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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022175998
(43)【公開日】2022-11-25
(54)【発明の名称】温感皮膚洗浄料
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/34 20060101AFI20221117BHJP
   A61K 8/86 20060101ALI20221117BHJP
   A61K 8/81 20060101ALI20221117BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20221117BHJP
   C11D 3/20 20060101ALI20221117BHJP
   C11D 1/68 20060101ALI20221117BHJP
   C11D 1/74 20060101ALI20221117BHJP
   C11D 3/37 20060101ALI20221117BHJP
【FI】
A61K8/34
A61K8/86
A61K8/81
A61Q19/10
C11D3/20
C11D1/68
C11D1/74
C11D3/37
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021082841
(22)【出願日】2021-05-14
(71)【出願人】
【識別番号】000004341
【氏名又は名称】日油株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124349
【弁理士】
【氏名又は名称】米田 圭啓
(72)【発明者】
【氏名】藤田 麻奈
(72)【発明者】
【氏名】松藤 孝志
(72)【発明者】
【氏名】村上 大
【テーマコード(参考)】
4C083
4H003
【Fターム(参考)】
4C083AC121
4C083AC122
4C083AC181
4C083AC182
4C083AC421
4C083AC422
4C083AC441
4C083AC442
4C083AD091
4C083AD092
4C083AD131
4C083AD132
4C083AD212
4C083BB04
4C083CC23
4C083DD23
4C083EE06
4H003AA03
4H003AC10
4H003AC12
4H003BA12
4H003DA02
4H003DB02
4H003EB04
4H003EB05
4H003EB30
4H003EB41
4H003ED02
4H003FA28
4H003FA30
(57)【要約】
【課題】均一に厚塗りし易いテクスチャーであり、肌や皮膚上でたれ落ちし難い粘性を有しており、適度な温感が持続し、洗い流した際に肌や皮膚にすっきり感を付与することができる温感皮膚洗浄料の提供。
【解決手段】グリセリン(A1)および2価アルコール(A2)からなり、これらの質量比(A1/A2)が99/1~90/10である多価アルコール(A)を75~95質量%、請求項1に記載の式(I)で表されるグリセリンのアルキレンオキシド付加誘導体(B)を0.1~10質量%、HLBが10~16であり、ポリオキエシエチレン脂肪酸グリセリルおよびポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸グリセリルの中から選ばれる1種または2種以上のノニオン性界面活性剤(C)を0.5~8質量%、アクリル酸系増粘性高分子(D)を0.1~0.7質量%、請求項1に記載の式(II)および(III)で表される各構成単位を含む共重合体(E)を0.005~0.25質量%含有する温感皮膚洗浄料。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
グリセリン(A1)および2価アルコール(A2)からなり、これらの質量比(A1/A2)が99/1~90/10である多価アルコール(A)を75~95質量%、
式(I)で表されるグリセリンのアルキレンオキシド付加誘導体(B)を0.1~10質量%、
HLBが10~16であり、ポリオキエシエチレン脂肪酸グリセリルおよびポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸グリセリルの中から選ばれる1種または2種以上のノニオン性界面活性剤(C)を0.5~8質量%、
アクリル酸系増粘性高分子(D)を0.1~0.7質量%、
下記式(II)および(III)で表される各構成単位を含む共重合体(E)を0.005~0.25質量%
含有する温感皮膚洗浄料。

Gly-[O{(PO)(EO)}-(BO)H] 式(I)
(式(I)中、Glyはグリセリンから水酸基を除いた残基、POはオキシプロピレン基、EOはオキシエチレン基、BOはオキシブチレン基であり、a、bおよびcはそれぞれPO、EOおよびBOの平均付加モル数であって、a+bは1~30、cは1~5であり、POとEOの付加形態はランダム状でもブロック状でも良く、質量比PO/EOは1/5~5/1である。)
