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特開2022-175952平板状シート、および、平板状シートの製造方法
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  • 特開-平板状シート、および、平板状シートの製造方法 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022175952
(43)【公開日】2022-11-25
(54)【発明の名称】平板状シート、および、平板状シートの製造方法
(51)【国際特許分類】
   D06H 7/22 20060101AFI20221117BHJP
   D04H 1/54 20120101ALI20221117BHJP
【FI】
D06H7/22
D04H1/54
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021082772
(22)【出願日】2021-05-14
(71)【出願人】
【識別番号】000229542
【氏名又は名称】日本バイリーン株式会社
(72)【発明者】
【氏名】宮田 貴章
(72)【発明者】
【氏名】加藤 宏一
(72)【発明者】
【氏名】小島 理恵
【テーマコード(参考)】
3B154
4L047
【Fターム(参考)】
3B154AA09
3B154AB22
3B154BA47
3B154BB19
3B154BB55
3B154BC31
3B154DA18
4L047AA27
4L047BA08
4L047BB09
4L047DA00
(57)【要約】      (修正有)
【課題】平板状シートの厚みに対し、その端部の厚みが過度に薄くなっているのが防止されている、平板状シートを提供する。
【解決手段】側面2にその構成成分が溶融して切断された部分を有する平板状シート100であっても、一方の主面側1aに平板状シートの構成成分が溶融した部分2aが存在しており、もう一方の主面側1bに平板状シートの構成成分が溶融した部分2aが存在していないことによって、平板状シートの厚みに対しその端部の厚みが過度に薄くなっているのが防止されている平板状シート。具体例として、平板状シートの厚みに占める平板状シートの端部の厚みの割合が、0.71よりも大きい平板状シートを提供する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
両主面および側面を有する平板状シートであって、
前記側面における、一方の主面側に平板状シートの構成成分が溶融した部分が存在しており、もう一方の主面側に平板状シートの構成成分が溶融した部分が存在していない、
平板状シート。
【請求項2】
(1)両主面を有するシートを用意する工程、
(2)前記シートにおける一方の主面からもう一方の主面へ向けて熱エネルギーを作用させることで、前記もう一方の主面に存在するシートの構成成分を溶融させることなく、前記一方の主面側に存在するシートの構成成分を溶融させ切断する工程、
(3)前記熱エネルギーを作用させた箇所へ張力および/または圧力を作用させ、溶融することなく残った、前記もう一方の主面に存在する構成成分を切断および/または破断する工程、
を備える、
両主面および側面を有する平板状シートの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、両主面および側面を有する平板状シートであって、端部の厚みが過度に薄くなっているのが防止されている平板状シート、および、平板状シートの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
不織布などの両主面を有するシート(以降、シートと略することがある)は様々な産業用途、例えば、細胞培養担体、スキャフォールド、抗菌材料、液体又は気体用濾過材などの用途に使用されている。そして、例えば細胞培養担体として使用する場合にウェル、フラスコ、ディッシュ、ボトルなどへ納めるため、当該シートから円盤形状などの両主面および側面を有する平板状シート(以降、平板状シートと略することがある)が切り出され使用されている。
【0003】
このような、シートから平板状シートを切り出す方法として、例えば、特開2013―194341(特許文献1)には、パルス状炭酸ガスレーザーを用いることでシリカ繊維不織布を溶断し、外縁がライン状に融着してなる1cm角の大きさのシリカ繊維融着不織布を切り出す方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013―194341
