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特開2022-175870保護装置、負荷駆動システム、保護方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022175870
(43)【公開日】2022-11-25
(54)【発明の名称】保護装置、負荷駆動システム、保護方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01K 7/24 20060101AFI20221117BHJP
   G01K 7/01 20060101ALI20221117BHJP
   H02M 1/00 20070101ALI20221117BHJP
【FI】
G01K7/24 A
G01K7/01 C
H02M1/00 H
H02M1/00 R
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021082626
(22)【出願日】2021-05-14
(71)【出願人】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】吉野 雄介
(72)【発明者】
【氏名】中神 孝志
(72)【発明者】
【氏名】飯田 亮
【テーマコード(参考)】
2F056
5H740
【Fターム(参考)】
2F056JT01
2F056JT08
5H740BA12
5H740BB05
5H740BC01
5H740BC02
5H740MM08
5H740MM11
(57)【要約】
【課題】パワー半導体の温度に応じて適切なタイミングに負荷駆動システムを保護することのできる保護装置を提供する。
【解決手段】保護装置は、第1電流により蓄積した電荷に応じた電圧を出力するキャパシタと、前記キャパシタが出力する電圧が一定のしきい値を超えるか否かを判定するとともに、負荷を駆動するパワー半導体の温度に係る情報に応じた大きさの第2電流を生成し、生成した前記第2電流に基づいて、前記第1電流の大きさを変更する保護回路と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電流により蓄積した電荷に応じた電圧を出力するキャパシタと、
前記キャパシタが出力する電圧が一定のしきい値を超えるか否かを判定するとともに、負荷を駆動するパワー半導体の温度に係る情報に応じた大きさの第2電流を生成し、生成した前記第2電流に基づいて、前記第1電流の大きさを変更する保護回路と、
を備える保護装置。
【請求項2】
前記保護回路は、
前記パワー半導体をオン状態にする場合にオン指令を出力し、前記キャパシタが出力する電圧が前記しきい値を超えたと判定した場合に前記オン指令の出力を停止する、
請求項1に記載の保護装置。
【請求項3】
前記保護回路は、
前記第2電流を生成する電流生成回路を備え、
前記電流生成回路は、
前記パワー半導体の温度に応じて値が変化する電圧を生成する電圧生成回路と、第1オペアンプと、第2オペアンプと、第1抵抗と、第2抵抗と、第3抵抗と、第4抵抗と、第5抵抗と、を備え、
前記第1オペアンプの正転入力端子は、前記電圧生成回路に接続され、前記第1オペアンプの反転入力端子は、前記第1オペアンプの出力端子および前記第1抵抗の第1端子に接続され、前記第2オペアンプの正転入力端子は、前記第3抵抗の第1端子および前記第4抵抗の第1端子に接続され、前記第2オペアンプの反転入力端子は、前記第1抵抗の第2端子および前記第2抵抗の第1端子に接続され、前記第2オペアンプの出力端子は、前記第2抵抗の第2端子および前記第5抵抗の第1端子に接続され、前記第4抵抗の第2端子は、前記第5抵抗の第2端子および前記キャパシタに接続され、前記第3抵抗の第2端子は、グラウンド端子に接続される、
請求項1または請求項2に記載の保護装置。
【請求項4】
前記電圧生成回路は、
前記パワー半導体の近傍に設けられたサーミスタと、定電流源と、を備え、前記定電流源が生成した電流が前記サーミスタに流れた場合に、前記サーミスタに生じる電圧を前記第1オペアンプの正転入力端子に印加する、
請求項3に記載の保護装置。
【請求項5】
前記電圧生成回路は、
前記パワー半導体の近傍に設けられたダイオードと、定電流源と、を備え、前記定電流源が生成した電流が前記ダイオードに流れた場合に、前記ダイオードに生じる電圧を前記第1オペアンプの正転入力端子に印加する、
請求項3に記載の保護装置。
【請求項6】
前記電圧生成回路は、
前記パワー半導体の温度変化に応じた電流を生成する電流源と、第6抵抗と、を備え、前記電流源が生成した電流が前記第6抵抗に流れた場合に、前記第6抵抗に生じる電圧を前記第1オペアンプの正転入力端子に印加する、
請求項3に記載の保護装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6の何れか一項に記載の保護装置と、
前記保護装置の保護対象となるパワー半導体を備える駆動装置と、
を備える負荷駆動システム。
【請求項8】
第1電流により蓄積した電荷に応じた電圧を出力することと、
