(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022175828
(43)【公開日】2022-11-25
(54)【発明の名称】蓄電装置
(51)【国際特許分類】
H01M 50/298 20210101AFI20221117BHJP
H01M 50/569 20210101ALI20221117BHJP
H01G 11/10 20130101ALI20221117BHJP
H01G 11/78 20130101ALI20221117BHJP
H01G 11/18 20130101ALI20221117BHJP
H01M 50/204 20210101ALI20221117BHJP
H01M 50/262 20210101ALI20221117BHJP
H01M 50/209 20210101ALI20221117BHJP
【FI】
H01M50/298
H01M50/569
H01G11/10
H01G11/78
H01G11/18
H01M50/204 401D
H01M50/262 S
H01M50/209
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021082547
(22)【出願日】2021-05-14
(71)【出願人】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124062
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 敬史
(74)【代理人】
【識別番号】100148013
【弁理士】
【氏名又は名称】中山 浩光
(74)【代理人】
【識別番号】100190470
【弁理士】
【氏名又は名称】谷澤 恵美
(72)【発明者】
【氏名】柘植 昭人
(72)【発明者】
【氏名】守作 直人
(72)【発明者】
【氏名】植田 浩生
(72)【発明者】
【氏名】加藤 丈幸
(72)【発明者】
【氏名】森岡 怜史
(72)【発明者】
【氏名】奥村 素宜
【テーマコード(参考)】
5E078
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5E078HA04
5E078HA22
5E078JA02
5E078JA06
5E078JA09
5H040AA14
5H040AS07
5H040AT02
5H040AY10
5H040CC13
5H040CC14
5H040CC15
5H040CC22
5H040CC34
5H040CC38
5H040DD07
5H040DD09
5H040DD26
5H040NN03
5H043AA19
5H043BA11
5H043CA04
5H043CA13
5H043CA22
5H043CA28
5H043FA06
5H043FA32
5H043GA23
5H043GA30
5H043JA07E
5H043LA21E
5H043LA22E
(57)【要約】
【課題】ガイド部材の破損を抑制可能な蓄電装置を提供する。
【解決手段】
蓄電装置1は、モジュール積層体2と、モジュール積層体2の両側に積層され、モジュール積層体2に拘束荷重を付加する拘束板8A及び拘束板8Bと、モジュール積層体2に接続された配線L1~L9と、配線L1~L9をモジュール積層体2の側面2aに沿って案内するガイド部材30と、を備える。側面2aは、第1方向D1及び第2方向D2において延在している。ガイド部材30は、第2方向D2に沿って延在する第1延在部32と、第1方向D1に沿って延在する第2延在部33と、を含むL字状の本体部31と、第1端部31aに設けられ、拘束板8Bに固定された第1固定部36と、第2端部31bに設けられ、拘束板8Aに固定された第2固定部37と、第1接続部31cに設けられ、第1方向D1及び第2方向D2において移動可能に拘束板8Bに係止された第2係止部39と、を有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向において積層された複数の蓄電モジュールを有するモジュール積層体と、
前記第1方向において前記モジュール積層体の両側に積層され、前記第1方向において前記モジュール積層体に拘束荷重を付加する第1拘束板及び第2拘束板と、
前記モジュール積層体に接続された配線と、
前記配線を前記モジュール積層体の側面に沿って案内するガイド部材と、
を備え、
前記側面は、前記第1方向と、前記第1方向に直交する第2方向とにおいて延在しており、
前記ガイド部材は、
前記第2方向に沿って延在する第1延在部と、前記第1方向に沿って延在する第2延在部と、を含むL字状の本体部と、
前記本体部の第1端部に設けられ、前記第1拘束板に固定された第1固定部と、
前記本体部の第2端部に設けられ、前記第2拘束板に固定された第2固定部と、
前記第1延在部と前記第2延在部との接続部に設けられ、前記第1方向及び前記第2方向において移動可能に前記第1拘束板に係止された係止部と、
を有する、
蓄電装置。
【請求項2】
前記配線は、前記モジュール積層体の前記第2方向の端部に接続されており、
前記ガイド部材は、前記配線を前記端部から前記第2拘束板まで案内する、
請求項1に記載の蓄電装置。
【請求項3】
前記配線は、第1配線及び第2配線を含み、
前記ガイド部材は、前記第2方向に沿って延在し、前記第2延在部における前記第2端部と前記接続部との間に接続された第3延在部を更に有し、
前記第3延在部は、前記第1方向において前記第1延在部から離間して配置され、
前記第1配線は、前記第1延在部及び前記第2延在部により案内され、
前記第2配線は、前記第3延在部及び前記第2延在部により案内される、
請求項1又は2に記載の蓄電装置。
【請求項4】
前記第1配線及び前記第2配線のうち一方は、電圧検出素子に接続されており、他方は温度検出素子に接続されている、
請求項3に記載の蓄電装置。
【請求項5】
前記ガイド部材は、前記第2方向において前記第2延在部から離間すると共に、前記第1方向に沿って延在し、前記第1延在部と前記第3延在部とを連結する連結部を更に含む、
請求項3又は4に記載の蓄電装置。
【請求項6】
前記第1拘束板は、前記第1方向から見て、前記第1方向と前記第2方向とに直交する第3方向において前記モジュール積層体と隣り合う縁部を有し、
前記縁部は、前記第1方向の内側に開口し、前記第2方向に沿って延在する凹部を有し、
前記係止部は、前記凹部内に圧入されている、
請求項1~5のいずれか一項に記載の蓄電装置。
【請求項7】
前記第1固定部は、前記第1拘束板を前記第1方向において貫通する貫通孔、又は、前記第1拘束板を前記第1方向及び前記第2方向に直交する第3方向において貫通する貫通孔に挿通されている、
請求項1~6のいずれか一項に記載の蓄電装置。
【請求項8】
前記第2固定部は、前記第1拘束板を前記第1方向において貫通する貫通孔、又は、前記第1拘束板を前記第1方向及び前記第2方向に直交する第3方向において貫通する貫通孔に挿通されている、
請求項1~7のいずれか一項は2に記載の蓄電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、蓄電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の蓄電モジュールを有するモジュール積層体と、モジュール積層体に接続された配線と、配線をモジュール積層体の側面に沿って案内するガイド部材と、を備える蓄電装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のバッテリパックでは、電池集合体に接続された電線が、電池集合体の側面に設けられたケースに収容されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記蓄電装置では、モジュール積層体及びガイド部材が互いに異なる線膨張係数で膨張収縮することにより、ガイド部材が破損する場合がある。