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願出願人は、特許文献1が開示するような従来技術にかかる、レーザーなどによる熱エネルギーを作用させることでシートを溶断し切り出された、平板状シートについて検討した。検討の結果、従来技術にかかる製造方法を用いて切り出された平板状シートでは、平板状シートの厚みに対しその端部の厚みが過度に薄くなるという問題が発生していた。具体例として、平板状シートの厚みに占める平板状シートの端部の厚みの割合が、0.71以下になっていた。
【0006】
そして、端部の厚みが過度に薄くなった形状を有する平板状シートは、様々な産業用途に使用するのが困難なものであった。具体例として、当該平板状シートを細胞培養担体としてウェル、フラスコ、ディッシュ、ボトルなどへ収めて使用した場合、平板状シートの主面上へ播種した細胞が平板状シートの端部へ向かって転がり、端部から落ち易いためか、細胞接着率が意図せず低下することがあった。特に、当該問題は、不織布やウェブを溶断することで切り出された平板状シートにおいて、顕著に発生するものであった。
【0007】
この問題が発生する原因は完全に明らかにできてはいないが、次の現象が発生したためだと考えた。シートを溶断することで切り出された平板状シートでは、レーザーなどによる熱エネルギーの作用による溶断によって、平板状シートの側面(平板状シートにおける両主面の外縁同士の間に存在している露出面)の全体にわたり平板状シートの構成成分が溶融する。その後、溶融したシートの構成成分が冷え固化することに伴い、平板状シートの側面の全体が収縮する結果、端部の厚みが過度に薄くなったと考えられた。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第一の本発明は、「両主面および側面を有する平板状シートであって、
前記側面における、一方の主面側に平板状シートの構成成分が溶融した部分が存在しており、もう一方の主面側に平板状シートの構成成分が溶融した部分が存在していない、
平板状シート。」である。
第二の本発明は、「(1)両主面を有するシートを用意する工程、
(2)前記シートにおける一方の主面からもう一方の主面へ向けて熱エネルギーを作用させることで、前記もう一方の主面に存在するシートの構成成分を溶融させることなく、前記一方の主面側に存在するシートの構成成分を溶融させ切断する工程、
(3)前記熱エネルギーを作用させた箇所へ張力および/または圧力を作用させ、溶融することなく残った、前記もう一方の主面に存在する構成成分を切断および/または破断する工程、
を備える、
両主面および側面を有する平板状シートの製造方法。」である。
【発明の効果】
【0009】
本願出願人は検討の結果、側面にその構成成分が溶融して切断された部分を有する平板状シートであっても、前記側面における前記もう一方の主面側に平板状シートの構成成分が溶融した部分(具体的には、溶融して切断された部分)が存在していないことによって、平板状シートの厚みに対しその端部の厚みが過度に薄くなっているのが防止されている平板状シート、具体例として、平板状シートの厚みに占める平板状シートの端部の厚みの割合が、0.71よりも大きい平板状シートを提供できることを見出した。
【0010】
また、本願出願人は更に検討を続けた結果、シートへレーザーなどによる熱エネルギーを利用させシートから平板状シートを切り出す製造方法において、従来技術のように当該熱エネルギーのみによってシートを溶断して平板状シートを切り出すことなく、
(2)前記シートにおける一方の主面からもう一方の主面へ向けて熱エネルギーを作用させることで、前記もう一方の主面に存在するシートの構成成分を溶融させることなく、前記一方の主面に存在するシートの構成成分を溶融させ切断する工程、
(3)前記熱エネルギーを作用させた箇所へ張力および/または圧力を作用させ、溶融することなく残っている、前記もう一方の主面に存在する構成成分を切断および/または破断する工程、
という工程を備える製造方法を採用することによって、側面にその構成成分が溶融して切断された部分を有する平板状シートであっても、端部の厚みが過度に薄くなっているのが防止されている平板状シートを実現できることを見出した。
【0011】
以上から、本発明によって、様々な産業用途に使用可能な平板状シートを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】側面と垂直を成す方向から見た、本発明にかかる平板状シートを示す、模式側面図である。
図2】本発明にかかる平板状シートの製造工程を示した、模式断面図である。なお、一部の符号は図示を省略している。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明では、例えば以下の構成など、各種構成を適宜選択できる。なお、本発明で説明する各種測定は特に記載のない限り、大気圧下のもと測定を行った。また、25℃温度条件下で測定を行った。そして、本発明で説明する各種測定結果は特に記載のない限り、求める値よりも一桁小さな値まで測定で求め、前記値を四捨五入することで求める値を算出した。具体例として、小数第一位までが求める値である場合、測定によって小数第二位まで値を求め、得られた小数第二位の値を四捨五入することで小数第一位までの値を算出し、この値を求める値とした。そして、本発明で例示する各上限値および各下限値は、任意に組み合わせることができる。