出力する電圧が一定のしきい値を超えるか否かを判定するとともに、負荷を駆動するパワー半導体の温度に係る情報に応じた大きさの第2電流を生成し、生成した前記第2電流に基づいて、前記第1電流の大きさを変更することと、
を含む保護方法。
【請求項9】
コンピュータに、
第1電流により蓄積した電荷に応じた電圧を出力することと、
出力する電圧が一定のしきい値を超えるか否かを判定するとともに、負荷を駆動するパワー半導体の温度に係る情報に応じた大きさの第2電流を生成し、生成した前記第2電流に基づいて、前記第1電流の大きさを変更することと、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、保護装置、負荷駆動システム、保護方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
パワー半導体を用いて負荷を駆動する負荷駆動システムにおいて、パワー半導体が短絡した場合、許容値を超える大電流が流れる可能性がある。そのため、負荷駆動システムの中には、パワー半導体の短絡を検出した場合に負荷駆動システムに大電流が流れないようにする保護装置を備えるものもある。
【0003】
特許文献1には、関連する技術として、負荷駆動システムにおいて、過電流を判定するためのしきい値をパワー半導体の温度に応じて変更することにより、パワー半導体の温度に応じて適切なタイミングに負荷駆動システムを保護する保護装置に関する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-198460号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、パワー半導体の短絡耐量は、ジャンクション温度が高温になるにつれて小さくなる。よって、負荷駆動システムでは、パワー半導体のジャンクション温度が高い場合、ジャンクション温度が低い場合に比べて短時間で保護動作させる必要がある。そのため、パワー半導体の温度に応じて適切なタイミングに負荷駆動システムを保護することのできる(特許文献1とは別の)技術が求められている。
【0006】
本開示は、上記の課題を解決することのできる保護装置、負荷駆動システム、保護方法及びプログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本開示に係る保護装置は、第1電流により蓄積した電荷に応じた電圧を出力するキャパシタと、前記キャパシタが出力する電圧が一定のしきい値を超えるか否かを判定するとともに、負荷を駆動するパワー半導体の温度に係る情報に応じた大きさの第2電流を生成し、生成した前記第2電流に基づいて、前記第1電流の大きさを変更する保護回路と、を備える。
【0008】
本開示に係る負荷駆動システムは、上記の保護装置と、前記保護装置の保護対象となるパワー半導体を備える駆動装置と、を備える。
【0009】
本開示に係る保護方法は、第1電流により蓄積した電荷に応じた電圧を出力することと、出力する電圧が一定のしきい値を超えるか否かを判定するとともに、負荷を駆動するパワー半導体の温度に係る情報に応じた大きさの第2電流を生成し、生成した前記第2電流に基づいて、前記第1電流の大きさを変更することと、を含む。
【0010】
本開示に係るプログラムは、コンピュータに、第1電流により蓄積した電荷に応じた電圧を出力することと、出力する電圧が一定のしきい値を超えるか否かを判定するとともに、負荷を駆動するパワー半導体の温度に係る情報に応じた大きさの第2電流を生成し、生成した前記第2電流に基づいて、前記第1電流の大きさを変更することと、を実行させる。
【発明の効果】
【0011】
本開示の実施形態による保護装置、負荷駆動システム、保護方法及びプログラムによれば、パワー半導体の温度に応じて適切なタイミングに負荷駆動システムを保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本開示の一実施形態による負荷駆動システムの構成の第1の例を示す図である。
図2】本開示の一実施形態による負荷駆動システムの構成の第2の例を示す図である。
図3】本開示の一実施形態による保護回路の構成の一例を示す図である。
図4】本開示の一実施形態による検出装置の構成の一例を示す図である。
図5】本開示の一実施形態における電流Ioutの効果を説明するための図である。
図6】本開示の別の実施形態による保護回路の構成の一例を示す図である。
図7】本開示の別の実施形態による保護装置の構成の一例を示す図である。
図8】少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<実施形態>
以下、本開示の一実施形態による負荷駆動システムについて説明する。
(負荷駆動システムの構成)
図1は、本開示の一実施形態による負荷駆動システム1の構成の第1の例を示す図である。負荷駆動システム1は、図1に示すように、駆動装置10および保護装置20を備える。なお、図1には、駆動装置10の駆動対象となる負荷30が示されている。図2は、本開示の一実施形態による負荷駆動システム1の構成の第2の例を示す図である。図2に示す負荷駆動システム1は、図1に示す負荷駆動システム1の具体例の1つである。
