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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022176020
(43)【公開日】2022-11-25
(54)【発明の名称】映像処理装置、および映像処理方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/93 20060101AFI20221117BHJP
   H04N 5/92 20060101ALI20221117BHJP
【FI】
H04N5/93
H04N5/92 010
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021124619
(22)【出願日】2021-07-29
(31)【優先権主張番号】P 2021081766
(32)【優先日】2021-05-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鵜▲崎▼ 次郎
【テーマコード(参考)】
5C053
【Fターム(参考)】
5C053GB06
5C053HA21
5C053JA21
5C053LA06
5C053LA11
(57)【要約】
【課題】対象のプレーの起点となったプレーから対象のプレーまでの映像を容易に再生すること。
【解決手段】映像処理装置は、撮影した映像データにおける被写体のアクションと、アクションの情報とを示すタグ情報を取得するタグ情報取得部と、アクションのうち再生対象となる対象アクションと、対象アクションの起点となる起点アクションとを対応付けたタグテーブルを取得するタグテーブル取得部と、複数のタグ情報を取得した場合に、複数のタグ情報のうち、対象アクションの情報を示す対象タグ情報と、対象タグ情報が示す対象アクションのシーンから所定時間内に含まれるタグ情報であって対象アクションに対応付けられた起点アクションの情報を示す少なくとも1つの起点タグ情報とをタグテーブルに基づいてグループ化するタグ情報解析部と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影した映像データにおける被写体のアクションと、前記アクションの情報とを示すタグ情報を取得するタグ情報取得部と、
前記アクションのうち再生対象となる対象アクションと、前記対象アクションの起点となる起点アクションとを対応付けたタグテーブルを取得するタグテーブル取得部と、
複数の前記タグ情報を取得した場合に、複数の前記タグ情報のうち、前記対象アクションの情報を示す対象タグ情報と、前記対象タグ情報が示す対象アクションのシーンから所定時間内に含まれるタグ情報であって前記対象アクションに対応付けられた前記起点アクションの情報を示す少なくとも1つの起点タグ情報とを前記タグテーブルに基づいてグループ化するタグ情報解析部と、
を備える、映像処理装置。
【請求項2】
前記タグ情報解析部は、前記タグテーブルにおいて前記対象アクションに対応付けられた前記起点アクションが複数含まれている場合には、複数の前記起点アクションにそれぞれ定められた優先度に基づいて、前記対象タグ情報と前記起点タグ情報とをグループ化する、
請求項1に記載の映像処理装置。
【請求項3】
前記タグ情報解析部は、前記対象アクションに対して予め定められたタグ情報の数に基づいて、前記対象タグ情報と前記起点タグ情報とをグループ化する、
請求項1または2に記載の映像処理装置。
【請求項4】
ユーザから前記対象アクションの再生開始を受け付けた場合に、グループ化された前記対象タグ情報及び前記起点タグ情報のうち時間的に最初のタグ情報に基づいて、前記映像データの再生を開始する再生制御部と、
を備える請求項1から3のいずれか1項に記載の映像処理装置。
【請求項5】
前記再生制御部は、グループ化された前記タグ情報が付与された前記映像データを再生する際に、前記映像データの再生位置がグループ化された前記タグ情報のうちの前記起点タグ情報の時刻に到達した場合に、グループ化された前記タグ情報を前記映像データに重畳して表示させる、
請求項4に記載の映像処理装置。
【請求項6】
前記再生制御部は、グループ化された前記タグ情報を時系列の順に前記映像データに重畳して表示させる、
請求項5に記載の映像処理装置。
【請求項7】
前記再生制御部は、現時点において再生中のアクションに対応する前記タグ情報を強調して表示させる、
請求項5または6に記載の映像処理装置。
【請求項8】
前記対象タグ情報は、前記対象アクションの結果に関する結果情報を含み、
前記再生制御部は、前記タグ情報に加えて前記結果情報を表示させる、
請求項5から7のいずれか1項に記載の映像処理装置。
【請求項9】
通信部をさらに備え、
前記タグ情報取得部は、前記通信部が受信した前記タグ情報を取得する、
請求項1から8のいずれか1項に記載の映像処理装置。
【請求項10】
撮影した映像データにおける被写体のアクションと、前記アクションの情報とを示すタグ情報を取得するステップと、
前記アクションのうち再生対象となる対象アクションと、前記対象アクションの起点となる起点アクションとを対応付けたタグテーブルを取得するステップと、
複数の前記タグ情報を取得した場合に、複数の前記タグ情報のうち、前記対象アクションを示す対象タグ情報と、前記対象タグ情報が示す対象アクションのシーンから所定時間内に含まれるタグ情報であって前記対象アクションに対応付けられた前記起点アクションの情報を示す少なくとも1つの起点タグ情報とを前記タグテーブルに基づいてグループ化するステップと、
を含む、映像処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像処理装置、および映像処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
スポーツの試合を撮影した試合映像を分析する技術が知られている。例えば、特許文献1には、プレー映像から得点ごとのラリー区間の映像を容易に取得することのできる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-188979号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、タグ付けされた試合映像のタグのスキップ再生において、例えば、サッカーの試合を撮影した試合映像でゴールシーンのスキップ再生はできるが、ゴールに至った起点となるプレーから再生することは試合映像を確認しながら起点となるプレーを探さなくてはならず困難である。試合映像をコーチングなどに使用する場合には、ゴールに至った起点となるプレーからゴールまでのプレーの映像を再生することが求められる。
【0005】
