(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022176040
(43)【公開日】2022-11-25
(54)【発明の名称】熱処理オーブンのヒーター電源接続装置
(51)【国際特許分類】
H05B 3/02 20060101AFI20221117BHJP
H05B 3/03 20060101ALI20221117BHJP
【FI】
H05B3/02 B
H05B3/03
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021175212
(22)【出願日】2021-10-27
(31)【優先権主張番号】10-2021-0061418
(32)【優先日】2021-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】520252033
【氏名又は名称】コヨ サーモ システム コリア カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100149870
【弁理士】
【氏名又は名称】芦北 智晴
(72)【発明者】
【氏名】ナカニシ サトル
(72)【発明者】
【氏名】キム ミンチョル
(72)【発明者】
【氏名】イ グァンウォン
【テーマコード(参考)】
3K092
【Fターム(参考)】
3K092PP09
3K092PP20
3K092QA05
3K092QC59
3K092TT02
3K092TT08
3K092VV25
(57)【要約】
【課題】ヒーターユニットに対する通電性能を向上させ、ヒーターユニットの端子部から発生する耐久性の低下の問題とショート及び短絡などの問題とを解決し、電流の流れの妨害及び干渉を最小限に抑えて電流の流れを安定的に維持させ、電気的接触を最小限に抑えた熱処理オーブンのヒーター電源接続装置を提供する。
【解決手段】本発明は、熱処理オーブンのヒーター電源接続装置であって、熱処理オーブンのチャンバー内に実装されて熱を介して基板を加熱又は乾燥させるために電極を接続して低電圧、大電流を供給するバスバーを含み、前記バスバーに通電される電極を有する発熱体が備えられたヒーティングプレートを含むヒーターユニット;及び前記ヒーターユニットのバスバーから電源の供給を誘導する電源供給線を介して前記発熱体に通電させるために前記ヒーティングプレートに装着され、前記電源供給線を接続させる電源供給端子部;を含んで構成できる。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱処理オーブンのヒーター電源接続装置であって、
前記熱処理オーブンのチャンバー内に実装されて熱を介して基板を加熱又は乾燥させるために電極を接続して低電圧、大電流を供給するバスバーを含み、前記バスバーに通電される電極を有する発熱体が備えられたヒーティングプレートを含むヒーターユニット;及び
前記ヒーターユニットのバスバーから電源の供給を誘導する電源供給線を介して前記発熱体に通電させるために前記ヒーティングプレートに装着され、前記電源供給線を接続させる電源供給端子部;を含むことを特徴とする、熱処理オーブンのヒーター電源接続装置。
【請求項2】
前記電源供給端子部は、ホールが穿設された端子を有する電源供給線を接続させるものであり、
前記ヒーティングプレートに穿設されたホールと;
前記ヒーティングプレートのホールに対してセンタリングされたホールを備え、ヒーティングプレートの上面に装着され、電源供給線を介して誘導される電源と通電され、平行接触を維持させる電源供給ブッシュと;
前記電源供給ブッシュ及び電源供給線の端子側のホールに対してセンタリングされたホールを備え、電流の外部流れを抑制する絶縁ブッシュと;
前記ヒーティングプレート、絶縁ブッシュ、電源供給線の端子、及び電源供給ブッシュに穿設されたそれぞれのホールを連続的に通過してヒーティングプレートに絶縁ブッシュ、電源供給線の端子、及び電源供給ブッシュを固定させる固定手段と;を含むことを特徴とする、請求項1に記載の熱処理オーブンのヒーター電源接続装置。
【請求項3】
