(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022017602
(43)【公開日】2022-01-26
(54)【発明の名称】単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリ
(51)【国際特許分類】
F02D 9/10 20060101AFI20220119BHJP
F02D 11/10 20060101ALI20220119BHJP
F02D 45/00 20060101ALI20220119BHJP
【FI】
F02D9/10 H
F02D11/10 A
F02D9/10 Z
F02D45/00 360F
F02D45/00 364D
F02D45/00 364G
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2018192337
(22)【出願日】2018-10-11
(71)【出願人】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000177612
【氏名又は名称】株式会社ミクニ
(74)【代理人】
【識別番号】110001553
【氏名又は名称】アセンド特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】今村 光佑
(72)【発明者】
【氏名】佐々江 宏一
(72)【発明者】
【氏名】関口 眞一
(72)【発明者】
【氏名】川口 裕美
(72)【発明者】
【氏名】北岡 竜也
【テーマコード(参考)】
3G065
3G384
【Fターム(参考)】
3G065BA01
3G065CA00
3G065DA05
3G065GA01
3G065GA27
3G384AA01
3G384BA05
3G384DA18
3G384FA04Z
3G384FA08Z
3G384FA86Z
(57)【要約】
【課題】単一の燃焼室に接続される単一の空気流路を形成する単一のスロットルボディ本体と、単一の空気流路に配置され、単一の燃焼室に吸入される空気の量を調整する単一のスロットルバルブと、単一のスロットルバルブを駆動するための機構である電動式のバルブ駆動機構と、単一の空気流路を流れる空気の状態を検出するための吸気状態検出基板ユニットとを備える単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリのサイズをコンパクトにする。
【解決手段】減速機構は左右方向において単一のスロットルバルブの右方(又は左方)に配置され、吸気状態検出センサ回路基板は左右方向において単一のスロットルバルブの左方(又は右方)に配置される。1つ又は複数のセンサ用孔のうちの少なくとも1つのセンサ用孔は、左方向又は右方向に見て、吸気状態検出センサ回路基板収容ケース及びバルブ駆動機構収容ケースの各々に重なる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
単一の燃焼室に吸入される空気量を調整し、その回転中心軸線回りに回転可能な単一のスロットルバルブと、
前記単一の燃焼室に接続され、前記単一のスロットルバルブが配置される単一の空気流路を形成する単一のスロットルボディ本体と、
を備えた単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリであって、
前記単一の空気流路を流れる空気の状態を検出する吸気状態検出基板ユニットと、
電力の供給を受けることにより、前記単一のスロットルバルブを前記回転中心軸線回りに回転させる電動式のバルブ駆動機構と、
を備え、
前記吸気状態検出基板ユニットは、
前記単一の空気流路を流れる空気の状態を検出する1つ又は複数の吸気状態検出センサと、
1つ又は複数の前記吸気状態検出センサが接続される吸気状態検出センサ回路基板と、
前記吸気状態検出センサ回路基板を収容する吸気状態検出センサ回路基板収容ケースと、
を含み、
前記電動式のバルブ駆動機構は、
前記単一のスロットルバルブに対して機械的に接続される減速機構と、
前記減速機構に対して機械的に接続され、電力の供給を受けて前記減速機構を介して前記単一のスロットルバルブを回転させる電気モータと、
前記減速機構及び前記電気モータを収容するバルブ駆動機構収容ケースと、
を含み、
前記単一のスロットルバルブの前記回転中心軸線を左右方向と平行に配置した場合、
前記減速機構及び前記吸気状態検出センサ回路基板は、前記単一のスロットルバルブに対して、以下の(1)又は(2)を満たすように配置され、
(1)前記減速機構は前記左右方向において前記単一のスロットルバルブの右方に配置され、前記吸気状態検出センサ回路基板は前記左右方向において前記単一のスロットルバルブの左方に配置される。
(2)前記減速機構は前記左右方向において前記単一のスロットルバルブの左方に配置され、前記吸気状態検出センサ回路基板は前記左右方向において前記単一のスロットルバルブの右方に配置される。
前記単一のスロットルボディ本体には、1つ又は複数の前記吸気状態検出センサが前記単一の空気流路を流れる空気の状態を検出するための1つ又は複数のセンサ用孔が形成されており、
1つ又は複数の前記センサ用孔は、以下の(3)又は(4)を満たすような位置に存在する、単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリ。
(3)前記減速機構及び前記吸気状態検出センサ回路基板が前記単一のスロットルバルブに対して上記(1)を満たすように配置されている場合、
1つ又は複数の前記センサ用孔は、
前記左右方向において前記単一のスロットルバルブの左方に位置し、
1つ又は複数の前記センサ用孔のうちの少なくとも1つの前記センサ用孔は、
左方向又は右方向に見て、前記吸気状態検出センサ回路基板収容ケース及び前記バルブ駆動機構収容ケースの各々に重なる。
(4)前記減速機構及び前記吸気状態検出センサ回路基板が前記単一のスロットルバルブに対して上記(2)を満たすように配置されている場合、
1つ又は複数の前記センサ用孔は、
前記左右方向において前記単一のスロットルバルブの右方に位置し、
1つ又は複数の前記センサ用孔のうちの少なくとも1つの前記センサ用孔は、
左方向又は右方向に見て、前記吸気状態検出センサ回路基板収容ケース及び前記バルブ駆動機構収容ケースの各々に重なる。
【請求項2】
請求項1に記載の単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリであって、
前記単一の空気流路の流路断面が円形である、単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリであって、
左方向又は右方向に見て、1つ又は複数の前記センサ用孔のうちの少なくとも1つの前記センサ用孔は、前記吸気状態検出センサ回路基板に重なる、単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリ。
【請求項4】
請求項1~3の何れか1項に記載の単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリであって、
左方向又は右方向に見て、前記吸気状態検出センサ回路基板収容ケースは、前記バルブ駆動機構収容ケースよりも小さい、単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリ。
【請求項5】
請求項1~4の何れか1項に記載の単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリであって、
1つ又は複数の前記センサ用孔のうちの少なくとも1つの前記センサ用孔は、左方向又は右方向に見て、前記単一のスロットルバルブが前記回転中心軸線回りに回転するときの前記単一のスロットルバルブが回転可能な範囲に重なる、単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリ。
【請求項6】
請求項1~4の何れか1項に記載の単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリであって、
1つ又は複数の前記センサ用孔のうちの少なくとも1つの前記センサ用孔は、左方向又は右方向に見て、前記単一のスロットルバルブが前記回転中心軸線回りに回転するときの前記単一のスロットルバルブが回転可能な範囲に重ならない、単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、単一の燃焼室に接続される単一の空気流路と、当該単一の空気流路に配置される単一のスロットルバルブとを備えた単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、鞍乗型車両に搭載されるスロットルボディアセンブリとして、単一の燃焼室に接続される単一の空気流路を備える単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリが知られている。このような単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリは、単一のスロットルボディ本体と、単一のスロットルバルブとを備えている。単一のスロットルボディ本体は、単一の燃焼室に接続される単一の空気流路を形成する。単一のスロットルバルブは、単一の空気流路に配置され、単一の燃焼室に吸入される空気の量を調整する。
【0003】
ここで、鞍乗型車両は、四輪自動車と比べて、コンパクトな車体を備えている。そのため、鞍乗型車両に搭載されるスロットルボディアセンブリは、四輪自動車に搭載されるスロットルボディアセンブリと比べて、エンジンの近くに配置される。つまり、上記単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリは、エンジンの近くに配置される。そのため、エンジン本体(例えば、シリンダ)やエアクリーナ等との干渉を避けるために、単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリのサイズを小さくすることが求められている。
【0004】
また、単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリには、単一の空気流路を流れる空気の状態を検出するための吸気状態検出基板ユニットを備えるものが知られている。吸気状態検出基板ユニットは、単一の空気流路を流れる空気の状態を検出する吸気状態検出センサと、当該吸気状態検出センサが接続される基板とを含む。吸気状態検出センサは、例えば、単一の空気流路を流れる空気の圧力を検出する吸気圧センサや、単一の空気流路を流れる空気の温度を検出する吸気温センサである。
【0005】
吸気状態検出基板ユニットが複数の吸気状態検出センサを含む場合、複数の吸気状態検出センサは、基板に対して直接或いは配線を介して接続されることにより、基板或いはその近傍に集約して配置される。複数の吸気状態検出センサは、例えば、単一の空気流路を流れる空気の圧力を検出する吸気圧センサと、単一の空気流路を流れる空気の温度を検出する吸気温センサとを含む。
【0006】
このような吸気状態検出基板ユニットを備える単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリにおいては、複数の吸気状態検出センサを基板或いはその近傍に集約して配置することで、単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリへの要求(つまり、単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリのサイズの小型化)を満たしている。別の表現をすれば、複数の電気部品を集約することで、単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリの小型化を実現している。
【0007】
このような当業者の技術思想は、例えば、国際公開第2005/038223号や、国際公開第2004/074661号、特許第6313405号公報、特開2014-181646号公報、特開2007-118868号公報等に開示されている。
【0008】
国際公開第2005/038223号に記載の吸気装置は、スロットルボディと、センサユニットとを備える。センサユニットは、スロットルボディに搭載される。センサユニットは、複数の電気部品である吸気温センサと圧力センサとを備える。センサユニットは、圧力センサが実装される基板をさらに備える。
【0009】
国際公開第2004/074661号に記載のスロットル装置は、センサモジュールユニットを備える。センサモジュールユニットは、内燃機関における燃料供給制御と吸気流量制御に必要な複数の電気部品である複数のセンサを一体的に装着したものである。複数のセンサは、吸気温度センサと、吸気圧力センサとを含む。また、センサモジュールユニットは、回路基板を備える。回路基板には、吸気圧力センサが取り付けられているとともに、温度センサからのリード線が取り付けられている。
【0010】
特許第6313405号公報に記載のスロットルバルブ装置は、ボディと、ボディに対して回転自在に支持されるシャフトと、シャフトに固定されボディの吸気通路に設けられるバルブと、ボディの側部に設けられたセンサユニットとを含む。センサユニットは、複数のセンサを収納する。複数のセンサは、複数の電気部品である吸気圧センサ及び吸気温センサを含む。センサユニットは、基板を含む。基板には、吸気圧センサ及び吸気温センサが接続されている。
