(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022175890
(43)【公開日】2022-11-25
(54)【発明の名称】アドバイス提示システム、情報端末、器具端末、プログラム及びアドバイス提示方法
(51)【国際特許分類】
G09B 9/058 20060101AFI20221117BHJP
G06Q 50/20 20120101ALI20221117BHJP
【FI】
G09B9/058 Z
G06Q50/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】22
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021082658
(22)【出願日】2021-05-14
(71)【出願人】
【識別番号】521209627
【氏名又は名称】株式会社ブーンカンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100148127
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 耕太
(72)【発明者】
【氏名】渡辺未来雄
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC34
(57)【要約】
【課題】自転車の使用者のスキルを向上させるためのアドバイスの質を向上させる。
【解決手段】情報端末2と器具端末3とを備えるアドバイス提示システム1であって、器具端末3は、使用者を含む使用者画像を撮像する第1撮像部31aと、自転車4を含む器具画像を撮像する第2撮像部31bと、を有し、情報端末2は、器具端末3から使用者画像及び器具画像を取得する画像取得部231と、使用者画像に基づいて使用者の状態を特定し、器具画像に基づいて自転車の状態を特定する第1状態特定部232と、使用者の状態及び自転車の状態に関連付けられた複数のアドバイス候補のうち、第1状態特定部232が特定した使用者の状態及び自転車の状態に関連付けられている一以上のアドバイス候補に基づいてアドバイスを作成する第1アドバイス作成部233と、第1アドバイス作成部が作成したアドバイスを提示する第1アドバイス提示部234と、を有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自転車に装着された器具端末と、前記自転車を使用する使用者が前記自転車を使用するスキルを向上させるためのアドバイスを提示する情報端末と、を備えるアドバイス提示システムであって、
前記器具端末は、
前記使用者を含む使用者画像を撮像する第1撮像部と、
前記自転車を含む器具画像を撮像する第2撮像部または前記自転車の状態を検出し検出した状態を示す状態情報を出力する検出部と、を有し、
前記情報端末は、
前記器具端末から前記使用者画像及び前記器具画像または前記状態情報を取得する画像取得部と、
前記使用者画像に基づいて前記使用者の状態を特定し、前記器具画像または前記状態情報に基づいて前記自転車の状態を特定する第1状態特定部と、
前記使用者の状態及び前記自転車の状態に関連付けられた複数のアドバイス候補のうち、前記第1状態特定部が特定した前記使用者の状態及び前記自転車の状態に関連付けられている一以上のアドバイス候補に基づいて前記アドバイスを作成する第1アドバイス作成部と、
前記第1アドバイス作成部が作成した前記アドバイスを提示する第1アドバイス提示部と、
を有するアドバイス提示システム。
【請求項2】
前記第1状態特定部は、前記使用者画像に基づいて前記使用者の状態として前記使用者の身体の姿勢及び動きの少なくともいずれかを特定し、前記器具画像に基づいて前記自転車の傾き、速度及び加速度の少なくともいずれかを前記自転車の状態として特定する、
請求項1に記載のアドバイス提示システム。
【請求項3】
前記第1状態特定部は、前記使用者画像に基づいて前記使用者の状態として前記使用者の顔の表情を特定する、
請求項1又は2に記載のアドバイス提示システム。
【請求項4】
前記第1状態特定部は、前記器具画像に基づいて前記自転車の周辺の状態をさらに特定し、
前記第1アドバイス作成部は、前記使用者の状態、前記自転車の状態及び前記自転車の周辺の状態に関連付けられた複数のアドバイス候補のうち、前記第1状態特定部が特定した前記使用者の状態、前記自転車の状態及び前記自転車の周辺の状態に関連付けられている一以上のアドバイス候補に基づいて前記アドバイスを作成する、
請求項1から3のいずれかに記載のアドバイス提示システム。
【請求項5】
前記第1アドバイス作成部は、前記自転車の周辺の状態が直線路である場合に、直線路用の前記一以上のアドバイス候補に基づいて前記アドバイスを作成し、前記自転車の周辺の状態がカーブ路である場合に、カーブ路用の前記一以上のアドバイス候補に基づいて前記アドバイスを作成する、
請求項4に記載のアドバイス提示システム。
【請求項6】
前記情報端末は、前記自転車及び前記使用者を含む画像を撮像する第3撮像部をさらに有し、
前記第1状態特定部は、前記自転車及び前記使用者を含む画像に基づいて前記使用者の身体の位置と前記自転車を構成する部材の位置との相対的な位置関係を特定し、
前記第1アドバイス作成部は、前記相対的な位置関係に関連付けられた前記一以上のアドバイス候補に基づいて前記アドバイスを作成する、
請求項1から5のいずれかに記載のアドバイス提示システム。
【請求項7】
前記器具端末は、
前記使用者画像に基づいて前記使用者の状態を特定し、前記器具画像または前記状態情報に基づいて前記自転車の状態を特定する第2状態特定部と、
前記使用者の状態及び前記自転車の状態に関連付けられた複数のアドバイス候補のうち、前記第2状態特定部が特定した前記使用者の状態及び前記自転車の状態に関連付けられている一以上のアドバイス候補に基づいて前記使用者向けのアドバイスを作成する第2アドバイス作成部と、
前記第2アドバイス作成部が作成した前記アドバイスを提示する第2アドバイス提示部と、
を有する請求項1から6のいずれかに記載のアドバイス提示システム。
【請求項8】
前記第2アドバイス作成部は、前記第1アドバイス作成部が作成した前記アドバイスと異なる前記アドバイスを作成する、
請求項7に記載のアドバイス提示システム。
【請求項9】
前記第1アドバイス作成部が作成する指導者向けアドバイスは言語情報を含み、前記第2アドバイス作成部が作成する使用者向けアドバイスは言語情報を含まず、音・光・振動のいずれかまたはこれらの組み合わせにより構成される、 請求項8に記載のアドバイス提示システム。
【請求項10】
前記情報端末は、前記使用者画像のうち、前記第1アドバイス作成部が前記アドバイスを作成したタイミングに基づいて選択された期間の画像を記憶部に記憶させる、
請求項1から9のいずれかに記載のアドバイス提示システム。
【請求項11】
前記自転車が、ペダルを外した状態でハンドル操作を練習し、その後ペダルを装着してペダル操作を練習することを目的とした、ペダルを着脱可能な自転車であり、