【0005】
本開示の目的は、ガイド部材の破損を抑制可能な蓄電装置の提供である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る蓄電装置は、第1方向において積層された複数の蓄電モジュールを有するモジュール積層体と、第1方向においてモジュール積層体の両側に積層され、第1方向においてモジュール積層体に拘束荷重を付加する第1拘束板及び第2拘束板と、モジュール積層体に接続された配線と、配線をモジュール積層体の側面に沿って案内するガイド部材と、を備え、側面は、第1方向と、第1方向に直交する第2方向とにおいて延在しており、ガイド部材は、第2方向に沿って延在する第1延在部と、第1方向に沿って延在する第2延在部と、を含むL字状の本体部と、本体部の第1端部に設けられ、第1拘束板に固定された第1固定部と、本体部の第2端部に設けられ、第2拘束板に固定された第2固定部と、第1延在部と第2延在部との接続部に設けられ、第1方向及び第2方向において移動可能に第1拘束板に係止された係止部と、を有する。
【0007】
上記蓄電装置では、ガイド部材のL字状の本体部は、第1固定部により第1拘束板に固定され、第2固定部により第2拘束板に固定され、係止部により第1拘束板に係止されている。よって、ガイド部材は、第1拘束板及び第2拘束板から外れることなく、配線をモジュール積層体の側面に沿って確実に案内することができる。係止部は、第1方向及び第2方向において移動可能に第1拘束板に係止されている。よって、モジュール積層体及びガイド部材が互いに異なる線膨張係数で第1方向及び第2方向において膨張収縮した場合は、係止部が第1方向及び第2方向に移動することにより、ガイド部材の破損が抑制される。モジュール積層体及びガイド部材が、互いに異なる線膨張係数で第1方向と第2方向とに直交する第3方向において膨張収縮した場合は、第1固定部、第2固定部及び係止部を起点として本体部がしなるように変形することで、ガイド部材の破損が抑制される。
【0008】
配線は、モジュール積層体の第2方向の端部に接続されており、ガイド部材は、配線を端部から第2拘束板まで案内してもよい。この場合、ガイド部材が配線を第2方向に沿って案内する距離が長くなり易いので、係止部が第2方向に移動可能な構成が特に有効である。
【0009】
配線は、第1配線及び第2配線を含み、ガイド部材は、第2方向に沿って延在し、第2延在部における第2端部と接続部との間に接続された第3延在部を更に有し、第3延在部は、第1方向において第1延在部から離間して配置され、第1配線は、第1延在部及び第2延在部により案内され、第2配線は、第3延在部及び第2延在部により案内されてもよい。この場合、第1配線及び第2配線を第1延在部及び第3延在部により別々に案内することができるので、第1配線及び第2配線により伝達される信号におけるノイズの影響を低減できる。
【0010】
第1配線及び第2配線のうち一方は、電圧検出素子に接続されており、他方は温度検出素子に接続されていてもよい。この場合、電圧検出素子に接続された配線が電磁ノイズ(電磁波)を発生させるので、ノイズの影響を低減可能な構成が特に有効である。
【0011】
ガイド部材は、第2方向において第2延在部から離間すると共に、第1方向に沿って延在し、第1延在部と第3延在部とを連結する連結部を更に含んでもよい。この場合、連結部により第1延在部及び第3延在部が互いに離間した状態に保たれ易い。
【0012】
第1拘束板は、第1方向から見て、第1方向と第2方向とに直交する第3方向においてモジュール積層体と隣り合う縁部を有し、縁部は、第1方向の内側に開口し、第2方向に沿って延在する凹部を有し、係止部は、凹部内に圧入されていてもよい。この場合、係止部が第1拘束板に係止されつつ、第1方向及び第2方向に移動可能な構成が容易に実現できる。
【0013】
第1固定部は、第1拘束板を第1方向において貫通する貫通孔、又は、第1拘束板を第1方向及び第2方向に直交する第3方向において貫通する貫通孔に挿通されていてもよい。この場合、第1固定部を第1拘束板に容易に固定することができる。
【0014】
第2固定部は、第1拘束板を第1方向において貫通する貫通孔、又は、第1拘束板を第1方向及び第2方向に直交する第3方向において貫通する貫通孔に挿通されていてもよい。この場合、第2固定部を第2拘束板に容易に固定することができる。
【発明の効果】
【0015】
本開示によれば、ガイド部材の破損を抑制可能な蓄電装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、一実施形態に係る蓄電装置の斜視図である。
【
図3】
図3は、
図1のIII-III線に沿った断面図である。
【
図6】
図6は、蓄電モジュールの内部構成を示す概略断面図である。
【
図11】
図11は、固定部が拘束板に固定された状態を示す断面図である。
【
図12】
図12は、固定部が拘束板に固定された状態を示す断面図である。
【
図14】
図14は、第2係止部が拘束板に係止された状態を示す断面図である。
【
図15】
図15は、カバー部が閉じた状態を示す斜視図である。
【
図16】
図16は、カバー部が開いた状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態が詳細に説明される。図面の説明において、同一又は同等の要素には同一符号が用いられ、重複する説明は省略される。
【0018】
図1~
図16を参照して、本実施形態に係る蓄電装置1について説明する。
図1に示される蓄電装置1は、例えば、フォークリフト、ハイブリッド自動車、電気自動車等の各種車両のバッテリに用いられる。蓄電装置1は、例えばニッケル水素二次電池又はリチウムイオン二次電池等の二次電池である。蓄電装置1は、例えば電気二重層キャパシタであってもよい。本実施形態では、蓄電装置1がニッケル水素電池である場合を例示する。
【0019】
図1~
図3に示されるように、蓄電装置1は、モジュール積層体2と、拘束部材4と、一対の絶縁板20と、ダクト21と、一対のガイド部材30と、複数(本実施形態では9本)の配線L1~L9とを備えている。モジュール積層体2は、第1方向D1において積層された複数(本実施形態では7つ)の蓄電モジュール3と、複数(本実施形態では8つ)の集電板5と、を含んでいる。
【0020】
複数の蓄電モジュール3は、集電板5を介して第1方向D1において積層されている。複数の蓄電モジュール3は、集電板5を介して第1方向D1において電気的に直列に接続されている。集電板5は、例えば金属等の導電材料からなる板状部材である。集電板5の材料としては、例えばアルミニウムが挙げられる。集電板5の表面には、例えばニッケル等のめっき層が形成されていてもよい。本実施形態では、第1方向D1から見た集電板5の面積は、蓄電モジュール3の面積よりも小さい。
【0021】
図3に示されるように、複数の集電板5は、第1方向D1における一端側の集電板5Aと、他端側の集電板5Bと、蓄電モジュール3間に介在する複数(本実施形態では6つ)の集電板5Cと、を含んでいる。集電板5Cは、第1方向D1において互いに隣り合う蓄電モジュール3間に設けられ、複数の蓄電モジュール3と電気的に接続されている。第1方向D1において互いに隣り合う蓄電モジュール3間において、集電板5Cは、後述する金属板60Bの他方面60bの露出部60d、及び、金属板60Aの一方面60aの露出部60dのそれぞれに接触配置されている。
【0022】
集電板5A,5Bは、複数の蓄電モジュール3及び複数の集電板5Cを第1方向D1の両側から挟むように配置されている。集電板5A,5Bは、第1方向D1において、積層端に位置する蓄電モジュール3上にそれぞれ積層されている。集電板5Aは、第1方向D1において、一方の積層端に位置する蓄電モジュール3上に積層され、少なくとも当該蓄電モジュール3と電気的に接続されている。集電板5Bは、第1方向D1において、他方の積層端に位置する蓄電モジュール3上に積層され、少なくとも当該蓄電モジュール3と電気的に接続されている。