【0014】
本発明にかかる平板状シート、および、平板状シートの製造方法について、図を用いて説明する。
【0015】
本発明でいう両主面および側面を有する平板状シート(100)とは、例えば、不織布やウェブあるいは織物や編物などの布帛、多孔フィルムや無孔フィルム、発泡体などの両主面を有するシート(10)から、望む形状となるように切り出して得た平板形状のシートを意味する。特に、柔軟であり様々な産業用途に使用可能であること、また、細胞培養担体として使用するのに向いていることから、シート(10)は布帛(特に、不織布やウェブ)であるのが好ましく、平板状シート(100)は布帛(特に、不織布やウェブ)から切り出されたものであるのが好ましい。
【0016】
また、平板状シート(100)の形状は、両主面(1a、1b)および側面(2)を有するものであれば良く、例えば、主面の形状が四角形など多角形や円形の平板形状であることができる。
【0017】
なお、本発明でいう主面(1aや1b)とは、シート(10)ならびに平板状シート(100)における最も広い面と当該面に対向し存在する別の面(もう一方の主面)を指す。そして、本発明でいう側面(2)とは、平板状シート(100)における一方の主面(例えば、1a)を、当該主面(1a)と垂直をなす方向から見た際の、当該主面(1a)の輪郭となる外縁(例えば、3a)と、平板状シート(100)におけるもう一方の主面(例えば、1b)を、当該主面(1b)と垂直をなす方向から見た際の、当該主面(1b)の輪郭となる外縁(例えば、3b)との間に存在する、露出面を指す。
【0018】
本発明にかかる平板状シート(100)は、側面(2)における、一方の主面(例えば、1a)側に平板状シート(100)の構成成分が溶融した部分(2a、図1では網掛け線で示している、具体的には、溶融して切断された部分)が存在している。それに対し、もう一方の主面(例えば、1b)側の部分(2b)には、平板状シート(100)の構成成分が溶融した部分は存在していない。
【0019】
平板状シート(100)の構成成分が溶融した部分(2a)では、側面(2)に露出し存在している平板状シート(100)の構成成分は、溶融して変形した状態にある。具体的には、布帛からなる平板状シート(100)において、当該部分(2a)では構成繊維は溶融して切断されるため、構成繊維が溶融して球状になっているなど繊維形状でない箇所を備えている。
【0020】
なお、構成成分が溶融した部分(2a)を備えた平板状シート(100)は、シート(10)における一方の主面(1a)からもう一方の主面(1b)へ向けてレーザーなど構成成分を溶融可能な熱エネルギー(図2では矢印線sとして図示している)を作用させることで、一方の主面側(1a側)に存在するシート(10)の構成成分を溶融させ調製できる。
【0021】
また、本発明にかかる平板状シート(100)では、構成成分が溶融している部分(2a)は側面(2)上に、一方の主面(1a)の外縁(3a)と接した、円形の輪形状や多角形の輪形状、あるいは、断面円形の筒形状や断面多角形の筒形状を成し存在できる。
【0022】
一方、平板状シート(100)の構成成分が溶融した部分が存在していない部分(2b)では、側面(2)に露出し存在している平板状シート(100)の構成成分は、構成繊維が溶融して切断されていないため、例えば構成繊維が溶融して球状になることなく、繊維形状を維持している。
【0023】
なお、構成成分が溶融した部分が存在していない部分(2b)を備えた平板状シート(100)は、前述のようにして調製した、構成成分が溶融している部分(2a)を一方の主面(1a)側に備えたシート(10)に対し、前記熱エネルギーを作用させた箇所へ張力および/または圧力を作用させ、溶融することなく残っている、もう一方の主面(1b)に存在する構成成分を切断および/または破断することで調製できる。
【0024】
また、本発明にかかる平板状シート(100)では、構成成分が溶融した部分が存在していない部分(2b)は側面(2)上に、もう一方の主面(1b)の外縁(3b)と接した、円形の輪形状や多角形の輪形状、あるいは、断面円形の筒形状や断面多角形の筒形状を成し存在できる。
【0025】
本発明によって、平板状シート(100)の厚みに対しその端部の厚みが過度に薄くなっているのが防止されている平板状シート(100)、具体的には、平板状シート(100)の厚みに占める平板状シート(100)の端部の厚みの割合が、0.71よりも大きい平板状シート(100)を実現できる。
【0026】
本発明でいう平板状シート(100)の厚みと端部の厚み、および、前記割合とは、以下の方法で測定し算出できる。