前記ヒーティングプレートの上面に装着された絶縁ブッシュは、上部の直径が大きく、下部の直径が上部の直径に比べて小さい段差を有し、その下部は、前記電源供給線の端子に設けられたホールを通過する突出部として突出した形状に構成されたことを特徴とする、請求項2に記載の熱処理オーブンのヒーター電源接続装置。
【請求項4】
前記固定手段は、前記絶縁ブッシュ、電源供給線の端子、電源供給ブッシュ、及びヒーティングプレートに穿設された各ホールを連続的に通過してヒーティングプレートの上面に絶縁ブッシュ、電源供給線の端子、及び電源供給ブッシュを順次固定し、ヒーティングプレートの下面においてナットによって締結される固定ボルト;で構成されることを特徴とする、請求項2に記載の熱処理オーブンのヒーター電源接続装置。
【請求項5】
前記ヒーティングプレートの下面とナットとの間にはワッシャーが介在し、上部に平ワッシャー、下部にスプリングワッシャーが2重に積層挿入されたことを特徴とする、請求項4に記載の熱処理オーブンのヒーター電源接続装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱処理オーブンのチャンバーに実装されたヒーターユニットに対する通電性能を向上させる、熱処理オーブンのヒーター電源接続装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、ディスプレイは、TV、携帯電話、モニターなどのさまざまな種類の画像装置に適用されており、急速な技術の発達により、製品の性能を向上させるための努力が続けられている。有機発光表示装置及びLCD基板(以下、「基板」または「ガラス基板」という)は、次世代ディスプレイ装置の一つであり、様々な製品分野に適用されている。ディスプレイ装置を構成するガラス基板は熱処理によって製造するが、熱処理の際に工程ごとに要求される条件を満たすためには、外気の影響を防ぎ、熱がチャンバーの外に放出されることを最小限に抑えなければならない。それにより、性能の低下を防止することができ、製品の不良率を下げることができる。また、完成品の歩留まりを向上させるためには熱処理の際に基板の面内バラツキが少ないほど良いので、より高性能の熱処理オーブンが求められており、継続的な研究が行われている。
【0003】
基板を製造するにあたり、温度管理と温度均一性は、良品の基板品質及び歩留まりの維持のために必ず必要である。例えば、熱処理オーブンを用いた基板製造工程では、基板の表面に有機物層が形成されて一定量の水分を含むことができるため、水分を蒸発させる乾燥工程を必要としているが、ガラス基板の製造工程では、基板の表面に感光膜をコートする前に洗浄工程を行い、洗浄工程の後には水分除去のための加熱乾燥工程を行っており、大部分の基板製造工程は、加熱及び乾燥工程を行って基板を製造している。このように基板製造工程から発生する水分は、赤外線を活用するか、或いは、シースヒーター(sheath heater)などの発熱体を含む熱処理オーブンのチャンバーに入れて加熱乾燥によって、基板に残留する水分を除去している。
【0004】
これに関連して、韓国登録特許第10-1238560号公報及び韓国公開特許第10-2013-0028322号公報には、「LCDガラスオーブンチャンバー」が提案されている。
【0005】
一方、熱処理オーブンのチャンバーに実装されたヒーターユニットは、発熱線を接続させて電流を通電させる多数のバスバーが接続された導電部を含んで構成されており、仕様によって異なるが、通常の場合、熱処理オーブンのヒーターユニットは、電気抵抗により発熱する発熱線(発熱コイル)を内蔵し、その上下部には板状のヒーティングプレートを設置して、熱処理オーブンのチャンバー内で行われる基板加熱及び乾燥工程を行うように構成されている。
【0006】
しかし、熱処理オーブンのチャンバーに実装された従来のヒーターユニットは、板状のヒーティングプレートに電源を直接接続して通電させる方式が適用されているので、端子部が電気的特性に晒されて端子部の構造及び形状による耐久性に直接影響を及ぼすが、通常の場合、端子部の耐久性が急激に低下してショート及び短絡などの問題として現れるため、製品の信頼性を低下させるという問題がある。例えば、従来の電源供給端子部は、電気的特性により接触抵抗の変化が発生し、接触抵抗の不均衡に伴うアーク発生(Arcing)の危険に晒されており、組立の形状に応じて絶縁性能の変動が大きく、高熱による熱変形により接触力が弱化でき、高温での素材の酸化による抵抗値の変化などが発生することができる。