【0011】
特開2014-181646号公報に記載の吸気装置は、吸気道を有するスロットルボディと、吸気道を開閉するスロットル弁と、スロットルボディに取り付けられるセンサユニットとを備える。センサユニットは、吸気道の吸気温度を検出する吸気温センサと、吸気道の吸気圧を検出する吸気圧センサとを含む。また、センサユニットは、基板をさらに含む。基板には、複数の電気部品である吸気温センサ及び吸気圧センサが接続されている。
【0012】
特開2007-118868号公報には、傾斜センサ一体モジュールが一体的に設けられたスロットルボディが開示されている。傾斜センサ一体モジュールは、吸気管に生じる負圧を検出する吸気圧センサと、吸気管の略中央における吸気温度を検出する吸気温度センサとを備える。傾斜センサ一体モジュールは、基板をさらに備える。複数の電気部品である吸気圧センサ及び吸気温度センサは、配線を介して基板に接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】国際公開第2005/038223号
【特許文献2】国際公開第2004/074661号
【特許文献3】特許第6313405号公報
【特許文献4】特開2014-181646号公報
【特許文献5】特開2007-118868号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
上記公報に記載の吸気状態検出基板ユニットを備える単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリは、単一のスロットルバルブをワイヤによって駆動する機構を備えている。このようなワイヤ式のバルブ駆動機構を電動式のバルブ駆動機構に変更することが考えられる。電動式のバルブ駆動機構は、電力が供給されることで駆動する電気モータと、当該電気モータの駆動力をスロットルバルブに伝達する減速機構とを含む。
【0015】
ここで、電動式のバルブ駆動機構は、電力が供給されることで駆動する電気モータを含むので、電気部品である。また、吸気状態検出基板ユニットは、吸気状態検出センサを含むので、電気部品である。
【0016】
そのため、当業者であれば、上記のような技術思想(つまり、複数の電気部品を集約するという技術思想)に従って、複数の電気部品である電動式のバルブ駆動機構と吸気状態検出基板ユニットを集約すると考えられる。しかしながら、複数の電気部品である電動式のバルブ駆動機構と吸気状態検出基板ユニットを集約すると、単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリのサイズをコンパクトにすることが難しいことが判明した。
【0017】
本発明の目的は、単一の燃焼室に接続される単一の空気流路を形成する単一のスロットルボディ本体と、単一の空気流路に配置され、単一の燃焼室に吸入される空気の量を調整する単一のスロットルバルブと、単一のスロットルバルブを駆動するための機構である電動式のバルブ駆動機構と、単一の空気流路を流れる空気の状態を検出するための吸気状態検出基板ユニットとを備える単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリであって、そのサイズをコンパクトにすることができる単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本願の発明者等は、単一の燃焼室に接続される単一の空気流路を形成する単一のスロットルボディ本体と、単一の空気流路に配置され、単一の燃焼室に吸入される空気の量を調整する単一のスロットルバルブと、単一のスロットルバルブを駆動するための機構であるバルブ駆動機構と、単一の空気流路を流れる空気の状態を検出するための吸気状態検出基板ユニットとを備える単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリにおいて、バルブ駆動機構をワイヤ式から電動式に変更することを考えた。
【0019】
ここで、電動式のバルブ駆動機構は、電力が供給されることで駆動する電気モータと、当該電気モータの駆動力をスロットルバルブに伝達する減速機構とを含む。つまり、電動式のバルブ駆動機構は、電気部品である。
【0020】
また、単一の空気流路を流れる空気の状態を検出するための吸気状態検出基板ユニットは、単一の空気流路を流れる空気の状態を検出する吸気状態検出センサを含む。吸気状態検出センサは、電気部品である。つまり、吸気状態検出基板ユニットも、電気部品である。
【0021】
したがって、単一の燃焼室に接続される単一の空気流路を形成する単一のスロットルボディ本体と、単一の空気流路に配置され、単一の燃焼室に吸入される空気の量を調整する単一のスロットルバルブと、単一のスロットルバルブを駆動するための機構であるバルブ駆動機構と、単一の空気流路を流れる空気の状態を検出するための吸気状態検出基板ユニットとを備える単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリにおいて、バルブ駆動機構をワイヤ式から電動式に変更する場合、単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリは、複数の電動部品を含むことになる。
【0022】
そのため、当業者であれば、複数の電気部品を集約するという技術思想に従って、複数の電気部品である電動式のバルブ駆動機構と吸気状態検出基板ユニットを集約すると考えられる。そこで、本発明者等も、このような技術思想に従って、複数の電気部品である電動式のバルブ駆動機構と吸気状態検出基板ユニットを集約することについて検討した。具体的には、以下のとおりである。
【0023】
単一のスロットルバルブの回転中心軸線が延びる方向を左右方向とした場合、電動式のバルブ駆動機構と吸気状態検出基板ユニットとを単一のスロットルバルブの左方又は右方に集約して配置する態様について検討した。具体的には、(1)電動式のバルブ駆動機構を吸気状態検出基板ユニットよりも単一のスロットルバルブの近くに配置する態様と、(2)吸気状態検出基板ユニットを電動式のバルブ駆動機構よりも単一のスロットルバルブの近くに配置する態様について検討した。
【0024】
ここで、吸気状態検出センサが単一の空気流路を流れる空気の状態を検出するためには、単一のスロットルボディ本体が形成する単一の空気流路に連通するセンサ用孔を単一のスロットルボディ本体に形成する必要がある。本発明者等は、このようなセンサ用孔と電動式のバルブ駆動機構と吸気状態検出基板ユニットとの位置関係に着目して、上記(1)及び(2)の態様について検討した。その結果、以下の知見を得るに至った。
【0025】
(1)の態様では、電動式のバルブ駆動機構が吸気状態検出基板ユニットよりも単一のスロットルバルブの近くに配置されるので、電動式のバルブ駆動機構が備える減速機構を避けてセンサ用孔を形成する必要がある。そのため、単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリは、単一のスロットルボディ本体が形成する単一の空気流路が延びる方向である前後方向の長さが大きくなる。
【0026】
また、減速機構は、電気モータの駆動力が伝達されることで駆動される部材、つまり、可動部材である。これに対して、吸気状態検出基板ユニットが備える吸気状態検出センサ及び基板は、駆動力が伝達されないので、動かない部材、つまり、非可動部材である。このような可動部材と非可動部材は、干渉を避けるために、離れた位置に配置する必要がある。
【0027】
(1)の態様では、電動式のバルブ駆動機構と吸気状態検出基板ユニットとが単一のスロットルバルブの左方又は右方に集約して配置されているので、電動式のバルブ駆動機構が備える減速機構と吸気状態検出基板ユニットが備える基板及び吸気状態検出センサとの干渉を回避するために、電動式のバルブ駆動機構と吸気状態検出基板ユニットを左右方向に離す必要がある。そのため、単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリの左右方向の長さが大きくなる。
【0028】
(2)の態様では、上記と同様の理由により、単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリの左右方向の長さが大きくなる。
【0029】
また、(2)の態様では、吸気状態検出基板ユニットが電動式のバルブ駆動機構よりも単一のスロットルバルブの近くに配置されるので、スロットルバルブを回転可能に支持するバルブ回転支持軸が、吸気状態検出基板ユニットの基板を貫通して配置される。つまり、基板には、バルブ回転支持軸が挿入されるための貫通孔が形成される。貫通孔が形成されることで、基板の面積が減少する。基板の面積を確保するために、例えば、基板が前後方向に長くなる。この場合、単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリの前後方向の長さが大きくなる。
【0030】
したがって、複数の電気部品を集約するという技術思想に従って、電動式のバルブ駆動機構と吸気状態検出基板ユニットを集約すると、単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリのサイズが大きくなってしまい、単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリのサイズをコンパクトにすることが難しいことが判明した。
【0031】
そこで、本願の発明者等は、複数の電気部品を集約するという技術思想に従って、複数の電気部品である電動式のバルブ駆動機構と吸気状態検出基板ユニットを集約するのではなく、他の観点から単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリのサイズをコンパクトにすることについて検討した。具体的には、単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリが備える単一のスロットルバルブのサイズに着目して検討した。その結果、以下の知見を得るに至った。
【0032】
単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリが備える単一のスロットルバルブは、元々サイズが小さい。そのため、電動式のバルブ駆動機構が備える減速機構は、単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリの前後方向(つまり、単一の空気流路が延びる方向)、及び、単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリの上下方向(つまり、単一の空気流路が延びる方向に垂直な方向であって、かつ、単一のスロットルバルブの回転中心軸線が延びる方向に垂直な方向)の少なくとも一方において、スロットルバルブよりも大きい。別の表現をすると、スロットルバルブは、単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリの前後方向及び上下方向の少なくとも一方において、電動式のバルブ駆動機構が備える減速機構よりも小さい。同様に、吸気状態検出基板ユニットや当該吸気状態検出基板ユニットが備える基板も単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリの前後方向及び上下方向の少なくとも一方において吸気状態検出基板ユニットよりも大きくなる可能性がある。
【0033】
このような知見に基づいて、本願の発明者等はさらに検討を進めた。そして、複数の電気部品である吸気状態検出基板ユニットと電動式のバルブ駆動機構を、単一のスロットルバルブの左方又は右方に集約するのではなく、単一のスロットルバルブの左方及び右方に分散させることにより、単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリの左右方向のサイズをコンパクトにすることができることに気付いた。具体的には、以下のとおりである。
【0034】
複数の電気部品である吸気状態検出基板ユニットと電動式のバルブ駆動機構を、単一のスロットルバルブの左方又は右方に集約するのではなく、単一のスロットルバルブの左方及び右方に分散させることにより、吸気状態検出基板ユニットと電動式のバルブ駆動機構の左右方向の設計自由度が向上する。例えば、前方向又は後方向に見て、吸気状態検出基板ユニットの表面のうち単一のスロットルバルブに近い側面の設計自由度が向上する。その結果、吸気状態検出基板ユニットを単一のスロットルバルブに対して左右方向に近づけて配置することができる。つまり、単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリの左右方向のサイズをコンパクトにすることができる。
【0035】
このような知見は、単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリの特徴である「単一のスロットルバルブのサイズが小さい」ということを利用して、複数の電気部品である吸気状態検出基板ユニットと電動式のバルブ駆動機構を、単一のスロットルバルブの左方又は右方に集約するのではなく、単一のスロットルバルブの左方及び右方に分散させることにより、初めて得られたものである。
