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特開2022-175977バッテリー管理システム、バッテリー管理方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022175977
(43)【公開日】2022-11-25
(54)【発明の名称】バッテリー管理システム、バッテリー管理方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/42 20060101AFI20221117BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20221117BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20221117BHJP
【FI】
H01M10/42 P
H01M10/48 P
H01M10/48 301
H02J7/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021082809
(22)【出願日】2021-05-14
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 掲載日 令和3年2月8日 https://mirai-lab.com/archives/news/954 https://www.aucnet.co.jp/nw_corp/20210208_01/ https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000010.000034036.html
(71)【出願人】
【識別番号】506142794
【氏名又は名称】MIRAI-LABO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001667
【氏名又は名称】弁理士法人プロウィン
(72)【発明者】
【氏名】平塚 利男
【テーマコード(参考)】
5G503
5H030
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA02
5G503BB01
5G503CA08
5G503EA05
5G503EA08
5G503GD05
5G503GD06
5H030AA10
5H030AS06
5H030AS08
5H030AS18
5H030FF22
5H030FF41
5H030FF42
5H030FF43
5H030FF44
5H030FF52
(57)【要約】
【課題】二次電池の劣化と充電可能な容量に応じて、適切な二次電池の利用が可能なバッテリー管理システム、バッテリー管理方法およびプログラムを提供する。
【解決手段】二次電池を特定して識別する識別情報と、二次電池の接続時、充電時または放電時の電気特性である電気特性情報を二次電池情報として取得するバッテリー状態取得部(22)と、電気特性情報に基づいて二次電池の充電可能な容量を算出し、認証容量として認証するバッテリー容量認証部(23)と、管理サーバ(20)に備えられ識別情報と認証容量を関連付けて記録するバッテリー管理データベース部(24)と、二次電池の利用者に関連する利用者情報と識別情報を関連付けて記録するユーザ管理データベース(25)と、利用者情報と識別情報の関連付けを変更するユーザ情報変更部(26)を備えるバッテリー管理システム。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリーステーションに接続された二次電池の充放電を行い、前記バッテリーステーションと通信可能に接続された管理サーバで前記二次電池を管理するバッテリー管理システムであって、
前記二次電池を特定して識別する識別情報と、前記二次電池の接続時、充電時または放電時の電気特性である電気特性情報と、を二次電池情報として取得するバッテリー状態取得部と、
前記電気特性情報に基づいて前記二次電池の充電可能な容量を算出し、認証容量として認証するバッテリー容量認証部と、
前記管理サーバに備えられ、前記識別情報と前記認証容量を関連付けて記録するバッテリー管理データベース部と、
前記二次電池の利用者に関連する利用者情報と前記識別情報を関連付けて記録するユーザ管理データベースと、
前記利用者情報と前記識別情報の関連付けを変更するユーザ情報変更部を備えることを特徴とするバッテリー管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載のバッテリー管理システムであって、
前記ユーザ情報変更部は、前記認証容量に基づいて前記利用者情報と前記識別情報の関連付けを変更することを特徴とするバッテリー管理システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載のバッテリー管理システムであって、
前記バッテリーステーションまたは前記管理サーバと通信可能に接続された利用者端末を備え、
前記ユーザ情報変更部は、前記利用者端末からの入力結果に基づいて前記利用者情報と前記識別情報の関連付けを変更することを特徴とするバッテリー管理システム。
【請求項4】
請求項1から3の何れか一つに記載のバッテリー管理システムであって、
前記管理サーバと通信可能に接続された流通サーバを備え、
前記流通サーバは、前記識別情報で特定された前記二次電池の前記認証容量を他の利用者に提示する提示部と、前記他の利用者からの取得申出情報を受け付ける受付部を備え、
前記ユーザ情報変更部は、前記取得申出情報に基づいて前記利用者情報と前記識別情報の関連付けを変更することを特徴とするバッテリー管理システム。
【請求項5】
請求項1から4の何れか一つに記載のバッテリー管理システムであって、
前記電気特性情報は、満充電電圧、全放電電圧、開路電圧、閉路電圧、充電特性、放電特性、内部抵抗、温度特性、負荷特性、サイクル使用履歴情報、またはインピーダンスの何れかを含むことを特徴とするバッテリー管理システム。
【請求項6】
請求項1から5の何れか一つに記載のバッテリー管理システムであって、
前記バッテリー管理データベースは、前記電気特性情報の取得日時と前記識別情報とを関連づけて複数記録し、
前記バッテリー容量認証部は、前記電気特性情報の経時変化に基づいて前記認証容量を認証することを特徴とするバッテリー管理システム。
【請求項7】
二次電池を特定して識別する識別情報と、前記二次電池の接続時、充電時または放電時の電気特性である電気特性情報と、を二次電池情報として取得するバッテリー状態取得工程と、
前記電気特性情報に基づいて前記二次電池の充電可能な容量を算出し、認証容量として認証するバッテリー容量認証工程と、
前記識別情報と前記認証容量を関連付けて記録するバッテリーデータ管理工程と、
前記二次電池の利用者に関連する利用者情報と前記識別情報を関連付けて記録するユーザ管理工程と、
前記利用者情報と前記識別情報の関連付けを変更するユーザ情報変更工程を備えることを特徴とするバッテリー管理方法。
【請求項8】
二次電池を特定して識別する識別情報と、前記二次電池の接続時、充電時または放電時の電気特性である電気特性情報と、を二次電池情報として取得するバッテリー状態取得手順と、
前記電気特性情報に基づいて前記二次電池の充電可能な容量を算出し、認証容量として認証するバッテリー容量認証手順と、
前記識別情報と前記認証容量を関連付けて記録するバッテリーデータ管理手順と、
前記二次電池の利用者に関連する利用者情報と前記識別情報を関連付けて記録するユーザ管理手順と、
前記利用者情報と前記識別情報の関連付けを変更するユーザ情報変更手順をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリー管理システム、バッテリー管理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年になって、自動車や自動二輪車等の移動体の動力源として電力を用い、二次電池から供給された電力を運動エネルギーに変換する電気自動車やハイブリッドカー、電動二輪車等が普及しつつある。また、自転車の補助動力源として電力を用いる電動アシスト付き自転車の普及率も向上している。