【化1】
(式(II)中、Rは水素原子またはメチル基を示す。)
【化2】
(式(III)中、Rは水素原子またはメチル基を示し、mは3~18の整数を示す。)
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は使用時に温感を感じる温感皮膚洗浄料に関する。
【背景技術】
【0002】
顔や体の汗や皮脂、古い角質などを洗浄し、肌を正常に保つために皮膚洗浄料が使用され、市場では液体、ジェル、フォーム、ペーストなど様々な剤型の皮膚洗浄料が上市されている。特に顔用の洗浄料では高機能化した製品が多く開発されており、その中でも特徴的なものとして、使用時に温感を感じる温感洗浄料がある。これは、肌への塗布時に心地よい温感を付与しながら毛穴を開いて汚れを取りやすくし、さらに肌の血流促進の効果が期待できる。
【0003】
従来、温感洗浄料では、ゼオライト等の鉱物とグリセリン等の多価アルコールとによる水和熱を利用し、その他成分を組み合わせることで製剤としての有用性を高める検討がなされてきた。例えば、グリセリン等の多価アルコール類と特定のグリセリン誘導体、非イオン性界面活性剤を組み合わせて温感、洗浄性、洗浄後の感触を良好に整えるホットクレンジング料(特許文献1)、グリセリン等の多価アルコール、多価アルコール脂肪酸エステル、スクラブ剤を組み合わせた角栓除去化粧料(特許文献2)、グリセリン等の多価アルコール、特定の非イオン界面活性剤、特定の増粘剤を組み合わせて適度な粘性を有し洗浄性、クレンジング性に優れるジェル状皮膚洗浄料(特許文献3)、水和発熱性無機粉体、カチオン性高分子、油成分、非イオン性界面活性剤および非水系媒体を組み合わせた温感皮膚化粧料(特許文献4)が開示されている。しかし、いずれの組成物も持続的な温感効果については効果が不十分であった。
【0004】
持続的な温感付与効果を目的として、例えば、グリセリンとポリエチレングリコールを組み合わせた温感ゲル状化粧料(特許文献5)も開示されているが、洗浄時のすっきり感や洗浄前後の肌に与える効果は不十分であった。
また温感洗浄料は、温感付与の効果を高めるべく、より均一に厚塗りし易いテクスチャーが求められていた。
したがって、肌や皮膚に均一に厚塗りし易いテクスチャーであり、塗布後に肌や皮膚上でたれ落ちし難い粘性を有しており、塗布時には持続的に適度な温感があり、べたつかずに肌や皮膚の汚れをすっきりと洗い流せる温感皮膚洗浄料が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007-269719号公報
【特許文献2】特開2019-14671号公報
【特許文献3】特開2014-37404号公報
【特許文献4】特開2009-67721号公報
【特許文献5】特開2011-116726号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、均一に厚塗りし易いテクスチャーであり、肌や皮膚上でたれ落ちし難い粘性を有しており、適度な温感が持続し、洗い流した際に肌や皮膚にすっきり感を付与することができる温感皮膚洗浄料を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明者らが研究を重ねたところ、グリセリンを含む多価アルコール、特定のグリセリン誘導体、特定のノニオン性界面活性剤、アクリル酸系増粘性高分子、特定の共重合体を特定の比率で組み合わせることにより、上記目的を達成できる温感皮膚洗浄料が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、グリセリン(A1)および2価アルコール(A2)からなり、これらの質量比(A1/A2)が99/1~90/10である多価アルコール(A)を75~95質量%、
式(I)で表されるグリセリンのアルキレンオキシド付加誘導体(B)を0.1~10質量%、
HLBが10~16であり、ポリオキエシエチレン脂肪酸グリセリルおよびポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸グリセリルの中から選ばれる1種または2種以上のノニオン性界面活性剤(C)を0.5~8質量%、
アクリル酸系増粘性高分子(D)を0.1~0.7質量%、
下記式(II)および(III)で表される各構成単位を含む共重合体(E)を0.005~0.25質量%
含有する温感皮膚洗浄料である。
【0009】
Gly-[O{(PO)(EO)}-(BO)H] 式(I)
(式(I)中、Glyはグリセリンから水酸基を除いた残基、POはオキシプロピレン基、EOはオキシエチレン基、BOはオキシブチレン基であり、a、bおよびcはそれぞれPO、EOおよびBOの平均付加モル数であって、a+bは1~30、cは1~5であり、POとEOの付加形態はランダム状でもブロック状でも良く、質量比PO/EOは1/5~5/1である。)