【0027】
(厚みの測定方法と割合の算出方法)
(1)平板状シート(100)における一方の主面(1a)の中心を通るようにして、平板状シート(100)を一方の主面(1a)からもう一方の主面(1b)に向かい切断する。なお、平板状シート(100)の切断には、切断時に平板状シート(100)の構成成分を溶融させない手段、例えば、カッターやハサミなどを用いる。
(2)切断した平板状シート(100)の断面と垂直をなす方向から、当該断面全てを確認できるよう、切断面の光学顕微鏡写真あるいは電子顕微鏡写真(以降、併せて顕微鏡写真と称する)を撮影する。なお、必要に応じて、切断面の顕微鏡写真を複数枚撮影し、撮影された複数枚の顕微鏡写真をつなぎ合わせて、切断面の顕微鏡写真を調製してもよい。
(3)撮影した顕微鏡写真上に、平板状シート(100)における一方の主面(1a)ともう一方の主面(1b)を最短距離で結ぶ線分を複数本作図する。そのうち最も長い線分の長さを、平板状シート(100)の厚み(A)とする。
(4)顕微鏡写真上に、前記最も長い線分と垂直を成すと共に、顕微鏡写真に写る一方の側面(2、例えば、顕微鏡写真の右側に写る側面)の両端部(外縁3a、外縁3bにあたる)を通過する直線を、各々作図する。そして、両直線間の最短距離の長さを測定する。
(5)項目(4)と同様にして、顕微鏡写真に写るもう一方の側面(2、例えば、顕微鏡写真の左側に写る側面)の両端部(外縁3a、外縁3bにあたる)を通過する直線を、各々作図する。そして、両直線間の最短距離の長さを測定する。
(6)項目(4)および項目(5)で測定した両最短距離の長さのうち、短い方の長さを、平板状シート(100)の端部の厚み(B)とする。
(7)端部の厚み(B)を平板状シート(100)の厚み(A)で割り、平板状シート(100)の厚みに占める平板状シート(100)の端部の厚みの割合を算出する。
【0028】
算出された割合の値が高いほど、平板状シート(100)の厚みに比べ、平板状シート(100)の端部の厚みが過度に薄くなっているのが防止されていることを意味している。当該割合は0.71よりも大きいものであるが、当該割合は高いほど好ましいことから、0.80以上であるのが好ましく、0.85以上であるのが好ましく、0.90以上であるのが好ましい。本発明にかかる平板状シート(100)では、通常、端部の厚みが平板状シート(100)の厚み以下となるため、その上限値は1.00以下である。上限値は適宜調整可能であるが、1.00未満であることができ、0.95以下であることができる。
【0029】
シート(10)ならびに平板状シート(100)の構成成分は、例えば、有機樹脂や無機成分であることができる。具体的には、シート(10)ならびに平板状シート(100)が布帛である場合、その構成繊維は有機樹脂や無機成分を含むことができ、有機成分と無機成分の双方を含むこともできる。
【0030】
有機樹脂の種類は適宜選択でき、例えば、ポリオレフィン系樹脂(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、炭化水素の一部をシアノ基またはフッ素或いは塩素といったハロゲンで置換した構造のポリオレフィン系樹脂など)、スチレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリエーテル系樹脂(例えば、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアセタール、変性ポリフェニレンエーテル、芳香族ポリエーテルケトンなど)、ポリエステル系樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート、全芳香族ポリエステル樹脂など)、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド系樹脂(例えば、芳香族ポリアミド樹脂、芳香族ポリエーテルアミド樹脂、ナイロン樹脂など)、二トリル基を有する樹脂(例えば、ポリアクリロニトリルなど)、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリスルホン系樹脂(例えば、ポリスルホン、ポリエーテルスルホンなど)、フッ素系樹脂(例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなど)、セルロース系樹脂、ポリベンゾイミダゾール樹脂、アクリル系樹脂(例えば、アクリル酸エステルあるいはメタクリル酸エステルなどを共重合したポリアクリロニトリル系樹脂、アクリロニトリルと塩化ビニルまたは塩化ビニリデンを共重合したモダアクリル系樹脂など)など、公知の樹脂を用いて構成できる。なお、これらの樹脂は、直鎖状ポリマーまたは分岐状ポリマーのいずれからなるものでも構わず、また樹脂がブロック共重合体やランダム共重合体でも構わず、また樹脂の立体構造や結晶性の有無がいかなるものでも、特に限定されるものではない。更には、多成分の樹脂を混ぜ合わせたものでも良い。