本発明は、対象のプレーを指定した場合に、対象のプレーの起点となったプレーから対象のプレーまでの映像を容易に再生することのできる映像処理装置、および映像処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る映像処理装置は、撮影した映像データにおける被写体のアクションと、前記アクションの情報とを示すタグ情報を取得するタグ情報取得部と、前記アクションのうち再生対象となる対象アクションと、前記対象アクションの起点となる起点アクションとを対応付けたタグテーブルを取得するタグテーブル取得部と、複数の前記タグ情報を取得した場合に、複数の前記タグ情報のうち、前記対象アクションの情報を示す対象タグ情報と、前記対象タグ情報が示す対象アクションのシーンから所定時間内に含まれるタグ情報であって前記対象アクションに対応付けられた前記起点アクションの情報を示す少なくとも1つの起点タグ情報とを前記タグテーブルに基づいてグループ化するタグ情報解析部と、を備える。
【0007】
本発明に係る映像処理方法は、撮影した映像データにおける被写体のアクションと、前記アクションの情報とを示すタグ情報を取得するステップと、前記アクションのうち再生対象となる対象アクションと、前記対象アクションの起点となる起点アクションとを対応付けたタグテーブルを取得するステップと、複数の前記タグ情報を取得した場合に、複数の前記タグ情報のうち、前記対象アクションを示す対象タグ情報と、前記対象タグ情報が示す対象アクションのシーンから所定時間内に含まれるタグ情報であって前記対象アクションに対応付けられた前記起点アクションの情報を示す少なくとも1つの起点タグ情報とを前記タグテーブルに基づいてグループ化するステップと、を含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、対象のプレーを指定した場合に、対象のプレーの起点となったプレーから対象のプレーまでの映像を容易に再生することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、第1実施形態に係る映像処理装置の構成例を示す図である。
図2図2は、第1実施形態に係る映像データにタグ情報を付与する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図3図3は、第1実施形態に係るグループ化処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図4図4は、第1実施形態に係るグループ化処理を説明するための図である。
図5図5は、第2実施形態に係る映像データにタグ情報を付与する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図6図6は、第2実施形態に係る優先度を説明するための表である。
図7図7は、第3実施形態に係る映像データにタグ情報を付与する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図8図8は、第3実施形態に係るタグ数を説明するための表である。
図9図9は、第4実施形態に係る映像処理装置の構成例を示す図である。
図10図10は、第4実施形態に係る映像データにタグ情報を付与する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図11図11は、第5実施形態に係るタグ情報の表示処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図12図12は、第5実施形態に係るタグ情報を時系列で表示させる方法を説明するための図である。
図13図13は、第5実施形態の変形例に係るタグ情報を時系列で表示させる方法を説明するための図である。
図14図14は、第6実施形態に係るタグ情報の表示処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図15図15は、第6実施形態に係る結果情報を表示させる方法を説明するための図である。
図16図16は、第6実施形態に係る選手情報を含む結果情報を表示させる方法を説明するための図である。
図17図17は、第6実施形態に係る結果情報を表示させるその他の方法を説明するための図である。
図18図18は、第7実施形態に係るタグ情報の表示処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図19図19は、第7実施形態に係る現在のアクションのタグ情報を強調表示させる方法を説明するための図である。
図20図20は、第7実施形態の変形例に係るタグ情報を表示させる方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではなく、また、以下の実施形態において、同一の部位には同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
【0011】
[第1実施形態]
図1を用いて、第1実施形態に係る映像処理装置の構成例について説明する。図1は、第1実施形態に係る映像処理装置の構成例を示す図である。
【0012】
図1に示すように、映像処理装置10は、入力部12と、表示部14と、音声出力部16と、記憶部18と、通信部20と、制御部22と、を備える。映像処理装置10は、スポーツなどの試合を撮影した映像データに対して、タグ情報を付与する処理を行う。
【0013】
入力部12は、映像処理装置10に対する各種の入力操作を受け付ける入力装置である。入力部12は、例えば、マウス、キーボード、ボタン、タッチパネルなどを含む。
【0014】
表示部14は、各種映像を表示する。本実施形態では、表示部14は、例えば、スポーツの試合映像を表示する。表示部14は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)または有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどを含むディスプレイを含む。表示部14は、例えば、LED(Light Emitting Diode)などの発光部を含んでもよい。なお、タッチパネル等を用いて、入力部12と、表示部14とを一体に構成してもよい。
【0015】
音声出力部16は、各種音声を出力する。本実施形態では、音声出力部16は、例えば、スポーツの試合映像の音声を出力する。音声出力部16は、例えば、スピーカを含む。
【0016】
記憶部18は、各種の情報を記憶するメモリである。記憶部18は、例えば、制御部22の演算内容、およびプログラムなどの情報を記憶する。記憶部18は、例えば、RAM(Random Access Memory)と、ROM(Read Only Memory)のような主記憶装置、HDD(Hard Disk Drive)などの外部記憶装置とのうち、少なくとも1つ含む。
【0017】
記憶部18は、映像データ記憶部18aと、タグテーブル記憶部18bとを有する。
【0018】
