置に表示される画像例を示す説明図である。
図24】第1の動作例の各々のタイミングにて操作表示装置に表示される画像例を示す説明図である。
図25】第1の動作例の各々のタイミングにて操作表示装置に表示される画像例を示す説明図である。
図26】第1の動作例の各々のタイミングにて操作表示装置に表示される画像例を示す説明図である。
図27】第1の動作例にて顧客に発行される会計A及び会計Bのレシートの一例を示す説明図である。
図28】同実施形態に係る精算処理システムの第2の動作例の流れを示すフローチャート図である。
図29】第2の動作例の各々のタイミングにて操作表示装置に表示される画像例を示す説明図である。
図30】第2の動作例の各々のタイミングにて操作表示装置に表示される画像例を示す説明図である。
図31】第2の動作例の各々のタイミングにて操作表示装置に表示される画像例を示す説明図である。
図32】第2の動作例にて顧客に発行される会計A及び会計Bのレシートの一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0020】
<1.構成例>
(1.1.精算処理システムの構成)
まず、図1を参照して、本発明の一実施形態に係る精算処理システムの概略構成について説明する。図1は、本実施形態に係る精算処理システム1の概略構成を示すブロック図である。
【0021】
図1に示すように、精算処理システム1は、制御端末10と、自動釣銭機20と、操作表示装置30と、バーコードリーダ40と、カードリーダ50と、キー操作装置60と、レシートプリンタ70と、を備える。
【0022】
精算処理システム1は、例えば、顧客自身が商品に付与されたバーコードをバーコードリーダ40で読み取ることで商品を登録し、顧客自身が商品の購入代金を現金又はクレジットカードで精算した後、発行されたレシートを受け取る、いわゆるセルフ精算システムである。ただし、精算処理システム1は、商品を販売する店員が商品に付与されているバーコードをバーコードリーダ40で読み取ることで商品を登録し、店員が顧客から渡された現金又はクレジットカードで商品の購入代金を精算した後、発行されたレシートを顧客に受け渡す、一般的な精算システムであってもよい。または、精算処理システム1は、商品を販売する店員が商品に付与されているバーコードをバーコードリーダ40で読み取ることで商品を登録し、顧客自身が商品の購入代金を現金又はクレジットカードで精算した後、発行されたレシートを受け取る、いわゆるセミセルフ精算システムであってもよい。
【0023】
以下では、精算処理システム1は、顧客自身が操作するセルフ精算システムであるとして説明を行う。
【0024】
自動釣銭機20は、顧客が現金で精算を行う場合に、現金の入金、及び釣銭の出金を行う。具体的には、自動釣銭機20は、入金された現金を紙幣及び硬貨の金種別に保管すると共に、顧客が購入する商品の購入代金と、入金された現金(預り金とも称される)の金額との差額に相当する紙幣及び硬貨を釣銭として出金する。自動釣銭機20は、例えば、入金された紙幣を金種別に保管すると共に、釣銭の紙幣を出金する紙幣釣銭機21と、入金された硬貨を金種別に保管すると共に、釣銭の硬貨を出金する硬貨釣銭機22とを含んで構成されてもよい。顧客は、商品の購入金額以上の金額の現金を自動釣銭機20に入金することで、購入する商品の精算を行うと共に、購入する商品の購入代金と、預り金との差額である釣銭を受け取ることができる。
【0025】
操作表示装置30は、画像を用いて顧客に情報を提示する表示装置と、顧客からの情報入力又は操作を受け付ける入力装置とを含んで構成される。操作表示装置30は、例えば、液晶パネルなどの表示装置と、タッチパッドなどの位置入力装置とが一体化されたタッチパネル装置であってもよい。顧客は、操作表示装置30を視認することで、登録された商品の内容及び購入金額を確認したり、操作を誘導する画像を確認したりすることができる。また、顧客は、操作表示装置30を操作することで、精算取引に対する指示を精算処理システム1に入力することができる。なお、精算取引とは、上記で説明した流れにおいて、商品に付与されたバーコードの読み取りからレシートの発行までの一連の取引を示す。
【0026】
バーコードリーダ40は、商品に付与されたバーコードを読み取る読取装置である。バーコードリーダ40は、例えば、一次元の縞模様を構成する線の太さによって数値又は文字を表すバーコードを光学的に読み取る読取装置であってもよく、二次元の縦横に配列されたドットの配置によって情報を表す二次元コードを光学的に読み取る読取装置であってもよい。顧客は、商品に付与されたバーコードをバーコードリーダ40で読み取ることで、購入する商品を精算処理システム1に登録することができる。