【0003】
これらの移動体は、移動体に搭載された二次電池に蓄えられている電力を使用して移動するため、二次電池の充電可能な容量で航続距離が決まる。移動体の航続距離を大きくするためには、二次電池を大型化して大容量化することが有効であるが、二次電池の重量も増大するためエネルギー効率が低下するという問題がある。そこで、二次電池を移動体に着脱自在に装着し、充電可能な容量が低下した二次電池を満充電のものと交換することで航続距離を延長する電池交換方式も提案されている。
【0004】
電池交換方式では、電池ステーションに複数の二次電池を充電して保管しておき、利用者が移動体を持ち込んで使用済みの二次電池と交換し、電池交換料金やリース料金を徴収する。また、交換された使用済み二次電池は電池ステーションで満充電しておき、次回以降の利用者の使用時に再度交換して使用される。しかし、二次電池の充電可能な容量は使用環境や使用履歴に応じて劣化することが知られており、満充電された二次電池であっても新品時よりも充電可能な容量が低下している。そのため、電池交換方式では二次電池の劣化を考慮したバッテリー管理が必要となる。
【0005】
例えば特許文献1には、バッテリー交換装置にネットワークを介して接続された運用サーバで、二次電池の充電回数を計測して劣化を管理し、所定回数以上の充電を実施した二次電池を貸し出し対象から外すことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許6708805号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし引用文献1に記載された従来技術では、運用サーバで貸し出し許可された二次電池の充電可能な容量の下限を設定することはできるが、貸し出された二次電池の実際の充電可能な容量と航続距離を利用者が把握することができない。したがって利用者は、設定された下限の容量を超えて走行を継続することは困難であり、二次電池の電気残量に余裕がある状態でも電池交換する必要があった。また、二次電池には製造条件や使用条件などによって個体差があるため、充電回数での劣化管理では正確に充電可能な容量を把握することが困難であった。
【0008】
また、利用者が想定している移動体の走行距離が短く、電気残量が小さくても足りる用途であっても、運用サーバが設定した下限を上回る二次電池だけが貸し出されることとなり、十分に二次電池を有効活用することが困難であった。
【0009】
そこで本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであり、二次電池の劣化と充電可能な容量に応じて、適切な二次電池の利用が可能なバッテリー管理システム、バッテリー管理方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明のバッテリー管理システムは、バッテリーステーションに接続された二次電池の充放電を行い、前記バッテリーステーションと通信可能に接続された管理サーバで前記二次電池を管理するバッテリー管理システムであって、前記二次電池を特定して識別する識別情報と、前記二次電池の接続時、充電時または放電時の電気特性である電気特性情報と、を二次電池情報として取得するバッテリー状態取得部と、前記電気特性情報に基づいて前記二次電池の充電可能な容量を算出し、認証容量として認証するバッテリー容量認証部と、前記管理サーバに備えられ、前記識別情報と前記認証容量を関連付けて記録するバッテリー管理データベース部と、前記二次電池の利用者に関連する利用者情報と前記識別情報を関連付けて記録するユーザ管理データベースと、前記利用者情報と前記識別情報の関連付けを変更するユーザ情報変更部を備えることを特徴とする。
【0011】
このような本発明のバッテリー管理システムでは、二次電池から取得した電気特性情報に基づいて、二次電池の充電可能な容量を算出し、認証容量として認証するため、二次電池の劣化と充電可能な容量を正確に把握して適切な二次電池の利用が可能になる。
また本発明の一態様では、前記ユーザ情報変更部は、前記認証容量に基づいて前記利用者情報と前記識別情報の関連付けを変更する。
【0012】
また本発明の一態様では、前記バッテリーステーションまたは前記管理サーバと通信可能に接続された利用者端末を備え、前記ユーザ情報変更部は、前記利用者端末からの入力結果に基づいて前記利用者情報と前記識別情報の関連付けを変更する。
【0013】
また本発明の一態様では、前記管理サーバと通信可能に接続された流通サーバを備え、前記流通サーバは、前記識別情報で特定された前記二次電池の前記認証容量を他の利用者に提示する提示部と、前記他の利用者からの取得申出情報を受け付ける受付部を備え、前記ユーザ情報変更部は、前記取得申出情報に基づいて前記利用者情報と前記識別情報の関連付けを変更する。
【0014】
また本発明の一態様では、前記電気特性情報は、満充電電圧、全放電電圧、開路電圧、閉路電圧、充電特性、放電特性、内部抵抗、温度特性、負荷特性、サイクル使用履歴情報、またはインピーダンスの何れかを含む。
【0015】
また本発明の一態様では、前記バッテリー管理データベースは、前記電気特性情報の取得日時と前記識別情報とを関連づけて複数記録し、前記バッテリー容量認証部は、前記電気特性情報の経時変化に基づいて前記認証容量を認証する。
【0016】
また本発明のバッテリー管理方法は、二次電池を特定して識別する識別情報と、前記二次電池の接続時、充電時または放電時の電気特性である電気特性情報と、を二次電池情報として取得するバッテリー状態取得工程と、前記電気特性情報に基づいて前記二次電池の充電可能な容量を算出し、認証容量として認証するバッテリー容量認証工程と、前記識別情報と前記認証容量を関連付けて記録するバッテリーデータ管理工程と、前記二次電池の利用者に関連する利用者情報と前記識別情報を関連付けて記録するユーザ管理工程と、前記利用者情報と前記識別情報の関連付けを変更するユーザ情報変更工程を備えることを特徴とする。
【0017】
また本発明のプログラムは、二次電池を特定して識別する識別情報と、前記二次電池の接続時、充電時または放電時の電気特性である電気特性情報と、を二次電池情報として取得するバッテリー状態取得手順と、前記電気特性情報に基づいて前記二次電池の充電可能な容量を算出し、認証容量として認証するバッテリー容量認証手順と、前記識別情報と前記認証容量を関連付けて記録するバッテリーデータ管理手順と、前記二次電池の利用者に関連する利用者情報と前記識別情報を関連付けて記録するユーザ管理手順と、前記利用者情報と前記識別情報の関連付けを変更するユーザ情報変更手順をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明では、二次電池の劣化と充電可能な容量に応じて、適切な二次電池の利用が可能なバッテリー管理システム、バッテリー管理方法およびプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】第1実施形態に係るバッテリー管理システム100の構成を模式的に示すブロック図である。
図2】第1実施形態に係るバッテリー管理システム100で管理対象とされるバッテリー40の構成を模式的に示すブロック図である。
図3】第1実施形態に係るバッテリー管理システム100の利用形態の一例を示す模式図である。
図4】第1実施形態に係るバッテリー管理方法の手順を示すフローチャートである。
図5】第2実施形態に係るバッテリー管理システム110の構成を模式的に示すブロック図である。
図6】第2実施形態に係るバッテリー管理方法におけるバッテリー流通の手順を示すフローチャートである。
図7】第3実施形態に係る自律型のバッテリーステーション10の概要を示す模式図である。
図8】第4実施形態に係るバッテリー交換エリア1000の概要を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(第1実施形態)
