(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022176013
(43)【公開日】2022-11-25
(54)【発明の名称】籾殻粉砕機
(51)【国際特許分類】
B02C 18/18 20060101AFI20221117BHJP
B02C 18/14 20060101ALI20221117BHJP
【FI】
B02C18/18 B
B02C18/14 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021104449
(22)【出願日】2021-05-12
(71)【出願人】
【識別番号】594039826
【氏名又は名称】株式会社ワイエスエンジニアリング
(72)【発明者】
【氏名】杉谷 正一郎
【テーマコード(参考)】
4D065
【Fターム(参考)】
4D065CA16
4D065CB02
4D065CC01
4D065DD08
4D065EB09
4D065EC07
4D065ED04
4D065ED06
4D065ED16
4D065ED23
4D065ED50
4D065EE07
4D065EE08
4D065EE12
(57)【要約】
【課題】火をつけて燃やす事がし難くなった最近では処理する方法やスペースが限られてきています。一度に大量の籾殻を粉砕処理する事は嵩が減るので有効だが、大型の機械だとコストも掛かるし設置場所も必要となる事がネックであった。
【解決手段】籾摺り機から籾殻粉砕機上部に取り付けた分離機(サイクロン)1に直接籾殻を吹き込み、粉砕機上部で風と籾殻を分離してさらにその下の仕切板2によって上部から排出される風を抑え、籾殻を均等に広げ粉砕機へ送り込み、本体に設けた回転するローター3に切刃物4をランダムに取り付け配列し、受刃物5に対して切刃物4の幅が一定ではなく幅を狭くする事によって、粉砕する時にかかる力を分散させて効率よく籾殻を粉砕する事と合わせて、受刃物5の上部に少量の籾殻が乗るスペースを設ける事により、切刃物4と受刃物5によって籾殻を重ね切りする機構を設けた籾殻粉砕機である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体上部に取り付けた籾殻と空気を分ける分離機(サイクロン)1を介して籾殻だけを下部へ排出する機構を設け、その下部へ籾殻を均等に粉砕部へ送り込むために仕切板2を設ける。そして仕切板2の下に回転するローター3に切刃物4をランダムに取り付け配列し、受刃物5に対して切刃物4の幅が一定ではなく幅を狭くする事によって、粉砕する時にかかる力を分散させて効率よく籾殻を粉砕することを特徴とする籾殻粉砕機。
【請求項2】
本体に設けた回転するローター3に切刃物4をランダムに取り付け配列し、受刃物5に対して切刃物の幅が一定ではなく幅を狭くする事によって、粉砕する時にかかる力を分散させて効率よく籾殻を粉砕することを特徴とする籾殻粉砕機において、受刃物5の上部に少量の籾殻が乗るスペースを設ける事により、切刃物4と受刃物5によって籾殻を重ね切りする機構を設けた籾殻粉砕機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、籾摺り機により脱殻した籾殻を、自動もしくは手動によって上部投入口から投入して切削加工してオガ粉状にする粉砕装置である。
【背景技術】
【0002】
今まで籾殻は粉砕されることなくそのまま畑や田んぼで火をつけて燃やす事によって燻炭や、灰にして土壌改良材としてすき込まれることが多かった。しかし煙の問題や火事の危険性などで禁止される自治体が多くなったことにより、燃やす事が難しくなってきた。さらに農業法人が増えるに伴い、作付面積も農繁期に出て来る籾殻の量も増えて籾殻をためる場所もすぐにいっぱいになるため処理に困っていた。
【0003】
しかし、粉砕機で籾殻を粉砕することにより籾殻の容量を1/2~1/3に減容出来るので、今までの約2倍以上保管する事が出来、ストックする籾殻庫も小型化することも出来て、さらに運搬のコストも嵩が減るので半減するという利点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これを受けて、各種の籾殻の粉砕機が開発されてきたが、籾摺り機械と連携して直接粉砕できる大型の籾殻粉砕機では、ライスセンターの置き場所の問題や大型モーターの動力などのランニングコストが大きくかかってしまうので問題点であった。また、籾殻に含まれているケイ素が刃物の消耗を早めるため激しく傷みやすいのも問題であった。
【・・・・】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は前記目的を達成する為、第一に籾摺り機から籾殻庫に排出されるパイプを籾殻粉砕機上部に取り付けた分離機(サイクロン)1に直接取り付け粉砕機上部で風と籾殻を分離してさらにその下の仕切板2によって上部から排出される風を抑え、籾殻を均等に広げ粉砕機へ送り込む。
【0006】
第二に本体に設けた回転するローター3に切刃物4をランダムに取り付け配列し、受刃物5に対して切刃物4の幅が一定ではなく幅を狭くする事によって、粉砕する時にかかる力を分散させて効率よく籾殻を粉砕することを特徴とする。
【0007】
第三に受刃物5の上部に少量の籾殻が乗るスペースを設ける事により、切刃物4と受刃物5によって籾殻を重ね切りする機構を設けた籾殻粉砕機である。
【発明の効果】
【0008】
粉砕機の上部に分離機(サイクロン)1を取り付ける事で直接籾殻を投入する事が出来、籾殻を一時置きするスペースなど必要がない為限られたスペースでの籾殻粉砕に効果的である。
【0009】
分離機(サイクロン)1より分離された籾殻は仕切板2を介してローター3に導かれる。仕切板2では籾殻が仕切板2に当たる事によって分散されローター3の幅いっぱいに籾殻を広げて投入する事が出来、粉砕効率を上げる事が出来る。
【0010】
ローター3に供給された籾殻はランダムに取り付けられた切刃物4と受刃物5によって切削されるが、受刃物5に対して切刃物4は幅が狭く、その切刃物がランダムに切削していくので一度に掛る力が少なくて済むので、省力で切削する事が出来る。しかもハンマー式のように打撃粉砕するのではなく、切っていく切削方式の為、刃物の損傷がハンマー式に比べて消耗し難くその結果、ランニングコストが大幅に削減される。
【0011】
さらに受刃物5の上部に少量の籾殻が乗るスペースを設ける事により、切刃物4と受刃物5によって籾殻を重ね切りする機構を設け粉砕効率を上げる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の最良の実施の形態を説明する。
【実施例0013】
図1は、本発明の籾殻粉砕機の実施の形態を示す説明図で、
図2と
図3は、主として発明の要部の説明図である。本体上部に分離機(サイクロン)1を配置し、その下部には仕切板2を設ける。さらにその下部にはローター3を設置。ローター3には切刃物4をランダムに取り付けて受刃物5の幅より狭い切刃物4が受刃物5との間で切削する。
【0015】
受刃物5の上部に少量の籾殻が乗るスペースを設けて、切刃物4と受刃物5によって籾殻を重ね切りする機構を設けるが、あまり幅が多いと籾殻が多く乗り、残ってしまうので理想としては5mm以内が理想である。
【0016】
籾殻自体小さい為に受刃物5と切刃物4の隙間を通り抜けてしまうので、ローター3下部にパンチング金網6を設置して粉砕されなかった籾殻は上部へ戻り、循環されながら粉砕されていく。