(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022175906
(43)【公開日】2022-11-25
(54)【発明の名称】電気衝撃検出装置及び方法
(51)【国際特許分類】
H05C 1/00 20060101AFI20221117BHJP
A22B 3/06 20060101ALI20221117BHJP
【FI】
H05C1/00
A22B3/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】24
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021082683
(22)【出願日】2021-05-14
(71)【出願人】
【識別番号】521107471
【氏名又は名称】ユーライクコリア カンパニー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】キム ヒ ジン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】個体に投入又は付着されて個体に加わる、動物福祉をベースにした電気衝撃を検出する装置を提供する。
【解決手段】電気衝撃検出装置は、個体を介して流れる第1電流及び第2電流を検出する電流検出モジュールを含み、電流検出モジュールによって第1電流が検出された時刻及び上記第2電流が検出された時刻を格納し、上記第1電流が検出された時刻、上記第2電流が検出された時刻、検出された第1電流値、及び検出された第2電流値のうち少なくとも1つに基づいて、上記個体に対して動物福祉のための屠畜基準を満足させる電気衝撃が加わったか否かを判断するプロセッサを含み得る。
【選択図】
図6a
【特許請求の範囲】
【請求項1】
個体に投入又は付着された個体識別装置を用いて個体に対する電気衝撃を検出する方法であって、
個体を介して流れる第1電流を検出するステップと、
前記第1電流が検出された時刻を格納するステップと、
前記第1電流検出後に、前記個体を介して流れる第2電流を検出するステップと、
前記第2電流が検出された時刻を格納するステップと、
前記第1電流が検出された時刻、前記第2電流が検出された時刻、検出された第1電流値、及び検出された第2電流値のうち少なくとも1つに基づいて、前記個体に対して動物福祉のための屠畜基準を満足させる電気衝撃が加わったか否かを判断するステップと、を含む、電気衝撃検出方法。
【請求項2】
前記個体に対して動物福祉のための屠畜基準を満足させる電気衝撃が加わったか否かを判断するステップは、第1電流が検出された時刻と第2電流が検出された時刻との間の時間間隔が所定の範囲内であり、前記第1電流値が第1しきい値以上であり、前記第2電流値が第2しきい値以上である場合、屠畜基準を満足させると判断するステップを含む、請求項1に記載の電気衝撃検出方法。
【請求項3】
前記第1しきい値は前記個体の気絶を誘導する電流値であり、
前記第2しきい値は前記個体の感電死を誘導する電流値である、請求項1に記載の電気衝撃検出方法。
【請求項4】
前記第1電流が検出された時刻と前記第2電流が検出された時刻との間の時間間隔に対する所定の範囲は、気絶状態の個体に対する放血に十分な時間であると共に、個体が気絶状態から回復するまでの時間である、請求項3に記載の電気衝撃検出方法。
【請求項5】
前記第1電流が検出された時刻と前記第2電流が検出された時刻との間の時間間隔に対する所定の範囲は25秒以上40秒以下である、請求項3に記載の電気衝撃検出方法。
前記第1しきい値は1A以上の電流値に設定される、請求項3に記載の電気衝撃検出方法。
【請求項6】
前記第2しきい値は、前記第1しきい値と同一であるか、又は前記第1しきい値より大きい値に設定される、請求項3に記載の電気衝撃検出方法。
【請求項7】
前記個体検出装置を介して前記個体に関する生体情報を収集するステップと、
前記個体に関する生体情報に基づいて、前記個体の体内水分量又は肥満度を判断するステップと、をさらに含む、請求項1に記載の電気衝撃検出方法。
【請求項8】
前記個体の体内水分量又は肥満度に応じて前記第1しきい値と前記第2しきい値を設定する、請求項1に記載の電気衝撃検出方法。
【請求項9】
屠畜後の肉類が消費者に提供されるとき、前記個体に対して動物福祉のための屠畜基準を満足させる電気衝撃が加わったか否かを確認することができるバーコード又はQRコードを併せて提供するステップをさらに含む、請求項1に記載の電気衝撃検出方法。
【請求項10】
個体に投入又は付着されて個体に加わる電気衝撃を検出する装置であって、
前記個体を介して流れる第1電流及び第2電流を検出する電流検出モジュールと、
プロセッサと、
前記プロセッサを介して実行される少なくとも1つの命令を格納するメモリと、を含み、
前記少なくとも1つの命令は、
電流検出モジュールによって前記第1電流が検出された時刻及び前記第2電流が検出された時刻を格納するようにする命令と、
前記第1電流が検出された時刻、前記第2電流が検出された時刻、検出された第1電流値、及び検出された第2電流値のうち少なくとも1つに基づいて、前記個体に対して動物福祉のための屠畜基準を満足させる電気衝撃が加わったか否かを判断するようにする命令と、を含む、電気衝撃検出装置。
【請求項11】
前記個体に対して動物福祉のための屠畜基準を満足させる電気衝撃が加わったか否かを判断するようにする命令は、前記第1電流が検出された時刻と前記第2電流が検出された時刻との間の時間間隔が所定の範囲内であり、前記第1電流値が第1しきい値以上であり、前記第2電流値が第2しきい値以上である場合、前記屠畜基準を満足させると判断するようにする命令を含む、請求項10に記載の電気衝撃検出装置。
【請求項12】
前記第1しきい値は前記個体の気絶を誘導する電流値であり、
前記第2しきい値は前記個体の感電死を誘導する電流値である、請求項10に記載の電気衝撃検出装置。
【請求項13】
前記第1電流が検出された時刻と前記第2電流が検出された時刻との間の時間間隔に対する所定の範囲は、気絶状態の個体に対する放血に十分な時間であると共に、個体が気絶状態から回復するまでの時間である、請求項12に記載の電気衝撃検出装置。
【請求項14】
前記第1電流が検出された時刻と前記第2電流が検出された時刻との間の時間間隔に対する所定の範囲は25秒以上40秒以下である、請求項10に記載の電気衝撃検出装置。
【請求項15】
前記第1しきい値は1A以上の電流値に設定される、請求項12に記載の電気衝撃検出装置。
【請求項16】
前記第2しきい値は、前記第1しきい値と同一であるか、又は前記第1しきい値より大きい値に設定される、請求項12に記載の電気衝撃検出装置。
【請求項17】
前記電流検出モジュールは、
前記第1電流を検出する第1回路と、
前記第2電流を検出する第2回路と、を含む、請求項10に記載の電気衝撃検出装置。
【請求項18】
前記第1回路は、電流検出端子、及び前記プロセッサと連結されたヒューズを含み、
前記プロセッサは、パルス信号を出力し、前記ヒューズを経て戻ってくる信号を受信する、請求項17に記載の電気衝撃検出装置。
【請求項19】
前記第1回路は、前記ヒューズとアースとの間、及び前記プロセッサとアースとの間に位置する複数の保護素子をさらに含む、請求項18に記載の電気衝撃検出装置。
【請求項20】
前記プロセッサは、前記第1回路内のヒューズが切れて前記ヒューズを介して入力されるパルス信号がない場合、前記第1電流の発生を検出する、請求項17に記載の電気衝撃検出装置。
【請求項21】
前記第2回路は、電流検出端子、及び前記プロセッサと連結されたヒューズを含み、
前記プロセッサは、パルス信号を出力し、前記ヒューズを経て戻ってくる信号を受信する、請求項17に記載の電気衝撃検出装置。
【請求項22】
前記第2回路は、前記ヒューズとアースの間、及び前記プロセッサとアースとの間に位置する複数の保護素子をさらに含む、請求項21に記載の電気衝撃検出装置。
【請求項23】
前記プロセッサは、前記第2回路内のヒューズが切れて前記ヒューズを介して入力されるパルス信号がない場合、前記第2電流の発生を検出する、請求項21に記載の電気衝撃検出装置。
【請求項24】
前記電流検出モジュールは、個体に投入されたバイオセンサカプセルの一部モジュールであるか、又は個体の皮膚に付着された識別装置の一部モジュールである、請求項10に記載の電気衝撃検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気衝撃検出装置及び方法に関し、より詳細には、電気衝撃を利用した屠畜に対して基準を満足させる電気衝撃が行われたかを判断し、既に設定された基準による電気衝撃が行われたか否かを、検出したデータに基づいて確認することができる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
動物に加わる電気衝撃法は、電気的衝撃を利用して動物を気絶させて屠殺するための必要性だけでなく、その他の牛、羊、豚、馬などの家畜をはじめ、対象となる全ての動物に対してある必要に応じて気絶又は屠殺のために使用し得る。特に屠殺のための電気衝撃法の例としては、心臓と脳との間の主要血管の切断による出血、又は心臓に電流を印加して心停止につながるようにする感電などの様々な方法があり、これによって、動物を死亡させ得る。
【0003】
家畜の大きさや身体状態などに応じて該当家畜の屠殺に必要な十分な電流の大きさが異なる可能性があり、一度に大量の電流を流すといけない場合もあるので、家畜に加わる電流又は電圧の大きさや回数を正確に測定かつ分析してユーザーに提供する必要性が求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような問題点を解決するための本発明の目的は、個体に投入又は付着された個体識別装置を用いることで動物福祉をベースにした電気衝撃を検出する方法を提供することである。
【0005】
上記問題を解決するための本発明の他の目的は、上記電気衝撃を検出する方法を利用する装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するための本発明の一実施形態に係る電気衝撃検出方法は、個体に投入又は付着された個体識別装置を用いて個体に対する電気衝撃を検出する方法であって、個体を介して流れる第1電流を検出するステップと、前記第1電流が検出された時刻を格納するステップと、前記第1電流検出後に、前記個体を介して流れる第2電流を検出するステップと、前記第2電流が検出された時刻を格納するステップと、前記第1電流が検出された時刻、前記第2電流が検出された時刻、検出された第1電流値、及び検出された第2電流値のうち少なくとも1つに基づいて、前記個体に対して動物福祉のための屠畜基準を満足させる電気衝撃が加わったか否かを判断するステップと、を含み得る。
【0007】
前記個体に対して動物福祉のための屠畜基準を満足させる電気衝撃が加わったか否かを判断するステップは、第1電流が検出された時刻と第2電流が検出された時刻との間の時間間隔が所定の範囲内であり、前記第1電流値が第1しきい値以上であり、前記第2電流値が第2しきい値以上である場合、屠畜基準を満足させると判断し得る。
【0008】
このとき、第1しきい値は前記個体の気絶を誘導する電流値であり、前記第2しきい値は前記個体の感電死を誘導する電流値であり得る。
【0009】
ここで、第1電流が検出された時刻と前記第2電流が検出された時刻との間の時間間隔に対する所定の範囲は、気絶状態の個体に対する放血に十分な時間であると共に、個体が気絶状態から回復するまでの時間であり得る。
【0010】
具体的には、第1電流が検出された時刻と前記第2電流が検出された時刻との間の時間間隔に対する所定の範囲は25秒以上40秒以下であり得る。
【0011】
また、第1しきい値は1A以上の電流値に設定され、第2しきい値は、前記第1しきい値と同一であるか、又は前記第1しきい値より大きい値に設定され得る。
【0012】
また、電気衝撃検出方法は、前記個体検出装置を介して前記個体に関する生体情報を収集するステップと、前記個体に関する生体情報に基づいて、前記個体の体内水分量又は肥満度を判断するステップとをさらに含み得る。
【0013】
また、前記個体の体内水分量又は肥満度に応じて前記第1しきい値と前記第2しきい値を設定し得る。
【0014】
また、屠畜後の肉類が消費者に提供されるとき、前記個体に対して屠畜基準を満足させる電気衝撃が加わったか否かを確認することができるバーコード又はQRコード(登録商標)を併せて提供するステップをさらに含み得る。
【0015】
前記他の目的を達成するための本発明の一実施形態に係る個体に投入又は付着されて個体に加わる電気衝撃を検出する装置であって、前記個体を介して流れる第1電流及び第2電流を検出する電流検出モジュールと、プロセッサと、前記プロセッサを介して実行される少なくとも1つの命令を格納するメモリとを含み得る。
【0016】
ここで、前記プロセッサを介して実行される少なくとも1つの命令は、電流検出モジュールによって第1電流が検出された時刻及び前記第2電流が検出された時刻を格納するようにする命令と、前記第1電流が検出された時刻、前記第2電流が検出された時刻、検出された第1電流値、及び検出された第2電流値のうち少なくとも1つに基づいて、前記個体に対して動物福祉のための屠畜基準を満足させる電気衝撃が加わったか否かを判断するようにする命令とを含み得る。
【0017】
前記個体に対して動物福祉のための屠畜基準を満足させる電気衝撃が加わったか否かを判断するようにする命令は、前記第1電流が検出された時刻と前記第2電流が検出された時刻との間の時間間隔が所定の範囲内であり、前記第1電流値が第1しきい値以上であり、前記第2電流値が第2しきい値以上である場合、前記屠畜基準を満足させると判断するようにする命令を含み得る。
【0018】
このとき、第1しきい値は前記個体の気絶を誘導する電流値であり、前記第2しきい値は前記個体の感電死を誘導する電流値であり得る。
【0019】
ここで、第1電流が検出された時刻と前記第2電流が検出された時刻との間の時間間隔に対する所定の範囲は、気絶状態の個体に対する放血に十分な時間であると共に、個体が気絶状態から回復するまでの時間であり得る。
【0020】
具体的には、第1電流が検出された時刻と前記第2電流が検出された時刻との間の時間間隔に対する所定の範囲は25秒以上40秒以下であり得る。
【0021】
また、第1しきい値は1A以上の電流値に設定され、第2しきい値は、前記第1しきい値と同一であるか、又は前記第1しきい値より大きい値に設定され得る。
【0022】
また、前記電流検出モジュールは、前記第1電流を検出する第1回路と、前記第2電流を検出する第2回路とを含み得る。
【0023】