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付すものとし、適宜重複した説明は省略する。図1は、本実施形態に係るバッテリー管理システム100の構成を模式的に示すブロック図である。図1に示すように、バッテリー管理システム100は、バッテリーステーション10と、管理サーバ20と、ユーザ端末30を備え、それぞれが互いに情報通信可能に接続されている。
【0021】
バッテリーステーション10は、外部から電力が供給されており、後述するバッテリー(二次電池)を接続して充電、放電および利用者への利用許可を実行する装置である。図1に示したようにバッテリーステーション10は、情報通信部11と、バッテリー接続部12と、充放電部13と、バッテリー管理部14と、操作部15と、表示部16を備えている。バッテリーステーション10の形態は限定されず、公共の場に設定された大型の筐体を備える装置であってもよく、各家庭に設置された小型の装置であってもよい。
【0022】
情報通信部11は、バッテリーステーション10の外部と情報通信を行う部分である。情報通信部11の構成は限定されず、有線接続であっても無線接続であってもよく、用いられる通信プロトコルも限定されず公知のものを適用することができる。また、情報通信部11が情報通信する経路には、光ファイバー網や衛星通信網、電話回線網、移動体通信網等の公知の通信経路を用いることができる。
【0023】
バッテリー接続部12は、後述するバッテリーとの間で少なくとも電気的な接続を確保する部分であり、バッテリー接続部12にバッテリーが接続されることで、バッテリーステーション10とバッテリーとの間で電力の授受が可能となる。また、バッテリー接続部12には、バッテリーの着脱を制限するロック機構等を備えることが好ましい。図1ではバッテリーステーション10にバッテリー接続部12が一つ設けられた例を示しているが、一つのバッテリーステーション10に複数のバッテリー接続部12を設けるとしてもよい。
【0024】
充放電部13は、バッテリー接続部12に接続されたバッテリーとの間での電力の授受を制御し、バッテリーの充放電を行う部分である。ここで、バッテリーの充放電とは、少なくともバッテリーに対して電力を供給して充電動作を行うことを示し、バッテリーに蓄えられた電力を消費して取り出す放電動作を行う場合を含んでいてもよい。バッテリーの放電動作で取り出された電力は、別途設けられた出力部からバッテリーステーション10の外部に供給されるとしてもよい。
【0025】
バッテリー管理部14は、バッテリー接続部12に接続されたバッテリーの情報や充放電部13での動作状況等を記憶するとともに、バッテリー接続部12からのバッテリー40の取り外し制御や、充放電部13での充放電動作の制御を行う部分である。
【0026】
操作部15は、利用者や操作者がバッテリーステーション10の動作を制御するための入力装置である。操作部15の構成は限定されず、レバーやボタン、ダイヤル、マウス、キーボード、タッチパネル式入力装置等の公知のものを用いることができる。利用者や操作者は、操作部15を操作することでバッテリーの脱着や充放電動作、提示された選択肢からの行動選択、料金支払い動作等を行う。
【0027】
表示部16は、バッテリー管理部14が管理する情報や、行動選択の選択肢を表示する部分であり、公知の画像表示装置を用いることができる。表示部16の具体的構成は限定されず、液晶表示装置や有機EL表示装置等の公知のものを用いることができる。操作部15としてタッチパネル式入力装置を用いた場合には、表示部16の表示機能を操作部15に組み込むとしてもよい。
【0028】
管理サーバ20は、複数のバッテリーステーション10および複数のユーザ端末30と情報通信可能に接続され、所定の手順にしたがってバッテリーの管理を行う情報処理装置である。図1に示したように管理サーバ20は、情報通信部21と、バッテリー状態取得部22と、バッテリー容量認証部23と、バッテリー管理データベース部24と、ユーザ管理データベース部25と、ユーザ情報変更部26とを備えている。
【0029】
情報通信部21は、管理サーバ20の外部と情報通信を行う部分である。情報通信部21の構成は限定されず、有線接続であっても無線接続であってもよく、用いられる通信プロトコルも限定されず公知のものを適用することができる。また、情報通信部21が情報通信する経路には、光ファイバー網や衛星通信網、電話回線網、移動体通信網等の公知の通信経路を用いることができる。
【0030】
バッテリー状態取得部22は、バッテリー接続部12に接続されたバッテリーに関する情報を二次電池情報として取得する部分である。二次電池情報としては、接続されたバッテリーを特定して識別する識別情報や、バッテリーの接続時、充電時または放電時の電気特性である電気特性情報が挙げられる。バッテリー状態取得部22での二次電池情報の取得は、バッテリー接続部12、充放電部13、バッテリー管理部14の状態や動作に関する情報が情報通信部11から情報通信部21を経て伝達されることで行われる。図1ではバッテリー状態取得部22を管理サーバ20に備えた例を示しているが、バッテリーステーション10にバッテリー状態取得部22を備えるとしてもよい。その場合には、バッテリー状態取得部22が取得した二次電池情報は、情報通信部11から情報通信部21を経て管理サーバ20に伝達される。
【0031】
バッテリー容量認証部23は、バッテリー状態取得部22が取得した二次電池情報に含まれる電気特性情報に基づいて、バッテリーの充電可能な容量を算出し、認証容量として認証する部分である。ここで充電可能な容量とは、バッテリーの満充電と完全放電を設定した際に、満充電から完全放電までに取り出し可能な電力量を示す。
【0032】
バッテリー管理データベース部24は、バッテリー毎に与えられた識別情報と、バッテリー容量認証部23で算出され認証された認証容量を関連付けて記録するデータベースである。ユーザ管理データベース部25は、バッテリーの利用者に関連する利用者情報と、バッテリー毎に与えられた識別情報を関連付けて記録するデータベースである。ユーザ情報変更部26は、後述する各種情報に基づいて利用者情報と識別情報の関連付けを変更してユーザ管理データベース部25に記録する部分である。
【0033】
ユーザ端末30は、バッテリーの利用者が操作する情報機器であり、バッテリーステーション10および管理サーバ20と情報通信可能に接続されて、情報表示や操作入力を行う装置である。ユーザ端末30は、本発明における利用者端末に相当している。図1に示したようにユーザ端末30は、情報通信部31と、入出力部32と、表示部33と、記憶部34とを備えている。ユーザ端末30の形態も限定されず、例えば携帯電話端末装置、可搬型コンピュータ装置、設置型コンピュータ装置など公知のものを用いることができる。また、ユーザ端末30をバッテリーステーション10と組み合わせて一体化するとしてもよく、バッテリー40により駆動される移動体と一体化して搭載するとしてもよい。
【0034】
情報通信部31は、ユーザ端末30の外部と情報通信を行う部分である。情報通信部31の構成は限定されず、有線接続であっても無線接続であってもよく、用いられる通信プロトコルも限定されず公知のものを適用することができる。また、情報通信部31が情報通信する経路には、光ファイバー網や衛星通信網、電話回線網、移動体通信網等の公知の通信経路を用いることができる。
【0035】
入出力部32は、利用者が所定のコマンドを入力し、情報を出力する装置である。入出力部32の形態は限定されず、レバーやボタン、ダイヤル、マウス、キーボード、タッチパネル式入力装置、スピーカー、インジケータ等の公知のものを用いることができる。
【0036】
表示部33は、画像や文字情報を利用者に対して提示する画像表示装置である。表示部33の具体的構成は限定されず、液晶表示装置や有機EL表示装置等の公知のものを用いることができる。入出力部32としてタッチパネル式入力装置を用いた場合には、表示部33の表示機能を入出力部32に組み込むとしてもよい。