前記第1アドバイス作成部は、前記ペダルが装着されていない状態で前記自転車が使用されている間に撮影された前記使用者画像及び前記器具画像または前記状態情報に基づいて前記第1状態特定部が特定した前記使用者の状態及び前記自転車の状態に基づいて、前記ペダルを装着するタイミングを指示する前記アドバイスを作成する、
請求項1から10のいずれかに記載のアドバイス提示システム。
【請求項12】
前記第1アドバイス作成部は、前記指導者向けのアドバイスとして、前記自転車に対する前記指導者の立ち位置を指示することを特徴とする、請求項1から11のいずれかに記載のアドバイス提示システム。
【請求項13】
前記第1状態特定部は、前記使用者画像に基づいて前記使用者の状態として前記使用者が前記自転車のペダルを漕ぐ際の足の動きを特定する、 請求項1から12のいずれかに記載のアドバイス提示システム。
【請求項14】
自転車を使用する使用者が前記自転車を使用するスキルを向上させるためのアドバイスを提示する情報端末であって、
前記使用者を含む使用者画像及び前記自転車を含む器具画像を取得する画像取得部と、
前記使用者画像に基づいて前記使用者の状態を特定し、前記器具画像に基づいて前記自転車の状態を特定する第1状態特定部と、
前記使用者の状態及び前記自転車の状態に関連付けられた複数のアドバイス候補のうち、前記第1状態特定部が特定した前記使用者の状態及び前記自転車の状態に関連付けられている一以上のアドバイス候補に基づいて前記アドバイスを作成する第1アドバイス作成部と、
前記第1アドバイス作成部が作成した前記アドバイスを提示する第1アドバイス提示部と、
を有する情報端末。
【請求項15】
自転車に装着され、前記自転車を使用する使用者が前記自転車を使用するスキルを向上させるためのアドバイスを提示する器具端末であって、
前記使用者を含む使用者画像を撮像する第1撮像部と、
前記自転車を含む器具画像を撮像する第2撮像部または前記自転車の状態を検出し検出した状態を示す状態情報を出力する検出部と、
前記使用者画像または前記状態情報に基づいて前記使用者の状態を特定し、前記器具画像に基づいて前記自転車の状態を特定する第2状態特定部と、
前記使用者の状態及び前記自転車の状態に関連付けられた複数のアドバイス候補のうち、前記第2状態特定部が特定した前記使用者の状態及び前記自転車の状態に関連付けられている一以上のアドバイス候補に基づいて前記アドバイスを作成する第2アドバイス作成部と、
前記第2アドバイス作成部が作成した前記アドバイスを提示する第2アドバイス提示部と、
を有する器具端末。
【請求項16】
自転車を使用する使用者が前記自転車を使用するスキルを向上させるためのアドバイスを提示するコンピュータに、
前記使用者を含む使用者画像及び前記自転車を含む器具画像を取得するステップと、
前記使用者画像に基づいて前記使用者の状態を特定し、前記器具画像に基づいて前記自転車の状態を特定するステップと、
前記使用者の状態及び前記自転車の状態に関連付けられた複数のアドバイス候補のうち、特定した前記使用者の状態及び前記自転車の状態に関連付けられている一以上のアドバイス候補に基づいて前記アドバイスを作成するステップと、
作成した前記アドバイスを提示するステップと、
を実行させるためのプログラム。
【請求項17】
自転車に装着されており、前記自転車を使用する使用者が前記自転車を使用するスキルを向上させるためのアドバイスを提示するコンピュータに、
前記使用者を含む使用者画像を撮像するステップと、
前記自転車を含む器具画像を撮像するステップと、
前記使用者画像に基づいて前記使用者の状態を特定し、前記器具画像に基づいて前記自転車の状態を特定するステップと、
前記使用者の状態及び前記自転車の状態に関連付けられた複数のアドバイス候補のうち、特定した前記使用者の状態及び前記自転車の状態に関連付けられている一以上のアドバイス候補に基づいて前記アドバイスを作成するステップと、
作成した前記アドバイスを提示するステップと、
を実行させるためのプログラム。
【請求項18】
自転車を使用する使用者が前記自転車を使用するスキルを向上させるためのアドバイスを提示するコンピュータが実行する方法であって、
前記使用者を含む使用者画像を撮像するステップと、
前記自転車を含む器具画像を撮像するステップと、
前記使用者画像及び前記器具画像を取得するステップと、
前記使用者画像に基づいて前記使用者の状態を特定し、前記器具画像に基づいて前記自転車の状態を特定するステップと、
前記使用者の状態及び前記自転車の状態に関連付けられた複数のアドバイス候補のうち、特定した前記使用者の状態及び前記自転車の状態に関連付けられている一以上のアドバイス候補に基づいて前記アドバイスを作成するステップと、
作成した前記アドバイスを提示するステップと、
を有するアドバイス提示方法。
【請求項19】
自転車に装着された器具端末と、前記自転車を使用する使用者が前記自転車を使用するスキルを向上させるためのアドバイスを提示する情報端末と、を備えるアドバイス提示システムであって、
前記器具端末は、
前記使用者を含む使用者画像を撮像する撮像部と、
前記自転車の状態を検出し、検出した状態を示す状態情報を出力する検出部と、を有し、
前記情報端末は、
前記器具端末から前記使用者画像及び前記状態情報を取得する取得部と、
前記使用者画像に基づいて前記使用者の状態を特定し、前記状態情報に基づいて前記自転車の状態を特定する第1状態特定部と、
前記使用者の状態及び前記自転車の状態に関連付けられた複数のアドバイス候補のうち、前記第1状態特定部が特定した前記使用者の状態及び前記自転車の状態に関連付けられている一以上のアドバイス候補に基づいて前記アドバイスを作成する第1アドバイス作成部と、
前記第1アドバイス作成部が作成した前記アドバイスを提示する第1アドバイス提示部と、
を有するアドバイス提示システム。
【請求項20】
自転車に装着され、前記自転車を使用する使用者が前記自転車を使用するスキルを向上させるためのアドバイスを提示する器具端末を備えるアドバイス提示システムであって、
前記器具端末は、
前記使用者を含む使用者画像を撮像する撮像部と、
前記自転車の状態を検出し、検出した状態を示す状態情報を出力する検出部と、
前記使用者画像に基づいて前記使用者の状態を特定し、前記状態情報に基づいて前記自転車の状態を特定する第2状態特定部と、
前記使用者の状態及び前記自転車の状態に関連付けられた複数のアドバイス候補のうち、前記第2状態特定部が特定した前記使用者の状態及び前記自転車の状態に関連付けられている一以上のアドバイス候補に基づいて前記アドバイスを作成する第2アドバイス作成部と、
前記第2アドバイス作成部が作成した前記アドバイスを提示する第2アドバイス提示部と、
を有するアドバイス提示システム。
【請求項21】
自転車に装着され、前記自転車を使用する使用者が前記自転車を使用するスキルを向上させるための器具端末であって、
前記使用者を含む使用者画像を撮像する第1撮像部と、
前記自転車を含む器具画像を撮像する第2撮像部または前記自転車の状態を検出し、検出した状態を示す状態情報を出力する検出部と、
前記器具画像または前記状態情報に基づいて前記自転車の状態を特定する第2状態特定部とを有し、
前記第2撮像部が撮像した器具画像または前記検出部が出力した状態情報が一定の条件を満たす場合に、前記第2状態特定部は、使用者が自転車に乗れたと判定し、
