(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022175808
(43)【公開日】2022-11-25
(54)【発明の名称】継手付パイプの製造方法
(51)【国際特許分類】
F16L 13/14 20060101AFI20221117BHJP
F16L 19/04 20060101ALI20221117BHJP
B21D 39/04 20060101ALI20221117BHJP
【FI】
F16L13/14
F16L19/04
B21D39/04 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021082510
(22)【出願日】2021-05-14
(71)【出願人】
【識別番号】000233619
【氏名又は名称】株式会社ニチリン
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】桝野 哲朗
【テーマコード(参考)】
3H013
3H014
【Fターム(参考)】
3H013FA05
3H014EA02
(57)【要約】
【課題】従来よりも工程数を少なく、且つ、継手の筒状部の外径を従来よりも小さくすることができる継手付パイプの製造方法を提供すること。
【解決手段】継手(2)の筒状部(6)の内部に形成されたシール面(11)に、パイプ(3)の端部に形成されたフレア部(13)の前面を当てた状態で、フレア部(13)の後面にカラー部材(4)の端面を押し付けながら、カラー部材(4)が挿入されている部分の筒状部(6)を、筒状部(6)の径方向外方から加締める。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パイプと継手とを接続してなる継手付パイプの製造方法であって、
前記パイプのパイプ本体部よりも外径が大きいフレア部を、前記パイプの端部に形成するフレア部形成工程と、
前記パイプ本体部に外挿される筒状のカラー部材を製作するカラー製作工程と、
前記フレア部が形成された側の前記パイプの端部、および前記カラー部材を、前記継手の筒状部に挿入するパイプ・カラー挿入工程と、
前記筒状部の内部に形成されたシール面に前記フレア部の前面を当てた状態で、前記フレア部の後面に前記カラー部材の端面を押し付けながら、前記カラー部材が挿入されている部分の前記筒状部を、前記筒状部の径方向外方から加締める加締め工程と、
を備える、
継手付パイプの製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の継手付パイプの製造方法において、
前記パイプ・カラー挿入工程において、前記パイプ本体部に前記カラー部材を外挿した後、前記フレア部が形成された側の前記パイプの端部、および前記カラー部材を、前記継手の筒状部に挿入する、
継手付パイプの製造方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の継手付パイプの製造方法において、
前記パイプ・カラー挿入工程の前に行うカラー加工工程であって、前記カラー部材の前記端面を前記フレア部の前記後面に沿う形状に加工するカラー加工工程をさらに備える、
継手付パイプの製造方法。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の継手付パイプの製造方法において、
前記カラー製作工程において、前記継手の筒状部から前記カラー部材の一部が突出する長さに前記カラー部材を製作する、
継手付パイプの製造方法。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載の継手付パイプの製造方法において、
前記カラー部材が金属製カラーである、
継手付パイプの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パイプと継手とを接続してなる継手付パイプの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