【0014】
駆動装置10は、パワー半導体により負荷30を駆動する装置である。駆動装置10は、例えば、図2に示すように、NチャネルMOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタ(以下、NMOSと記載)101、102を備える。NMOS101、102は、パワー半導体である。NMOS101がオン状態の場合、NMOS102はオフ状態であり、NMOS101から負荷30に向かって電流を流し込む。また、NMOS101がオフ状態の場合、NMOS102はオン状態であり、負荷30からNMOS102に向かって電流を引き込む。ただし、NMOS101とNMOS102とが同時にオン状態にならないように(すなわち、貫通電流が流れないように)、デッドタイムを設けるものであってもよい。なお、NMOS101のソースとNMOS102のドレインの間には、電源40が接続される。電源40が出力する電圧は、例えば、数100ボルトである。
【0015】
保護装置20は、駆動装置10が備えるパワー半導体の温度に応じたタイミングで負荷駆動システムを保護する装置である。保護装置20は、図2に示すように、保護回路20a、20bを備える。保護回路20a、20bのそれぞれは、端子A、B、C、Dを有する。そして、保護回路20a、20bのそれぞれは、端子Cと端子Aの間に、電源50が接続される。電源50が出力する電圧は、例えば、数10ボルトである。なお、端子A、B、C、Dの具体例については後述する。
【0016】
図3は、本開示の一実施形態による保護回路20a、20bの構成の一例を示す図である。保護回路20a、20bのそれぞれは、図3に示すように、オペレーショナルアンプリファイア(以下、オペアンプと記載)201、202、サーミスタ203(電圧生成回路の一例)、抵抗204、205、206、207、208、209、210、211、ダイオード212、およびキャパシタ213、および検出装置214を備える。
【0017】
オペアンプ201の正転入力端子は、サーミスタ203の第1端子および検出装置214の第1端子に接続される。オペアンプ201の反転入力端子は、オペアンプ201の出力端子および抵抗207の第1端子に接続される。
【0018】
オペアンプ202の正転入力端子は、抵抗209の第1端子および抵抗210の第1端子に接続される。オペアンプ202の反転入力端子は、抵抗207の第2端子および抵抗208の第1端子に接続される。オペアンプ202の出力端子は、抵抗208の第2端子および抵抗211の第1端子に接続される。
【0019】
サーミスタ203の第2端子は、グラウンド端子に接続される。抵抗204の第1端子は、電源端子に接続される。抵抗204の第2端子は、抵抗205の第1端子およびダイオード212のアノードに接続される。抵抗205の第2端子は、抵抗206の第1端子、抵抗210の第2端子、抵抗211の第2端子、キャパシタ213の第1端子、および検出装置214の第2端子に接続される。抵抗206の第2端子、抵抗209の第2端子、キャパシタ213の第2端子、検出装置214の第3端子、および検出装置214の第4端子は、グラウンド端子に接続される。なお、電源端子は、保護回路20a、20bの端子Aの具体例である。また、ダイオード212のカソードは、保護回路20a、20bの端子Bの具体例である。また、グラウンド端子は、保護回路20a、20bの端子Cの具体例である。また、検出装置214の第5端子は、保護回路20a、20bの端子Dの具体例である。
【0020】
検出装置214は、駆動装置10におけるNMOS101、102の短絡を検出する装置である。図4は、本開示の一実施形態による検出装置214の構成の一例を示す図である。検出装置214は、図4に示すように、判定部2141、電流生成部2142、および駆動部2143を備える。なお、検出装置214は、IC(Integrated Circuit)内で実現されるものであってもよい。
【0021】
判定部2141は、キャパシタ213に流れる電流(第1電流の一例)により蓄積した電荷に応じてキャパシタ213が出力する電圧を検出する。判定部2141は、キャパシタ213が出力する電圧が、予め定めた一定のしきい値を超えるか否かを判定する。そして、判定部2141は、キャパシタ213が出力する電圧が、そのしきい値を超えたと判定した場合、パワー半導体が短絡していると判定する。つまり、判定部2141は、グラウンド端子を基準に検出装置214の第2端子における電位がしきい値を超えた場合にパワー半導体が短絡していると判定する。駆動部2143がパワー半導体にオン指令を出力していない場合、検出装置214の第2端子の電位が上昇しないように、検出装置214の第2端子を検出装置214内部でグラウンド端子に短絡する。なお、パワー半導体の短絡の具体例については、後述する。
【0022】