映像データ記憶部18aは、スポーツの試合の映像データを記憶する。映像データ記憶部18aは、例えば、タグ情報が付与されたスポーツの試合の映像データを記憶する。タグ情報は、例えば、「ゴール」、「パス」、「ファウル」などの試合における具体的なプレー(アクション)を示す情報と、映像データにおいてアクションが発生した場面(シーン)を示す情報と含む。本実施形態において、スポーツは、サッカー、野球、バレーボール、バスケットボールなどの球技が例示されるが、これらに限定されない。スポーツには、陸上競技や格闘技などの個人競技が含まれてよい。以降、映像データにおいてアクションが発生した場面を単に「シーン」と表記する。「シーン」は映像データにおける時刻で表してもよい。
【0019】
タグテーブル記憶部18bは、スポーツの試合に関するタグテーブルを記憶する。タグテーブルは、アクションのうち再生対象となる対象アクションを示す対象タグ情報と、対象アクションの起点となる起点アクションを示す起点タグ情報とを関連付ける際に用いる情報であって、対象アクションと少なくとも1つの起点アクションとが対応付けられた情報である。起点アクションは、対象アクションに応じて予め定められている。例えば、スポーツがサッカーであり、対象アクションが「ゴール」である場合には、起点アクションは「パス」や「インターセプト」といったアクションである。
【0020】
通信部20は、映像処理装置10と、外部装置との間で通信を実行する通信装置である。通信部20は、例えば、映像処理装置10と、試合の映像に関する映像データ、タグテーブルなどを記憶している外部のサーバ装置との間で通信を実行する。
【0021】
制御部22は、映像処理装置10の各部の動作を制御する。制御部22は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、記憶部18などに記憶されたプログラムがRAM等を作業領域として実行されることにより実現される。制御部22は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。制御部22は、ハードウェアと、ソフトウェアとの組み合わせで実現されてもよい。
【0022】
制御部22は、映像データ取得部30と、タグ情報取得部32と、タグテーブル取得部34と、タグ情報解析部36と、再生制御部38と、タグ情報付与部40と、を備える。
【0023】
映像データ取得部30は、試合を撮像した映像データを取得する。映像データ取得部30は、例えば、映像データ記憶部18aから映像データを取得する。映像データ取得部30は、例えば、通信部20を介して、外部のサーバ装置などから映像データを取得する。
【0024】
タグ情報取得部32は、映像データにおける被写体のアクションと、アクションが発生した場面(アクションの情報)とを示すタグ情報を取得する。タグ情報取得部32は、例えば、映像データに対してユーザが入力部12に入力したタグ情報を取得する。
【0025】
タグテーブル取得部34は、アクションのうち再生対象となる対象アクションを示す対象タグ情報と、対象アクションの起点となる起点アクションを示す起点タグ情報とを関連付けるためのタグテーブルを取得する。タグテーブル取得部34は、例えば、タグテーブル記憶部18bからタグテーブルを取得する。タグテーブル取得部34は、例えば、通信部20を介して、外部のサーバ装置などからタグテーブルを取得する。
【0026】
タグ情報解析部36は、複数のタグ情報をグループ化する。タグ情報解析部36は、タグテーブルに基づいて対象タグ情報と起点タグ情報とを関連付けることによって、複数のタグ情報をグループ化する。タグ情報解析部36は、例えば、複数のタグ情報を取得した場合に、複数のタグ情報のうち、対象タグ情報と、対象タグ情報のシーンから所定時間内に含まれ、対象タグ情報に関連付けられた少なくとも1つの起点タグ情報とをタグテーブルに基づいてグループ化する。
【0027】
再生制御部38は、映像データを再生する。再生制御部38は、例えば、タグ情報が付与された映像データを再生する。再生制御部38は、ユーザから対象アクションの再生開始を受け付けた場合に、グループ化された対象タグ情報及び起点タグ情報のうち時間的に最初のタグ情報に基づいて、映像データの再生を開始する。
【0028】
タグ情報付与部40は、映像データにタグ情報を付与する。タグ情報付与部40は、例えば、ユーザが映像データを視聴しながら、予め定められているアクションに応じたタグ情報を入力部12に入力することで、タグ情報を入力する。タグ情報付与部40は、例えば、ユーザが視聴している映像データのシーンに付与するタグ情報として「シュート」を選択した場合、ユーザが視聴している映像データのシーンに「シュート」のタグ情報を付与する。タグ情報付与部40は、例えば、映像データにおけるアクションのシーンとタグ情報とが関連付けられた学習済みモデルを用いて、映像データの各シーンにタグ情報を自動で付与するようにしてもよい。タグ情報付与部40は、例えば、試合を撮影するカメラなどから取得したリアルタイムの映像データに対して、予め定められているアクションに応じたタグ情報を入力部12に入力することで、タグ情報を入力してもよい。タグ情報付与部40は、その他の任意の情報を用いて、映像データの各シーンにタグ情報を付与してよい。
【0029】
[タグ情報付与]
図2を用いて、第1実施形態に係る映像データにタグ情報を付与する処理の流れについて説明する。図2は、第1実施形態に係る映像データにタグ情報を付与する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0030】
制御部22は、映像データを取得する(ステップS10)。具体的には、映像データ取得部30は、タグ情報が付与されていない映像データを映像データ記憶部18a、または通信部20を介して外部のサーバ装置などから取得する。映像データ取得部30は、例えば、試合を撮影するカメラなどから取得したリアルタイムの映像データを取得してもよい。そして、ステップS12に進む。
【0031】
制御部22は、映像データにタグ情報を付与する(ステップS12)。具体的には、タグ情報付与部40は、ユーザが入力部12に入力した情報に従って、映像データに含まれる各シーンに対して、アクションに応じたタグ情報を付与する。そして、ステップS14に進む。
【0032】
制御部22は、タグ情報が付与された映像データを記憶する(ステップS14)。具体的には、タグ情報付与部40は、タグ情報が付与された映像データを映像データ記憶部18aに記憶させる。そして、図2の処理を終了する。
【0033】
[グループ化処理]
図3を用いて、第1実施形態に係るタグ情報のグループ化処理の流れについて説明する。図3は、第1実施形態に係るグループ化処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0034】