パイプと継手とを接続するための次のような方法が、特許文献1に記載されている。パイプを継手の筒状部に挿入する。パイプのパイプ本体部と継手の筒状部との間に治具を挿入する。この治具を用いて筒状部の内壁の一部を塑性変形させ、パイプのフレア部を筒状部の内面に固定する。その後、治具を抜き、筒状部とパイプ本体部との間に弾性部材(例えば、ゴムチューブ)を配置する。弾性部材を配置した状態で、筒状部を径方向外方から加締める。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の方法は、治具を用いて筒状部の内壁の一部を塑性変形させるという工程があるため、工程数が多い。また、治具を用いて筒状部の内壁の一部を塑性変形させるには、治具を挿入する側とは反対側から筒状部を強固に受ける必要がある。そのため、治具からの力を受けるための肩部を筒状部の外部に設けることとなり、筒状部の外径が、その分大きくなってしまう。
【0005】
本発明の目的は、従来よりも工程数を少なく、且つ、継手の筒状部の外径を従来よりも小さくすることができる継手付パイプの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願で開示する継手付パイプの製造方法は、パイプと継手とを接続してなる継手付パイプの製造方法であって、前記パイプのパイプ本体部よりも外径が大きいフレア部を、前記パイプの端部に形成するフレア部形成工程と、前記パイプ本体部に外挿される筒状のカラー部材を製作するカラー製作工程と、前記フレア部が形成された側の前記パイプの端部、および前記カラー部材を、前記継手の筒状部に挿入するパイプ・カラー挿入工程と、前記筒状部の内部に形成されたシール面に前記フレア部の前面を当てた状態で、前記フレア部の後面に前記カラー部材の端面を押し付けながら、前記カラー部材が挿入されている部分の前記筒状部を、前記筒状部の径方向外方から加締める加締め工程と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
上記製造方法によれば、従来よりも工程数を少なく、且つ、継手の筒状部の外径を従来よりも小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態の継手付パイプの側面図である。
【
図3】パイプのパイプ本体部に筒状のカラー部材を外挿する工程を説明するための断面図である。
【
図4】パイプの端部およびカラー部材を継手の筒状部に挿入する工程を説明するための断面図である。
【
図5】パイプの端部およびカラー部材が継手の筒状部に挿入された状態を示す断面図である。
【
図6】第2実施形態の継手付パイプの断面図である。
【
図7】第2実施形態の継手付パイプについての
図5に相当する図である。
【
図8】実際に製造した
図1、2に示す構造の継手付パイプの断面を示す写真である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明を実施するための形態について、図面を参照しつつ説明する。以下の説明では、パイプ3と接続する継手2として、アイジョイント(めがね金具)と呼ばれる継手を用いた場合の実施形態を示している。なお、本発明の継手付パイプの製造方法は、アイジョイントと呼ばれる継手に限定されることはなく、様々な継手に適用することができるものである。
【0010】
図1、2に示すように、継手付パイプ1は、継手2と、パイプ3と、筒状のカラー部材4とを備えている。なお、継手付パイプ1は、油圧配管などに用いられる。
【0011】
継手2は、環状の継手本体部5と、継手本体部5の側面から突出する筒状部6(ソケット部)とを有する。継手本体部5の孔5aにはボルトなどが挿通される。継手本体部5の周壁には、孔5aよりも小径の孔5bが形成される。孔5aと孔5bとは直交し、且つ、連通している。
【0012】
筒状部6は、継手本体部5側の第1筒状部7と、継手本体部5側とは反対側の第2筒状部8とを有する。第1筒状部7には、その軸方向に延びる孔9が形成される。孔9と継手本体部5の孔5bとは一体成形される。孔9および孔5bは連続する孔であり、流体の流路となる孔である。
【0013】
第2筒状部8には、その軸方向に延びる孔10が形成される。孔10はパイプ3の受け口となる孔であり、パイプ3およびカラー部材4が挿入される孔である。孔10は孔9よりも径が大きい。孔10の中心と孔9の中心とは同じであり、孔10と孔9とは同じ軸方向に延びる。孔10にパイプ3が挿入されると、孔9とパイプ3とは連通する。なお、
