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特開2022-175920流体移送部及びオーバーフロー機構を備えるブロック貯蔵要素
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  • 特開-流体移送部及びオーバーフロー機構を備えるブロック貯蔵要素 図1
  • 特開-流体移送部及びオーバーフロー機構を備えるブロック貯蔵要素 図2
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  • 特開-流体移送部及びオーバーフロー機構を備えるブロック貯蔵要素 図6
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022175920
(43)【公開日】2022-11-25
(54)【発明の名称】流体移送部及びオーバーフロー機構を備えるブロック貯蔵要素
(51)【国際特許分類】
   A01G 31/02 20060101AFI20221117BHJP
   A01G 31/06 20060101ALI20221117BHJP
【FI】
A01G31/02
A01G31/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021082699
(22)【出願日】2021-05-14
(71)【出願人】
【識別番号】503314705
【氏名又は名称】ユングハインリヒ・アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ロールヴァ, フォルカー
(72)【発明者】
【氏名】カヴェリウス, イェルク
(72)【発明者】
【氏名】リープハーバー, マルクス
【テーマコード(参考)】
2B314
【Fターム(参考)】
2B314MA33
2B314NA05
2B314ND06
2B314ND07
2B314ND16
2B314ND32
2B314PA04
2B314PB08
2B314PB27
2B314PB44
2B314PB60
2B314PB64
(57)【要約】      (修正有)
【課題】本発明は、植物バイオマス又は真菌バイオマスの増殖に使用され且つ積み重ね可能であるブロック貯蔵要素の機能性を向上することである。
【解決手段】ブロック貯蔵要素は、オーバーフロー機構9を備える流体リザーバ8を備える。さらにオーバーフロー機構は、導流又は分配装置と相互作用する。さらに流出弁5を備える。さらに流入ファネル部を備え、流入ファネル部とオーバーフロー機構9とは、ブロック貯蔵装置の異なる領域に配置される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物バイオマス又は真菌バイオマスの増殖に使用され且つ積み重ね可能であるブロック貯蔵要素(3)において、オーバーフロー機構(9)を備える流体リザーバ(8)を備えることを特徴とする、ブロック貯蔵要素(3)。
【請求項2】
前記オーバーフロー機構(9)は、導流又は分配装置(7)と相互作用することを特徴とする、請求項1に記載のブロック貯蔵要素(3)。
【請求項3】
流出弁(5)を備えることを特徴とする、請求項1又は2に記載のブロック貯蔵要素(3)。
【請求項4】
流入ファネル部(6)を備えることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載のブロック貯蔵要素(3)。
【請求項5】
前記流入ファネル部(6)と前記オーバーフロー機構(9)とは、前記ブロック貯蔵装置(3)の異なる領域に配置されることを特徴とする、請求項4に記載のブロック貯蔵要素(3)。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の少なくとも1つのブロック貯蔵要素(3)が配置されるブロック貯蔵要素受入スペース(2)を含むブロック貯蔵装置(1)において、少なくとも1つの流体及び/又は養分の供給デバイスを備えることを特徴とする、ブロック貯蔵装置(1)。
【請求項7】
前記流体及び/又は養分の供給デバイスは、少なくとも1つの遮断弁(12)を備えることを特徴とする、請求項6に記載のブロック貯蔵装置(1)。
【請求項8】