【0010】
【化1】
(式(II)中、Rは水素原子またはメチル基を示す。)
【0011】
【化2】
(式(III)中、Rは水素原子またはメチル基を示し、mは3~18の整数を示す。)
【発明の効果】
【0012】
本発明の温感皮膚洗浄料は、均一に厚塗りし易いテクスチャーであり、肌や皮膚上でたれ落ちし難い粘性を有しており、適度な温感が持続し、洗い流した際に肌や皮膚にすっきり感を付与することができる。したがって、本発明の温感皮膚洗浄料によれば、例えば、肌への塗布時に心地よい温感を付与しながら毛穴を開いて汚れを取り易くし、さらに肌の血流促進の効果が期待できる。
【0013】
本明細書において「温感」とは、本発明の洗浄料を皮膚上に塗布すると暖かみを感じることを言う。本発明の温感皮膚洗浄料による温感作用のメカニズムは、特に限定されないが、例えば、多価アルコール(A)、特にグリセリン(A1)が皮膚の水分と反応して水和熱が発生して温感作用が得られる。
本発明の温感皮膚洗浄料は、皮膚の洗浄のみならず、肌の洗浄に好適に用いることができる。なお、本明細書において「肌」は人の皮膚のうち特に顔面の皮膚を言い、「皮膚」は顔面を含む頭部、頚部、胴部、腕部および脚部における体表面をいう。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について説明する。
なお、本明細書において記号「~」を用いて規定された数値範囲は「~」の両端(上限および下限)の数値を含むものとする。例えば「2~5」は2以上かつ5以下を表す。
【0015】
本発明の温感皮膚洗浄料(以下単に「洗浄料」とも言う。)は、多価アルコール(A)、グリセリンのアルキレンオキシド付加誘導体(B)、ノニオン性界面活性剤(C)、アクリル酸系増粘性高分子(D)、および共重合体(E)を少なくとも含有する。以下、各成分について説明する。
【0016】
〔多価アルコール(A)〕
本発明の洗浄料に用いられる多価アルコール(A)は、グリセリン(A1)および2価アルコール(A2)からなり、塗布時の持続的な温感、適度な粘性、洗浄後の肌を健康的な肌色に整える効果を付与することができる。
【0017】
2価アルコール(A2)としては、例えば、炭素数3~8の2価アルコールが挙げられる。炭素数3~8の2価アルコールとして、具体的には、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ペンチレングリコール、へキシレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘプチレングリコール、オクチレングリコールなどが挙げられる。中でも洗浄後のすっきり感の点で、好ましくは、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、1,2-ペンチレングリコール、ジプロピレングリコールであり、より好ましくは1,3-ブチレングリコールである。これら2価アルコール(A2)のうち1種または2種以上を用いることができる。
【0018】
多価アルコール(A)は、グリセリン(A1)および2価アルコール(A2)の質量比(A1/A2)が99/1~90/10であり、好ましくは98/2~92/8、より好ましくは97/3~93/7、特に好ましくは96/4~94/6である。
2価アルコール(A2)の割合が高すぎると、持続的な温感が得られ難くなることがあり、2価アルコール(A2)の割合が低すぎると、適度な粘性が得られ難くなり、肌上でのたれ落ち難さなどが劣ることがある。
【0019】
多価アルコール(A)の含有量は、洗浄料の全量中、75~95質量%であり、好ましくは80~92質量%、より好ましくは85~90質量%である。含有量が少なすぎると、厚塗りし難くなり持続的な温感と肌上でのたれ落ち難さを損なうことがあり、含有量が多すぎると、温感を強く感じて刺激になることがあり、また洗浄時のすっきり感が低下することがある。
【0020】
〔グリセリンのアルキレンオキシド付加誘導体(B)〕
本発明の洗浄料に用いられるグリセリンのアルキレンオキシド付加誘導体(B)は下記の式(I)で示されるグリセリン誘導体である。
Gly-[O{(PO)(EO)}-(BO)H] 式(I)
【0021】
式(I)中、Glyはグリセリンから水酸基を除いた残基を表す。
また、POで示されるオキシプロピレン基およびBOで示されるオキシブチレン基としては、直鎖または分岐鎖状のいずれでもよいが、プロピレンオキシド(1,2-エポキシプロパン)および1,2-ブチレンオキシドによりそれぞれ得られるオキシプロピレン基およびオキシブチレン基が好ましい。
式(I)中、POで示されるオキシプロピレン基およびEOで示されるオキシエチレン基について、グリセリンの一水酸基あたりの各平均付加モル数の合計(a+b)は1~30であり、好ましくは2~20であり、より好ましくは3~10である。BOで示されるオキシブチレン基について、グリセリンの一水酸基あたりの平均付加モル数cは1~5であり、好ましくは1~3であり、より好ましくは1~2である。