ここで、前記第1回路は、電流検出端子、及び前記プロセッサと連結されたヒューズを含み、前記プロセッサは、パルス信号を出力し、前記ヒューズを経て戻ってくる信号を受信し得る。
【0024】
また、前記第1回路は、前記ヒューズとアースとの間、及び前記プロセッサとアースとの間に位置する複数の保護素子をさらに含み得る。
【0025】
また、前記プロセッサは、前記第1回路内のヒューズが切れて前記ヒューズを介して入力されるパルス信号がない場合、前記第1電流の発生を検出し得る。
【0026】
一方、前記第2回路は、電流検出端子、及び前記プロセッサと連結されたヒューズを含み、前記プロセッサは、パルス信号を出力し、前記ヒューズを経て戻ってくる信号を受信し得る。
【0027】
ここで、前記第2回路は、前記ヒューズとアースとの間、及び前記プロセッサとアースとの間に位置する複数の保護素子をさらに含み得る。
【0028】
また、前記プロセッサは、前記第2回路内のヒューズが切れて前記ヒューズを介して入力されるパルス信号がない場合、前記第2電流の発生を検出し得る。
【0029】
一実施形態において、前記電流検出モジュールは、個体に投入されたバイオセンサカプセルの一部モジュールであるか、又は個体の皮膚に付着された識別装置の一部モジュールであり得る。
【発明の効果】
【0030】
上記のような本発明の実施形態によると、動物の屠畜過程が動物福祉をベースにして苦痛を最小限にする方法で行われたかを確認し得る。
【0031】
また、家畜の身体状態に関するパラメータを収集して処理し、データサーバに送信することにより、感電死のための印加電流を決定するのに使用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】電気衝撃法を利用した家畜の屠畜方法の概念を示す。
【
図2】本発明の実施形態に係る個体識別装置が家畜に使用されている様子を示す。
【
図3】本発明の実施形態に係る個体に投入される電気衝撃検出モジュールを示す。
【
図4】
図3の実施形態に係る電気衝撃検出モジュールを含む個体識別装置のブロック構成図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る個体の状態を見せる例示を示す。
【
図6a】本発明の実施形態に係る各個体に対する屠畜現況を確認することができるUIの例示を示す。
【
図6b】本発明の実施形態に係る各個体に対する屠畜現況を確認することができるUIの例示を示す。
【
図7】本発明の実施形態に係る電流検出回路の実施例を示す。
【
図8】本発明の実施形態に係る入力電圧の例を示す。
【
図9】本発明が適用される個体管理システムの全体的な構成を概略的に示す。
【
図10】本発明の実施形態に係る第2識別装置のブロック構成図である。
【
図11】本発明の実施形態に係る電気衝撃の検出方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明は、様々な変更を加えることができ、いくつかの実施形態を有し得るため、特定の実施形態を図面に例示し、かつ本明細書の詳細な説明に詳細に説明する。しかし、これは本発明の概念による実施形態を特定の開示形態に限定するものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物、又は、代替物を含むものと理解しなければならない。また、各図面を説明するにあたり、同一の参照符号を同一の構成要素に対して示す。
【0034】
第1、第2、A、Bなどの用語は様々な構成要素を説明するのに使用され得る。但し、上記構成要素は上記用語によって限定される必要はない。上記用語は、1つの構成要素を他の構成要素から区別するためにのみ使用される。例えば、本発明の権利範囲を逸脱することなく、第1構成要素は第2構成要素として命名され得る。同様に、第2構成要素も第1構成要素として命名され得る。「及び/又は」という用語は、複数の関連記載項目の組み合わせ、又は複数の関連記載項目のうちいずれかの項目を含む。
【0035】
ある構成要素が他の構成要素に「連結されている」、又は「接続されている」と言及されたときには、その他の構成要素に直接連結されているか、又は接続されている場合もあるが、中間に他の構成要素が存在する可能性もある。これに対し、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結されている」、又は「直接接続されている」と言及されたときには、中間に他の構成要素が存在しないものと理解しなければならない。
【0036】
本明細書で用いた用語は、単に特定の実施形態を説明するために用いられるものであって、本発明を限定しようとする意図はない。単数の表現は、文脈上、明白に異なる意味をもたない限り複数の表現を含む。本明細書において、「含む」又は「有する」などの用語は明細書上に記載した特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品又はこれらを組み合わせたものが存在することを示すものであって、1つ又はそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部品、又はこれを組み合わせたものなどの存在又は付加の可能性を予め排除しないものとして理解しなければならない。
【0037】
異なる定義がされない限り、技術的であるか又は科学的な用語を含むここで用いる全ての用語は、本実施形態が属する技術分野で通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。一般的に用いられる予め定義された用語は、関連技術の文脈上で有する意味と一致する意味を有するものと解釈すべきであって、本明細書で明白に定義しない限り、理想的又は過度に形式的な意味として解釈されることはない。
【0038】
以下、本発明に係る好ましい実施形態を添付された図面を参照して詳細に説明する。
【0039】
本発明は、電気衝撃法を利用して家畜を屠殺するとき、動物福祉の側面で1次電流の印加による家畜の気絶を誘導した後、2次感電死のために家畜の頭と心臓に十分な電流が加わったかを測定する装置及び方法に関する。
【0040】
また、本発明は、家畜の体の状態に応じて、死亡につながるようにする十分な電流の量が異なっているため、家畜の身体状態に関するパラメータを収集して処理し、データサーバに送信することにより、感電死のための印加電流を決定するのに使用されるようにする装置及び方法に関する。
【0041】
図1は、電気衝撃法を利用した家畜の屠畜方法の概念を示す。
【0042】
電気を利用して個体(動物)を気絶させる方法を電気麻酔法(electronarcosis)とも言う。また、電気を利用して個体を殺すことを感電死(electrocution)させるとも言う。
【0043】
電気麻酔法は短い期間の間に正常的な脳機能を直ちに妨害する。感電死のための電気衝撃は個体の心臓麻痺につながり、心臓が体の周りに血液をポンピングしないようにして該当個体の急死をもたらすため、スタンキル(stun kill)と呼ばれることもある。かかる感電死は非常に苦しいので、本質的に、感電死のための電気衝撃前に個体を気絶させるステップを行う必要がある。
【0044】
このために、1次的に脳に電流を印加し、その後に脳と心臓に電流を印加して個体が心臓麻痺(cardiac arrest)につながるようにする方法が使用され得る。すなわち、電気衝撃法を利用して家畜を屠畜する方法は、大きく
図1に示すような2ステップの手続きを踏み得る。
【0045】
第1ステップは、個体を感電死させるにはつながらず気絶させるための第1電流を印加するステップ(S10)であり、第2ステップは気絶状態の個体に第2電流を印加して感電死させるステップ(S20)である。
【0046】
第1電流を印加するステップと第2電流を印加するステップは、一定の時間間隔を置いて行われることが好ましい(S12)。ここで、間隙時間は、気絶状態の個体に対する放血に十分な時間であり、かつ、個体が気絶状態から回復するまでの時間であることが好ましい。
【0047】
より具体的には、第1ステップである電気を利用した気絶の基本原則は、十分な電流が脳を通過するようにして正常的な脳の活動を妨害することにより、動物が直ちに意識を失って痛みを感じないようにすることである。電極が頭部に適用されるときに流れる電流の量は、電極間の電圧差と動物の電気抵抗に応じて異なり得る。
【0048】
気絶が効果的に行われると、人間のてんかん発作と類似した形態が結果として現れる。発作は大きく3ステップを含み得る。最初の緊張ステップ(tonic phage)では、電流が脳を介して流れ、個体が倒れて息が止まる。その後のステップ(clonic phase)では、個体の弛緩が確認され、かかる弛緩状態において個体の無意識的かつ断続的活動が観察され得る。気絶の最後のステップは、回復ステップ(recovery phase)である。動物は、最初の2ステップでは無意識状態であるため苦痛に無感覚であるが、最後の3ステップの回復ステップに進入すると、気絶効果から回復し、痛みを経験することになる。
【0049】
これによって、第1ステップのうち細部の第2ステップである断続的活動のステップが経過する前に、第2ステップである電気死が行われなければ、動物の苦痛を最小限に抑えて死につながるようにすることができない。
【0050】
第1ステップのうち細部ステップである緊張ステップ、断続的活動ステップ、及び回復ステップに対する時間は各動物毎に異なり得る。通常、緊張ステップは数秒から数十秒の時間の間維持され、断続的活動ステップも数秒から数十秒の時間の間維持されるが、緊張ステップより長く持続する。例えば、牛の場合、緊張ステップは5~20秒間維持され、断続的活動ステップは10秒~60秒間維持される。
【0051】
回復時間は、緊張ステップ又は断続的活動ステップより長く持続し、動物毎に異なり得るが、30秒~90秒程度の時間であることが普通である。
【0052】
まとめると、
図1に示すように、家畜を屠畜するための電気衝撃法は、肉質の低下を防止し、かつ家畜の苦痛を最小限に抑えるために、1次電流の印加による家畜の気絶を誘導した後、2次的に牛の頭と心臓に2次電流を印加して個体を電気死させる2ステップ方法で行うことが好ましい。
【0053】
より好ましくは、1次電流印加後に適切な時間が経過した後、2次電流を印加する必要がある。ここで、1次電流を印加してから2次電流を印加するまでの適切な時間は、動物の種類及び状態によって異なり得るが、約25秒以上40秒以内であることが好ましい。
【0054】
しかし、上述の方法には、電気衝撃を加えて家畜が屠畜されたかを確認できる方法がないという問題がある。すなわち、屠畜業者が肉質だけを考慮して動物を気絶させた後、2次電気衝撃なしに放血だけで家畜を死につながるようにするなど動物福祉の側面で好ましくない方法で屠畜が行われる場合、これを感知することができる方法が必要である。
【0055】
このために、本発明に係る電気衝撃検出装置及び方法では、電気衝撃法を利用して家畜を屠殺するとき、1次電流の印加による家畜の気絶を誘導した後、2次的に感電死のために家畜の頭と心臓に十分な電流が加わったか否かを確認し得る。
【0056】
本発明の実施形態に係る電気衝撃検出装置は、家畜などの個体を識別し、かつ管理するための個体識別装置内に含まれて実現され得る。
【0057】
図2は、本発明の実施形態に係る個体識別装置が家畜に使用されている様子を示す。
【0058】
本発明の実施形態に係る識別装置は、各個体を識別し、該当個体に関する生体情報を取得するためのものであって、第1識別装置100又は第2識別装置200を意味することができ、第1識別装置と第2識別装置を含み得る。
【0059】
第1識別装置100は、個体の生体内部に安着されて個体に関する生体情報を測定することで、そのデータを取得することができる。第2識別装置200は、個体(家畜)の体内外に付着され、その位置情報及び個体の活動量や外部温度などを取得してもよく、電気衝撃が個体に加わる場合、個体の表皮に沿って流れる電流量などを取得するように構成され得る。
【0060】
第1識別装置100は、個体の生体内部に投入されてもよく、カプセルの形であってもよい。第2識別装置200は、個体の体内に投入される第1識別装置100とは異なり、個体の体外に付着され得る。また、第2識別装置200の体外又は体内に、付着されてもよく、挿入されてもよい。第2識別装置200が体内に挿入される場合、例えば、家畜の背又は足の部位に挿入されて付着され得る。第2識別装置200の体内外の付着位置には制限がなく、一例として、個体の耳や足又は背の部位のうち電流測定に容易な位置に小さいサイズの半導体チップ(chip)201、202の形に据置き又は挿入され得る。第2識別装置200の例としては、耳タグ(ear tag)やネックレスが挙げられる。また、第2識別装置200は、カプセル又はチップから送信された電流データを中央サーバ(図示せず)に送信し得る。
【0061】
第1識別装置100は、個体の生体内部のうち具体的に第1胃又は第2胃に安着されて生体情報を測定し得る。本発明の実施形態に係る個体は飲食物を反芻する反芻動物であって、例えば、牛であってもよい。一般に牛の胃は、第1胃(こぶ胃)、第2胃(蜂巣胃)、第3胃(重弁胃)、第4胃(しわ胃)で構成され得る。第1胃と第2胃は「Reticulo-rumen」と呼ばれているが、簡単に「Rumen」とも言う。このうち第1胃は、全胃の容積の80%を占め、いくつかの空間で構成されている。第1胃は第2胃を含む構造で構成されている。第1胃又は第2胃は消化機能など牛の重要な生体活動が大部分行われている場所である。
【0062】
そのため、第1識別装置100は個体の第1胃又は第2胃に安着されて生体情報を取得することができる。好ましくは、第1識別装置100は、第2胃に安着されるように設置され得る。第1識別装置100の自体重量、第2胃の形、及び第2胃と第1胃との生物学的構造により、第1識別装置100は、第2胃安着された後、第2胃の外に円滑に排出されないようにし得る。
【0063】
第1識別装置100は、例えば、
図3に示すように、個体の内部に投入されたバイオセンサカプセルであってもよい。
【0064】
本発明の実施形態に係る電気衝撃検出装置は、家畜の体内に投入される体内外識別装置(例えば、
図2の第1識別装置又は第2識別装置(200、201、202))内に含まれて構成され得る。一例として、個体識別装置は、添付の
図4に示すような構成を有することができる。
【0065】
図4は、本発明の実施形態に係る電流検出モジュールを含む個体識別装置のブロック構成図である。
【0066】
個体識別装置は、センサモジュール110、通信モジュール120、認証/識別モジュール130、第1識別装置制御部140、エネルギー収集装置152を含む電源制御モジュール150、第1識別装置メモリ160、及び電流検出モジュール170を含むことで構成され得る。