前記流体及び/又は養分の供給デバイスは、前記流出弁(5)の作動装置(10)を備えることを特徴とする、請求項6又は7に記載のブロック貯蔵装置(1)。
【請求項9】
前記流体及び/又は養分の供給デバイスは、ポンプを備えることを特徴とする、請求項6~8のいずれか一項に記載のブロック貯蔵装置(1)。
【請求項10】
前記流体及び/又は養分の供給デバイスは、貯蔵タンク(11)を備えることを特徴とする、請求項6~9のいずれか一項に記載のブロック貯蔵装置(1)。
【請求項11】
前記流体及び/又は養分の供給デバイスの少なくとも2つの要素が、少なくとも流体接続であることを特徴とする、請求項6~10のいずれか一項に記載のブロック貯蔵装置(1)。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載のブロック貯蔵要素(3)を取り出す方法において、前記オーバーフロー機構(9)にまで流体で最大限に満たされている、ブロック貯蔵要素(3)の流体リザーバ(8)は、取り出しの前に流体排出されることを特徴とする、方法。
【請求項13】
複数の前記ブロック貯蔵要素(3)は、逐次的に流体排出され且つ取り出されることを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記ブロック貯蔵要素(3)のうちのスタックから取り出される最下段の前記ブロック貯蔵要素(3)は、その都度、流体排出され且つ取り出されることを特徴とする、請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
前記遮断弁(12)と前記流出弁(5)とが、流体排出のために相互作用することを特徴とする、請求項12~14のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物バイオマス又は真菌バイオマスの増殖に使用され且つ積み重ね可能であるブロック貯蔵要素に関する。本発明はさらに、少なくとも1つのブロック貯蔵要素が配置されるブロック貯蔵要素受入スペースを含むブロック貯蔵装置に関する。本発明はさらに、ブロック貯蔵要素を取り出す方法に関する。
【背景技術】
【0002】
既知のブロック貯蔵要素は、ブロック貯蔵システムに貯蔵される物体の貯蔵状態への収納及び貯蔵状態からの取り出しのために、単に使用されるに過ぎない。純粋な貯蔵機能を除くと、ブロック貯蔵システム及びブロック貯蔵要素は、他の目的を有さない。
【発明の概要】
【0003】
ブロック貯蔵システム又はブロック貯蔵装置は、少なくとも1つのブロック貯蔵要素受入スペースを含む貯蔵装置を示す。積み重ね可能な複数のブロック貯蔵要素は、ブロック貯蔵要素受入スペースにおいて貯蔵状態への収納を受け、貯蔵状態からの取り出しを受けることができる。この目的のために、少なくとも1つのブロック貯蔵要素は、積卸スペースを通ってブロック貯蔵要素受入スペースにおいて貯蔵状態への収納を受けるか、又は貯蔵状態からの取り出しを受ける。積卸スペースは、重力方向でブロック貯蔵要素受入スペースの上方又は下方に配置されることができ、それにより、貯蔵状態への収納方向又は貯蔵状態からの取り出し方向は、重力方向又は重力方向の反対方向に方向付けられる。貯蔵状態への収納及び貯蔵状態からの取り出しの方向は、積卸スペースの配置によって決定される。積卸スペースがブロック貯蔵要素受入スペースの上方に配置される場合、貯蔵状態への収納方向は、重力方向であり、貯蔵状態からの取り出し方向は、重力方向とは反対である。積卸スペースが重力方向でブロック貯蔵要素受入スペースの下方に配置される場合、貯蔵状態への収納方向は、重力方向と反対に方向付けられ、貯蔵状態からの取り出し方向は、重力方向に方向付けられる。複数のブロック貯蔵要素がブロック貯蔵要素受入スペースにおいて貯蔵状態への収納を受けると、ブロック貯蔵要素スタックが形成される。ブロック貯蔵システムの他の用語は、積み重ね貯蔵システム又はコンテナ積み重ね貯蔵システムである。例示的な本実施形態では、ブロック貯蔵要素受入スペースは、重力方向で積卸スペースの上方に配置される。
【0004】
本発明の目的は、ブロック貯蔵要素の機能性を向上することである。
【0005】
この目的は、請求項1の特徴によって達成される。
【0006】