【0022】
式(I)で表されるグリセリンのアルキレンオキシド付加誘導体において、POで示されるオキシプロピレン基とEOで示されるオキシエチレン基の含有量比(PO/EO)は質量比で1/5~5/1であり、好ましくは1/2~4/1であり、より好ましくは1/2~3/1である。
また、オキシプロピレン基およびオキシエチレン基は、ランダム状、ブロック状のいずれの形態でグリセリンの水酸基に付加されていても良いが、高い浸透感を得るには、ランダム状に付加されていることが好ましい。オキシブチレン基は、アルキレンオキシド鎖の末端に、ブロック状に付加される。
【0023】
式(I)で表されるグリセリンのアルキレンオキシド付加誘導体は、自体公知のアルキレンオキシド付加反応により適宜合成して用いることができるが、日油株式会社より提供されている「WILBRIDE(登録商標) S-753」(式(I)中、a+b=4.3、c=1であり、POとEOとの含有質量比(PO/EO)=4/5である。)等の市販の製品を用いることもできる。
【0024】
グリセリンのアルキレンオキシド付加誘導体(B)の含有量は、洗浄料の全量中、0.1~10質量%であり、好ましくは0.5~8質量%、より好ましくは1~6質量%である。含有量が少なすぎると、洗浄時のすっきり感が低下することがある。また含有量が多すぎると、均一な厚塗りのし易さを損なったり、持続的な温感効果を損なったりすることがある。
グリセリンのアルキレンオキシド付加誘導体(B)は1種または2種以上を用いることができる。
【0025】
〔ノニオン性界面活性剤(C)〕
本発明の洗浄料に用いられるノニオン性界面活性剤(C)は、ポリオキエシエチレン脂肪酸グリセリルおよびポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸グリセリルの中から選ばれる1種または2種以上のノニオン性界面活性剤であり、HLB(Hydrophile-Lipophile Balance)が10~16である。
【0026】
HLBは有機概念図におけるIOB値×10で示される。有機概念図におけるIOB値とは、前記有機概念図における有機性値(OV)に対する無機性値(IV)の比、即ち「無機性値(IV)/有機性値(OV)」をいう。前記有機概念図とは、藤田穆により提案されたものであり、その詳細は、“PharmaceuticalBulletin”,1954,vol.2,2,pp.163-173;「化学の領域」,1957,vol.11,10,pp.719-725;「フレグランスジャーナル」,1981,vol.50,pp.79-82などで説明されている。
【0027】
HLBが小さすぎると、水への溶解性が低下し、洗い流し性が低下するほか、塗布時にべたつくことがある。HLBが大きすぎると、洗浄力の低下や、水洗後にかさつきを生じることがある。このような観点から、ノニオン性界面活性剤(C)のHLBは10~15であることが好ましい。
【0028】
ポリオキエシエチレン脂肪酸グリセリルおよびポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸グリセリルにおける脂肪酸としては、炭素数8~22、好ましくは炭素数8~18の直鎖または分岐の脂肪酸が挙げられ、具体的には、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸等の飽和脂肪酸;オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等の不飽和脂肪酸;カプリル酸/カプリン酸、ヤシ油脂肪酸、パーム核油脂肪酸等の混合脂肪酸が例示される。
また、ポリオキエシエチレン脂肪酸グリセリルおよびポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸グリセリルにおけるエチレンオキシドの平均付加モル数は、好ましくは4~50であり、より好ましくは5~40、さらに好ましくは6~35である。平均付加モル数が小さすぎると、配合が困難になることがあり、平均付加モル数が大きすぎると、洗浄力が低下することがある。また、エステルの数は、好ましくは1~6であり、より好ましくは1~4である。
【0029】
ポリオキエシエチレン脂肪酸グリセリルとして具体的には、ヤシ油脂肪酸PEG-7グリセリル、PEG-8(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、PEG-30グリセリルココエート等が挙げられる。
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸グリセリルとして具体的には、テトラオレイン酸ソルベス-30、テトライソステアリン酸ソルベス-30等が挙げられる。
【0030】
ノニオン性界面活性剤(C)として、ポリオキエシエチレン脂肪酸グリセリルおよびポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸グリセリルの中から選ばれる1種または2種以上を用いることができるが、洗浄性の観点から2種以上を併用することが好ましい。