【0007】
これにより、ヒーターユニットに印加される電気容量に相応する十分な電気的許容容量を提供する一方、バスバーからヒーターユニットに通電される電流の流れを妨害したり干渉を最小化したりして電流の流れを安定的に維持させ、電気的接触を最小限に抑えて接触抵抗による問題を解決することができる、端子部に対する新しい構造設計が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】韓国登録特許第10-1238560号公報(公告日:2013年2月28日)
【特許文献2】韓国登録特許第10-0722154号公報(公告日:2007年5月28日)
【特許文献3】韓国公開特許第10-2013-0028322号公報(公開日:2013年3月19日)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明で解決しようとする技術的課題の一つは、熱処理オーブンのチャンバーに実装されたヒーターユニットに対する通電性能を向上させることにある。
【0010】
本発明で解決しようとする技術的課題の一つは、熱処理オーブンのチャンバーに実装されたヒーターユニットの端子部から発生する耐久性の低下の問題とショート及び短絡などの問題とを解決することにある。
【0011】
本発明で解決しようとする技術的課題の一つは、熱処理オーブンのチャンバーに実装されたヒーターユニットのバスバーからヒーティングプレートに通電される電流の流れの妨害及び干渉を最小限に抑えて電流の流れを安定的に維持させ、電気的接触を最小限に抑えるために電源接続端子部を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的は、本発明によれば、熱処理オーブンのヒーター電源接続装置であって、熱処理オーブンのチャンバー内に実装されて熱を介して基板を加熱又は乾燥させるために電極を接続して低電圧、大電流を供給するバスバーを含み、前記バスバーに通電される電極を有する発熱体が備えられたヒーティングプレートを含むヒーターユニット;及び前記ヒーターユニットのバスバーから電源の供給を誘導する電源供給線を介して前記発熱体に通電させるために前記ヒーティングプレートに装着され、前記電源供給線を接続させる電源供給端子部;を含むことを特徴とする、熱処理オーブンのヒーター電源接続装置により達成できる。
【0013】
本発明の実施形態によれば、前記ヒーティングプレートは、発熱体を中心に、その上部は上部絶縁層、下部は下部絶縁層からなり、ステンレス鋼からなる基板層を含んで構成できる。
【0014】
本発明の実施形態によれば、前記電源供給端子部は、ホールが穿設された端子を有する電源供給線を接続させるものであり、前記ヒーティングプレートに穿設されたホールと;前記ヒーティングプレートのホールに対してセンタリングされたホールを備え、ヒーティングプレートの上面に装着され、電源供給線を介して誘導される電源と通電され、平行接触を維持させる電源供給ブッシュと;前記電源供給ブッシュ及び電源供給線の端子側のホールに対してセンタリングされたホールを備え、電流の外部流れを抑制する絶縁ブッシュと;前記ヒーティングプレート、絶縁ブッシュ、電源供給線の端子、及び電源供給ブッシュに穿設されたそれぞれのホールを連続的に通過してヒーティングプレートに絶縁ブッシュ、電源供給線の端子、及び電源供給ブッシュを固定させる固定手段と;を含んで構成できる。
【0015】
本発明の実施形態によれば、前記ヒーティングプレートの上面に装着された絶縁ブッシュは、上部の直径が大きく、下部の直径が上部の直径に比べて小さい段差を有し、その下部は、前記電源供給線の端子に設けられたホールを通過する突出部として突出した形状に構成できる。
【0016】
本発明の実施形態によれば、前記ヒーティングプレートの上面に装着された絶縁ブッシュは、電源供給線の端子側電流の外部流れを抑制し且つ耐久性を強化するセラミック素材の中から選択して製造できる。
【0017】