【0023】
集電板5Aには、負極端子7(
図1参照)が接続されている。負極端子7は、集電板5Aの縁部から、第1方向D1に直交する第2方向D2に引き出されている。集電板5Bには、正極端子6(
図1参照)が接続されている。正極端子6は、集電板5Bの縁部から第2方向D2に引き出されている。正極端子6及び負極端子7により、蓄電装置1の充放電が実施される。
【0024】
図4及び
図5に示されるように、集電板5Cには、冷却用流体を流通させる複数の流路5aが設けられている。ここで、冷却用流体としては、例えば、空気、水等が用いられる。流路5aは、第1方向D1及び第2方向D2に直交する第3方向D3に沿って延在する貫通孔である。流路5aは、冷却用流体が流入する入口5bと、冷却用流体が流出する出口5cとを有している。流路5aは、第2方向D2に沿って複数配列されている。複数の集電板5Cは、流路5aに冷却用流体を流通させることにより、蓄電モジュール3で発生した熱を放熱する放熱板として機能する。集電板5A,5Bには、流路は設けられていない。
【0025】
モジュール積層体2は、集電板5Cの第2方向D2の両側に配置された複数の検出素子12を有している。検出素子12は、モジュール積層体2の第2方向D2の両端部2b,2cに配置されている。検出素子12は、集電板5Cと共に、第1方向D1において互いに隣り合う蓄電モジュール3間に設けられている。検出素子12は、例えば、蓄電モジュール3の温度を検出する温度検出素子(不図示)、及び蓄電モジュール3から出力される電圧を検出する電圧検出素子(不図示)を含み、蓄電モジュール3の状態を監視するセンサである。検出素子12は、例えば、ポリプロピレン(PP)のような耐アルカリ性を有する絶縁性の樹脂により、集電板5と同じ厚さで形成されている。検出素子12は、集電板5Cの第2方向D2の両端部に連結されている。
【0026】
ダクト21は、各流路5aの入口5bに冷却用流体を流入させるように構成されている。ダクト21は、集電板5Cの入口5bが設けられた側面に対向し、第2方向D2に延びている。ダクト21の第2方向D2における一端(端部2b側)は開放され、ダクト21に冷却用流体を導入する入口21aを構成している。ダクト21の第2方向D2における他端(端部2c側)は、閉塞されている。入口21aからダクト21に流入した冷却用流体は、ダクト21を流通し、流路5aの入口5bへと導かれる。入口5bから流路5aに流入した冷却用流体は、流路5aを流通し、出口5cから流出する。
【0027】
図1に示されるように、ダクト21は、延在部21bを有する。延在部21bは、後述する縁部10の外面10aと対向するように、第3方向D3に沿って延在している。延在部21bは、後述の係合部分14と干渉しない形状及び大きさに形成されている。延在部21bには、固定ネジ19が挿通される貫通孔が形成されている。固定ネジ19は、当該貫通孔に挿通され、縁部10に設けられた穴部(不図示)に螺合されている。これにより、ダクト21は、拘束板8に固定されている。
【0028】
図6に示されるように、各蓄電モジュール3は、電極積層体51と、電極積層体51を封止する樹脂製の封止体52とを備えている。蓄電モジュール3は、例えば、直方体形状に形成されている。
【0029】
電極積層体51は、セパレータ53を介して第1方向D1に積層された複数の電極と、金属板60A,60Bと、を含んでいる。複数の電極の積層体は、金属板60Aと金属板60Bとの間に設けられている。複数の電極は、複数のバイポーラ電極54の積層体と、負極終端電極58と、正極終端電極59とを含む。複数のバイポーラ電極54の積層体は、負極終端電極58及び正極終端電極59の間に設けられている。
【0030】
バイポーラ電極54は、一方面55a及び一方面55aの反対側の他方面55bを含む金属板55と、一方面55aに設けられた正極56と、他方面55bに設けられた負極57とを有している。正極56は、正極活物質が金属板55に塗工されることにより形成される正極活物質層である。負極57は、負極活物質が金属板55に塗工されることにより形成される負極活物質層である。電極積層体51において、一のバイポーラ電極54の正極56は、セパレータ53を挟んで第1方向D1の一方に隣り合う別のバイポーラ電極54の負極57と対向している。電極積層体51において、一のバイポーラ電極54の負極57は、セパレータ53を挟んで第1方向D1の他方に隣り合う別のバイポーラ電極54の正極56と対向している。
【0031】
負極終端電極58は、金属板55と、金属板55の他方面55bに設けられた負極57とを有している。負極終端電極58は、他方面55bが電極積層体51における第1方向D1の中央側を向くように、第1方向D1の一端側に配置されている。負極終端電極58の金属板55の一方面55aには、金属板60Aが更に積層され、この金属板60Aを介して蓄電モジュール3に隣接する一方の集電板5(
図3参照)と電気的に接続されている。負極終端電極58の金属板55の他方面55bに設けられた負極57は、セパレータ53を介して、第1方向D1の一端のバイポーラ電極54の正極56と対向している。
【0032】
正極終端電極59は、金属板55と、金属板55の一方面55aに設けられた正極56とを有している。正極終端電極59は、一方面55aが電極積層体51における第1方向D1の中央側を向くように、第1方向D1の他端側に配置されている。正極終端電極59の金属板55の他方面55bには、金属板60Bが更に積層され、この金属板60Bを介して蓄電モジュール3に隣接する他方の集電板5(
図3参照)と電気的に接続されている。正極終端電極59の金属板55の一方面55aに設けられた正極56は、セパレータ53を介して、第1方向D1の他端のバイポーラ電極54の負極57と対向している。
【0033】
金属板55は、例えば、ニッケル又はニッケルメッキ鋼板といった金属からなる。一例として、金属板55は、ニッケルからなる矩形の金属箔である。各金属板55は、いずれも電極積層体51に含まれる金属板の一つである。金属板55の縁部55cは、矩形枠状をなし、正極活物質及び負極活物質が塗工されない未塗工領域となっている。正極56を構成する正極活物質としては、例えば水酸化ニッケルが挙げられる。負極57を構成する負極活物質としては、例えば水素吸蔵合金が挙げられる。本実施形態では、金属板55の他方面55bにおける負極57の形成領域は、金属板55の一方面55aにおける正極56の形成領域に対して一回り大きくなっている。電極積層体51は、積層された複数の金属板55,60A,60Bを有している。
【0034】
セパレータ53は、金属板55同士の短絡を防止するための部材であり、例えばシート状に形成されている。セパレータ53としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系樹脂からなる多孔質フィルム、ポリプロピレン、メチルセルロース等からなる織布又は不織布等が例示される。セパレータ53は、フッ化ビニリデン樹脂化合物で補強されたものであってもよい。なお、セパレータ53は、シート状に限られず、袋状のものを用いてもよい。
【0035】
金属板60A,60Bは、金属板55と実質的に同一の部材であり、例えばニッケル又はニッケルメッキ鋼板といった金属からなる。金属板60A,60Bは、いずれも電極積層体51に含まれる金属板の一つである。一例として、金属板60A,60Bは、ニッケルからなる矩形の金属箔である。金属板60A,60Bは、一方面60a及び他方面60bに正極活物質層及び負極活物質層のいずれもが塗工されていない未塗工電極となっている。すなわち、金属板60A,60Bは、両面に活物質層が設けられていない未塗工電極である。
【0036】
