(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022175811
(43)【公開日】2022-11-25
(54)【発明の名称】パウチ容器ホルダー
(51)【国際特許分類】
B65D 83/00 20060101AFI20221117BHJP
B65D 77/06 20060101ALI20221117BHJP
【FI】
B65D83/00 K
B65D77/06 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021082515
(22)【出願日】2021-05-14
(71)【出願人】
【識別番号】521209959
【氏名又は名称】株式会社カミヤ
(74)【代理人】
【識別番号】100092901
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 祐司
(74)【代理人】
【識別番号】100188260
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 愼二
(72)【発明者】
【氏名】神谷 章平
【テーマコード(参考)】
3E014
3E067
【Fターム(参考)】
3E014PA01
3E014PB03
3E014PC07
3E014PD12
3E014PF05
3E014PF10
3E067AA03
3E067AB81
3E067AC01
3E067BA05C
3E067BA12B
3E067BB01B
3E067BB14B
3E067BB14C
3E067BC06C
3E067CA11
3E067EA22
3E067EB34
3E067EC05
3E067EE59
3E067FA04
3E067FC01
3E067GD10
(57)【要約】
【課題】 本発明は、シャンプーなどの詰め替え用商品に利用されるパウチ容器をそのままシャンプー容器として使用するためのパウチ容器ホルダーにおける改良技術に関する。
【解決手段】 手動ポンプ手段40はパウチ容器の内部から液体を吸い上げるためのポンプ部42と該ポンプ部42によって吸い上げられる液体の流路として機能するパイプ部44を有し、該パイプ部44はパウチ容器ホルダー10が載置される載置面に対して略垂直方向にパウチ容器から挿入される。
保持手段20は、パウチ容器における側面の一部が接触する第1保持部26aと該第1保持部26aよりも載置面方向に位置して該パウチ容器における底面の一部が接触する第2保持部28aを有し、当該パウチ容器ホルダー10の使用状態においてパウチ容器は、該パウチ容器の底面が載置面に対して角度を有して保持されることを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に液体が収容されたパウチ容器を保持するための保持手段と、該保持手段によって保持された前記パウチ容器の液体注出口に挿入されて前記液体を外部へ吐出するための手動ポンプ手段と、を備えたパウチ容器ホルダーであって、
前記手動ポンプ手段は前記パウチ容器の内部から前記液体を吸い上げるためのポンプ部と該ポンプ部によって吸い上げられる前記液体の流路として機能するパイプ部を有し、該パイプ部は当該パウチ容器ホルダーが載置される載置面に対して略垂直方向に前記液体注出口から挿入され、
前記保持手段は、前記パウチ容器における側面の一部が接触する第1保持部と該第1保持部よりも前記載置面の方向に位置して該パウチ容器における底面の一部が接触する第2保持部を有し、
当該パウチ容器ホルダーの使用状態において前記パウチ容器は、該パウチ容器の底面が前記載置面に対して角度を有して保持されることを特徴とするパウチ容器ホルダー。
【請求項2】
請求項1に記載のパウチ容器ホルダーであって、
前記保持手段は略直方体形状の箱体であり、
前記第1保持部は前記箱体の第1側面に開口穴として設けられた第1開口穴であり、且つ、前記第2保持部は前記第1側面に対向する第2側面に開口穴として設けられた第2開口穴であることを特徴とするパウチ容器ホルダー。
【請求項3】
請求項2に記載のパウチ容器ホルダーであって、
前記箱体の内部には、少なくとも前記第2開口穴よりも前記載置面の方向に前記パウチ容器を補助的に保持する補助保持板が設けられ、該補助保持板は前記載置面に対して略平行方向に設けられるとともに前記載置面との間に空間を有し、