本発明の実施形態によれば、前記固定手段は、前記絶縁ブッシュ、電源供給線の端子、電源供給ブッシュ、及びヒーティングプレートに穿設された各ホールを連続的に通過してヒーティングプレートの上面に絶縁ブッシュ、電源供給線の端子、及び電源供給ブッシュを順次固定し、ヒーティングプレートの下面においてナットによって締結される固定ボルト;を含んで構成できる。
【0018】
本発明の実施形態によれば、前記ヒーティングプレートの下面とナットとの間にはワッシャーが介在し、上部に平ワッシャー、下部にスプリングワッシャーが2重に積層挿入された構造を含んで構成できる。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、熱処理オーブンのチャンバーに実装されたヒーターユニットに対する通電性能を向上させるという効果がある。
【0020】
また、本発明は、熱処理オーブンのチャンバーに実装されたヒーターユニットの端子部から発生する耐久性の低下の問題とショート及び短絡などの問題とを解決することができるという効果がある。
【0021】
また、本発明は、熱処理オーブンのチャンバーに実装されたヒーターユニットのバスバーからヒーティングプレートに通電される電流の流れの妨害及び干渉を最小限に抑えて電流の流れを安定的に維持させ、電気的接触を最小限に抑えて高信頼性の熱処理オーブンを製作することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図4】熱処理オーブンの一側面を示す例示図である。
【
図5】熱処理オーブンに配置されたヒーターユニットの例示図である。
【
図6】熱処理オーブンに配置されたヒーターユニットを平面構造で示す例示図である。
【
図7】
図6のA部を抜粋して示すもので、本発明の一実施形態による熱処理オーブンのヒーター電源接続装置の例示図である。
【
図8】本発明の一実施形態による熱処理オーブンのヒーター電源接続装置を構成するヒーティングプレートを模式図で示す例示図である。
【
図9】本発明の一実施形態による熱処理オーブンのヒーター電源接続装置を構成するヒーティングプレートを模式図で示す例示図である。
【
図10】本発明の一実施形態による熱処理オーブンのヒーター電源接続装置を分解状態で示す例示図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の好適な実施形態に係る「熱処理オーブンのヒーター電源接続装置」を説明する。
図1は熱処理オーブンを示す例示図である。
図2は熱処理オーブンの正面を示す例示図である。
図3は熱処理オーブンの平面を示す例示図である。
図4は熱処理オーブンの側面を示す例示図である。
【0024】
図1乃至
図4は熱処理オーブン100の全体構造を示すもので、チャンバー200を含んで構成された熱処理オーブン100の例示図である。
【0025】
熱処理オーブン100は、
図1乃至
図4に示されているように、基板を熱処理するために、熱処理対象の基板を、チャンバー200内に設けられた各段に取り込んだり、熱処理工程済みの基板をチャンバー200から取り出したりするために、背面部にはドア部110、前面部にはシャッター部120をそれぞれ備えることができる。
【0026】
また、熱処理オーブン100は、加熱または乾燥が必要とされる基板を収容するチャンバー200を備え、チャンバー200内には発熱体310(
図8参照)からなる複数のヒーターユニット300を実装することにより、そのヒーターユニット300から発生する熱で基板を加熱するか或いは水分を蒸発乾燥させるように構成される。
【0027】
そして、熱処理オーブン100は、チャンバー200の一側に、プロセスガスを含む流体を流入させる給気口、及びチャンバー200内の流体を排気させる排気口を備え、チャンバー200を支持又はサポートするラグ付きフレーム、及びヒーターユニット300の発熱線を接続して電流を通電させる多数のバスバー301が接続された導電部を含んで構成されている。
【0028】
また、仕様によって異なるが、通常の場合、
図8に示されているように、ヒーターユニット300を構成する発熱体310の上下部にはヒーティングプレート311を密着設置して、チャンバー200内で行われる基板加熱工程を効果的に行うように構成されている。
【0029】
一方、
図1及び