【0027】
カードリーダ50は、顧客がクレジットカードで精算を行う場合に、クレジットカードからカード情報を磁気的に読み取る読取装置である。キー操作装置60は、顧客がクレジットカードで精算を行う場合に、顧客からのクレジットカードの暗証番号の入力を受け付ける入力装置である。キー操作装置60は、例えば、0から9までの数字キー、記号キー、及びエンターキーの各キーを有する数値キーパッド(いわゆるテンキーパッド)であってもよい。顧客は、カードリーダ50にクレジットカードを挿入し、挿入したクレジットカードの暗証番号をキー操作装置60に入力することで、購入する商品の精算をクレジットカードにて行うことができる。
【0028】
レシートプリンタ70は、顧客が購入した商品の精算結果を用紙に印字して、レシートとして顧客に発行する印刷装置である。レシートには、例えば、商品が購入された店舗名及び日時、顧客が購入した商品の概要、数、及び金額、購入金額の合計金額、預り金の金額、並びに釣銭の金額などが印字される。
【0029】
制御端末10は、精算処理システム1の全般的な動作を制御する。制御端末10は、下記の制御によって、顧客が購入する商品の精算を行うことができる。制御端末10の機能構成の詳細については、図2を参照して後述する。
【0030】
具体的には、制御端末10は、まず、バーコードリーダ40で読み取られたバーコードが表す情報に基づいて、顧客が購入する商品を登録する。次に、制御端末10は、投入された現金の金額と、登録された商品の購入金額の合計との差額から釣銭の金額を算出することで、顧客が購入した商品の精算を行う。続いて、制御端末10は、精算の結果に基づいてレシートに印字される内容を生成した後、レシートプリンタ70にレシートを発行させると共に、算出された金額の釣銭を自動釣銭機20から出金させる。
【0031】
なお、現金に替えてクレジットカードにて精算が行われる場合、制御端末10は、まず、バーコードリーダ40で読み取られたバーコードが表す情報に基づいて、顧客が購入する商品を登録する。次に、制御端末10は、カードリーダ50にて読み取られたクレジットカードのカード情報、及びキー操作装置60から入力されたクレジットカードの暗証番号に基づいて、顧客が購入する商品の決済が可能か否かをクレジットカード会社のホストコンピュータに照会する。決済可能である場合、制御端末10は、顧客が購入した商品の精算を行い、精算の結果に基づいてレシートに印字される内容を生成した後、レシートプリンタ70にレシートを発行させる。
【0032】
制御端末10は、例えば、各種プログラムなどのソフトウェアと、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)などのハードウェアとの協働によって、精算処理システム1の全般的な動作を制御してもよい。CPUは、演算処理装置として機能し、ROMに記憶された各種プログラム及び演算パラメータに従って演算処理することで、精算処理システム1の全般的な動作を制御することができる。RAMは、CPUの演算処理の実行時に使用するプログラム、及び実行に適宜変化するパラメータ等を一時記憶することができる。
【0033】
(1.2.制御端末の構成)
続いて、図2を参照して、本実施形態に係る精算処理システム1に含まれる制御端末10の機能構成についてより詳細に説明する。図2は、制御端末10の機能構成を示すブロック図である。
【0034】
図2に示すように、制御端末10は、商品登録部101、釣銭算出部102、及びレシート内容制御部103を含む制御部100と、記憶部110と、入出力部120と、通信部130と、を備える。
【0035】
記憶部110は、制御部100による各種制御の際に用いられる各種プログラム、パラメータ、及び設定などを記憶するデータ格納装置である。記憶部110は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)などの磁気記憶デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス、又は光磁気記憶デバイスなどを含んで構成されてもよい。
【0036】