前記補助保持板は、当該パウチ容器ホルダーの使用状態において前記パウチ容器の略下端領域が挿入される開口穴として設けられた第3開口穴を有することを特徴とするパウチ容器ホルダー。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のパウチ容器ホルダーであって、
前記パイプ部は、前記パウチ容器が当該パウチ容器ホルダーに保持された状態において該パウチ容器への挿入方向の端部が該パウチ容器内部の最下端に位置することを特徴とするパウチ容器ホルダー。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のパウチ容器ホルダーであって、
当該パウチ容器ホルダーの使用状態において前記パウチ容器の底面と前記載置面との角度は30度~60度であることを特徴とするパウチ容器ホルダー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はパウチ容器を保持するためのパウチ容器ホルダー、特にシャンプーなどの詰め替え用商品に利用されるパウチ容器をそのままシャンプー容器等として使用するためのパウチ容器ホルダーにおける改良技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来からシャンプーや液体せっけんなどは、その詰め替え用商品の容器としてパウチ容器が利用されている。例えばプラスチック容器に収容されたシャンプーを使い切ってしまった際には、このパウチ容器から当該プラスチック容器へシャンプーを移し替えることで元のプラスチック容器を再利用することができる。
【0003】
一方で、近年では経済性向上を重視する傾向に加えて、実際の詰め替え作業には手間がかかってしまう場合も多い。また、この詰め替え作業を行ったとしてもパウチ容器内部のシャンプーを全て元のプラスチック容器に詰め替えることは極めて困難である(実際には少量のシャンプーがパウチ容器内部に残ってしまうため)。
【0004】
そこで昨今では上記のような詰め替え作業を行わずに、すなわち、パウチ容器をシャンプー容器としてそのまま利用するためのパウチ容器ホルダーが普及しつつある。詰め替え用のパウチ容器をシャンプー容器としてそのまま利用できれば詰め替え作業の手間が省けるとともに経済性向上の効果も期待できる。
【0005】
例えば特許文献1には、外周につば部が形成された円筒状の注ぎ口を上部に有する略封筒状をした軟質な流動物容器の前記つば部を、底板部からほぼ垂直に立上った垂直片の上端に略コ字形になった吊支腕を横向きに取り付けてなる吊下スタンドの前記吊支腕に挟み込むことで、詰め替え用袋などから直接内容物を適量ずつ取り出し可能で、且つ、コスト的にも無駄がない流動物ディスペンサーに関する技術が開示されている。
【0006】
また特許文献2には、パウチ容器の脱落が生じにくく、意匠性を高めやすいパウチホルダーに関する技術が開示されている。このパウチホルダーは、筒状の本体と、本体に装着される被覆部材とを備える。本体は、前側面と、前側面に連なる左側面および右側面とを有する。被覆部材は、前側面を覆う前面と、左側面を覆う左面と、右側面を覆う右面とを有する。左面および右面は、前面と接続された側と反対側の後側に折り返し面を有する。
【0007】
さらに、前側面、左側面、右側面のうち二つが係合部を有し、被覆部材は、前面、左面、右面のうち、係合部が設けられた面と対応する面に被係合部を有して構成されている。そして当該パウチホルダーは被覆部材が本体に装着された状態において、係合部と被係合部とが係合し、左側面の後部が、左面と、左面と連なる折り返し面との間に進入し、右側面の後部が、右面と、右面と連なる折り返し面との間に進入している。
【0008】
特許文献2によればパウチホルダーをこのような構成にすることで、組み立てが簡単であるとともに組み立て後は本体と被覆部材とが外れることなく、且つ、パウチ容器の脱落が生じにくく(容器全体でパウチ容器が覆われている構造)意匠性を高める効果が期待できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】実用新案登録第3066831号公報
【特許文献2】特開2020-169051号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、シャンプーなどの詰め替え用商品に利用されるパウチ容器は、その液体注出口が該パウチ容器上方における右端あるいは左端に位置していることが多い。これは詰め替え作業を行う際、液体注出口が上方中央に位置している一般的な容器よりも右端あるいは左端に位置しているほうが使用しやすいからである。