冒頭に挙げたタイプのブロック貯蔵要素は、オーバーフロー機構を備える流体リザーバを備える。この構成を用いることによって、ブロック貯蔵要素は、植物バイオマス又は真菌バイオマスの増殖又は培養のために使用され得る。流体リザーバを用いることによって、種子、苗等の異なる段階の植物、又は真菌も、流体の供給を受けることができる。流体リザーバにおいて植物又は真菌が配置されることを通じて、植物又は真菌は、流体及び/又は養液の供給を受ける。植物は、流体リザーバの上方に配置されることができ、植物の根を用いて流体リザーバ内に延びることができる。これにより、植物は、その根を介して流体リザーバから外に流体を引き出すことができる。この目的のために、植物又は真菌は、流体透過性のベースを備えるコンテナ内に配置されることができる。植物の根はまた、ベース内で絡み合うようになることもできる。さらに、流体リザーバからの過剰な流体は、オーバーフロー機構を通じて排出されることができる。このようにして、流体リザーバ内に位置する植物及び/又は真菌にダメージを与える可能性のある水浸は生じ得ない。これにより、植物及び/又は真菌は、最適な生育条件に遭遇する。水浸の低減に加えて、下に位置するブロック貯蔵要素は、ブロック貯蔵要素のオーバーフロー機構を通じて流体及び/又は養液の供給を受けることができる。これ故、1つのブロック貯蔵要素スタックは、流体及び/又は養液の1つの給送要素のみを必要とし、このことは、より少ないコストをもたらす。この構成を用いることによって、ブロック貯蔵要素は、ブロック貯蔵システムにおいて貯蔵状態への収納を受け、バイオマスの増殖のために使用されることができる。ブロック貯蔵要素の機能性が向上する。さらに、このタイプの構成を用いることによって、複数の植物及び/又は真菌は、比較的小さなスペース内で生育することができる。
【0007】
好ましくは、オーバーフロー機構は、導流又は分配装置と相互作用する。オーバーフロー機構を通って導出される流体及び/又は養液は、導流又は分配装置によって、下に位置するブロック貯蔵要素内のオーバーフロー機構に直接再流入することを妨げられる。これにより、このようなかたちで導出された流体及び/又は養液は、下に位置するブロック貯蔵要素に最適なかたちで供給される。それにより、ブロック貯蔵要素は、トレイを備えることができ、トレイは、流体及び/又は養液を導く導流構造を備えることができる。導流構造は、流体及び/又は養液がオーバーフロー機構を通って次のブロック貯蔵要素に入り得る前に、流体及び/又は養液がトレイ内で均一に分配され得ることを確実にすることができる。導流又は分配装置は、例えば、雨樋に類似する溝を備えることができる。
【0008】
好ましくは、ブロック貯蔵要素は、流出弁を備える。流出弁を使用して、流体及び/又は養液は、貯蔵状態からの取り出しプロセスにおいて流出され得る。このようにして、貯蔵状態からの取り出しプロセス中での溢出の危険が防がれることができ、その結果、ブロック貯蔵要素の取り扱いがより容易になる。さらに、流出弁は、給水プロセス中にブロック貯蔵要素に導入される過剰な流体及び/又は養液を導出することができる。収集された流体及び/又は養液は、処理及び再使用され得る。
【0009】
好ましくは、ブロック貯蔵要素は、流入ファネル部を備える。流入ファネル部を介することで、導流又は分配装置によって導流される流体及び/又は養液は、収集され、ターゲットを絞ったかたちで流体リザーバに給送される。それにより、発生する可能性がある流れに関連する浸食及び基材物質の流れ出しが防がれることができる。流入ファネル部を用いることによって、流体及び/又は養液はさらに、ターゲットを絞ったかたちで分配され、それにより、ブロック貯蔵要素内に配置される植物又は真菌の全てに、最適なかたちで流体及び/又は養液を供給することができる。
【0010】
好ましくは、流入ファネル部とオーバーフロー機構とは、ブロック貯蔵要素の異なる領域に配置される。オーバーフロー機構を介して流出する流体及び/又は養液は、導流又は分配装置によって、下に位置するブロック貯蔵要素の流入ファネル部に導流される。流入ファネル部及びオーバーフロー機構が、ブロック貯蔵要素のうちの異なる領域に配置されるため、流体及び/又は養液は、当該流体及び/又は養液がオーバーフロー機構に再び到達する前に、ある一定の距離を移動しなければならない。それにより、流体リザーバ全体への流体及び/又は養液の供給が可能となり、流体リザーバに配置される全ての植物及び/又は真菌が供給を受ける。