金属板60Aは、電極積層体51の一方の積層端に位置している。金属板60Aにより、負極終端電極58は、第1方向D1に沿って金属板60Aとバイポーラ電極54との間に配置された状態となっている。金属板60Bは、電極積層体51の他方の積層端に位置している。金属板60Bにより、正極終端電極59は、第1方向D1に沿って金属板60Bとバイポーラ電極54との間に配置された状態となっている。電極積層体51では、電極積層体51の中央領域(バイポーラ電極54、負極終端電極58、及び正極終端電極59において活物質層が配置されている領域)が、その周りの領域に比べて第1方向D1に膨らんでいる。このため、金属板60A,60Bは、金属板60A,60Bの中央領域が互いに離間する方向に屈曲している。金属板60Aの一方面60a及び金属板60Bの他方面60bの中央領域は、集電板5と当接(接触)している。すなわち、集電板5は、電極積層体51の積層端の金属板60A,60Bに接触して配置されている。
【0037】
封止体52は、例えば絶縁性の樹脂によって、全体として矩形の筒状に形成されている。封止体52は、電極積層体51の第1方向D1に沿う側面51aを囲むように設けられている。封止体52は、側面51aにおいて縁部55cを保持している。封止体52は、電極積層体51に含まれる金属板の縁部(すなわち、金属板55の縁部55c及び金属板60A,60Bの縁部60c)にそれぞれ設けられた枠状の複数の第1封止部61と、側面51aに沿って第1封止部61を外側から包囲し、第1封止部61のそれぞれに結合された第2封止部62とを有している。第1封止部61及び第2封止部62は、例えば、耐アルカリ性を有する絶縁性の樹脂である。第1封止部61及び第2封止部62の構成材料としては、例えばポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、変性ポリフェニレンエーテル(変性PPE)等が挙げられる。
【0038】
第1封止部61は、金属板55の縁部55c又は金属板60A,60Bの縁部60cの全周にわたって連続的に設けられ、第1方向D1から見て矩形枠状をなしている。第1封止部61は、例えば超音波又は熱によって金属板55の縁部55c又は金属板60A,60Bの縁部60cに溶着され、気密に接合されている。第1封止部61は、第1方向D1から見て、金属板55の縁部55c又は金属板60A,60Bの縁部60cよりも外側にまで延びている。第1封止部61は、金属板55又は金属板60A,60Bの縁よりも外側に張り出した外側部分61aと、金属板55又は金属板60A,60Bの縁よりも内側に位置する内側部分61bと、を含む。第1封止部61の外側部分61aの先端部(外縁部)は、溶着層63により第2封止部62に接合されている。溶着層63は、例えば熱板溶着により溶融された第1封止部61の先端部同士が互いに結合して形成される。第1方向D1において互いに隣り合う第1封止部61の外側部分61a同士は、互いに離間していてもよく、接していてもよい。また、第1方向D1において互いに隣り合う第1封止部61の外側部分61a同士は、例えば熱板溶着等によって互いに結合していてもよい。
【0039】
複数の第1封止部61は、バイポーラ電極54及び正極終端電極59に設けられた複数の第1封止部61Aと、負極終端電極58に設けられた第1封止部61Bと、金属板60Aに設けられた第1封止部61Cと、金属板60Bに設けられた第1封止部61D,61Eと、を有している。
【0040】
第1封止部61Aは、バイポーラ電極54及び正極終端電極59の金属板55の一方面55aに接合されている。第1封止部61Aの内側部分61bは、第1方向D1に互いに隣り合う金属板55の縁部55c同士の間に位置している。金属板55の一方面55aにおける縁部55cと、第1封止部61Aとが重なる領域は、金属板55と第1封止部61Aとの結合領域となっている。
【0041】
本実施形態では、第1封止部61Aは、1枚のフィルムが二つに折りたたまれることによって、二層構造で形成されている。第2封止部62に埋設されている第1封止部61Aの外縁部は、フィルムの折り返し部(屈曲部)である。第1封止部61Aを構成する一層目のフィルムは、一方面55aに接合されている。二層目のフィルムの内縁は、一層目のフィルムの内縁よりも外側に位置し、セパレータ53が載置される段差部を形成している。二層目のフィルムの内縁は、金属板55の縁よりも内側に位置している。
【0042】
第1封止部61Bは、負極終端電極58の金属板55の一方面55aに接合されている。第1封止部61Bの内側部分61bは、第1方向D1において互いに隣り合う負極終端電極58の金属板55の縁部55cと、金属板60Aの縁部60cとの間に位置している。金属板55の一方面55aにおける縁部55cと第1封止部61Bの内側部分61bとが重なる領域は、金属板55と第1封止部61Bとの結合領域となっている。第1封止部61Bは、金属板60Aの他方面60bにも接合されている。金属板60Aの他方面60bにおける縁部60cと、第1封止部61Bとが重なる領域は、金属板60Aと第1封止部61Bとの結合領域となっている。本実施形態では、第1封止部61Bは、金属板60Aの他方面60bにおける縁部60cにも接合されている。第1封止部61Bは、負極終端電極58だけでなく、金属板60Aにも設けられていると言える。
【0043】
第1封止部61Cは、金属板60Aの一方面60a(外面)に接合されている。本実施形態では、第1封止部61Cは、複数の第1封止部61のうち、第1方向D1の最も一端側に位置する。金属板60Aの一方面60aにおける縁部60cと、第1封止部61Cとが重なる領域は、金属板60Aと第1封止部61Cとの結合領域となっている。金属板60Aの一方面60aは、第1封止部61Cから露出する露出部60dを有している。集電板5は、露出部60dに当接(接触)して配置されている。
【0044】
本実施形態では、第2封止部62に埋設されている第1封止部61B,61Cの外縁部同士は連続している。すなわち、第1封止部61B,61Cは、1枚のフィルムが金属板60Aの縁部60cを挟んで二つに折りたたまれることによって形成されている。第1封止部61B,61Cの外縁部は、フィルムの折り返し部(屈曲部)である。第1封止部61B,61Cを構成するフィルムは、金属板60Aの一方面60a及び他方面60bの両方において縁部60cと接合されている。このように、金属板60Aの両面を第1封止部61B,61Cと接合することで、いわゆるアルカリクリープ現象による電解液の滲み出しを抑制することができる。
【0045】
第1封止部61Dは、金属板60Bの一方面60aに接合されている。第1封止部61Dの内側部分61bは、第1方向D1において互いに隣り合う正極終端電極59の金属板55の縁部55cと、金属板60Bの縁部60cとの間に位置している。金属板60Bの一方面60aにおける縁部60cと、第1封止部61Dとが重なる領域は、金属板60Bと第1封止部61Dとの結合領域となっている。
【0046】
第1封止部61Eは、金属板60Bの他方面60b(外面)における縁部60cに配置されている。本実施形態では、第1封止部61Eは、複数の第1封止部61のうち、第1方向D1の最も他端側に位置する。また、本実施形態では、第1封止部61Eは、金属板60Bに接合されていない。金属板60Bの他方面60bは、第1封止部61Eから露出する露出部60dを有している。集電板5は、露出部60dに当接(接触)して配置されている。
【0047】
本実施形態では、第2封止部62に埋設されている第1封止部61D,61Eの外縁部同士は連続している。すなわち、第1封止部61D,61Eは、1枚のフィルムが金属板60Bの縁部60cを挟んで二つに折りたたまれることにより形成されている。第1封止部61D,61Eの外縁部は、フィルムの折り返し部(屈曲部)である。第1封止部61D,61Eを構成するフィルムは、金属板60Bの一方面60aにおいて縁部60cと接合されている。
【0048】