【0011】
しかしながら、上記特許文献1に開示された流動物ディスペンサーは、上方中央位置に液体注出口を有するパウチ容器に適用できるものである。同様に、特許文献2に開示されたパウチホルダーも上方中央位置に液体注出口を有するパウチ容器に適した構造となっている。
【0012】
すなわち、特許文献1および特許文献2に開示された技術では、液体注出口が右端あるいは左端に位置している一般的な詰め替え用パウチ容器に利用することが困難である。特に特許文献2ではパウチ容器の脱落が生じにくく、且つ、意匠性を高めやすいという利点を有しているものの、当該パウチホルダー専用のパウチ容器にのみ利用できるものであり(パウチ容器が筒状の本体に覆われる構造であるため)、パウチ容器ホルダーを汎用的に利用するためにはまだまだ改良の余地がある。
【0013】
本発明は上記従来技術の課題に鑑みて行われたものであって、その目的は簡単な構成で一般的な詰め替え用パウチ容器(上方右端または左端に液体注出口があるパウチ容器)にも利用することができ、且つ、パウチ容器内部の液体を最後まで使い切ることができるパウチ容器ホルダーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するために、本発明に係るパウチ容器ホルダーは、
内部に液体が収容されたパウチ容器を保持するための保持手段と、該保持手段によって保持された前記パウチ容器の液体注出口に挿入されて前記液体を外部へ吐出するための手動ポンプ手段と、を備えたパウチ容器ホルダーであって、
前記手動ポンプ手段は前記パウチ容器の内部から前記液体を吸い上げるためのポンプ部と該ポンプ部によって吸い上げられる前記液体の流路として機能するパイプ部を有し、該パイプ部は当該パウチ容器ホルダーが載置される載置面に対して略垂直方向に前記液体注出口から挿入され、
前記保持手段は、前記パウチ容器における側面の一部が接触する第1保持部と該第1保持部よりも前記載置面の方向に位置して該パウチ容器における底面の一部が接触する第2保持部を有し、
当該パウチ容器ホルダーの使用状態において前記パウチ容器は、該パウチ容器の底面が前記載置面に対して角度を有して保持されることを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係るパウチ容器ホルダーにおいて、
前記保持手段は略直方体形状の箱体であり、
前記第1保持部は前記箱体の第1側面に開口穴として設けられた第1開口穴であり、且つ、前記第2保持部は前記第1側面に対向する第2側面に開口穴として設けられた第2開口穴であることを特徴とする。
【0016】
また、本発明に係るパウチホルダーにおいて、
前記箱体の内部には、少なくとも前記第2開口穴よりも前記載置面の方向に前記パウチ容器を補助的に保持する補助保持板が設けられ、該補助保持板は前記載置面に対して略平行方向に設けられるとともに前記載置面との間に空間を有し、
前記補助保持板は、当該パウチ容器ホルダーの使用状態において前記パウチ容器の略下端領域が挿入される開口穴として設けられた第3開口穴を有することを特徴とする。
【0017】
また、本発明に係るパウチホルダーにおいて、
前記パイプ部は、前記パウチ容器が当該パウチ容器ホルダーに保持された状態において該パウチ容器への挿入方向の端部が該パウチ容器内部の最下端に位置することを特徴とする。
【0018】
また、本発明に係るパウチホルダーにおいて、
当該パウチ容器ホルダーの使用状態において前記パウチ容器の底面と前記載置面との角度は30度~60度であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、パウチ容器を保持するための保持手段が第1保持部(パウチ容器における側面が接触)と第2保持部(パウチ容器における底面が接触)を有し、当該パウチ容器ホルダーの使用状態において該パウチ容器の底面が載置面(当該パウチ容器ホルダーが載置される面)に対して角度を有して保持されることで、簡単な構成で汎用的なパウチ容器にも利用することができ、さらにパウチ容器内部の液体を最後まで使い切れるパウチ容器ホルダーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の実施形態に係るパウチ容器ホルダーの概略イメージ図を示す。
【
図2】本発明の実施形態に係る保持手段の概略イメージ図を示す。
【
