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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022175818
(43)【公開日】2022-11-25
(54)【発明の名称】止水装置
(51)【国際特許分類】
   E06B 5/00 20060101AFI20221117BHJP
   E06B 3/62 20060101ALI20221117BHJP
【FI】
E06B5/00 Z
E06B3/62 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021082531
(22)【出願日】2021-05-14
(71)【出願人】
【識別番号】000107538
【氏名又は名称】株式会社UACJ
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 昌也
【テーマコード(参考)】
2E016
2E239
【Fターム(参考)】
2E016AA00
2E016BA02
2E016CA01
2E016CB03
2E016CC04
2E016DC02
2E016DD03
2E239AC04
(57)【要約】
【課題】取付作業が容易で、低コストの止水装置を実現することができる。
【解決手段】止水装置10は、少なくとも2つの支柱20と、支柱20間を塞ぐように配置され、進水を防止するための止水板30と、を備え、各支柱20は、止水板30と対向する平板部21を有し、止水板30は、少なくとも平板部21と対向する対向壁部31Eが平板状をなしており、平板部21の端部21Bと対向壁部31Eの端部31Bは、平板部21と対向壁部31Eとを外部から挟み込み可能となるように隣接している。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つの支柱と、
前記支柱間を塞ぐように配置され、進水を防止するための止水板と、を備え、
前記各支柱は、前記止水板と対向する平板部を有し、
前記止水板は、少なくとも前記平板部と対向する対向壁部が平板状をなしており、
前記平板部の端部と前記対向壁部の端部は、前記平板部と前記対向壁部とを外部から挟み込み可能となるように隣接している止水装置。
【請求項2】
前記平板部の前記端部及び前記対向壁部の前記端部は、いずれも端面をなしており、
前記両端面は、略面一となるように配置されている請求項1に記載の止水装置。
【請求項3】
前記止水板は、前記支柱の延出方向に沿って複数積み重ねられるための嵌合部を有する請求項1または請求項2に記載の止水装置。
【請求項4】
前記止水板は、外部と連通し水の流路となる中空部を有する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の止水装置。
【請求項5】
前記対向壁部は、前記中空部を構成する壁部の一部である請求項4に記載の止水装置。
【請求項6】
前記止水板は、アルミニウム合金製の押出形材からなる請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の止水装置。
【請求項7】
前記止水板は、対向する2つの外板と、前記外板間に挟み込まれ、断面波形の板状部材である芯材と、を有し、
前記外板及び前記芯材は、アルミニウム合金製である請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の止水装置。
【請求項8】
前記止水板の前記対向壁部には、前記平板部との間に介在するようにシーリング材が設けられており、
前記平板部の前記端部と前記対向壁部の前記端部は、前記シーリング材が介在した状態で、前記平板部と前記対向壁部とを外部から挟み込み可能となるように隣接している請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の止水装置。
【請求項9】
前記止水板は、前記各支柱に対して進水方向の上流側に配置される請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の止水装置。
【請求項10】
複数の前記止水板を備え、
少なくとも1つの前記支柱は、複数の前記平板部を有する請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の止水装置。
【請求項11】