図1、2に示す孔10は加締め後の孔であり、加締め前の孔10は
図4、5に示されている。加締め前の孔10の径は、カラー部材4の外径と同程度の径とされる。
【0014】
図4、5などに示すように、孔10と孔9との境界部分(段差部分)に、第1筒状部7側へ窪む環状の凹部が形成される。この凹部の孔中心側の面が、パイプ3のフレア部13が当接するシール面11である。シール面11は、第1筒状部7側から第2筒状部8側へ向かって先細りとされた、すなわち、パイプ3が挿入される側に向かって先細りとされたテーパ形状の環状面とされる。
【0015】
パイプ3は、筒状のパイプ本体部12と、フレア部13とを有する。フレア部13は、パイプ3の端部に形成される。フレア部13の外径は、パイプ本体部12の外径よりも大きい。フレア部13は、先広がりの環形状とされる。フレア部13の外径は、カラー部材4の外径と同程度の外径とされる。
【0016】
カラー部材4は、例えば、
図3に示すように、その軸方向の先端にテーパ面4aを有する。テーパ面4aは、先広がりの環状傾斜面とされる。テーパ面4aは、パイプ3のフレア部13の後面に沿う形状である。フレア部13の後面は、パイプ3の軸方向において、フレア部13のパイプ本体部12側の面である。なお、フレア部13の前面は、パイプ3の軸方向において、上記後面の反対側の面である。
【0017】
例えば、
図5に示すように、カラー部材4は、継手2の筒状部6からカラー部材4の一部が突出する長さに製作される。パイプ本体部12の外径と同程度の内径のカラー部材4が用いられる。
【0018】
本実施形態において、カラー部材4は、金属製のカラー部材、すなわち金属製カラーとされている。カラー部材4の材料は、例えば、鉄(金属材料)である。なお、カラー部材4の材料は、鉄に限られることはなく、ステンレス、真鍮、銅などの鉄以外の金属材料であってもよい。継手2およびパイプ3の材料も、例えば、鉄(金属材料)である。継手2およびパイプ3の材料も、鉄に限られることはなく、ステンレス、真鍮、銅などの鉄以外の金属材料であってもよい。また、カラー部材4、継手2、およびパイプ3は、鍍金されてもよいし、樹脂コーティングされてもよい。
【0019】
なお、カラー部材4は、ゴムまたは樹脂のような金属以外の材料からなるものであってもよい。
【0020】
継手付パイプ1の製造方法について説明する。
【0021】
パイプ3の端部にフレア部13を形成(フレア部形成工程)して、
図3に断面図を示すようなパイプ3を準備する。また、継手2の筒状部6から一部が突出する長さとなるように金属製の筒状部材(不図示)を切断して、筒状のカラー部材4を準備する(カラー製作工程)。このとき、カラー部材4の軸方向の端面をテーパ加工して、パイプ3のフレア部13の後面に沿う形状、本実施形態では、先広がりのテーパ面4aに、カラー部材4の軸方向の端面を加工する(カラー加工工程)。なお、カラー部材4の上記端面加工(テーパ加工)の実施は必須でない。
【0022】
次に、
図3に示すように、パイプ3のパイプ本体部12に、フレア部13が形成されていない側からカラー部材4を外挿する。カラー部材4は、そのテーパ面4a側からパイプ本体部12に外挿される。その後、
図4に示すように、フレア部13が形成された側のパイプ3の端部、およびパイプ本体部12に外挿されたカラー部材4を、別途製作して準備した継手2の第2筒状部8に挿入する(パイプ・カラー挿入工程)。
【0023】
上記パイプ・カラー挿入工程を実施すると、継手2、パイプ3、およびカラー部材4の3つの部材は、
図5に示す状態となる。継手2の筒状部6の内部に形成されたシール面11にパイプ3のフレア部13の前面が当接し、フレア部13の後面にカラー部材4のテーパ面4aが当接する状態となる。
【0024】
なお、パイプ3のパイプ本体部12にカラー部材4が外挿された状態、すなわち、パイプ3の端部にカラー部材4がセットされた状態で、パイプ3の端部およびカラー部材4を、継手2の第2筒状部8に挿入する必要は必ずしもない。継手2の第2筒状部8にパイプ3の端部を単独で挿入した後、パイプ本体部12にカラー部材4を外挿するとともに、第2筒状部8にカラー部材4を挿入してもよい。