図3】本発明の実施形態に係る手動ポンプ手段の概略イメージ図を示す。
【
図4】本実施形態に係る手動ポンプ手段およびパウチ容器の概略イメージ図を示す。
【
図5】本発明の実施形態に係るパウチ容器ホルダーの具体例を示す。
【
図6】本発明の実施形態に係るパウチ容器ホルダーの具体例を示す。
【
図7】本実施形態において補助保持凹部を有していない保持手段の概略イメージ図を示す。
【
図8】本実施形態に係る保持手段において蓋を外した状態の概略イメージ図を示す。
【
図9】本実施形態に係る手動ポンプ手段における特徴的な機能の概略説明図を示す。
【
図10】本実施形態に係るパウチ容器ホルダーの使用手順の概略説明図を示す。
【
図11】本実施形態においてパウチ容器を保持した状態のパウチ容器ホルダーの概略図を示す。
【
図12】パウチ容器に手動ポンプ手段を挿入する際に利用される挿入補助具の概略イメージ図を示す。
【
図13】パウチ容器ホルダーに保持された状態のパウチ容器と手動ポンプ手段との位置関係の概略説明図を示す。
【
図14】本実施形態に係るパウチ容器ホルダーにおける変形例の概略イメージ図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明のパウチ容器ホルダーについて図面を用いて説明するが、本発明の趣旨を超えない限り何ら以下の例に限定されるものではない。
【0022】
図1には本発明の実施形態に係るパウチ容器ホルダーの概略イメージ図を示す。本実施形態に係るパウチ容器ホルダー10は、例えばシャンプー、コンディショナー、液体せっけん等において詰め替え用商品の容器として利用されるパウチ容器を保持するために使用するものである。
【0023】
また、本明細書におけるパウチ容器とは、紙、プラスチックフィルム、アルミニウム、布などの柔軟性を有する材料を含んで構成された容器、およびこれと同等の容器(フレキシブルパッケージとも呼ぶ)のことを意味する。
【0024】
同図に示すようにパウチ容器ホルダー10は、パウチ容器を保持するための保持手段として機能する箱体20と、該箱体20によって保持されたパウチ容器に挿入されて該パウチ容器内部の液体を外部へ吐出するための手動ポンプ手段40と、から構成されている。なお、本明細書ではパウチ容器を一定の状態で支え続けること、およびこれと同等の作用について「保持」と表現している。
【0025】
本実施形態に係るパウチ容器ホルダー10は、箱体20と手動ポンプ手段40とが取り外せるように構成されている。具体的には
図2に示すように箱体20は略直方体形状を有し、その上部には円柱形状のポンプ連結部30aが設けられている。
【0026】
そして、
図3に示すように手動ポンプ手段40はポンプ部42とパイプ部44から構成されている。また、箱体20と手動ポンプ手段40とを固定する方法は特に限定されるものではないが、例えば箱体20の上部に位置するポンプ連結部30aに手動ポンプ手段40の一部を螺合して固定することができる。この手動ポンプ手段40は、
図4に示されるようなパウチ容器50の液体注出口52から挿入される。
【0027】
はじめに箱体20について説明する。ここでは、
図1および
図2を参照しながら説明する。箱体20は上述のとおりパウチ容器50を保持するための保持手段としての役割を果たす。本実施形態における箱体20は、例えば樹脂材料やアクリル材料などを含んで形成されている。なお、箱体20は例えば略楕円柱形状や略楕円錐形状等の他の形状でも構わない。具体的には
図5(斜視図、正面図、背面図)および
図6(右側面図、左側面図、平面図、背面図)に示すような形状を有するパウチ容器ホルダー(および保持手段としての箱体)とすることができる。
【0028】
また、本実施形態における箱体20は内部が視認できるように透明であるが、例えば箱体20を所定の色で着色することもできる。具体的には、箱体20の全部または一部を単色ないし複数色で着色したり、あるいは箱体20の全部または一部にデザインを施すことでパウチ容器ホルダー10における意匠性向上効果を得ることができる。
【0029】
箱体20は、
図1において正面側に位置する箱体正面22と、該箱体正面22と対抗するように設けられた箱体背面24と、箱体正面22および箱体背面24に直交して設けられた第1側面26(
図1では右側に位置する側面)と、該第1側面に対抗するように設けられた第2側面28(
図1では左側に位置する側面)と、
図1において上側に位置する箱体平面30と、
図1において下側に位置する箱体底面32と、から構成されている。なお、