前記止水板は、自立可能に構成されている請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の止水装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、止水装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、洪水等の自然災害の発生時に、水の侵入を防ぐために建物の出入口等に設置する止水装置が知られている。近年、使用者によって取り付け可能な着脱式の止水装置が提案されており、その一例が特許文献1及び特許文献2に開示されている。特許文献1には、出入口に立設された一対の方立て(支柱)の間に、出入口を遮断する止水パネル(止水板)を上方から落とし込むことによって取り付ける止水装置が記載されている。特許文献2には、出入口に立設された一対の支持柱(支柱)に対して、進水方向上流側から止水板を押し当て、止水板と支柱とを係合部によって固定することで取り付ける止水装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6348866号公報
【特許文献2】特開2018-48535号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のような落とし込み式の止水装置の場合、使用者が重い止水板を持ち上げて支柱間に落とし込む必要があるため、取り付け作業が容易ではなく、危険を伴うことがある。また、止水板の浮き上がりを防止するロック機構が必要となり、コストが増大してしまう。一方、特許文献2のような係合式の止水装置の場合、取り付け作業は容易であるが、係合部に専用部材を用いざるを得ず、また確実に係合させるために、製品の製造と施工の両方において高い寸法精度が必要となり、高コストにならざるを得ない。
【0005】
本技術は上記のような実情に基づいて完成されたものであって、取付作業が容易で、低コストの止水装置を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための手段は以下の通りである。
【0007】
<1>少なくとも2つの支柱と、前記支柱間を塞ぐように配置され、進水を防止するための止水板と、を備え、前記各支柱は、前記止水板と対向する平板部を有し、前記止水板は、少なくとも前記平板部と対向する対向壁部が平板状をなしており、前記平板部の端部と前記対向壁部の端部は、前記平板部と前記対向壁部とを外部から挟み込み可能となるように隣接している止水装置。
【0008】
<2>前記平板部の前記端部及び前記対向壁部の前記端部は、いずれも端面をなしており、前記両端面は、略面一となるように配置されている上記<1>に記載の止水装置。
【0009】
<3>前記止水板は、前記支柱の延出方向に沿って複数積み重ねられるための嵌合部を有する上記<1>または<2>に記載の止水装置。
【0010】
<4>前記止水板は、外部と連通し水の流路となる中空部を有する上記<1>から<3>のいずれかに記載の止水装置。
【0011】
<5>前記対向壁部は、前記中空部を構成する壁部の一部である上記<4>に記載の止水装置。
【0012】
<6>前記止水板は、アルミニウム合金製の押出形材からなる上記<1>から<5>のいずれかに記載の止水装置。
【0013】
<7>前記止水板は、対向する2つの外板と、前記外板間に挟み込まれ、断面波形の板状部材である芯材と、を有し、前記外板及び前記芯材は、アルミニウム合金製である上記<1>から<5>のいずれかに記載の止水装置。
【0014】
<8>前記止水板の前記対向壁部には、前記平板部との間に介在するようにシーリング材が設けられており、前記平板部の前記端部と前記対向壁部の前記端部は、前記シーリング材が介在した状態で、前記平板部と前記対向壁部とを外部から挟み込み可能となるように隣接している上記<1>から<7>のいずれかに記載の止水装置。
【0015】
<9>前記止水板は、前記各支柱に対して進水方向の上流側に配置される上記<1>から<8>のいずれかに記載の止水装置。
【0016】
<10>複数の前記止水板を備え、少なくとも1つの前記支柱は、複数の前記平板部を有する上記<1>から<9>のいずれかに記載の止水装置。
【0017】
<11>前記止水板は、自立可能に構成されている上記<1>から<10>のいずれかに記載の止水装置。
【発明の効果】
【0018】
本技術によれば、取付作業が容易で、低コストの止水装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】実施形態1に係る止水装置の取り付け前の状態を示す斜視図
図2】止水装置の使用状態を示す斜視図