入出力部120は、制御端末10と、自動釣銭機20、操作表示装置30、バーコードリーダ40、カードリーダ50、キー操作装置60、及びレシートプリンタ70とを接続し、これらの装置の間でデータを入出力するための接続ポートである。入出力部120は、例えば、USB(Universal Serial Bus)ポート、IEEE1394ポート、又はSCSI(Small Computer System Interface)ポートの接続ポートを含んで構成されてもよい。また、入出力部120は、RS-232Cポート、光オーディオ端子、又はHDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)ポートなどの接続ポートを含んで構成されてもよい。
【0037】
通信部130は、通信ネットワークに接続するための通信インタフェースである。通信部130は、通信ネットワークを介して、顧客が商品を購入する際に登録された商品に関する情報を図示しない上位端末に送信してもよい。通信部130は、例えば、有線若しくは無線LAN(Local Area Network)、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、又はWUSB(Wireless USB)用の通信カードを含んで構成されてもよい。
【0038】
制御部100は、商品登録部101、釣銭算出部102、及びレシート内容制御部103を含む。制御部100は、上述したように、各種プログラムなどのソフトウェアと、CPU、ROM、及びRAMなどのハードウェアとの協働によって、これらの機能を実現してもよい。
【0039】
商品登録部101は、バーコードリーダ40で読み取られたバーコードが表す情報に基づいて、顧客が購入する商品を登録する。本実施形態に係る精算処理システム1では、商品登録部101は、顧客が購入する複数の商品を複数の会計に分けて登録する。
【0040】
釣銭算出部102は、投入された現金の金額と、登録された商品の購入金額の合計との差額から釣銭の金額を算出する。本実施形態に係る精算処理システム1では、釣銭算出部102は、投入された現金の金額と、複数の会計に登録された商品の購入金額の合計との差額から釣銭の金額を算出する。
【0041】
レシート内容制御部103は、精算の結果に基づいて、レシートに印字される内容を制御する。本実施形態に係る精算処理システム1では、レシート内容制御部103は、精算の結果に基づいて、複数の会計の各々に対して発行されるレシートの内容を制御し、特に、レシートの各々に印字される釣銭の金額を制御する。
【0042】
例えば、複数の会計に分けて登録された商品の精算がまとめて1回で行われる場合、釣銭算出部102は、投入された現金の金額と、複数の会計に登録された商品のすべての購入金額の合計との差額から釣銭の金額を算出してもよい。このような場合、レシート内容制御部103は、顧客によって選択された会計に対応するレシートに釣銭の全額が印字されるようにレシートの内容を制御してもよい。また、レシート内容制御部103は、顧客によって選択された会計以外の会計に対応するレシートに釣銭の金額として0が印字されるようにレシートの内容を制御してもよい。
【0043】
例えば、投入された現金が複数の会計に分配され、会計ごとに登録された商品の精算が行われる場合、釣銭算出部102は、会計ごとに分配された現金の金額と、会計ごとの商品の購入金額の合計との差額から、会計ごとの釣銭の金額を算出してもよい。このような場合、レシート内容制御部103は、会計ごとに分配された現金の金額と、会計ごとの商品の購入金額の合計との差額から算出される釣銭の金額が会計ごとのレシートに印字されるようにレシートの内容を制御してもよい。
【0044】
なお、投入された現金は、顧客からの入力指示に基づいた金額にて複数の会計に分配されてもよい。また、投入された現金は、所定の単位金額の整数倍の金額にて複数の会計に分配されてもよい。所定の単位金額とは、例えば、一万円、千円、百円、又は十円であってもよい。
【0045】
以上の構成によれば、本実施形態に係る精算処理システム1は、複数の商品を複数の会計に分けて登録し、投入された現金にて複数の会計に登録された商品を1度に精算することができる。また、本実施形態に係る精算処理システム1は、投入された現金に対する釣銭の金額を会計ごとに制御してレシートに印字することができる。したがって、本実施形態に係る精算処理システム1は、複数の会計に分割して登録された商品の精算をより短時間で行うことが可能である。
【0046】
<2.動作例>
(2.1.第1の動作例)
次に、図3図27を参照して、本実施形態に係る精算処理システム1の第1の動作例について説明する。図3図8は、本実施形態に係る精算処理システム1の第1の動作例の流れを示すフローチャート図である。図9図19図22図26は、第1の動作例の各々のタイミングにて操作表示装置30に表示される画像例を示す説明図である。図20図21、及び図27は、第1の動作例にて顧客に発行される会計A及び会計Bのレシートの一例を示す説明図である。