第1撮像部が、使用者を撮像する、器具端末。
【請求項22】
前記器具端末に加え、前記自転車から離れた位置で使用される情報端末を備え、前記第2状態特定部により使用者が自転車に乗れたと判定された際、前記器具端末から前記情報端末へ信号が送られ、前記情報端末においてアラートが発せられる、請求項21に記載のアドバイス提示システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自転車の使用者及び使用者に対して指導する指導者にアドバイスを提示するためのアドバイス提示システム、情報端末、器具端末、プログラム及びアドバイス提示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車の運転者に対してアドバイスを提示する電子機器が開示されている。例えば、特許文献1においては、自動車の運転者に対して運転の習熟度に応じたアドバイスを提示する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の技術においては、運転者の動作に関する履歴情報及び運転者の身体的特徴に関する属性情報等を用いて習熟度を算出し、習熟度に応じたアドバイスを提示している。しかしながら、自転車及びスケートボード等の自転車を使用する場合、使用者の動作が同じであっても、自転車の状態と使用者の動作との関係によって、使用者の動作が適切か否かが異なる。このため、使用者の動作を用いるだけでは、アドバイスの精度が不十分な場合があるという問題があった。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、自転車の使用者のスキルを向上させるためのアドバイスの質を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様のアドバイス提示システムは、自転車に装着された器具端末と、前記自転車を使用する使用者が前記自転車を使用するスキルを向上させるためのアドバイスを提示する情報端末と、を備えるアドバイス提示システムであって、前記器具端末は、前記使用者を含む使用者画像を撮像する第1撮像部と、前記自転車を含む器具画像を撮像する第2撮像部と、を有し、前記情報端末は、前記器具端末から前記使用者画像及び前記器具画像を取得する画像取得部と、前記使用者画像に基づいて前記使用者の状態を特定し、前記器具画像に基づいて前記自転車の状態を特定する第1状態特定部と、前記使用者の状態及び前記自転車の状態に関連付けられた複数のアドバイス候補のうち、前記第1状態特定部が特定した前記使用者の状態及び前記自転車の状態に関連付けられている一以上のアドバイス候補に基づいて前記アドバイスを作成する第1アドバイス作成部と、前記第1アドバイス作成部が作成した前記アドバイスを提示する第1アドバイス提示部と、を有する。
【0007】
前記第1状態特定部は、前記使用者画像に基づいて前記使用者の状態として前記使用者の身体の姿勢及び動きの少なくともいずれかを特定し、前記器具画像に基づいて前記自転車の傾き、速度及び加速度の少なくともいずれかを前記自転車の状態として特定してもよい。
【0008】
前記第1状態特定部は、前記使用者画像に基づいて前記使用者の状態として前記使用者の顔の表情を特定してもよい。
【0009】
前記第1状態特定部は、前記器具画像に基づいて前記自転車の周辺の状態をさらに特定し、前記第1アドバイス作成部は、前記使用者の状態、前記自転車の状態及び前記自転車の周辺の状態に関連付けられた複数のアドバイス候補のうち、前記第1状態特定部が特定した前記使用者の状態、前記自転車の状態及び前記自転車の周辺の状態に関連付けられている一以上のアドバイス候補に基づいて前記アドバイスを作成してもよい。
【0010】
前記第1アドバイス作成部は、前記自転車の周辺の状態が直線路である場合に、直線路用の前記一以上のアドバイス候補に基づいて前記アドバイスを作成し、前記自転車の周辺の状態がカーブ路である場合に、カーブ路用の前記一以上のアドバイス候補に基づいて前記アドバイスを作成してもよい。
【0011】
前記情報端末は、前記自転車及び前記使用者を含む画像を撮像する第3撮像部をさらに有し、前記第1状態特定部は、前記自転車及び前記使用者を含む画像に基づいて前記使用者の身体の位置と前記自転車を構成する部材の位置との相対的な位置関係を特定し、前記第1アドバイス作成部は、前記相対的な位置関係に関連付けられた前記一以上のアドバイス候補に基づいて前記アドバイスを作成してもよい。
【0012】
前記器具端末は、前記使用者画像に基づいて前記使用者の状態を特定し、前記器具画像に基づいて前記自転車の状態を特定する第2状態特定部と、前記使用者の状態及び前記自転車の状態に関連付けられた複数のアドバイス候補のうち、前記第2状態特定部が特定した前記使用者の状態及び前記自転車の状態に関連付けられている一以上のアドバイス候補に基づいて前記アドバイスを作成する第2アドバイス作成部と、前記第2アドバイス作成部が作成した前記アドバイスを提示する第2アドバイス提示部と、を有してもよい。
【0013】
前記第2アドバイス作成部は、前記第1アドバイス作成部が作成した前記アドバイスと異なる前記アドバイスを作成してもよい。
【0014】
前記情報端末は、前記使用者画像のうち、前記第1アドバイス作成部が前記アドバイスを作成したタイミングに基づいて選択された期間の画像を記憶部に記憶させてもよい。
【0015】
前記自転車が、ペダルを着脱可能な自転車であり、前記第1アドバイス作成部は、前記ペダルが装着されていない状態で前記自転車が使用されている間に撮影された前記使用者画像及び前記器具画像に基づいて前記第1状態特定部が特定した前記使用者の状態及び前記自転車の状態に基づいて、前記ペダルを装着することを促す前記アドバイスを作成してもよい。
【0016】
本発明の第2の態様の情報端末は、自転車を使用する使用者が前記自転車を使用するスキルを向上させるためのアドバイスを提示する情報端末であって、前記使用者を含む使用者画像及び前記自転車を含む器具画像を取得する画像取得部と、前記使用者画像に基づいて前記使用者の状態を特定し、前記器具画像に基づいて前記自転車の状態を特定する第1状態特定部と、前記使用者の状態及び前記自転車の状態に関連付けられた複数のアドバイス候補のうち、前記第1状態特定部が特定した前記使用者の状態及び前記自転車の状態に関連付けられている一以上のアドバイス候補に基づいて前記アドバイスを作成する第1アドバイス作成部と、前記第1アドバイス作成部が作成した前記アドバイスを提示する第1アドバイス提示部と、を有する。
【0017】
本発明の第3の態様の器具端末は、自転車に装着されており、前記自転車を使用する使用者が前記自転車を使用するスキルを向上させるためのアドバイスを提示する器具端末であって、前記使用者を含む使用者画像を撮像する第1撮像部と、前記自転車を含む器具画像を撮像する第2撮像部と、前記使用者画像に基づいて前記使用者の状態を特定し、前記器具画像に基づいて前記自転車の状態を特定する第2状態特定部と、前記使用者の状態及び前記自転車の状態に関連付けられた複数のアドバイス候補のうち、前記第2状態特定部が特定した前記使用者の状態及び前記自転車の状態に関連付けられている一以上のアドバイス候補に基づいて前記アドバイスを作成する第2アドバイス作成部と、前記第2アドバイス作成部が作成した前記アドバイスを提示する第2アドバイス提示部と、を有する。