【0067】
センサモジュール110は、個体の生体内部から個体に関する生体情報を取得するためのモジュールであって、個体の動き又は反芻胃の動きを測定することができる加速度センサ、牛の胃の角速度値を検出するためのジャイロセンサ、個体の体温又は胃の温度を測定するための温度センサ、牛の胃に発生するメタンガスの発生量を検出するためのメタンセンサ、又は/及び牛の胃のPH濃度を検出するためのPHセンサなどを含み得る。
【0068】
通信モジュール120はセンサモジュールから取得したデータを外部に送信するためのモジュールである。本発明の実施形態に係る通信モジュールは、低電力で動作するために、ブルートゥース(登録商標)やWiFiなどの通信方式を使用し得る。より具体的には、低電力に設計されたBLE、WiFi HaLowなどが使用され得る。第1識別装置の通信モジュール120は、生体外部にデータを送信するが、近距離に位置する第2識別装置200を含む中継器ネットワークにのみデータを円滑に送信すればよく、これによって大きな電力を必要としない。
【0069】
認証/識別モジュール130は、第1識別装置の固有第1ID(i)を格納する。第1ID(i)は、第1識別装置100の識別かつ収集したデータにIDを併合して収集データの識別などに使用される。
【0070】
第1識別装置100の制御部140は、第1識別装置の全般的な動作を制御し、特にセンサモジュール110から収集したデータを受信して、認証/識別モジュールの固有IDと併合することで、個体に関する生体情報データを生成して通信モジュール120に送信する。
【0071】
第1識別装置100は、個体の体内に位置してバッテリ交換に難しいため電力を節約する必要性が大きい。これによって、必要が場合には、休眠状態に置いた状態で周期的に又は必要時にのみ装置を作動させる必要がある。
【0072】
第1識別装置100の電源制御は全体的に第1識別装置制御部140の制御を受け得る。電源制御モジュール150は、エネルギー収集装置としてエネルギー収集装置152及び電源活性化モジュール154を含み得る。第1識別装置100の電源(バッテリ)は、サーバ-中継器ネットワーク300-第2識別装置を介した制御命令に応じて休止状態又は活性化状態に設定かつ転換され得る。
【0073】
エネルギー収集装置(ハーベスティングモジュール)152は、第2識別装置200からの電力送信信号を受信し、これを電源活性化電力に変換して電源活性化モジュール154に提供し得る。また、エネルギー収集装置は、例えば、電磁気エネルギー、磁気エネルギー、運動エネルギー、熱エネルギーなどを含む個体の体内の周辺エネルギー源からエネルギーを収集することができ、電源活性化モジュール154に収集したエネルギーを伝達することもできる。
【0074】
このようなエネルギー収集装置を備えることにより、バッテリ容量に応じた、限定された電力量を消費しなくても、効率的に第1識別装置100を駆動させることができるため、第1識別装置100の電力節約を効果的に達成し得る。
【0075】
電源活性化モジュール154は、エネルギー収集装置152で変換生成された電力を利用して第1識別装置の電源(バッテリ)を駆動し得る。生成された電力がバッテリを制御する電源制御モジュール150を活性化するように構成されてもよく、電源制御モジュール150が第1識別装置100の電源を活性化するように構成されてもよい。電源活性化モジュールは、電源制御モジュール150とバッテリとの接続を介して、電源制御モジュールへのバッテリ電力供給をオン/オフ(On/Off)するスイッチを含むことで実現され得る。
【0076】
第1識別装置メモリ160は、センサモジュール110で収集した生体情報データを格納すると共に、格納された生体情報データを第2識別装置200に送信し得る。同一個体の第2識別装置200又は異なる個体の第2識別装置に生体情報データを送信するに先立って、通信環境が円滑でない場合にはこれを第1識別装置メモリに格納し、通信接続が活性化する場合にデータを一度に送信し得る。
【0077】
また、第1識別装置メモリ160は、上記第1識別装置制御部を介して実行される少なくとも1つの命令を格納し得る。第1識別装置メモリ160は、揮発性記憶媒体及び不揮発性記憶媒体の中から少なくとも1つで構成され得る。例えば、メモリ1020は、読み取り専用メモリ(read only memory、ROM)及びランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)の中から少なくとも1つで構成され得る。
【0078】
電流検出モジュール170は、個体の体内に流れる電流を検出し得る。電流検出モジュールは、第1識別装置の表面に位置する検出端子を含み得る。該当端子は接続線などを介して電流検出のための回路と接続され得る。電流検出回路は、電流値を読み出す電流メータ(current meter)の形で実現されてもよく、ヒューズや保護素子などを含むより簡単な形で実現されてもよい。
【0079】
電流検出モジュール170は体内に流れる電流を検出して通信モジュール120を介して外部サーバ又は装置に伝達し得る。
【0080】
第1識別装置制御部140は、第1識別装置メモリ160に格納されたプログラム命令(program command)を実行し得る。第1識別装置制御部140は、中央処理装置(central processing unit、CPU)、グラフィック処理装置(graphics processing unit、GPU)、又は本発明の実施形態に係る方法が行われる専用のプロセッサを意味し得る。
【0081】
ここで、上記第1識別装置制御部140を介して実行される少なくとも1つの命令は、電流検出モジュールによって第1電流が検出された時刻及び上記第2電流が検出された時刻を格納するようにする命令と、上記第1電流が検出された時刻、上記第2電流が検出された時刻、検出された第1電流値、及び検出された第2電流値のうち少なくとも1つに基づいて、上記個体に対して屠畜基準を満足させる電気衝撃が加わったか否かを判断するようにする命令とを含み得る。
【0082】
上記個体に対して屠畜基準を満足させる電気衝撃が加わったか否かを判断するようにする命令は、上記第1電流が検出された時刻と上記第2電流が検出された時刻との間の時間間隔が所定の範囲内であり、上記第1電流値が第1しきい値以上であり、上記第2電流値が第2しきい値以上である場合、上記屠畜基準を満足させると判断するようにする命令を含み得る。
【0083】
このとき、第1しきい値は上記個体を気絶させるのに十分な電流値であり、上記第2しきい値は上記個体を感電死させるのに十分な電流値であり得る。
【0084】
ここで、第1電流が検出された時刻と上記第2電流が検出された時刻との間の時間間隔に対する所定の範囲は、気絶状態の個体に対する放血に十分な時間であると共に、個体が気絶状態から回復するまでの時間であり得る。
【0085】
具体的には、第1電流が検出された時刻と上記第2電流が検出された時刻との間の時間間隔に対する所定の範囲は25秒以上40秒以下であり得る。
【0086】
また、第1しきい値は1A以上の電流値に設定され、第2しきい値は、上記第1しきい値と同一であるか、又は上記第1しきい値より大きい値に設定され得る。
【0087】
上記第1しきい値と上記第2しきい値は、個体の種類(牛、豚、羊など)及び状態(重量、肥満度、体内水分量)に応じて異なって設定される。個体の種類及び状態に応じた上記第1しきい値と上記第2しきい値を格納し、かつデータベース化して利用し得る。特に、第1しきい値と上記第2しきい値を学習データとして活用して、個体の種類及び状態に応じたパラメータを入力とする電流モデルを生成し得る。
【0088】
また、
図5の例示のように、第1識別装置100又は第2識別装置200が提供する通知部111を介して個体の状態をユーザーに提供し得る。例えば、個体を識別するためのID、個体の種類、重量、肥満度、体内水分量など、上記第1しきい値と上記第2しきい値に影響を与える要素を提供し得る。個体の状態に応じて個体に印加される第1電流及び第2電流が異なって設定されるという詳細な説明は後述する。
【0089】
また、
図6の例示のように、各個体に対する屠畜現況を確認することができる屠畜現況UI113、115を提供し得る。
【0090】
図6aを参照すると、屠畜現況UI113は、各個体に対する年齢、屠畜日程を確認することができ、屠畜時に測定された第1電流及び第2電流と上記第1電流及び第2電流が検出された時刻を確認するためのカウンターを含み得る。
【0091】
また、上記第1電流が検出された時刻、上記第2電流が検出された時刻、検出された第1電流値、及び検出された第2電流値のうち少なくとも1つに基づいて、上記個体に対して動物福祉のための屠畜基準を満足させる電気衝撃が加わったか否かを確認することができるメニューが併せて提供され得る。すなわち、動物福祉に基づいた屠畜であるか否かについての判断結果を提供する。これは、今後、肉類が消費者に提供されるとき、包装材などにバーコード又はQRコードの形で提供することができる。
【0092】
図6bを参照すると、屠畜現況UI115は、各個体、例えば、1680.1の個体に対しては第1電流が印加された時間、2578.0の個体に対しては第2電流が印加された時間が開示されている。また、5790.1の個体に対しては、第1電流が印加されてから一定時間が経過しても、他の電流、すなわち、第2電流の印加が検出されていないことをアラームとして警告し得る。この場合、例えば、家畜を気絶させてから続いて感電死させず、その家畜をぶら下げ、血液を放流する方式で屠畜したのではないかと疑われ得る。これによって、中央サーバでは第1電流のみが検出され、その次はこれ以上印加される電流がないと検出されるものである。
【0093】
このように、家畜を気絶させた後、生きている状態で高くぶら下げて放流して殺すと家畜の肉質が柔らかくなって、高い価格又は高等級の肉を販売し得ると言われている。家畜にはよくない方法であるが、一部の屠畜業者には有用であり得る。したがって、これを希望しない屠畜依頼者に警告アラームを送信して屠畜過程に問題があることを知らせることができる。
【0094】
図面には、第1電流で気絶させた後、一定時間以上他の電流が検出されない場合を示したが、必要に応じて、第2電流で直ちに感電死させる場合も警告アラームすることがある。また、サービス提供者は、様々な問題がある屠畜状況に応じた電流基準値を設定値にセッティングし、その基準値に該当する場合、ユーザーにアラームを送信するようにシステムを設定し得る。
【0095】
電気で動物を気絶させ、殺すためには、正確な電極配置を介して、それぞれ脳、又は脳と心臓を十分な電流が流れるようにしなければならない。正しい電極の位置を仮定すると、動物を気絶させか殺すかを決定するのは電流の大きさである。
【0096】
表1は、50Hz正弦波供給電圧による電気衝撃で発生するヘッド-オンリースタン(Head-only stun:電気を頭に印加して気絶)、及びヘッド-トゥ-ボディ感電死(電気を心臓に印加して殺すこと)についての推奨電流を動物毎に表したものである。
【0097】
【0098】
したがって、本発明の電流検出回路に使用されるヒューズは、少なくとも1.28A~1.51A以上、好ましくは2.0A以上の電流が流れなければ切れないヒューズであることが好ましい。
【0099】
例えば、表1における羊、ヤギ、豚から測定された値は、気絶のための第1電流値と感電死のための第2電流値が同一であることを示している。個体の第1識別装置が動物の体内、特に胃に投入された場合、気絶のための動物の頭に接触する電極を介して印加される第1電流は、心臓に印加される第2電流に比べて弱く検出され得る。なぜなら、電圧をヘッドに印加しても、心臓まで電圧が印加されるようにするためには、家畜の厚い表皮、内部筋肉、脂肪層、又は臓器を通過して心臓まで伝達される間に電圧の大きさが減少することがあるため、心臓で測定された電流値はヘッドで測定された電流値よりさらに小さい値が測定され得る。
【0100】
したがって、第2電流を検出するための検出回路のヒューズは、第1電流を検出するための検出回路のヒューズに比べてより大きいサイズの電流に対して断線され得るヒューズであることが好ましい。これは、牛と子牛の場合にも当然適用されるが、感電死に必要な電流の大きさが気絶に必要な電流の大きさより大きいからである。
【0101】
ここで、家畜の種類に応じて電気的気絶と感電死に必要な電流が異なり得ることは言うまでもなく、同一の家畜の種類であっても、該当家畜の身体状態に応じて死亡につながるようにする十分な電流の量は異なり得る。
【0102】
動物は電気をよく伝導する大量の液体を含んでいるが、皮膚、脂肪、骨、及び髪の毛など伝導性がよくない部分も含む。
【0103】
例えば、表1に示すように、電気を頭に印加する場合、電流は動物の組織を通過するとき、皮膚、脂肪、骨、髪の毛などにより電流損失が発生し、多くの量の毛、厚い皮膚、脂肪層、又は厚い頭蓋骨を持つ動物はそうでない動物に比べて電気抵抗が高い場合がある。
【0104】
表2は、他の身体条件の羊を気絶させるときの電流、電圧、及び抵抗間の関係がどのように異なるかを示す。
【0105】
【0106】
電流の流れを最大化するために、抵抗をできる限り低く維持することが重要である。電流の流れに対する抵抗は大きく2つの要因によって異なり得るが、身体組織、及び電極と皮膚との間の接触である。これによって、該当動物の身体状態に応じて動物組織の抵抗が変わることがあり、身体抵抗に応じて体内を流れる電流値が異なり得る。体内抵抗は、水分含有量が低く、肥満(高脂肪)であるほど高くなる。
【0107】
したがって、表2に示すように、同一の種の動物であっても、肥満の場合には体内の抵抗が高く、一般的な状態の個体を気絶又は感電死させるのに十分な電流を印加しても、肥満程度が高い個体の場合には該当電流が十分ではない値になり得る。
【0108】
個体の身体状態に関するパラメータを収集かつ処理してデータサーバに送信することにより、気絶及び感電死を行うのに必要な電流を決定するために使用されるようにすれば、より効果的に電気衝撃を利用した屠畜が行われ得る。
【0109】
一方、上記電流検出モジュールは、上記第1電流を検出する第1回路と、上記第2電流を検出する第2回路とを含み得る。以下、電流検出回路の実施例については
図7を介して説明する。
【0110】
図7は、本発明の実施形態に係る電流検出回路の実施例を示す。
【0111】
図7は、ヒューズと保護素子を用いて本発明の実施形態に係る電流検出回路を実現した例を示す。
【0112】
MCU(Main Control Unit)140は、上述した第1識別装置の制御部140と同一であるか、又はその一部として動作し得る。
【0113】
電流検出回路170は、ヒューズ171、及び複数の保護回路172を含み得る。このような形の回路は、電流メータに比べて回路の複雑度を減らし、体積/コストを減少させることができるという長所がある。