図4において、未説明符号「210」と「220」は、チャンバー200の「内外部ケーシング」を示す。未説明符号「230」は、チャンバー200に冷却気流を形成して、チャンバー200の内部に構成された冷却気流誘導路を介してチャンバー200を均一な温度分布で冷却させる「冷却ジャケット」を示す。未説明符号「240」は、フィードスルーを突出させ、これを介してチャンバー200内に電源を供給する「電源供給部」を示す。
【0030】
ちなみに、
図1及び
図4に示されているような、熱処理オーブン100を構成する基本的な構成、例えば、チャンバー200の構造及びプロセスガスの給気及び排気系統、ヒーターユニット300に電源を供給する電源供給部240の構成は、本発明と直接の関連がない。そして、熱処理オーブン100の基本的な該当構成は、本発明の要旨とは無関係である公知の構成なので、本発明の構成及び動作の説明で省略することとする。
【0031】
図1乃至
図4に示されているように、熱処理オーブンは、一般に、基板を熱処理するために、熱処理対象の基板を、ヒーターユニットが設置されたチャンバー内に設けられた各段に取り込んだり、熱処理工程済みの基板をチャンバーから取り出したりするために、背面部にはドア部、前面部にはシャッター部をそれぞれ備えることができる。
【0032】
また、熱処理オーブンは、加熱または乾燥が必要とされる基板を収容するチャンバーを備え、チャンバー内には発熱体からなるヒーターユニットを実装することにより、ヒーターユニットから発生する熱で基板を加熱するか或いは水分を蒸発乾燥させるように構成できる。
【0033】
また、仕様によって異なるが、通常の場合、ヒーターユニットを構成する発熱体の上下部にはヒーティングプレートを密着設置して、基板加熱工程を効果的に行うように構成されている。
【0034】
また、熱処理オーブンのチャンバーの一側には、プロセスガスを含む流体を流入させる給気口、及びチャンバー内の流体を排気させる排気口を備え、チャンバーを支持及びサポートするラグ付きフレーム、及びヒーターユニットの発熱線を接続して電流を通電させる多数のバスバーが接続された導電部を含んで構成されている。
【0035】
一方、熱処理オーブンは、チャンバーの内部に基板の熱処理工程中に基板上に残存する水分を除去するためにヒーターユニットを含んでおり、製品の品質向上のため、より効率的で高い性能の工程能力を要求している。
【0036】
また、熱処理工程の時間短縮を介して、より多くの量の製品を量産するために、チャンバーの内部に設置されたヒーターユニットが高性能でありながらも、構造的に強化された耐久性を要求している。
【0037】
しかし、熱処理オーブンのチャンバーに実装された従来のヒーターユニットは、板状のヒーティングプレートに電源を直接接続して通電させる方式が適用されているので、端子部の電気的特性により端子部の構造及び形状による耐久性に直接影響を及ぼすが、通常の場合、端子部の耐久性が急激に低下してショート及び短絡などの問題として現れ、製品の信頼度を低下させている。
【0038】
例えば、従来の電源供給端子部は、電気的特性により接触抵抗の変化が発生し、接触抵抗の不均衡によるアーク発生(Arcing)の危険に晒されており、組立の形状に応じて絶縁性能の変動が大きく、高熱による熱変形により接触力が弱化することができ、高温での素材の酸化による抵抗値の変化などが発生している。
【0039】
これにより、本発明は、ヒーターユニットに印加される電気容量に相応する十分な電気的許容容量を提供する一方、バスバーからヒーターユニットに通電される電流の流れを妨害したり干渉を最小限に抑えたりして電流の流れを安定的に維持させ、電気的接触を最小限に抑えて接触抵抗による問題を解決することができる、新しい端子部の構造設計を含む、熱処理オーブンのヒーター電源接続装置を提示する。
【0040】
また、本発明は、熱処理オーブンのチャンバーに実装されたヒーターユニットに対する通電性能を向上させる、熱処理オーブンのヒーター電源接続装置を提示する。
【0041】
また、本発明は、熱処理オーブンのチャンバーに実装されたヒーターユニットの端子部から発生する耐久性の低下の問題とショート及び短絡などの問題とを解決する、熱処理オーブンのヒーター電源接続装置を提示する。
【0042】