【0025】
次に、継手2の筒状部6の内部に形成されたシール面11にパイプ3のフレア部13の前面を当てた状態で、フレア部13の後面にカラー部材4のテーパ面4aを押し付けながら、カラー部材4が挿入されている部分である継手2の第2筒状部8を、筒状部6の径方向外方から加締める(加締め工程)。
図2に矢印で、第2筒状部8の加締め方向を示している。加締めは、加締め部を八方から加締める八方加締め、六方から加締める六方加締めなどが用いられる。なお、八方加締め、六方加締めに限定されることはなく、筒状部6の径方向外方のうちの複数方向から第2筒状部8を加締めればよい。
【0026】
フレア部13の後面にカラー部材4のテーパ面4aを押し付ける方法は、例えば、次のような方法である。パイプ本体部12にコイルスプリング(不図示)を外挿し、このコイルスプリングでカラー部材4を、第2筒状部8内へ軸方向に押すようにする。または、エアシリンダーなどを用いてカラー部材4を、第2筒状部8内へ軸方向に押すようにする。カラー部材4を第2筒状部8内へ軸方向に押す力は大きな力ではない(大きな力は必要でない)。そのため、カラー部材4を第2筒状部8内へ軸方向に押す力は、継手本体部5を何らかの治具に当てて支えることで受けられる。
【0027】
カラー部材4が挿入されている部分である継手2の第2筒状部8を、筒状部6の径方向外方から加締めると、カラー部材4は、第2筒状部8およびパイプ本体部12とともに、その径方向内方へ一部が少し窪む(塑性変形する)。また、カラー部材4は、その軸方向へ少し伸びる(塑性変形する)。カラー部材4は、第2筒状部8とパイプ本体部12とで挟まれた状態であるので、軸方向へ伸びやすい。
【0028】
カラー部材4において、軸方向に伸びる塑性変形が生じると、カラー部材4の端面(本実施形態ではテーパ面4a)が、パイプ3のフレア部13の後面を強く押す。これにより、フレア部13の前面が、筒状部6の内部に形成されたシール面11に強く押し付けられた状態となり、継手2とパイプ3とのシール性が確保される。また、径方向外方からの加締めにより、フレア部13の後方側に位置する第2筒状部8の一部が径方向内方へ少し窪み、且つ、パイプ本体部12の外周面にカラー部材4が押し付けられるとともに、カラー部材4の外周面に第2筒状部8が押し付けられた状態となる。これにより、フレア部13の前面が、シール面11に強く押し付けられた状態が維持され、よほどの大きな引張力が作用しない限り、パイプ3が継手2から抜けることはない。
図8は、実際に製造した
図1、2に示す構造の継手付パイプ1の写真である。製造した継手付パイプ1を軸方向で半分に切断して撮影した。
図8からわかるように、パイプ3のフレア部13の前面は、継手2内部のシール面11に確実に押し付けられており、且つ、その状態が維持されている。
【0029】
(効果)
なお、パイプ3のフレア部13の後面にカラー部材4の端面を特に押し付けることなく、カラー部材4が挿入されている部分である継手2の第2筒状部8を、筒状部6の径方向外方から加締めても、カラー部材4を、その軸方向に伸ばす(塑性変形させる)ことは可能である。しかしながら、この場合、第2筒状部8から抜ける方向へカラー部材4が動いてしまったりする。そのため、フレア部13の前面がシール面11に強く押し付けられた状態とはなりにくく、継手2とパイプ3との間のシール性確保は難しい。
【0030】
これに対して、上記の製造方法では、パイプ3のフレア部13の後面にカラー部材4の端面(本実施形態ではテーパ面4a)を押し付けながら、カラー部材4が挿入されている部分である継手2の第2筒状部8を、筒状部6の径方向外方から加締めている。加締めは、わずかな時間でなされるものであり、第2筒状部8の外周面に作用する力は衝撃力のようなものである。そのため、フレア部13の後面にカラー部材4の端面を押し付けながら、第2筒状部8を径方向外方から加締めることで、第2筒状部8から抜ける方向へカラー部材4が動くことを防止でき、フレア部13の前面がシール面11に強く押し付けられた状態とすることができる。
【0031】