【0011】
さらに、本目的は、少なくとも1つのブロック貯蔵要素が配置されるブロック貯蔵要素受入スペースを含むブロック貯蔵装置が、少なくとも1つの流体及び/又は養分の供給デバイスを備えることによって達成される。この構成を用いることによって、ブロック貯蔵要素は、流体及び/又は養液の供給を受けることができる。流体及び/又は養液の供給デバイスは、植物及び/又は真菌の供給を実行し、それにより、人間の作業はもはや必要とされない。その結果、ランニングコストが低減され、流体及び/又は養分のコンスタントな供給が確実になる。
【0012】
好ましくは、流体及び/又は養分の供給デバイスは、少なくとも1つの遮断弁を備える。この遮断弁を用いて、ブロック貯蔵要素の流体リザーバへの給送が制御され得る。流体及び/又は養液は、必要に応じて給送されることができる。これ故、供給過剰又は供給不足の回避が可能である。さらに、植物及び/又は真菌が最適な生育条件に遭遇するように、植物及び/又は真菌の各タイプにとって最適な条件が生成されることができる。
【0013】
好ましくは、流体及び/又は養液の供給デバイスは、流出弁の作動装置を備える。ブロック貯蔵要素上の流出弁は、この作動装置を使用して作動され、それによって、導出されるべき流体及び/又は養液が流出されることができる。この作動装置を用いることによって、流出弁は、純粋に機械的な方法で作動されることができるため、比較的シンプルな状態に保たれることができる。
【0014】
好ましくは、流体及び/又は養液の供給デバイスは、貯蔵タンクを備える。貯蔵タンクは、重力方向で上方に、又はブロック貯蔵要素受入スペースの上側領域に配置されることができ、それにより、流体及び/又は養液は、重力を用いて、下方に配置される流体リザーバ内に移送されることができる。
【0015】
好ましくは、流体及び/又は養液の供給デバイスは、ポンプを備える。ポンプは、流体及び/又は養分の供給デバイスを通じて流体及び/又は養液を圧送することができる。これ故、重力の効果への依存は存在せず、流体及び/又は養液は、重力に逆らって搬送されることもできる。例えば、作動が始まると、収集される流体及び/又は養液は、ポンプを通じて貯蔵タンク内に移送されることができる。
【0016】
好ましくは、流体及び/又は養液の供給デバイスの少なくとも2つの要素は、流体接続状態にある。これにより、作動装置は、例えば、ポンプと流体接続になることができ、ポンプが、貯蔵タンクと流体接続になることもできる。その結果、過剰な流体及び/又は養液は、移送されて貯蔵タンク内に戻されることができる。貯蔵タンクはまた、遮断弁と流体接続になることもできる。これ故、流体及び/又は養液は、流体接続を経由して搬送されることができる。流体接続を用いることによって、流体及び/又は養液のシンプルな移送が可能である。
【0017】
本目的は、オーバーフロー機構にまで流体で最大限に満たされている、ブロック貯蔵要素の流体リザーバが、取り出しの前に流体排出される、冒頭に挙げたタイプの方法によって達成される。このようにして、ブロック貯蔵要素は、ブロック貯蔵要素の重量が低減されるように、比較的空の状態の流体リザーバを備えた状態で貯蔵状態から取り出される。このことは、スロッシングの危険性をより低くすることに加えて、ブロック貯蔵要素の取り扱いを容易にすることを可能にする。
【0018】
好ましくは、複数のブロック貯蔵要素は、逐次的に流体排出され且つ取り出されることができる。複数のブロック貯蔵要素の逐次的な流体排出及び取り出しを通じて、ブロック貯蔵要素スタックは、1つの作動装置のみを使用して流体排出されることができる。これにより、製造コスト及び保守コストの両方でコストが低減される。ブロック貯蔵システムは、1つのブロック貯蔵要素受入スペース当たり1つの作動装置のみを備える。貯蔵タンク、処理要素、ポンプ等の周辺機器は、1つ又は複数のブロック貯蔵要素受入スペースと相互作用することができる。これにより、ブロック貯蔵システムの設計がシンプルになる。
【0019】
好ましくは、ブロック貯蔵要素のうちのスタックから取り出される最下段のブロック貯蔵要素は、その都度、流体排出され且つ取り出される。最下段のブロック貯蔵要素の取り出しに伴い、流体及び/又は養液を除去するために重力が用いられる。それにより、流体の純粋な流動が可能な状態となり、ポンプ動作がもはや不要となる。