図3図2の挟持部材付近を拡大した斜視図
図4図3のA-A線断面図
図5】止水板の分解側面図
図6】止水板の嵌合部付近を拡大した側面図
図7】実施形態2に係る止水装置の斜視図
図8】止水板の分解側面図
図9】実施形態3に係る止水装置の横断面図
図10】実施形態4に係る止水板の斜視図
図11】他の実施形態に係る支柱の斜視図
図12】他の実施形態に係る止水装置の横断面図
図13】他の実施形態に係る止水装置の横断面図
図14】他の実施形態に係る止水装置の使用状態を示す斜視図
図15図14の止水板とカバー部材の分解斜視図
【発明を実施するための形態】
【0020】
<実施形態1>
実施形態1を図1から図6を参照して説明する。本実施形態では、止水装置10について例示する。なお、各図面の一部には、X軸、Y軸、及びZ軸を示しており、各軸方向が各図で共通した方向となるように描かれている。
【0021】
止水装置10は、図1に示すように、地面等の載置面に対して立設される2つの支柱20と、載置面上に支柱20間を塞ぐように配置され、進水を防止するための止水板30と、を備える。止水装置10は、図2に示すように、例えば建物の開口Sに設置された支柱20に対して止水板30を取り付けることで、屋内へ水が浸入することを防ぐことができる。止水装置10は、屋内に限らず、駐車場や敷地内等への進水防止にも用いることができる。
【0022】
支柱20は、図1から図2に示すように、載置面に交わる上下方向(Z軸方向)に延出し、断面コ字状をなしている。2つの支柱20は、断面コ字状の開口20A同士が向かい合わず非対面となるように、所定の間隔を空けて設置される。支柱20は、3つの平板部21,22,23によって断面コ字状に構成されており、このうち他の支柱20と対向しない平板部の一方22に対して止水板30が取り付けられる。
【0023】
止水板30は、全体として矩形状をなす板状部材であり、本実施形態では横長の矩形状をなしているが、縦長の矩形状や正方形状であっても構わない。止水板30は、図2に示すように、その一方の板面31Aが支柱20間を覆うように支柱20に対して進水方向上流側に配置される。板面31Aを含む壁部31において、左右方向(X軸方向、長辺方向、支柱20の配列方向)の両端側部分31Eが支柱20の平板部21と対向している。当該両端側部分31Eを以下、対向壁部31Eと称する。止水板30の対向壁部31E及び底壁部32には、止水性を向上するためにシーリング材(シーラント)40が貼り付けられている。シーリング材40の材質は、圧縮によって高い止水性を発揮する材料(例えばゴム発泡体)が好適である。止水板30が進水方向上流側に配置されることで、水の圧力によって、対向壁部31Eが平板部21に対して押し当てられるようになり、対向壁部31Eと平板部21との間に設けられたシーリング材40が圧縮されて止水性を高めることができる。
【0024】
止水板30は、図2及び図3に示すように、挟持部材50(例えばダブルクリップ(バインダークリップ))によって支柱20に対して着脱可能に取り付けられる。挟持部材50は、支柱20の平板部21と止水板30の対向壁部31Eとを挟み込み、挟み込んだ状態を保持可能な部材であれば種類は限定されず、汎用品であるダブルクリップ、クランプ等を用いることができる。挟持部材50の取付数を増やすことで、止水板30と支柱20との固定力を容易に増大できる。挟持部材50の取付数は、挟持部材50の種類、大きさ、必要とされる固定力等によって適宜選択される。本実施形態では、図3に示すように、止水板30の後述する各構成体(下止水パネル30L、中止水パネル30M、上止水パネル30U)に対して1つずつダブルクリップ50が取り付けられている。
【0025】
止水板30には、図1から図3に示すように、複数の中空部35が上下方向に積み重なるように形成されている。中空部35は、左右方向に延在しており、左右方向についての両端部はそれぞれ外部と連通している。これにより中空部35は水が流入可能な流路となっている。中空部35に水が流入することで、止水板30の浮き上がりを防止することができる。
【0026】
対向壁部31Eを含む壁部31は、図4に示すように、中空部35を構成する壁部の一部をなしている。これにより、中空部35の形状及び大きさを調整することで、対向壁部31Eを挟持部材50によって挟み込み可能な薄い平板状となるように容易に設けることができる。中空部35の形状は、止水板30の曲げ剛性を高める点で、図3に示すように側面視矩形状が好適であるが、これに限定されず、中空部35の数も適宜調整可能である。
【0027】