【0037】
記憶部34は、情報の読み書き可能な記録媒体を備え、情報通信部31を介して授受するデータや、ユーザ端末30に所定の手順を実行させるプログラム等を記録するための記憶装置である。記憶部34が備える記録媒体としては、磁気記録媒体や光磁気記録媒体、光記録媒体、不揮発性記憶素子等の公知のものを用いることができる。
【0038】
上述したバッテリーステーション10、管理サーバ20、ユーザ端末30の各部の機能は、所定の動作を行うハードウェアと、中央演算処理装置(CPU:Central Processing Unit)、記憶装置によって所定のプログラムを実行することで実現される。
【0039】
図2は、本実施形態に係るバッテリー管理システム100で管理対象とされるバッテリー40の構成を模式的に示すブロック図である。図2に示すようにバッテリー40は、二次電池セル41と、BMS(Battery Management System)42と、ステーション接続部43と、記憶部44と、情報通信部45を備えている。本実施形態のバッテリー40は、バッテリーステーション10のバッテリー接続部12に接続されて充放電され、バッテリーステーション10から取り出して移動体に装着されて、移動体に電力を供給するものであり、本発明における二次電池に相当している。
【0040】
二次電池セル41は、電気化学反応により電荷を蓄積および放出する電解質、正極および負極の電極、セパレータ等をパッケージ化した部材である。バッテリー40内には複数の二次電池セル41が含まれており、目的とする出力を得るために互いに直列または並列に接続されている。二次電池セル41を構成する電解質は限定されず、例えば各種リチウムイオン電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池等の公知の材料を用いることができる。また電解質は液体であっても固体であってもよい。
【0041】
BMS42は、バッテリー40の外部および二次電池セル41と電気的に接続されて、二次電池セル41の充電および放電を制御する部材である。BMS42は、各二次電池セル41の電圧値や電流値を測定するとともに、充電履歴、放電履歴等を記録し、これらの情報に基づいて外部と二次電池セル41の接続を制御する。
【0042】
ステーション接続部43は、バッテリーステーション10のバッテリー接続部12との間で少なくとも電気的な接続を確保する部分であり、ステーション接続部43がバッテリー接続部12に接続されることで、バッテリーステーション10とバッテリーとの間で電力の授受が可能となる。また、ステーション接続部43には、バッテリー接続部12が備えるロック機構に対応した機械的接続部を備えることが好ましい。
【0043】
記憶部44は、情報の読み書き可能な記録媒体を備え、情報通信部45を介して授受するデータや、個々のバッテリー40を識別するための識別情報を記録するための記憶装置である。記憶部44が備える記録媒体としては、磁気記録媒体や光磁気記録媒体、光記録媒体、不揮発性記憶素子等の公知のものを用いることができる。
【0044】
情報通信部45は、ステーション接続部43を介して接続されたバッテリーステーション10との間で、BMS42が取得した情報や記憶部44に記録されている情報の通信を行う部分である。また、情報通信部45として有線接続や無線接続の通信装置を用い、バッテリーステーション10や管理サーバ20との間で情報通信を直接行うとしてもよい。
【0045】
図3は、本実施形態に係るバッテリー管理システム100の利用形態の一例を示す模式図である。バッテリー40を利用する利用者50は、使用済みのバッテリー40をバッテリーステーション10まで持参し、バッテリー接続部12とステーション接続部43を接続する。バッテリーステーション10では、接続されたバッテリー40の充放電を行うとともに管理サーバ20と情報通信してバッテリー40の管理を行う。また利用者50は、ユーザ端末30を操作してバッテリーステーション10および管理サーバ20との間で情報通信を行い、バッテリー40の管理に必要な入力操作を行う。
【0046】
図3に示した例では、バッテリーステーション10にはバッテリー40を収容する収容部が複数設けられており、収容部にバッテリー40を収容することでバッテリー接続部12とステーション接続部43の接続が自動で行われる。また、収容部に収容されたバッテリー40は、ロック機構によって機械的な着脱が制限されており、バッテリー管理部14からの着脱指示に従ってロック機構が解除されることで収容部から取り出すことが可能になる。このとき、バッテリー管理部14がロック解除する対象のバッテリー40は、利用者50が直前に持参したものと異なっていてもよく、利用者50は充電済みのバッテリー40をバッテリーステーション10から受け取ることができる。
【0047】
ここでバッテリー40において、BMS42が過充電保護機能を働かせて充電を止める状況を満充電(100%)とし、BMS42が過放電保護機能を働かせて放電を止める状況を全放電(0%)としたときに、全放電(0%)から満充電(100%)まで充電するために要する電力量が、バッテリー40に充電可能な容量である。また、バッテリー40が新品の状態における充電可能な容量を新品容量とし、バッテリー40を使用した後に充電可能な容量を劣化容量としたときに、劣化容量/新品容量を劣化率とする。
【0048】
図4は、本実施形態に係るバッテリー管理方法の手順を示すフローチャートである。図3に示したように、利用者50が使用済みのバッテリー40をバッテリーステーション10で充電する場合に本管理方法がスタートする。スタートのトリガーとしては、バッテリーステーション10の収容部にバッテリー40が挿入されたことを検知した場合や、バッテリー接続部12とステーション接続部43の接触を検知した場合、利用者50が入出力部32や操作部15の操作により要求を入力した場合等が挙げられる。
【0049】
ステップS1は、バッテリー接続部12とステーション接続部43の電気的な接続を確保するバッテリー接続工程である。上述したように収容部にバッテリー40が収容される等の動作が行われると、バッテリー管理部14はバッテリー接続部12とステーション接続部43の導通を確認し、両者が導通して電気的に接続されたことを確認した場合にはステップS2に移行する。バッテリーステーション10がロック機構を備えている場合には、バッテリー管理部14は管理対象となるバッテリー40に対してロック機構を作動させ、バッテリー40の取り外しを制限する。具体的なロック機構の構成は限定されない。
【0050】
ステップS2は、接続されたバッテリー40から二次電池情報を取得し、バッテリー40を利用していた利用者50に関する情報を利用者情報として取得するバッテリー情報取得工程である。バッテリー情報取得工程は、本発明のバッテリー状態取得工程の一部に相当している。バッテリー管理部14は、バッテリー40の記憶部44に記録されている識別情報と、BMS42に設定されている満充電電圧と全放電電圧の値を電気特性情報の一部として取得し、バッテリー状態取得部22に送信する。
【0051】
また、バッテリー管理部14は、バッテリー40の識別情報と利用者情報を関連付けてユーザ管理データベース部25に記録する(ユーザ管理工程)。バッテリー状態取得部22が識別情報と電気特性情報を取得した後に、ステップS3に移行する。バッテリー管理部14が識別情報と電気特性情報を取得する具体的方法は限定されず、バッテリー接続部12とステーション接続部43の間で情報通信を可能にしておくことや、バッテリーステーション10側の情報通信部11とバッテリー40側の情報通信部45に無線情報通信を用い、両者間で直接または間接的に情報通信するとしてもよい。
【0052】