【0018】
本発明の第4の態様のプログラムは、自転車を使用する使用者が前記自転車を使用するスキルを向上させるためのアドバイスを提示するコンピュータに、前記使用者を含む使用者画像及び前記自転車を含む器具画像を取得するステップと、前記使用者画像に基づいて前記使用者の状態を特定し、前記器具画像に基づいて前記自転車の状態を特定するステップと、前記使用者の状態及び前記自転車の状態に関連付けられた複数のアドバイス候補のうち、特定した前記使用者の状態及び前記自転車の状態に関連付けられている一以上のアドバイス候補に基づいて前記アドバイスを作成するステップと、作成した前記アドバイスを提示するステップと、を実行させるためのプログラムである。
【0019】
本発明の第5の態様のプログラムは、自転車に装着されており、前記自転車を使用する使用者が前記自転車を使用するスキルを向上させるためのアドバイスを提示するコンピュータに、前記使用者を含む使用者画像を撮像するステップと、前記自転車を含む器具画像を撮像するステップと、前記使用者画像に基づいて前記使用者の状態を特定し、前記器具画像に基づいて前記自転車の状態を特定するステップと、前記使用者の状態及び前記自転車の状態に関連付けられた複数のアドバイス候補のうち、特定した前記使用者の状態及び前記自転車の状態に関連付けられている一以上のアドバイス候補に基づいて前記アドバイスを作成するステップと、作成した前記アドバイスを提示するステップと、を実行させるためのプログラムである。
【0020】
本発明の第6の態様のアドバイス提示方法は、自転車を使用する使用者が前記自転車を使用するスキルを向上させるためのアドバイスを提示するコンピュータが実行する方法であって、前記使用者を含む使用者画像を撮像するステップと、前記自転車を含む器具画像を撮像するステップと、前記使用者画像及び前記器具画像を取得するステップと、前記使用者画像に基づいて前記使用者の状態を特定し、前記器具画像に基づいて前記自転車の状態を特定するステップと、前記使用者の状態及び前記自転車の状態に関連付けられた複数のアドバイス候補のうち、特定した前記使用者の状態及び前記自転車の状態に関連付けられている一以上のアドバイス候補に基づいて前記アドバイスを作成するステップと、作成した前記アドバイスを提示するステップと、を有する。
【0021】
本発明の第7の態様のアドバイス提示システムは、自転車に装着された器具端末と、前記自転車を使用する使用者が前記自転車を使用するスキルを向上させるためのアドバイスを提示する情報端末と、を備えるアドバイス提示システムであって、前記器具端末は、前記使用者を含む使用者画像を撮像する撮像部と、前記自転車の状態を検出し、検出した状態を示す状態情報を出力する検出部と、を有し、前記情報端末は、前記器具端末から前記使用者画像及び前記状態情報を取得する取得部と、前記使用者画像に基づいて前記使用者の状態を特定し、前記状態情報に基づいて前記自転車の状態を特定する第1状態特定部と、前記使用者の状態及び前記自転車の状態に関連付けられた複数のアドバイス候補のうち、前記第1状態特定部が特定した前記使用者の状態及び前記自転車の状態に関連付けられている一以上のアドバイス候補に基づいて前記アドバイスを作成する第1アドバイス作成部と、前記第1アドバイス作成部が作成した前記アドバイスを提示する第1アドバイス提示部と、を有する。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、自転車の使用者のスキルを向上させるためのアドバイスの質を向上させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】アドバイス提示システムの概要を説明するための図である。
【
図5】情報端末においてアドバイスを提示する処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
[アドバイス提示システムの概要]
図1は、アドバイス提示システム1の概要を説明するための図である。アドバイス提示システム1は、自転車4を使用する使用者が自転車4を使用するスキルを向上させるためのアドバイスを提示するためのシステムである。アドバイス提示システム1は、情報端末2と、器具端末3と、を有する。
【0025】
アドバイス提示システム1において、情報端末2は、自転車4に装着された器具端末3により撮像された画像に基づいて自転車を使用する使用者が自転車4を使用するスキルを向上させるためのアドバイスを提示する。このようにすることで、例えば、自転車4の使用者に対して指導する指導者が情報端末2に提示されたアドバイスを用いて使用者に指導することができる。
【0026】
器具端末3は、自転車4の使用者の状態及び自転車4の状態を撮像することができる端末であり、例えばスマートフォン又はタブレットであるが、使用者の身体に装着される形態の端末(例えば眼鏡形状の端末)であってもよい。器具端末3は、撮像した画像を情報端末2に送信することができる。
【0027】
図1において、自転車4は、主に自転車の乗り方を習得することを目的とする練習用自転車であり、ペダルを着脱可能である。
図1において、自転車4は、ペダルを着脱可能な自転車を示しているが、自転車4は、ペダルが固定された自転車、ペダルなし自転車、スケートボード、鉄棒等のように、器具端末3を装着可能な他の自転車であってもよい。
【0028】
[情報端末2の概要]
図2は、情報端末2の機能構成を示す図である。情報端末2は、自転車4を使用する使用者が自転車4を使用するスキルを向上させるためのアドバイスを提示する端末である。情報端末2は、撮像部21と、通信部22と、制御部23と、記憶部24と、表示部25と、音声出力部26とを有する。制御部23は、画像取得部231と、第1状態特定部232と、第1アドバイス作成部233と、第1アドバイス提示部234とを有する。
【0029】
撮像部21は、レンズ及び撮像素子を有しており、撮像画像を生成する。具体的には、撮像部21は、自転車4及び使用者を含む画像を撮像し、撮像画像を生成する。
【0030】
通信部22は、他のコンピュータ等の電子機器との間でデータを送受信するための通信インターフェースであり、例えばLAN(Local Area Network)コントローラを含む。通信部22は、例えばインターネット又はLAN等のネットワークに接続されており、もしくは器具端末3に無線通信で直接接続され、器具端末3からネットワークを介して受信した画像を画像取得部231に入力する。
【0031】
制御部23は、例えばCPU(Central Processing Unit)を含んでおり、記憶部24に記憶されたプログラムを実行することにより、画像取得部231、第1状態特定部232、第1アドバイス作成部233及び第1アドバイス提示部234として機能する。制御部23は、CPUとともに、又はCPUの代わりに他の回路を含んでもよい。
【0032】