結合領域において、金属板55,60A,60Bの表面は、粗面化されている。粗面化された領域は、結合領域のみでもよいが、本実施形態では金属板55の一方面55aの全体が粗面化されている。また、金属板60Aの一方面60a及び他方面60bの全体が粗面化されている。また、金属板60Bの一方面60aの全体が粗面化されている。
【0049】
粗面化は、例えば電解メッキによる複数の突起の形成により実現し得る。結合領域に複数の突起が形成されることにより、結合領域における第1封止部61との接合界面では、溶融状態の樹脂が粗面化により形成された複数の突起間に入り込み、アンカー効果が発揮される。これにより、金属板55,60A,60Bと第1封止部61との間の結合強度を向上させることができる。粗面化の際に形成される突起は、例えば基端側から先端側に向かって先太りとなる形状を有している。これにより、隣り合う突起の間の断面形状がアンダーカット形状となり、アンカー効果を高めることが可能となる。
【0050】
第2封止部62は、電極積層体51の側面51aを囲むように電極積層体51及び第1封止部61の外側に設けられ、蓄電モジュール3の外壁(筐体)を構成している。第2封止部62は、例えば樹脂の射出成型によって形成され、第1方向D1に沿って電極積層体51の全長にわたって延在している。第2封止部62は、第1方向D1を軸方向として延在する矩形の枠状を呈している。第2封止部62は、例えば射出成型時の熱によって第1封止部61の外表面に溶着されている。第2封止部62は、第1方向D1に沿う外周面62aを有している。
【0051】
封止体52は、第1方向D1において隣り合う電極の間に内部空間Vを形成すると共に内部空間Vを封止する。より具体的には、第2封止部62は、第1封止部61と共に、第1方向D1において互いに隣り合うバイポーラ電極54の間、第1方向D1において互いに隣り合う負極終端電極58とバイポーラ電極54との間、及び第1方向D1において互いに隣り合う正極終端電極59とバイポーラ電極54との間をそれぞれ封止している。これにより、第1方向D1において互いに隣り合うバイポーラ電極54の間、負極終端電極58とバイポーラ電極54との間、及び正極終端電極59とバイポーラ電極54との間には、それぞれ気密に仕切られた内部空間Vが形成されている。この内部空間Vには、例えば水酸化カリウム水溶液等のアルカリ溶液を含む電解液(不図示)が収容されている。電解液は、セパレータ53、正極56、及び負極57内に含浸されている。封止体52は、金属板60Aと負極終端電極58との間、及び金属板60Bと正極終端電極59との間もそれぞれ封止している。
【0052】
図1~
図3及び
図7に示されるように、拘束部材4は、一対の拘束板8と、一対の拘束板8を連結する複数の連結部材9とを含む。一対の拘束板8は、負極端子7側の拘束板8A(第2拘束板)及び正極端子6側の拘束板8B(第1拘束板)を含む。
図7には、拘束板8Bの内面が示されている。拘束板8Aは、後述の貫通孔16dの位置が異なる以外は、拘束板8Bと同じ形状を有している。
【0053】
一対の拘束板8は、第1方向D1において、モジュール積層体2を挟むように、モジュール積層体2の両側に積層されている。一対の拘束板8は、複数の連結部材9により連結され、第1方向D1においてモジュール積層体2に拘束荷重を付加する。複数の蓄電モジュール3及び複数の集電板5は、一対の拘束板8により挟持されることで、モジュール積層体2としてユニット化されている。本実施形態では、連結部材9は、一対のボルト9aと、ボルトカラー9bとによって構成されている。
【0054】
一対の絶縁板20は、絶縁性材料により形成される。一対の絶縁板20は、例えば、ポリプロピレン(PP)等の樹脂からなる。一対の絶縁板20は、
図3及び
図4に示されるように、負極端子7側の絶縁板20A及び正極端子6側の絶縁板20Bを含む。
【0055】
集電板5Aと拘束板8Aとの間には、絶縁板20Aが設けられる。絶縁板20Aは、集電板5Aと拘束板8Aとの間の絶縁性を確保するための部材である。絶縁板20Aは、集電板5Aと拘束板8Aとに接触している。絶縁板20Aは、第1方向D1においてモジュール積層体2上に積層されている。絶縁板20Aは、第1方向D1から見て、集電板5Aの全域と重なるように配置される。拘束板8Aは、第1方向D1において絶縁板20A上に積層され、少なくとも絶縁板20A及びモジュール積層体2に拘束荷重を付加する。
【0056】
集電板5Bと拘束板8Bとの間には、絶縁板20Bが設けられる。絶縁板20Bは、集電板5Bと拘束板8Bとの間の絶縁性を確保するための部材である。絶縁板20Bは、集電板5Bと拘束板8Bとに接触している。絶縁板20Bは、第1方向D1においてモジュール積層体2上に積層されている。絶縁板20Bは、第1方向D1から見て、集電板5Bの全域と重なるように配置される。拘束板8Bは、第1方向D1において絶縁板20B上に積層され、少なくとも絶縁板20B及びモジュール積層体2に拘束荷重を付加する。
【0057】
図1~
図3及び
図7に示されるように、拘束板8は、第1方向D1から見て、蓄電モジュール3及び集電板5の面積よりも一回り大きい面積を有する矩形の金属板である。拘束板8の長手方向は、第2方向D2と一致している。拘束板8の短手方向は、第3方向D3と一致している。拘束板8は、本体部11及び一対の縁部10を有する。本体部11は、第1方向D1から見てモジュール積層体2と重なる。一対の縁部10は、本体部11から第3方向D3に延在する。一対の縁部10は、第1方向D1から見てモジュール積層体2と隣り合い、モジュール積層体2と重ならない。本実施形態では、一対の縁部10は、第3方向D3における本体部11の両側に設けられている。すなわち、本体部11は、第3方向D3において一対の縁部10に挟まれている。
【0058】
縁部10は、第1方向D1の外側(第1方向D1におけるモジュール積層体2は反対側)を向く外面10aと、第1方向D1の内側(第1方向D1におけるモジュール積層体2側)を向く内面10bと、を有している。本体部11は、第1方向D1の外側を向く外面11aと、第1方向D1の内側を向く内面11bと、を有している。内面11bは、絶縁板20と対向している。外面10aは、外面11aよりも第1方向D1の内側に位置している。内面10bは、内面11bよりも第1方向D1の内側に位置している。
【0059】
一対の縁部10は、拘束板8の長手方向(第2方向D2)に延在する外縁部分である。各縁部10は、複数(本実施形態では5つ)の係合部分14を有している。係合部分14は、ボルト9aが係合される部分である。複数の係合部分14は、各縁部10において、第2方向D2に沿って互いに離間するように配置されている。本実施形態では、複数の係合部分14は、第2方向D2において等間隔で縁部10に配置されている。
【0060】
各係合部分14には、ボルト9aが挿通される挿通孔14aが設けられている。挿通孔14aは、係合部分14を第1方向D1に沿って貫通している。挿通孔14aは、外面10aと内面10bとを接続するように第1方向D1に沿って延在している。ボルト9aの頭部は、拘束板8A,8Bの外面10a上に配置されている。ボルト9aの軸部の先端部(ネジ先)は、拘束板8A,8Bの内面10bから突出し、ボルトカラー9bの両端に螺合されている。ボルトカラー9bは、拘束板8Aと拘束板8Bとの間に配置され、拘束板8Aと拘束板8Bとを接続するように第1方向D1に延在する柱状部材である。ボルトカラー9bは、例えば、アルミニウムからなる。
【0061】
各縁部10は、第1方向D1の内側(モジュール積層体2側)に開口する複数(本実施形態では4つ)の凹部16及び一対の凹部17を有している。凹部16及び凹部17は、第2方向D2に沿って延在している断面U字状の溝部である。凹部16の第2方向D2の長さは、凹部17の第2方向D2の長さよりも長い。一対の拘束板8は、互いの凹部16同士が第1方向D1において対向すると共に、互いの凹部17同士が第1方向D1において対向するように配置されている。
【0062】