ステップS3は、バッテリー40の二次電池セル41を充電または放電する充放電工程である。この工程では、バッテリー管理部14は充放電部13の駆動を制御して、バッテリー接続部12およびステーション接続部43を介して二次電池セル41に電力を供給し、二次電池セル41を充電する。充電動作の前に、リフレッシュ充電のために放電動作をするとしてもよく、放電特性を取得するために短時間の放電動作をするとしてもよい。充放電部13から充放電を開始した後にステップS4に移行する。ステップS4に移行後も充放電工程は継続して実行される。ここで、充放電部13の回路構成や駆動制御方法は限定されず、公知の充放電回路と充放電動作を用いることができる。
【0053】
ステップS4は、充放電工程を実施中に並行して実施される工程であり、バッテリー40の充電時または放電時における電気的な特性を電気特性情報の一部として取得する充放電特性取得工程である。充放電特性取得工程は、本発明のバッテリー状態取得工程の一部に相当している。バッテリー管理部14は、充放電工程の実行と並行して、二次電池セル41の電圧値や充放電時の電流値を電気特性情報の一部として取得し、バッテリー状態取得部22に送信する。バッテリー管理部14が取得する電気特性情報としては、開路電圧、閉路電圧、充電特性、放電特性、内部抵抗、温度特性、負荷特性、サイクル使用履歴情報、またはインピーダンス等が挙げられる。バッテリー状態取得部22が電気特性情報を取得した後に、ステップS5に移行する。
【0054】
ステップS5は、バッテリー40の電気特性情報に基づいて、バッテリー40の状態を判定するバッテリー状態判定工程である。バッテリー状態取得部22は、バッテリー情報取得工程と充放電特性取得工程で取得したバッテリー40の識別情報と電気特性情報と取得日時を関連付けてバッテリー管理データベース部24に記録する。バッテリー容量認証部23は、バッテリー管理データベース部24に記録された電気特性情報に基づいて、バッテリー40に含まれる二次電池セル41の劣化状態を算出して、劣化情報として識別情報と関連付けてバッテリー管理データベース部24に記録する。バッテリー容量認証部23が、劣化情報と識別情報を関連付けて記録した後に、ステップS6に移行する。
【0055】
ここで、バッテリー容量認証部23による劣化状態の算出方法としては、電気特性情報に含まれる満充電電圧、全放電電圧、開路電圧、閉路電圧、充電特性、放電特性、内部抵抗、温度特性、負荷特性、サイクル使用履歴情報、またはインピーダンスの情報をパラメータとして、所定の関数に基づいて算出する方法が挙げられる。このとき、電気特性情報に含まれる複数のパラメータを用いるとしてもよい。また、取得日時が異なる複数の電気特性情報を参照して、電気特性情報の経時変化に基づいて算出するとしてもよい。さらに、劣化状態の算出に用いられる関数を予め設定しておくとしてもよいが、機械学習により近似関数を求めて算出するとしてもよい。
【0056】
また、バッテリー40の識別情報として、二次電池セル41の個別識別番号だけではなく、製造業者、規格情報、使用する装置の型式等の付加的な情報を記録しておき、電気特性情報にこれらの付加的な情報を加味して劣化状態を算出するとしてもよい。ここで劣化状態を算出するとは、現時点での実際の放電容量と放電電圧の関係を求めることを示しており、バッテリー40の新品時に設定されている放電特性とは異なる。
【0057】
本実施形態では、複数のバッテリーステーション10に収容された複数のバッテリー40に関して、接続時、充電時または放電時の電気特性情報に基づいて、管理サーバ20のバッテリー容量認証部23で認証容量を算出している。これにより、バッテリー40の充電可能な容量の算出精度を向上できる。
【0058】
ステップS6は、バッテリー40の充電可能な容量を認証するバッテリー容量認証工程である。バッテリー容量認証部23は、バッテリー状態判定工程で算出したバッテリー40の劣化状態から、現時点におけるバッテリー40の充電可能な容量を決定して、認証容量としてバッテリー管理データベース部24に識別情報と関連付けて記録する。認証容量を記録した後にステップS7に移行する。また、バッテリー容量認証部23で認証された認証容量に基づいて、バッテリー管理部14がバッテリー40のBMS42の情報を更新して、新たな過放電電圧と過充電電圧を設定するとしてもよい。ここではバッテリー状態判定工程とバッテリー容量認証工程とを別のステップとして説明したが、両工程をまとめてバッテリー容量認証工程としてもよい。
【0059】
ステップS7は、次に利用者50が利用するバッテリー40を提示する選択肢提示工程である。バッテリーステーション10のバッテリー管理部14は、収容部に収容されている複数のバッテリー40についてバッテリー管理データベース部24に記録されている識別情報と認証容量の情報を取得し、表示部16に各バッテリー40の認証容量を表示する。これにより利用者50は、バッテリーステーション10の収容部に収容されているバッテリー40の認証容量を把握し、どのバッテリー40が実際にどの程度使用できるかの充電容量を知ることができる。利用者50に対する認証容量の提示が終了した後に、ステップS8に移行する。
【0060】
ここでは表示部16に各バッテリー40の認証容量を表示する例を示したが、情報通信部11および情報通信部31を介してユーザ端末30の表示部33に認証容量を表示するとしてもよい。また、ユーザ管理データベース部25に、使用している移動体の型式や、充電容量あたりの航続距離を利用者情報に含めて予め記録しておき、選択肢提示工程において、認証容量と利用者情報に基づいて航続可能距離を算出して、認証容量と同時に航続可能距離を提示するとしてもよい。
【0061】
ステップS8は、提示された選択肢から行動を選択して実行する選択工程である。利用者50は、表示部16または表示部33に提示された複数のバッテリー40の認証容量を確認して、どのバッテリー40を利用するかを操作部15または入出力部32から入力する。バッテリー管理部14は、情報通信部11および情報通信部21を介してユーザ情報変更部26に対して、選択されたバッテリー40の識別情報と利用者情報を伝達する。ユーザ情報変更部26では、利用者情報に関連付けてユーザ管理データベース部25に記録されているバッテリー40の識別情報を選択された入力結果のものに書き換える。また、バッテリー管理部14は、選択されたバッテリー40のロック機構を解除して表示部16にバッテリー40の取り外しメッセージを表示する。
【0062】
本実施形態において選択肢提示工程と選択工程は、バッテリー40の認証容量に基づいて利用者情報と識別情報の関連付けが変更されるため、本発明におけるユーザ情報変更工程に相当している。
【0063】
上述したように本実施形態では、バッテリー状態取得部22が取得したバッテリー40の電気特性情報を基にバッテリー容量認証部23が認証容量を認証しておき、利用者50に対して認証容量を通知したうえで交換するバッテリー40を提示する。したがって利用者50は、想定している利用状況や航続距離に応じて必要な認証容量のバッテリー40を適切に選択することができる。例えば、予定されている移動距離が長い場合には、劣化率が10%未満のバッテリー40を選択し、緊急で短距離のみの移動の場合には劣化率が30%程度のバッテリー40を選択するなど、バッテリー40の劣化と充電可能な容量に応じて、適切なバッテリー40の利用が可能となる。
(第1実施形態の変形例1)
【0064】
図1図4に示したバッテリー管理システムおよびバッテリー管理方法では、バッテリー容量認証部23でバッテリー40の認証容量を認証した後に、利用者50が選択肢から次に利用するバッテリー40を選択したが、予め定められた条件に応じて自動的に選択するとしてもよい。
【0065】
本変形例では、利用者50は操作部15または入出力部32を用いて、選択するバッテリー40の条件を利用条件情報として予め入力し、利用条件情報を利用者情報の一部としてユーザ管理データベース部25に記録しておく。利用条件情報の例としては、認証容量70%以上や、走行継続可能距離50km以上などが挙げられる。走行継続可能距離を利用条件情報とする場合には、利用者50の搭乗する移動体の充電容量あたりの航続距離を利用者情報に含めて予め記録しておく。
【0066】