制御部22は、映像データを取得する(ステップS20)。具体的には、映像データ取得部30は、ユーザが再生を所望するタグ情報が付与された映像データを、ユーザが入力部12に入力した情報に従って、映像データ記憶部18aから取得する。そして、ステップS22に進む。
【0035】
制御部22は、対象タグ情報を取得する(ステップS22)。具体的には、タグ情報取得部32は、ユーザが再生を所望する映像データのシーンに付与された対象タグ情報を、ユーザが入力部12に入力した情報に従って取得する。そして、ステップS24に進む。
【0036】
制御部22は、タグテーブルを取得する(ステップS24)。具体的には、タグテーブル取得部34は、タグテーブル記憶部18bに記憶された、対象タグ情報と、起点タグ情報とを関連付けるためのタグテーブルを取得する。そして、ステップS26に進む。
【0037】
制御部22は、対象タグ情報に関連付ける起点タグ情報があるか否かを判定する(ステップS26)。具体的には、タグ情報解析部36は、タグテーブル取得部34が取得したタグテーブルに基づいて、対象タグ情報が付与されたシーンを基準にして、所定時間内に対象タグ情報の対象アクションに対応する起点アクションを示す起点タグ情報が付与されたシーンがあるか否かを判定する。所定時間は、例えば、対象タグ情報が付与されたシーンから時間的に過去の5秒、10秒、30秒、60秒などとユーザが任意に設定することができる。所定時間は、例えば、対象タグ情報が付与されたシーンから時間的に未来であってもよい。所定時間はこれらに限定されない。起点タグ情報があると判定された場合(ステップS26;Yes)、ステップS28に進む。起点タグ情報があると判定されない場合(ステップS26;No)、ステップS32に進む。
【0038】
ステップS26でYesと判定された場合、制御部22は、グループ化処理を実行する(ステップS28)。具体的には、タグ情報解析部36は、対象タグ情報と、対象タグ情報が付与されたシーンを基準にして所定期間内の起点タグ情報とを関連付けることによってグループ化する。
【0039】
図4は、第1実施形態に係るグループ化処理を説明するための図である。図4を用いて、対象タグ情報として「シュート」が選択された場合のグループ化処理について説明する。
【0040】
図4には、シュートシーンS1と、パスシーンS2と、インターセプトシーンS3とが示されている。シュートシーンS1と、パスシーンS2と、インターセプトシーンS3とは、例えば、サッカーなどにおけるアクションの一例を示す。シュートシーンS1には、タグ情報として「シュート」が関連付けられている。パスシーンS2には、タグ情報として「パス」が関連付けられている。インターセプトシーンS3には、タグ情報として「インターセプト」が関連付けられている。
【0041】
本実施形態では、対象アクションが「シュート」である場合には、例えば、「パス」、および「インターセプト」といったアクションが、起点アクションとして予め定められている。図4に示す例では、シュートシーンS1から時間的に遡って、所定時間内にパスシーンS2と、インターセプトシーンS3とが含まれているとする。この場合、タグ情報解析部36は、シュートシーンS1と、パスシーンS2と、インターセプトシーンS3とがそれぞれ関連付けられたタグ情報をグループ化する。
【0042】
図3に戻る。ステップS28の後、制御部22は、再生の頭出し位置を起点タグ情報のシーンに設定する(ステップS30)。具体的には、再生制御部38は、対象タグ情報が付与されたシーンを再生する際の頭出し位置を、グループに含まれる最初の起点タグ情報が付与されたシーンに設定する。例えば、図4に示す例でいえば、再生制御部38は、シュートシーンS1を再生する際の頭出し位置を、インターセプトシーンS3に設定する。そして、ステップS34に進む。
【0043】
ステップS26でNoと判定された場合、制御部22は、再生の頭出し位置を対象タグ情報のシーンに設定する(ステップS32)。具体的には、再生制御部38は、対象タグ情報が付与されたシーンを再生する際の頭出し位置を、そのシーンの頭に設定する。より具体的には、再生制御部38は、対象タグ情報が「シュート」である場合には、頭出し位置をシュートシーンS1に設定する。そして、ステップS34に進む。
【0044】
ステップS30またはステップS32の後、制御部22は、処理を終了するか否かを判定する(ステップS34)。具体的には、制御部22は、処理を終了する旨の操作や、電源をオフする操作などを受け付けた場合に、処理を終了すると判定する。処理を終了すると判定された場合(ステップS34;Yes)、図3の処理を終了する。処理を終了すると判定されない場合(ステップS34;No)、ステップS20に進む。
【0045】
図3に示す例では、タグ情報が付与された映像データを取得して、グループ化する処理について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、第1実施形態では、リアルタイムで取得した映像データに対してタグ情報を付与しつつ、グループ化処理を行ってもよい。
【0046】
また、図3に示す例では、映像データ記憶部18aに記憶された映像データに対してグループ化する処理について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、第1実施形態では、通信部20を介して、外部のサーバ装置などから取得した映像データに対してグループ化処理を行ってもよい。
【0047】
上述のとおり、第1実施形態は、タグ情報が付与された映像データをスキップ再生する際に、再生の対象となるアクションのシーンと、再生の対象となるアクションの起点となったアクションのシーンとをグループ化する。これにより、第1実施形態は、再生の対象となるアクションのシーンを再生する際に、そのアクションの起点となったアクションのシーンから再生することができる。これにより、第1実施形態は、再生の対象となるアクションに繋がるまでのプレーの流れの詳細を把握することができる。
【0048】
また、第1実施形態では、再生の対象となるアクションに繋がるまでのプレーの流れの詳細を把握することができるので、例えば、映像を用いたコーチングなどを行う際に有用となる。
【0049】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態は、起点タグ情報に優先度が設定されている場合の処理を示す。
【0050】
[タグ情報付与]
図5を用いて、第2実施形態に係る映像データにタグ情報を付与する処理の流れについて説明する。図5は、第2実施形態に係る映像データにタグ情報を付与する処理の流れの一例を示すフローチャートである。第2実施形態に係る映像処理装置は、図1に示す映像処理装置10と同一の構成なので、説明を省略する。
【0051】
ステップS40からステップS46の処理は、それぞれ、図3に示すステップS20からステップS26の処理と同一の処理なので、説明を省略する。
【0052】