対向壁部31Eの端部(壁部31の左右方向についての端部)である端面31Bは、図4に示すように、シーリング材40が介在した状態で、平板部21の左右方向についての端部である端面21Bと略面一となる形で隣接している。これにより、対向壁部31Eと平板部21とを挟持部材50によって容易に挟み込むことができると共に、挟んだ状態が維持されやすくなるため、両者をより強固に取り付けられるようになる。ただし、両端面31B、21Bは必ずしも略面一に配置されている必要はなく、挟持部材50によって挟み込み可能であれば、両端面31B、21Bの左右方向の位置は揃っておらず、例えば10mm程度のズレが生じていても構わない(図13参照)。
【0028】
止水板30は、図1から図3、及び図5に示すように、下止水パネル30L、中止水パネル30M、及び上止水パネル30Uの各構成体が上下方向に積み重ねられる形で組み立てられている。下止水パネル30L、中止水パネル30M、上止水パネル30Uはそれぞれ、互いに嵌合されるように嵌合部36を備えている。嵌合部36は、図6に示すように、一方の構成体(例えば下止水パネル30L)に設けられた嵌合突起37に対して、他方の構成体(例えば中止水パネル30M)に設けられた嵌合爪38が引っ掛かることで嵌合する。嵌合部36にシリコン樹脂等を原料とするシーリング材を塗布すると、嵌合部36の隙間からの漏水を抑制することができる。
【0029】
下止水パネル30Lは、図6に示すように、3つの中空部35と、上端部に形成された嵌合突起37と、を備えており、載置面に設置される。中止水パネル30Mは、3つの中空部35と、上端部に形成された嵌合突起37と、下端部に形成された嵌合爪38と、を備える。中止水パネル30Mは、その嵌合爪38が下止水パネル30Lの嵌合突起37に嵌合することで、下止水パネル30L上に積み重ねられている。上止水パネル30Uは、2つの中空部35と、上端部に形成された持ち手39と、下端部に形成された嵌合爪38と、を備える。上止水パネル30Uは、その嵌合爪38が中止水パネル30Mの嵌合突起37に嵌合することで、中止水パネル30M上に積み重ねられている。止水板30は、中止水パネル30Mの数を増減することで、載置面からの高さを調整可能である。
【0030】
下止水パネル30L、中止水パネル30M、及び上止水パネル30Uはそれぞれ押出形材からなる。押出形材として中空部35、嵌合部36等の各部が一体的に製造されることで、各部を所定の形状に容易に形成することができる。また、強度及び剛性を高めることができ、大きなたわみや亀裂等が生じて漏水の原因となる事態を抑制できる。下止水パネル30L、中止水パネル30M、及び上止水パネル30Uの材質は、アルミニウム合金が好適である。アルミニウム合金製とすることで、木材のように浸水によって形状が反りかえって変形することがなく、繰り返して使用可能となり、軽量、高強度、高剛性の止水板を実現できる。また、廃棄後はリサイクルすることができる。
【0031】
以上説明した止水装置10によれば、使用者は、支柱20に対して止水板30を突き当て、支柱20の平板部21と止水板30の対向壁部31Eとを挟持部材50によって挟む込むことで、止水装置10を容易に設置できる。特許文献1に記載の落とし込み方式の止水装置のように、止水板を持ち上げて支柱間に落とし込む作業は不要であり、取り付け作業が容易である。また、支柱20と止水板30とは、平板部21の端面21Bと対向壁部31Eの端面31Bとを挟持部材50によって挟み込み可能であれば取り付けることができるため、両端面21B、31Bの位置にズレが生じた場合であっても取り付け可能である。このため、特許文献2に記載の係合式の止水装置のように、確実に係合させるために高い寸法精度が必要とされず、製造コストや施工コストを低減できる。挟持部材50には、汎用品であるダブルクリップ、クランプ等を用いることができるため、専用部品は不要であり部品コストを低減できる。従って、取付作業が容易で、低コストの止水装置10を実現することができる。
【0032】
<実施形態2>
実施形態2に係る止水装置110について図7から図8を参照して説明する。止水装置110は、実施形態1と異なり、止水板130が各構成体(下止水パネル30L、中止水パネル30M、上止水パネル30U)が上下方向に積み重ねられる形で構成されていない。実施形態2において、実施形態1と同様の構成、作用及び効果については重複する説明は省略する。また、実施形態2において挟持部材50の図示は省略する。
【0033】