電流生成部2142(電圧生成回路の一例)は、電流を生成し、生成した電流をサーミスタ203に流す。これにより、保護回路20a、20bは、負荷30を駆動する駆動装置10が備えるNMOS101、102(パワー半導体の一例)の温度に係る情報に応じた大きさの電流(第2電流の一例)を生成する。そして、保護回路20a、20bは、生成した電流に基づいてキャパシタ213に流れる電流の大きさを変更する。
【0023】
例えば、電流生成部2142は、温度が変化するパワー半導体近傍に設けられたサーミスタ203に定電流Iを流す。これにより、保護回路20a、20bは、温度特性を有する電圧Vtを生成する。そして、その電圧Vtからその電圧値に応じて変化する電流Ioutが生成される。この電流Ioutは、図3に示すように、キャパシタ213の充電を妨げるように働く。一般的に、サーミスタ203は、高温になるにつれて抵抗値が小さくなる。そのため、後に詳細を示すように、パワー半導体が高温になるにつれて(すなわち、サーミスタ203が高温になるにつれて)、電流Ioutは小さくなる。つまり、キャパシタ213を充電する電流は、パワー半導体が高温になるにつれて増加する。その結果、キャパシタ213に掛かる電圧は、パワー半導体が低温である場合に比べてパワー半導体が高温である場合の方が短時間で上昇する。判定部2141が判定時に用いるしきい値は一定値であるため、判定部2141は、パワー半導体が低温である場合に比べてパワー半導体が高温である場合の方が早期に短絡を判定することができることになる。
【0024】
ここで、図3を参照して、電流Ioutを導出する。なお、オペアンプ201の正転入力端子の電位をVtとする。また、オペアンプ202の正転入力端子の電位をV1とする。また、オペアンプ202の出力端子の電位をV2とする。また、検出装置214の第2端子の電位をV3とする。また、抵抗204、205、206、207、208、209、210、211それぞれの抵抗値を、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8とする。また、サーミスタ203の抵抗値をRtとする。また、抵抗207に流れる電流をI1とする。また、抵抗209に流れる電流をI2とする。また、抵抗211に流れる電流をI3とする。
【0025】
オペアンプ202の正転入力端子の電位V1は、式(1)で表すことができる。
【0026】
【数1】
【0027】
オペアンプ202の正転入力端子の電位がV1であるため、オペアンプ202について仮想接地を考えると、オペアンプ202の反転入力端子の電位はV1となる。よって、電流I1について、式(2)が成り立つ。
【0028】
【数2】
【0029】
抵抗208に流れる電流はI1であるため、電位V2は、式(3)で表すことができる。
【0030】
【数3】
【0031】
また、電流I3は、式(4)で表すことができる。
【0032】
【数4】
【0033】
また、電流I2について、式(5)が成り立つ。
【0034】
【数5】
【0035】
電流I2と電流I3の和が電流Ioutである。そのため、電流Ioutは、式(6)で表すことができる。
【0036】
【数6】
【0037】
ここで、R4・(R7+R8)=R5・R6とすると、式(7)が成り立つ。
【0038】
【数7】
【0039】
ここで、式(7)における電圧Vtは、電流生成部2142が出力する定電流Iに温度特性を有するサーミスタ203の抵抗値Rtを掛けたものである。よって、抵抗値をR4・(R7+R8)=R5・R6が成り立つように調整し、R5とR4・R8との比および電圧Vt(すなわち、電流生成部2142が生成した電流)を調整することにより、保護回路20a、20bは、パワー半導体が高温になるにつれて、電流値が小さくなる電流Ioutを生成することができる。
【0040】
図5は、本開示の一実施形態における電流Ioutの効果を説明するための図である。次に、図5を参照して、電流Ioutによる効果について説明する。図5において、横軸はジャンクション温度あるいはサーミスタ温度を示す。また、縦軸は、時間を示す。図5における線(A)は、短絡耐量であり、この時間までに保護動作が実行されなければパワー半導体に不具合が発生することを示している。また、図5における線(B)は、パワー半導体がスイッチングするのに必要な時間を示している。つまり、線(A)を超えるタイミングで保護回路が動作した場合、パワー半導体に不具合が発生し、線(B)未満のタイミングで保護回路が動作した場合、パワー半導体のスイッチングが完了していないため、短絡していると誤判断されてしまう。そのため、保護回路を動作させるタイミングは、線(A)と線(B)の間のタイミングでなければならない。しかしながら、電流Ioutを用いない温度によらず一定条件が成立した場合に動作させる従来の保護回路では、図5に示す低温時のスイッチングに必要な時間以上でかつ短絡耐量に対してマージンが確保できる線(C)に保護回路が動作するように設定されることが多い。この場合、高温時に線(A)と線(B)の差が大きくなっており、高温時に短絡耐量に対してマージンを持たせることができる状況にあるにも関わらず、マージンを持たせることができない。
【0041】