【0031】
無機成分の種類は適宜選択でき、例えば、リチウム、ベリリウム、ホウ素、炭素、ナトリウム、マグネシウム、アルミニウム、ケイ素、リン、硫黄、カリウム、カルシウム、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、ヒ素、セレン、ルビジウム、ストロンチウム、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、カドミウム、インジウム、スズ、アンチモン、テルル、セシウム、バリウム、ランタン、ハフニウム、タンタル、タングステン、水銀、タリウム、鉛、ビスマス、セリウム、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、又はルテチウムの各酸化物を挙げることができる。具体的には、SIO、AL、B、TIO、ZRO、CEO、FEO、FE、FE、VO、V、SNO、CDO、LIO、WO、NB、TA、IN、GEO、PBTI、LINBO、BATIO、PBZRO、KTAO、LI、NIFE、SRTIO、ヒドロキシアパタイト、炭酸アパタイト、ゼオライトなどを挙げることができる。なお、無機成分は一種元素の酸化物から構成されていても、二種以上の元素を含む酸化物から構成されていても良い。
【0032】
構成繊維は、例えば、溶融紡糸法、乾式紡糸法、湿式紡糸法、直接紡糸法(メルトブロー法、スパンボンド法、静電紡糸法など)、複合繊維から一種類以上の樹脂成分を除去することで繊維径が細い繊維を抽出する方法、繊維を叩解して分割された繊維を得る方法など公知の方法により得ることができる。
【0033】
構成繊維は、一種類以上の有機樹脂や無機成分から構成されてなるものでも構わない。また、構成繊維は有機樹脂と無機成分から構成されてなるものでも構わず、具体例として、有機樹脂繊維の表面に無機成分がコートされた繊維であってもよい。複数種類の樹脂から構成されてなる繊維として、一般的に複合繊維と称される、例えば、芯鞘型、海島型、サイドバイサイド型、オレンジ型、バイメタル型などの態様であることができる。
【0034】
また、構成繊維は、略円形の繊維や楕円形の繊維以外にも異形断面繊維を含んでいてもよい。なお、異形断面繊維として、中空形状、三角形形状などの多角形形状、Y字形状などのアルファベット文字型形状、不定形形状、多葉形状、アスタリスク形状などの記号型形状、あるいはこれらの形状が複数結合した形状などの繊維断面を有する繊維であってもよい。
【0035】
なお、構成繊維は、その繊維内部や繊維表面に、例えば、難燃剤、香料、顔料、抗菌剤、抗黴材、光触媒粒子、乳化剤、分散剤、界面活性剤、加熱を受け発泡する粒子、ハイドロキシアパタイトなどの無機粒子、酸化防止剤、親水剤、撥水剤、表面電荷調整剤、タンパク質などの生理活性物質などの添加剤を含んでいてもよい。特に、繊維表面にハイドロキシアパタイトなどのリン酸カルシウム系粒子が存在するシート(10)から調製された平板状シート(100)、あるいは、繊維表面にハイドロキシアパタイトなどのリン酸カルシウム系粒子が存在する平板状シート(100)は、培養担体として好適に使用できる。
【0036】
また、シート(10)ならびに平板状シート(100)は、複数種類の繊維が混合して構成されてなるものでも構わない。
【0037】
布帛が繊維ウェブや不織布である場合、例えば、上述の繊維をカード装置やエアレイ装置などに供することで繊維を絡み合わせる乾式法、繊維を溶媒に分散させシート状に抄き繊維を絡み合わせる湿式法、直接紡糸法(メルトブロー法、スパンボンド法、静電紡糸法、紡糸原液と気体流を平行に吐出して紡糸する方法(例えば、特開2009-287138号公報に開示の方法)など)を用いて繊維の紡糸を行うと共にこれを捕集する方法、などによって調製できる。
【0038】
調製した繊維ウェブの構成繊維を絡合および/または一体化させて不織布を調製できる。構成繊維同士を絡合および/または一体化させる方法として、バインダによって構成繊維同士を一体化させる以外にも、例えば、ニードルや水流によって絡合する方法、繊維ウェブを本発明にかかる熱エネルギーを用いた構成成分の溶融処理以外の加熱処理へ供することで、接着繊維(全溶融型接着繊維や芯鞘型接着繊維など)によって構成繊維同士を接着一体化させる方法などを挙げることができる。
【0039】
加熱処理の方法は適宜選択できるが、例えば、ロールにより加熱または加熱加圧する方法、オーブンドライヤー、遠赤外線ヒーター、乾熱乾燥機、熱風乾燥機などの加熱機へ供し加熱する方法、無圧下で赤外線を照射して含まれている樹脂を加熱する方法などを用いることができる。なお、上述した加熱処理へ供することで構成繊維同士を接着繊維により接着一体化した箇所では、構成繊維は溶融して切断されることなく、構成繊維が溶融して球状になっているなど繊維形状でない箇所は形成されるものではない。そのため、構成繊維同士を接着繊維により接着一体化した箇所が平板状シート(100)の側面(2)に露出しているだけの部分は、本発明でいう平板状シート(100)の構成成分が溶融した部分(2a)にはあたらない。