【0036】
また、複数の電気部品である吸気状態検出基板ユニットと電動式のバルブ駆動機構を、単一のスロットルバルブの左方又は右方に集約するのではなく、単一のスロットルバルブの左方及び右方に分散させることにより、電動式のバルブ駆動機構が備える減速機構を回避するようにしてセンサ用孔を形成する必要がなくなる。そのため、センサ用孔の位置を自由に設定することができる。つまり、センサ用孔についての設計自由度が向上する。その結果、単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリの前後方向のサイズをコンパクトにすることができる。
【0037】
加えて、複数の電気部品である吸気状態検出基板ユニットと電動式のバルブ駆動機構を、単一のスロットルバルブの左方又は右方に集約するのではなく、単一のスロットルバルブの左方及び右方に分散させることにより、電動式のバルブ駆動機構が備える可動部材である減速機構と吸気状態検出基板ユニットが備える非可動部材である基板及び吸気状態検出センサとの干渉を回避するためのクリアランス(左右方向のクリアランス)を形成する必要がなくなる。その結果、単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリの左右方向のサイズをコンパクトにすることができる。
【0038】
以上のように、複数の電気部品である吸気状態検出基板ユニットと電動式のバルブ駆動機構を、単一のスロットルバルブの左方又は右方に集約するのではなく、単一のスロットルバルブの左方及び右方に分散させることにより、単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリのサイズ(特に、左右方向及び前後方向の少なくとも一方のサイズ)をコンパクトにすることができる。本発明は、このような知見に基づいて完成されたものである。
【0039】
本発明の一実施形態に係る単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリは、単一のスロットルバルブと、単一のスロットルボディ本体とを備える。単一のスロットルバルブは、単一の燃焼室に吸入される空気量を調整し、その回転中心軸線回りに回転可能なものである。単一のスロットルボディ本体は、単一の燃焼室に接続され、単一のスロットルバルブが配置される単一の空気流路を形成する。単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリは、吸気状態検出基板ユニットと、電動式のバルブ駆動機構とを備える。吸気状態検出基板ユニットは、単一の空気流路を流れる空気の状態を検出する。電動式のバルブ駆動機構は、電力の供給を受けることにより、単一のスロットルバルブを回転中心軸線回りに回転させる。吸気状態検出基板ユニットは、1つ又は複数の吸気状態検出センサと、吸気状態検出センサ回路基板と、吸気状態検出センサ回路基板収容ケースとを含む。吸気状態検出センサは、単一の空気流路を流れる空気の状態を検出する。吸気状態検出センサ回路基板には、1つ又は複数の吸気状態検出センサが接続される。吸気状態検出センサ回路基板収容ケースは、吸気状態検出センサ回路基板を収容する。電動式のバルブ駆動機構は、減速機構と、電気モータと、バルブ駆動機構収容ケースとを含む。減速機構は、単一のスロットルバルブに対して機械的に接続される。電気モータは、減速機構に対して機械的に接続され、電力の供給を受けて減速機構を介して単一のスロットルバルブを回転させる。バルブ駆動機構収容ケースは、減速機構及び電気モータを収容する。単一のスロットルバルブの回転中心軸線を左右方向と平行に配置した場合、減速機構及び吸気状態検出センサ回路基板は、単一のスロットルバルブに対して、以下の(1)又は(2)を満たすように配置される。
(1)減速機構は左右方向において単一のスロットルバルブの右方に配置され、吸気状態検出センサ回路基板は左右方向において単一のスロットルバルブの左方に配置される。
(2)減速機構は左右方向において単一のスロットルバルブの左方に配置され、吸気状態検出センサ回路基板は左右方向において単一のスロットルバルブの右方に配置される。
単一のスロットルボディ本体には、1つ又は複数のセンサ用孔が形成されている。センサ用孔は、吸気状態検出センサが単一の空気流路を流れる空気の状態を検出するためのものである。1つ又は複数のセンサ用孔は、以下の(3)又は(4)を満たすような位置に存在する。
(3)減速機構及び吸気状態検出センサ回路基板が単一のスロットルバルブに対して上記(1)を満たすように配置されている場合、1つ又は複数のセンサ用孔は、左右方向において単一のスロットルバルブの左方に位置し、1つ又は複数のセンサ用孔のうちの少なくとも1つのセンサ用孔は、左方向又は右方向に見て、吸気状態検出センサ回路基板収容ケース及びバルブ駆動機構収容ケースの各々に重なる。
(4)減速機構及び吸気状態検出センサ回路基板が単一のスロットルバルブに対して上記(2)を満たすように配置されている場合、1つ又は複数のセンサ用孔は、左右方向において単一のスロットルバルブの右方に位置し、1つ又は複数のセンサ用孔のうちの少なくとも1つのセンサ用孔は、左方向又は右方向に見て、吸気状態検出センサ回路基板収容ケース及びバルブ駆動機構収容ケースの各々に重なる。
【0040】
上記単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリにおいては、複数の電気部品である吸気状態検出基板ユニットと電動式のバルブ駆動機構を、単一のスロットルバルブの左方又は右方に集約するのではなく、単一のスロットルバルブの左方及び右方に分散させているので、単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリのサイズ(特に、左右方向及び前後方向の少なくとも一方のサイズ)をコンパクトにすることができる。
【0041】
上記単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリにおいて、単一のスロットルバルブは、単一の燃焼室に吸入される空気量を調整し、その回転中心軸線回りに回転可能なものであれば、特に限定されない。単一のスロットルバルブの形状等は、例えば、単一のスロットルバルブが配置される単一の空気流路の流路断面の形状等に応じて、適宜、変更される。なお、流路断面とは、単一の空気流路を形成する単一のスロットルボディ本体を当該単一のスロットルボディ本体が延びる方向に対して直交する方向に切断したときの単一のスロットルボディ本体の内側の領域(つまり、当該切断面における単一のスロットルボディ本体の開口部分)である。単一のスロットルバルブは、例えば、単一のスロットルボディ本体に対して回転可能に配置されたバルブ回転支持軸に固定された状態で、単一のスロットルボディ本体が形成する単一の空気流路に配置される。これにより、単一のスロットルバルブは、その回転中心軸線回りに回転可能な状態で配置される。単一のスロットルバルブによる単一の燃焼室に吸入される空気量の調整は、単一のスロットルバルブの回転中心軸線回りの回転に起因して単一の空気流路の開閉状態が変化することによって実現される。単一のスロットルバルブをバルブ回転支持軸に固定する手段は、特に限定されない。単一のスロットルバルブをバルブ回転支持軸に固定する際には、例えば、ねじ等が用いられる。
【0042】
上記単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリにおいて、単一のスロットルボディ本体は、単一の燃焼室に接続され、単一のスロットルバルブが配置される単一の空気流路を形成するものであれば、特に限定されない。単一の空気流路が単一の燃焼室に接続される態様は、特に限定されない。例えば、単一の空気流路は、当該単一の空気流路に接続される他の空気流路を介して、単一の燃焼室に接続されてもよい。単一のスロットルボディ本体の内側に形成された単一の空気流路の流路断面積は、単一のスロットルボディ本体の全長に亘って、つまり、単一のスロットルボディ本体が延びる方向の全体に亘って、一定であってもよいし、変化していてもよい。なお、流路断面積とは、空気流路を形成する単一のスロットルボディ本体を当該単一のスロットルボディ本体が延びる方向に対して直交する方向に切断したときの単一のスロットルボディ本体の内側の領域の面積(つまり、当該切断面における単一のスロットルボディ本体の開口面積)である。
【0043】
上記単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリにおいて、吸気状態検出ユニットは、単一の空気流路を流れる空気の状態を検出するものであれば、特に限定されない。吸気状態検出センサは、単一の空気流路を流れる空気の状態を検出するものであれば、特に限定されない。単一の空気流路を流れる空気の状態とは、例えば、単一の空気流路を流れる空気の圧力であってもよいし、単一の空気流路を流れる空気の温度であってもよい。吸気状態検出センサは、単一のスロットルボディ本体に形成されたセンサ用孔を利用して、単一のスロットルボディ本体が形成する単一の空気流路を流れる空気の状態を検出するものであれば、特に限定されない。吸気状態検出センサがセンサ用孔を利用する態様としては、例えば、吸気状態検出センサがセンサ用孔を通じて空気流路を流れる空気の状態を検出する態様と、吸気状態検出センサの少なくとも一部がセンサ用孔に挿入された状態で空気流路を流れる空気の状態を検出する態様とがある。後者の態様において、吸気状態検出センサのうち空気流路を流れる空気の状態を検出する部分は、空気流路に存在していてもよい。
【0044】
上記単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリにおいて、センサ用孔は、単一のスロットルバルブの右方又は左方に形成されていればよい。ここで、単一のスロットルバルブの右方(左方)とは、単一のスロットルバルブの右端(左端)よりも右方(左方)に限定されない。例えば、単一のスロットルバルブが円板形状を有し、かつ、単一のスロットルバルブが全閉位置にある場合、単一のスロットルバルブの右方(左方)は、単一のスロットルバルブの左右方向の中心よりも右方(左方)であって、かつ、単一のスロットルバルブの右端(左端)よりも左方(右方)の位置でもよい。
【0045】
上記単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリにおいて、吸気状態検出センサ回路基板は、吸気状態検出センサが接続されるものであれば、特に限定されない。吸気状態検出センサが吸気状態検出センサ回路基板に接続される態様は、特に限定されない。吸気状態検出センサは、吸気状態検出センサ回路基板に対して直接的に接続されていてもよいし、間接的に接続されていてもよい。吸気状態検出センサが吸気状態検出センサ回路基板に対して直接的に接続される態様には、例えば、吸気状態検出センサが吸気状態検出センサ回路基板に実装されることが含まれる。吸気状態検出センサが吸気状態検出センサ回路基板に対して間接的に接続される態様としては、例えば、吸気状態検出センサが配線等の導電部材を介して吸気状態検出センサ回路基板に接続されることが含まれる。
【0046】
上記単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリにおいて、電動式のバルブ駆動機構は、電力の供給を受けることにより、単一のスロットルバルブを回転中心軸線回りに回転させるものであれば、特に限定されない。
【0047】
上記単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリにおいて、減速機構は、単一のスロットルバルブに対して機械的に接続されるものであれば、特に限定されない。減速機構が単一のスロットルバルブに対して機械的に接続される態様は、減速機構から単一のスロットルバルブに対して駆動力の伝達が可能な態様であれば、特に限定されない。減速機構は、単一のスロットルバルブに対して直接的に接続されていてもよいし、単一のスロットルバルブに対して間接的に接続されていてもよい。減速機構が単一のスロットルバルブに対して間接的に接続される態様には、例えば、単一のスロットルバルブを回転可能に支持するバルブ回転支持軸に対して減速機構の一部(例えば、減速機構を構成する複数の歯車の何れか)が固定されることが含まれる。減速機構は、例えば、減速歯車列である。減速歯車列は、例えば、複数の歯車を含む。複数の歯車の各々は、好ましくは、単一のスロットルバルブの回転中心軸線と平行な軸線回りに回転可能な平歯車又ははすば歯車である。これにより、減速機構において単一のスロットルバルブの回転中心軸線が延びる方向の長さを短くすることができる。
【0048】
上記単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリにおいて、電気モータは、減速機構に対して機械的に接続され、電力の供給を受けて減速機構を介して単一のスロットルバルブを回転させるものであれば、特に限定されない。電気モータが減速機構に対して機械的に接続される態様は、電気モータから減速機構に対して駆動力の伝達が可能な態様であれば、特に限定されない。電気モータは、減速機構に対して直接的に接続されていてもよいし、減速機構に対して間接的に接続されていてもよい。電気モータが減速機構に対して間接的に接続される態様には、例えば、電気モータの出力軸に対して減速機構の一部(例えば、減速機構を構成する複数の歯車の何れか)が固定されることが含まれる。