【0031】
ノニオン性界面活性剤(C)の含有量は、洗浄料の全量中、0.5~8質量%であり、好ましくは1~6質量%、より好ましくは2~5質量%である。含有量が少なすぎると、洗浄時のすっきり感が低下することがある。また含有量が多すぎると、持続的な温感を損なうことがある。
【0032】
〔アクリル酸系増粘性高分子(D)〕
本発明で用いられるアクリル酸系増粘性高分子はカルボキシビニルポリマーまたはアルキル変性カルボキシビニルポリマーである。ここでカルボキシビニルポリマーとは、アリルショ糖やペンタエリスリトールのアリルエーテル等で架橋された、主としてアクリル酸の重合体である。また、アルキル変性カルボキシビニルポリマーとは、アクリル酸あるいはメタクリル酸と、アクリル酸アルキルあるいはメタクリル酸アルキルとの共重合体である。
【0033】
具体的な製品としては、カルボキシビニルポリマーでは、住友精化株式会社製の「AQUPEC HV-505E」、日本ルーブリゾール株式会社製の「カーボポールUltrez 10 Polymer」、「カーボポール940」、「カーボポール941」、3Vシグマ社製の「シンタレンK」、「シンタレンL」等が挙げられ、アルキル変性カルボキシビニルポリマーでは、住友精化株式会社製の「AQUPEC HV-501ER」、日本ルーブリゾール株式会社製の「カーボポール1342」、「カーボポールETD2020」等が挙げられる。
カルボキシビニルポリマーおよびアルキル変性カルボキシビニルポリマーは、それぞれ1種を単独で、または2種以上を併用することができる。
【0034】
アクリル酸系増粘性高分子(D)の含有量は、洗浄料の全量中、0.1~0.7質量%であり、好ましくは0.2~0.6質量%、より好ましくは0.3~0.5質量%である。含有量が少なすぎると、厚塗りのしやすさ、塗布時のたれにくさと持続的な温感が損なわれることがある。また含有量が多すぎると、すすぎ時のすっきり感が低下することがあり、さらに均一に塗布し難くなり各効果を低下させることがある。
【0035】
〔共重合体(E)〕
本発明の洗浄料に用いられる共重合体(E)は、下記式(II)および(III)で表される各構成単位を含む。
【0036】
【化1】
(式(II)中、Rは水素原子またはメチル基を示す。)
【0037】
【化2】
(式(III)中、Rは水素原子またはメチル基を示し、mは3~18の整数を示す。)
【0038】
上記式(II)で示される構成単位は、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリンに基づく構成単位である。なお、(メタ)アクリロイルは、アクリロイルまたはメタクリロイルを意味する。
また、上記式(III)で示される構成単位は、(メタ)アクリル酸アルキルに基づく構成単位である。
(メタ)アクリル酸アルキルにおけるアルキル基は、炭素数4~19の直鎖または分岐のアルキル基であり、ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、2-エチルヘキシル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル等が例示される。なかでも、ブチル、ドデシル、オクタデシル等の直鎖アルキル基が好ましく、ブチルおよびオクタデシル(ステアリル)がより好ましい。
なお、上記アルキル基の炭素数が小さすぎる場合には、均一な厚塗り性が低下し、本発明の効果を低減させることがある。また上記アルキル基の炭素数が大きすぎる場合には、水や水性溶媒への溶解が困難になることがある。
【0039】
上記式(II)で示される構成単位、および上記式(III)で示される構成単位の共重合体(E)中におけるそれぞれの含有量の比([式(II)で示される構成単位]:[式(III)で示される構成単位])(n1:n2)は、モル比にて、好ましくは10:1~1:4であり、より好ましくは5:1~1:3であり、特に好ましくは5:1~1:2である。
式(II)で示される構成単位の含有量に対する式(III)で示される構成単位の含有量の比(n2/n1)(モル比)が小さすぎると、厚塗りする際の塗布の均一性を損なうことがある。一方、当該含有量の比(n2/n1)が大きすぎると、共重合体(E)の本発明の組成物における溶解性が低下することがある。
【0040】
共重合体(E)の重量平均分子量は、通常10,000~1,000,000であり、好ましくは30,000~900,000であり、より好ましくは50,000~800,000である。
共重合体(E)の重量平均分子量が低すぎると、厚塗りの均一性を損なうことがあり、一方、共重合体(E)の重量平均分子量が高すぎると、取り扱いが困難となることがある。
なお、共重合体(E)の重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって測定され、ポリエチレングリコール換算の分子量で示される。