【0040】
布帛が織物や編物である場合、上述のようにして調製した繊維を織るあるいは編むことで、織物や編物を調製できる。
【0041】
なお、繊維ウェブ以外にも不織布あるいは織物や編物を、上述した構成繊維同士を絡合および/または一体化させる方法へ供しても良い。
【0042】
また、本発明では、後述する表面処理工程へ供した繊維を用いてシート(10)を調製してもよく、また、後述する表面処理工程へ供したシート(10)を用いて平板状シート(100)を調製してもよい。
【0043】
布帛の構成繊維の平均繊維径は、0.01~100μmであることができ、0.02~50μmであることができ、0.05~30μmであることができ、0.1~15μmであることができる。なお、「平均繊維径」とは、繊維を含む測定対象部分を撮影した顕微鏡写真あるいは電子顕微鏡写真をもとに測定した、50点の繊維における各繊維径の算術平均値をいう。また、繊維の断面形状が非円形である場合には、断面積と同じ面積の円の直径を繊維径とみなす。
【0044】
また、布帛の構成繊維の繊維長も特に限定するものではないが、短繊維や長繊維と称される繊維であってもよく、使用する繊維長は適宜選択できる。ここでいう短繊維とは繊維長が100mm以下の繊維を指す。また、ここでいう長繊維とは繊維長が100mmよりも長い繊維を指す。なお、繊維長が100mmよりも長く繊維長を特定するのが困難な繊維(連続繊維)も長繊維とみなす。「繊維長」は、JIS L1015(2010)、8.4.1c)直接法(C法)に則って測定した値をいう。
【0045】
本発明にかかるシート(10)ならびに平板状シート(100)は、一つの素材で構成された(例えば、単体の繊維ウェブや単体の不織布で構成された)シート(10)ならびに平板状シート(100)であってもよい。この平板状シート(100)では、単体の繊維ウェブや単体の不織布の側面(2)における、一方の主面(例えば、1a)側に構成成分が溶融した部分(2a)が存在しており、もう一方の主面(例えば、1b)側に平板状シート(100)の構成成分が溶融した部分が存在していない部分(2b)が存在している。
【0046】
シート(10)ならびに平板状シート(100)の目付や厚みなどの諸物性は、用途に合わせ適宜調整できる。例えば、その目付は0.01~200g/mであることができ、0.05~100g/mであることができ、0.1~50g/mであることができる。なお、「目付」とは測定対象物の主面における1mあたりに換算した質量をいう。そして、その厚みは5mm以下であることができ、3mm以下であることができ、2mm以下であることができる。一方、厚みは1μm以上であるのが現実的である。
【0047】
また、シート(10)ならびに平板状シート(100)が布帛など空隙を有する場合、その空隙率は70~99%であることができる。この「空隙率」は次の式により得られる値をいう。
P=[1-M/(T×D)]×100
ここで、Mは測定対象物の目付(単位:g/m)、Tは測定対象物の厚み(単位:mm)、Dは定対象物を構成する各種成分の平均密度(単位:g/cm)を、それぞれ意味する。
【0048】
また、シート(10)ならびに平板状シート(100)の表面は、プラズマ放電処理、UV処理、コロナ放電処理などが施されていてもよい。
【0049】
このようにして調製した平板状シート(100)は、そのまま様々な産業用途へ提供し使用できるが、厚みを調整する工程や親水性を調整する工程(例えば上述した表面処理へ供する工程)へ供してもよい。また、滅菌処理工程や包装工程などへ供してなる製品の態様で提供してもよい。
【0050】
次いで、本発明にかかる平板状シート(100)の製造方法について、例示し説明する。なお、既に説明した項目と構成を同じくする点については説明を省略する。本発明にかかる平板状シート(100)の製造方法は適宜選択することができるが、一例として、
(1)両主面を有するシートを用意する工程;(図2(A))、
(2)前記シートにおける一方の主面からもう一方の主面へ向けて熱エネルギーを作用させることで、前記もう一方の主面に存在するシートの構成成分を溶融させることなく、前記一方の主面側に存在するシートの構成成分を溶融させ切断する工程;(図2(B))、
(3)前記熱エネルギーを作用させた箇所へ張力および/または圧力を作用させ、溶融することなく残っている、前記もう一方の主面に存在する構成成分を切断および/または破断する工程;(図2(C))、
を備える、両主面および側面を有する平板状シートの製造方法を用いることができる。
【0051】
まず、工程(2)について説明する。