【0020】
好ましくは、遮断弁と流出弁とが、流体排出のために相互作用する。遮断弁及び流出弁は、流体排出の処理中に新たな流体及び/又は養液が再供給されないように、相互作用する。これ故、流体排出処理の時間が短縮され、これにより、取り出しの時間も同様に短縮される。
【0021】
本発明は、図面に関連して好ましい例示的な実施形態に基づいて以下に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、ブロック貯蔵装置を示す。
図2図2は、ブロック貯蔵要素を示す。
図3図3は、ブロック貯蔵要素の側面図を示す。
図4図4は、非作動状態にある流出弁及び作動装置の断面を示す。
図5図5は、作動状態にある流出弁及び作動装置の断面を示す。
図6図6は、ブロック貯蔵装置の流体流の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1に示すブロック貯蔵装置1は、少なくとも1つのブロック貯蔵要素受入スペース2を備える。図示しない積卸スペースが、ブロック貯蔵要素受入スペース2の下方に配置される。少なくとも1つのブロック貯蔵要素3が、ブロック貯蔵受入スペース2内に配置される。ブロック貯蔵要素3は、収納貯蔵及び貯蔵取り出しステーション4を通って、ブロック貯蔵システムの内部に移送されることができる。
【0024】
図2は、ブロック貯蔵要素3の図を示す。流出弁5が、ブロック貯蔵要素3の前面に配置される。流入ファネル部6が、ブロック貯蔵要素3の頂部側に配置される。ブロック貯蔵要素3の底部側は、導流又は分配装置7を備える。
【0025】
図3は、ブロック貯蔵要素3の側面図である。流体リザーバ8が、ブロック貯蔵要素3のベースに配置される。ベースには、導流又は分配装置7と相互作用するオーバーフロー機構9も配置される。
【0026】
図4及び図5において、作動装置10及び流出弁5の断面が図示されている。これにより、図4は、非作動状態を示し、非作動状態では、作動装置10と流出弁5とが分離されている。さらに、作動装置10は、非作動状態においてコンテナ受入スペース2の外側に配置される。流出弁5は、作動装置10によって作動される。
【0027】
図5において、作動装置10が流出弁5を作動させる作動状態が図示されている。流出弁5は、流体リザーバ8と流体接続している。作動装置10は、図示しない移動機構によって、非作動状態から作動状態へと、この逆へとに移動される。
【0028】
図6は、1つのブロック貯蔵要素受入スペース2内に配置されている複数のブロック貯蔵要素3を含むブロック貯蔵装置1についての流体流の概略図を示す。概略的に図示される矢印は、流体及び/又は養液の流れを示す。この例示的な図はさらに、貯蔵タンク11を示し、貯蔵タンク11は、流体及び/又は養分の供給デバイスの重力方向での最上点に配置されることができる。貯蔵タンク11は、遮断弁12と流体接続している。この例では、複数の植栽コンテナが、流体リザーバ8内に配置され、当該植栽コンテナ内にも植物が配置される。植栽コンテナは、流体透過性のベースを備え、当該ベース内では植物の根が絡み合うことができる。植物は、その根及び植栽コンテナのベースによって安定化される。植物はまた、基質等の上でも生育することができる。ブロック貯蔵要素3は、導流又は分配装置7と相互作用するオーバーフロー機構9を備える。オーバーフロー機構9は、導流又は分配装置7の第1の端部に配置され、流入ファネル部6は、導流又は分配装置7の第2の端部に配置される。流体リザーバ8はさらに、導流構造を備え、導流構造は、流体及び/又は養液を、流入ファネル部6から出発してオーバーフロー機構9にまで導流する。それにより、導流構造は、流体及び/又は養液がオーバーフロー機構9に到達する前に、当該流体及び/又は養液が流体リザーバ8の大部分に到達することを確実にする。ブロック貯蔵要素3はさらに、流出弁5を備える。流体及び/又は養液は、最下段のブロック貯蔵要素3から出発して、例えば、図示されていないポンプによって、図示されない処理デバイス又は貯蔵タンク11に移送される。
【0029】