記憶部24は、例えばROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びハードディスク等の記憶媒体を含む。記憶部24は、制御部23が実行するプログラムを記憶する。また、記憶部24は、使用者の状態及び自転車の状態に関連付けられた複数のアドバイス候補を記憶する。さらに、記憶部24は、第1状態特定部232が使用者画像から使用者の状態を特定し、第1状態特定部232が器具画像から自転車4の状態を特定するための各種アルゴリズムを記憶する。また、記憶部24は、自転車及び使用者を含む画像から周囲の状態を特定するための各種アルゴリズムを記憶する。
【0033】
表示部25は、画像を表示するためのディスプレイである。表示部25は、制御部23から入力される表示用データを表示する。音声出力部26は、例えばスピーカーであり、制御部23から入力される音声データを音声として出力する。
【0034】
画像取得部231は、通信部22を介して、器具端末3の撮像部が撮像した使用者を含む使用者画像及び自転車4を含む器具画像を取得する。また、画像取得部231は、撮像部21が生成した自転車4及び使用者を含む画像を取得してもよい。
【0035】
第1状態特定部232は、画像取得部231が取得した使用者画像に基づいて使用者の状態を特定し、画像取得部231が取得した器具画像に基づいて自転車の状態を特定する。
【0036】
具体的には、第1状態特定部232は、使用者画像に基づいて使用者の状態として使用者の身体の姿勢及び動きの少なくともいずれかを特定する。第1状態特定部232は、例えば、記憶部24に記憶されている人間の身体の姿勢及び動きを検出するアルゴリズムを用いて使用者画像から使用者の身体の複数の部位の特徴点を検出する。
【0037】
そして、第1状態特定部232は、記憶部24に記憶されている身体の複数の部位の特徴点と身体の姿勢及び/又は動きとを関連付けた情報を参照して、検出した使用者の身体の複数の部位の特徴点に関連付けられている身体の姿勢及び/又は動きを使用者の身体の及び/又は動きとして特定する。第1状態特定部232は、身体の姿勢及び動きの両方を特定してもよく、身体の姿勢及び動きのいずれか一方を特定してもよい。
【0038】
また、第1状態特定部232は、器具画像に基づいて自転車4の傾き、速度及び加速度の少なくともいずれかを自転車4の状態として特定する。
【0039】
第1状態特定部232は、例えば、記憶部24に記憶された物体検出アルゴリズムを用いて器具画像から自転車4のハンドルの画像を検出し、自転車4のハンドルが水平状態の基準画像と検出した画像とを比較することにより自転車4のハンドルの傾きを検出する。そして、第1状態特定部232は、検出した自転車4のハンドルの傾きを自転車4の状態として特定する。第1状態特定部232が器具画像から特定する自転車4の傾きは、自転車4のハンドルの傾き、自転車4のタイヤの傾き、自転車4の車体全体の傾きであってもよい。
【0040】
また、例えば、予め自転車4のタイヤにマーキングが施されている場合、第1状態特定部232は、記憶部24に記憶されている画像処理アルゴリズムを用いて回転しているタイヤを撮像した画像内のマーキングの画像を検出する。そして、第1状態特定部232は、記憶部24に記憶されているマーキングの画像と自転車4の速度とを関連付けた情報を参照し、特定したマーキングの画像に関連付けられている速度を自転車4の速度として特定する。また、第1状態特定部232は、自転車4の加速度も自転車4の速度と同様の手法で特定することができる。
【0041】
なお、自動車等のように高速で回転しているタイヤを撮像した画像からマーキングが施された部分を検出することは困難であるが、自転車4のタイヤが低速で回転する場合(例えば、自転車4が幼児向けの小型自転車である場合)であれば、画像処理アルゴリズムを用いて回転しているタイヤを撮像した画像内のマーキングの画像を検出することが可能である。
【0042】
また、第1状態特定部232は、使用者画像に基づいて使用者の状態として使用者の顔の表情を特定してもよい。第1状態特定部232は、例えば、記憶部24に記憶されている顔認識アルゴリズムを用いて使用者画像から使用者の顔の表情を特定する。特定される顔の表情は、自転車4の使用に関連する表情であり、例えば、余裕がある、緊張している、笑っている、泣いている等である。このように使用者の顔の表情を特定することで、使用者の状態を適切に特定することができる。
【0043】
また、第1状態特定部232は、器具画像に基づいて自転車4の周辺の状態をさらに特定してもよい。第1状態特定部232は、例えば、記憶部24に記憶された物体検出アルゴリズムを用いて器具画像から路面の状態、自転車4の周囲の物体等を検出し、検出した路面の状態や、周囲の物体等を自転車4の周辺の状態として特定する。自転車4の周辺の状態は、例えば、自転車が走行する路面がカーブ路である、直線路である、上り斜面である、下り斜面である、路面に障害物(例えば、パイロン)があること等である。
【0044】
また、第1状態特定部232は、撮像部21が撮像した自転車4及び使用者を含む画像に基づいて使用者の身体の位置と自転車4を構成する部材の位置との相対的な位置関係を特定してもよい。第1状態特定部232は、例えば、検出した使用者の身体の臀部の重心と自転車4のサドルの重心との間の重心間距離を求める。そして、第1状態特定部232は、重心間距離が一定距離以上離れているか否かを判定し、重心間距離が一定距離以上離れている又は一定距離未満であることを相対的な位置関係として特定する。
【0045】
第1アドバイス作成部233は、記憶部24に記憶されている使用者の状態及び自転車4の状態に関連付けられた複数のアドバイス候補のうち、第1状態特定部232が特定した使用者の状態及び自転車4の状態に関連付けられている一以上のアドバイス候補に基づいてアドバイスを作成する。
【0046】
第1アドバイス作成部233は、例えば、第1状態特定部232が使用者の状態として「身体が真っ直ぐ」を特定し、自転車4の状態として「タイヤが右側に大きく傾く」を特定した場合、第1アドバイス作成部233は、使用者の状態及び自転車の状態に関連付けられているアドバイス候補「バランスが取れていません。真っ直ぐ進めるように地面を蹴る練習をしましょう。」を選択する。そして、第1アドバイス作成部233は、選択したアドバイス候補の画像データ及び/又は音声データを作成する。
【0047】
また、第1アドバイス作成部233は、第1状態特定部232が使用者の状態として「顔の表情が緊張している」を特定し、自転車4の状態として「タイヤが右側に大きく傾く」を特定した場合、第1アドバイス作成部233は、使用者の状態及び自転車の状態に関連付けられているアドバイス候補「緊張しているようです。声をかけてあげましょう。」を選択する。そして、第1アドバイス作成部233は、選択したアドバイス候補の画像データ及び/又は音声データを作成する。
【0048】
第1状態特定部232が自転車4の周辺の状態をさらに特定する場合、第1アドバイス作成部233は、使用者の状態、自転車4の状態及び自転車4の周辺の状態に関連付けられた複数のアドバイス候補のうち、第1状態特定部232が特定した使用者の状態、自転車4の状態及び自転車4の周辺の状態に関連付けられている一以上のアドバイス候補に基づいてアドバイスを作成してもよい。