【0041】
共重合体(E)の重合形態は特に限定されず、ランダム共重合体であっても、ブロック共重合体であってもよいが、ランダム共重合体が好ましい。
また、共重合体(E)は、通常、上記式(II)で表される構成単位と、上記式(III)で表される構成単位とからなる二元共重合体であるが、式(II)、(III)で表される構成単位以外に、他の構成単位を含む共重合体であってもよい。
共重合体(E)に含まれ得る他の構成単位は、本発明の効果を妨げない範囲で、共重合体の構成単位となり得るものから適宜選択することができる。他の構成単位を形成する単量体としては、例えば、(メタ)アクル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル等の炭素数が1~3の低級アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等の環状アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル等の芳香族基を含有する(メタ)アクリル酸エステル;スチレン、メチルスチレン、クロロメチルスチレン等のスチレン系単量体;メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル系単量体;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル系単量体等を挙げることができる。
これら他の構成単位は1種または2種以上を含むことができ、共重合体(E)中におけるその含有量は、式(II)、(III)で表される構成単位の合計量に対して、好ましくは40モル%以下であり、より好ましくは20モル%以下である。
【0042】
共重合体(E)は自体公知の製造方法により製造することができる。
例えば、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、(メタ)アクリル酸アルキル、および必要に応じて上記他の構成単位を形成する単量体を含む単量体混合物を、ラジカル重合開始剤の存在下、窒素等の不活性ガス雰囲気下において、溶液重合等の公知の方法により重合させて製造することができる。
その際の各単量体の含有量比は、共重合体(E)中における各構成単位の含有量比に相当する比に調整することが好ましい。
また共重合体(E)として市販の製品を用いることもでき、例えば、日油株式会社製の「Lipidure(登録商標)-PMB」を用いることもできる。
【0043】
共重合体(E)の含有量は、洗浄料の全量中、0.005~0.25質量%であり、好ましくは0.01~0.2質量%、より好ましくは0.025~0.1質量%である。含有量が少なすぎると、厚塗りのし易さ、塗布時のたれ難さと持続的な温感が損なわれることがあり、含有量が多すぎると、均一に塗布し難くなり本発明による各効果を低下させることがある。
【0044】
〔媒体〕
本発明の洗浄料は、媒体として水および/または有機溶剤を含有していてもよく、他の成分の溶解性、経済性の観点から水を含有することが好ましい。有機溶剤としては、エタノール等の低級アルカノール;ベンジルアルコール等の芳香族アルコールなどが挙げられ、これら有機溶媒の中から選ばれる1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0045】
媒体の含有量は、洗浄料の全量中、好ましくは1~10質量%、より好ましくは2~8質量%、更に好ましくは3~6質量%である。なお、媒体の上記含有量は、上記の成分(A)~(E)に含有されている媒体の量、これら成分(A)~(E)を混合する際に使用する媒体の量、洗浄料の全量を調整する際に使用する媒体の量を含む。
【0046】
〔スクラブ剤〕
本発明の温感皮膚洗浄料はスクラブ剤を含有していてもよく、これにより本発明の効果を更に高めることができる。
スクラブ剤としては、例えば、グルコマンナン、変性デンプン、結晶セルロース、乳糖等の多糖類;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等の炭化水素系高分子化合物;ナイロン等のポリアミド系高分子化合物;モモ核粉末、アンズ核粉末、くるみ殻粉末、アーモンド殻粉末、はしばみ殻粉末、オリーブ核粉末、アプリコット核粉末、サクランボ核粉末等の植物の葉、根、果実、茎等の由来物;海塩等の海水乾燥物;キャンデリラワックス、水添ホホバワックス等の樹脂が挙げられ、これらの中から選ばれる1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の温感皮膚洗浄料を顔用洗浄料として用いる場合は、硬度が低く、肌への負担が少ないスクラブ剤を用いることが好ましく、例えば、グルコマンナン、トウモロコシ由来のアクリル酸Naグラフトデンプンが好適に用いられる。
本発明の洗浄料がスクラブ剤を含有する場合におけるスクラブ剤の含有量は、洗浄料の全量中、好ましくは0.01~10質量%であり、より好ましくは0.1~5質量%、特に好ましくは0.5~3質量%である。