ステップS6のバッテリー容量認証工程で、バッテリーステーション10に収容したバッテリー40の認証容量を認証した後に、ユーザ情報変更部26は、ユーザ管理データベース部25に記録された利用者50の利用条件情報を参照し、利用条件情報の条件に合致する認証容量のバッテリー40をバッテリー管理データベース部24から選択し、識別情報を取得する。次にユーザ情報変更部26は、選択されたバッテリー40の識別情報と利用者情報を関連付けて、ユーザ管理データベース部25を更新する。
【0067】
本変形例でも、認証容量の条件を利用条件情報としておき、認証容量に基づいてバッテリー40を選択して利用者情報と識別情報の関連付けを変更しているため、利用者50の要求に適するバッテリー40を選択でき、バッテリー40の劣化と充電可能な容量に応じて、適切なバッテリー40の利用が可能となる。
(第1実施形態の変形例2)
【0068】
図1図4に示したバッテリー管理システムおよびバッテリー管理方法では、バッテリー40の劣化率に関わらず利用者50に認証容量を提示して選択肢に含めたが、予め定められた劣化率よりも劣化が進んだバッテリー40を選択肢から外して回収するとしてもよい。
【0069】
本変形例では、予めユーザ管理データベース部25に回収者の利用者情報を記録し、バッテリー管理データベース部24に回収条件を記録しておく。ここで、回収条件はバッテリー40毎に個別に設定するとしてもよく、全てのバッテリー40に一律に適用される設定を記録するとしてもよい。
【0070】
ステップS6のバッテリー容量認証工程で、バッテリーステーション10に収容したバッテリー40の認証容量を認証した後に、ユーザ情報変更部26はユーザ管理データベース部25から回収条件を取得して、回収条件と認証容量を比較する。ユーザ情報変更部26は、認証容量が回収条件を満たしている場合には、当該バッテリー40の識別情報と回収者の利用者情報を関連付けてユーザ管理データベース部25を更新する。
【0071】
回収者は、バッテリーステーション10の操作部15から回収作業の入力を行うと、バッテリー管理部14はユーザ管理データベース部25にアクセスし、回収者の利用者情報に関連付けられた識別情報を全て取得し、回収対象となったバッテリー40のロック機構を解除する。これにより、回収者は予め定められた劣化率よりも劣化が進んだバッテリー40を回収して再生またはリサイクルを行うことができる。
【0072】
本変形例でも、認証容量を回収条件としておき、認証容量に基づいてバッテリー40を回収して利用者情報と識別情報の関連付けを変更しているため、バッテリー40の劣化と充電可能な容量に応じて、適切なバッテリー40の利用と回収が可能となる。
(第1実施形態の変形例3)
【0073】
図1図4に示したバッテリー管理システムおよびバッテリー管理方法では、利用者50が使用していたバッテリー40をバッテリーステーション10に収容した後に交換対象のバッテリー40を提示したが、バッテリー40を利用中に交換対象を提示するとしてもよい。
【0074】
本変形例では、図4に示したステップS7の選択肢提示工程と、ステップS8の選択工程の後にステップS1のバッテリー接続工程S1を実行する。本変形例では、利用者50が想定している利用条件に合致したバッテリー40がバッテリーステーション10に収容されていない場合には、利用者50は使用中のバッテリー40を継続して使用することができる。
【0075】
また、ユーザ端末30にGPS(Global Positioning System)装置を搭載しておき、ユーザ端末30の位置情報を取得するとともに、ユーザ端末30で管理サーバ20にアクセスし、バッテリー管理データベース部24から近隣のバッテリーステーション10に収容されたバッテリー40の認証容量を確認するとしてもよい。これにより、想定している利用条件に合致した認証容量のバッテリー40がどこのバッテリーステーション10に収容されているかを遠隔地から利用者が把握することができ、バッテリー40の劣化と充電可能な容量に応じて、適切なバッテリー40の利用が可能となる。
(第1実施形態の変形例4)
【0076】
本変形例では、バッテリーステーション10の運営者が複数のバッテリー40を所有しており、利用者50はバッテリーステーション10の運営者との間でレンタル契約、リース契約またはサブスクリプション型の利用契約を締結している。この場合、バッテリー40の利用、持ち出し、回収、充電の各動作において、バッテリー40の所有権は移転しない。したがってバッテリー管理部14は、バッテリー40の識別情報と利用者情報の関連付けをユーザ管理データベース部25で変更するだけで、各動作に対応することができる。
(第2実施形態)
【0077】
次に、本発明の第2実施形態について図5図6を用いて説明する。第1実施形態と重複する内容は説明を省略する。本実施形態では、利用者50がバッテリー40の所有権を有しており、使用済みのバッテリー40の所有権を第三者に移転する場合に用いることができる。図5は、本実施形態に係るバッテリー管理システム110の構成を模式的に示すブロック図である。図5に示すように、バッテリー管理システム110は、バッテリーステーション10と、管理サーバ20と、ユーザ端末30と、流通サーバ60を備え、それぞれが互いに情報通信可能に接続されている。
【0078】
流通サーバ60は、管理サーバ20、複数のバッテリーステーション10および複数のユーザ端末30と情報通信可能に接続され、所定の手順にしたがってバッテリー40の流通管理を行う情報処理装置である。図5に示したように流通サーバ60は、情報通信部61と、受付部62と、提示部63と、決済部64とを備えている。
【0079】
情報通信部61は、流通サーバ60の外部と情報通信を行う部分である。情報通信部61の構成は限定されず、有線接続であっても無線接続であってもよく、用いられる通信プロトコルも限定されず公知のものを適用することができる。また、情報通信部61が情報通信する経路には、光ファイバー網や衛星通信網、電話回線網、移動体通信網等の公知の通信経路を用いることができる。
【0080】
受付部62は、バッテリー40をバッテリー接続部12に接続した利用者50や他の利用者(第三者)からの指示を受け付ける部分である。受付部62の具体的な構成は限定されないが、例えば情報通信部61を介して表示部16または表示部33に受付画面の情報を送信し、操作部15または入出力部32からの入力を利用者50や他の利用者(第三者)からの指示として受け付けることが挙げられる。
【0081】
提示部63は、利用者50から受けた指示に基づいて、バッテリー管理データベース部24からバッテリー40の認証容量を取得して他の利用者に対して提示する部分である。提示部63が提示する他の利用者に提示する内容としては、認証容量の他にも、バッテリー管理データベース部24に識別情報と関連付けて記録されている製造会社、型式、利用者情報、使用履歴等を含めるとしてもよい。また、提示部63の形式は限定されず、価格提示型であってもオークション型であってもよい。
【0082】
決済部64は、利用者50と他の利用者からの指示に基づいて決済を実行する部分である。決済部64の具体的構成は限定されず、電子商取引に用いられる公知の技術を用いることができる。また、決済部64を流通サーバ60内に備えるとしてもよく、外部の決済サーバを利用するとしてもよい。
【0083】
図6は、本実施形態に係るバッテリー管理方法におけるバッテリー流通の手順を示すフローチャートである。本実施形態のバッテリー流通は、図1に示したバッテリー管理方法のうちステップS7の選択肢提示工程と、ステップS8の選択工程の一部を置き換えて実行される。本実施形態では、ステップS7の選択肢提示工程において、利用者50に対して交換対象のバッテリー40を提示するだけではなく、使用していたバッテリー40の売却を選択肢に含める。ステップS8の選択工程において、利用者50が売却を選択した場合に図6に示した手順がスタートする。
【0084】