凹部16は、第3方向D3で互いに対向している側壁16a,16bと、底壁16cとを有している(
図11参照)。第3方向D3の内側(モジュール積層体2側)に配置された側壁16aは、モジュール積層体2と第3方向D3で対向している。複数の凹部16は、第2方向D2において互いに隣り合う係合部分14間に配置されている。複数の凹部16は、集電板5に対応する位置に設けられている。すなわち、複数の凹部16の第2方向D2の位置範囲は、集電板5の第2方向D2の位置範囲と重なっている。
【0063】
一方の縁部10に設けられた凹部16Aは、第1方向D1から見て、集電板5Cに設けられた流路5aの出口5cと、第3方向D3において隣り合うように設けられている。凹部16Aは、第1方向D1から見て、第3方向D3において複数の出口5cと隣り合うように第2方向D2に沿って延在している。他方の縁部10に設けられた凹部16Bは、第1方向D1から見て、集電板5Cに設けられた流路5aの入口5bと、第3方向D3において隣り合うように設けられている。凹部16Bは、第1方向D1から見て、第3方向D3において複数の入口5bと隣り合うように第2方向D2に沿って延在している。後述の第1固定部36及び第2固定部37と対応する凹部16Aには、底壁16cを第1方向D1において貫通する貫通孔16dが設けられている。貫通孔16dは、拘束板8A,8Bに2つずつ設けられている。
【0064】
凹部17は、第3方向D3で互いに対向している側壁と、底壁とを有している。一対の凹部17は、各縁部10の第2方向D2の一対の端部に配置されている。一対の凹部17の間には、複数の係合部分14及び複数の凹部16が配置されている。一対の凹部17は、第2方向D2において一対の検出素子12に対応する位置に設けられている。すなわち、各凹部17の第2方向D2の位置範囲は、対応する検出素子12の第2方向D2の位置範囲と重なっている。
【0065】
図7に示されるように、本体部11は、第1方向D1の内側に開口する複数の凹部18を有している。複数の凹部18は、様々な形状を有している。凹部16、凹部17及び凹部18は、拘束板8の肉盗み部(薄肉部)として機能している。
【0066】
図2に示される配線L1~L9は、モジュール積層体2の検出素子12(
図4及び
図5参照)と外部装置である制御装置(不図示)の信号取り出し端子とに接続されている。制御装置は、例えば、ECU(Electronic Control Unit)である。制御装置は、拘束板8A上に配置されている。制御装置は、拘束板8Aの第2方向D2の両端部から離間した位置に設けられている。制御装置は、例えば、拘束板8Aの第2方向D2の中央部に設けられている。検出素子12の検出信号は、配線L1~L9を通じて制御装置に送信される。検出素子12は、モジュール積層体2の各端部2b,2cに配置されているので、配線L1~L9は、モジュール積層体2の各端部2b,2cに接続されていると言える。
【0067】
配線L1~L6は、検出素子12に含まれる電圧検出素子に接続されている。配線L1~L6は、それぞれ異なる積層位置(第1方向D1における位置)に配置された検出素子12に接続されている。配線L7~L9は、検出素子12に含まれる温度検出素子(例えば、サーミスタ)に接続されている。配線L7~L9は、それぞれ異なる積層位置(第1方向D1における位置)に配置された検出素子12に接続されている。
【0068】
配線L1,L2,L7,L8は、モジュール積層体2の端部2bに配置された検出素子12に接続されている。配線L3~L6,L9は、モジュール積層体2の端部2cに配置された検出素子12に接続されている。配線L1~L9は、1つの検出素子12に接続される回路数が2つ以上とならないように、検出素子12に接続されている。
【0069】
一対のガイド部材30は、配線L1~L9をモジュール積層体2の1つの側面2aに沿って案内する部材である。ガイド部材30は、側面2a上に取り付けられている。側面2aは、ダクト21の反対側、すなわち、出口5c側の側面であり、第1方向D1と第2方向D2とにおいて延在している。ガイド部材30Aは、端部2b側に配置され、配線L1,L2,L7,L8をモジュール積層体2の端部2bから拘束板8Aまで案内する。ガイド部材30Bは、端部2c側に配置され、配線L3~L6,L9をモジュール積層体2の端部2cから拘束板8Aまで案内する。
【0070】
図1、
図2、
図8及び
図9に示されるように、ガイド部材30は、第1延在部32及び第2延在部33を含むL字状の本体部31と、第3延在部34と、連結部35と、第1固定部36と、第2固定部37と、第1係止部38と、第2係止部39と、張出部40と、複数(本実施形態では6つ)のカバー部41と、を有している。ガイド部材30は、例えば、ポリプロピレン(PP)等の絶縁性の樹脂からなる。ガイド部材30の各部は、例えば、樹脂の射出成形により一部材として一体的に形成されている。ガイド部材30の線膨張係数は、例えば、拘束板8やボルトカラー9bの線膨張係数よりも大きい。
【0071】
第1延在部32は、第2方向D2に沿って延在している。第2延在部33は、第1方向D1に沿って延在している。本体部31は、概ねL字状であればよく、第1延在部32と第2延在部33とがなす角度は、例えば、45度以上135度以下である。
図8及び
図9に示されるガイド部材30Aでは、第1延在部32と第2延在部33とがなす角度は90度である。ガイド部材30Bは、第1延在部32と第2延在部33とがなす角度が90度より大きい点でガイド部材30Aと相違し、その他の点でガイド部材30Aと一致している。
【0072】
第1延在部32は、第1方向D1から見て、第2方向D2に沿って延在していればよく、第3方向D3から見て、所定の角度範囲(例えば、45度以下)で第2方向D2に対して傾斜していてもよい。第2延在部33は、第2方向D2から見て、第1方向D1に沿って延在していればよく、第3方向D3から見て、所定の角度範囲(例えば、45度以下)で第1方向D1に対して傾斜していてもよい。第1延在部32は、ボルトカラー9bと交差する部分では、ボルトカラー9bの外側面に沿って湾曲した形状を有している。第1延在部32は、ボルトカラー9bの外側を通って延在している。
【0073】
本体部31は、第1端部31aと、第2端部31bと、第1接続部31cと、第2接続部31dとを含んでいる。第1端部31aは、第1延在部32の第2方向D2の一端部である。第2端部31bは、第2延在部33の第1方向D1の一端部である。第1接続部31cは、第1延在部32の第2方向D2の他端部と、第2延在部33の第1方向D1の他端部とが接続された部分である。第2接続部31dは、第2延在部33と第3延在部34とが接続された部分であり、第2延在部33の第2端部31bと第1接続部31cとの間に位置している。
【0074】
第3延在部34は、第2方向D2に沿って第1延在部32に沿って延在し、第2接続部31dに接続されている。第3延在部34は、第1方向D1において第1延在部32から離間して配置されている。第3延在部34は、第1方向D1において第1延在部32と並んで配置されている。第3延在部34の第2方向D2における長さは、第1延在部32の第2方向D2における長さと同等である。第3延在部34は、ボルトカラー9bと交差する部分では、ボルトカラー9bの外側面に沿って湾曲した形状を有している。第3延在部34は、ボルトカラー9bの外側を通って延在している。
【0075】
第1延在部32、第2延在部33、及び第3延在部34は、周方向の半分が切り欠かれた半円筒状、又は断面U字状の溝部材であり、内部に配線L1~L9を収容可能に構成されている。第1延在部32、第2延在部33、及び第3延在部34は、周方向の切り欠かれた部分が側面2aの反対側に位置するように、側面2a上に配置されている。第1延在部32、第2延在部33、及び第3延在部34は、配線L1~L9と側面2aとの間に介在し、配線L1~L9を側面2aとの接触から保護している。
【0076】