【0047】
〔他の成分〕
本発明の温感皮膚洗浄料は、上述した成分(A)~(E)、媒体およびスクラブ剤の他に、本発明の効果を損なわない範囲で、皮膚洗浄料に一般に含まれる他の成分を1種または2種以上含有していてもよい。
かかる他の成分としては、例えば、高重合ジメチルポリシロキサン、ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサン、アミノ変性ジメチルポリシロキサンなどのシリコーン誘導体;セラミド、コレステロール、タンパク誘導体、ラノリン、ラノリン誘導体、レシチンなどの油性基剤;アミドアミノ酸塩、アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタインなどの両性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリエチレングリコールの脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリンモノ脂肪酸エステル、アルキルポリグルコシド、アルカノールアミドなどの非イオン性界面活性剤(ただし、ノニオン性界面活性剤(C)を除く);塩化アルキルトリメチルアンモニウムなどの陽イオン界面活性剤;アルキルジメチルアミンオキシドなどの半極性界面活性剤;pH調製剤としての酸およびアルカリ;殺菌剤;キレート剤;抗酸化剤;血行促進剤;紫外線吸収剤;紫外線散乱剤;動植物由来の天然エキス;アスコルビン酸およびその誘導体;アントシアニンなどのフラボノイド類およびその誘導体;ビタミン類;アミノ酸類;感光素;色素;顔料;香料などが挙げられる。
本発明の洗浄料が他の成分を含有する場合における他の成分の含有量は、洗浄料の全量中、好ましくは10質量%以下であり、より好ましくは0.1~5質量%、特に好ましくは0.5~3質量%である。
【0048】
〔形態〕
本発明の温感皮膚洗浄料は、塗布可能な形態であれば、種々の形態を適宜選択できるが、ジェル状のものが好ましい。溶剤としては、水または低級アルコールなどの水性溶剤を適宜選択できるが、水を用いたものが好ましい。
【0049】
〔使用方法〕
本発明の温感皮膚洗浄料は、乾燥した肌や皮膚に対して適用してもよく、濡れた肌や皮膚に対して適用してもよいが、グリセリン(A1)の水和熱による温感作用を効果的に得る観点からは、湿った肌や皮膚に対して適用するのが好ましい。
また本発明の温感皮膚洗浄料は、肌や皮膚に均一に厚塗りすることができるので、手に取って肌や皮膚に塗布し均一に拡げることが好ましい。なお、本発明の温感皮膚洗浄料を手に取って肌や皮膚に塗布する場合は、手は乾いていることが好ましい。
ジェル状の温感皮膚洗浄料を用いる場合を例にして具体的に説明すると、まず温感皮膚洗浄料を乾いた手のひらに適量取り、肌や皮膚をマッサージしながら温感皮膚洗浄料を全体に拡げる。本発明の洗浄料は温感作用を有するので、毛穴が開いて、角質や皮脂を除去し易くなる。その後、水またはぬるま湯にて温感皮膚洗浄料を十分に洗い流し、タオルなどで水またはぬるま湯を拭き取る。
【実施例0050】
以下、本発明を実施例および比較例によって具体的に説明する。
【0051】
〔実施例1~5および比較例1~5〕
表1に記載の成分を表1に示す組成で温感皮膚洗浄料として調製し、下記の方法により評価を行った。
なお、成分(A)は多価アルコール(A)であり、成分(A1)はグリセリン、成分(A2)は1,3-ブチレングリコールである。
成分(B)のグリセリンのアルキレンオキシド付加誘導体aは、「WILBRIDE(登録商標) S-753式」(日油株式会社製)であり、上記式(I)で示されるアルキレンオキシド誘導体において、a+bが4.3、cが1であり、POとEOの含有比(PO/EO)が質量比で4/5であるポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル(3BO)(8EO)(5PO)である。
成分(C)のノニオン性界面活性剤はヤシ油脂肪酸PEG-7グリセリル (HLB=13.0)、テトラオレイン酸ソルベス-30 (HLB=11.2)である。
成分(D)のアクリル酸系増粘性高分子は、カルボキシビニルポリマー「CARBOPOL(登録商標)Ultrez 10 Polymer」(日本ルーブリゾール株式会社製)である。
成分(E)の共重合体aは「Lipidure(登録商標)-PMB」(日油株式会社製)であり、上記式(II)、(III)で表される構成単位からなる二元共重合体である。式(II)および(III)中、RおよびRはそれぞれメチル基であり、式(III)中、m=3である。式(II)で表される構成単位と式(III)で表される構成単位の含有量比(n1:n2)(モル比)は4:1であり、重量平均分子量は約600,000である。
【0052】