ステップS11は、利用者50からのバッテリー40の売却依頼を受付部62で受け付ける流通依頼受付工程である。受付部62は、バッテリー管理データベース部24から売却対象であるバッテリー40の識別情報と認証容量を取得する。また、受付部62は、操作部15または入出力部32から入力された売却の条件を売却条件情報として取得し、ステップS12に移行する。ここで売却条件情報としては、価格、売却方法、決済手段などが挙げられる。売却方法としては、例えば提示価格のみでの売却、受け入れ可能な値引き率、オークションによる売却などの情報を含めるとしてもよい。
【0085】
ステップS12は、売却対象のバッテリー40についての情報と売却の意思を他の利用者(第三者)に提示する流通依頼提示工程である。提示部63は、受付部62が取得した識別情報と売却条件情報に基づいて売却対象であるバッテリー40の情報を他の利用者に提示する。このとき、バッテリー40の認証容量を提示部63が提示することで、他の利用者はバッテリー40の現実の充電可能な容量を把握して、購入の是非について検討することができる。提示部63でのバッテリー40の情報と売却意思を提示した後に、ステップS13に移行する。
【0086】
ステップS13は、他の利用者からバッテリー40の取得の意思を受け付ける取得申出受付工程である。提示部63がバッテリー40の情報と売却意思を提示している間、受付部62は他の利用者からのバッテリー40の取得の意思を取得申出情報として受け付けている。受付部62が取得申出情報を受け取った後に、ステップS14に移行する。
【0087】
ステップS14は、受付部62の受け付けた取得申出情報が売却対象のバッテリー40に対して有効な取得の申出であるかを判定する申出判定工程である。受付部62は、取得申出情報をユーザ情報変更部26に伝達し、ユーザ情報変更部26は取得申出情報が売却対象のバッテリー40に対して有効な取得の申出であるかを判定する。取得申出情報が有効の場合にはステップS15に移行し、無効の場合にはステップS13に移行する。取得申出情報の有効性を判断する方法としては、例えば第三者の利用者情報がユーザ管理データベース部に記録されているか、決済部64を利用可能であるかなどが挙げられる。
【0088】
ステップS15は、売却対象であるバッテリー40の売却条件情報と取得申出情報が合致するかを判定する取引判定工程である。ユーザ情報変更部26は、流通依頼受付工程で受付部62が取得した売却条件情報を取得し、取得申出情報が売却の条件を満たしているかを判定する。判定の結果が条件を満たしている場合にはステップS16に移行し、条件を満たしていない場合にはステップS13に移行する。
【0089】
ステップS16は、利用者50に対してバッテリー40を売却した対価を決済する決済工程である。決済部64は、売却条件情報で設定された売却対価について、利用者50に対する対価の決済処理を行う。決済処理の終了後にステップS17に移行する。
【0090】
ステップS17は、売却されたバッテリー40の所有権を移転する関連付け変更工程である。決済部64は、決済処理の情報をユーザ情報変更部26に伝達し、決済が成立した取得申出情報の提出者についての利用者情報とバッテリー40の識別情報を関連付けしてユーザ管理データベース部25を更新する。
【0091】
本実施形態では、利用者50が流通サーバ60を用いてバッテリー40の売却を選択し、第三者がバッテリー40の認証容量を確認して購入の申込みを行うことができる。これにより、中古のバッテリー40についての充電可能な容量を売却者も購入者も正確に把握したうえで、適切な対価を設定して所有権の移転を実行することができる。よって、バッテリー40が劣化し、利用者50が想定している使用状況には適せず、第三者が想定している使用状況には適する場合等において、バッテリー40の劣化と充電可能な容量に応じて、適切な所有権の移転と利用が可能となる。
(第2実施形態の変形例1)
【0092】
図5図6に示したバッテリー管理システムおよびバッテリー管理方法では、利用者50がバッテリー40の売却を選択した場合にステップS11の流通依頼受付工程に移行したが、予め定められた条件を満たした場合に自動的に流通依頼受付工程が実行されるとしてもよい。
【0093】
本変形例では、利用者50は予め売却予定条件として、所定の認証容量である売却閾値を利用者情報に含めてユーザ管理データベース部25に記録しておく。ステップS6のバッテリー容量認証工程で、バッテリー40の認証容量が売却閾値を下回った場合には、バッテリー管理部14は、ステップS7の選択肢提示工程とステップS8の選択工程を省略し、ステップS11に移行して受付部62は売却予定条件を売却条件情報として受け付ける。
【0094】
本変形例では、利用者50が予め売却予定条件を設定することで、バッテリー40の充電可能な容量である認証容量を意識せずにバッテリー40の売却を行うことができる。
(第2実施形態の変形例2)
【0095】
図5図6に示したバッテリー管理システムおよびバッテリー管理方法では、他の利用者が提示部63の内容を確認して、ステップS13の取得申出受付工程でバッテリー40の取得を申し出たが、予め定められた条件を満たした場合に自動的に取得の申し出が実行されるとしてもよい。
【0096】
本変形例では、他の利用者は予め購入予定条件として、所定の認証容量である購入閾値を利用者情報に含めてユーザ管理データベース部25に記録しておく。ステップS13の取得申出受付工程では、受付部62はユーザ管理データベース部25から購入予定条件を取得し、取得申出情報として受け付け、後続の手順に移行する。ステップS15では、ユーザ情報変更部26は、売却条件情報が取得申出情報である購入予定条件を満たしているかを判定する。判定の結果が条件を満たしている場合にはステップS16に移行し、条件を満たしていない場合にはステップS13に移行する。
【0097】
本変形例では、他の利用者が予め設定しておいた購入予定条件を満たす認証容量のバッテリー40を自動的に他の利用者が購入することができる。これにより、例えば劣化率が50%を下回る認証容量のバッテリー40を回収業者が一括して購入し、再生処理やリサイクルを実施することが可能となる。
(第2実施形態の変形例3)
【0098】
本実施形態の変形例1では、利用者50がバッテリー40の所有権を有している場合を示したが、バッテリーステーション10の運営者がバッテリー40の所有権を有し、利用者50に対してバッテリー40のレンタル契約やリース契約、サブスクリプション型の利用契約を結んでいる場合にも用いることができる。
【0099】
本変形例では、バッテリーステーション10の運営者は、予め売却予定条件として、所定の認証容量である売却閾値を利用者情報に含めてユーザ管理データベース部25に記録しておく。その他の構成は変形例1と同様である。また、バッテリーステーション10の運営者は、売却予定条件を適宜変更することもできる。
【0100】
これにより、バッテリーステーション10の運営者が設定した売却条件を満たす劣化したバッテリー40は、自動的に流通サーバ60を介して再生業者や分解業者に売却され、回収作業と資源の再利用を依頼することができる。これにより、膨大な数のバッテリー40の劣化度をチェックして、効率よく再資源化を図ることができる。また、バッテリーステーション10の運営者が売却条件(劣化度の閾値)を設定することで、技術革新等によってバッテリー40の長寿命化が図られた場合や、世界市場における電池原料の不足状況などに柔軟に対応して、リユースおよびリサイクル等でのバッテリー40の回収時期をコントロールして流通量を調整できる。
(第2実施形態の変形例4)
【0101】
本変形例では、電気自動車または電動二輪車を購入した利用者50が、付属品であるバッテリー40の所有権を有しており、バッテリーステーション10の利用にあたってバッテリー40をバッテリーステーション10の運営者に譲渡する。利用者50は、バッテリー40の所有権を譲渡する対価として金銭を受領するとしてもよく、バッテリーステーション10のサブスクリプション型の利用契約を結ぶとしてもよい。
【0102】
この場合、利用者50はバッテリーステーション10に自己所有のバッテリー40を持参し、バッテリー接続部12にバッテリー40を接続する。バッテリーステーション10では、バッテリー管理部14が表示部16に譲渡契約の内容を表示し、利用者50による操作部15の操作により譲渡契約を締結する。その後は第2実施形態および変形例1~3と同様にバッテリー40の利用と管理を行う。