一方、本開示の一実施形態では、温度特性を有する電流Ioutを用いることで、図5における線(D)のように、保護回路を動作させるタイミングを調整することが可能になる。よって、高温時に短絡耐量に対してマージンを持たせることができる。
【0042】
駆動部2143は、駆動装置10のパワー半導体(すなわち、NMOS)を駆動する。例えば、駆動部2143は、NMOSをオン状態にする間、そのNMOSのゲートにオン指令を出力する。また、駆動部2143は、NMOSをオフ状態にする間、NMOSのゲートにはオン指令を出力しない。つまり、駆動部2143は、NMOSをオン状態にする間のみ、そのNMOSのゲートにオン指令を出力する。
【0043】
(保護回路の動作)
次に、本開示の一実施形態による保護回路20a、20bの動作について、図2および図3を参照して説明する。本開示の一実施形態による保護回路20a、20bは、電流生成部2142が生成する電流Iをサーミスタ203に流すことにより、温度特性を有する電圧Vtを生成する回路であり、その電圧Vtの値に応じて変化する電流Iout(温度に係る情報に応じた大きさの電流)を生成することで、パワー半導体の温度変化に応じてキャパシタ213を充電する電流を変化させ充電時間を変化させる回路である。
【0044】
なお、電源40が出力する電圧は、例えば、数100ボルトであるものとする。また、電源50が出力する電圧は、例えば、数10ボルトであるものとする。つまり、電源40が出力する電圧は、電源50が出力する電圧に比べて充分に大きいものとする。
【0045】
まず、パワー半導体であるNMOS101、102が共に短絡していない場合の保護回路20a、20bの動作について説明する。図2に示すNMOS101、102が共に短絡していない場合、NMOS101、102のそれぞれは、オン指令を受けた場合にオン状態になる。その場合、オン状態になっているNMOS(NMOS101またはNMOS102)のソースとドレインとの間に掛かる電圧は、電源50が出力する電圧に比べて充分に低い電圧(例えば、1ボルト)である。したがって、図3に示すダイオード212は、順方向バイアスとなり、電流を流す。この場合、電源50からダイオード212を介してオン状態になっているNMOS(NMOS101またはNMOS102)に電流が流れる。その結果、ダイオード212がオン状態になった場合、ダイオード212のアノードとグラウンド端子(端子C)との間の電圧は、NMOS(NMOS101またはNMOS102)の静特性の線形領域におけるソース-ドレイン間電圧と、ダイオード212の順方向電圧の和になる。なお、この場合の静特性は、ソース-ドレイン間電圧とドレイン電流との関係を示す特性である。そのため、抵抗205、206、キャパシタ213に流れる電流は、ダイオード212がオフ状態の場合に比べて小さく、検出装置214の第2端子における電位は、低いままである。その結果、判定部2141は、キャパシタ213が出力する電圧がしきい値を超えていない、つまりパワー半導体は短絡していないと判定する。
【0046】
次に、パワー半導体が短絡した場合の保護回路20aの動作について説明する。ここでは、NMOS102が短絡した場合の保護回路20aの動作について、図2および図3を参照して説明する。図2に示すNMOS102が短絡した場合、保護回路20aのグラウンド端子の電位は、保護回路20bのグラウンド端子の電位まで低下する。その結果、NMOS101のソースとドレインとの間には、電源40が出力する電圧が印加される。したがって、保護回路20aが備えるダイオード212は、逆方向バイアスとなり、電流を流さない。その結果、抵抗205、206、キャパシタ213に電流が流れる。このとき流れる電流は、上述したように、電流Ioutによって温度特性を有する電流であり、パワー半導体が高温になるにつれて電流が大きくなる。その結果、キャパシタ213が出力する電圧は高温になるにつれて早期にしきい値を超えるため、判定部2141は、パワー半導体の温度に応じた適切なタイミングでパワー半導体の短絡を検出することができる。そして、判定部2141がパワー半導体の短絡を検出したタイミングに応じて、駆動部2143がNMOSを制御する(例えば、オン指令の出力を停止する)ことにより、実際に保護回路20aを動作させることができ、負荷駆動システム1を保護することができる。なお、NMOS101が短絡した場合の保護回路20bの動作についても、回路の対称性を考慮して同様に考えることができる。
【0047】
(作用、効果)
以上、本開示の一実施形態による負荷駆動システム1について説明した。負荷駆動システム1の保護装置20において、キャパシタ213は、第1電流により蓄積した電荷に応じた電圧を出力する。また、保護回路20a、20bは、キャパシタ213が出力する電圧が一定のしきい値を超えるか否かを判定する。保護回路20a、20bは、負荷30を駆動するパワー半導体(NMOS101、102)の温度に係る情報に応じた大きさの第2電流(Iout)を生成し、生成した第2電流に基づいて、前記第1電流の大きさを変更する。
こうすることで、保護装置20は、パワー半導体(NMOS101、102)の温度に応じて適切なタイミングに負荷駆動システム1を保護することができる。
【0048】