止水板130は、図8に示すように、対向する2つの外板111、112と、外板111、112間に挟み込まれる断面波形の板状部材である芯材115と、を備え、これらが溶接加工等によって一体化されている。支柱20間を覆う外板112の左右方向についての端部である端面112Bと、支柱20の平板部21の左右方向についての端部である端面21Bとを挟持部材50によって挟み込むことで、両者を容易に取り付けることができる。また、芯材115が断面波形状をなしているため、外板111、112と芯材115との間に、中空部135を容易に形成できる。2つの外板111、112及び芯材115の材質は、アルミニウム合金が好適である。
【0034】
<実施形態3>
実施形態3に係る止水装置210について図9を参照して説明する。止水装置210は、2つの止水板30を取り付け可能な支柱220を備える点が実施形態1と異なる。実施形態3において、実施形態1と同様の構成、作用及び効果については重複する説明は省略する。また、実施形態3において挟持部材50の図示は省略する。
【0035】
止水装置210は、図9に示すように、2つの止水板30を備え、これらが3つの支柱20,220間を塞ぐように配置されている。支柱20は、実施形態1と同様の構成である。支柱220は、2つの支柱20を中継するように支柱20間のほぼ真ん中に配置される。支柱220は、止水板30と対向する平板部221を2つ備えている。各止水板30は、支柱220の平板部221と支柱20の平板部21との間を塞ぐように取り付けられる。このようにすれば、建物の開口Sが大きい場合や、駐車場、敷地内等に対しても止水装置210を適用しやすくなる。
【0036】
<実施形態4>
実施形態4に係る止水板330について図10を参照して説明する。止水板330は、自立可能な形状をなしている点が実施形態1と異なる。実施形態4において、実施形態1と同様の構成、作用及び効果については重複する説明は省略する。また、実施形態4において挟持部材50、及び嵌合部36の図示は省略する。
【0037】
止水板330は、自立可能となるように椅子(ベンチ等を含む)のような形状をなしている。止水板330は、実施形態1と同様に全体として横長の矩形状をなす本体部331と、全体として断面L字状をなし、本体部331と接続されて脚部を構成する支持部332と、を備える。
【0038】
止水板330を自立可能とすることで、災害発生時以外は、止水板330を椅子として用いることができる。また、支持部332を踏み台として用いると、本体部331を容易にまたいで乗り越えることができるようになる。
【0039】
<他の実施形態>
本技術は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本技術の技術的範囲に含まれる。
【0040】
(1)支柱20の形状は、止水板30、330と挟み込み可能な平板部21を有していればよく、例えば図11に示される支柱320、図12に示される支柱420のような形状であっても構わない。
【0041】
(2)止水板30、330は、支柱20の形状及び立設方法によっては、例えば図12及び図13に示す止水板30のように、進水方向下流側に配置されても構わない。進水方向下流側に配置される場合、水圧によって止水板と支柱が離されるように力が働くこととなるため、挟持部材50にはダブルクリップではなく、水圧に耐えられる程度の固定力を有するC型万力等のクランプを用いることが好ましい。
【0042】
(3)止水板30には、例えば図14及び図15に示されるように、壁部31の左右方向の両端側部分31Eに対して、平板状の突出部81を有するカバー部材80が取り付けられていても構わない。このようにすれば、突出部81によって支柱20と挟み込み可能な対向壁部を実現しつつ、壁部31の端面31Bのバリ取り処理を省けるようになる。カバー部材80は、止水板30の両端側部分31Eに嵌め込まれる嵌込部82を備え、嵌込部82には、中空部35と連通する連通口83が形成されている。カバー部材80は、両端側部分31Eに嵌め込まれた後、リベット等の締結部材や接着剤を用いて固定されるものとされる。
【符号の説明】
【0043】
10,110,210…止水装置、20,220,320,420…支柱、21,221…平板部、21B…平板部の端面(端部の一例)、30,330…止水板、31B…対向壁部の端面(端部の一例)、31E…対向壁部、30L…下止水パネル(押出形材の一例)、30M…中止水パネル(押出形材の一例)、30U…上止水パネル(押出形材の一例)、35,135…中空部、36…嵌合部、40…シーリング材、111,112…外板、115…芯材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15