【0049】
上記単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリにおいて、バルブ駆動機構収容ケースは、減速機構及び電気モータを収容するものであれば、特に限定されない。バルブ駆動機構収容ケースは、例えば、減速機構を収容する部分と、単一の電気モータを収容する部分とを含んでいてもよい。バルブ駆動機構収容ケースは、例えば、単一のスロットルバルブの回転中心軸線が延びる方向に分割可能な構造を有していてもよい。
【0050】
上記単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリにおいて、センサ用孔が左方向又は右方向に見て吸気状態検出センサ回路基板収容ケース及びバルブ駆動機構収容ケースの各々に重なる態様には、センサ用孔の全体が左方向又は右方向に見て吸気状態検出センサ回路基板収容ケース及びバルブ駆動機構収容ケースの各々に重なる態様だけでなく、センサ用孔の一部が左方向又は右方向に見て吸気状態検出センサ回路基板収容ケース及びバルブ駆動機構収容ケースの各々に重なる態様を含む。
【0051】
上記単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリにおいて、左方向又は右方向に見たときに吸気状態検出センサ回路基板収容ケースに重なるセンサ用孔は、左方向又は右方向に見たときに吸気状態検出センサ回路基板に重なるセンサ用孔であってもよいし、左方向又は右方向に見たときに吸気状態検出センサ回路基板に重ならないセンサ用孔であってもよい。
【0052】
上記単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリにおいて、単一の空気流路の流路断面は円形であってもよい。
【0053】
このような態様においては、単一の空気流路の流路断面が横長の楕円形である場合と比べて、単一の空気流路に配置される単一のスロットルバルブの左右方向のサイズを小さくすることができる。そのため、単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリの左右方向のサイズを小さくすることができる。
【0054】
なお、上記単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリにおいて、単一の空気流路の流路断面は円形に限定されない。例えば、単一の空気流路の流路断面は楕円形等でもよい。
【0055】
上記単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリにおいて、1つ又は複数のセンサ用孔のうちの少なくとも1つのセンサ用孔は、左方向又は右方向に見て、吸気状態検出センサ回路基板に重なっていてもよい。
【0056】
このような態様においては、センサ用孔を単一のスロットルバルブの回転中心軸線に対して前後方向に近づけることができる。そのため、単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリの前後方向のサイズを小さくすることができる。
【0057】
上記単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリにおいて、吸気状態検出センサ回路基板収容ケースは、左方向又は右方向に見て、バルブ駆動機構収容ケースよりも小さくてもよい。
【0058】
このような態様においては、例えば、単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリが鞍乗型車両に搭載された状態で、吸気状態検出センサ回路基板収容ケースが他の部材と干渉するのを抑制することができる。
【0059】
なお、上記単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリにおいて、吸気状態検出センサ回路基板収容ケースは、左方向又は右方向に見て、バルブ駆動機構収容ケースよりも小さければ、特に限定されない。吸気状態検出センサ回路基板収容ケースは、左方向又は右方向に見て、その全体がバルブ駆動機構収容ケースに重なっていてもよい。或いは、吸気状態検出センサ回路基板収容ケースは、左方向又は右方向に見て、その一部がバルブ駆動機構収容ケースからはみ出していてもよい。例えば、吸気状態検出センサ回路基板収容ケースは、左方向又は右方向に見て、その前端又は後端がバルブ駆動機構収容ケースの外側に位置していてもよい。
【0060】
上記単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリにおいて、1つ又は複数のセンサ用孔のうちの少なくとも1つのセンサ用孔は、左方向又は右方向に見て、単一のスロットルバルブが回転中心軸線回りに回転するときの単一のスロットルバルブが回転可能な範囲に重なっていてもよい。
【0061】
このような態様においては、センサ用孔を単一のスロットルバルブの回転中心軸線に対して前後方向に近づけることができる。そのため、単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリの前後方向のサイズを小さくすることができる。
【0062】
上記単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリにおいて、センサ用孔が左方向又は右方向に見て単一のスロットルバルブが回転中心軸線回りに回転するときの単一のスロットルバルブが回転可能な範囲に重なる態様には、センサ用孔の全体が左方向又は右方向に見て単一のスロットルバルブが回転中心軸線回りに回転するときの単一のスロットルバルブが回転可能な範囲に重なる態様だけでなく、センサ用孔の一部が左方向又は右方向に見て単一のスロットルバルブが回転中心軸線回りに回転するときの単一のスロットルバルブが回転可能な範囲に重なる態様が含まれる。
【0063】
なお、上記単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリにおいて、左方向又は右方向に見たときに単一のスロットルバルブが回転可能な範囲に重なるセンサ用孔は、左方向又は右方向に見たときに吸気状態検出センサ回路基板に重なるセンサ用孔であってもよいし、左方向又は右方向に見たときに吸気状態検出センサ回路基板に重ならないセンサ用孔であってもよい。
【0064】
上記単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリにおいて、1つ又は複数のセンサ用孔のうちの少なくとも1つのセンサ用孔は、左方向又は右方向に見て、単一のスロットルバルブが回転中心軸線回りに回転するときの単一のスロットルバルブが回転可能な範囲に重ならなくてもよい。
【0065】
このような態様においては、例えば、吸気状態検出センサがセンサ用孔に挿し通されてその一部が空気流路内に存在する状態で使用される場合に、吸気状態検出センサと単一のスロットルバルブとの干渉を回避することができる。センサ用孔の位置についての設計自由度が向上するので、合理的な設計をすることができる。その結果、単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリのサイズ(例えば、前後方向のサイズや、左右方向のサイズ)をコンパクトにすることができる。
【0066】
この発明の上述の目的及びその他の目的、特徴、局面及び利点は、添付図面に関連して行われる以下のこの発明の実施形態の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【0067】
本明細書にて使用される場合、用語「及び/又は(and/or)」は1つの、又は複数の関連した列挙されたアイテム(items)のあらゆる又は全ての組み合わせを含む。
【0068】
本明細書中で使用される場合、用語「含む、備える(including)」、「含む、備える(comprising)」又は「有する(having)」及びその変形の使用は、記載された特徴、工程、操作、要素、成分及び/又はそれらの等価物の存在を特定するが、ステップ、動作、要素、コンポーネント、及び/又はそれらのグループのうちの1つ又は複数を含むことができる。
【0069】
他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての用語(技術用語及び科学用語を含む)は、本発明が属する当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。
【0070】
一般的に使用される辞書に定義された用語のような用語は、関連する技術及び本開示の文脈における意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、本明細書で明示的に定義されていない限り、理想的又は過度に形式的な意味で解釈されることはない。
【0071】
本発明の説明においては、技術及び工程の数が開示されていると理解される。これらの各々は個別の利益を有し、それぞれは、他の開示された技術の1つ以上、又は、場合によっては全てと共に使用することもできる。従って、明確にするために、この説明は、不要に個々のステップの可能な組み合わせの全てを繰り返すことを控える。それにもかかわらず、明細書及び特許請求の範囲は、そのような組み合わせが全て本発明及び特許請求項の範囲内にあることを理解して読まれるべきである。
【0072】
以下の説明では、説明の目的で、本発明の完全な理解を提供するために多数の具体的な詳細を述べる。しかしながら、当業者には、これらの特定の詳細なしに本発明を実施できることが明らかである。本開示は、本発明の例示として考慮されるべきであり、本発明を以下の図面又は説明によって示される特定の実施形態に限定することを意図するものではない。
【発明の効果】
【0073】
本発明によれば、単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリのサイズ(特に、左右方向及び前後方向の少なくとも一方のサイズ)をコンパクトにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【
図1】本発明の実施の形態による単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリの斜視図である。
【
図2】
図1に示す単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリの側面図であって、電気モータ及び減速機構を収容するバルブ駆動機構収容ケースの収容ケースカバーを取り外した状態を示す側面図である。
【
図3】
図1に示す単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリの左右方向に対して直交する方向に切断した断面図であって、
図4におけるIII-III断面図である。
【
図6】吸気状態検出基板ユニット及び電動式のバルブ駆動機構を単一のスロットルバルブの左方又は右方に集約する場合における単一のスロットルバルブと吸気状態検出基板ユニットと電動式のバルブ駆動機構との位置関係を示す模式図である。
【
図7】吸気状態検出基板ユニット及び電動式のバルブ駆動機構を単一のスロットルバルブの左方又は右方に集約する場合における単一のスロットルバルブと吸気状態検出基板ユニットと電動式のバルブ駆動機構との位置関係を示す模式図であって、
図6とは異なる場合を示す模式図である。
【
図8】吸気状態検出基板ユニット及び電動式のバルブ駆動機構を単一のスロットルバルブの左方及び右方に分散させる場合における単一のスロットルバルブと吸気状態検出基板ユニットと電動式のバルブ駆動機構との位置関係を示す模式図である。
【
図9】単一のスロットルバルブが回転可能な範囲とセンサ用孔との関係を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0075】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態による単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリの詳細について説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、あくまでも一例である。本発明は、以下に説明する実施の形態によって、何等、限定的に解釈されるものではない。
【0076】
図1及び
図2を参照しながら、本発明の実施の形態による単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリ10について説明する。
図1は、単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリ10の斜視図である。
図2は、単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリ10の側面図であって、電気モータ54及び減速機構52を収容するバルブ駆動機構収容ケース56の収容ケースカバー562を取り外した状態を示す側面図である。
【0077】