また、上記の製造方法では、特許文献1(特開2020-204391号公報)でのような治具を用いて、筒状部6の内壁の一部を塑性変形させるという工程はない。そのため、筒状部6から治具を抜き取るという工程もない。よって、上記の製造方法によると、従来よりも工程数を少なくすることができる。また、特許文献1でのように、治具からの力を受けるための肩部を筒状部6に設ける必要がないので、筒状部6の外径を、その分小さくすることができる。
【0032】
また、上記の製造方法では、パイプ・カラー挿入工程において、パイプ本体部12にカラー部材4を外挿した後、フレア部13が形成された側のパイプ3の端部、およびカラー部材4を、継手2の第2筒状部8(筒状部6)に挿入する。これによると、継手2の第2筒状部8(筒状部6)にパイプ3の端部を単独で挿入した後、第2筒状部8(筒状部6)にカラー部材4を挿入する場合よりも、筒状部6へのパイプ3およびカラー部材4の挿入が容易となる。
【0033】
また、カラー部材4の端面をフレア部13の後面に沿う形状(本実施形態ではテーパ面4a)に加工しておくことで、カラー部材4の端面とフレア部13の後面との接触面積を大きくすることができ、加締めによるシール面11へのフレア部13の押し付けがより確実なものとなる。また、カラー部材4の端部とフレア部13とが一体化したようになる。
【0034】
また、継手2の筒状部6からカラー部材4の一部が突出する長さにカラー部材4を製作することで、加締め工程を実施するときに、フレア部13の後面にカラー部材4の端面を押し付けし易くなる。
【0035】
また、本実施形態では、カラー部材4として金属製カラーを用いている。この構成によると、ゴムまたは樹脂からなるカラー部材4を用いた場合に比べて、フレア部13の前面をシール面11に、より強く押し付けることができる。
【0036】
図6は、第2実施形態の継手付パイプ201の断面図である。
図7は、継手付パイプ201の加締め工程前の状態を示す断面図である。第2実施形態の継手付パイプ201に関し、第1実施形態の継手付パイプ1を構成する部材、各部と同様の部材、各部については、第1実施形態の継手付パイプ1を構成する部材、各部と同じ参照符号を付している。
【0037】
第1実施形態の継手付パイプ1と、第2実施形態の継手付パイプ201との違いは、パイプ3のフレア部まわりの構造である。
【0038】
第2実施形態の継手付パイプ201を構成するパイプ3のフレア部14の外径は、パイプ本体部12の外径よりも大きい。フレア部14は、先細りの環形状とされている。フレア部14の外径は、カラー部材4の外径と同程度の外径とされる。
【0039】
筒状部6内の孔10と孔9との境界部分(段差部分)に形成されるシール面15は、フレア部14の前面の形状に合わせて、第1筒状部7側から第2筒状部8側へ向かって先広がりとされた、すなわち、パイプ3が挿入される側に向かって先広がりとされたテーパ形状の環状面とされる。このシール面15に、パイプ3のフレア部14が当接する。
【0040】
パイプ3のフレア部14の後面に当接するカラー部材4の端面4bは、パイプ3のフレア部14の後面に沿う形状となるように、その内角部が全周にわたってR面取り加工されている。なお、第1実施形態の場合と同じく、カラー部材4の端面加工の実施は必須でない。第2実施形態でいうと、上記R面取り加工は必須でない。
【0041】
第2実施形態の継手付パイプ201の製造方法は、第1実施形態の継手付パイプ1の製造方法と同様であるので、その説明を省略することとする。
【0042】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、上記実施形態の要素を適宜組み合わせたり、上記実施形態に種々の変更を加えたりすることが可能である。
【0043】
例えば、上記実施形態は、次のように変更可能である。
【0044】
カラー部材4は、継手2の筒状部6からカラー部材4の一部が突出する長さに形成されなくてもよい。すなわち、カラー部材4は、筒状部6に挿入されたときに筒状部6の端面と、そのカラー端面とが面一になる長さに形成されてもよいし、筒状部6(第2筒状部8)内に全てが入り込む長さに形成されてもよい。
【符号の説明】
【0045】
1、201:継手付パイプ
2:継手
3:パイプ
4:カラー部材
4a:テーパ面(端面)
4b:端面
6:筒状部
11、15:シール面
12:パイプ本体部
13、14:フレア部