【0047】
以下では、顧客が金額768円の商品A、金額246円の商品B、金額1875円の商品C、金額132円の商品D、金額576円の商品Eをそれぞれ1点ずつ購入する場合を例示して説明を行う。なお、上記の5点の商品のうち、商品D及び商品Eは、顧客が他者から依頼されて購入した商品であり、商品A、商品B、及び商品Cとは別会計として精算するものとする。
【0048】
まず、精算処理システム1では、顧客が操作表示装置30にタッチ等することで、商品の精算取引が開始される。具体的には、まず、図9で示す商品登録画面201が操作表示装置30に表示される。
【0049】
次に、商品登録画面201の分割精算ボタン301が押下されたか否かが判断される(S102)。分割精算ボタン301が押下された場合(S102/Yes)、分割精算処理を実行するため、図10で示す分割精算用の商品登録画面202が操作表示装置30に表示される(S103)。一方、分割精算ボタン301が押下されなかった場合(S102/No)、精算処理システム1は、通常精算処理(すなわち、すべての商品を同じ会計にて精算する処理)を実行する(S900)。
【0050】
分割精算用の商品登録画面202は、会計Aの商品登録欄と、会計Bの商品登録欄とに分割されており、会計ごとに商品名、数量、金額、及び合計金額が表示される。また、商品登録画面202には、会計A及び会計Bの総合計金額が表示される。
【0051】
顧客は、まず、会計Aで精算する商品Aに付与されたバーコードをバーコードリーダ40にて読み取ることで、会計Aに商品Aを登録する(S104)。会計Aの商品登録が完了していない場合(S105/No)、顧客は、繰り返し、会計Aで精算する商品(すなわち、商品B及び商品C)を登録する(S104)。これにより、分割精算用の商品登録画面202には、図11に示すように会計Aの商品登録欄に商品A、商品B、及び商品Cが登録される。
【0052】
会計Aの商品登録が完了した場合(S105/Yes)、顧客によって分割精算用の商品登録画面202の会計Bボタン302Aが押下される(S106/Yes)。これにより、分割精算用の商品登録画面202では、会計Bで精算する商品の登録が可能となり、会計Bボタン302Aは、精算ボタン302Bに変化する。
【0053】
続いて、顧客は、会計Bで精算する商品Dに付与されたバーコードをバーコードリーダ40にて読み取ることで、会計Bに商品Dを登録する(S107)。会計Bの商品登録が完了していない場合(S108/No)、顧客は、繰り返し、会計Bで精算する商品(すなわち、商品E)を登録する(S107)。これにより、分割精算用の商品登録画面202には、図12に示すように会計Bの商品登録欄に商品D及び商品Eが登録される。
【0054】
会計Bの商品登録が完了した場合(S108/Yes)、顧客によって分割精算用の商品登録画面202の精算ボタン302Bが押下される(S111/Yes)。これにより、図13で示す精算方法選択画面203が操作表示装置30に表示される(S112)。精算方法選択画面203には、会計Aの点数及び合計金額と、会計Bの点数及び合計金額と、会計A及び会計Bの総点数及び総合計金額とが表示される。また、精算方法選択画面203には、現金による精算を指示する現金ボタン303と、クレジットカードによる精算を指示するクレジットカードボタン304とが表示される。
【0055】
精算方法選択画面203において、クレジットカードボタン304が押下された場合(S113/Yes)、図7及び図8に示すフローチャートに従ってクレジットカードによる精算が行われる。クレジットカードによる精算については、後述する。
【0056】
精算方法選択画面203において、クレジットカードボタン304が押下されず(S113/No)、現金ボタン303が押下された場合(S114/Yes)、図14に示す現金投入画面204が操作表示装置30に表示される(S115)。
【0057】
精算処理システム1は、現金投入画面204を表示して現金の投入を待ち(S116)、現金が投入された場合(S116/Yes)、投入された現金を自動釣銭機20にて計数する。その後、精算処理システム1は、計数結果に基づく預り金額が表示された図15に示す現金投入画面205を操作表示装置30に表示させる(S117)。
【0058】
預り金額が購入される商品の合計金額以上である場合(S118/Yes)、図15に示す現金投入画面205には、確定ボタン305が表示される(S119)。預り金額が購入される商品の合計金額未満である場合(S118/No)、図15に示す現金投入画面205には確定ボタン305が表示されず、精算処理システム1は、さらなる現金の投入を待つ(S116)。