単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリ10は、例えば、鞍乗型車両に用いられる。鞍乗型車両は、サドル型のシートを備える車両である。鞍乗型車両は、例えば、少なくとも1つの前輪と、少なくとも1つの後輪とを備える。つまり、鞍乗型車両は、二輪車に限定されず、前輪又は後輪が左右一対の車輪で構成された三輪車であってもよいし、前輪及び後輪がそれぞれ左右一対の車輪で構成された四輪車であってもよい。鞍乗型車両は、例えば、傾斜車両であってもよい。傾斜車両とは、左旋回時に車両の左方向に傾斜し、右旋回時に車両の右方向に傾斜する傾斜車体を備える車両である。
【0078】
単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリ10は、単一のスロットルバルブ20と、単一のスロットルボディ本体30と、吸気状態検出基板ユニット40と、電動式のバルブ駆動機構50とを備える。以下、これらについて説明する。
【0079】
なお、本明細書では、単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリ10における各種の方向を、以下のように定義する。
【0080】
単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリ10の左右方向LRを、単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリ10が備える単一のスロットルバルブ20の回転中心軸線20Cが延びる方向と定義する。単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリ10の前後方向FBを、単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリ10が備える単一のスロットルボディ本体30によって形成される単一の空気流路32が延びる方向(つまり、単一のスロットルボディ本体30が延びる方向)と定義する。単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリ10の上下方向UDを、前後方向FB及び左右方向LRの各々に直交する方向と定義する。
【0081】
単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリ10が備える単一のスロットルボディ本体30によって形成される単一の空気流路32を空気が流れる方向(つまり、単一の空気流路32の上流から下流に向かう方向)を、単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリの前方向Fと定義する。単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリ10が備える単一のスロットルボディ本体30によって形成される単一の空気流路32の下流から上流に向かう方向を、単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリ10の後方向Bと定義する。単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリ10が備える単一のスロットルバルブ20の回転中心軸線20Cが延びる方向(つまり、上記左右方向LR)のうち、単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリ10を前方向Fに見て右から左に向かう方向を、左方向Lと定義する。単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリ10が備える単一のスロットルバルブ20の回転中心軸線20Cが延びる方向(つまり、上記左右方向LR)のうち、単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリ10を前方向Fに見て左から右に向かう方向を、右方向Rと定義する。単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリ10の上下方向UDのうち、単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリ10を前方向Fに見て下から上に向かう方向を、上方向Uと定義する。単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリ10の上下方向UDのうち、単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリ10を前方向Fに見て上から下に向かう方向を、下方向Dと定義する。
【0082】
本明細書において、前後方向に延びる軸線や部材は、必ずしも前後方向と平行である軸線や部材だけを示すものではない。前後方向に延びる軸線や部材とは、前後方向に対して±45°の範囲で傾斜している軸や部材を含む。同様に、上下方向に延びる軸線や部材とは、上下方向に対して±45°の範囲で傾斜している軸線や部材を含む。左右方向に延びる軸線や部材とは、左右方向に対して±45°の範囲で傾斜している軸線や部材を含む。
【0083】
本明細書における任意の2つの部材を第1部材及び第2部材と定義した場合、任意の2つの部材の関係は以下のような意味になる。なお、第1部材及び第2部材は、単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリ10を構成する部材を意味する。
【0084】
本明細書において、前後方向に並ぶ第1部材及び第2部材とは、以下の状態を示す。前後方向に垂直な方向に第1部材及び第2部材を見たときに、第1部材及び第2部材の両方が前後方向を示す任意の直線上に配置されている状態である。本明細書において、上方向又は下方向に見て前後方向に並ぶ第1部材及び第2部材とは、以下の状態を示す。上方向又は下方向に第1部材及び第2部材を見たときに、第1部材及び第2部材の両方が前後方向を示す任意の直線上に配置されている。この場合、上方向及び下方向とは異なる左方向又は右方向に第1部材及び第2部材を見ると、第1部材及び第2部材の何れか一方が前後方向を示す任意の直線上に配置されていなくてもよい。なお、第1部材と第2部材とが接触していてもよい。第1部材と第2部材とが離れていてもよい。第1部材と第2部材との間に第3部材が存在していてもよい。この定義は、前後方向以外の方向にも適用される。
【0085】
本明細書において、第1部材が第2部材よりも前方に配置されるとは、以下の状態を指す。第1部材は、第2部材の前端を通り前後方向に直交する平面の前方に配置される。この場合、第1部材及び第2部材は、前後方向に並んでいてもよく、並んでいなくてもよい。この定義は、前後方向以外の方向にも適用される。
【0086】
本明細書において、第1部材が第2部材の前方に配置されるとは、以下の状態を指す。第1部材の少なくとも一部は、第2部材が前方向に平行移動するときに通過する領域内に配置されている。よって、第1部材は、第2部材が前方向に平行移動するときに通過する領域内に収まっていてもよいし、第2部材が前方向に平行移動するときに通過する領域から突出していてもよい。この場合、第1部材及び第2部材は、前後方向に並んでいる。この定義は、前後方向以外の方向にも適用される。
【0087】
本明細書において、左方向又は右方向に見て、第1部材が第2部材の前方に配置されるとは、以下の状態を指す。左方向又は右方向に見て、第1部材と第2部材が前後方向に並んでおり、且つ、左方向又は右方向に見て、第1部材の第2部材と対向する部分が、第2部材の前方に配置される。この定義において、第1部材と第2部材は、3次元では、前後方向に並んでいなくてもよい。この定義は、前後方向以外の方向も適用される。
【0088】
本明細書において、特に断りのない場合には、第1部材の各部について以下のように定義する。なお、第1部材とは、単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリ10を構成する部材を意味する。
【0089】
第1部材の前部とは、第1部材の前半分を意味する。第1部材の後部とは、第1部材の後半分を意味する。第1部材の左部とは、第1部材の左半分を意味する。第1部材の右部とは、第1部材の右半分を意味する。第1部材の上部とは、第1部材の上半分を意味する。第1部材の下部とは、第1部材の下半分を意味する。第1部材の前端とは、第1部材の前方向の端を意味する。第1部材の後端とは、第1部材の後方向の端を意味する。第1部材の左端とは、第1部材の左方向の端を意味する。第1部材の右端とは、第1部材の右方向の端を意味する。第1部材の上端とは、第1部材の上方向の端を意味する。第1部材の下端とは、第1部材の下方向の端を意味する。第1部材の前端部とは、第1部材の前端及びその近傍を意味する。第1部材の後端部とは、第1部材の後端及びその近傍を意味する。第1部材の左端部とは、第1部材の左端及びその近傍を意味する。第1部材の右端部とは、第1部材の右端及びその近傍を意味する。第1部材の上端部とは、第1部材の上端及びその近傍を意味する。第1部材の下端部とは、第1部材の下端及びその近傍を意味する。
【0090】
図1に示すように、単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリ10においては、複数の電気部品である吸気状態検出基板ユニット40と電動式のバルブ駆動機構50が、単一のスロットルバルブ20の左方又は右方に集約されておらず、単一のスロットルバルブ20の左方及び右方に分散されている。このような単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリ10の構成について、以下に説明する。なお、単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリ10は、単一のスロットルバルブ20を回転させるためのスロットルプーリであって、スロットルワイヤが接続されるスロットルプーリを備えていない。
【0091】
単一のスロットルバルブ20は、単一の燃焼室に吸入される空気量を調整する。単一の燃焼室は、例えば、単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリ10が搭載される鞍乗型車両に設けられたエンジンに形成されている。エンジンは、単気筒であってもよいし、V型2気筒エンジンであってもよい。エンジンがV型2気筒エンジンである場合、各々の気筒に対して単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリ10が配置される。なお、単一のスロットルバルブ20の詳細については、後述する。
【0092】
単一のスロットルボディ本体30は、単一の空気流路32を形成する。単一の空気流路32は、単一の燃焼室に接続される。
【0093】
単一のスロットルボディ本体30は、円筒形状を有している。単一のスロットルボディ本体10の中心軸線(後述する前後方向基準線32L1)は、前後方向FBに延びている。単一のスロットルボディ本体30は、その内側に形成された空間を利用して、単一の空気流路32を形成している。単一の空気流路32には、単一のスロットルバルブ20が配置される。
【0094】
図3及び
図4を参照しながら、単一のスロットルバルブ20の詳細について説明する。
図3は、左右方向LRに対して直交する方向に切断した断面図であって、
図4におけるIII-III断面図である。
図4は、
図3におけるIV-IV断面図である。
【0095】
単一のスロットルバルブ20は、回転中心軸線20Cを有している。回転中心軸線20Cは、左右方向LRに延びている。単一のスロットルバルブ20は、回転中心軸線20C回りに回転可能な状態で単一のスロットルボディ本体30に取り付けられている。
【0096】
単一のスロットルバルブ20は、単一のスロットルボディ本体30に収容されている。つまり、単一のスロットルバルブ20は、単一のスロットルボディ本体30の内側に形成された単一の空気流路32に配置されている。
【0097】
単一のスロットルバルブ20は、単一のスロットルボディ本体30の内側に形成された単一の空気流路32を流れる空気量の調整に寄与する。別の表現をすれば、単一のスロットルバルブ20は、単一のスロットルボディ本体30の内側に形成された単一の空気流路32の流路断面に対して前方向F又は後方向Bに見たときに単一のスロットルバルブ20が占める割合の調整に寄与する。ここで、流路断面とは、空気流路32を形成する単一のスロットルボディ本体30を前後方向FBに対して直交する方向に切断したときの単一のスロットルボディ本体30の内側の領域(つまり、当該切断面における単一のスロットルボディ本体30の開口部分)である。
【0098】
単一のスロットルバルブ20の形状は、単一のスロットルボディ本体30の内側に形成された単一の空気流路32の流路断面の形状に対応した形状を有している。本実施の形態では、単一のスロットルボディ本体30の内側に形成された単一の空気流路32の流路断面は、円形である。そのため、単一のスロットルバルブ20は、円板形状を有している。
【0099】
ここで、単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリ10は、バルブ回転支持軸24をさらに備える。バルブ回転支持軸24に対して、単一のスロットルバルブ20が固定されている。単一のスロットルバルブ20をバルブ回転支持軸24に固定する際には、例えば、ねじ等が用いられる。
【0100】