また、本発明は、熱処理オーブンのチャンバーに実装されたヒーターユニットのバスバーからヒーティングプレートに通電される電流の流れの妨害及び干渉を最小限に抑えて電流の流れを安定的に維持させ、電気的接触を最小限に抑えて信頼性の高い熱処理オーブンを製作することができるようにする、熱処理オーブンのヒーター電源接続装置を提示する。
【0043】
次に、本発明による熱処理オーブンのヒーター電源接続装置を構成する主要構成について、
図5乃至
図10を参照して具体的に説明する。
【0044】
図5は熱処理オーブンに配置されたヒーターユニットの例示図である。
図6は熱処理オーブンに配置されたヒーターユニットを平面構造で示す例示図である。
【0045】
本発明の一実施形態による熱処理オーブンのヒーター電源接続装置は、
図7乃至
図10に示すように、ヒーターユニット300を構成するバスバー301の電流をヒーティングプレート311に効果的に接続させるように構成できる。
【0046】
図7は
図6のA部を抜粋して示すもので、本発明の一実施形態による熱処理オーブンのヒーター電源接続装置の例示図である。
【0047】
図8は本発明の一実施形態による熱処理オーブンのヒーター電源接続装置を構成するヒーティングプレートを模式図で示す例示図である。
【0048】
図9は本発明の一実施形態による熱処理オーブンのヒーター電源接続装置を構成するヒーティングプレートを模式図で示す例示図である。
【0049】
図10は本発明の一実施形態による熱処理オーブンのヒーター電源接続装置を分解状態で示す例示図である。
【0050】
本発明の一実施形態による熱処理オーブンのヒーター電源接続装置は、
図7~
図10に示されているように、ヒーターユニット300を含み、ヒーターユニット300が、熱処理オーブン100のチャンバー200内に実装され、熱を介して基板を加熱又は乾燥させるために電極を接続して低電圧、大電流を供給するバスバー301を含み、バスバー301に通電される電極を有する発熱体310が備えられたヒーティングプレート311を備えることができる。
【0051】
また、ヒーター電源接続装置は、ヒーターユニット300のバスバー301から電源の供給を誘導する電源供給線330を介して発熱体310に電流を安定的に通電させるためにヒーティングプレート311に装着され、電源供給線330を接続させる電源供給端子部320を含んで構成できる。電源供給線330は、ホール331aが穿設された端子331を有することができる。
【0052】
また、ヒーティングプレート311は、
図8に示されているように、発熱体310を中心に、その上部は上部絶縁層313、下部は下部絶縁層314からなることができる。
【0053】
また、絶縁層314の下部は、ステンレス鋼からなる基板層315を含んで構成できる。
【0054】
このように、発熱体310を中心に、上部絶縁層313、下部絶縁層314、及びステンレス鋼SUS403からなる基板層315を積層型に積んでヒーティングプレート311を構成する場合、優れた電気的特性及び絶縁性を有し、変形が少ないながらも堅固な耐久性を有する。
【0055】
また、電源供給端子部320は、
図7~
図10に示されているように、ヒーティングプレート311にホール311aを穿設して構成され、ヒーティングプレート311に穿設されたホール311aを中心に、その周辺部には電極メッキ層342を設置して構成できる。
【0056】
また、電源供給端子部320は、ヒーティングプレート311のホール311aに対してセンタリングされたホール321aを備え、ヒーティングプレート311の上面に装着されて電源供給線330を介して誘導される電源と通電され、平行接触を維持させる電源供給ブッシュ321を含んで構成できる。
【0057】
また、電源供給端子部320は、電源供給ブッシュ321及び電源供給線330の端子331側のホール331aに対してセンタリングされたホール341aを備え、電流の外部流れを抑制する絶縁ブッシュ340を含んで構成できる。
【0058】
また、電源供給端子部320は、ヒーティングプレート311、絶縁ブッシュ340、電源供給線330の端子331、及び電源供給ブッシュ321に穿設された各ホール311a、321a、331a、341aを連続的に通過してヒーティングプレート311に各部品(絶縁ブッシュ340、電源供給線330の端子331、及び電源供給ブッシュ321)を固定させる固定手段を含んで構成できる。