なお、本開示の一実施形態では、NMOS101、102のスイッチングの制御(すなわち、NMOS101、102のゲートに印加する電圧の制御)は、保護装置20が行うものとして説明した。しかしながら、本開示の別の実施形態では、NMOS101、102のスイッチングの制御は、図示していない制御装置が行うものであってもよい。
【0049】
なお、本開示の一実施形態では、サーミスタ203の温度特性を利用して電流Ioutに温度特性を持たせるものとして負荷駆動システム1を説明した。しかしながら、本開示の別の実施形態では、サーミスタ203以外の温度特性を利用して電流Ioutに温度特性を持たせるものであってもよい。例えば、パワー半導体近傍に設けられたダイオードの温度特性を利用して、電流Ioutに温度特性を持たせるものであってもよい。具体的には、図6に示すように、ダイオード215に電流生成部2142が生成した定電流Iを流すことにより、電圧Vtに温度特性を持たせ、その結果、電流Ioutに温度特性を持たせるものであってもよい。また、例えば、パワー半導体近傍にPN接合の温度特性を用いた温度検出手段を設け、検出した温度に応じた電圧をAD変換することで温度に応じた電圧のデジタル値を生成する。このデジタル値を用いて、図7に示すように、電流生成部2142が温度特性を有する電流を生成し、生成した電流を抵抗216に流すことで、電圧Vtに温度特性を持たせる、または第1電流に直接温度特性を持たせるものであってもよい。
【0050】
なお、本開示の別の実施形態では、保護装置20は、例えば、図7に示すように、検出装置214の第2端子から抵抗を介さずダイオード212を介してパワー半導体に電流を供給するものであってもよい。そして、そのパワー半導体に供給する電流に電流Ioutを用いて温度特性を持たせるものであってもよい。なお、保護装置20が検出装置214の第2端子から抵抗を介さずダイオード212を介してパワー半導体に電流を供給する場合であっても、電流Ioutに温度特性を持たせる方法は、電流生成部2142が温度特性を有する電流を生成し、生成した電流を抵抗216に流すものに限らず、上述の何れの方法を用いるものであってもよい。
【0051】
なお、本開示の実施形態における処理は、適切な処理が行われる範囲において、処理の順番が入れ替わってもよい。
【0052】
本開示の実施形態における記憶部、その他の記憶装置のそれぞれは、適切な情報の送受信が行われる範囲においてどこに備えられていてもよい。また、記憶部、その他の記憶装置のそれぞれは、適切な情報の送受信が行われる範囲において複数存在しデータを分散して記憶していてもよい。
【0053】
本開示の実施形態について説明したが、上述の保護装置20、検出装置214、その他の制御装置は内部に、コンピュータシステムを有していてもよい。そして、上述した処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。コンピュータの具体例を以下に示す。
【0054】
図8は、少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。
コンピュータ5は、図8に示すように、CPU6、メインメモリ7、ストレージ8、インターフェース9を備える。
例えば、上述の保護装置20、検出装置214、その他の制御装置のそれぞれは、コンピュータ5に実装される。そして、上述した各処理部の動作は、プログラムの形式でストレージ8に記憶されている。CPU6は、プログラムをストレージ8から読み出してメインメモリ7に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、CPU6は、プログラムに従って、上述した各記憶部に対応する記憶領域をメインメモリ7に確保する。
【0055】
ストレージ8の例としては、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、半導体メモリ等が挙げられる。ストレージ8は、コンピュータ5のバスに直接接続された内部メディアであってもよいし、インターフェース9または通信回線を介してコンピュータ5に接続される外部メディアであってもよい。また、このプログラムが通信回線によってコンピュータ5に配信される場合、配信を受けたコンピュータ5が当該プログラムをメインメモリ7に展開し、上記処理を実行してもよい。少なくとも1つの実施形態において、ストレージ8は、一時的でない有形の記憶媒体である。
【0056】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現してもよい。さらに、上記プログラムは、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるファイル、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0057】