シート(10)における一方の主面(1a)からもう一方の主面(1b)へ向けて作用させる熱エネルギー(s)の種類は、適宜選択できるが、一方の主面(1a)に存在するシート(10)の構成成分を溶融させ切断できるよう、例えば、集光した光やレーザーを照射する方法、ガスバーナーを使用する方法、放電を使用する方法、電子ビームを使用する方法などを挙げることができる。これらの中でもレーザーによる方法は、熱源が広範囲に広がらず、所望箇所のみを溶融させ切断するのが容易で、また、非接触であることから小さい歪でシート(10)の構成成分を溶融させ切断できる。そのため、嵩高性を損なうことを防止して、一方の主面(1a)側に存在するシート(10)の構成成分を溶融させ切断でき好ましい。更には、瞬時に伝送・投下が可能な熱源である点からも、レーザーを採用するのが最も好ましい。このときシート(10)へ作用させるレーザーの出力は、シート(10)における一方の主面(1a)からもう一方の主面(1b)まで溶断することがないよう適宜調整するが、出力の下限値は0.1w以上であることができ、1w以上であることができ、4w以上であることができ、出力の上限値は150w以下であることができ、30w以下であることができ、10w以下であることができ、7w以下であることができる。
【0052】
また、レーザーをシート(10)へ作用させる時間は、シート(10)における一方の主面(1a)からもう一方の主面(1b)まで溶断することがないよう適宜調整する。レーザーをシート(10)へ作用させる時間は、シート(10)の主面上をレーザーが移動する速度で表現可能であり、その速度は秒速1cm~秒速20cmであることができ、秒速1.5cm~秒速10cmであることができ、秒速2cm~秒速5cmであることができる。
【0053】
シート(10)の一方の主面(1a)へ作用させた熱エネルギー(s)の形状(例えば、レーザーを作用させた形状)は適宜調整できるが、例えば、主面側から見た際に四角形など多角形や円形であることができる。
【0054】
なお、本発明では本工程を経た後のシート(10)において、熱エネルギーを作用させた箇所では、図2(B)に図示しているように、もう一方の主面(1b)に存在するシートの構成成分は溶融していない。
【0055】
次いで、工程(3)について説明する。
工程(2)を経た後のシート(10)における前記熱エネルギーを作用させた箇所へ、張力および/または圧力を作用させる。張力および/または圧力を作用させる方法は適宜選択できるが、手を用いる方法、刃型などを用いる方法、ハサミやナイフなどを用いる方法などの、シート(10)の構成成分を溶融させることがない方法を採用する。これらの張力および/または圧力を作用させる方法によって、図2(C)に図示しているように、シート(10)のもう一方の主面(1b)に溶融することなく残っていた、シート(10)の構成成分を切断および/または破断する。
【0056】
このようにして、シート(10)から、本発明の構成を満足する、両主面(1a、1b)および側面(2)を有する平板状シート(100)を切り出し調製できる。
【0057】
平板状シート(100)は、そのまま様々な産業用途へ提供し使用できるが、厚みを調整する工程や、例えば、スルホン化処理、フッ素ガス処理、ビニルモノマーのグラフト重合処理、界面活性剤処理、放電処理、あるいは親水性樹脂付与処理などの表面処理工程へ供してもよい。また、滅菌処理工程や包装工程などへ供してなる製品の態様で提供してもよい。
【実施例0058】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
【0059】
(シートの用意)
芯鞘型複合繊維A(芯部:ポリプロピレン(融点:165℃)、鞘部:ポリエチレン(融点:130℃)、繊維の断面形状:円形、繊度:6.6dtex、繊維長:64mm)75質量%と、芯鞘型複合繊維B(芯部:ポリプロピレン(融点:165℃)、鞘部:ポリエチレン(融点:130℃)、繊維の断面形状:円形、繊度:1.7dtex、繊維長:38mm)25質量%とを混綿し、カード機へ供してなる繊維ウェブ(目付:30g/m)を用意した。
次いで、略球状の焼成ハイドロキシアパタイト粒子(ソフセラ社製、品名:micro-SHAp、品番:IHMO-100P000、粒径:4.0μm、アスペクト比:1)を用意した。そして、焼成ハイドロキシアパタイト粒子を220℃に加熱すると共に、158℃に加熱した気流と共に、繊維ウェブの両主面へ吹き付けた。このとき、焼成ハイドロキシアパタイト粒子を含んだ気流を、繊維ウェブの主面が5m/minのテンポで通過するように調整した。その後、室温まで放冷した後、繊維ウェブの表面に固着されていない焼成ハイドロキシアパタイト粒子をエアーにより除去することで、繊維表面を構成する熱可塑性樹脂の熱融着によって繊維表面に焼成ハイドロキシアパタイト粒子が固着している、有機繊維不織布(目付:33.1g/m)を調製した。