【0059】
顧客によって預り金額及び釣銭金額が確認された後、現金投入画面205の確定ボタン305が押下される(S120/Yes)。ここで、精算処理システム1は、釣銭があるか否かを判断し(S121)、釣銭がある場合(S121/Yes)、図16に示す釣銭選択画面206を操作表示装置30に表示させる(S122)。一方、釣銭がない場合(S121/No)、精算処理システム1は、釣銭の排出に関するステップS122~ステップS126の動作をスキップする。
【0060】
釣銭選択画面206には、釣銭を会計A又は会計Bのいずれにて支払うかを顧客に選択させる会計Aボタン306A及び会計Bボタン306Bが表示される。
【0061】
会計Aボタン306Aが押下された場合、会計Aにて釣銭の全額を支払うために、会計Aでは、預り金額4000円から会計Bの合計金額708円を減算した3292円が預り金額となり、会計Bでは、会計Bの合計金額である708円が預り金額となる。これにより、会計Aでは、釣銭として403円が支払われ、会計Bでは、釣銭が0円となる。一方、会計Bボタン306Bが押下された場合、会計Bにて釣銭の全額を支払うために、会計Aでは、会計Aの合計金額である2889円が預り金額となり、会計Bでは、預り金額4000円から会計Aの合計金額である2889円を減算した1111円が預り金額となる。これにより、会計Aでは、釣銭が0円となり、会計Bでは、釣銭として403円が支払われる。
【0062】
会計Aボタン306A又は会計Bボタン306Bのいずれかが押下された場合(S123/Yes)、精算処理システム1は、自動釣銭機20から釣銭を出金し(S124)、図17に示す釣銭出金画面を操作表示装置30に表示させる(S125)。
【0063】
顧客による釣銭の受け取りが完了した場合(S126/Yes)、精算処理システム1は、レシートプリンタ70に会計Aのレシートを発行させる(S131)。また、釣銭がない場合についても(S121/No)、精算処理システム1は、釣銭の排出に関するステップS122~ステップS126の動作をスキップして、レシートプリンタ70に会計Aのレシートを発行させる(S131)。
【0064】
また、精算処理システム1は、会計Aのレシート発行(S131)と共に、図18に示す会計Aのレシート発行画面208Aを操作表示装置30に表示させる(S132)。顧客によって会計Aのレシートの受け取りが完了した場合(S133/Yes)、精算処理システム1は、レシートプリンタ70に会計Bのレシートを発行させる(S134)と共に、図19に示す会計Bのレシート発行画面208Bを操作表示装置30に表示させる(S135)。顧客によって会計Bのレシートの受け取りが完了した場合(S136/Yes)、精算処理システム1は、精算取引を終了する。
【0065】
ここで、顧客に対して発行される会計A及び会計Bのレシートには、制御端末10によって制御された釣銭の金額が印字される。
【0066】
例えば、釣銭選択画面206で会計Aボタン306Aが押下された場合、図20に示すように、会計Aのレシートには、釣銭403円の全額が印字され、会計Bのレシートには、釣銭0円が印字される。一方、釣銭選択画面206で会計Bボタン306Bが押下された場合、図21に示すように、会計Aのレシートには、釣銭0円が印字され、会計Bのレシートには、釣銭403円の全額が印字される。
【0067】
なお、図13で示す精算方法選択画面203において、クレジットカードボタン304が押下された場合(S113/Yes)、図7及び図8に示すフローチャートに従ってクレジットカードによる精算が行われる。
【0068】
具体的には、図13で示す精算方法選択画面203において、クレジットカードボタン304が押下された場合(S113/Yes)、図22に示すカード投入画面209が操作表示装置30に表示される(S141)。カード投入画面209には、会計Aの合計金額と、会計Bの合計金額と、会計A及び会計Bの総合計金額と、支払方法(例えば、1回払いなど)とが表示される。
【0069】
精算処理システム1は、カード投入画面209を表示してクレジットカードの投入を待ち(S141)、クレジットカードが投入された場合(S142/Yes)、投入されたクレジットカードのカード情報をカードリーダ50にて読み込む(S143)。
【0070】