例示的なプロセスが以下に説明され、当該プロセスは、ブロック貯蔵要素3の貯蔵状態への収納から始まり、流体リザーバ8内の植栽コンテナ内に配置される植物の生育段階を通して継続し、植栽コンテナ内に配置される植物と共にブロック貯蔵要素3を貯蔵状態から取り出すまで継続する。
【0030】
ブロック貯蔵要素3は、種子、苗又は植物を詰められ、収納貯蔵及び貯蔵取り出しステーション4に移される。収納貯蔵及び貯蔵取り出しステーション4は、ブロック貯蔵装置1への入口及びブロック貯蔵装置1からの出口を形成する。それにより、収納貯蔵及び貯蔵取り出しステーション4は、図示しないポート装置により、積卸スペースに接続されることができる。ブロック貯蔵要素3は、積卸スペースを介してブロック貯蔵要素受入スペース2内に移送される。
【0031】
ブロック貯蔵要素3は、収納貯蔵及び貯蔵取り出しステーション4を通ってブロック貯蔵システム1内に移送され、ブロック貯蔵システム1から再び取り出されもする。本実施形態では、収納貯蔵及び貯蔵取り出しステーション4は、図示しないポートによって積卸スペースに接続される。次いで、ポートは、積卸スペースに接続され、積卸スペースは、少なくとも1つのブロック貯蔵要素受入スペース2の下方に配置される。積卸スペース内には、移動可能な積卸車両が配置され、積卸車両は、複数のブロック貯蔵要素3をポートからコンテナ受入スペース2内に移送する。そうするために、積卸車両は、ブロック貯蔵要素3をポートからピックアップするが、これは、積卸車両が、ブロック貯蔵要素3を重力方向で下方から持ち上げ、その結果、当該ブロック貯蔵要素3が積卸車両上に配置されることにより、行われる。次に、積卸車両は、ブロック貯蔵要素3と共に、当該ブロック貯蔵要素3が貯蔵状態への収納を受けるべきブロック貯蔵要素受入スペース2に、移動する。当該ブロック貯蔵要素受入スペース2に到着すると、積卸車両は、せん断力の方向に逆らってブロック貯蔵要素3を上方に持ち上げる。1つ以上のブロック貯蔵要素3が、充填されるべきブロック貯蔵要素受入スペース2内に既に配置されている場合、積卸車両は、貯蔵状態への収納をしようとしているブロック貯蔵要素3を、当該ブロック貯蔵要素3の上方に配置されているブロック貯蔵要素3と共に、持ち上げ、これにより、ブロック貯蔵要素スタックを形成する。ブロック貯蔵要素スタックが積卸車両によってある一定の高さよりも上方に持ち上げられてしまうと、ブロック貯蔵要素スタックを保持する保持要素(図示せず)は動き、それにより、積卸車両は、ブロック貯蔵要素3のない状態で再び下降することができる。次いで、積卸車両は、フリーな状態になり、さらなるブロック貯蔵要素3に対して、貯蔵状態への収納又は貯蔵状態からの取り出しをすることができる。貯蔵状態からの取り出しプロセスの間、ブロック貯蔵要素受入スペース2内に配置されるブロック貯蔵要素スタックの最下段のブロック貯蔵要素3のみが、その都度取り出しを受けることができる。この目的のために、積卸車両は、取り出しを受けているブロック貯蔵要素3の下方に位置決めされ、保持要素が解除ポジションにまで動くように、当該ブロック貯蔵要素3又はブロック貯蔵要素スタックを持ち上げる。次に、積卸車両は、ブロック貯蔵要素スタックを下降させる。ブロック貯蔵要素スタックがある一定の距離下降されてしまうと、保持要素は動いて保持ポジションに戻り、残っているブロック貯蔵要素スタックをブロック貯蔵要素受入スペース2内に保持する。このとき、ブロック貯蔵要素スタックの最下段のブロック貯蔵要素3は、積卸車両上に配置され、当該積卸車両は、ブロック貯蔵システム3をポート装置(ポート)に移送する。ポート装置(ポート)からでは、ブロック貯蔵要素3は、さらなる搬送、点検、補修、貯蔵状態への再度の収納等を受けることができる。ブロック貯蔵要素3の貯蔵状態への収納の手順は、所望の数量のブロック貯蔵要素3がブロック貯蔵要素受入スペース2に配置されるまで繰り返される。
【0032】