【0049】
例えば、第1アドバイス作成部233は、第1状態特定部232が使用者の状態として「身体が真っ直ぐ」を特定し、自転車4の状態として「タイヤが右側に大きく傾く」を特定し、周辺の状態として「路面に障害物がある」を特定した場合、第1アドバイス作成部233は、使用者の状態及び自転車の状態に関連付けられているアドバイス候補「障害物にぶつからないように進みましょう。」を選択する。そして、第1アドバイス作成部233は、選択したアドバイス候補の画像データ及び/又は音声データを作成する。
【0050】
このように自転車4の周辺の状態を特定することで、アドバイス提示システム1は、自転車4の状態を適切に特定して、アドバイスを作成することができる。
【0051】
また、第1アドバイス作成部233は、自転車4の周辺の状態が直線路である場合に、直線路用の一以上のアドバイス候補に基づいてアドバイスを作成する。また、第1アドバイス作成部233は、自転車4の周辺の状態がカーブ路である場合に、カーブ路用の一以上のアドバイス候補に基づいてアドバイスを作成する。
【0052】
第1アドバイス作
成部233は、例えば、第1状態特定部232が使用者の状態として「身体が右側に傾く」を特定し、自転車4の状態として「タイヤが右側に傾く」を特定し、周辺の状態として「カーブ路」を特定した場合、カーブ路に対応するアドバイス候補「右回りのカーブを上手く曲がれています。次は、左回りのカーブの練習をしましょう。」を選択する。そして、第1アドバイス作成部233は、選択したアドバイス候補の画像データ及び/又は音声データを作成する。
【0053】
このように周辺の状態が直線路であるか又はカーブ路であるかに応じてアドバイスを作成することで、アドバイス提示システム1は、使用者がスキルを向上させるためにより適切なアドバイスを作成することができる。
【0054】
また、第1状態特定部232が使用者の身体の位置と自転車4を構成する部材の位置との相対的な位置関係を特定する場合、第1アドバイス作成部233は、第1状態特定部232が特定した相対的な位置関係に関連付けられた一以上のアドバイス候補に基づいてアドバイスを作成する。
【0055】
例えば、第1状態特定部232が、使用者の身体の臀部の重心と自転車4のサドルの重心との間の重心間距離が一定距離以上離れていることを相対的な位置関係として特定した場合、第1アドバイス作成部233は、第1状態特定部232が特定した相対的な位置関係に関連付けられた一以上のアドバイス候補「おしりが浮いています。正しい姿勢で乗るように指導しましょう。」を選択する。そして、第1アドバイス作成部233は、選択したアドバイス候補の画像データ及び/又は音声データを作成する。
【0056】
このように使用者の身体の位置と自転車4を構成する部材の位置との相対的な位置関係を特定することで、アドバイス提示システム1は、器具端末3で撮像された一つの画像からは特定できない使用者及び自転車4の状態からアドバイスを作成することができる。
【0057】
また、自転車4がペダルを着脱可能な自転車である場合、第1アドバイス作成部233は、ペダルが装着されていない状態で自転車が使用されている間に撮影された使用者画像及び器具画像に基づいて第1状態特定部232が特定した使用者の状態及び自転車4の状態に基づいて、ペダルを装着することを促すアドバイスを作成する。
【0058】
例えば、第1アドバイス作成部233は、自転車4にペダルが装着されていない状態で、自転車4を正しく乗れていることを示す使用者の状態及び自転車4の状態を特定した場合、ペダルを装着することを促すアドバイス「次はペダルを装着してみましょう。」を作成する。
【0059】
ここで、自転車4を正しく乗れていることを示す使用者の状態及び自転車4の状態は、使用者の状態と自転車4の状態との関係が、ペダルを漕ぐ練習を開始することが可能であることを示す適切な関係である複数の組み合わせを含む。このような組み合わせは、例えば、使用者の状態「身体が真っ直ぐ」及び自転車4の状態「タイヤが水平状態であり、一定以上の速度である」、又は使用者の状態「身体が右側に傾いている」及び自転車4の状態「タイヤが右側に傾いている」等である。
【0060】
このようにすることで、アドバイス提示システム1は、使用者画像及び器具画像に基づいてペダルを装着するために適切なタイミングを含むアドバイスを作成することができる。
【0061】
第1アドバイス提示部234は、第1アドバイス作成部233が作成したアドバイスを提示する。具体的には、第1アドバイス提示部234は、アドバイスの画像データ、テキストデータ等を表示部25に出力して、表示部25に表示させる。また、第1アドバイス提示部234は、音声出力部26にアドバイスの音声データを出力し、音声出力部26が音声を出力する。
【0062】
なお、第1状態特定部232や第1アドバイス作成部233は、インターネットを介して接続されたサーバー上に存在していても良い。この場合、器具端末3により得られたデータがインターネットを介してサーバーへ送られ、いわゆるクラウド上で状態特定及びアドバイスの作成が行われ、サーバーから情報端末2に対してアドバイスもしくはアドバイスを出すための信号が送られ、アドバイスが提示されることになる。
【0063】
[器具端末3の概要]
図3は、器具端末3の機能構成を示す図である。
図3に示す器具端末3は、自転車4に装着されており、撮像機能に加えて、自転車4を使用する使用者が自転車4を使用するスキルを向上させるためのアドバイスを提示する機能を有する。器具端末3は、第1撮像部31aと、第2撮像部31bと、通信部32と、制御部33と、記憶部34と、表示部35と、音声出力部36とを有する。制御部33は、第2状態特定部331と、第2アドバイス作成部332と、第2アドバイス提示部333と、を有する。
【0064】
第1撮像部31a及び第2撮像部31bは、それぞれレンズ及び撮像素子を有しており、撮像画像を生成する。具体的には、第1撮像部31aは、使用者を含む使用者画像を撮像する。第2撮像部31bは、自転車を含む器具画像を撮像する。第1撮像部31a及び第2撮像部31bは、使用者画像及び器具画像を同時に撮像してもよく、時分割で使用者画像と器具画像とを順次撮像してもよい。第1撮像部31aが第1期間(例えば所定のエリアを1周する期間)にわたって使用者画像を撮像し、第2撮像部31bが第2期間(例えば第1期間の後に所定のエリアを1周する期間)にわたって器具画像を撮像してもよい。
【0065】
通信部32は、他のコンピュータ等の電子機器との間でデータを送受信するための通信インターフェースであり、例えばLAN(Local Area Network)コントローラを含む。通信部32は、例えばインターネット又はLAN等のネットワークに接続されており、ネットワークを介して使用者画像及び器具画像を情報端末2に出力する。
【0066】
制御部33は、例えばCPUを含んでおり、記憶部34に記憶されたプログラムを実行することにより、第2状態特定部331、第2アドバイス作成部332及び第2アドバイス提示部333として機能する。制御部33は、CPUとともに、又はCPUの代わりに他の回路を含んでもよい。
【0067】