ステップS46でYesと判定された場合、制御部22は、起点タグ情報の優先度が指定されたか否かを判定する(ステップS48)。
【0053】
図6は、第2実施形態に係る優先度を説明するための表である。図6は、「タグID」と、「対象タグ」と、「起点タグ候補」、「優先度」といった項目を含む。
【0054】
「タグID」は、対象タグを識別するためのIDである。「対象タグ」は、ユーザが再生を所望する際に選択することのできる対象タグ情報を示す。「起点タグ候補」は、対象タグと関連付けられる起点タグ情報の候補を示す。「優先度」は、対象タグ情報が選択された場合に起点アクションのシーンから再生する際の起点アクションの優先度を示す。
【0055】
例えば、タグIDが「T1」の対象タグである「シュート」には、起点タグ候補として「インターセプト」、「第1パス」、および「第2パス」の3つの起点タグ情報が関連付けられているとする。図6に示す例では、「インターセプト」の優先度は「2」、「第1パス」の優先度は「1」、「第2パス」の優先度は「2」であるとする。優先度は、数字が小さいほど高いものとする。「インターセプト」、「第1パス」、「第2パス」の順に「シュート」から時間的に過去のアクションであるとする。すなわち、タグID「T1」では、「インターセプト」、「第1パス」、「第2パス」、「シュート」の順にアクションが行ったものとする。
【0056】
図6に示す例において、タグID「T1」が選択された場合、優先度の指定がない場合には、「インターセプト」、「第1パス」、「第2パス」、「シュート」の順に映像データを再生するように処理される。タグID「T1」が選択され、かつ優先度として「1」が設定された場合には、「第1パス」、「第2パス」、「シュート」の順に映像データを再生するように処理される。すなわち、第2実施形態では、起点アクションに優先度が設定されている場合において、ユーザから所望の優先度を受け付けた場合には、受け付けた優先度に対応する起点アクションを示す起点タグ情報が付与されたシーンから再生するように処理される。具体的には、図6に示す例において、タグID「T1」が選択され、かつ優先度として「1」が設定された場合には、「第1パス」よりも時間的に過去のアクションである「インターセプト」を再生しないように処理される。
【0057】
第2実施形態において、起点アクションの優先度は、例えば、対象アクションに応じて予め定められている。第2実施形態において、起点アクションの優先度は、ユーザが任意に設定してもよい。
【0058】
図5に戻る。優先度が設定された場合(ステップS48;Yes)、ステップS50に進む。優先度が設定されない場合(ステップS48;No)、ステップS54に進む。
【0059】
ステップS48でYesと判定された場合、制御部22は、優先度に応じたグループ化処理を実行する(ステップS50)。具体的には、タグ情報解析部36は、対象タグ情報と、対象タグ情報が付与されたシーンを基準にして所定期間内の起点タグ情報とを、設定された優先度に応じてグループ化する。図6に示す例では、例えば、対象タグ「シュート」、優先度「1」が設定された場合には、タグ情報解析部36は、「第1パス」、「第2パス」、「シュート」をグループ化する。そして、ステップS52に進む。
【0060】
制御部22は、再生の頭出し位置を優先度に応じた起点タグ情報に基づいて設定する(ステップS52)。具体的には、再生制御部38は、対象タグが付与されたシーンを再生する際の頭出し位置を、グループに含まれる起点タグ情報が示す起点アクションの優先度に基づいて設定する。より具体的には、再生制御部38は、優先度に応じてグループ化されたグループに含まれる起点タグ情報のうち、時間的に始めの起点タグ情報が付与されたシーンを再生の頭出し位置として設定する。図6に示す例では、再生制御部38は、「第1パス」を頭出し位置に設定する。そして、ステップS60に進む。
【0061】
ステップS54からステップS60の処理は、それぞれ、図3に示すステップS28からステップS34の処理と同一の処理なので、説明を省略する。
【0062】
上述のとおり、第2実施形態は、再生の対象となるアクションのシーンと、再生の対象となるアクションの起点となったアクションのシーンとを、再生の対象となるアクションの起点となったアクションに設定された優先度に基づいてグループ化する。これにより、第2実施形態は、ユーザが所望する映像をより適切に再生することができる。
【0063】
[第3実施形態]
次に、第3実施形態について説明する。第3実施形態は、対象タグ情報と起点タグ情報とをグループ化する際に、グループに含まれるタグ数が予め設定されている場合の処理を示す。
【0064】
[タグ情報付与]
図7を用いて、第3実施形態に係る映像データにタグ情報を付与する処理の流れについて説明する。図7は、第3実施形態に係る映像データにタグ情報を付与する処理の流れの一例を示すフローチャートである。第3実施形態に係る映像処理装置は、図1に示す映像処理装置10と同一の構成なので、説明を省略する。
【0065】
ステップS70からステップS76の処理は、それぞれ、図3に示すステップS20からステップS26の処理と同一の処理なので、説明を省略する。
【0066】
ステップS76でYesと判定された場合、制御部22は、グループに含まれるタグ数が設定されているか否かを判定する(ステップS78)。
【0067】
図8は、第3実施形態に係るタグ数を説明するための表である。本実施形態では、対象アクションごとにタグ数が予め定められている。図8に示すように、例えば、対象アクションが「シュート」である場合には、タグ数は「3」であり、対象アクションが「ファウル」である場合には、タグ数は「2」である。図8に示す表は例示であり、本発明を限定するものではない。例えば、対象アクションのタグ数は、ユーザが任意に設定可能であってよい。
【0068】
図7に戻る。タグ数が設定されていると判定された場合(ステップS78;Yes)、ステップS80に進む。タグ数が設定されていると判定されない場合(ステップS78;No)、ステップS84に進む。
【0069】
ステップS78でYesと判定された場合、制御部22は、タグ数に応じたグループ化処理を実行する(ステップS80)。具体的には、タグ情報解析部36は、対象タグ情報と、対象タグ情報が示す対象アクションに設定されたタグ数に応じてグループ化する。図6に示す例では、例えば、対象タグ「シュート」が指定された場合には、図8に示す表によればタグ数は「3」なので、タグ情報解析部36は、「第1パス」、「第2パス」、「シュート」をグループ化する。そして、ステップS82に進む。
【0070】
制御部22は、再生の頭出し位置をタグ数に応じた起点タグ情報に基づいて設定する(ステップS82)。具体的には、再生制御部38は、対象タグが付与されたシーンを再生する際に、対象タグの対象アクションに設定されているタグ数に応じて起点タグ情報を設定し、設定した起点タグ情報が付与されているシーンを頭出し位置とする。より具体的には、再生制御部38は、タグ数に応じてグループ化されたグループに含まれる起点タグのうち、時間的に始めの起点タグが付与されているシーンを再生の頭出し位置として設定する。図6に示す例では、再生制御部38は、「第1パス」を頭出し位置に設定する。そして、ステップS90に進む。