配線L1,L2は、ガイド部材30Aにおいて、第3延在部34により第2方向D2に沿って案内されると共に、第2延在部33により第1方向D1に沿って案内される。配線L7,L8は、ガイド部材30Aにおいて、第1延在部32により第2方向D2に沿って案内されると共に、第2延在部33により第1方向D1に沿って案内される。配線L3~L6は、ガイド部材30Bにおいて、第1延在部32により第2方向D2に沿って案内されると共に、第2延在部33により第1方向D1に沿って案内される。配線L9は、ガイド部材30Bにおいて、第3延在部34により第2方向D2に沿って案内されると共に、第2延在部33により第1方向D1に沿って案内される。
【0077】
連結部35は、第1方向D1に沿って延在し、第1延在部32と第3延在部34とを連結している。連結部35は、第2方向D2において第2延在部33から離間して配置されている。第1延在部32において連結部35が接続された部分は、第2方向D2における他端部(第1接続部31c)よりも一端部(第1端部31a)側に位置している。第3延在部34において連結部35が接続された部分は、第2方向D2における他端部(第2接続部31d)よりも一端部34a側に位置している。連結部35は、第1延在部32と第3延在部34とを第1方向D1において離間させるスペーサとして機能する。連結部35によれば、第1延在部32及び第3延在部34は、第1方向D1において互いに離間した状態に保たれる。連結部35には、連結部35を第3方向D3において貫通する複数の肉抜き部(不図示)が形成されている。
【0078】
図1、
図2及び
図8~
図12に示されるように、第1係止部38は、第1端部31aに設けられている。第1係止部38は、第1端部31aから第1方向D1において拘束板8B側に突出するように設けられている。第1係止部38は、拘束板8Bに設けられた凹部16A内に差し込まれ、拘束板8Bに係止されている。第1係止部38は、第1方向D1及び第2方向D2において移動可能に拘束板8Bに係止されている。第1係止部38は、凹部16A内に圧入されている。凹部16Aは第2方向D2に沿って延在しているので、第1係止部38は凹部16A内を第2方向D2に沿ってスライド可能である。
【0079】
第1係止部38は、第3方向D3において互いに反対側を向き、凹部16Aの側壁16a,16bと対向する一対の側面38aを有している。第1係止部38には、第1係止部38を第3方向D3において貫通する複数の肉抜き部38bが形成されている。各側面38aの第3方向D3の両端部には、それぞれ突起部38cが設けられている。突起部38cは、第3方向D3に突出すると共に、第1方向D1に沿って延在している。突起部38cの第1固定部36側の部分では、突起部38cが側面38aから突出する高さが、第1固定部36に近づくほど低くなっている。
【0080】
第1係止部38が凹部16A内に圧入されることにより、突起部38cは側壁16a,16bから第3方向D3の応力を受ける。これにより、
図11に示されるように、突起部38cの先端は、潰れるように塑性変形する。この結果、第1係止部38は、凹部16Aに係止される。
【0081】
第1固定部36は、第1係止部38と共に、第1端部31aに設けられている。第1固定部36は、第1係止部38の拘束板8B側の端部に設けられている。第1固定部36は、拘束板8Bを第1方向D1において貫通する貫通孔16dに挿通され、拘束板8Bに固定されている。第1固定部36は、軸部42及び一対の爪部43を有している。軸部42は、第1方向D1に沿って延在している。一対の爪部43は、軸部42を第2方向D2において挟むように、軸部42の第2方向D2の両側に設けられている。爪部43の先端には、段付き部43aが設けられている。
【0082】
一対の爪部43は、弾性変形により第2方向D2に開閉可能に軸部42の先端に取り付けられている。第1固定部36は、一対の爪部43が第2方向D2において閉じた(爪部43の先端が第2方向D2において軸部42に近づいた)状態で貫通孔16dに挿通された後、一対の爪部43が第2方向D2において開き(爪部43の先端が第2方向D2において軸部42から離れ)、段付き部43aが貫通孔16dの外面10a側の端部(貫通孔16dの内側面と外面10aとがなす角部)と接して引っ掛かった状態となることで拘束板8Bに固定されている。
【0083】
張出部40は、第2端部31bに設けられている。張出部40は、第2端部31bから第3方向D3に延在し、拘束板8Aの縁部10の外面10a上に張り出している。張出部40は、第1方向D1の外側(外面10aの反対側)に開口する複数の凹部40aを有している。凹部40aは、張出部40の肉盗み部(薄肉部)として機能している。
【0084】
第2固定部37は、張出部40とともに第2端部31bに設けられている。第2固定部37は、張出部40の外面10aと対向する面に設けられている。第2固定部37は、拘束板8Aを第1方向D1において貫通する貫通孔16dに挿通され、拘束板8Aに固定されている。詳細な図示を省略するが、第2固定部37は、第1固定部36と同様に、軸部42及び一対の爪部43を有し、一対の爪部43が閉じた状態で貫通孔16dに挿通された後、一対の爪部43が開いた状態になることで拘束板8Aに固定されている。第1固定部36及び第2固定部37は、第1方向D1及び第2方向D2のいずれから見ても互いに重ならない位置に設けられている。
【0085】
図1、
図2、
図8、
図9、
図13及び
図14に示されるように、第2係止部39は、第1接続部31cに設けられている。第2係止部39は、第1接続部31cから第1方向D1において拘束板8B側に突出するように設けられている。第2係止部39は、拘束板8Bに設けられた凹部16A内に差し込まれ、拘束板8Bに係止されている。第2係止部39は、第1方向D1及び第2方向D2において移動可能に拘束板8Bに係止されている。第2係止部39は、凹部16A内に圧入されている。凹部16Aは第2方向D2に沿って延在しているので、第2係止部39は凹部16A内を第2方向D2に沿ってスライド可能である。第1係止部38及び第2係止部39は、互いに異なる凹部16A内に圧入されている。
【0086】
第2係止部39は、第3方向D3において互いに反対側を向き、凹部16Aの側壁16a,16bと対向する一対の側面39aを有している。第2係止部39には、第2係止部39を第3方向D3において貫通する複数の肉抜き部39bが形成されている。各側面39aの第2方向D2の両端部には、それぞれ突起部39cが設けられている。突起部39cは、第3方向D3に突出すると共に、第1方向D1に沿って延在している。突起部39cにおける第2係止部39の先端側の部分では、突起部39cが側面39aから突出する高さが、第2係止部39の先端に近づくほど低くなっている。
【0087】
第2係止部39が凹部16A内に圧入されることにより、突起部39cは側壁16a,16b(
図11参照)から第3方向D3の応力を受ける。これにより、第1係止部38の突起部38cと同様に、突起部39cの先端は、潰れるように塑性変形する。この結果、第2係止部39は、凹部16Aに係止される。
【0088】
図1、
図2、
図8及び
図9に示されるように、複数のカバー部41は、第1延在部32、第2延在部33、及び第3延在部34の周方向の切り欠かれた部分を覆っている。複数のカバー部41は、互いに離間して配置されている。本実施形態では、第1延在部32、第2延在部33、及び第3延在部34のそれぞれに2つずつカバー部41が設けられている。第1端部31a、第2端部31b、及び第3延在部34の第2方向D2における一端部34aは、いずれもカバー部41に覆われている。第1接続部31c及び第2接続部31dは、いずれもカバー部41に覆われていない。
【0089】
複数のカバー部41は、開閉可能に第1延在部32、第2延在部33、及び第3延在部34に取り付けられている。
図15及び