図1では手動ポンプ手段40(ポンプ部42)が位置する方向を上側と表現している。
【0030】
さらに箱体20の内部には、当該パウチ容器ホルダー10が載置される載置面に対して略平行方向にパウチ容器50を補助的に保持するための補助保持板34が設けられている。そして、この補助保持板34は当該パウチ容器ホルダー10の内部において前記載置面との間に空間を有して設けられている。
【0031】
第1側面26は、開口穴として設けられた第1保持部26aを有している(第1開口穴とも呼ぶ)。また、第1開口穴26aよりも載置面方向(当該パウチ容器ホルダー10が載置される面の方向)には第1開口穴26aから連続して補助保持凹部26bが設けられている。この補助保持凹部26bは、パウチ容器の安定的な保持を補助する役割を果たしている。
【0032】
詳細は後述するが第1保持部26a(ないし補助保持凹部26b)にパウチ容器50における側面の一部が接触することで当該パウチ容器ホルダー10は該パウチ容器50をしっかりと保持することができる。また、
図1および
図2では箱体20に補助保持凹部26bが設けられているが、例えば
図7に示すように補助保持凹部26bを有していない構成にすることもできる。
【0033】
第2側面28には第1保持部26a(および補助保持凹部26b)よりも載置面の方向に位置する略矩形状の開口穴として第2保持部28a(第2開口穴とも呼ぶ)が設けられている。この第2保持部28aにはパウチ容器50における底面の一部が接触することになる。
【0034】
箱体底面32には水切り穴32aが設けられている。
図1および
図2に示すように本実施形態では箱体底面32に3個の水切り穴32aが設けられている。この水切り穴32aの個数は特に限定されるものではなく、例えば箱体底面32に1個、2個、4個以上の水切り穴32aを設けても良い。
【0035】
また、箱体底面32は載置面に対して空間を有する位置に設けることもできる。本実施形態ではこの水切り穴32aを有することで例えば風呂場などに当該パウチ容器ホルダー10を載置した場合でも乾燥を促進して清潔な状態を維持することができる。なお、例えば箱体底面32を有していない構成の箱体20にすることもできる。
【0036】
補助保持板34は、
図1に示すように少なくとも第2保持部28aよりも載置面方向に位置している。補助保持板34にはパウチ容器50の保持に対して補助的に機能する開口穴としてサポート穴34a(第3開口穴とも呼ぶ)が設けられている。また、本実施形態における補助保持板34aは箱体20から取り外しできるように設けられている。このサポート穴34aにパウチ容器50の一部が挿入されることで、当該パウチ容器ホルダー10はパウチ容器50を安定的に保持することができる。
【0037】
箱体平面30は箱体20において最上部に位置しており、
図8に示すように箱体20における蓋としての役割を果たしている。そして上述のとおり箱体平面30にはポンプ連結部30aが設けられている。本実施形態に係るポンプ連結部30aは箱体平面30の長手方向において第1側面26側に設けられているが、ポンプ連結部30aの位置はこの位置に限定されるものではない。
【0038】
本実施形態では、この箱体平面30が取り外された状態でパウチ容器50が当該パウチ容器ホルダー10の上方向(箱体平面30が位置する方向)から載置面方向(および補助保持板34方向)へ向けて挿入される。そして本実施形態では、パウチ容器50がパウチ容器ホルダー10の内部で特徴的な状態で保持されることとなる。
【0039】
次に、手動ポンプ手段40について説明する。ここでは、
図1および
図3を参照しながら説明する。手動ポンプ手段40は、パウチ容器50の内部から液体を吸い上げるためのポンプ部42と該ポンプ部42によって吸い上げられる液体の流路として機能するパイプ部44を有して構成されている。本実施形態に係るポンプ部42は吸引式のものである。
ポンプ部42には吐出口42aが設けられ、該吐出口42aは例えばシャンプーなどの液体をパウチ容器50の外部へ吐出する役割を果たしている。
【0040】
本実施形態におけるパイプ部44は、パウチ容器ホルダー10が載置される載置面に対して略垂直方向にパウチ容器50へ挿入される。パイプ部44には、該パイプ部44における外周の一部にバネが設けられたバネ部44aと、パウチ容器50の内部において当該パイプ部44の長さを調節するための調節部44bと、ポンプ部42によるポンプ機能によって吸引される液体をパイプ部44へ進入させるために補助的に設けられた補助進入孔44cと、が設けられている。