その後、精算処理システム1は、図23に示す暗証番号入力画面210を操作表示装置30に表示させる(S144)。顧客によってキー操作装置60にクレジットカードの暗証番号が入力された場合(S145/Yes)、精算処理システム1は、クレジットカード会社のホストコンピュータに会計Aの決済が可能か否かを照会する(S146)。会計Aの決済が可能である場合(S147/Yes)、精算処理システム1は、続いて、クレジットカード会社のホストコンピュータに会計Bの決済が可能か否かを照会する(S148)。なお、会計Aの決済が不可である場合(S147/No)、又は会計Bの決済が不可である場合(S149/No)、精算処理システム1は、精算不可を顧客に通知して精算取引を終了する。
【0071】
会計Bの決済が可能である場合(S149/Yes)、精算処理システム1は、図24に示す精算内容確認画面211を操作表示装置30に表示させる(S151)。精算内容確認画面211には、会計Aの合計金額と、会計Bの合計金額と、会計A及び会計Bの総合計金額と、支払方法(例えば、1回払いなど)と、確認ボタン311とが表示される。顧客によって精算内容が確認された後、精算内容確認画面211の確認ボタン311が押下される(S152/Yes)。
【0072】
確認ボタン311が押下された(S152/Yes)場合、精算処理システム1は、レシートプリンタ70に会計Aのレシートを発行させる(S153)と共に、図25に示す会計Aのレシート発行画面212Aを操作表示装置30に表示させる(S154)。顧客によって会計Aのレシートの受け取りが完了した場合(S155/Yes)、精算処理システム1は、レシートプリンタ70に会計Bのレシートを発行させる(S156)と共に、図26に示す会計Bのレシート発行画面212Bを操作表示装置30に表示させる(S157)。顧客によって会計Bのレシートの受け取りが完了した場合(S158/Yes)、精算処理システム1は、精算取引を終了する。
【0073】
クレジットカードによる精算が行われた場合、図27に示すように、会計Aのレシートには、支払金額として2889円が印字され、会計Bのレシートには、支払金額として708円が印字される。
【0074】
以上の第1の動作例によれば、本実施形態に係る精算処理システム1は、1度に精算される複数の会計に複数の商品を分けて登録し、複数の会計の各々で釣銭の金額を制御してレシートに印字することができる。また、本実施形態に係る精算処理システム1は、現金で精算を行う場合、複数の会計に分けて登録された複数の商品の精算を1回のタイミングで投入された現金にてまとめて行うことが可能である。
【0075】
(2.2.第2の動作例)
さらに、図28図32を参照して、本実施形態に係る精算処理システム1の第2の動作例について説明する。図28は、本実施形態に係る精算処理システム1の第2の動作例の流れを示すフローチャート図である。図29図31は、第2の動作例の各々のタイミングにて操作表示装置30に表示される画像例を示す説明図である。図32は、第2の動作例にて顧客に発行される会計A及び会計Bのレシートの一例を示す説明図である。
【0076】
本実施形態に係る精算処理システム1の第2の動作例は、投入された現金を複数の会計に分配することで、釣銭を分割して会計ごとに出金する動作例である。
【0077】
なお、第2の動作例でも第1の動作例と同様に、顧客が金額768円の商品A、金額246円の商品B、金額1875円の商品C、金額132円の商品D、金額576円の商品Eをそれぞれ1点ずつ購入する場合を例示して説明を行う。なお、上記の5点の商品のうち、商品D及び商品Eは、顧客が他者から依頼されて購入した商品であり、商品A、商品B、及び商品Cとは別会計として精算するものとする。
【0078】
ステップS101の商品登録画面201の表示からステップS121の釣銭の有無確認までの動作の流れは、第1の動作例と第2の動作例とで実質的に同様であるため、ここでの説明は省略する。
【0079】
会計ごとの商品登録、現金投入、釣銭の有無の確認の後、釣銭がある場合(S121/Yes)、図29に示す釣銭選択画面221が操作表示装置30に表示される(S222)。釣銭選択画面221には、会計A及び会計Bで釣銭をどのように分割するのかを顧客に選択させる自動分割ボタン321及び指定分割ボタン322が表示される。
【0080】