【0114】
電気衝撃が個体に加えられていない一般的な状態で、MCU140はパールストレインの形の信号を電流検出回路として出力し、該当信号はヒューズを経て再びMCUに入力される。MCU140は、戻って入力されるパルス信号から電気衝撃が加わっていないことを認知し得る。このために、印加される電圧は、
図8に示されたパルス波の電圧又は交流電圧を使用し得る。
【0115】
個体に電気衝撃が加わる場合には、カプセルの外部表面に位置する検出端子を介して電流が入力される。電流はヒューズを通過し、しきい値以上の電流が印加される場合に、ヒューズが切れる。この場合、MCUが送信したパルス信号はヒューズを介して伝達されない。MCU140は、自身が送信したパルス信号が検出回路を経て再び入力されない場合、電気衝撃を加えられたと判断し得る。
【0116】
保護素子172は、電気衝撃のような過電流によってMCUなどが破壊されることを防止するための素子であって、
図7の例では、2つの保護素子がMCUの出力及び入力とアースとの間にそれぞれ配置されている。
【0117】
一方、
図7には、図示の利便性のために1つの電流検出回路だけを示したが、2回の電気衝撃を検出することができるように、2つの回路を並列に配置(例えば、170の回路の下に同一の形で配置し、電流検出端子及びMCUと接続される別の回路を配置)する形で実現することも可能である。この場合、各回路に配置されるヒューズは、その仕様が異なり、検出しようとする電気衝撃の大きさで切断される仕様のヒューズが使用されることが好ましい。
【0118】
本発明では、以下で説明される個体管理システムを利用し得る。
【0119】
図9は、本発明が適用される個体管理システムの全体的な構成を概略的に示す図である。
【0120】
図9を参照すると、本発明の個体管理システムは、個体の生体活動情報を取得する第1識別装置100、個体(家畜)に付着されるか、又は皮膚に挿入されて、その位置情報及び個体の活動量、外部温度などを取得する第2識別装置200、2010、2020、又は2030、第1、第2識別装置から個体の生体活動/位置などの情報を受信して通信ネットワークに送信する中継器ネットワーク300、中継器ネットワークと通信ネットワークを介してデータを受信かつ統合して分析するデータ処理システム400、及び本発明のシステムに接続する1つ又は複数個の第1、第2クライアント500などを含むことで構成され得る。
【0121】
第1識別装置100又は第2識別装置200に含まれている各種センサを介して収集された生体情報は、第2識別装置200を介してデータ処理サーバに送信され得る。データ処理サーバは、収集された生体情報を分析して様々な目的に活用し得る。
【0122】
本発明の実施形態によると、データ処理サーバは、識別装置を介して収集された生体データを分析することで、該当個体の体内水分量、肥満率、体重など体内抵抗に影響を与える可能性があるパラメータを導出し得る。導出されたパラメータはネットワークを介して再び識別装置に提供されることができ、識別装置は算出された個体の体内水分量又は肥満度に応じて第1電流値に対する第1しきい値、及び第2電流値に対する第2しきい値を設定し得る。
【0123】
ここで、個体の体内水分量、肥満率、体重などのパラメータは、屠畜を行うシステム又は装置に提供されて、屠畜に必要な電圧や電流などの値を設定するために活用され得る。
【0124】
図10は、本発明の実施形態に係る第2識別装置のブロック構成図である。
【0125】
第2識別装置200は、個体の体外に付着されるか、個体の背や足などにチップの形で挿入されることができ、GPSモジュール210、通信モジュール220、認証/識別モジュール230、第2識別装置制御部240、第2識別装置メモリ250、電力送信モジュール260、及び電流検出モジュール270を含むことで構成され得る。
【0126】
第2識別装置200はセンサモジュール(図示せず)をさらに含み得る。センサモジュールは、個体の体温又は外部の温度を測定するための温度測定センサ、個体の動き、活動量を測定することができる加速度センサ、第2識別装置200の電源をオン/オフ(on/off)することができるセンサなどを含み得る。
【0127】
また、第2識別装置200は、別のエネルギー収集装置及び電源活性化モジュールを含むことができ、第2識別装置の活性化状態又は休止状態を内部又は外部からオン/オフ(on/off)することができるように構成し得る。
【0128】
第2識別装置のGPSモジュール210は、個体の生体外部から個体の位置情報を取得し得る。GPSモジュールは、現在の位置情報を衛星から受信し、そのデータを後述する第2識別装置制御部240に送信する。
【0129】
第2識別装置の通信モジュールは、体内の第1識別装置及び中継器ネットワーク300と通信して、第1識別装置100から取得した生体データとGPSモジュール210から取得した個体の位置情報を外部(中継器ネットワーク)300に送信し得る。中継器ネットワーク300は、ドローンのような移動型中継器、バルーン/地上装置のような中継器を含み得る。
【0130】
一方、中継器ネットワーク300には第2識別装置200が含まれ得る。第2識別装置の通信モジュールは、第2識別装置制御部240から受信したデータを他の第2識別装置又は中継器ネットワーク300に送信し得る。
【0131】
第2識別装置200は少なくとも2つの通信経路を有し得る。第1通信経路は、第1識別装置100と第2識別装置200との間のデータ送信/受信に適用される通信経路であり、第2通信経路は、第2識別装置200と中継器ネットワーク300との通信に適用される通信経路である。
【0132】
このために、第2識別装置200の通信モジュール220は、少なくとも2つの方式の通信方式をサポートする。第1通信方式は、第1識別装置100と通信するための方式であって、低電力ブルートゥース(登録商標)、WiFi通信方式が使用され得る。第2通信方式は、中継器ネットワーク300との通信のための無線通信方式であって、公衆通信網を利用することができ、別途設計された長距離無線通信方式を適用することができる。
【0133】
第2識別装置200の認証/識別モジュール230は第2識別装置200の第2固有ID(i)を格納しており、第2固有IDは第2識別装置200の識別かつ収集したデータにIDを併合して収集データの識別などに使用される。
【0134】
第2識別装置200の認証/識別モジュール230は、上記「第1識別装置100からのデータ選別方式」の第1方式を適用する場合、第1識別装置100から送信される第1データ(生体情報)に含まれる第1識別装置100の第1ID(i)を抽出して、第2識別装置(i)と既にマッチングされた第1識別装置100からのデータであるかを識別し得る。
【0135】
この場合、第2識別装置200は、第1識別装置100との通信接続ステップからマッチングされた第1識別装置のみと近距離通信経路を設定するようにすることもできる。
【0136】
第2識別装置制御部240は、第2識別装置200の全般的な動作を制御し、特に上記第1識別装置100から収集したデータ、及びGPSモジュール210から収集したデータを受信して認証/識別モジュール230の固有IDと併合し、個体識別情報データを生成して通信モジュール220に送信する。
【0137】
第2識別装置200は、第2識別装置制御部240から生成された個体識別情報データを格納する第2識別装置メモリ250を含み得る。ここで、必要に応じて、第2識別装置(i)を該当個体(i)から分離し、第2識別装置自体からも個体識別情報データを取得することができる。また、第2識別装置メモリ250は、他の第2識別装置から送信された個体データ、ユーザ(農場主/飼育士)によって設定される第2識別装置の動作のためのいくつかの付加情報を格納し得る。
【0138】
電力送信モジュール260は、第1識別装置100の活性化のためのものであって、データ処理サーバからネットワーク300を経て活性化命令を受信すると、第2識別装置の通信モジュール220を介して第1識別装置100に活性化命令信号を送信し得る。
【0139】
ここで、活性化命令信号は、休止状態の第1識別装置100を起こす単純な制御信号であってもよく、第1識別装置が完全にオフ(Off)された状態である場合、第1識別装置を活性化するために、活性化命令信号と共に、又は活性化命令信号として電力送信信号を送信し得る。
【0140】
第2識別装置200の電力送信モジュールが送信した活性化命令信号として電力送信信号を受信した第1識別装置100のエネルギー収集装置152は、上記電力送信信号を電源活性化電力に変換して第1識別装置100の電源(バッテリ)を駆動させる。
【0141】
電流検出モジュール270は、個体の表皮(皮膚)に流れる電流を検出し得る。電流検出モジュールは、電流検出回路が電流値を読み出す電流メータ(current meter)の形で実現されてもよく、ヒューズや保護素子などを含むより簡単な形で実現されてもよい。
【0142】
第2識別装置内の電流検出モジュール270は、個体を気絶させるための電気衝撃、又は個体を感電死させるための電気衝撃を検出する回路を含むように実現され得る。本発明の他の実施形態によると、上述した第1識別装置100内の電流検出モジュール170が個体を気絶させるための電気衝撃を検出する回路を含むように実現し、第2識別装置200内の電流検出モジュール270が個体を感電死させるための電気衝撃を検出する回路を含むように実現し得る。
【0143】
更なる他の実施形態によると、第2識別装置200内の電流検出モジュール270は、個体を気絶させるための電気衝撃、及び個体を感電死させるための電気衝撃を含む総2回の電気衝撃を検出することができる回路を含むように実現され得る。
【0144】
図11は、本発明の実施形態に係る電気衝撃の検出方法のフローチャートである。
【0145】
本発明の実施形態に係る電気衝撃検出方法は、先の実施形態において説明した第1識別装置100もしくは第2識別装置200、又は第1識別装置100及び第2識別装置200によって行われ得る。ここで、第1識別装置100は、個体に投入される形のバイオカプセルであり得る。第2識別装置200は、個体に付着される、又は皮膚に挿入されたチップの形であり得る。
【0146】
先ず、識別装置は、個体を介して流れる第1電流を検出し(S710)、第1電流が検出された時刻を格納する(S720)。さらに、識別装置は、個体を介して流れる第2電流を検出し(S730)、第2電流が検出された時刻を格納する(S740)。
【0147】
第1及び第2電流が検出された時刻、第1電流値、第2電流値に基づいて屠畜基準を満足させる電気衝撃が加わったかを判断し得る(S750)。より具体的には、第1電流が検出された時刻と第2電流が検出された時刻との間の時間間隔が所定の範囲内であり、上記第1電流値が第1しきい値以上であり、上記第2電流値が第2しきい値以上である場合、屠畜基準を満足させると判断し得る。
【0148】
本明細書において、屠畜基準とは、電気を利用した屠畜時に個体(動物、家畜)の苦痛を最小限に抑えるように設けられた動物福祉的基準を意味し得る。このとき、第1しきい値は上記個体を気絶させるのに十分な電流値であり、上記第2しきい値は上記個体を感電死させるのに十分な電流値であり得る。
【0149】
ここで、第1電流が検出された時刻と上記第2電流が検出された時刻との間の時間間隔に対する所定の範囲は、気絶状態の個体に対する放血に十分な時間であると共に、個体が気絶状態から回復するまでの時間であり得る。
【0150】
具体的には、第1電流が検出された時刻と上記第2電流が検出された時刻との間の時間間隔に対する所定の範囲は25秒以上40秒以下であり得る。
【0151】
また、第1しきい値は1A以上の電流値に設定され、第2しきい値は、上記第1しきい値と同一であるか、又は上記第1しきい値より大きい値に設定され得る。
【0152】
一方、
図11には示されていないが、第1電流、第2電流を検出する前に、個体検出装置は、個体に関する生体情報を収集し、個体に関する生体情報を活用して該当個体の体内水分量又は肥満度を判断し得る。さらに、算出された個体の体内水分量又は肥満度に応じて第1電流値に対する第1しきい値及び第2電流値に対する第2しきい値を設定し得る。
【0153】
ここで、個体に関する生体情報を収集するステップ、個体に関する生体情報を活用して該当個体の体内水分量又は肥満度を判断するステップ、及び個体の体内水分量又は肥満度に応じて第1しきい値及び第2しきい値を設定するステップは第1識別装置又は第2識別装置によって行われてもよく、第1識別装置と第2識別装置は、これらのステップを分担して行ってもよい。一方、個体に関する生体情報を活用して該当個体の体内水分量又は肥満度を判断するステップは、先に実施形態を介して説明したようなデータ処理サーバによって行われてもよい。
【0154】
また、屠畜後の肉類が消費者に提供されるとき、上記個体に対して屠畜基準を満足させる電気衝撃が加わったか否かを確認することができるバーコード又はQRコードをパッケージなどに併せて提供し得る。
【0155】
本発明の実施形態に係る方法の動作はコンピュータで読み取り可能な記録媒体にコンピュータが読み取り可能なプログラム又はコードとして実現することが可能である。コンピュータが読み取り可能な記録媒体は、コンピュータシステムによって読み取られるデータが格納されている全ての種類の記録装置を含む。また、コンピュータが読み取り可能な記録媒体は、ネットワークで連結されたコンピュータシステムに分散されて、分散方式を介してコンピュータで読み取り可能なプログラム又はコードが格納されて実行され得る。
【0156】
また、コンピュータが読み取り可能な記録媒体は、ロム(rom)、ラム(ram)、フラッシュメモリ(flash memory)などのようにプログラム命令を格納して実行するように特別に構成されたハードウェア装置を含み得る。プログラム命令は、コンパイラ(compiler)によって作製されるような機械語コードだけでなく、インタープリタ(interpreter)などを使用してコンピュータによって実行され得る高級言語コードを含むことができる。
【0157】
本発明のいくつかの側面は装置の文脈で説明されたが、それに相応する方法による説明も表すことができる。ここで、ブロック又は装置は、方法ステップ又は方法ステップの特徴に対応する。同様に、方法の文脈で説明された側面は、対応するブロック又はアイテム、又は相当する装置の特徴で表すことができる。方法ステップのいくつか又は全ては、例えば、マイクロプロセッサ、プログラム可能なコンピュータ、又は電子回路などのハードウェア装置によって(又は利用して)実行され得る。いくつかの実施形態において、最も重要な方法ステップの1つ以上はこのような装置によって行われ得る。
【0158】