【0041】
パイプ部44は略円筒形状を有する。調節部44bはパイプ部44に対して大きい直径を有し、該バネ部44aに位置するパイプ部44は調節部44bの内部へ進入可能な構造となっている。また、バネ部44aにおけるバネの一端(ポンプ部42方向)は所定位置から動かないように固定され、バネの他端は調節部44bに当接している。
【0042】
本実施形態に係るパイプ部44は、
図9に示すようにポンプ部42側を上方向とした場合に調節部44bにおける最下端(手動ポンプ手段40全体における下端)がパウチ容器50内部における下端位置(下端領域)に接触すると調節部44bがバネ部44aに設けられたバネを抗して該バネ部44aに位置するパイプ部44が調節部44bの内部に進入する。すなわち、本実施形態ではパウチ容器50の大きさに合わせてパイプ部44の長さを調節することができる。
【0043】
このように、本実施形態に係るパウチ容器ホルダー10は、箱体20(保持手段)および手動ポンプ手段40にそれぞれ特徴的な機能を有している。本実施形態に係るパウチ容器ホルダー10は概略以上のように構成されている。以下、パウチ容器の保持について詳しく説明する。
【0044】
パウチ容器の保持について
本実施形態に係るパウチ容器ホルダー10は、箱体20の内部においてパウチ容器50を特徴的な状態で保持する構成となっている。
図10には、本実施形態に係るパウチ容器ホルダーの使用手順の概略説明図を示す。なお、
図10では作業工程を簡略化して説明するために箱体20における箱体平面30と手動ポンプ手段40とをあらかじめ固定した状態で示している。当然のことながら、本発明の効果を得るためには箱体平面30と手動ポンプ手段40とが必ずしも固定されている必要はない。
【0045】
まず、箱体20の上方から(蓋として機能している箱体平面30がない状態で)該箱体20内部にパウチ容器50を挿入する。この時、パウチ容器50における底面56を当該パウチ容器ホルダー10が載置される載置面に対して斜めに、すなわち、パウチ容器50における底面56が載置面に対して角度を有した状態で挿入する。なお、パウチ容器50の大きさによっては斜めにしてしまうと箱体20に入らない場合もあるので、パウチ容器50を箱体20の内部に入れてから斜めに調整しても良い。
【0046】
この時、箱体20の内部ではパウチ容器50における側面54の一部が第1保持部26a(および補助保持凹部26b)と接触し、パウチ容器50における底面56の一部が第2保持部28aと接触する。同時に、斜めに挿入されているパウチ容器50における下端領域がサポート穴34aに進入する。パウチ容器50は箱体20の内部ではこの状態でしっかりと保持されることとなる。
【0047】
そして箱体20内部で斜めの状態で保持されたパウチ容器50には、その液体注出口52に手動ポンプ手段40におけるパイプ部44が挿入される。同時に箱体平面30が箱体20の上部に固定される。
【0048】
図11には、本実施形態においてパウチ容器を保持した状態のパウチ容器ホルダーの概略図を示す。同図に示すようにパウチ容器50は、箱体20の内部において第1保持部26aないし第2保持部28a(およびサポート穴34a)によってしっかりと保持されていることが分かる。
【0049】
つまり本実施形態に係る保持手段(箱体20)は、パウチ容器50における側面54の一部が接触する第1保持部26a(および補助保持凹部26b)と該第1保持部26aよりも載置面の方向に位置して該パウチ容器50における底面56の一部が接触する第2保持部28aを有し、さらにパウチ容器50は該パウチ容器50の底面56が載置面に対して角度を有して保持されることで、パウチ容器50の安定的な保持を実現することができる。
【0050】
また、本実施形態ではパウチ容器50における底面56と載置面との角度が30度~60度であることが好ましく、より好ましくは35度~55度の角度であることが好ましく、さらに好ましくは45度の角度であることが好適である。パウチ容器50における底面56が載置面に対してこのような角度を有することでパウチ容器50をより安定的に保持することができる。
【0051】
そして、
図12に示すように手動ポンプ手段40をパウチ容器に挿入する際に挿入補助具60を利用することもできる。挿入補助具60は例えば樹脂材料を含んで形成されている。また、