記憶部34は、例えばROM、RAM及びハードディスク等の記憶媒体を含む。記憶部34は、制御部33が実行するプログラムを記憶する。また、記憶部24は、使用者の状態及び自転車の状態に関連付けられた複数のアドバイス候補を記憶する。また、記憶部34は、第2状態特定部331が使用者画像から使用者の状態を特定し、第2状態特定部331が器具画像から自転車4の状態を特定するための各種アルゴリズムを記憶する。
【0068】
表示部35は、画像を表示するためのディスプレイである。表示部35は、制御部33から入力される表示用データを表示する。音声出力部36は、例えばスピーカーであり、制御部33から入力される音声データを音声として出力する。
【0069】
第2状態特定部331は、情報端末2の第1状態特定部232と同様に、使用者画像に基づいて使用者の状態を特定し、器具画像に基づいて自転車4の状態を特定する。具体的には、第2状態特定部331は、使用者画像に基づいて使用者の状態として使用者の身体の姿勢及び動きの少なくともいずれかを特定する。第2状態特定部331は、器具画像に基づいて自転車4の傾き、速度及び加速度の少なくともいずれかを自転車4の状態として特定する。
【0070】
また、第2状態特定部331は、使用者画像に基づいて使用者の状態として使用者の顔の表情を特定してもよい。また、第2状態特定部331は、器具画像に基づいて自転車4の周辺の状態をさらに特定してもよい。
【0071】
また、第2状態特定部331は、撮像部21が撮像した自転車4及び使用者を含む画像に基づいて使用者の身体の位置と自転車4を構成する部材の位置との相対的な位置関係を特定してもよい。
【0072】
第2アドバイス作成部332は、情報端末2の第1アドバイス作成部233と同様に、使用者の状態及び自転車4の状態に関連付けられた複数のアドバイス候補のうち、第2状態特定部331が特定した使用者の状態及び自転車4の状態に関連付けられている一以上のアドバイス候補に基づいてアドバイスを作成する。
【0073】
また、第2アドバイス作成部332は、第1アドバイス作成部233が作成したアドバイスと異なるアドバイスを作成してもよい。例えば、器具端末3の第2アドバイス作成部332は、「いち、にっ、いち、にっ」のように使用者がペダルを漕ぐ際のタイミングを指示する音声を出力するための音声データを作成する。第2アドバイス作成部332は、使用者を含む使用者画像が示す使用者の状態、及び自転車4を含む器具画像が示す自転車4の状態に基づく時間間隔でペダルを漕ぐ際のタイミングを指示する音声を出力するための音声データを作成してもよい。
【0074】
一方、情報端末2の第1アドバイス作成部233は、「ペダルがスムーズに漕げていません。」のように指導者が使用者の習得状態を示す画像及び/又は音声を出力するための画像データ及び/又は音声データを作成する。このように使用者用のアドバイスと指導者用のアドバイスと作成することができるため、使用者は、自転車4の使用するスキルを向上させることができる。
【0075】
第2アドバイス提示部333は、第2アドバイス作成部332が作成したアドバイスを提示する。具体的には、第2アドバイス提示部333は、アドバイスの画像データ、テキストデータ等を表示部35に出力して、表示部35に表示させる。また、第2アドバイス提示部333は、音声出力部36にアドバイスの音声データを出力し、音声出力部36に音声を出力させる。
【0076】
[撮像画像の記録]
また、情報端末2の制御部23は、器具端末3の第1撮像部31aが撮像した複数の使用者画像のうち、第1アドバイス作成部233がアドバイスを作成したタイミングに基づいて選択された期間の画像を記憶部24に記憶させてもよい。
【0077】
例えば、制御部23は、第1撮像部31aが撮像した複数の使用者画像のうち、第1アドバイス作成部233がアドバイスを作成したタイミングに基づいて選択された期間の画像を時系列順にアルバム形式に編集し、編集したデータを記憶部24に記憶させる。このようにすることで、アドバイス提示システム1は、自転車の使用者が子供の場合、記憶させた画像を子供の成長記録として残しておくことができる。
【0078】
[アドバイス候補の例]
図4は、アドバイス候補の例を示す図である。
図4に示すようにアドバイス候補は、使用者の状態及び自転車の状態に関連付けられており、情報端末2の記憶部24及び器具端末3の記憶部34に記憶されている。
【0079】
例えば、情報端末2の第1状態特定部232が使用者の状態として「身体が真っ直ぐ」を特定し、自転車4の状態として「タイヤ軸が水平状態であり、一定以上の速度」を特定した場合、第1アドバイス作成部233は、使用者の状態及び自転車の状態に関連付けられているアドバイス候補「真っ直ぐ進めています。次は、カーブを曲がる練習をしましょう。」を選択する。そして、第1アドバイス作成部233は、選択したアドバイス候補の画像データ及び/又は音声データを作成する。
【0080】
また、器具端末3でも情報端末2と同様の処理を行うことによりアドバイス候補からアドバイスを作成する。なお、
図4においては、1対の使用者の状態及び自転車4の状態に1つのアドバイス候補が関連付けられている例を示したが、1対の使用者の状態及び自転車4の状態に複数のアドバイス候補が関連付けられていてもよい。
【0081】
[アドバイス提示処理の流れ]
図5は、情報端末2においてアドバイスを提示する処理の流れを示すフローチャートである。まず、画像取得部231は、器具端末3から通信部22を介して使用者画像及び器具画像を取得する(S1)。第1状態特定部232は、使用者画像に基づいて使用者の状態を特定し、器具画像に基づいて自転車4の状態を特定する(S2)。
【0082】
第1アドバイス作成部233は、使用者の状態及び自転車4の状態に関連付けられた複数のアドバイス候補のうち、第1状態特定部232が特定した使用者の状態及び自転車4の状態に関連付けられている一以上のアドバイス候補に基づいてアドバイスを作成する(S3)。第1アドバイス提示部234は、第1アドバイス作成部233が作成したアドバイスを提示する(S4)。
【0083】
[変形例1]
以上の説明においては、アドバイス提示システム1は、器具端末3の第2撮像部31bにより撮像された器具画像を用いて自転車4の状態を特定したが、器具端末3の構成は、これに限定されない。例えば、器具端末3は、使用者を含む使用者画像を撮像する第1撮像部31aと、自転車4の状態を検出し、検出した状態を示す状態情報を出力する検出部と、を有してもよい。また、第1撮像部31a、第2撮像部31b及び検出部が物理的に一つの器具端末3に内蔵されていなくても良い。第1撮像部31a、第2撮像部31b及び検出部が有線または無線で器具端末3に接続されていれば、器具端末3が第1撮像部31a、第2撮像部31b及び検出部を有すると解釈することができる。
【0084】
この場合、検出部は、例えば、加速度センサ、傾斜センサ又はジャイロセンサ、GPSを用いた距離センサ等を含む。例えば、検出部が加速度センサの場合、検出部は、自転車4の加速度を検出することにより自転車4の車体の傾きを自転車4の状態として検出する。また、検出部が距離センサの場合、検出部は、自転車4の移動軌跡から速度や距離、走行安定性を自転車4の状態として検出する。検出部は、器具端末3とは別個に設けられていてもよく、たとえばホイールの回転数検出装置、ヘルメットに備えられた傾斜センサなどが無線で器具端末3に接続されることで検出部として使用できる。