実施形態において、プログラム可能なロジック装置(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ)がここで説明された方法の機能の一部又は全部を実行するために使用することができる。実施形態において、フィールドプログラマブルゲートアレイは、ここで説明された方法のいずれかを実行するためのマイクロプロセッサと共に動作し得る。一般に、方法はあるハードウェア装置によって実行されることが好ましい。
【0159】
以上、本発明の好ましい実施形態を参照して説明したが、該当技術分野における熟練した当業者は、添付の特許請求の範囲に記載された本発明の思想と範囲から逸脱しない範囲内で、本発明を多様に修正及び変更させることができることを理解し得る。
【手続補正書】
【提出日】2021-11-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気衝撃検出装置及び方法に関し、より詳細には、電気衝撃を利用した屠畜に対して基準を満足させる電気衝撃が行われたかを判断し、既に設定された基準による電気衝撃が行われたか否かを、検出したデータに基づいて確認することができる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
動物に加わる電気衝撃法は、電気的衝撃を利用して動物を気絶させて屠殺するための必要性だけでなく、その他の牛、羊、豚、馬などの家畜をはじめ、対象となる全ての動物に対してある必要に応じて気絶又は屠殺のために使用し得る。特に屠殺のための電気衝撃法の例としては、心臓と脳との間の主要血管の切断による出血、又は心臓に電流を印加して心停止につながるようにする感電などの様々な方法があり、これによって、動物を死亡させ得る。
【0003】
家畜の大きさや身体状態などに応じて該当家畜の屠殺に必要な十分な電流の大きさが異なる可能性があり、一度に大量の電流を流すといけない場合もあるので、家畜に加わる電流又は電圧の大きさや回数を正確に測定かつ分析してユーザーに提供する必要性が求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような問題点を解決するための本発明の目的は、個体に投入又は付着された個体識別装置を用いることで動物福祉をベースにした電気衝撃を検出する方法を提供することである。
【0005】
上記問題を解決するための本発明の他の目的は、上記電気衝撃を検出する方法を利用する装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するための本発明の一実施形態に係る電気衝撃検出方法は、個体に投入又は付着された個体識別装置を用いて個体に対する電気衝撃を検出する方法であって、個体を介して流れる第1電流を検出するステップと、前記第1電流が検出された時刻を格納するステップと、前記第1電流検出後に、前記個体を介して流れる第2電流を検出するステップと、前記第2電流が検出された時刻を格納するステップと、前記第1電流が検出された時刻、前記第2電流が検出された時刻、検出された前記第1電流に基づく第1電流値、及び検出された前記第2電流に基づく第2電流値のうち少なくとも1つに基づいて、前記個体に対して所定の屠畜基準を満足させる電気衝撃が加わったか否かを判断するステップと、を含み得る。
【0007】
前記個体に対して動物福祉のための屠畜基準を満足させる電気衝撃が加わったか否かを判断するステップは、前記第1電流が検出された時刻と前記第2電流が検出された時刻との間の時間間隔が所定の範囲内であり、前記第1電流値が第1しきい値以上であり、前記第2電流値が第2しきい値以上である場合、屠畜基準を満足させると判断し得る。
【0008】
このとき、第1しきい値は前記個体の気絶を誘導する電流値であり、前記第2しきい値は前記個体の感電死を誘導する電流値であり得る。
【0009】
ここで、第1電流が検出された時刻と前記第2電流が検出された時刻との間の時間間隔に対する所定の範囲は、気絶状態の個体に対する放血に十分な時間であると共に、個体が気絶状態から回復するまでの時間であり得る。
【0010】
具体的には、第1電流が検出された時刻と前記第2電流が検出された時刻との間の時間間隔に対する所定の範囲は25秒以上40秒以下であり得る。
【0011】
また、第1しきい値は1A以上の電流値に設定され、第2しきい値は、前記第1しきい値と同一であるか、又は前記第1しきい値より大きい値に設定され得る。
【0012】
また、電気衝撃検出方法は、前記個体識別装置を介して前記個体に関する生体情報を収集するステップと、前記個体に関する生体情報に基づいて、前記個体の体内水分量又は肥満度を判断するステップとをさらに含み得る。
【0013】
また、前記個体の体内水分量又は肥満度に応じて前記第1しきい値と前記第2しきい値を設定し得る。
【0014】
また、屠畜後の肉類が消費者に提供されるとき、前記個体に対して屠畜基準を満足させる電気衝撃が加わったか否かを確認することができるバーコード又はQRコード(登録商標)を併せて提供するステップをさらに含み得る。
【0015】
前記他の目的を達成するための本発明の一実施形態に係る個体に投入又は付着されて個体に加わる電気衝撃を検出する装置であって、前記個体を介して流れる第1電流及び第2電流を検出する電流検出モジュールと、プロセッサと、前記プロセッサを介して実行される少なくとも1つの命令を格納するメモリとを含み得る。
【0016】
ここで、前記プロセッサを介して実行される少なくとも1つの命令は、電流検出モジュールによって第1電流が検出された時刻及び前記第2電流が検出された時刻を格納するようにする命令と、前記第1電流が検出された時刻、前記第2電流が検出された時刻、検出された第1電流値、及び検出された第2電流値のうち少なくとも1つに基づいて、前記個体に対して動物福祉のための屠畜基準を満足させる電気衝撃が加わったか否かを判断するようにする命令とを含み得る。
【0017】
前記個体に対して動物福祉のための屠畜基準を満足させる電気衝撃が加わったか否かを判断するようにする命令は、前記第1電流が検出された時刻と前記第2電流が検出された時刻との間の時間間隔が所定の範囲内であり、前記第1電流値が第1しきい値以上であり、前記第2電流値が第2しきい値以上である場合、前記屠畜基準を満足させると判断するようにする命令を含み得る。
【0018】
このとき、第1しきい値は前記個体の気絶を誘導する電流値であり、前記第2しきい値は前記個体の感電死を誘導する電流値であり得る。
【0019】
ここで、第1電流が検出された時刻と前記第2電流が検出された時刻との間の時間間隔に対する所定の範囲は、気絶状態の個体に対する放血に十分な時間であると共に、個体が気絶状態から回復するまでの時間であり得る。
【0020】
具体的には、第1電流が検出された時刻と前記第2電流が検出された時刻との間の時間間隔に対する所定の範囲は25秒以上40秒以下であり得る。
【0021】
また、第1しきい値は1A以上の電流値に設定され、第2しきい値は、前記第1しきい値と同一であるか、又は前記第1しきい値より大きい値に設定され得る。
【0022】
また、前記電流検出モジュールは、前記第1電流を検出する第1回路と、前記第2電流を検出する第2回路とを含み得る。
【0023】
ここで、前記第1回路は、電流検出端子、及び前記プロセッサと連結された第1ヒューズを含み、前記プロセッサは、パルス信号を出力し、前記第1ヒューズを経て戻ってくる信号を受信し得る。
【0024】
また、前記第1回路は、前記第1ヒューズとアースとの間、及び前記プロセッサとアースとの間に位置する複数の保護素子をさらに含み得る。
【0025】
また、前記プロセッサは、前記第1回路内の前記第1ヒューズが切れて前記第1ヒューズを介して入力されるパルス信号がない場合、前記第1電流の発生を検出し得る。
【0026】
一方、前記第2回路は、電流検出端子、及び前記プロセッサと連結された第2ヒューズを含み、前記プロセッサは、パルス信号を出力し、前記第2ヒューズを経て戻ってくる信号を受信し得る。
【0027】
ここで、前記第2回路は、前記第2ヒューズとアースとの間、及び前記プロセッサとアースとの間に位置する複数の保護素子をさらに含み得る。
【0028】
また、前記プロセッサは、前記第2回路内の前記第2ヒューズが切れて前記第2ヒューズを介して入力されるパルス信号がない場合、前記第2電流の発生を検出し得る。
【0029】
一実施形態において、前記電流検出モジュールは、個体に投入されたバイオセンサカプセルの一部モジュールであるか、又は個体の皮膚に付着された識別装置の一部モジュールであり得る。
【発明の効果】
【0030】
上記のような本発明の実施形態によると、動物の屠畜過程が動物福祉をベースにして苦痛を最小限にする方法で行われたかを確認し得る。
【0031】
また、家畜の身体状態に関するパラメータを収集して処理し、データサーバに送信することにより、感電死のための印加電流を決定するのに使用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】電気衝撃法を利用した家畜の屠畜方法の概念を示す。
【
図2】本発明の実施形態に係る個体識別装置が家畜に使用されている様子を示す。
【
図3】本発明の実施形態に係る個体に投入される電気衝撃検出モジュールを示す。
【
図4】
図3の実施形態に係る電気衝撃検出モジュールを含む個体識別装置のブロック構成図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る個体の状態を見せる例示を示す。
【
図6a】本発明の実施形態に係る各個体に対する屠畜現況を確認することができるUIの例示を示す。
【
図6b】本発明の実施形態に係る各個体に対する屠畜現況を確認することができるUIの例示を示す。
【
図7】本発明の実施形態に係る電流検出回路の実施例を示す。
【
図8】本発明の実施形態に係る入力電圧の例を示す。
【
図9】本発明が適用される個体管理システムの全体的な構成を概略的に示す。
【
図10】本発明の実施形態に係る第2識別装置のブロック構成図である。
【
図11】本発明の実施形態に係る電気衝撃の検出方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明は、様々な変更を加えることができ、いくつかの実施形態を有し得るため、特定の実施形態を図面に例示し、かつ本明細書の詳細な説明に詳細に説明する。しかし、これは本発明の概念による実施形態を特定の開示形態に限定するものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物、又は、代替物を含むものと理解しなければならない。また、各図面を説明するにあたり、同一の参照符号を同一の構成要素に対して示す。
【0034】
第1、第2、A、Bなどの用語は様々な構成要素を説明するのに使用され得る。但し、上記構成要素は上記用語によって限定される必要はない。上記用語は、1つの構成要素を他の構成要素から区別するためにのみ使用される。例えば、本発明の権利範囲を逸脱することなく、第1構成要素は第2構成要素として命名され得る。同様に、第2構成要素も第1構成要素として命名され得る。「及び/又は」という用語は、複数の関連記載項目の組み合わせ、又は複数の関連記載項目のうちいずれかの項目を含む。
【0035】
ある構成要素が他の構成要素に「連結されている」、又は「接続されている」と言及されたときには、その他の構成要素に直接連結されているか、又は接続されている場合もあるが、中間に他の構成要素が存在する可能性もある。これに対し、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結されている」、又は「直接接続されている」と言及されたときには、中間に他の構成要素が存在しないものと理解しなければならない。
【0036】
本明細書で用いた用語は、単に特定の実施形態を説明するために用いられるものであって、本発明を限定しようとする意図はない。単数の表現は、文脈上、明白に異なる意味をもたない限り複数の表現を含む。本明細書において、「含む」又は「有する」などの用語は明細書上に記載した特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品又はこれらを組み合わせたものが存在することを示すものであって、1つ又はそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部品、又はこれを組み合わせたものなどの存在又は付加の可能性を予め排除しないものとして理解しなければならない。
【0037】
異なる定義がされない限り、技術的であるか又は科学的な用語を含むここで用いる全ての用語は、本実施形態が属する技術分野で通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。一般的に用いられる予め定義された用語は、関連技術の文脈上で有する意味と一致する意味を有するものと解釈すべきであって、本明細書で明白に定義しない限り、理想的又は過度に形式的な意味として解釈されることはない。
【0038】
以下、本発明に係る好ましい実施形態を添付された図面を参照して詳細に説明する。
【0039】
本発明は、電気衝撃法を利用して家畜を屠殺するとき、動物福祉の側面で1次電流の印加による家畜の気絶を誘導した後、2次感電死のために家畜の頭と心臓に十分な電流が加わったかを測定する装置及び方法に関する。
【0040】
また、本発明は、家畜の体の状態に応じて、死亡につながるようにする十分な電流の量が異なっているため、家畜の身体状態に関するパラメータを収集して処理し、データサーバに送信することにより、感電死のための印加電流を決定するのに使用されるようにする装置及び方法に関する。
【0041】
図1は、電気衝撃法を利用した家畜の屠畜方法の概念を示す。
【0042】
電気を利用して個体(動物)を気絶させる方法を電気麻酔法(electronarcosis)とも言う。また、電気を利用して個体を殺すことを感電死(electrocution)させるとも言う。
【0043】
電気麻酔法は短い期間の間に正常的な脳機能を直ちに妨害する。感電死のための電気衝撃は個体の心臓麻痺につながり、心臓が体の周りに血液をポンピングしないようにして該当個体の急死をもたらすため、スタンキル(stun kill)と呼ばれることもある。かかる感電死は非常に苦しいので、本質的に、感電死のための電気衝撃前に個体を気絶させるステップを行う必要がある。
【0044】
このために、1次的に脳に電流を印加し、その後に脳と心臓に電流を印加して個体が心臓麻痺(cardiac arrest)につながるようにする方法が使用され得る。すなわち、電気衝撃法を利用して家畜を屠畜する方法は、大きく
図1に示すような2ステップの手続きを踏み得る。
【0045】