図12に示すように挿入補助具60はパウチ容器50への挿入方向が鋭角に加工されている。
【0052】
実際にはパウチ容器50の液体注出口52に手動ポンプ手段40(パイプ部44)を挿入する場合、液体抽出口52の切り口が閉じていることが多く、挿入が困難な場合も多い。そこで本実施形態では挿入補助具60を利用することで、パウチ容器50における液体注出口52が小さい場合(および液体抽出口52の切り口が閉じている場合)であっても手動ポンプ手段40の挿入作業を簡単に行うことができる(挿入補助具60は鋭角加工されているため、パウチ容器50への装着が容易)。
【0053】
ここで、本実施形態に係るパウチ容器ホルダーにおける手動ポンプ手段40とパウチ容器50との位置関係について説明する。
図13にはパウチ容器ホルダーに保持された状態のパウチ容器と手動ポンプ手段との位置関係の概略説明図を示す。同図に示すように、パウチ容器50は載置面に対して角度を有して保持されている。一方で手動ポンプ手段40は、載置面に対して略垂直方向に挿入されていることが分かる。
【0054】
つまり、当該パウチ容器ホルダー10の使用状態においてポンプ部44(調節部44b)は保持されたパウチ容器50内部の最下端(または下端領域)に位置することとなる。この状態では、パウチ容器50内部の液体が重力の影響で該パウチ容器50内部の下端領域に集まるためシャンプーなどの液体を残すことなく最後まで使い切ることができる。
【0055】
変形例
図14には、本実施形態に係るパウチ容器ホルダーにおける保持手段の変形例を示す。例えば
図14(a)に示すように
図1における第1保持部26a(第1開口穴)を第1保持ポール126aで形成するとともに第2保持部28a(第2開口穴)を第2保持ポール128aで形成しても本発明と同様の効果を得ることができる。
【0056】
この場合、箱体(保持手段120)におけるそれぞれの面をアクリル材料等で覆う必要はない。また、
図14(a)のように箱体平面130を一定の領域のみに設けることで、パウチ容器の大きさ等に合わせてポンプ連結部130aの位置を当該保持手段120の長手方向に適宜移動させることができる。本変形例ではこのような構成にすることでさらに簡単な構成でパウチ容器ホルダーを実現でき、且つ、製造コストの削減効果も期待できる。
【0057】
そして、
図14(b)に示すように第2保持部には傾斜保持板128bを採用することもできる。傾斜保持板128bは、載置面に対して30度~60度程度の角度を有して設けられている。このように第2保持ポール128aを傾斜保持板128bに変更することで、より安定的にパウチ容器を保持することができる。また、保持手段は必ずしも箱形状にする必要はなく、上記所定条件の第1保持部および第2保持部を有していれば本発明の効果を得ることができる。
【0058】
このように本発明によれば、パウチ容器50を保持するための保持手段20が第1保持部26a、126a(パウチ容器50における側面54が接触)と第2保持部28a、128a(パウチ容器50における底面56が接触)を有し、当該パウチホルダー10の使用状態において該パウチ容器50の底面56が載置面(当該パウチホルダー10が載置される面)に対して角度を有して保持されることで、簡単な構成で汎用的なパウチ容器50をしっかりと保持することができ、さらにパウチ容器内部の液体を最後まで使い切れるパウチ容器ホルダー10を実現することができる。
【0059】
また、本実施形態では主にシャンプー等の詰め替え商品について説明したが、例えばコンディショナー、ボディーソープ、消毒液、洗濯用洗剤、食器用洗剤等にも本発明の技術を利用することができ、さらには工業用、商業用等の他の用途にも本発明の技術を幅広く応用することができる。
【符号の説明】
【0060】
10 パウチ容器ホルダー
20 箱体(保持手段)
22 箱体正面
24 箱体背面
26 第1側面
26a 第1保持部(第1開口穴)
26b 補助保持凹部
28 第2側面
28a 第2保持部(第2開口穴)
30 箱体平面
30a ポンプ連結部
32 箱体底面
32 水抜き穴
34 補助保持板
34a サポート穴(第3開口穴)
40 手動ポンプ手段
42 ポンプ部
42a 吐出口
44 パイプ部
44a バネ部
44b 調節部
44c 補助進入孔
50 パウチ容器
52 液体注出口
54 側面
56 底面
60 挿入補助具
120 保持手段
126a 第1保持ポール
128a 第2保持ポール
128b 傾斜保持板
130 箱体平面
130a ポンプ連結部