【0085】
さらに、情報端末2は、器具端末3から使用者画像及び状態情報を取得する取得部と、使用者画像に基づいて使用者の状態を特定し、状態情報に基づいて自転車4の状態を特定する第1状態特定部232とを有する。
【0086】
また、情報端末2は、使用者の状態及び自転車4の状態に関連付けられた複数のアドバイス候補のうち、第1状態特定部232が使用者画像及び状態情報に基づいて特定した使用者の状態及び自転車の状態に関連付けられている一以上のアドバイス候補に基づいてアドバイスを作成する第1アドバイス作成部233と、第1アドバイス作成部233が作成したアドバイスを提示する第1アドバイス提示部234とを有する。
【0087】
このような構成を有することで、アドバイス提示システム1は、画像を用いずに自転車4の状態を検出することができるため、例えば、撮像部により自転車4の状態を特定することが困難な環境であっても自転車4の状態を適切に特定することができる。さらに、画像情報と合わせることにより、例えば、車体が左に傾いているのに目線は右を見ているといったミスマッチに対して指摘を行うことができる。
【0088】
より具体的には、自分で車体を起こすことができるかを、情報端末2に内蔵された傾斜センサ及びカメラにより検出して判定し、バランスバイク時の歩幅の大きさ、その左右差をカメラにより検出しつつスピードをGPSにより検出して閾値を超えているかを判断し、8の字走行時に左右の回り方に差がないかをカメラ、GPS、傾斜センサにより検出して判定し、閾値を超えたら次のステップ、例えばペダルをつけるステップに進むよう促す。
【0089】
さらに、ペダルをつけて自転車としての走行を行う際に、例えば地面から足を離してペダルを10回漕ぐことができた場合に、自転車に乗れた瞬間と判断し、情報端末2のインカメラで使用者の顔などを撮影すると共に、情報端末1に信号を送り、アラートを発する。このようにすることにより、自転車に乗れた決定的な瞬間の表情を映像で残すことを可能とし、親がこの瞬間を見逃すことを防ぐことができる。自転車に乗れていることを判断するには、情報端末2のアウトカメラによりペダルや使用者の足を撮影して連続的に10回漕いでいることを判定し、検出部としての傾斜センサでバランスが取れていることを判定し、これらのデータが閾値を超えたことにより自転車に乗れたとの判定がなされる。
【0090】
[変形例2]
また、以上の説明においては、情報端末2は、自転車4から離間した位置に存在することが想定されていたが、例えば、情報端末2は、器具端末3と同様に自転車4に装着されていてもよい。具体的には、アドバイス提示システム1において、器具端末3が自転車のハンドル付近に装着されており、情報端末2が自転車のサドル付近に装着されていてもよい。
【0091】
このような構成を有することで、アドバイス提示システム1は、情報端末2が自転車4に装着されているので、指導者は、情報端末2からアドバイスの提示を受けながら、使用者の近傍で使用者に対して指導することができる。
【0092】
[変形例3]
さらに、以上の説明においては、情報端末2と器具端末3とを備えることを必須としていたが、これに限らず、器具端末3のみを備えていてもよい。具体的には、アドバイス提示システム1において、器具端末3が自転車のハンドル付近に装着されているのみで、検出部や撮像部から得られた状態の情報からアドバイスが作成され、器具端末3の音声出力部36からの音声などにより使用者本人に対して直接アドバイスしてもよい。
【0093】
[変形例4]
また、アドバイス提示システム1において、自転車4に装着された器具端末3が情報端末2として機能してもよい。この場合、器具端末3の制御部33が、情報端末2の画像取得部231、第1状態特定部232、第1アドバイス作成部233及び第1アドバイス提示部234として機能する。このような構成を有することで、アドバイス提示システム1は、器具端末3単体で情報端末2及び器具端末3の機能を実現することができる。
【0094】
[変形例5]
以上の説明においては、器具端末3が第1撮像部31a及び第2撮像部31bを有する場合を例示したが、器具端末3が、360度の範囲を撮像できる全方位カメラを有しており、全方位カメラによって使用者画像及び器具画像を撮像してもよい。この場合、全方位カメラが第1撮像部及び第2撮像部として機能する。器具端末3に接続された全方位カメラにより使用者画像及び器具画像を撮像してもよい。
【0095】
[変形例6]
また、第1撮像部31aがスマートフォンにおけるいわゆるインカメラであって、使用者を含む使用者画像を撮像し、第2撮像部31bが、スマートフォンにおけるいわゆるアウトカメラであって、自転車を含む器具画像を撮像する場合に、広角レンズやプリズム、鏡などのアタッチメントをスマートフォンである器具端末3に装着することで、使用者及び自転車を適切な画角で捉えるような設計がなされていてもよい。
図6において、器具端末としてのスマートフォン3の第一撮像部としてのインカメラ31aに破線で示した鏡を内蔵する反射部材31aPが装着され、第二撮像部としてのアウトカメラ31bに破線で示した鏡を内蔵する反射部材31bPが装着され、画角を調整している。このようにすることで、器具端末3を自転車のハンドルに装着した際に、アウトカメラ31bで主に自転車の車体を撮影しつつ、インカメラ31aで主に使用者を撮影するといった運用が可能となる。
【0096】
[アドバイス提示システム1による効果]
以上説明したように、第1状態特定部232は、使用者画像に基づいて使用者の状態を特定し、器具画像に基づいて自転車4の状態を特定する。そして、第1アドバイス作成部233は、使用者の状態及び自転車の状態に関連付けられた複数のアドバイス候補のうち、第1状態特定部232が特定した使用者の状態及び自転車の状態に関連付けられている一以上のアドバイス候補に基づいてアドバイスを作成する。
【0097】
そして、第1アドバイス提示部234は、第1アドバイス作成部233が作成したアドバイスを提示する。情報端末2がこのような構成を有することで、情報端末2は、使用者の状態及び自転車4の状態に基づいてアドバイスを提示できるため、自転車4の使用者のスキルを向上させるためのアドバイスの質を向上させることができる。特に、使用者に自転車4の指導を行う指導者の指導経験が少ない場合であっても、情報端末2に提示されるアルゴリズムを用いて使用者に適切にアドバイスすることができる。
【0098】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0099】
1 アドバイス提示システム
2 情報端末
3 器具端末
4 自転車
21 撮像部
22 通信部
23 制御部
24 記憶部
25 表示部
26 音声出力部
31a 第1撮像部
31b 第2撮像部
32 通信部
33 制御部
34 記憶部
35 表示部
36 音声出力部
231 画像取得部
232 第1状態特定部
233 第1アドバイス作成部
234 第1アドバイス提示部
331 第2状態特定部
332 第2アドバイス作成部
333 第2アドバイス提示部