第1ステップは、個体を感電死させるにはつながらず気絶させるための第1電流を印加するステップ(S10)であり、第2ステップは気絶状態の個体に第2電流を印加して感電死させるステップ(S20)である。
【0046】
第1電流を印加するステップと第2電流を印加するステップは、一定の時間間隔を置いて行われることが好ましい(S12)。ここで、間隙時間は、気絶状態の個体に対する放血に十分な時間であり、かつ、個体が気絶状態から回復するまでの時間であることが好ましい。
【0047】
より具体的には、第1ステップである電気を利用した気絶の基本原則は、十分な電流が脳を通過するようにして正常的な脳の活動を妨害することにより、動物が直ちに意識を失って痛みを感じないようにすることである。電極が頭部に適用されるときに流れる電流の量は、電極間の電圧差と動物の電気抵抗に応じて異なり得る。
【0048】
気絶が効果的に行われると、人間のてんかん発作と類似した形態が結果として現れる。発作は大きく3ステップを含み得る。最初の緊張ステップ(tonic phage)では、電流が脳を介して流れ、個体が倒れて息が止まる。その後の断続的活動ステップ(clonic phase)では、個体の弛緩が確認され、かかる弛緩状態において個体の無意識的かつ断続的活動が観察され得る。気絶の最後のステップは、回復ステップ(recovery phase)である。動物は、最初の2ステップでは無意識状態であるため苦痛に無感覚であるが、最後の3ステップの回復ステップに進入すると、気絶効果から回復し、痛みを経験することになる。
【0049】
これによって、第1ステップのうち細部の第2ステップである断続的活動のステップが経過する前に、第2ステップである電気死が行われなければ、動物の苦痛を最小限に抑えて死につながるようにすることができない。
【0050】
第1ステップのうち細部ステップである緊張ステップ、断続的活動ステップ、及び回復ステップに対する時間は各動物毎に異なり得る。通常、緊張ステップは数秒から数十秒の時間の間維持され、断続的活動ステップも数秒から数十秒の時間の間維持されるが、緊張ステップより長く持続する。例えば、牛の場合、緊張ステップは5~20秒間維持され、断続的活動ステップは10秒~60秒間維持される。
【0051】
回復時間は、緊張ステップ又は断続的活動ステップより長く持続し、動物毎に異なり得るが、30秒~90秒程度の時間であることが普通である。
【0052】
まとめると、
図1に示すように、家畜を屠畜するための電気衝撃法は、肉質の低下を防止し、かつ家畜の苦痛を最小限に抑えるために、1次電流の印加による家畜の気絶を誘導した後、2次的に牛の頭と心臓に2次電流を印加して個体を電気死させる2ステップ方法で行うことが好ましい。
【0053】
より好ましくは、1次電流印加後に適切な時間が経過した後、2次電流を印加する必要がある。ここで、1次電流を印加してから2次電流を印加するまでの適切な時間は、動物の種類及び状態によって異なり得るが、約25秒以上40秒以内であることが好ましい。
【0054】
しかし、上述の方法には、電気衝撃を加えて家畜が屠畜されたかを確認できる方法がないという問題がある。すなわち、屠畜業者が肉質だけを考慮して動物を気絶させた後、2次電気衝撃なしに放血だけで家畜を死につながるようにするなど動物福祉の側面で好ましくない方法で屠畜が行われる場合、これを感知することができる方法が必要である。
【0055】
このために、本発明に係る電気衝撃検出装置及び方法では、電気衝撃法を利用して家畜を屠殺するとき、1次電流の印加による家畜の気絶を誘導した後、2次的に感電死のために家畜の頭と心臓に十分な電流が加わったか否かを確認し得る。
【0056】
本発明の実施形態に係る電気衝撃検出装置は、家畜などの個体を識別し、かつ管理するための個体識別装置内に含まれて実現され得る。
【0057】
図2は、本発明の実施形態に係る個体識別装置が家畜に使用されている様子を示す。
【0058】
本発明の実施形態に係る識別装置は、各個体を識別し、該当個体に関する生体情報を取得するためのものであって、第1識別装置100又は第2識別装置200を意味することができ、第1識別装置と第2識別装置の両方を含み得る。
【0059】
第1識別装置100は、個体の生体内部に安着されて個体に関する生体情報を測定することで、そのデータを取得することができる。第2識別装置200は、個体(家畜)の体内外に付着され、その位置情報及び個体の活動量や外部温度などを取得してもよく、電気衝撃が個体に加わる場合、個体の表皮に沿って流れる電流量などを取得するように構成され得る。
【0060】
第1識別装置100は、個体の生体内部に投入されてもよく、カプセルの形であってもよい。第2識別装置200は、体外又は体内に、付着されてもよく、挿入されてもよい。第2識別装置200が体内に挿入される場合、例えば、家畜の背又は足の部位に挿入されて付着され得る。第2識別装置200の体内外の付着位置には制限がなく、一例として、個体の耳や足又は背の部位のうち電流測定に容易な位置に小さいサイズの半導体チップ(chip)201、202の形に据置き又は挿入され得る。第2識別装置200の例としては、耳タグ(ear tag)やネックレスが挙げられる。また、第2識別装置200は、カプセル又はチップから送信された電流データを中央サーバ(図示せず)に送信し得る。
【0061】
第1識別装置100は、個体の生体内部のうち具体的に第1胃又は第2胃に安着されて生体情報を測定し得る。本発明の実施形態に係る個体は飲食物を反芻する反芻動物であって、例えば、牛であってもよい。一般に牛の胃は、第1胃(こぶ胃)、第2胃(蜂巣胃)、第3胃(重弁胃)、第4胃(しわ胃)で構成され得る。第1胃と第2胃は「Reticulo-rumen」と呼ばれているが、簡単に「Rumen」とも言う。このうち第1胃は、全胃の容積の80%を占め、いくつかの空間で構成されている。第1胃は第2胃を含む構造で構成されている。第1胃又は第2胃は消化機能など牛の重要な生体活動が大部分行われている場所である。
【0062】
そのため、第1識別装置100は個体の第1胃又は第2胃に安着されて生体情報を取得することができる。好ましくは、第1識別装置100は、第2胃に安着されるように設置され得る。第1識別装置100の自体重量、第2胃の形、及び第2胃と第1胃との生物学的構造により、第1識別装置100は、第2胃安着された後、第2胃の外に円滑に排出されないようにし得る。
【0063】
第1識別装置100は、例えば、
図3に示すように、個体の内部に投入されたバイオセンサカプセルであってもよい。
【0064】
本発明の実施形態に係る電気衝撃検出装置は、家畜の体内に投入される体内外識別装置(例えば、
図2の第1識別装置又は第2識別装置(200、201、202))内に含まれて構成され得る。一例として、個体識別装置は、添付の
図4に示すような構成を有することができる。
【0065】
図4は、本発明の実施形態に係る電流検出モジュールを含む個体識別装置のブロック構成図である。
【0066】
個体識別装置は、センサモジュール110、通信モジュール120、認証/識別モジュール130、第1識別装置制御部140、エネルギー収集装置152を含む電源制御モジュール150、第1識別装置メモリ160、及び電流検出モジュール170を含むことで構成され得る。
【0067】
センサモジュール110は、個体の生体内部から個体に関する生体情報を取得するためのモジュールであって、個体の動き又は反芻胃の動きを測定することができる加速度センサ、牛の胃の角速度値を検出するためのジャイロセンサ、個体の体温又は胃の温度を測定するための温度センサ、牛の胃に発生するメタンガスの発生量を検出するためのメタンセンサ、又は/及び牛の胃のPH濃度を検出するためのPHセンサなどを含み得る。
【0068】
通信モジュール120はセンサモジュールから取得したデータを外部に送信するためのモジュールである。本発明の実施形態に係る通信モジュールは、低電力で動作するために、ブルートゥース(登録商標)やWiFiなどの通信方式を使用し得る。より具体的には、低電力に設計されたBLE、WiFi HaLowなどが使用され得る。第1識別装置の通信モジュール120は、生体外部にデータを送信するが、近距離に位置する第2識別装置200を含む中継器ネットワークにのみデータを円滑に送信すればよく、これによって大きな電力を必要としない。
【0069】
認証/識別モジュール130は、第1識別装置の固有第1ID(i)を格納する。第1ID(i)は、第1識別装置100の識別かつ収集したデータにIDを併合して収集データの識別などに使用される。
【0070】
第1識別装置100の制御部140は、第1識別装置の全般的な動作を制御し、特にセンサモジュール110から収集したデータを受信して、認証/識別モジュールの固有第1IDと併合することで、個体に関する生体情報データを生成して通信モジュール120に送信する。
【0071】
第1識別装置100は、個体の体内に位置してバッテリ交換に難しいため電力を節約する必要性が大きい。これによって、必要が場合には、休眠状態に置いた状態で周期的に又は必要時にのみ装置を作動させる必要がある。
【0072】
第1識別装置100の電源制御は全体的に第1識別装置制御部140の制御を受け得る。電源制御モジュール150は、エネルギー収集装置としてエネルギー収集装置152及び電源活性化モジュール154を含み得る。第1識別装置100の電源(バッテリ)は、サーバ-中継器ネットワーク300-第2識別装置を介した制御命令に応じて休止状態又は活性化状態に設定かつ転換され得る。
【0073】
エネルギー収集装置(ハーベスティングモジュール)152は、第2識別装置200からの電力送信信号を受信し、これを電源活性化電力に変換して電源活性化モジュール154に提供し得る。また、エネルギー収集装置は、例えば、電磁気エネルギー、磁気エネルギー、運動エネルギー、熱エネルギーなどを含む個体の体内の周辺エネルギー源からエネルギーを収集することができ、電源活性化モジュール154に収集したエネルギーを伝達することもできる。
【0074】
このようなエネルギー収集装置を備えることにより、バッテリ容量に応じた、限定された電力量を消費しなくても、効率的に第1識別装置100を駆動させることができるため、第1識別装置100の電力節約を効果的に達成し得る。
【0075】
電源活性化モジュール154は、エネルギー収集装置152で変換生成された電力を利用して第1識別装置の電源(バッテリ)を駆動し得る。生成された電力がバッテリを制御する電源制御モジュール150を活性化するように構成されてもよく、電源制御モジュール150が第1識別装置100の電源を活性化するように構成されてもよい。電源活性化モジュールは、電源制御モジュール150とバッテリとの接続を介して、電源制御モジュールへのバッテリ電力供給をオン/オフ(On/Off)するスイッチを含むことで実現され得る。
【0076】
第1識別装置メモリ160は、センサモジュール110で収集した生体情報データを格納すると共に、格納された生体情報データを第2識別装置200に送信し得る。同一個体の第2識別装置200又は異なる個体の第2識別装置に生体情報データを送信するに先立って、通信環境が円滑でない場合にはこれを第1識別装置メモリに格納し、通信接続が活性化する場合にデータを一度に送信し得る。
【0077】
また、第1識別装置メモリ160は、上記第1識別装置制御部を介して実行される少なくとも1つの命令を格納し得る。第1識別装置メモリ160は、揮発性記憶媒体及び不揮発性記憶媒体の中から少なくとも1つで構成され得る。例えば、メモリ1020は、読み取り専用メモリ(read only memory、ROM)及びランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)の中から少なくとも1つで構成され得る。
【0078】
電流検出モジュール170は、個体の体内に流れる電流を検出し得る。電流検出モジュールは、第1識別装置の表面に位置する検出端子を含み得る。該当端子は接続線などを介して電流検出のための回路と接続され得る。電流検出回路は、電流値を読み出す電流メータ(current meter)の形で実現されてもよく、ヒューズや保護素子などを含むより簡単な形で実現されてもよい。
【0079】
電流検出モジュール170は体内に流れる電流を検出して通信モジュール120を介して外部サーバ又は装置に伝達し得る。
【0080】
第1識別装置制御部140は、第1識別装置メモリ160に格納されたプログラム命令(program command)を実行し得る。第1識別装置制御部140は、中央処理装置(central processing unit、CPU)、グラフィック処理装置(graphics processing unit、GPU)、又は本発明の実施形態に係る方法が行われる専用のプロセッサを意味し得る。
【0081】
ここで、上記第1識別装置制御部140を介して実行される少なくとも1つの命令は、電流検出モジュールによって第1電流が検出された時刻及び上記第2電流が検出された時刻を格納するようにする命令と、上記第1電流が検出された時刻、上記第2電流が検出された時刻、検出された第1電流値、及び検出された第2電流値のうち少なくとも1つに基づいて、上記個体に対して屠畜基準を満足させる電気衝撃が加わったか否かを判断するようにする命令とを含み得る。
【0082】
上記個体に対して屠畜基準を満足させる電気衝撃が加わったか否かを判断するようにする命令は、上記第1電流が検出された時刻と上記第2電流が検出された時刻との間の時間間隔が所定の範囲内であり、上記第1電流値が第1しきい値以上であり、上記第2電流値が第2しきい値以上である場合、上記屠畜基準を満足させると判断するようにする命令を含み得る。
【0083】
このとき、第1しきい値は上記個体を気絶させるのに十分な電流値であり、上記第2しきい値は上記個体を感電死させるのに十分な電流値であり得る。
【0084】
ここで、第1電流が検出された時刻と上記第2電流が検出された時刻との間の時間間隔に対する所定の範囲は、気絶状態の個体に対する放血に十分な時間であると共に、個体が気絶状態から回復するまでの時間であり得る。
【0085】
具体的には、第1電流が検出された時刻と上記第2電流が検出された時刻との間の時間間隔に対する所定の範囲は25秒以上40秒以下であり得る。
【0086】
また、第1しきい値は1A以上の電流値に設定され、第2しきい値は、上記第1しきい値と同一であるか、又は上記第1しきい値より大きい値に設定され得る。
【0087】
上記第1しきい値と上記第2しきい値は、個体の種類(牛、豚、羊など)及び状態(重量、肥満度、体内水分量)に応じて異なって設定される。個体の種類及び状態に応じた上記第1しきい値と上記第2しきい値を格納し、かつデータベース化して利用し得る。特に、第1しきい値と上記第2しきい値を学習データとして活用して、個体の種類及び状態に応じたパラメータを入力とする電流モデルを生成し得る。