バルブ回転支持軸24は、空気流路32を左右方向LRに横切るようにして、単一のスロットルボディ本体30に取り付けられている。バルブ回転支持軸24は、その中心軸線回りに回転可能な状態で、単一のスロットルボディ本体30に取り付けられている。ここで、バルブ回転支持軸24の中心軸線は、回転中心軸線20Cと一致している。つまり、バルブ回転支持軸24は、回転中心軸線20C回りに回転可能な状態で、単一のスロットルボディ本体30に取り付けられている。そして、バルブ回転支持軸24がその中心軸線(つまり、回転中心軸線20C)回りに回転することで、単一のスロットルバルブ20が回転中心軸線20C回りに回転する。つまり、バルブ回転支持軸24は、単一のスロットルバルブ20を回転中心軸線20C回りに回転可能な状態で支持している。
【0101】
バルブ回転支持軸24の両端部は、それぞれ、単一のスロットルボディ本体30に対して回転中心軸線20C回りに回転可能な状態で支持されている。つまり、バルブ回転支持軸24の両端部は、それぞれ、左右方向LRにおいて空気流路32の外側に位置している。
【0102】
バルブ回転支持軸24が回転中心軸線20C回りに回転することにより、単一のスロットルバルブ20が回転中心軸線20C回りに回転する。単一のスロットルバルブ20は、単一のスロットルボディ本体30の内側に形成された単一の空気流路32を閉じる位置(全閉位置P1)と、単一のスロットルボディ本体30の内側に形成された単一の空気流路32を最も開いた位置(全開位置P2)との間で回転する。つまり、単一のスロットルバルブ20が単一のスロットルボディ本体30の内側に形成された単一の空気流路32を開くときには、単一のスロットルバルブ20が全閉位置P1から全開位置P2に向かう方向に回転し、単一のスロットルバルブ20が単一のスロットルボディ本体30の内側に形成された単一の空気流路32を閉じるときには、単一のスロットルバルブ20が全開位置P2から全閉位置P1に向かう方向に回転する。
【0103】
図4を参照しながら、吸気状態検出基板ユニット40について説明する。吸気状態検出基板ユニット40は、単一の空気流路32を流れる空気の状態を検出する。吸気状態検出基板ユニット40は、2つの吸気状態検出センサ42と、吸気状態検出センサ回路基板44と、吸気状態検出センサ回路基板収容ケース46とを含む。なお、
図4では、吸気状態検出センサ回路基板収容ケース46が有するカバーの図示は省略している。
【0104】
2つの吸気状態検出センサ42は、それぞれ、単一の空気流路32を流れる空気の状態を検出し、その内容に応じた電気信号を出力する。ここで、本実施の形態では、2つの吸気状態検出センサ42として、吸気圧力センサ421と、吸気温度センサ422とが採用されている。吸気圧力センサ421は、単一の空気流路32を流れる空気の圧力を検出する。吸気温度センサ422は、単一の空気流路32を流れる空気の温度を検出する。なお、吸気圧力センサ421と吸気温度センサ422の詳細については、後述する。
【0105】
吸気状態検出センサ回路基板44には、吸気圧力センサ421と吸気温度センサ422が接続されている。本実施の形態では、吸気圧力センサ421と吸気温度センサ422は、それぞれ、配線等の導電部材を介して、吸気状態検出センサ回路基板44に接続されている。
【0106】
吸気状態検出センサ回路基板収容ケース46は、吸気圧力センサ421、吸気温度センサ422及び吸気状態検出センサ回路基板44を収容している。この状態で、吸気圧力センサ421、吸気温度センサ422及び吸気状態検出センサ回路基板44は、吸気状態検出センサ回路基板収容ケース46によって支持されている。具体的には、以下のとおりである。
【0107】
吸気状態検出センサ回路基板収容ケース46には、センサ収容孔461が形成されている。センサ収容孔461は、左右方向LRに延びている。センサ収容孔461は、吸気状態検出センサ回路基板収容ケース46を左右方向LRに貫通するように形成されている。つまり、センサ収容孔461は、左方向L及び右方向Rの各々に開口している。
【0108】
センサ収容孔461には、仕切板48と、吸気圧力センサ421とが嵌め込まれている。仕切板48は、左右方向LRにおいて吸気圧力センサ421よりも単一のスロットルボディ本体30の近くに位置している。
【0109】
仕切板48には、空気孔481が形成されている。空気孔481は、右方向Rに見たときに、吸気圧力センサ421の中央部に対して重なる位置に形成されている。吸気圧力センサ421の中央部には、空気流路32を流れる空気の圧力を検出するためのセンサチップ(図示せず)が設けられている。
【0110】
吸気状態検出センサ回路基板収容ケース46には、センサ支持筒462が形成されている。センサ支持筒462は、左右方向LRに延びている。センサ支持筒462は、左右方向LRにおいて吸気圧力センサ421よりも単一のスロットルボディ本体30の近くに位置している。センサ支持筒462は、吸気温度センサ422が有するセンサチップ4221を支持している。より具体的には、センサ支持筒462の先端部において、吸気温度センサ422のセンサチップ4221が支持されている。
【0111】
吸気状態検出センサ回路基板44は、例えば、吸気状態検出センサ回路基板収容ケース46に形成された少なくとも1つの支持部(図示せず)によって、吸気状態検出センサ回路基板収容ケース46に支持されている。支持部は、例えば、吸気状態検出センサ回路基板44に形成された支持孔(図示せず)に挿入されて、吸気状態検出センサ回路基板44を支持する突起である。
【0112】
このような吸気状態検出センサ回路基板収容ケース46は、単一のスロットルボディ本体30に固定されている。具体的には、吸気状態検出センサ回路基板収容ケース46は、単一のスロットルボディ本体30の外周面に設けられた台座31に固定されている。
【0113】
この状態で、吸気圧力センサ421及び吸気状態検出センサ回路基板44は、それぞれ、左右方向LRにおいて、単一のスロットルバルブ20よりも右方に位置している。別の表現をすれば、吸気圧力センサ421及び吸気状態検出センサ回路基板44は、それぞれ、左右方向LRにおいて、単一のスロットルバルブ20の右端よりも空気流路32から離れている。また、本実施の形態では、吸気圧力センサ421及び吸気状態検出センサ回路基板44は、それぞれ、左右方向LRにおいて、単一のスロットルバルブ20が固定されたバルブ回転支持軸24の右端よりも空気流路32から離れている。
【0114】
吸気状態検出センサ回路基板収容ケース46が単一のスロットルボディ本体30に固定された状態では、左方向L又は右方向Rに見たときに、吸気圧力センサ421の中央部には、単一のスロットルボディ本体30に形成されたセンサ用孔としての吸気圧力センサ用孔341の全体が重なる。
【0115】
ここで、吸気圧力センサ用孔341は、前方向F又は後方向Bに見て、単一のスロットルバルブ20の右方に形成されている。吸気圧力センサ用孔341は、左右方向LRに延びて、単一のスロットルボディ本体30の内側に形成された単一の空気流路32に連通している。つまり、吸気圧力センサ用孔341は、単一のスロットルボディ本体30の内周面と外周面のそれぞれに開口している。
【0116】
また、左方向L又は右方向Rに見たときに、空気孔481の全体が吸気圧力センサ用孔341に重なる。これにより、吸気圧力センサ421は、吸気圧力センサ用341及び空気孔481を介して、単一のスロットルボディ本体30の内側に形成された単一の空気流路32を流れる空気の圧力を検出することができる。つまり、吸気圧力センサ用孔341は、吸気圧力センサ421が単一の空気流路32を流れる空気の圧力を検出するために、単一のスロットルボディ本体30に形成されている。
【0117】
なお、吸気状態検出センサ回路基板収容ケース46が単一のスロットルボディ本体30に固定された状態では、吸気状態検出センサ回路基板収容ケース46と単一のスロットルボディ本体30との間に配置されたシール部材が左右方向LRに圧縮されている。これにより、吸気状態検出センサ回路基板収容ケース46と単一のスロットルボディ本体30との間のシール性が確保される。その結果、吸気圧力センサ421は、吸気圧力センサ用341及び空気孔481を介して、単一のスロットルボディ本体30の内側に形成された単一の空気流路32を流れる空気の圧力をより正確に検出することができる。
【0118】
また、吸気状態検出センサ回路基板収容ケース46が単一のスロットルボディ本体30に固定された状態では、吸気温度センサ422のセンサチップ4221を支持するセンサ支持筒462が、単一のスロットルボディ本体30に形成されたセンサ用孔としての吸気温度センサ用孔342に挿入されている。
【0119】
ここで、吸気温度センサ用孔342は、前方向F又は後方向Bに見て、単一のスロットルバルブ20の右方に形成されている。吸気温度センサ用孔342は、左右方向LRに延びて、単一のスロットルボディ本体30の内側に形成された単一の空気流路32に連通している。つまり、吸気温度センサ用孔342は、単一のスロットルボディ本体30の内周面と外周面のそれぞれに開口している。
【0120】
センサ支持筒462が吸気温度センサ用孔342に挿入された状態で、センサ支持筒462の先端部、つまり、センサ支持筒462のうち吸気温度センサ422のセンサチップ4221を支持する部分は、空気流路32に位置している。別の表現をすれば、センサ支持筒462の先端部は、単一のスロットルボディ本体30の内側に位置している。要するに、吸気温度センサ422のセンサチップ4221は、空気流路32に位置している。これにより、吸気温度センサ422は、単一のスロットルボディ本体30の内側に形成された単一の空気流路32を流れる空気の温度を検出することができる。つまり、吸気温度センサ用孔342は、吸気温度センサ422が単一の空気流路32を流れる空気の圧力を検出するために、単一のスロットルボディ本体30に形成されている。なお、本実施形態では、左方向L又は右方向Rに見て、吸気温度センサ用孔342は、吸気圧力センサ用孔341よりも大きい。
【0121】
ここで、
図2及び
図4を参照して、吸気圧力センサ用孔341は、左方向L又は右方向Rに見て、吸気状態検出センサ回路基板収容ケース46と、後述する電動式のバルブ駆動機構50が有するバルブ駆動機構収容ケース56とに重なる。つまり、吸気圧力センサ用孔341は、上方向U又は下方向Dに見て、吸気状態検出センサ回路基板収容ケース46及び後述する電動式のバルブ駆動機構50が有するバルブ駆動機構収容ケース56に対して左右方向LRで重なる位置に形成されている。
【0122】
また、吸気温度センサ用孔342は、左方向L又は右方向Rに見て、吸気状態検出センサ回路基板44と、後述する電動式のバルブ駆動機構50が有するバルブ駆動機構収容ケース56とに重なる。つまり、吸気圧力センサ用孔342は、上方向U又は下方向Dに見て、吸気状態検出センサ回路基板44及び後述する電動式のバルブ駆動機構50が有するバルブ駆動機構収容ケース56に対して左右方向LRで重なる位置に形成されている。
【0123】
要するに、吸気圧力センサ用孔341と吸気温度センサ用孔342は、それぞれ、左方向L又は右方向Rに見て、吸気状態検出センサ回路基板収容ケース46と、後述する電動式のバルブ駆動機構50が有するバルブ駆動機構収容ケース56とに重なる。別の表現をすれば、吸気圧力センサ用孔341と吸気温度センサ用孔342は、それぞれ、左方向L又は右方向Rに見て、吸気状態検出基板ユニット40と、電動式のバルブ駆動機構50とに重なる。
【0124】
なお、本実施の形態では、吸気状態検出センサ回路基板収容ケース46が、単一のスロットルバルブ20が固定されたバルブ回転支持軸24の中心軸線上に位置する突起463を有している。突起463には、単一のスロットルバルブ20の開度を検出するためのスロットル開度センサを構成するIC(図示せず)が配置されている。当該ICは、例えば、ホール素子である。当該ICは、スロットル開度センサを構成する磁石(図示せず)によって形成される磁場がバルブ回転支持軸24の回転(つまり、単一のスロットルバルブ20の回転)に伴って変化するのを検出する。当該磁石は、バルブ回転支持軸24とともに回転可能に配置されて、突起463の周囲に位置する。
【0125】
図2を参照しながら、吸気圧力センサ用孔341と吸気温度センサ用孔342との位置関係について説明する。吸気圧力センサ用孔341は、吸気温度センサ用孔342よりも下流に位置している。
【0126】
ここで、吸気圧力センサ用孔341は、単一のスロットルバルブ20の回転中心軸線20Cよりも下流に位置している。つまり、吸気圧力センサ421は、空気流路32を流れる空気であって、単一のスロットルバルブ20の回転中心軸線20Cよりも下流を流れる空気の圧力を検出する。
【0127】
また、吸気温度センサ用孔342は、単一のスロットルバルブ20の回転中心軸線20Cよりも上流に位置している。つまり、吸気温度センサ422は、空気流路32を流れる空気であって、単一のスロットルバルブ20の回転中心軸線20Cよりも上流を流れる空気の温度を検出する。
【0128】
ここで、左方向L又は右方向Rに見て、単一のスロットルバルブ20の回転中心軸線20Cを通過し、且つ、前後方向FBに延びる直線を、前後方向基準線32L1と定義する。また、左方向L又は右方向Rに見て、前後方向基準線32L1に直交する直線を、上下方向基準線32L2と定義する。
【0129】