【0071】
ステップS84からステップS90の処理は、それぞれ、図3に示すステップS28からステップS34の処理と同一の処理なので、説明を省略する。
【0072】
上述のとおり、第3実施形態は、再生の対象となるアクションのシーンと、再生の対象となるアクションの起点となったアクションのシーンとを、再生の対象となるアクション
に予め定められたタグ数に基づいてグループ化する。これにより、第3実施形態は、再生対象となるアクションに応じて、より適切にグループ化することができる。
【0073】
[第4実施形態]
次に、第4実施形態について説明する。第4実施形態に係る映像処理装置10Aの構成を図9に示す。映像処理装置10Aは、撮像部50をさらに備える。撮像部50が追加された以外は、第1実施形態で説明した映像処理装置10と同様であるため、同一機能を有する部分の詳細な説明は省略する。
【0074】
さらに、第4実施形態では、外部の端末装置がユーザによって入力されたタグ情報を受け付け、タグ情報を送信する。映像処理装置10Aのタグ情報取得部32は、通信部20を介して、タグ情報を取得する。具体的には、撮像部50で試合を撮影している際に、ユーザがその試合を見ながら外部の端末装置において予め定められているアクションに応じたタグ情報を入力する。外部の端末装置とは、例えば、タブレット端末やスマートフォンなどであり、タグ情報の入力画面は第1~第3実施形態と同様の構成でよい。
【0075】
[タグ情報付与]
図10を用いて、第4実施形態に係る映像データにタグ情報を付与する処理の流れについて説明する。図10は、第4実施形態に係る映像データにタグ情報を付与する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0076】
制御部22は、映像データを取得する(ステップS100)。具体的には、撮像部50が試合を撮影したリアルタイムの映像データを取得し、映像データ記憶部18aに記憶する。つまり、映像データを取得することは撮影開始といえる。そしてステップS102に進む。
【0077】
制御部22は、通信部20がタグ情報を受信したか否かを判定する(ステップS102)。タグ情報を受信した場合(ステップS102;Yes)、ステップS104に進む。タグ情報が受信されない場合(ステップS102;No)、ステップS110に進む。
【0078】
制御部22は、通信部20を介してタグ情報を取得する(ステップS104)。具体的には、タグ情報取得部32は、通信部20が受信したタグ情報を取得する。
【0079】
制御部22は、映像データにタグ情報を付与する(ステップS106)。具体的には、タグ情報付与部40は、試合を撮影した映像データに、通信部20を介して受信したタグ情報を付与する。より具体的には、タグ情報を取得した時点で撮影し記憶していた映像データのシーンに対してタグ情報が付与される。受信したタグ情報には、第1~第3実施形態と同様に、アクションとそのアクションに関する情報とが含まれている。そして、ステップS108に進む。
【0080】
制御部22は、タグ情報が付与された映像データを記憶する(ステップS108)。具体的には、タグ情報付与部40は、タグ情報を付与した映像データを映像データ記憶部18aに記憶させる。そして、ステップS110に進む。
【0081】
ステップS102でNoと判定された場合、またはステップS108の後、制御部22は、入力部12から映像データの取得、すなわち撮影を終了する操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS110)。撮影を終了する操作を受け付けた場合(ステップS110;Yes)、図10の処理を終了する。撮影を終了する操作を受け付けない場合(ステップS110;No)、ステップS102に戻る。
【0082】
グループ化処理は、第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
【0083】
上述のとおり、第4実施形態では、スポーツの試合を撮影中に、ユーザが外部の端末装置を使用してタグ情報を入力し、外部の端末装置は入力されたタグ情報を映像処理装置10Aに送信し、映像処理装置10Aは受信したタグ情報を映像データのシーンに付与する。これにより、ユーザは試合の状況に応じたタグ情報の入力をより専念して行うことができる。
【0084】
[第5実施形態]
次に、第5実施形態について説明する。第5実施形態に係る映像処理装置の構成は、図1に示す映像処理装置10と、同一なので説明を省略する。
【0085】
第5実施形態は、タグ情報が付与されている映像データを再生する際に、グループ化されたタグの起点タグに到達した場合に、グループ化されているタグを映像データに重畳して表示させる処理を実行する。具体的には、第5実施形態では、タグ情報解析部36が起点タグ情報から対象タグ情報までをグループ化した場合に、タグ情報解析部36がグループ化されたタグ情報を記憶部18に記憶させる。タグ情報解析部36はグループ化されたタグ情報をグループごとに対応付けたタググループテーブルとして記憶部18に記憶させてもよいし、グループ化された各タグ情報にグループを識別するための情報を含めて記憶部18に記憶させてもよい。このようにすることによって、再生制御部38は、映像データから取得したタグ情報がグループ化されたタグ情報か否かを判定することができる。第5実施形態は、映像データの再生時の再生時間と、グループ化されたタグ情報に含まれる時刻情報とを比較し、再生時間が起点タグ情報の時点に到達したら、再生画面上にアクションに関するタグ情報を重畳して、表示させる。
【0086】
[タグ情報表示処理]
図11を用いて、第5実施形態に係るタグ情報の表示処理の流れについて説明する。図11は、第5実施形態に係るタグ情報の表示処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0087】
再生制御部38は、映像データを再生する(ステップS120)。具体的には、再生制御部38は、例えば、ユーザが入力部12に入力した操作に従って映像データ記憶部18aに記憶されている映像データを再生する。再生制御部38は、例えば、ユーザが入力部12に入力した操作に応じて、映像データの最初から再生してもよい、任意の位置から再生してもよい。そして、ステップS122に進む。
【0088】
再生制御部38は、再生した映像データにタグ情報が付与されているか否かを判定する(ステップS122)。映像データにタグ情報が付与されていると判定された場合(ステップS122;Yes)、ステップS124に進む。映像データにタグ情報が付与されていると判定されない場合(ステップS122;No)、ステップS136に進む。