【0088】
また、
図5の例示のように、第1識別装置100又は第2識別装置200が提供する通知部111を介して個体の状態をユーザーに提供し得る。例えば、個体を識別するためのID、個体の種類、重量、肥満度、体内水分量など、上記第1しきい値と上記第2しきい値に影響を与える要素を提供し得る。個体の状態に応じて個体に印加される第1電流及び第2電流が異なって設定されるという詳細な説明は後述する。
【0089】
また、
図6の例示のように、各個体に対する屠畜現況を確認することができる屠畜現況UI113、115を提供し得る。
【0090】
図6aを参照すると、屠畜現況UI113は、各個体に対する年齢、屠畜日程を確認することができ、屠畜時に測定された第1電流及び第2電流と上記第1電流及び第2電流が検出された時刻を確認するためのカウンターを含み得る。
【0091】
また、上記第1電流が検出された時刻、上記第2電流が検出された時刻、検出された第1電流値、及び検出された第2電流値のうち少なくとも1つに基づいて、上記個体に対して動物福祉のための屠畜基準を満足させる電気衝撃が加わったか否かを確認することができるメニューが併せて提供され得る。すなわち、動物福祉に基づいた屠畜であるか否かについての判断結果を提供する。これは、今後、肉類が消費者に提供されるとき、包装材などにバーコード又はQRコードの形で提供することができる。
【0092】
図6bを参照すると、屠畜現況UI115は、各個体、例えば、1680.1の個体に対しては第1電流が印加された時間、
5790.1の個体に対しては第2電流が印加された時間が開示されている。また、
2578.0の個体に対しては、第1電流が印加されてから一定時間が経過しても、他の電流、すなわち、第2電流の印加が検出されていないことをアラームとして警告し得る。この場合、例えば、家畜を気絶させてから続いて感電死させず、その家畜をぶら下げ、血液を放流する方式で屠畜したのではないかと疑われ得る。これによって、中央サーバでは第1電流のみが検出され、その次はこれ以上印加される電流がないと検出されるものである。
【0093】
このように、家畜を気絶させた後、生きている状態で高くぶら下げて血液を放流して殺すと家畜の肉質が柔らかくなって、高い価格又は高等級の肉を販売し得ると言われている。家畜にはよくない方法であるが、一部の屠畜業者には有用であり得る。したがって、これを希望しない屠畜依頼者に警告アラームを送信して屠畜過程に問題があることを知らせることができる。
【0094】
図面には、第1電流で気絶させた後、一定時間以上他の電流が検出されない場合を示したが、必要に応じて、第2電流で直ちに感電死させる場合も警告アラームすることがある。また、サービス提供者は、様々な問題がある屠畜状況に応じた電流基準値を設定値にセッティングし、その基準値に該当する場合、ユーザーにアラームを送信するようにシステムを設定し得る。
【0095】
電気で動物を気絶させ、殺すためには、正確な電極配置を介して、それぞれ脳、又は脳と心臓を十分な電流が流れるようにしなければならない。正しい電極の位置を仮定すると、動物を気絶させか殺すかを決定するのは電流の大きさである。
【0096】
表1は、50Hz正弦波供給電圧による電気衝撃で発生するヘッド-オンリースタン(Head-only stun:電気を頭に印加して気絶)、及びヘッド-トゥ-ボディ感電死(電気を心臓に印加して殺すこと)についての推奨電流を動物毎に表したものである。
【0097】
【0098】
したがって、本発明の電流検出回路に使用されるヒューズは、少なくとも1.28A~1.51A以上、好ましくは2.0A以上の電流が流れなければ切れないヒューズであることが好ましい。
【0099】
例えば、表1における羊、ヤギ、豚から測定された値は、気絶のための第1電流値と感電死のための第2電流値が同一であることを示している。個体の第1識別装置が動物の体内、特に胃に投入された場合、気絶のための動物の頭に接触する電極を介して印加される第1電流は、心臓に印加される第2電流に比べて弱く検出され得る。なぜなら、電圧をヘッドに印加しても、心臓まで電圧が印加されるようにするためには、家畜の厚い表皮、内部筋肉、脂肪層、又は臓器を通過して心臓まで伝達される間に電圧の大きさが減少することがあるため、心臓で測定された電流値はヘッドで測定された電流値よりさらに小さい値が測定され得る。
【0100】
したがって、第2電流を検出するための検出回路のヒューズは、第1電流を検出するための検出回路のヒューズに比べてより大きいサイズの電流に対して断線され得るヒューズであることが好ましい。これは、牛と子牛の場合にも当然適用されるが、感電死に必要な電流の大きさが気絶に必要な電流の大きさより大きいからである。
【0101】
ここで、家畜の種類に応じて電気的気絶と感電死に必要な電流が異なり得ることは言うまでもなく、同一の家畜の種類であっても、該当家畜の身体状態に応じて死亡につながるようにする十分な電流の量は異なり得る。
【0102】
動物は電気をよく伝導する大量の液体を含んでいるが、皮膚、脂肪、骨、及び髪の毛など伝導性がよくない部分も含む。
【0103】
例えば、表1に示すように、電気を頭に印加する場合、電流は動物の組織を通過するとき、皮膚、脂肪、骨、髪の毛などにより電流損失が発生し、多くの量の毛、厚い皮膚、脂肪層、又は厚い頭蓋骨を持つ動物はそうでない動物に比べて電気抵抗が高い場合がある。
【0104】
表2は、他の身体条件の羊を気絶させるときの電流、電圧、及び抵抗間の関係がどのように異なるかを示す。
【0105】
【0106】
電流の流れを最大化するために、抵抗をできる限り低く維持することが重要である。電流の流れに対する抵抗は大きく2つの要因によって異なり得るが、身体組織、及び電極と皮膚との間の接触である。これによって、該当動物の身体状態に応じて動物組織の抵抗が変わることがあり、身体抵抗に応じて体内を流れる電流値が異なり得る。体内抵抗は、水分含有量が低く、肥満(高脂肪)であるほど高くなる。
【0107】
したがって、表2に示すように、同一の種の動物であっても、肥満の場合には体内の抵抗が高く、一般的な状態の個体を気絶又は感電死させるのに十分な電流を印加しても、肥満程度が高い個体の場合には該当電流が十分ではない値になり得る。
【0108】
個体の身体状態に関するパラメータを収集かつ処理してデータサーバに送信することにより、気絶及び感電死を行うのに必要な電流を決定するために使用されるようにすれば、より効果的に電気衝撃を利用した屠畜が行われ得る。
【0109】
一方、上記電流検出モジュールは、上記第1電流を検出する第1回路と、上記第2電流を検出する第2回路とを含み得る。以下、電流検出回路の実施例については
図7を介して説明する。
【0110】
図7は、本発明の実施形態に係る電流検出回路の実施例を示す。
【0111】
図7は、ヒューズと保護素子を用いて本発明の実施形態に係る電流検出回路を実現した例を示す。
【0112】
MCU(Main Control Unit)140は、上述した第1識別装置の制御部140と同一であるか、又はその一部として動作し得る。
【0113】
電流検出回路170は、ヒューズ171、及び複数の保護回路172を含み得る。このような形の回路は、電流メータに比べて回路の複雑度を減らし、体積/コストを減少させることができるという長所がある。
【0114】
電気衝撃が個体に加えられていない一般的な状態で、MCU140はパールストレインの形の信号を電流検出回路として出力し、該当信号はヒューズを経て再びMCUに入力される。MCU140は、戻って入力されるパルス信号から電気衝撃が加わっていないことを認知し得る。このために、印加される電圧は、
図8に示されたパルス波の電圧又は交流電圧を使用し得る。
【0115】
個体に電気衝撃が加わる場合には、カプセルの外部表面に位置する検出端子を介して電流が入力される。電流はヒューズを通過し、しきい値以上の電流が印加される場合に、ヒューズが切れる。この場合、MCUが送信したパルス信号はヒューズを介して伝達されない。MCU140は、自身が送信したパルス信号が検出回路を経て再び入力されない場合、電気衝撃を加えられたと判断し得る。
【0116】
保護素子172は、電気衝撃のような過電流によってMCUなどが破壊されることを防止するための素子であって、
図7の例では、2つの保護素子がMCUの出力及び入力とアースとの間にそれぞれ配置されている。
【0117】
一方、
図7には、図示の利便性のために1つの電流検出回路だけを示したが、2回の電気衝撃を検出することができるように、2つの回路を並列に配置(例えば、170の回路の下に同一の形で配置し、電流検出端子及びMCUと接続される別の回路を配置)する形で実現することも可能である。この場合、各回路に配置されるヒューズは、その仕様が異なり、検出しようとする電気衝撃の大きさで切断される仕様のヒューズが使用されることが好ましい。
【0118】
本発明では、以下で説明される個体管理システムを利用し得る。
【0119】
図9は、本発明が適用される個体管理システムの全体的な構成を概略的に示す図である。
【0120】
図9を参照すると、本発明の個体管理システムは、個体の生体活動情報を取得する第1識別装置100、個体(家畜)に付着されるか、又は皮膚に挿入されて、その位置情報及び個体の活動量、外部温度などを取得する第2識別装置200、2010、2020、又は2030、第1、第2識別装置から個体の生体活動/位置などの情報を受信して通信ネットワークに送信する中継器ネットワーク300、中継器ネットワークと通信ネットワークを介してデータを受信かつ統合して分析するデータ処理システム400、及び本発明のシステムに接続する1つ又は複数個の第1、第2クライアント500などを含むことで構成され得る。
【0121】
第1識別装置100又は第2識別装置200に含まれている各種センサを介して収集された生体情報は、第2識別装置200を介してデータ処理サーバに送信され得る。データ処理サーバは、収集された生体情報を分析して様々な目的に活用し得る。
【0122】
本発明の実施形態によると、データ処理サーバは、識別装置を介して収集された生体データを分析することで、該当個体の体内水分量、肥満率、体重など体内抵抗に影響を与える可能性があるパラメータを導出し得る。導出されたパラメータはネットワークを介して再び識別装置に提供されることができ、識別装置は算出された個体の体内水分量又は肥満度に応じて第1電流値に対する第1しきい値、及び第2電流値に対する第2しきい値を設定し得る。
【0123】
ここで、個体の体内水分量、肥満率、体重などのパラメータは、屠畜を行うシステム又は装置に提供されて、屠畜に必要な電圧や電流などの値を設定するために活用され得る。
【0124】
図10は、本発明の実施形態に係る第2識別装置のブロック構成図である。
【0125】
第2識別装置200は、個体の体外に付着されるか、個体の背や足などにチップの形で挿入されることができ、GPSモジュール210、通信モジュール220、認証/識別モジュール230、第2識別装置制御部240、第2識別装置メモリ250、電力送信モジュール260、及び電流検出モジュール270を含むことで構成され得る。
【0126】
第2識別装置200はセンサモジュール(図示せず)をさらに含み得る。センサモジュールは、個体の体温又は外部の温度を測定するための温度測定センサ、個体の動き、活動量を測定することができる加速度センサ、第2識別装置200の電源をオン/オフ(on/off)することができるセンサなどを含み得る。
【0127】
また、第2識別装置200は、別のエネルギー収集装置及び電源活性化モジュールを含むことができ、第2識別装置の活性化状態又は休止状態を内部又は外部からオン/オフ(on/off)することができるように構成し得る。
【0128】
第2識別装置のGPSモジュール210は、個体の生体外部から個体の位置情報を取得し得る。GPSモジュールは、現在の位置情報を衛星から受信し、そのデータを後述する第2識別装置制御部240に送信する。
【0129】
第2識別装置の通信モジュールは、体内の第1識別装置及び中継器ネットワーク300と通信して、第1識別装置100から取得した生体データとGPSモジュール210から取得した個体の位置情報を外部(中継器ネットワーク)300に送信し得る。中継器ネットワーク300は、ドローンのような移動型中継器、バルーン/地上装置のような中継器を含み得る。
【0130】
一方、中継器ネットワーク300には第2識別装置200が含まれ得る。第2識別装置の通信モジュールは、第2識別装置制御部240から受信したデータを他の第2識別装置又は中継器ネットワーク300に送信し得る。
【0131】
第2識別装置200は少なくとも2つの通信経路を有し得る。第1通信経路は、第1識別装置100と第2識別装置200との間のデータ送信/受信に適用される通信経路であり、第2通信経路は、第2識別装置200と中継器ネットワーク300との通信に適用される通信経路である。
【0132】
このために、第2識別装置200の通信モジュール220は、少なくとも2つの方式の通信方式をサポートする。第1通信方式は、第1識別装置100と通信するための方式であって、低電力ブルートゥース(登録商標)、WiFi通信方式が使用され得る。第2通信方式は、中継器ネットワーク300との通信のための無線通信方式であって、公衆通信網を利用することができ、別途設計された長距離無線通信方式を適用することができる。
【0133】
第2識別装置200の認証/識別モジュール230は第2識別装置200の第2固有ID(i)を格納しており、第2固有IDは第2識別装置200の識別かつ収集したデータにIDを併合して収集データの識別などに使用される。
【0134】
第2識別装置200の認証/識別モジュール230は、上記「第1識別装置100からのデータ選別方式」の第1方式を適用する場合、第1識別装置100から送信される第1データ(生体情報)に含まれる第1識別装置100の第1ID(i)を抽出して、第2識別装置200と既にマッチングされた第1識別装置100からのデータであるかを識別し得る。
【0135】
この場合、第2識別装置200は、第1識別装置100との通信接続ステップからマッチングされた第1識別装置のみと近距離通信経路を設定するようにすることもできる。
【0136】
第2識別装置制御部240は、第2識別装置200の全般的な動作を制御し、特に上記第1識別装置100から収集したデータ、及びGPSモジュール210から収集したデータを受信して認証/識別モジュール230の固有IDと併合し、個体識別情報データを生成して通信モジュール220に送信する。
【0137】