なお、他の実施形態においては、保護装置20、検出装置214、その他の制御装置のそれぞれは、上記構成に加えて、または上記構成に代えてPLD(Programmable Logic Device)などのカスタムLSI(Large Scale Integrated Circuit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、GPU(Graphics Processing Unit)、及びこれらに類する処理装置を備えてもよい。PLDの例としては、PAL(Programmable Array Logic)、GAL(Generic Array Logic)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)が挙げられる。この場合、プロセッサによって実現される機能の一部または全部が当該集積回路によって実現されてよい。
【0058】
本開示のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例であり、開示の範囲を限定しない。これらの実施形態は、開示の要旨を逸脱しない範囲で、種々の追加、省略、置き換え、変更を行ってよい。
【0059】
<付記>
本開示の各実施形態に記載の保護装置20、負荷駆動システム1保護方法及びプログラムは、例えば以下のように把握される。
【0060】
(1)第1の態様に係る保護装置(20)は、第1電流により蓄積した電荷に応じた電圧を出力するキャパシタ(213)、前記キャパシタ(213)が出力する電圧が一定のしきい値を超えるか否かを判定するとともに、負荷(30)を駆動するパワー半導体(101、102)の温度に係る情報に応じた大きさの第2電流(Iout)を生成し、生成した前記第2電流(Iout)に基づいて、前記第1電流の大きさを変更する保護回路(20a、20b)と、を備える。
【0061】
この保護装置(20)により、パワー半導体(101、102)の温度に応じたタイミングでパワー半導体(101、102)の短絡を検出することができる。その結果、保護装置(20)により、パワー半導体(101、102)の温度に応じて適切なタイミングに負荷駆動システム(1)を保護することができる。
【0062】
(2)第2の態様に係る保護装置(20)は、(1)の保護装置(20)であって、前記保護回路(20a、20b)は、前記パワー半導体(101、102)をオン状態にする場合にオン指令を出力し、前記キャパシタ(213)が出力する電圧が前記しきい値を超えたと判定した場合に前記オン指令の出力を停止するものであってもよい。
【0063】
この保護装置(20)により、パワー半導体(101、102)の温度に応じたタイミングでパワー半導体(101、102)の短絡を検出することができる。その結果、保護装置(20)により、パワー半導体(101、102)の温度に応じて適切なタイミングに負荷駆動システム(1)を保護することができる。
【0064】
(3)第3の態様に係る保護装置(20)は、(1)または(2)の保護装置(20)であって、前記保護回路(20a、20b)は、前記第2電流を生成する電流生成回路を備え、前記電流生成回路は、前記パワー半導体(101、102)の温度に応じて値が変化する電圧を生成する電圧生成回路(203、215、216、2142)と、第1オペアンプ(201)と、第2オペアンプ(202)と、第1抵抗(204)と、第2抵抗(205)と、第3抵抗(206)と、第4抵抗(207)と、第5抵抗(208)と、を備え、前記第1オペアンプ(201)の正転入力端子は、前記電圧生成回路(203、215、216、2142)に接続され、前記第1オペアンプ(201)の反転入力端子は、前記第1オペアンプ(201)の出力端子および前記第1抵抗(207)の第1端子に接続され、前記第2オペアンプ(202)の正転入力端子は、前記第3抵抗(209)の第1端子および前記第4抵抗(210)の第1端子に接続され、前記第2オペアンプ(202)の反転入力端子は、前記第1抵抗(207)の第2端子および前記第2抵抗(208)の第1端子に接続され、前記第2オペアンプ(202)の出力端子は、前記第2抵抗(208)の第2端子および前記第5抵抗(211)の第1端子に接続され、前記第4抵抗(210)の第2端子は、前記第5抵抗(211)の第2端子および前記キャパシタ(213)に接続され、前記第3抵抗(209)の第2端子は、グラウンド端子に接続されるものであってもよい。
【0065】
この保護装置(20)により、パワー半導体(101、102)の温度に応じたタイミングでパワー半導体(101、102)の短絡を検出することができる。その結果、保護装置(20)により、パワー半導体(101、102)の温度に応じて適切なタイミングに負荷駆動システム(1)を保護することができる。
【0066】
(4)第4の態様に係る保護装置(20)は、(3)の保護装置(20)であって、前記電圧生成回路(203、2142)は、前記パワー半導体(101、102)の近傍に設けられたサーミスタ(203)と、定電流源(2142)と、を備え、前記定電流源(2142)が生成した電流が前記サーミスタ(203)に流れた場合に、前記サーミスタ(203)に生じる電圧を前記第1オペアンプ(201)の正転入力端子に印加するものであってもよい。
【0067】