【0089】
ステップS122でYesと判定された場合、再生制御部38は、タグ情報がグループ化されているか否かを判定する(ステップS124)。具体的には、再生制御部38は、例えば、起点タグ情報を取得した場合にタグ情報がグループ化されていると判定する。タグ情報がグループ化されていると判定された場合(ステップS124;Yes)、ステップS126に進む。タグ情報がグループ化されていると判定されない場合(ステップS124;No)、ステップS134に進む。
【0090】
再生制御部38は、グループ化されている各タグ情報を時系列で表示させる(ステップS126)。具体的には、再生制御部38は、グループ化されている各タグ情報を、映像データに重畳させて、時系列で表示させる。第5実施形態では、例えば、タグ情報の時刻は映像データにおける時刻で表されるので、再生制御部38は、タグ情報が含む時刻情報と映像データの再生時間との比較することで、各タグ情報を時系列で表示させることができる。より具体的には、再生制御部38は、タグ情報のうちの起点タグ情報の時刻に到達した場合に、グループ化されたタグ情報を映像データに重畳して表示させる。
【0091】
図12は、第5実施形態に係るタグ情報を時系列で表示させる方法を説明するための図である。図12は、例えば、サッカーの試合における映像データ60を示す。図12に示す例では、「インターセプト」、「パス」、および「シュート」といったタグ情報がグループ化されているとする。図12に示す例では、インターセプトが起点タグであり、シュートが対象タグである。この場合、再生制御部38は、映像データ60に含まれるアクションが、インターセプト、パス、シュートの順に変化することを示すタグ情報70を、映像データ60の上部に重畳して表示させる。これにより、映像データ60を視聴するユーザは、これから始まる一連のプレーの流れを把握した状態で試合を振り返ることができる。図12に示す例では、再生制御部38は、タグ情報70を映像データ60の上部に表示させているが、これは例示であり、本発明を限定するものではない。再生制御部38は、タグ情報70を映像データ60の任意の位置に表示させてもよい。
【0092】
図11に戻る。ステップS126の後、再生制御部38は、グループ化されたタグ情報のうちの、最後のタグ情報に対応するアクションが再生されたか否かを判定する(ステップS128)。最後のアクションが再生されたと判定された場合(ステップS128;Yes)、ステップS130に進む。最後のアクションが再生されたと判定されない場合(ステップS126;No)、ステップS126に進む。
【0093】
ステップS128でYesと判定された場合、再生制御部38は、所定時間の間、タグ情報の表示を継続させる(ステップS130)。所定時間は、例えば、数秒から十数秒であるが、これに限定されない。所定時間は、任意に変更可能であってもよい。そして、ステップS132に進む。
【0094】
再生制御部38は、タグ情報の表示を解除する(ステップS132)。そして、ステップS136に進む。
【0095】
ステップS124でNoと判定された場合、再生制御部38は、付与されているタグ情報を映像データに重畳して表示させる(ステップS134)。そして、ステップS130に進む。
【0096】
ステップS122でNoと判定された場合、またはステップS132の後、再生制御部38は、処理を終了するか否かを判定する(ステップS136)。具体的には、再生制御部38は、例えば、映像データを最後まで再生した場合や、映像データの再生を終了する旨の操作を受け付けた場合に処理を終了すると判定する。処理を終了すると判定された場合(ステップS136;Yes)、図11の処理を終了する。処理を終了すると判定されない場合(ステップS136;No)、ステップS120に進む。
【0097】
上述のとおり、第5実施形態では、映像データに付与されたグループ化されたタグ情報を時系列の順に、映像データに重畳して表示させる。これにより、第5実施形態は、映像データに含まれる一連のプレーを、一連のプレーの流れを把握した状態で試合を振り返ることができる。
【0098】
[第5実施形態の変形例]
次に、第5実施形態の変形例について説明する。第5実施形態では、グループ化されたすべてのタグ情報を時系列の順に表示させるものとして説明した。再生制御部38は、現在のアクションに対応するタグ情報を表示させてもよい。図13は、第5実施形態の変形例に係るタグ情報を時系列で表示させる方法を説明するための図である。図13に示すように、再生制御部38は、例えば、映像データ60に現在のアクションに対応する「インターセプト」といったタグ情報70aのみを表示するようにしてもよい。この場合、再生制御部38は、映像データ60の現在のアクションがインターセプトからパスに変化した場合には「パス」といったタグ情報70aのみを表示させればよい。すなわち、再生制御部38は、例えば、映像データ60として再生されているアクションに応じて、タグ情報70aを変化させればよい。第5実施形態の変形例は、現在のアクションを把握した状態で試合を振り返ることができる。
【0099】
[第6実施形態]
次に、第6実施形態について説明する。第6実施形態は、グループに含まれる対象タグのプレーの結果を、重畳して映像データに表示させる。
【0100】
[タグ情報表示処理]
図14を用いて、第6実施形態に係るタグ情報の表示処理の流れについて説明する。図14は、第6実施形態に係るタグ情報の表示処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0101】
ステップS150からステップS156は、図11に示すステップS120からステップS126の処理と同一なので、説明を省略する。
【0102】
ステップS156の後、再生制御部38は、対象タグ情報に結果情報が含まれているか否かを判定する(ステップS158)。結果情報は、対象タグ情報が付与されたアクションが成功したか否かを示す情報である。対象タグ情報に結果情報が含まれていると判定された場合(ステップS158;Yes)、ステップS160に進む。対象タグ情報に結果情報が含まれていると判定されない場合(ステップS158;No)、ステップS162に進む。
【0103】
ステップS158でYesと判定された場合、再生制御部38は、結果情報を表示させる(ステップS160)。図15は、第6実施形態に係る結果情報を表示させる方法を説明するための図である。図15に示すように、再生制御部38は、結果情報71を映像データ60に重畳して表示させる。図15に示す例では、再生制御部38は、例えば、「シュート×」といったシュートが失敗したことを示す結果情報を表示させる。これにより、映像データ60を視聴するユーザは、シュートが失敗することを把握しながら、試合を振り返ることができる。
【0104】