男女20名(25~45歳)をパネラーとし、得られた温感皮膚洗浄料を濡れていない手に取って顔全体に厚めに塗布し、3分間待ち、その後やさしくこすりながらぬるま湯で十分に洗い流した。その過程において(1)均一な厚塗りのし易さ、(2)適度な温感の持続性、(3)肌上でのたれ落ち難さ、(4)洗いあがりのすっきり感、について評価を得た。その結果を表1に示す。
なお、表1中の成分の割合は質量%である。下記に各評価項目の評価基準を示す。
【0053】
(1)均一な厚塗りのし易さ
2点:均一に厚塗りし易いと感じた。
1点:厚塗りはできたが、均一性がややかけたと感じた。
0点:厚塗りし難いと感じた。
20名の合計点を求め、以下のように判定した。
◎:合計点が35点以上であり、かつ0点と評価したパネラーが0人である。;均一に厚塗りしやすい皮膚洗浄料である。
○:合計点が30点以上35点未満、または合計点が35点以上かつ0点と評価したパネラーが1人以上2人以下である。;やや均一に厚塗りし易い皮膚洗浄料である。
△:合計点が20点以上30点未満である。;やや厚塗りし難く、均一に塗り広げ難い皮膚洗浄料である。
×:合計点が19点未満である。;厚塗りし難く、均一に塗り広げ難い皮膚洗浄料である。
【0054】
(2)適度な温感の持続性
2点:適度な温感を3分間継続して感じた。
1点:3分間温感を感じたが、温感がやや適度ではなかったと感じた。
0点:温感を感じなかった。
20名の合計点を求め、以下のように判定した。
◎:合計点が35点以上であり、かつ0点と評価したパネラーが0人である。;適度な温感が持続する皮膚洗浄料である。
○:合計点が30点以上35点未満、または合計点が35点以上かつ0点と評価したパネラーが1人以上2人以下である。;適度な温感がやや持続する皮膚洗浄料である。
△:合計点が20点以上30点未満である。;温感がやや適度でない、持続性も不十分な皮膚洗浄料である。
×:合計点が19点未満である。;温感が適度でなく、持続性も乏しい皮膚洗浄料である。
【0055】
(3)肌上でのたれ落ち難さ
2点:塗布する際、肌上で十分たれ落ち難いと感じた。
1点:塗布する際、肌上でややたれ落ち難いと感じた。
0点:塗布する際、肌上でたれ落ちに易いと感じた。
20名の合計点を求め、以下のように判定した。
◎:合計点が35点以上であり、かつ0点と評価したパネラーが0人である。;肌上に塗布した際、十分にたれ落ち難い皮膚洗浄料である。
○:合計点が30点以上35点未満、または合計点が35点以上かつ0点と評価したパネラーが1人以上2人以下である。;肌上に塗布した際、ややたれ落ち難い皮膚洗浄料である。
△:合計点が20点以上30点未満である。;肌上に塗布した際、ややたれ落ち易い皮膚洗浄料である。
×:合計点が19点未満である。;肌上に塗布した際、たれ落ち易い皮膚洗浄料である。
【0056】
(4)洗いあがりのすっきり感
2点:洗浄後、すっきり感を十分に感じた。
1点:洗浄後、ややすっきり感を感じた。
0点:洗浄後、すっきり感を感じなかった。
20名の合計点を求め、以下のように判定した。
◎:合計点が35点以上であり、かつ0点と評価したパネラーが0人である。;洗浄後に十分なすっきり感を付与できる皮膚洗浄料である。
○:合計点が30点以上35点未満、または合計点が35点以上かつ0点と評価したパネラーが1人以上2人以下である。;洗浄後にすっきり感を付与できる皮膚洗浄料である。
△:合計点が20点以上30点未満である。;洗浄後のすっきり感がやや乏しい皮膚洗浄料である。
×:合計点が19点未満である。;洗浄後のすっきり感が乏しい皮膚洗浄料である。
【0057】
【表1】
【0058】
※1 WILBRIDE(登録商標) S-753(日油株式会社)
※2 Carbopol(登録商標) Ultrez10(日本ルーブリゾール株式会社)
※3 Lipidure(登録商標)-PMB(Ph10)(日油株式会社)
[2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)・メタクリル酸ブチル(BMA)共重合体(MPCとBMAのモル比(MPC/BMA)=4)を5質量%含有する水溶液]
【0059】
表1に示される結果から明らかなように、実施例1~5の温感皮膚洗浄料は、均一に厚塗りし易く、パック中に持続的に適度な温感があり、肌上で垂れ難く、洗浄後にはすっきり感を付与する温感皮膚洗浄料であった。
【0060】
一方、比較例1~5の皮膚洗浄料では、十分な性能は得られなかった。
比較例1では、成分(A)の含有量が少なかったために、均一に厚塗りし難く、温感の持続性を損ね、肌上でのたれ落ちなさが不十分であった。
比較例2では、成分(B)を配合しなかったために、均一に厚塗りし難く、持続的な温感を損ね、洗いあがりのすっきり感が不十分であった。
比較例3では、成分(C)を配合しなかったために、均一に厚塗りし難く、洗いあがりのすっきり感が不十分であった。
比較例4では、成分(D)の含有量が少ないために、均一な厚塗りのし易さと肌上でのたれ落ちのなさが大幅に低下し、持続的な温感付与効果も低下した。
比較例5では、成分(E)を配合しなかったために、温感を強く感じすぎ、洗浄後の肌のすっきり感が損なわれた。