左方向L又は右方向Rに見て、吸気圧力センサ用孔341と吸気温度センサ用孔342は、上下方向UDに離れている。左方向L又は右方向Rに見て、吸気圧力センサ用孔341は、吸気温度センサ用孔342よりも上方に位置している。左方向L又は右方向Rに見て、吸気圧力センサ用孔341は、前後方向基準線32L1よりも上方に位置している。左方向L又は右方向Rに見て、吸気温度センサ用孔342は、前後方向基準線32L1に重なる。なお、本実施の形態では、左方向L又は右方向Rに見て、吸気温度センサ用孔342の中心が前後方向基準線32L1上に位置している。
【0130】
左方向L又は右方向Rに見て、吸気圧力センサ用孔341の中心から上下方向基準線32L2までの最短距離、つまり、前後方向FBにおける吸気圧力センサ用孔341の中心から上下方向基準線32L2までの距離D1は、吸気温度センサ用孔342の中心から上下方向基準線32L2までの最短距離、つまり、前後方向FBにおける吸気温度センサ用孔342の中心から上下方向基準線32L2までの距離D2よりも短い。つまり、左方向L又は右方向Rに見て、吸気圧力センサ用孔341の中心は、前後方向FBにおいて、吸気温度センサ用孔342の中心よりも上下方向基準線32L2の近くに位置している。
【0131】
吸気圧力センサ用孔341及び吸気温度センサ用孔342は、それぞれ、左方向又は右方向に見て、単一のスロットルバルブ20が回転中心軸線20C回りに回転するときの単一のスロットルバルブ20が回転可能な範囲A1(
図3に示す単一の空気流路32においてハッチングを付した領域)に重なる。
【0132】
続いて、
図2及び
図5を参照しながら、電動式のバルブ駆動機構50について説明する。ここで、
図5は、
図2におけるV-V断面図である。なお、
図5では、電気モータ54の図示は省略している。
【0133】
電動式のバルブ駆動機構50は、電力の供給を受けることにより、単一のスロットルバルブ20を回転中心軸線20C回りに回転させる。電動式のバルブ駆動機構50は、減速機構52と、電気モータ54と、バルブ駆動機構収容ケース56とを含む。
【0134】
減速機構52は、電気モータ54の出力を単一のスロットルバルブ20に伝達する。減速機構52は、単一のスロットルバルブ20に対して機械的に接続されている。電気モータ54は、減速機構52に対して機械的に接続されている。電気モータ54は、電力の供給を受けることにより、減速機構52を介して、単一のスロットルバルブ20を回転中心軸線20C回りに回転させる。
【0135】
減速機構52は、複数の歯車からなる減速歯車列である。減速歯車列を構成する複数の歯車の各々の回転中心軸線は、互いに平行である。減速歯車列を構成する複数の歯車の各々の回転中心軸線は、左右方向LRに延びている。つまり、減速歯車列を構成する複数の歯車の各々の回転中心軸線は、単一のスロットルバルブ20の回転中心軸線20Cに平行である。
【0136】
減速機構52は、出力歯車521と、伝達歯車522と、出力歯車523とを含む。以下、これらについて説明する。
【0137】
出力歯車521は、電気モータ54の出力軸に固定されている。出力歯車521は、電気モータ54が電力の供給を受けることにより、電気モータ54の出力軸とともに回転する。出力歯車521の回転中心軸線は、単一のスロットルバルブ20の回転中心軸線20Cに平行である。
【0138】
伝達歯車522は、大歯車5221と、小歯車5222とを含む。大歯車5221と小歯車5222は、同軸上に配置されている。伝達歯車522は、バルブ駆動機構収容ケース56によって支持された軸53に対して回転可能に配置されている。伝達歯車522の回転中心軸線は、単一のスロットルバルブ20の回転中心軸線20Cに平行である。伝達歯車522が有する大歯車5221は、出力歯車521に噛み合っている。これにより、出力歯車521の回転が伝達歯車522に伝達される。
【0139】
出力歯車523は、単一のスロットルバルブ20に固定されている。具体的には、出力歯車523は、バルブ回転支持軸24を介して、単一のスロットルバルブ20に固定されている。出力歯車523は、単一のスロットルバルブ20が固定されたバルブ回転支持軸24の左端部に固定されている。つまり、出力歯車523の回転中心軸線は、単一のスロットルバルブ20の回転中心軸線20Cと一致している。出力歯車523は、伝達歯車522が有する小歯車5222に噛み合っている。これにより、伝達歯車522の回転が出力歯車523に伝達される。その結果、出力歯車523が固定された単一のスロットルバルブ20が回転中心軸線20C回りに回転する。
【0140】
ここで、出力歯車523には、単一のスロットルバルブ20が全閉位置P1と全開位置P2との間を移動するのに必要な範囲で、伝達歯車522の小歯車5222が有する歯に噛み合う歯が形成されている。つまり、出力歯車523の歯は、全周に亘って形成されていない。
【0141】
左方向L又は右方向Rに見て、出力歯車523は、吸気温度センサ用孔342の全体に重なる。左方向L又は右方向Rに見て、出力歯車523は、吸気圧力センサ用孔341の一部に重なる。
【0142】
本実施の形態では、左方向L又は右方向Rに見て、出力歯車521の回転中心軸線(電気モータ54の出力軸の回転中心軸線)と、伝達歯車522の回転中心軸線と、出力歯車523の回転中心軸線(単一のスロットルバルブ20の回転中心軸線20C)とが、上下方向UDに並んでいる。より具体的には、左方向L又は右方向Rに見て、出力歯車521の回転中心軸線(電気モータ54の出力軸の回転中心軸線)と、伝達歯車522の回転中心軸線と、出力歯車523の回転中心軸線(単一のスロットルバルブ20の回転中心軸線20C)とが、上下方向UDに延びる直線(上記の上下方向基準線32L2)上に位置している。
【0143】
バルブ駆動機構収容ケース56は、減速機構52及び単一の電気モータ54を収容する。バルブ駆動機構収容ケース56は、左方向L又は右方向Rに見たときに、吸気状態検出センサ回路基板収容ケース46に重なる。ここで、バルブ駆動機構収容ケース56は、左方向L又は右方向Rに見たときに、吸気状態検出センサ回路基板収容ケース46よりも大きい。別の表現をすれば、吸気状態検出センサ回路基板収容ケース46は、左方向L又は右方向Rに見たときに、バルブ駆動機構収容ケース56よりも小さい。そのため、左方向L又は右方向Rに見たときに、吸気状態検出センサ回路基板収容ケース46の全体がバルブ駆動機構収容ケース56に重なっている。
【0144】
バルブ駆動機構収容ケース56は、収容ケース本体561と、収容ケースカバー562とを含む。以下、これらについて説明する。
【0145】
収容ケース本体561は、単一のスロットルボディ本体30に対して一体的に形成されている。この状態で、収容ケース本体561は、左方向Lに向かって開口している。
【0146】
収容ケースカバー562は、収容ケース本体561に取り付けられる。この状態で、収容ケースカバー562は、収容ケース本体561の開口を覆っている。これにより、収容ケース本体561と収容ケースカバー562との間には、減速機構52と電気モータ54とを収容する収容空間が形成されている。つまり、バルブ駆動機構収容ケース56は、減速機構52と、電気モータ54とを収容する。
【0147】
このようにして、減速機構52と電気モータ54がバルブ駆動機構収容ケース56に収容された状態で、減速機構52は、左右方向LRにおいて単一のスロットルバルブ20の右方に配置されている。また、電気モータ54は、上下方向UDにおいて、単一のスロットルボディ本体30の内側に形成される単一の空気流路32よりも下方に位置している。
【0148】
なお、本実施の形態では、収容ケースカバー562が、出力歯車523の回転中心軸線上に位置する突起5621を有している。突起5621には、単一のスロットルバルブ20の開度を検出するためのスロットル開度センサ57を構成するIC571が配置されている。IC571は、例えば、ホール素子である。IC571は、スロットル開度センサ57を構成する磁石572によって形成される磁場が出力歯車523の回転(つまり、単一のスロットルバルブ20の回転)に伴って変化するのを検出する。磁石572は、出力歯車523とともに回転可能に配置されて、突起5621の周囲に位置する。
【0149】
なお、本実施の形態では、単一のスロットルバルブ20の左方に配置されたスロットル開度センサ57だけが図示されているが、上述の説明から明らかなように、単一のスロットルバルブ20の左方及び右方にスロットル開度センサが分散して配置されている。
【0150】
上記のように、単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリ10においては、減速機構52が左右方向LRにおいて単一のスロットルバルブ20の左方に配置され、吸気状態検出センサ回路基板44が左右方向LRにおいて単一のスロットルバルブ20の右方に配置されている。つまり、単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリ10においては、複数の電気部品である吸気状態検出基板ユニット40と電動式のバルブ駆動機構50を、単一のスロットルバルブ20の左方又は右方に集約するのではなく、単一のスロットルバルブ20の左方及び右方に分散させている。これにより、単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリ10のサイズ(特に、左右方向LR及び前後方向FBの少なくとも一方のサイズ)をコンパクトにすることができる。具体的には、以下のとおりである。
【0151】
先ず、上記の効果を理解しやすくするために、複数の電気部品である電動式のバルブ駆動機構50と吸気状態検出基板ユニット40を単一のスロットルバルブ20の左方又は右方に集約する場合について、
図6及び
図7を参照しながら説明する。
図6は、電動式のバルブ駆動機構50と吸気状態検出基板ユニット40とを単一のスロットルバルブ20の右方に集約して配置する場合であって、電動式のバルブ駆動機構50を吸気状態検出基板ユニット40よりも単一のスロットルバルブ20の近くに配置する場合を示す模式図である。
図7は、電動式のバルブ駆動機構50と吸気状態検出基板ユニット40とを単一のスロットルバルブ20の右方に集約して配置する場合であって、吸気状態検出基板ユニット40を電動式のバルブ駆動機構50よりも単一のスロットルバルブ20の近くに配置する場合を示す模式図である。
【0152】
図6に示す態様では、電動式のバルブ駆動機構50が吸気状態検出基板ユニット40よりも単一のスロットルバルブ20の近くに配置されるので、電動式のバルブ駆動機構50が備える減速機構52を避けてセンサ用孔(吸気圧力センサ用孔341及び吸気温度センサ用孔342)を形成する必要がある。そのため、単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリは、単一のスロットルボディ本体30が形成する単一の空気流路32が延びる方向(前後方向FB)の長さが大きくなる。
【0153】
また、減速機構52は、電気モータ54の駆動力が伝達されることで駆動される部材、つまり、可動部材である。これに対して、吸気状態検出基板ユニット40が備える吸気状態検出センサ(吸気圧力センサ421及び吸気温度センサ422)及び吸気状態検出センサ回路基板44は、駆動力が伝達されないので、動かない部材、つまり、非可動部材である。このような可動部材と非可動部材は、干渉を避けるために、離れた位置に配置する必要がある。
【0154】
図6及び
図7に示す態様では、それぞれ、電動式のバルブ駆動機構50と吸気状態検出基板ユニット40とが単一のスロットルバルブ20の右方に集約して配置されているので、電動式のバルブ駆動機構50が備える減速機構52と吸気状態検出基板ユニット40が備える吸気状態検出センサ(吸気圧力センサ421及び吸気温度センサ422)及び吸気状態検出センサ回路基板44との干渉を回避するために、電動式のバルブ駆動機構50と吸気状態検出基板ユニット40を左右方向LRに離す必要がある。そのため、単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリの左右方向LRの長さが大きくなる。
【0155】
また、
図7に示す態様では、吸気状態検出基板ユニット40が電動式のバルブ駆動機構50よりも単一のスロットルバルブ20の近くに配置されるので、単一のスロットルバルブ20を回転可能に支持するバルブ回転支持軸24が、吸気状態検出基板ユニット40の吸気状態検出センサ回路基板44を貫通して配置される。つまり、吸気状態検出センサ回路基板44には、バルブ回転支持軸24が挿入されるための貫通孔が形成される。貫通孔が形成されることで、吸気状態検出センサ回路基板44の面積が減少する。吸気状態検出センサ回路基板44の面積を確保するために、例えば、吸気状態検出センサ回路基板44が前後方向FBに長くなる。この場合、単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリ10の前後方向FBの長さが大きくなる。
【0156】
したがって、複数の電気部品である電動式のバルブ駆動機構50と吸気状態検出基板ユニット40を集約すると、単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリのサイズが大きくなってしまい、単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリのサイズをコンパクトにすることが難しい。
【0157】