一旦、所望の数量のブロック貯蔵要素3がブロック貯蔵要素受入スペース2に配置されると、流体及び/又は養分の供給デバイスは、当該ブロック貯蔵要素3に流体及び/又は養液(以下、流体と呼ぶ)を供給することができる。この目的のために、流体は、貯蔵タンク11から始まる遮断弁12を介して、1つ目のブロック貯蔵要素3の流体リザーバ8内に移送される。この例示的な実施形態では、1つ目のブロック貯蔵要素3は、ブロック貯蔵要素スタックの最上段のブロック貯蔵要素3である。流体リザーバ8内の流体レベルは、流体がオーバーフロー機構9を越えて流れるまで上昇する。オーバーフロー機構9からは、流体は、導流又は分配装置7を介して、当該導流又は分配装置7の下に位置する2つ目のブロック貯蔵要素3の流入ファネル部6内に流入する。それにより、導流又は分配装置7は、溝、ホース、管等を備えることができる。次いで、ブロック貯蔵要素受入スペース2内の複数のブロック貯蔵要素3の全ての流体リザーバ8が適切な十分な流体の供給を受け終わるまで、この手順が繰り返される。オーバーフロー機構9と流入ファネル部6とが互い距離を離れて配置されているため、流体リザーバ8を通り抜ける流体の流れが生じる。これ故、流体は、オーバーフロー機構9を通って流れ出る前において、流体リザーバ8全体にみなぎる。好ましくは、オーバーフロー機構9及び流入ファネル部6は、流体リザーバ8の異なる端に配置される。
【0033】
他のいかなるブロック貯蔵要素3も最下段のブロック貯蔵要素3の下方に配置されないため、導流又は分配装置7はもはや適切に機能しない。それ故、最下段のブロック貯蔵要素3の流出弁5は、少なくとも一時的に作動装置10と相互作用する。この場合、流体が最下段のブロック貯蔵要素3のオーバーフロー機構9を介して外に流出することが防がれる。
【0034】
流出弁5と作動装置10との相互作用を通じて、流体レベルは、最下段のブロック貯蔵要素3の流体リザーバ8内の流体のオーバーフローの前において、十分早期に低下される。集められた流体は図示しない処理デバイスに送られ、処理デバイスから貯蔵タンク11又は他の構成要素に移送され戻される。流体は、作動装置10から出発して、図示しないポンプによって搬送される。しかしながら、それに関して、ポンプは、例えば処理部の下流又は貯蔵タンク11の領域における異なる位置に配置されることもできる。複数のブロック貯蔵要素3の全ての流体リザーバ8内で流体レベルが十分に上昇すると直ちに、遮断弁12は再び閉じられる。その結果、いかなる追加の流体も、ブロック貯蔵要素3にも流体リザーバ8にも至ることができない。植物又は真菌によって使い尽くされた流体レベルを回復するために、遮断弁12は、時間的順序で並ぶ時間間隔で、再び開かれることができる。流体が流体リザーバ8内のある一定の高さに到達してしまった場合、流出弁5が作動装置10によって開かれることもできる。これにより、オーバーフロー機構9を通じた意図しない流れ出しが防がれることができる。流体及び/又は養分の供給デバイス装置の連続的で一貫性のある循環も同様に可能であるが、常に必要であるわけではない。
【0035】
収穫の準備が整った植物と共にブロック貯蔵要素3を貯蔵状態から取り出すために、流体は、流出弁5と作動装置10との相互作用によって、対応する最下段のブロック貯蔵要素3内で完全に又は部分的に空にされる。その結果、一方では当該ブロック貯蔵要素3の重量が少なくなり、他方では流体がこぼれ出る危険性が低減されるため、当該ブロック貯蔵要素3はより容易に取り扱われることができる。ブロック貯蔵要素3は、流体流出された状態で貯蔵状態から取り出されることができる。この目的のために、ブロック貯蔵要素3は、上述したように、下方向に取り出され、ポートを通って、収納貯蔵及び貯蔵取り出しステーション4に送られる。収納貯蔵及び貯蔵取り出しステーション4からでは、ブロック貯蔵要素3は、さらに処理を受けるか又は搬送されることができる。さらに、貯蔵状態から取り出された状態では、ブロック貯蔵要素3は、流出弁5が取り替えられる又は変更されることによって、点検を受けることができる。
【0036】
植物が収穫されるべきか、移植されるべきか、又は輸送されるべきかに応じて、特定のレベルの流体が、流体リザーバ8中に残り得る。これにより、植物は、輸送の間、流体との接触を維持し、その結果、植物は、より長持ちする。
【符号の説明】
【0037】
1 ブロック貯蔵装置
2 ブロック貯蔵要素受入スペース
3 ブロック貯蔵要素
4 収納貯蔵及び貯蔵取り出しステーション
5 流出弁
6 流入ファネル部
7 導流又は分配装置
8 流体リザーバ
9 オーバーフロー機構
10 作動装置
11 貯蔵タンク
12 遮断弁
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【外国語明細書】