【0059】
また、ヒーティングプレート311の上面に装着された絶縁ブッシュ340は、上部の直径が大きく、下部の直径が上部の直径に比べて小さい段差を有し、その下部は、電源供給線330の端子331に設けられたホール331aを通過する突出部341として突出した形状に構成できる。
【0060】
これにより、電源供給線330の端子331に設けられたホール331a内に突出部341が進入して電源供給線330の端子331の揺れ遊動と振動による緩みを遮断することができ、間隙の遊隔によるアーク発生を最小限に抑えることができる。
【0061】
また、ヒーティングプレート311の上面に装着された絶縁ブッシュ340は、電源供給線330の端子331側電流の外部流れを抑制し且つ耐久性を強化するセラミック素材の中から選択して製造することが好ましいことができる。
【0062】
また、ヒーティングプレート311、絶縁ブッシュ340、電源供給線330の端子331、及び電源供給ブッシュ321に穿設された各ホール311a、321a、331a、341aを連続的に通過してヒーティングプレート311に各部品を固定する固定手段は、
図10に示されているように構成できる。
【0063】
図10に示されているように、固定手段は、絶縁ブッシュ340、電源供給線330の端子331、電源供給ブッシュ321、及びヒーティングプレート311に穿設された各ホール341a、331a、321a、311aを連続的に通過してヒーティングプレート311の上面に絶縁ブッシュ340、電源供給線330の端子331、及び電源供給ブッシュ321を順次固定し、ヒーティングプレート311の下面においてナット351によって締結される固定ボルト350で構成できる。
【0064】
ここで、固定ボルト350は、他の締結要素で代替できるが、各部品を締め付けトルクで結束することができ、AS点検などのためにボルト及びナット締結要素が好ましい締結要素として選択できる。
【0065】
また、ヒーティングプレート311の下面とナット351との間には、各部品間の緊縮結合を誘導し且つ各部品間の変形と緩みを防止するためにワッシャーを介在することが好ましい。
【0066】
好ましくは、ヒーティングプレート311から近い位置に平ワッシャー352を締結し、その下部にはスプリングワッシャー353を2重に積層するものであり、これにより、固定ボルト350の締付力で各部品を緊密な状態で締結及び結束することができ、各部品間の間隙を減らして通電時にアーク発生を最小限に抑えることができる。
【0067】
このように、本発明による熱処理オーブンのヒーター電源供給装置は、熱処理オーブンのチャンバーに実装されたヒーターユニットに対する通電性能を効果的に向上させることができるという利点がある。
【0068】
また、熱処理オーブンのチャンバーに実装されたヒーターユニットの端子部から発生する耐久性の低下の問題とショート及び短絡などの問題とを解決することができるという利点がある。
【0069】
また、熱処理オーブンのチャンバーに実装されたヒーターユニットのバスバーからヒーティングプレートに通電される電流の流れの妨害及び干渉を最小限に抑えて電流の流れを安定的に維持させ、電気的接触を最小限に抑えて高品質、高信頼性の熱処理オーブンを製作することができるという利点がある。
【0070】
本発明は、図示された一実施形態を参照して説明されたが、実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱することなく修正及び変更して実施することができ、それらの修正と変更も本発明の技術思想に含まれると理解されるべきである。
【符号の説明】
【0071】
100 熱処理オーブン
200 チャンバー
300 ヒーターユニット
301 バスバー(busbar)
310 発熱体
311 ヒーティングプレート(Thick Flim Heater)
311a ホール
313 上部絶縁層
314 下部絶縁層
315 基板層
320 電源供給端子部
321 電源供給ブッシュ
321a ホール
330 電源供給線
331 端子
331a ホール
340 絶縁ブッシュ
341 突出部
341a ホール
350 固定ボルト
351 ナット
352 平ワッシャー
353 スプリングワッシャー