そこで、単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリ10の特徴である「単一のスロットルバルブ20のサイズが小さい」ということを利用して、複数の電気部品である吸気状態検出基板ユニット40と電動式のバルブ駆動機構50を、
図8に示すように、単一のスロットルバルブ20の左方又は右方に集約するのではなく、単一のスロットルバルブ20の左方及び右方に分散させるようにした。これにより、単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリ10のサイズ(特に、左右方向LR及び前後方向FBの少なくとも一方のサイズ)をコンパクトにすることができる。具体的には、以下のとおりである。
【0158】
複数の電気部品である吸気状態検出基板ユニット40と電動式のバルブ駆動機構50を、単一のスロットルバルブ20の左方又は右方に集約するのではなく、単一のスロットルバルブ20の左方及び右方に分散させることにより、吸気状態検出基板ユニット40と電動式のバルブ駆動機構50の左右方向LRの設計自由度が向上する。例えば、前方向F又は後方向Bに見て、吸気状態検出基板ユニット40の表面のうち単一のスロットルバルブ20に近い側面の設計自由度が向上する。その結果、吸気状態検出基板ユニット40を単一のスロットルバルブ20に対して左右方向LRに近づけて配置することができる。つまり、単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリ10の左右方向LRのサイズをコンパクトにすることができる。
【0159】
また、複数の電気部品である吸気状態検出基板ユニット40と電動式のバルブ駆動機構50を、単一のスロットルバルブ20の左方又は右方に集約するのではなく、単一のスロットルバルブ20の左方及び右方に分散させることにより、電動式のバルブ駆動機構50が備える減速機構52を回避するようにしてセンサ用孔(吸気圧力センサ用孔341及び吸気温度センサ用孔342)を形成する必要がなくなる。そのため、センサ用孔(吸気圧力センサ用孔341及び吸気温度センサ用孔342)の位置を自由に設定することができる。つまり、センサ用孔(吸気圧力センサ用孔341及び吸気温度センサ用孔342)についての設計自由度が向上する。
【0160】
ここで、本実施の形態では、左方向L又は右方向Rに見たときに、吸気圧力センサ用孔341が吸気状態検出センサ回路基板収容ケース46及びバルブ駆動機構収容ケース56の各々に重なり、かつ、吸気温度センサ用孔342が、吸気状態検出センサ回路基板44及びバルブ駆動機構収容ケース56の各々に重なる。その結果、単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリ10の前後方向FBのサイズをコンパクトにすることができる。
【0161】
加えて、複数の電気部品である吸気状態検出基板ユニット40と電動式のバルブ駆動機構50を、単一のスロットルバルブ20の左方又は右方に集約するのではなく、単一のスロットルバルブ20の左方及び右方に分散させることにより、電動式のバルブ駆動機構50が備える可動部材である減速機構52と吸気状態検出基板ユニット40が備える非可動部材である吸気状態検出センサ回路基板44及び吸気状態検出センサ(吸気圧力センサ421及び吸気温度センサ422)との干渉を回避するためのクリアランス(左右方向LRのクリアランス)を形成する必要がなくなる。その結果、単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリ10の左右方向LRのサイズをコンパクトにすることができる。
【0162】
本実施の形態では、単一の空気流路32の流路断面が円形である。そのため、単一の空気流路32の流路断面が横長(つまり、左右方向LRが上下方向UDよりも長い)の楕円形状である場合と比べて、単一の空気流路32に配置される単一のスロットルバルブ20の左右方向LRのサイズを小さくすることができる。その結果、単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリ10の左右方向LRのサイズを小さくすることができる。
【0163】
本実施の形態では、左方向L又は右方向Rに見て、吸気圧力センサ用孔341は、吸気状態検出センサ回路基板収容ケース46に重なっている。そのため、吸気圧力センサ用孔341を単一のスロットルバルブ20の回転中心軸線20Cに対して前後方向FBに近づけることができる。そのため、単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリ10の前後方向FBのサイズを小さくすることができる。
【0164】
本実施の形態において、吸気状態検出センサ回路基板収容ケース46は、左方向L又は右方向Rに見て、バルブ駆動機構収容ケース56よりも小さい。そのため、例えば、単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリ10が鞍乗型車両に搭載された状態で、吸気状態検出センサ回路基板収容ケース46が他の部材と干渉するのを抑制することができる。
【0165】
本実施の形態において、吸気圧力センサ用孔341及び吸気温度センサ用孔342は、それぞれ、左方向又は右方向に見て、単一のスロットルバルブ20が回転中心軸線20C回りに回転するときの単一のスロットルバルブ20が回転可能な範囲A1に重なる。そのため、吸気圧力センサ用孔341及び吸気温度センサ用孔342を単一のスロットルバルブ20の回転中心軸線20Cに対して前後方向FBに近づけることができる。そのため、単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリ10の前後方向FBのサイズを小さくすることができる。
【0166】
(その他の実施形態)
本明細書において記載と図示の少なくとも一方がなされた実施形態及び変形例は、本開示の理解を容易にするためのものであって、本開示の思想を限定するものではない。上記の実施形態及び変形例は、その趣旨を逸脱することなく変更・改良され得る。
【0167】
当該趣旨は、本明細書に開示された実施形態に基づいて当業者によって認識されうる、均等な要素、修正、削除、組み合わせ(例えば、実施形態及び変形例に跨る特徴の組み合わせ)、改良、変更を包含する。特許請求の範囲における限定事項は当該特許請求の範囲で用いられた用語に基づいて広く解釈されるべきであり、本明細書あるいは本願のプロセキューション中に記載された実施形態及び変形例に限定されるべきではない。そのような実施形態及び変形例は非排他的であると解釈されるべきである。例えば、本明細書において、「好ましくは」、「よい」という用語は非排他的なものであって、「好ましいがこれに限定されるものではない」、「よいがこれに限定されるものではない」ということを意味する。
【0168】
上記実施の形態では、左方向L又は右方向Rに見て、吸気温度センサ用孔342が吸気状態検出センサ回路基板44及びバルブ駆動機構収容ケース56の各々に重なっているが、吸気圧力センサ用孔341が吸気状態検出センサ回路基板44及びバルブ駆動機構収容ケース56の各々に重なっていてもよい。或いは、左方向L又は右方向Rに見て、吸気圧力センサ用孔341及び吸気温度センサ用孔342のそれぞれが吸気状態検出センサ回路基板44及びバルブ駆動機構収容ケース56の各々に重なっていてもよい。
【0169】
上記実施の形態では、減速機構52は左右方向LRにおいて単一のスロットルバルブ20の左方に配置され、吸気状態検出センサ回路基板44は左右方向LRにおいて単一のスロットルバルブ20の右方に配置されているが、減速機構52は左右方向LRにおいて単一のスロットルバルブ20の右方に配置され、吸気状態検出センサ回路基板44は左右方向LRにおいて単一のスロットルバルブ20の左方に配置されていてもよい。この場合、吸気圧力センサ用孔341と吸気温度センサ用孔342は、それぞれ、左右方向LRにおいて単一のスロットルバルブ20の左方に位置する。また、左方向L又は右方向Rに見て、吸気温度センサ用孔342は、吸気状態検出センサ回路基板44及びバルブ駆動機構収容ケース56の各々に重なる。なお、左方向L又は右方向Rに見て、吸気圧力センサ用孔341が吸気状態検出センサ回路基板44及びバルブ駆動機構収容ケース56の各々に重なっていてもよい。或いは、左方向L又は右方向Rに見て、吸気圧力センサ用孔341及び吸気温度センサ用孔342のそれぞれが吸気状態検出センサ回路基板44及びバルブ駆動機構収容ケース56の各々に重なっていてもよい。
【0170】
吸気圧力センサ421と吸気温度センサ422の位置関係は、上記実施の形態に記載の位置関係に限定されない。例えば、左方向L又は右方向Rに見て、吸気圧力センサ421が前後方向基準線32L1上に位置しており、吸気温度センサ422が前後方向基準線32L1上に位置していなくてもよい。例えば、左方向L又は右方向Rに見て、吸気圧力センサ421と吸気温度センサ422の各々が前後方向基準線32L1上に位置していてもよい。例えば、左方向L又は右方向Rに見て、吸気圧力センサ421と吸気温度センサ422の各々が前後方向基準線32L1上に位置していなくてもよい。この場合、左方向L又は右方向Rに見て、吸気圧力センサ421と吸気温度センサ422の各々が、前後方向基準線32L1よりも上方に位置していてもよいし、前後方向基準線32L1よりも下方に位置していてもよい。或いは、左方向L又は右方向Rに見て、吸気圧力センサ421と吸気温度センサ422の一方が前後方向基準線32L1よりも上方に位置し、吸気圧力センサ421と吸気温度センサ422の他方が前後方向基準線32L1よりも下方に位置していてもよい。例えば、吸気圧力センサ421は、上下方向基準線32L2よりも上流に位置していてもよい。例えば、吸気温度センサ422は、上下方向基準線32L2よりも下流に位置していてもよい。例えば、吸気圧力センサ421及び吸気温度センサ422の各々が上下方向基準線32L2よりも上流に位置していてもよい。例えば、吸気圧力センサ421及び吸気温度センサ422の各々が上下方向基準線32L2よりも下流に位置していてもよい。
【0171】
上記実施の形態では、2つの吸気状態検出センサ(吸気圧力センサ421と吸気温度センサ422)を備える場合について説明したが、本発明は、1つの吸気状態検出センサを備える場合や、3つ以上の吸気状態検出センサを備える場合であっても、勿論、適用可能である。吸気状態検出センサを1つだけ備える場合、当該吸気状態検出センサは、吸気圧力センサ421であってもよいし、吸気温度センサ422であってもよい。
【0172】
センサ用孔は、左方向L又は右方向Rに見て、単一のスロットルバルブ20の回転可能な範囲A1に重なっていなくてもよい。例えば、
図9に示すように、吸気圧力センサ用孔341と吸気温度センサ用孔342は、上下方向基準線32L2よりも下流に形成され、左方向L又は右方向Rに見たときに、単一のスロットルバルブ20の回転可能な範囲A1に重なっていなくてもよい。
【0173】
上記実施の形態では、前方向F又は後方向Bに見たときに、電気モータ54が単一のスロットルボディ本体30の内側に形成される単一の空気流路32よりも下方に位置しているが、電気モータ54は、前方向F又は後方向Bに見たときに、単一のスロットルボディ本体30の内側に形成される単一の空気流路32の上方に位置していてもよい。
【0174】
上記実施の形態では、左方向L又は右方向Rに見たときに、吸気圧力センサ用孔341と吸気温度センサ用孔342の各々が吸気状態検出センサ回路基板収容ケース46に重なっているが、例えば、吸気圧力センサ用孔341と吸気温度センサ用孔342の少なくとも一方が、吸気状態検出センサ回路基板収容ケース46に重なっていなくてもよい。
【0175】
上記実施の形態では、左方向L又は右方向Rに見たときに、吸気状態検出センサ回路基板収容ケース46の全体がバルブ駆動機構収容ケース56に重なっているが、吸気状態検出センサ回路基板収容ケース46の一部がバルブ駆動機構収容ケース56からはみ出していてもよい。
【0176】
上記実施の形態では、左方向L又は右方向Rに見たときに、吸気圧力センサ421と吸気温度センサ422の各々が少なくとも一部において単一のスロットルバルブ20が回転可能な範囲A1に重なっているが、例えば、吸気圧力センサ421と吸気温度センサ422の各々が範囲A1に重なっていなくてもよい。或いは、吸気圧力センサ421と吸気温度センサ422の何れかだけが範囲A1に重なっていてもよい。
【0177】
上記実施の形態では、単一のスロットルバルブ20の左方及び右方にスロットル開度センサが分散して配置されているが、単一のスロットルバルブ20の左方及び右方の何れかにスロットル開度センサを纏めて配置してもよい。この場合、スロットル開度センサを構成するICが2つ纏めて配置される。2つのICの周囲に共通の磁石が配置される。2つのICの出力を比較すれば、2つのICの何れかが故障したことを検出できる。
【符号の説明】
【0178】
10 単一の燃焼室用スロットルボディアセンブリ
20 単一のスロットルバルブ
20C 回転中心軸線
30 単一のスロットルボディ本体
32 空気流路
341 吸気圧力センサ用孔
342 吸気温度センサ用孔
40 吸気状態検出基板ユニット
421 吸気圧力センサ
422 吸気温度センサ
44 吸気状態検出センサ回路基板
46 吸気状態検出センサ基板収容ケース
50 電動式のバブル駆動機構
52 減速機構
54 電気モータ
56 バルブ駆動機構収容ケース