【0103】
またバッテリー管理部14では、利用者50との契約時にバッテリー状態取得部22がバッテリー接続部12に接続されたバッテリー40から二次電池情報を取得する。バッテリー容量認証部23は、バッテリー状態取得部22が取得した二次電池情報に含まれる電気特性情報に基づいて、バッテリーの充電可能な容量を算出し、認証容量として認証する。バッテリー管理部14では、バッテリー容量認証部23が認証した認証容量に基づいて、利用者50への対価の支払いや、利用契約に必要な差額分の入金を要求するとしてもよい。
【0104】
本変形例では、利用者50が当初はバッテリー40の所有権を有しており、バッテリー40の劣化が進行するまでは自己の管理のもとバッテリー40を利用することができる。また、劣化したバッテリー40を提供することで、バッテリーステーション10で管理されている多数の良好なバッテリー40を利用者が利用可能になるため、劣化したバッテリー40への所有権の移転を促進できる。これにより、各個人がバッテリー40を劣化したまま保管せず、バッテリー40をリユースおよびリサイクル等の再資源化サイクルに集めることができる。
(第3実施形態)
【0105】
次に、本発明の第3実施形態について図7を用いて説明する。第1実施形態と重複する内容は説明を省略する。本実施形態では、バッテリーステーション10を自律型の発電ステーションとして利用する。図7に示したように、本実施形態のバッテリーステーション10の周囲には、複数の路面発電パネル70が敷設されている。
【0106】
路面発電パネル70は、太陽光発電パネルを路面上に配置したものであり、入射した光から電力を発電してバッテリーステーション10に供給する部材である。複数の路面発電パネル70同士は互いに直列または並列に電気的に接続されている。路面発電パネル70の具体的な構成は限定されないが、例えばアモルファスシリコンの太陽光発電パネルと、光を透過するポリカーボネート等の衝撃緩衝部材と、セラミック粒子からなる骨材を透明樹脂に分散した滑り止め層を有するものが挙げられる。
【0107】
路面発電パネル70で発電された電力は、バッテリーステーション10に供給されて、バッテリー接続部12に接続されたバッテリー40の充電に用いられる。また、利用者50が使用して収容部に収容したバッテリー40とは別に、路面発電パネル70が発電した電力を一時的に貯蔵しておく貯蔵用バッテリー(図示省略)を備えておくことが好ましい。貯蔵用バッテリーは、バッテリーステーション10の内部に収容するとしてもよく、路面発電パネル70の下方の地中に埋設するとしてもよい。バッテリーステーション10が貯蔵用バッテリーを備えている場合には、路面発電パネル70が発電した電力は貯蔵用バッテリーに蓄電され、貯蔵用バッテリーから電力を供給してバッテリー接続部12に接続されたバッテリー40の充電を行う。
【0108】
本実施形態のバッテリーステーション10では、路面発電パネル70で発電した電力でバッテリー40の充電を行うため、外部からの電力供給が無い場合にも自律的にバッテリー40の充電と管理を行うことができる。よって、山間部や島嶼部など外部から電力を供給することが困難な地域においても、バッテリー40の利用と管理を継続的に行うことができる。
【0109】
また、バッテリーステーション10に電力の出力部を設けておき、バッテリー接続部12に接続されたバッテリー40や貯蔵用バッテリーに蓄えられた電力を出力部から供給するとしてもよい。これにより、通常時はバッテリー40の利用と管理を行い、緊急時にはバッテリーステーション10全体に蓄えられた電力を緊急用電源として用いることができる。
(第4実施形態)
【0110】
次に、本発明の第4実施形態について図8を用いて説明する。第1実施形態と重複する内容は説明を省略する。図8は、本実施形態に係るバッテリー交換エリア1000の概要を示す模式図である。図8に示すように、バッテリー交換エリア1000は、電力貯蔵部1010と、路面発電パネル1110と、街路灯発電パネル1120と、屋上発電パネル1130と、バッテリーステーション1210と、移動電源装置1220と、電動移動体1230を備えている。
【0111】
路面発電パネル1110は、太陽光発電パネルを路面上に配置したものであり、入射した光から電力を発電してバッテリーステーション1210に供給する。街路灯発電パネル1120は、街路灯上に配置された太陽光発電パネルであり、入射した光から電力を発電してバッテリーステーション1210に供給する。屋上発電パネル1130は、屋根上に配置した太陽光発電パネルであり、入射した光から電力を発電してバッテリーステーション1210に供給する。
【0112】
電力貯蔵部1110は、バッテリー交換エリア1000の地下に埋設されており、複数の二次電池が直列および並列に接続されている。電力貯蔵部1110は、路面発電パネル1110と街路灯発電パネル1120と屋上発電パネル1130に接続されており、これらの発電パネルで発電された電力を貯蔵するとともに、バッテリーステーション1210に電力を供給する。電力貯蔵部1110は、交換可能なユニット形式とされており、劣化度の進んだバッテリー1020がリユースおよびリサイクルされたものを用いることが好ましい。また、電力貯蔵部1110は商用電源網に接続されて、電力の売買により充放電動作を行うとしてもよい。
【0113】
バッテリーステーション1210は、路面発電パネル1110と街路灯発電パネル1120と屋上発電パネル1130から電力が供給されており、バッテリー1020を接続して充電、放電および利用者への利用許可を実行する装置である。移動電源装置1220は、バッテリー1020を収容して充放電動作を行う電源装置である。電動移動体1230は、バッテリー1020に貯蔵された電力を動力源として移動する移動体であり、電気自動車や電動二輪車等である。
【0114】
利用者50は、電動移動体1230を運転してバッテリー交換エリア1000を訪問し、電動移動体1230が搭載していたバッテリー1020を取り外し、バッテリーステーション1210に接続する。また、利用者50は移動電源装置1220をバッテリー交換エリア1000に持参し、搭載されているバッテリー1020を取り外し、バッテリーステーション1210に接続する。バッテリーステーション1210では、第1実施形態から第3実施形態に示した方法でバッテリー1020の充放電と交換、売却などの管理を行う。
【0115】
本実施形態では、太陽光で発電された電力を電力貯蔵部1010に貯蔵し、電動移動体1230や移動電源装置1220で用いられる多種多様なバッテリー1020の管理を行う。これにより、バッテリー1020の管理と再資源化の効率を高め、自然エネルギーの利用による環境負荷の低減を実現することができる。
【0116】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0117】
100,110…バッテリー管理システム
1000…バッテリー交換エリア
10,1210…バッテリーステーション
11…情報通信部
12…バッテリー接続部
13…充放電部
14…バッテリー管理部
15…操作部
16…表示部
20…管理サーバ
21…情報通信部
22…バッテリー状態取得部
23…バッテリー容量認証部
24…バッテリー管理データベース部
25…ユーザ管理データベース部
26…ユーザ情報変更部
30…ユーザ端末
31…情報通信部
32…入出力部
33…表示部
34…記憶部
40,1020…バッテリー
41…二次電池セル
42…BMS
43…ステーション接続部
44…記憶部
45…情報通信部
50…利用者
60…流通サーバ
61…情報通信部
62…受付部
63…提示部
64…決済部
70,1110…路面発電パネル
1010…電力貯蔵部
1120…街路灯発電パネル
1130…屋上発電パネル
1220…移動電源装置
1230…電動移動体

図1
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