結果情報には、アクションを行った選手に関する情報が含まれていてもよい。図16は、第6実施形態に係る選手情報を含む結果情報を表示させる方法を説明するための図である。図16に示すように、再生制御部38は、選手情報を含む結果情報72を映像データ60に重畳して表示させる。図16に示すように、再生制御部38は、例えば、「シュート〇7番」といった背番号が7番の選手のシュートが成功したことを示す結果情報を表示させる。これにより、映像データ60を視聴するユーザは、背番号が7番の選手がシュートを打つ前の段階で、背番号が7番の選手に注目しつつ、試合を振り返ることができる。
【0105】
また、再生制御部38は、映像データにタイムシークバーを表示させ、タイムシークバー上に結果情報を表示してもよい。図17は、第6実施形態に係る結果情報を表示させるその他の方法を説明するための図である。図17に示すように、再生制御部38は、映像データ60にタイムシークバー80を表示させてもよい。タイムシークバー80には、例えば、第1領域81と、第2領域82とが設定されている。第1領域81と、第2領域82とは、例えば、異なる色に色分けされている、第1領域81は、例えば、あるアクションが成功したシーンを含む時刻位置を示す。第2領域82は、例えば、あるアクションが失敗したシーンを含む時刻位置を示す。すなわち、再生制御部38は、タイムシークバー80にアクションが成功したか失敗したかが把握できるように、アクションが含まれる時刻位置を色分けして表示させる。
【0106】
ステップS162からステップS170の処理は、それぞれ、図11に示すステップS128からステップS136の処理と同一なので、説明を省略する。
【0107】
上述のとおり、第6実施形態では、アクションが成功したか失敗したかを示す結果情報を映像データに重畳して表示させる。これにより、第5実施形態の変形例は、どのような結果となるアクションであるかを把握しながら試合を振り返ることができる。
【0108】
[第7実施形態]
次に、第7実施形態について説明する。第7実施形態に係る映像処理装置の構成は、図1に示す映像処理装置10と、同一なので説明を省略する。
【0109】
第7実施形態は、タグ情報が付与されている映像データを再生する際に、グループ化されたタグの起点タグに到達した場合に、グループ化されているタグを映像データに重畳して表示させ、かつ現在のアクションに対応するタグ情報を強調して表示させる。
【0110】
[タグ情報表示処理]
図18を用いて、第7実施形態に係るタグ情報の表示処理の流れについて説明する。図18は、第7実施形態に係るタグ情報の表示処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0111】
ステップS180からステップS186の処理は、それぞれ、図11に示すステップS120からステップS126の処理と同一なので、説明を省略する。
【0112】
ステップS186の後、再生制御部38は、現在のアクションのタグ情報を強調表示させる(ステップS188)。図19は、第7実施形態に係る現在のアクションのタグ情報を強調表示させる方法を説明するための図である。図19に示すように、映像データ60には、「インターセプト」、「パス」、および「シュート」のタグ情報が時系列順に表示されているとする。
【0113】
再生制御部38は、現在のアクションがインターセプトである場合には、インターセプトのタグ情報を強調表示させる(ステップS188a)。図19に示すように、タグ情報73においては、インターセプトのタグ情報が強調表示されている。この場合、再生制御部38は、パスおよびシュートのタグ情報については、通常の形態で表示させる。
【0114】
次いで、現在のアクションがインターセプトからパスに切り替わった場合、再生制御部38は、パスのタグ情報を強調表示させる(ステップS188b)。図19に示すように、タグ情報74においては、パスのタグ情報が強調表示されている。この場合、再生制御部38は、インターセプトおよびシュートのタグ情報については、通常の形態で表示させる。
【0115】
次いで、現在のアクションがパスからシュートに切り替わった場合、再生制御部38は、シュートのタグ情報を強調表示させる(ステップS188c)。図19に示すように、タグ情報75においては、シュートのタグ情報が強調表示されている。この場合、再生制御部38は、インターセプトおよびパスのタグ情報については、通常の形態で表示させる。
【0116】
具体的には、再生制御部38は、現在のアクションのタグ情報を他のタグ情報よりも目立つように強調表示させる。再生制御部38は、例えば、現在のアクションのタグ情報の色を変化させたり、拡大させたり、発光させたり、点滅させたりすることで強調表示させえる。再生制御部38は、その他の方法で現在のアクションのタグ情報を強調表示させてもよい。
【0117】
ステップS190からステップS198の処理は、それぞれ、図11に示すステップS128からステップS136の処理と同一なので、説明を省略する。
【0118】
上述のとおり、第7実施形態では、時系列の順に表示された複数のタグ情報のうち、現在のアクションに対応するタグ情報が強調して表示される。これにより、第7実施形態は、現在のアクションに付与されているタグ情報を把握しやすくなる。
【0119】
[第7実施形態の変形例]
次に、第7実施形態の変形例について説明する。第7実施形態は、時系列の順に表示された複数のタグ情報のうち、現在のアクションに対応するタグ情報が強調して表示させるものとして説明した。再生制御部38は、現在のアクションに対応するタグ情報を強調して表示させ、かつ結果情報を表示させてもよい。図20は、第7実施形態の変形例に係るタグ情報を表示させる方法を説明するための図である。図20に示すように、再生制御部38は、例えば、現在のアクションであるインターセプトのタグ情報が強調された、シュートが成功したことを示すタグ情報76を表示させてもよい。これにより、第7実施形態の変形例は、現在のアクションに付与されているタグ情報を把握しやすくなり、かつ一連のプレーの結果を把握しながら、試合を振り返ることができる。
【0120】
以上、本発明の実施形態を説明したが、これら実施形態の内容により本発明が限定されるものではない。撮影する対象はスポーツの試合に限らず、製造業の作業工程でもよい。また、防犯システムに本発明を応用することによって、セキュリティカメラなどでの利用も想定される。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0121】
10、10A 映像処理装置
12 入力部
14 表示部
16 音声出力部
18 記憶部
18a 映像データ記憶部
18b タグテーブル記憶部
20 通信部
22 制御部
30 映像データ取得部
32 タグ情報取得部
34 タグテーブル取得部
36 タグ情報解析部
38 再生制御部
50 撮像部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20