【0060】
(参考例)
上述のようにして調製した有機繊維不織布から、刃物を用いて、正方形の切片(一辺10mm、両主面および側面を有する)を切り出し、これを平板状シートとした。このようにして調製した平板状シートでは、側面に有機繊維不織布の構成繊維が溶融した部分は存在していなかった。
【0061】
(比較例1~4)
上述のようにして調製した有機繊維不織布における一方の主面からもう一方の主面へ向けて、パルス状炭酸ガスレーザー(波長:10.6μm、レーザー径:127μm、レーザー照射数:1000パルス/インチ、最大出力10W、レーザー照射の最大移動速度:秒速20cm)を作用させることで、有機繊維不織布を一方の主面からもう一方の主面まで溶断することで、有機繊維不織布から正方形の切片(一辺10mm、両主面および側面を有する)を切り出し、これを平板状シートとした。なお、各比較例ではレーザーの出力と速度を各々変えた。
このようにして調製した平板状シートでは、いずれも、側面の全体に有機繊維不織布の構成繊維が溶融して切断されたことに起因する、構成繊維が溶融して球状になっている部分が存在していた。
【0062】
(実施例1~4)
レーザーの出力と速度を各々変えたこと以外は、比較例と同様にして、上述のようにして調製した有機繊維不織布における一方の主面からもう一方の主面へ向けて、パルス状炭酸ガスレーザーを作用させ、前記もう一方の主面に存在する構成繊維を溶融させることなく、前記一方の主面側に存在する構成繊維を溶融させ切断した。
次いで、前記レーザーを作用させた箇所へ指を用いて張力および/または圧力を作用させ、溶融することなく残っている、前記もう一方の主面に存在する構成繊維を切断および/または破断することで、有機繊維不織布から正方形の切片(一辺10mm、両主面および側面を有する)を切り出し、これを平板状シートとした。
このようにして調製した平板状シートでは、いずれも、側面における前記一方の主面側に有機繊維不織布の構成繊維が溶融して切断されたことに起因する、構成繊維が溶融して球状になっている部分が存在しており、前記もう一方の主面側にはそのような部分は存在していなかった。
【0063】
上述のようにして調製した平板状シートの製造条件と、その物性を表1にまとめた。なお、備えていない構成や測定できなかった値については、表中に「-」を記載した。
【0064】
また、出力(単位:%)は、レーザーの最大出力(100%)に対する出力の百分率を表しており、速度(単位:%)は、レーザーが移動可能な最大速度(100%)に対するレーザーを移動させた速度の百分率を表している。また、熱エネルギーの総量は前述した出力と速度から算出した値であり、実施例4で有機繊維不織布へ作用させたレーザーの熱エネルギー量を、熱エネルギーの総量1.0に換算し表している。当該値が大きいほど有機繊維不織布へ作用させたレーザーの熱エネルギー量が多いことを意味する。なお、比較例2~4では平板状シートが大きく変形しており、平板状シートの厚みや端部の厚みを測定することができなかった。
【0065】
【表1】
【0066】
比較例1の平板状シートは、端部の厚みが過度に薄くなった形状を有する平板状シートであり、平板状シートの厚みに占める端部の厚みの割合は0.71以下であった。この理由として、従来技術のようにレーザーによる熱エネルギーのみによってシートを溶断して平板状シートを切り出したことで、側面の全体に平板状シートの構成成分が溶融した部分が形成されたためだと考えられた。
【0067】
一方、比較例1と比較し実施例1~4の平板状シートは(特に、比較例1と比較し実施例1~2の平板状シートは)、平板状シートの厚みに占める端部の厚みの割合は0.71よりも大きいものであり、端部の厚みが過度に薄くなっているのが防止されている平板状シートであった。この理由として、側面におけるもう一方の主面側に、平板状シートの構成成分が溶融した部分が存在していないためだと考えられた。
【0068】
なお、比較例1と比較例2~4とを比較した結果から、従来技術のようにレーザーによる熱エネルギーのみによってシートを溶断して平板状シートを切り出す際、シートへ作用させる前述の熱エネルギーの総量を上げると、端部の厚みを測定できないほど平板状シートが大きく変形するものとなった。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明にかかる平板状シートは、例えば、細胞培養担体、スキャフォールド、抗菌材料、液体又は気体用濾過材など様々な産業用途に使用できる。
【符号の説明】
【0070】
10:両主面を有するシート
100:両主面および側面を有する平板状シート
1a:一方の主面
1b:もう一方の主面
2:側面
2a:平板状シートの構成成分が溶融した部分
2b:平板状シートの構成成分が溶融した部分が存在していない部分
3a:一方の主面の外縁
3b:もう一方の主面の外縁
s:構成成分を溶融可能な熱エネルギー
図1
図2