第2識別装置200は、第2識別装置制御部240から生成された個体識別情報データを格納する第2識別装置メモリ250を含み得る。ここで、必要に応じて、第2識別装置200を該当個体(i)から分離し、第2識別装置自体からも個体識別情報データを取得することができる。また、第2識別装置メモリ250は、他の第2識別装置から送信された個体データ、ユーザ(農場主/飼育士)によって設定される第2識別装置の動作のためのいくつかの付加情報を格納し得る。
【0138】
電力送信モジュール260は、第1識別装置100の活性化のためのものであって、データ処理サーバからネットワーク300を経て活性化命令を受信すると、第2識別装置の通信モジュール220を介して第1識別装置100に活性化命令信号を送信し得る。
【0139】
ここで、活性化命令信号は、休止状態の第1識別装置100を起こす単純な制御信号であってもよく、第1識別装置が完全にオフ(Off)された状態である場合、第1識別装置を活性化するために、活性化命令信号と共に、又は活性化命令信号として電力送信信号を送信し得る。
【0140】
第2識別装置200の電力送信モジュールが送信した活性化命令信号として電力送信信号を受信した第1識別装置100のエネルギー収集装置152は、上記電力送信信号を電源活性化電力に変換して第1識別装置100の電源(バッテリ)を駆動させる。
【0141】
電流検出モジュール270は、個体の表皮(皮膚)に流れる電流を検出し得る。電流検出モジュールは、電流検出回路が電流値を読み出す電流メータ(current meter)の形で実現されてもよく、ヒューズや保護素子などを含むより簡単な形で実現されてもよい。
【0142】
第2識別装置内の電流検出モジュール270は、個体を気絶させるための電気衝撃、又は個体を感電死させるための電気衝撃を検出する回路を含むように実現され得る。本発明の他の実施形態によると、上述した第1識別装置100内の電流検出モジュール170が個体を気絶させるための電気衝撃を検出する回路を含むように実現し、第2識別装置200内の電流検出モジュール270が個体を感電死させるための電気衝撃を検出する回路を含むように実現し得る。
【0143】
更なる他の実施形態によると、第2識別装置200内の電流検出モジュール270は、個体を気絶させるための電気衝撃、及び個体を感電死させるための電気衝撃を含む総2回の電気衝撃を検出することができる回路を含むように実現され得る。
【0144】
図11は、本発明の実施形態に係る電気衝撃の検出方法のフローチャートである。
【0145】
本発明の実施形態に係る電気衝撃検出方法は、先の実施形態において説明した第1識別装置100もしくは第2識別装置200、又は第1識別装置100及び第2識別装置200によって行われ得る。ここで、第1識別装置100は、個体に投入される形のバイオカプセルであり得る。第2識別装置200は、個体に付着される、又は皮膚に挿入されたチップの形であり得る。
【0146】
先ず、識別装置は、個体を介して流れる第1電流を検出し(S710)、第1電流が検出された時刻を格納する(S720)。さらに、識別装置は、個体を介して流れる第2電流を検出し(S730)、第2電流が検出された時刻を格納する(S740)。
【0147】
第1及び第2電流が検出された時刻、第1電流値、第2電流値に基づいて屠畜基準を満足させる電気衝撃が加わったかを判断し得る(S750)。より具体的には、第1電流が検出された時刻と第2電流が検出された時刻との間の時間間隔が所定の範囲内であり、上記第1電流値が第1しきい値以上であり、上記第2電流値が第2しきい値以上である場合、屠畜基準を満足させると判断し得る。
【0148】
本明細書において、屠畜基準とは、電気を利用した屠畜時に個体(動物、家畜)の苦痛を最小限に抑えるように設けられた動物福祉的基準を意味し得る。このとき、第1しきい値は上記個体を気絶させるのに十分な電流値であり、上記第2しきい値は上記個体を感電死させるのに十分な電流値であり得る。
【0149】
ここで、第1電流が検出された時刻と上記第2電流が検出された時刻との間の時間間隔に対する所定の範囲は、気絶状態の個体に対する放血に十分な時間であると共に、個体が気絶状態から回復するまでの時間であり得る。
【0150】
具体的には、第1電流が検出された時刻と上記第2電流が検出された時刻との間の時間間隔に対する所定の範囲は25秒以上40秒以下であり得る。
【0151】
また、第1しきい値は1A以上の電流値に設定され、第2しきい値は、上記第1しきい値と同一であるか、又は上記第1しきい値より大きい値に設定され得る。
【0152】
一方、
図11には示されていないが、第1電流、第2電流を検出する前に、個体
識別装置は、個体に関する生体情報を収集し、個体に関する生体情報を活用して該当個体の体内水分量又は肥満度を判断し得る。さらに、算出された個体の体内水分量又は肥満度に応じて第1電流値に対する第1しきい値及び第2電流値に対する第2しきい値を設定し得る。
【0153】
ここで、個体に関する生体情報を収集するステップ、個体に関する生体情報を活用して該当個体の体内水分量又は肥満度を判断するステップ、及び個体の体内水分量又は肥満度に応じて第1しきい値及び第2しきい値を設定するステップは第1識別装置又は第2識別装置によって行われてもよく、第1識別装置と第2識別装置は、これらのステップを分担して行ってもよい。一方、個体に関する生体情報を活用して該当個体の体内水分量又は肥満度を判断するステップは、先に実施形態を介して説明したようなデータ処理サーバによって行われてもよい。
【0154】
また、屠畜後の肉類が消費者に提供されるとき、上記個体に対して屠畜基準を満足させる電気衝撃が加わったか否かを確認することができるバーコード又はQRコードをパッケージなどに併せて提供し得る。
【0155】
本発明の実施形態に係る方法の動作はコンピュータで読み取り可能な記録媒体にコンピュータが読み取り可能なプログラム又はコードとして実現することが可能である。コンピュータが読み取り可能な記録媒体は、コンピュータシステムによって読み取られるデータが格納されている全ての種類の記録装置を含む。また、コンピュータが読み取り可能な記録媒体は、ネットワークで連結されたコンピュータシステムに分散されて、分散方式を介してコンピュータで読み取り可能なプログラム又はコードが格納されて実行され得る。
【0156】
また、コンピュータが読み取り可能な記録媒体は、ロム(rom)、ラム(ram)、フラッシュメモリ(flash memory)などのようにプログラム命令を格納して実行するように特別に構成されたハードウェア装置を含み得る。プログラム命令は、コンパイラ(compiler)によって作製されるような機械語コードだけでなく、インタープリタ(interpreter)などを使用してコンピュータによって実行され得る高級言語コードを含むことができる。
【0157】
本発明のいくつかの側面は装置の文脈で説明されたが、それに相応する方法による説明も表すことができる。ここで、ブロック又は装置は、方法ステップ又は方法ステップの特徴に対応する。同様に、方法の文脈で説明された側面は、対応するブロック又はアイテム、又は相当する装置の特徴で表すことができる。方法ステップのいくつか又は全ては、例えば、マイクロプロセッサ、プログラム可能なコンピュータ、又は電子回路などのハードウェア装置によって(又は利用して)実行され得る。いくつかの実施形態において、最も重要な方法ステップの1つ以上はこのような装置によって行われ得る。
【0158】
実施形態において、プログラム可能なロジック装置(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ)がここで説明された方法の機能の一部又は全部を実行するために使用することができる。実施形態において、フィールドプログラマブルゲートアレイは、ここで説明された方法のいずれかを実行するためのマイクロプロセッサと共に動作し得る。一般に、方法はあるハードウェア装置によって実行されることが好ましい。
【0159】
以上、本発明の好ましい実施形態を参照して説明したが、該当技術分野における熟練した当業者は、添付の特許請求の範囲に記載された本発明の思想と範囲から逸脱しない範囲内で、本発明を多様に修正及び変更させることができることを理解し得る。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
個体に投入又は付着された個体識別装置を用いて個体に対する電気衝撃を検出する方法であって、
個体を介して流れる第1電流を検出するステップと、
前記第1電流が検出された時刻を格納するステップと、
前記第1電流検出後に、前記個体を介して流れる第2電流を検出するステップと、
前記第2電流が検出された時刻を格納するステップと、
前記第1電流が検出された時刻、前記第2電流が検出された時刻、検出された前記第1電流に基づく第1電流値、及び検出された前記第2電流に基づく第2電流値のうち少なくとも1つに基づいて、前記個体に対して所定の屠畜基準を満足させる電気衝撃が加わったか否かを判断するステップと、を含む、電気衝撃検出方法。
【請求項2】
前記個体に対して動物福祉のための屠畜基準を満足させる電気衝撃が加わったか否かを判断するステップは、前記第1電流が検出された時刻と前記第2電流が検出された時刻との間の時間間隔が所定の範囲内であり、前記第1電流値が第1しきい値以上であり、前記第2電流値が第2しきい値以上である場合、屠畜基準を満足させると判断するステップを含む、請求項1に記載の電気衝撃検出方法。
【請求項3】
前記第1しきい値は前記個体の気絶を誘導する電流値であり、
前記第2しきい値は前記個体の感電死を誘導する電流値である、請求項1に記載の電気衝撃検出方法。
【請求項4】
前記第1電流が検出された時刻と前記第2電流が検出された時刻との間の時間間隔に対する所定の範囲は、気絶状態の個体に対する放血に十分な時間であると共に、個体が気絶状態から回復するまでの時間である、請求項3に記載の電気衝撃検出方法。
【請求項5】
前記第1電流が検出された時刻と前記第2電流が検出された時刻との間の時間間隔に対する所定の範囲は25秒以上40秒以下である、請求項3に記載の電気衝撃検出方法。
【請求項6】
前記第1しきい値は1A以上の電流値に設定され、
前記第2しきい値は、前記第1しきい値と同一であるか、又は前記第1しきい値より大きい値に設定される、請求項3に記載の電気衝撃検出方法。
【請求項7】
前記個体識別装置を介して前記個体に関する生体情報を収集するステップと、
前記個体に関する生体情報に基づいて、前記個体の体内水分量又は肥満度を判断するステップと、をさらに含む、請求項1に記載の電気衝撃検出方法。
【請求項8】
前記個体の体内水分量又は肥満度に応じて前記第1しきい値と前記第2しきい値を設定する、請求項1に記載の電気衝撃検出方法。
【請求項9】
屠畜後の肉類が消費者に提供されるとき、前記個体に対して動物福祉のための屠畜基準を満足させる電気衝撃が加わったか否かを確認することができるバーコード又はQRコードを併せて提供するステップをさらに含む、請求項1に記載の電気衝撃検出方法。
【請求項10】
個体に投入又は付着されて個体に加わる電気衝撃を検出する装置であって、
前記個体を介して流れる第1電流及び第2電流を検出する電流検出モジュールと、
プロセッサと、
前記プロセッサを介して実行される少なくとも1つの命令を格納するメモリと、を含み、
前記少なくとも1つの命令は、
電流検出モジュールによって前記第1電流が検出された時刻及び前記第2電流が検出された時刻を格納するようにする命令と、
前記第1電流が検出された時刻、前記第2電流が検出された時刻、検出された前記第1電流に基づく第1電流値、及び検出された前記第2電流に基づく第2電流値のうち少なくとも1つに基づいて、前記個体に対して所定の屠畜基準を満足させる電気衝撃が加わったか否かを判断するようにする命令と、を含む、電気衝撃検出装置。
【請求項11】
前記個体に対して動物福祉のための屠畜基準を満足させる電気衝撃が加わったか否かを判断するようにする命令は、前記第1電流が検出された時刻と前記第2電流が検出された時刻との間の時間間隔が所定の範囲内であり、前記第1電流値が第1しきい値以上であり、前記第2電流値が第2しきい値以上である場合、前記屠畜基準を満足させると判断するようにする命令を含む、請求項10に記載の電気衝撃検出装置。
【請求項12】
前記第1しきい値は前記個体の気絶を誘導する電流値であり、
前記第2しきい値は前記個体の感電死を誘導する電流値である、請求項10に記載の電気衝撃検出装置。
【請求項13】
前記第1電流が検出された時刻と前記第2電流が検出された時刻との間の時間間隔に対する所定の範囲は、気絶状態の個体に対する放血に十分な時間であると共に、個体が気絶状態から回復するまでの時間である、請求項12に記載の電気衝撃検出装置。
【請求項14】
前記第1電流が検出された時刻と前記第2電流が検出された時刻との間の時間間隔に対する所定の範囲は25秒以上40秒以下である、請求項10に記載の電気衝撃検出装置。
【請求項15】
前記第1しきい値は1A以上の電流値に設定される、請求項12に記載の電気衝撃検出装置。
【請求項16】
前記第2しきい値は、前記第1しきい値と同一であるか、又は前記第1しきい値より大きい値に設定される、請求項12に記載の電気衝撃検出装置。
【請求項17】
前記電流検出モジュールは、
前記第1電流を検出する第1回路と、
前記第2電流を検出する第2回路と、を含む、請求項10に記載の電気衝撃検出装置。
【請求項18】
前記第1回路は、電流検出端子、及び前記プロセッサと連結された第1ヒューズを含み、
前記プロセッサは、パルス信号を出力し、前記第1ヒューズを経て戻ってくる信号を受信する、請求項17に記載の電気衝撃検出装置。
【請求項19】
前記第1回路は、前記第1ヒューズとアースとの間、及び前記プロセッサとアースとの間に位置する複数の保護素子をさらに含む、請求項18に記載の電気衝撃検出装置。
【請求項20】
前記プロセッサは、前記第1回路内の前記第1ヒューズが切れて前記第1ヒューズを介して入力されるパルス信号がない場合、前記第1電流の発生を検出する、請求項17に記載の電気衝撃検出装置。
【請求項21】
前記第2回路は、電流検出端子、及び前記プロセッサと連結された第2ヒューズを含み、
前記プロセッサは、パルス信号を出力し、前記第2ヒューズを経て戻ってくる信号を受信する、請求項17に記載の電気衝撃検出装置。
【請求項22】
前記第2回路は、前記第2ヒューズとアースの間、及び前記プロセッサとアースとの間に位置する複数の保護素子をさらに含む、請求項21に記載の電気衝撃検出装置。
【請求項23】
前記プロセッサは、前記第2回路内の前記第2ヒューズが切れて前記第2ヒューズを介して入力されるパルス信号がない場合、前記第2電流の発生を検出する、請求項21に記載の電気衝撃検出装置。
【請求項24】
前記電流検出モジュールは、個体に投入されたバイオセンサカプセルの一部モジュールであるか、又は個体の皮膚に付着された識別装置の一部モジュールである、請求項10に記載の電気衝撃検出装置。
【外国語明細書】