自動分割ボタン321が押下された場合、預り金額4000円が所定の単位金額(図29では、千円単位)の整数倍に分割され、会計A及び会計Bに分配される。したがって、会計Aでは、会計Aの合計金額2889円以上、かつ所定の単位金額(図29では、千円単位)の整数倍である3000円が預り金額となる。会計Bでは、会計Bの合計金額708円以上、かつ所定の単位金額(図29では、千円単位)の整数倍である1000円が預り金額となる。これにより、会計Aでは、釣銭として111円が支払われ、会計Bでは、釣銭として292円が支払われることになる。なお、預り金額の分割単位である所定の単位金額は、千円の他に、一万円、百円、又は十円などでもよい。また、所定の単位金額は、会計A若しくは会計Bの合計金額、又は預り金額に基づいて自動的に変更されてもよい。
【0081】
一方、会計A及び会計Bに分配される預り金の金額が顧客によって操作表示装置30又はキー操作装置60から入力欄323A及び323Bに入力された後、指定分割ボタン322が押下された場合、預り金額4000円は、顧客が入力欄323A及び323Bに入力した金額に分割され、会計A及び会計Bに分配される。例えば、図29に示す釣銭選択画面221の会計Aでは、顧客が入力欄323Aに入力した3089円が預り金額となり、会計Bでは、顧客が入力欄323Bに入力した911円が預り金額となっている。これにより、会計Aでは、釣銭として200円が支払われ、会計Bでは、釣銭として203円が支払われることになる。なお、入力欄323A及び323Bは、顧客によって一方が入力されることで、他方が預り金額の全額からの差額として自動的に入力されるようになっていてもよい。
【0082】
自動分割ボタン321又は指定分割ボタン322が押下された場合(S223/Yes)、精算処理システム1は、自動釣銭機20に会計Aの釣銭を出金させる(S224)と共に、レシートプリンタ70に会計Aのレシートを発行させる(S225)。さらに、精算処理システム1は、図30に示す会計Aの釣銭出金及びレシート発行画面222を操作表示装置30に表示させる(S226)。図30に示す釣銭出金及びレシート発行画面222では、図29に示す釣銭選択画面221で自動分割ボタン321が押下された場合の会計Aの合計金額、預り金額、及び釣銭額が表示される。
【0083】
顧客による会計Aの釣銭及びレシートの受け取りが完了した場合(S227/Yes)、精算処理システム1は、自動釣銭機20に会計Bの釣銭を出金させる(S228)と共に、レシートプリンタ70に会計Bのレシートを発行させる(S229)。さらに、精算処理システム1は、図31に示す会計Bの釣銭出金及びレシート発行画面222を操作表示装置30に表示させる(S230)。図31に示す釣銭出金及びレシート発行画面223では、図29に示す釣銭選択画面221で自動分割ボタン321が押下された場合の会計Bの合計金額、預り金額、及び釣銭額が表示される。顧客によって会計Bのレシートの受け取りが完了した場合(S231/Yes)、精算処理システム1は、精算取引を終了する。
【0084】
第2の動作例によれば、顧客に対して発行される会計A及び会計Bのレシートには、釣銭選択画面221にて顧客が選択したように分配された会計ごとの預り金額と、会計ごとの釣銭の金額とが印字される。
【0085】
例えば、図29に示す釣銭選択画面221で自動分割ボタン321が押下された場合、図32に示すように、会計Aのレシートには、合計金額2889円、預り金額3000円、及び釣銭額111円が印字される。また、会計Bのレシートには、合計金額708円、預り金額1000円、及び釣銭額292円が印字される。
【0086】
以上の第2の動作例によれば、本実施形態に係る精算処理システム1は、複数の商品を分けて登録し、1度に精算される複数の会計において、会計ごとに釣銭を分割して出金することが可能である。
【0087】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0088】
例えば、上記実施形態では、複数の商品を2つの会計に分けて登録する例を示したが、本発明はかかる例に限定されない。複数の商品は、3つ以上の会計に分けて登録されてもよい。複数の商品が分けて登録される会計の数は、例えば、顧客によって選択されてもよい。このような場合であっても、本実施形態に係る精算処理システム1は、会計ごとに発行されるレシートの各々に印字される釣銭の金額をそれぞれ制御することが可能である。
【符号の説明】
【0089】
1 精算処理システム
10 制御端末
20 自動釣銭機
21 紙幣釣銭機
22 硬貨釣銭機
30 操作表示装置
40 バーコードリーダ
50 カードリーダ
60 キー操作装置
70 レシートプリンタ
100 制御部
101 商品登録部
102 釣銭算出部
103 レシート内容制御部
110 記憶部
120 入出力部
130 通信部
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