図16には、第3延在部34の一端部34aに設けられたカバー部41が例示されている。カバー部41は、ヒンジ形状の一対の接続部41aにより第3延在部34に接続されている。接続部41aは、薄肉で弾性変形可能に構成されている。これにより、カバー部41は、
図15に示されるような閉じた状態(第3延在部34の切り欠かれた部分を覆う状態)と、
図16に示されるように開いた状態とを取り得る。
【0090】
カバー部41は、閉じた状態において、ラッチ機構により第3延在部34に固定されている。ラッチ機構は、カバー部41に設けられた孔部41b,41cと、第1延在部32、第2延在部33、及び第3延在部34に設けられ、孔部41b,41cと係合する突起部45,46と、により構成されている。
【0091】
次に、本実施形態に係る蓄電装置1の作用及び効果について説明する。
【0092】
蓄電装置1では、ガイド部材30のL字状の本体部31は、第1固定部36により拘束板8Bに固定され、第2固定部37により拘束板8Aに固定され、第2係止部39により拘束板8Bに係止されている。よって、ガイド部材は、振動等により拘束板8A及び拘束板8Bから外れることなく、配線L1~L9をモジュール積層体2の側面2aに沿って確実に案内することができる。第2係止部39は、第1方向D1及び第2方向D2において移動可能に拘束板8Bに係止されている。よって、モジュール積層体2及びガイド部材30が互いに異なる線膨張係数で第1方向D1及び第2方向D2において膨張収縮した場合は、第2係止部39が変形に追従して第1方向D1及び第2方向D2に移動することにより、ガイド部材30の破損が抑制される。モジュール積層体2及びガイド部材30が互いに異なる線膨張係数で第3方向D3において膨張収縮した場合は、第1固定部36、第2固定部37及び第2係止部39を起点として本体部31がしなるように変形することで、ガイド部材30の破損が抑制される。
【0093】
配線L1~L9は、モジュール積層体2の第2方向D2の端部2b,2cに設けられた検出素子12に接続されている。ガイド部材30は、配線L1~L9を端部2b,2cの検出素子12から拘束板8Aまで案内している。配線L1~L9がモジュール積層体2の端部2b,2cに接続されているので、ガイド部材30が配線L1~L9を第2方向D2に沿って案内する距離が長くなり易い。これにより、ガイド部材30とモジュール積層体2との間における第2方向D2に沿う膨張収縮量の差が大きくなり易い。よって、第2係止部39が第2方向D2に移動可能な構成が特に有効である。
【0094】
配線L1~L9は、電圧検出素子に接続された配線L1~L6と、温度検出素子に接続された配線L7~L9とを含む。電圧検出素子に接続された配線L1~L6は、電磁ノイズ(電磁波)を発生させる。したがって、温度検出信号に対する電磁ノイズの影響を低減可能な構成が特に有効である。電圧検出信号の電圧レベルは、温度検出信号の電圧レベルよりも高い。
【0095】
ガイド部材30は、第2方向D2に沿って延在し、第2延在部33における第2端部31bと第1接続部31cとの間に接続された第3延在部34を更に有する。第3延在部34は、第1方向D1において第1延在部32から離間して配置されている。配線L1,L2は、ガイド部材30Aの第3延在部34及び第2延在部33により案内される。配線L7,L8は、ガイド部材30Aの第1延在部32及び第2延在部33により案内される。このように、ガイド部材30Aによれば、電圧検出素子に接続された配線L1,L2と、温度検出素子に接続された配線L7,L8と、を第1延在部32及び第3延在部34により経路を分けて配策することができる。よって、温度検出信号に対する電磁ノイズの影響を低減できる。
【0096】
配線L3~L6は、ガイド部材30Bの第1延在部32及び第2延在部33により案内される。配線L9は、ガイド部材30Bの第3延在部34及び第2延在部33により案内される。このように、ガイド部材30Bによれば、電圧検出素子に接続された配線L3~L6と、温度検出素子に接続された配線L9とを第1延在部32及び第3延在部34により経路を分けて配策することができる。よって、温度検出信号に対する電磁ノイズの影響を低減できる。
【0097】
ガイド部材30は、第1延在部32と第3延在部34とを連結する連結部35を含んでいる。連結部35は、第2方向D2において第2延在部33から離間すると共に、第1方向D1に沿って延在している。このため、第1延在部32及び第3延在部34が互いに離間した状態に保たれ易い。よって、温度検出信号に対する電磁ノイズの影響をより低減できる。
【0098】
拘束板8Bは、第1方向D1から見て、第3方向D3においてモジュール積層体2と隣り合う縁部10を有する。縁部10は、第1方向D1の内側に開口し、第2方向D2に沿って延在する凹部16を有する。第2係止部39は、凹部16A内に圧入されている。このため、第2係止部39が拘束板8Bに係止されつつ、第1方向D1及び第2方向D2に移動可能な構成が容易に実現できる。
【0099】
第1固定部36は、拘束板8Bを第1方向D1において貫通する貫通孔16dに挿通されている。これにより、第1固定部36を拘束板8Bに容易に固定することができる。
【0100】
第2固定部37は、拘束板8Aを第1方向D1において貫通する貫通孔16dに挿通されている。これにより、第2固定部37を拘束板8Aに容易に固定することができる。
【0101】
本開示は上記実施形態に限定されない。
【0102】
上記実施形態では、貫通孔16dは、底壁16cを第1方向D1において貫通しているが、例えば、貫通孔16dは、第3方向D3の外側(モジュール積層体2の反対側)に配置された側壁16bを第3方向D3に貫通していてもよい。この場合、例えば、第1固定部36及び第2固定部37は、第1端部31a及び第2端部31bから第3方向D3に突出し、対応する貫通孔16dに挿通される構成とすることができる。
【0103】
上記実施形態では、一対の拘束板8は、貫通孔16dの位置の点で互いに異なる形状を有しているが、互いに同じ形状を有していてもよい。この場合、例えば、各拘束板8の形状を、第1固定部36及び第2固定部37に対応する位置のそれぞれに貫通孔16dが設けられた共通形状とすることができる。
【0104】
上記実施形態では、蓄電装置1は一対のガイド部材30を備えるが、少なくとも一つのガイド部材30を備えればよい。配線L1~L9は、電圧検出素子及び温度検出素子に接続されているが、これら以外に接続されていてもよい。ガイド部材30は、第3延在部34を備えなくてもよい。ガイド部材30は、少なくとも一本の配線を案内する構成であればよい。
【0105】
上記実施形態では、外面10aは、外面11aよりも第1方向D1の内側に位置しているが、外面10aは、外面11aと同一平面上に位置していてもよいし、外面11aよりも第1方向D1の外側に位置していてもよい。内面10bは、内面11bよりも第1方向D1の内側に位置しているが、内面10bは、内面11bと同一平面上に位置していてもよいし、内面11bよりも第1方向D1の外側に位置していてもよい。
【0106】
上記実施形態では、第1方向D1から見た集電板5の面積は、蓄電モジュール3の面積よりも小さいが、放熱性の向上の観点から、蓄電モジュール3の面積と同一であってもよく、蓄電モジュール3の面積よりも大きくてもよい。
【0107】
絶縁板20は、底部20aの第2方向D2の両端部に接続され、第1方向D1に延在する一対の側部を更に有する箱形状であってもよい。
【符号の説明】
【0108】
1…蓄電装置、2…モジュール積層体、2a…側面、2b,2c…端部、3…蓄電モジュール、35…連結部、8,8A,8B…拘束板、10…縁部、16,16A,16B…凹部、16d…貫通孔、12…検出素子、30,30A,30B…ガイド部材、31…本体部、31a…第1端部、31b…第2端部、31c…第1接続部、32…第1延在部、33…第2延在部、34…第3延在部、36…第1固定部、37…第2固定部、38…第1係止部、L1~L9…配線。