この保護装置(20)により、サーミスタ(203)が有する温度特性に応じた第2電流を生成することができ、パワー半導体(101、102)の温度に応じたタイミングでパワー半導体(101、102)の短絡を検出することができる。その結果、保護装置(20)により、パワー半導体(101、102)の温度に応じて適切なタイミングに負荷駆動システム(1)を保護することができる。
【0068】
(5)第5の態様に係る保護装置(20)は、(3)の保護装置(20)であって、前記電圧生成回路(215、2142)は、前記パワー半導体(101、102)の近傍に設けられたダイオード(215)と、定電流源(2142)と、を備え、前記定電流源(2142)が生成した電流が前記ダイオード(215)に流れた場合に、前記ダイオード(215)に生じる電圧を前記第1オペアンプ(201)の正転入力端子に印加するものであってもよい。
【0069】
この保護装置(20)により、ダイオード(215)のPN接合が有する温度特性に応じた第2電流を生成することができ、パワー半導体(101、102)の温度に応じたタイミングでパワー半導体(101、102)の短絡を検出することができる。その結果、保護装置(20)により、パワー半導体(101、102)の温度に応じて適切なタイミングに負荷駆動システム(1)を保護することができる。
【0070】
(6)第6の態様に係る保護装置(20)は、(3)の保護装置(20)であって、前記電圧生成回路(216、2142)は、前記パワー半導体(101、102)の温度変化に応じた電流を生成する電流源(2142)と、第6抵抗(216)と、を備え、前記電流源(2142)が生成した電流が前記第6抵抗(216)に流れた場合に、前記第6抵抗(216)に生じる電圧を前記第1オペアンプ(201)の正転入力端子に印加するものであってもよい。
【0071】
この保護装置(20)により、温度に応じた電流を抵抗(216)に流すことにより第2電流を生成することができ、パワー半導体(101、102)の温度に応じたタイミングでパワー半導体(101、102)の短絡を検出することができる。その結果、保護装置(20)により、パワー半導体(101、102)の温度に応じて適切なタイミングに負荷駆動システム(1)を保護することができる。
【0072】
(7)第7の態様に係る負荷駆動システム(1)は、(1)から(6)の保護装置(20)と、前記保護装置(20)の保護対象となるパワー半導体(101、102)を備える駆動装置(10)と、を備える。
【0073】
この負荷駆動システム(1)により、パワー半導体(101、102)の温度に応じたタイミングでパワー半導体(101、102)の短絡を検出することができる。その結果、負荷駆動システム(1)により、パワー半導体(101、102)の温度に応じて適切なタイミングに負荷駆動システム(1)を保護することができる。
【0074】
(8)第8の態様に係る保護方法は、第1電流により蓄積した電荷に応じた電圧を出力することと、出力する電圧が一定のしきい値を超えるか否かを判定するとともに、負荷(30)を駆動するパワー半導体(101、102)の温度に係る情報に応じた大きさの第2電流(Iout)を生成し、生成した前記第2電流(Iout)に基づいて、前記第1電流の大きさを変更することと、を含む。
【0075】
この保護方法により、パワー半導体(101、102)の温度に応じたタイミングでパワー半導体(101、102)の短絡を検出することができる。その結果、保護方法により、パワー半導体(101、102)の温度に応じて適切なタイミングに負荷駆動システム(1)を保護することができる。
【0076】
(9)第9の態様に係るプログラムは、コンピュータに、第1電流により蓄積した電荷に応じた電圧を出力することと、出力する電圧が一定のしきい値を超えるか否かを判定するとともに、負荷(30)を駆動するパワー半導体(101、102)の温度に係る情報に応じた大きさの第2電流(Iout)を生成し、生成した前記第2電流(Iout)に基づいて、前記第1電流の大きさを変更することと、を実行させる。
【0077】
このプログラムにより、パワー半導体(101、102)の温度に応じたタイミングでパワー半導体(101、102)の短絡を検出することができる。その結果、プログラムにより、パワー半導体(101、102)の温度に応じて適切なタイミングに負荷駆動システム(1)を保護することができる。
【符号の説明】
【0078】
1・・・負荷駆動システム
5・・・コンピュータ
6・・・CPU
7・・・メインメモリ
8・・・ストレージ
9・・・インターフェース
10・・・駆動装置
20・・・保護装置
20a、20b・・・保護回路
30・・・負荷
40、50・・・電源
101、102・・・NMOS
201、202・・・オペアンプ
203・・・サーミスタ
204、205、206、207、208、209、210、211、216・・・抵抗
212、215・・・ダイオード
213・・・キャパシタ
214・・・検出装置
2141・・・判定部
2142・・・電流生成部
2143・・・駆動部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8